JPH0524874B2 - - Google Patents
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- JPH0524874B2 JPH0524874B2 JP63227601A JP22760188A JPH0524874B2 JP H0524874 B2 JPH0524874 B2 JP H0524874B2 JP 63227601 A JP63227601 A JP 63227601A JP 22760188 A JP22760188 A JP 22760188A JP H0524874 B2 JPH0524874 B2 JP H0524874B2
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Description
<産業上の利用分野>
本発明は、炭素繊維強化炭素複合材料の製造法
に関し、更に詳しくはフイラーとして炭素繊維
を、マトリツクスとしてコールタールピツチを用
いた高強度炭素複合材の製造方法に関するもので
ある。 <従来の技術> 炭素をマトリツクスとして、炭素繊維で強化し
た炭素複合材料は、炭素繊維強化炭素複合材料
(以下、C/Cコンポジツトという)と呼ばれ、
このC/Cコンポジツトは機械特性,耐熱特性,
耐蝕性,摩擦,制動特性に優れており、この特性
を利用してロケツトノズル,スペースシヤトルの
ノーズ及びリーデイングエツジ,航空機のブレー
キデイスクなどの宇宙航空機器部材として実用化
されている。最近では原子炉や核融合炉用第一壁
材料及び骨,関節などの医療用材料やタービン材
料としての実用化も進められている。 この様に優れた特性を有するC/Cコンポジツ
トの製造方法は種々あるが、炭素繊維のトウ,ク
ロス,フエルトなどにフエノール樹脂等の熱硬化
性樹脂を含浸させプリプレグをつくり、これらを
積層,硬化させて成形体をつくる方法が一般的で
ある。 炭素繊維そのものは、極端に異方性が強く、こ
の炭素繊維を補強材とした複合材料であるC/C
コンポジツトは異方性の強いものとなる。この炭
素繊維の異方性を緩和する方法としてトウを使つ
て三次元織物を織成し、この後でフエノール樹脂
等の熱硬化性樹脂を含浸させ、次いで加熱・硬化
させて成形体を得る方法も一般的に採用されてい
る。 マトリツクスとしては上記に示したフエノール
などの熱硬化性樹脂が一般に用いられている。し
かし、熱硬化性樹脂を用いた場合、賦形が容易と
いう利点はあるものの値段が高く、更にはこの樹
脂を炭素繊維に含浸させた後、加熱・硬化させる
プロセスにおいてかなり厳密な温度コントロール
が必要であり、またこのプロセス自体工程が複雑
であり多大の労力と時間を要する。 マトリツクスとしては、熱硬化性樹脂の他にピ
ツチで代表される熱可塑性樹脂も用いることがで
きる。ピツチは熱硬化性樹脂に比較して安価であ
るという利点はあるものの、ピツチの炭素化収率
が低く、更にピツチは溶融相を経て炭素化するた
めに、炭素化する過程でバブリングが起き、その
時生じた気孔はC/Cコンポジツト中に残る。こ
の気孔の存在のため、ピツチを再含浸させる緻密
化処理を多数回繰り返し行つても、C/Cコンポ
ジツトのカサ比重が上がらず(カサ比重:1.3〜
1.5g/cm3)、機械的強度がでない(曲げ強度:7
〜10Kg/mm2)という問題点がある。 <発明が解決しようとする課題> 本発明の目的は、フイラーとしてポリアクリロ
ニトリル系の炭素繊維を、マトリツクスとしてコ
ールタールピツチを用いて簡単なプロセスで、し
かも曲げ強度が20Kg/mm2以上の高強度C/Cコン
ポジツトを安価に製造する方法を提供するもので
ある。 <課題を解決するための手段> 本発明は、表面の酸素含有官能基量(OIS/
CIS)が0.05〜0.25,窒素含有官能基量(NIS/CIS)
が0.01〜0.10の範囲のポリアクリロニトリル系の
炭素繊維を二次元乃至三次元に配向させたもの
に、コールタールピツチを含浸させ、次いで含浸
させた状態で炭化処理を行い、次いでこの処理材
に実質的にキノリン不溶分を含まないコールター
ルピツチを含浸させ、引続き炭化処理を行う工程
を、カサ比重が1.5g/cm3以上になるまで繰り返
し、次いで1500〜3000℃の温度で黒鉛化処理する
ことを特徴とする高強度炭素複合材の製造方法で
ある。 但しCIS,OIS,NISはそれぞれX線光電子分光
法(ESCA)によりイオン化ポテンシヤル280〜
292eV,520〜540eV,395〜405eVの範囲で求め
たピーク面積である。 <作用> 次に本発明の内容を更に詳細に説明する。 C/Cコンポジツトの製造に使用される炭素繊
維の織り方は、繊維の配合方向で区別され、(1)ク
ロス積層材料,斜交積層材料などの繊維の二次元
配向、(2)二次元配向させた積層材料の厚さ方向に
垂直糸を配向させた三次元配向に分類できる。本
発明はこれら二次元及び三次元配向させた炭素繊
維をフイラーとして用いる。 炭素繊維の種類は原料で大別して、ポリアクリ
ロニトリル系,レーヨン系,ピツチ系があるが、
安価でしかも強度の大きい炭素繊維はポリアクリ
ロニトリル系であり、本発明ではポリアクリロニ
トリル系の高強度糸を用いる。 ところで炭素繊維とプラスチツクとからなる複
合材料(CFRP)の製造においては、炭素繊維と
プラスチツクとの間の接着力を増し、CFRPの強
度を大きくするために炭素繊維に予め表面処理を
行い炭素繊維の表面に酸素含有官能基及び窒素含
有官能基を導入する方法が採用されているが、本
発明者らはC/Cコンポジツト(CFRC)の製造
においても炭素繊維表面の酸素及び窒素含有官能
基量が重要であり、強度の点からOIS/CISの値が
0.05〜0.25,NIS/CISの値が0.01〜0.10の範囲内に
限定されることを見出した。 この酸素及び窒素含有官能基量はX線光電子分
光法(ESCA)によつて求められる。X線光電子
分光法によつて求められる炭素繊維表面のOIS/
CIS、即ち酸素原子数/炭素原子数は炭素繊維表
面の酸素含有官能基(カルボキシル基,ヒドロキ
シル基,カルボニル基など)の量を示すパラメー
タでありOIS/CISの値が大きい程酸素含有官能基
量が多い。また炭素繊維表面のNIS/CIS即ち窒素
原子数/炭素原子数は炭素繊維表面の窒素含有官
能基(アミド基,アミミノ基など)の量を示すパ
ラメータであり、NIS/CISの値が大きい程窒素含
有官能基量が多い。 炭素繊維表層のOIS及びNISの含有量の調整は繊
維表面に表面処理により、官能基を結合させるか
或いは繊維製造時の焼成温度を制御することによ
り行い得る。 ここで、ポリアクリロニトリル系の炭素繊維表
面に酸素含有官能基と窒素含有官能基との両方を
兼ね備えた炭素繊維とマトリツクス炭素との間に
は、C/C基材製造時における炭化処理、更には
緻密化処理における炭化処理において、化学的及
び物理的な接着力が形成される。コールタールピ
ツチが熱によつてコークス化する温度(500〜
1200℃)においてこの接着力が形成されると考え
られるが、この接着力の大きさは炭素繊維表面の
酸素及び窒素含有官能基量に依存している。即ち
ESCAによる炭素繊維表面のOIS/CISが0.05未満、
NIS/CISが0.01未満の炭素繊維では炭素繊維とマ
トリツクス炭素との間は接着力が弱く、C/Cコ
ンポジツトは強度がでない。炭素繊維表面の
OIS/CISが0.25超、NIS/CISが0.10超の炭素繊維を
用いれば、コールタールピツチからのマトリツク
ス炭素と炭素繊維の間には強固に接着されすぎて
炭化処理過程において、炭素繊維とマトリツクス
炭素との収縮率の違いから炭素繊維に傷や亀裂が
入り、C/Cコンポジツトは強度がでない。即ち
OIS/CISが0.05〜0.25,NIS/CISが0.01〜0.10の範
囲にある炭素繊維を用いることによつて500〜
1200℃の炭素処理において、炭素繊維とマトリツ
クス炭素との間に適度な接着力が形成される。 なお、ESCA分析は一般によく知られており、
たとえば「アロマテイツクス」第40巻、第1,2
号30〜35ページ(1988)等に詳しく記載されてい
るが、本発明の測定条件を以下に示す。 装置…V.G Scientific社製ESCA LAB−5 励起X線…AlK〓(1486.6eV) X線出力…100W 測定真空度…1.0×10-10mbar 測定温度…20℃ CISピーク面積はイオン化ポテンシヤル280〜
292eVの範囲で、OISピーク面積は520〜540eVの
範囲、NISピーク面積は395〜405eV範囲より求め
た。本発明においてOIS/CISはOISピーク面積と
CISピーク面積の比であり、NIS/CISはNISピーク
面積とCISピーク面積の比として定義されたもの
である。 次に本発明ではマトリツクスとなる炭素材の原
料は安価なコールタールピツチを用いる。高温乾
留コールタールからのピツチは、芳香族性に富み
炭化率,真比重が大きく、またその割りには粘性
が低いという特性を有しているので、C/Cコン
ポジツト用の原料マトリツクスとして適してい
る。ここで本発明のC/Cコンポジツト用のコー
ルタールピツチは、人造黒鉛電極,不浸透性黒鉛
など炭素製品の製造において、通常バインダーと
して用いられるバインダーピツチ、更にこれら炭
素製品の含浸工程でで用いられる含浸ピツチいず
れのピツチであつても良い。これらコールタール
ピツチは代表的な熱可塑性樹脂であり、軟化点で
流動化したピツチは温度を上昇させると、
0.5poise以下の粘性を示す液体となり、更に温度
を上げると、500〜600℃の温度においてコークス
化(炭素化)のために粘度が上昇し、ついには固
化する。 強度の出るC/Cコンポジツトを製造するため
にはこのマトリツクスであるコールタールピツチ
が炭素繊維のフイラメント間に充分に浸透するこ
とが重要であるが、ピツチは粘度が充分に低く、
表面張力の小さい特性を持つので、含浸材として
望ましい。 さらに、炭素繊維にマトリツクスを含浸した後
の炭化処理は、マトリツクスであるピツチ中に炭
素繊維を浸したまま行う。コールタールピツチは
熱可塑性なので、炭化処理過程で溶融するものの
この溶融ピツチが炭素繊維フイラメント間に充分
に浸透したまま炭化し、しかもバブリングで生じ
た気孔をまわりの溶融ピツチが埋めていくので、
炭化処理後に大きいクラツクや気孔がC/Cコン
ポジツト中に見られない。さらにこの方法だとピ
ツチ中に炭素繊維を浸したまま炭化処理するの
で、従来のプリプレグをつくりそれらを積層,成
形した後、炭化する方法に見られた、成形の際あ
るいは炭化の際のピツチ流出の問題は全くない。 ここでコールタールピツチは炭化処理によつて
熱分解あるいは低分子成分の揮発により重量が減
少し炭化終了後ピツチコークスとなる。この事を
考慮に入れて、二次元及び三次元配向炭素繊維と
コールタールピツチの使用比率は炭化終了後、ピ
ツチコークス中にC/Cコンポジツトが存在する
様に調製すれば良い。 更に詳しく説明すると、炭素繊維を二次元配向
させた平織,綾織,朱子織などの面状織物を所要
の枚数積層し、炭素繊維からなる積層体とする。
この積層体を保持するのは炭素材からなる板で上
下から締めつけプリフオームとする。三次元配向
させた炭素繊維の場合は、そのままピツチ含浸処
理すれば良い。この様に二次元配向させた面状織
物よりなる積層体及び三次元配向させた炭素繊維
に、溶融させたコールタールピツチを浸す含浸処
理はコールタールピツチが充分に低い粘度
(0.1poise以下)を呈する温度で行うことが望ま
しく、通常この含浸温度は150〜300℃である。 引き続き炭素繊維をピツチ中に浸したまま600
〜1000℃で炭化処理を行うが、この際常圧,加圧
及び減圧いずれの条件も良い。この炭化処理は昇
温を30〜600℃/hrという比較的速い速度で行う
ことができ、C/Cコンポジツトを効率よく容易
に製造できる。 このようにして得られたC/Cコンポジツトは
カサ密度,強度が充分ではなく、高密度,高強度
のC/Cコンポジツトを得るために更に常法によ
る含浸処理,炭化処理を適宜繰り返す必要がある
(緻密化処理)。この含浸処理に使用する含浸材は
安価なコールタールピツチが望ましい。このコー
ルタールピツチは芳香族性に富み炭化率,真比重
が大きく、特性の上からも好ましい。 ここでこのコールタールピツチは実質的にキノ
リン不溶分を含有しないことが重要である。ピツ
チ中のキノリン不溶分は固体粒子でありこの粒子
が炭素材中の気孔を閉塞させ、従つて含浸操作に
おける含浸材の浸透速度を著しく小さくするから
である。 この含浸処理での再炭化処理は800〜1200℃で
行う。この含浸−再炭化処理は2〜6回の繰り返
しでカサ比重1.5g/cm3以上の値を有するC/Cコ
ンポジツトを得ることができる。 本発明による高強度C/Cコンポジツトの製造
法はこの様にして得られたカサ比重1.5g/cm3以上
のC/Cコンポジツトを最後に1500〜3000℃の温
度で黒鉛化処理することに特徴がある。 ここでカサ比重1.5g/cm3以上のものでなければ
ならない理由は、カサ比重が1.5g/cm3以下の低密
度のC/Cコンポジツトは気孔が多いために元々
強度がでないし、また1500〜3000℃で処理しても
強度がでないからである。 本発明者らは上記のカサ比重1.5g/cm3以上の
C/Cコンポジツトを1500〜3000℃の温度で黒鉛
化処理することにより曲げ強度が20Kg/mm2以上が
容易に達成できることを見出した。 即ち炭素繊維とマトリツクス炭素との間に500
〜1200℃の炭化処理によつて適度な接着力が形成
されるが、この接着力の形成と同時に繊維周辺の
マトリツクス炭素には集中応力が発生する。しか
しこのC/Cコンポジツトを1500〜3000℃に黒鉛
化処理することによつてこの応力は解放及び緩和
される。この残留応力の解放及び緩和がC/Cコ
ンポジツトの高強度化に大きく寄与している。
1500℃以下だとマトリツクス炭素の黒鉛化が不充
分で応力の解放がおこらない。3000℃を超えると
かえつて黒鉛化が進みすぎてマトリツクス炭素の
層状割れが発生して結局C/Cコンポジツトの強
度が低下してしまう。従つて、黒鉛化処理温度は
1500〜3000℃に限定される。 本発明はマトリツクスとしてコールタールピツ
チについて説明してきたが、これに限るものでは
なく石油系ピツチについても同一方法で高強度の
C/Cコンポジツトが製造できる。 <実施例> 実施例 1 三次元配向させた繊維径8〓mの炭素繊維(使
用糸ポリアクリロニトリル系,ESCAによる炭素
繊維表面のOIS/CIS=0.10,NIS/CIS=0.05の特性
を有するもの)を含浸槽に装入し、220℃に溶融
させたコールタールピツチ(軟化点=90.0℃,ベ
ンゼン不溶分=30.7wt%,キノリン不溶分=
9.0wt%,これらのピツチの特性の測定はJIS K
−2425に従つた。以下同じ)を真空下において含
浸槽に注入し、炭素繊維にピツチを含浸させた。
引き続いて常圧下において昇温速度200℃/hrで
窒素ガス雰囲気中炭素繊維をピツチ中に浸したま
ま600℃まで炭化し、更にこの温度で1時間保持
した。次に含浸槽より成型体を取り出した後、窒
素ガス雰囲気中300℃/hrの昇温速度で1000℃ま
で昇温し、C/Cコンポジツト(C/C基材)を
得た。このC/C基材はカサ比重1.08g/cm3であ
つた。 更にこのC/C基材にコールタールピツチ(軟
化点=87.0℃,ベンゼン不溶分=18.0wt%,キノ
リン不溶分=trace)を真空下210℃で含浸した
後、この成型体を窒素雰囲気中で20℃/hrの昇温
速度で1000℃まで炭化処理した。この含浸炭化処
理を合計4回繰り返してカサ比重1.60g/cm3,曲
げ強度12.5Kg/mm2のC/Cコンポジツトを得た。 このC/Cコンポジツトをアルゴンガス雰囲気
中200℃/hrの昇温速度で2500℃で処理し、黒鉛
化処理したC/Cコンポジツトを得た。 この特性はカサ比重1.58g/cm3,曲げ強度28.5
Kg/mm2の高強度であつた。 この特性試験における試験片は50×10×1.5mm
(長さ×幅×厚み)の直方体でありカサ密度は試
験片の乾燥重量及び寸法から求めた体積より求め
た。曲げ強度は三点曲げ試験法を用い、支点間距
離40mmとしオートグラフにおけるクロスヘツド速
度は1mm/minとした。ナイフエツジの規格は
JIS K6911に定められたもので、支点エツジ先端
の曲率半径は2mm,加圧くさび先端の曲率半径は
5mmである。測定試験数は3ケである。 実施例 2 実施例1において炭素繊維表面の酸素及び窒素
含有官能基量を変えた炭素繊維を使用する以外は
全く同一条件でC/Cコンポジツトを製造した。
いずれの炭素繊維からも曲げ強度20Kg/mm2以上の
特性を有する高強度C/Cコンポジツトを得た。 この結果を表1に示した。 実施例 3 実施例1において、4回緻密化処理後のC/C
コンポジツト(カサ比重1.60g/cm3,曲げ強度
12.5Kg/mm2)をアルゴンガス雰囲気中200℃/hr
の昇温速度で1500℃及び3000℃で黒鉛化処理して
C/Cコンポジツトを得た。いずれも曲げ強度20
Kg/mm2以上の特性を有する高強度C/Cコンポジ
ツトを得た。 この結果を表1に示す。 比較例 1 実施例1において、炭素繊維表面の酸素及び窒
素含有官能基量を変えた炭素繊維を使用する以外
は全く同一条件でC/Cコンポジツトを製造し
た。これらの炭素繊維はESCAによる炭素繊維表
面のOIS/CIS,NIS/CISがそれぞれ本発明の範囲
外のものであり、この炭素繊維から得られるC/
Cコンポジツトは曲げ強度10〜15Kg/mm2の特性で
あつた。 この結果を表1に示す。 比較例 2 実施例1において4回緻密化処理後のC/Cコ
ンポジツト(カサ比重1.60g/cm3,曲げ強度12.5
Kg/mm2)をアルゴンガス雰囲気中200℃/hrの昇
温速度で1400℃及び3080℃で黒鉛化処理してC/
Cコンポジツトを得た。このC/Cコンポジツト
は最終の黒鉛化処理温度が本発明の範囲外のもの
でありこの様にして得られたC/Cコンポジツト
は曲げ強度15Kg/mm2前後の特性であつた。 この結果を表1に示した。
に関し、更に詳しくはフイラーとして炭素繊維
を、マトリツクスとしてコールタールピツチを用
いた高強度炭素複合材の製造方法に関するもので
ある。 <従来の技術> 炭素をマトリツクスとして、炭素繊維で強化し
た炭素複合材料は、炭素繊維強化炭素複合材料
(以下、C/Cコンポジツトという)と呼ばれ、
このC/Cコンポジツトは機械特性,耐熱特性,
耐蝕性,摩擦,制動特性に優れており、この特性
を利用してロケツトノズル,スペースシヤトルの
ノーズ及びリーデイングエツジ,航空機のブレー
キデイスクなどの宇宙航空機器部材として実用化
されている。最近では原子炉や核融合炉用第一壁
材料及び骨,関節などの医療用材料やタービン材
料としての実用化も進められている。 この様に優れた特性を有するC/Cコンポジツ
トの製造方法は種々あるが、炭素繊維のトウ,ク
ロス,フエルトなどにフエノール樹脂等の熱硬化
性樹脂を含浸させプリプレグをつくり、これらを
積層,硬化させて成形体をつくる方法が一般的で
ある。 炭素繊維そのものは、極端に異方性が強く、こ
の炭素繊維を補強材とした複合材料であるC/C
コンポジツトは異方性の強いものとなる。この炭
素繊維の異方性を緩和する方法としてトウを使つ
て三次元織物を織成し、この後でフエノール樹脂
等の熱硬化性樹脂を含浸させ、次いで加熱・硬化
させて成形体を得る方法も一般的に採用されてい
る。 マトリツクスとしては上記に示したフエノール
などの熱硬化性樹脂が一般に用いられている。し
かし、熱硬化性樹脂を用いた場合、賦形が容易と
いう利点はあるものの値段が高く、更にはこの樹
脂を炭素繊維に含浸させた後、加熱・硬化させる
プロセスにおいてかなり厳密な温度コントロール
が必要であり、またこのプロセス自体工程が複雑
であり多大の労力と時間を要する。 マトリツクスとしては、熱硬化性樹脂の他にピ
ツチで代表される熱可塑性樹脂も用いることがで
きる。ピツチは熱硬化性樹脂に比較して安価であ
るという利点はあるものの、ピツチの炭素化収率
が低く、更にピツチは溶融相を経て炭素化するた
めに、炭素化する過程でバブリングが起き、その
時生じた気孔はC/Cコンポジツト中に残る。こ
の気孔の存在のため、ピツチを再含浸させる緻密
化処理を多数回繰り返し行つても、C/Cコンポ
ジツトのカサ比重が上がらず(カサ比重:1.3〜
1.5g/cm3)、機械的強度がでない(曲げ強度:7
〜10Kg/mm2)という問題点がある。 <発明が解決しようとする課題> 本発明の目的は、フイラーとしてポリアクリロ
ニトリル系の炭素繊維を、マトリツクスとしてコ
ールタールピツチを用いて簡単なプロセスで、し
かも曲げ強度が20Kg/mm2以上の高強度C/Cコン
ポジツトを安価に製造する方法を提供するもので
ある。 <課題を解決するための手段> 本発明は、表面の酸素含有官能基量(OIS/
CIS)が0.05〜0.25,窒素含有官能基量(NIS/CIS)
が0.01〜0.10の範囲のポリアクリロニトリル系の
炭素繊維を二次元乃至三次元に配向させたもの
に、コールタールピツチを含浸させ、次いで含浸
させた状態で炭化処理を行い、次いでこの処理材
に実質的にキノリン不溶分を含まないコールター
ルピツチを含浸させ、引続き炭化処理を行う工程
を、カサ比重が1.5g/cm3以上になるまで繰り返
し、次いで1500〜3000℃の温度で黒鉛化処理する
ことを特徴とする高強度炭素複合材の製造方法で
ある。 但しCIS,OIS,NISはそれぞれX線光電子分光
法(ESCA)によりイオン化ポテンシヤル280〜
292eV,520〜540eV,395〜405eVの範囲で求め
たピーク面積である。 <作用> 次に本発明の内容を更に詳細に説明する。 C/Cコンポジツトの製造に使用される炭素繊
維の織り方は、繊維の配合方向で区別され、(1)ク
ロス積層材料,斜交積層材料などの繊維の二次元
配向、(2)二次元配向させた積層材料の厚さ方向に
垂直糸を配向させた三次元配向に分類できる。本
発明はこれら二次元及び三次元配向させた炭素繊
維をフイラーとして用いる。 炭素繊維の種類は原料で大別して、ポリアクリ
ロニトリル系,レーヨン系,ピツチ系があるが、
安価でしかも強度の大きい炭素繊維はポリアクリ
ロニトリル系であり、本発明ではポリアクリロニ
トリル系の高強度糸を用いる。 ところで炭素繊維とプラスチツクとからなる複
合材料(CFRP)の製造においては、炭素繊維と
プラスチツクとの間の接着力を増し、CFRPの強
度を大きくするために炭素繊維に予め表面処理を
行い炭素繊維の表面に酸素含有官能基及び窒素含
有官能基を導入する方法が採用されているが、本
発明者らはC/Cコンポジツト(CFRC)の製造
においても炭素繊維表面の酸素及び窒素含有官能
基量が重要であり、強度の点からOIS/CISの値が
0.05〜0.25,NIS/CISの値が0.01〜0.10の範囲内に
限定されることを見出した。 この酸素及び窒素含有官能基量はX線光電子分
光法(ESCA)によつて求められる。X線光電子
分光法によつて求められる炭素繊維表面のOIS/
CIS、即ち酸素原子数/炭素原子数は炭素繊維表
面の酸素含有官能基(カルボキシル基,ヒドロキ
シル基,カルボニル基など)の量を示すパラメー
タでありOIS/CISの値が大きい程酸素含有官能基
量が多い。また炭素繊維表面のNIS/CIS即ち窒素
原子数/炭素原子数は炭素繊維表面の窒素含有官
能基(アミド基,アミミノ基など)の量を示すパ
ラメータであり、NIS/CISの値が大きい程窒素含
有官能基量が多い。 炭素繊維表層のOIS及びNISの含有量の調整は繊
維表面に表面処理により、官能基を結合させるか
或いは繊維製造時の焼成温度を制御することによ
り行い得る。 ここで、ポリアクリロニトリル系の炭素繊維表
面に酸素含有官能基と窒素含有官能基との両方を
兼ね備えた炭素繊維とマトリツクス炭素との間に
は、C/C基材製造時における炭化処理、更には
緻密化処理における炭化処理において、化学的及
び物理的な接着力が形成される。コールタールピ
ツチが熱によつてコークス化する温度(500〜
1200℃)においてこの接着力が形成されると考え
られるが、この接着力の大きさは炭素繊維表面の
酸素及び窒素含有官能基量に依存している。即ち
ESCAによる炭素繊維表面のOIS/CISが0.05未満、
NIS/CISが0.01未満の炭素繊維では炭素繊維とマ
トリツクス炭素との間は接着力が弱く、C/Cコ
ンポジツトは強度がでない。炭素繊維表面の
OIS/CISが0.25超、NIS/CISが0.10超の炭素繊維を
用いれば、コールタールピツチからのマトリツク
ス炭素と炭素繊維の間には強固に接着されすぎて
炭化処理過程において、炭素繊維とマトリツクス
炭素との収縮率の違いから炭素繊維に傷や亀裂が
入り、C/Cコンポジツトは強度がでない。即ち
OIS/CISが0.05〜0.25,NIS/CISが0.01〜0.10の範
囲にある炭素繊維を用いることによつて500〜
1200℃の炭素処理において、炭素繊維とマトリツ
クス炭素との間に適度な接着力が形成される。 なお、ESCA分析は一般によく知られており、
たとえば「アロマテイツクス」第40巻、第1,2
号30〜35ページ(1988)等に詳しく記載されてい
るが、本発明の測定条件を以下に示す。 装置…V.G Scientific社製ESCA LAB−5 励起X線…AlK〓(1486.6eV) X線出力…100W 測定真空度…1.0×10-10mbar 測定温度…20℃ CISピーク面積はイオン化ポテンシヤル280〜
292eVの範囲で、OISピーク面積は520〜540eVの
範囲、NISピーク面積は395〜405eV範囲より求め
た。本発明においてOIS/CISはOISピーク面積と
CISピーク面積の比であり、NIS/CISはNISピーク
面積とCISピーク面積の比として定義されたもの
である。 次に本発明ではマトリツクスとなる炭素材の原
料は安価なコールタールピツチを用いる。高温乾
留コールタールからのピツチは、芳香族性に富み
炭化率,真比重が大きく、またその割りには粘性
が低いという特性を有しているので、C/Cコン
ポジツト用の原料マトリツクスとして適してい
る。ここで本発明のC/Cコンポジツト用のコー
ルタールピツチは、人造黒鉛電極,不浸透性黒鉛
など炭素製品の製造において、通常バインダーと
して用いられるバインダーピツチ、更にこれら炭
素製品の含浸工程でで用いられる含浸ピツチいず
れのピツチであつても良い。これらコールタール
ピツチは代表的な熱可塑性樹脂であり、軟化点で
流動化したピツチは温度を上昇させると、
0.5poise以下の粘性を示す液体となり、更に温度
を上げると、500〜600℃の温度においてコークス
化(炭素化)のために粘度が上昇し、ついには固
化する。 強度の出るC/Cコンポジツトを製造するため
にはこのマトリツクスであるコールタールピツチ
が炭素繊維のフイラメント間に充分に浸透するこ
とが重要であるが、ピツチは粘度が充分に低く、
表面張力の小さい特性を持つので、含浸材として
望ましい。 さらに、炭素繊維にマトリツクスを含浸した後
の炭化処理は、マトリツクスであるピツチ中に炭
素繊維を浸したまま行う。コールタールピツチは
熱可塑性なので、炭化処理過程で溶融するものの
この溶融ピツチが炭素繊維フイラメント間に充分
に浸透したまま炭化し、しかもバブリングで生じ
た気孔をまわりの溶融ピツチが埋めていくので、
炭化処理後に大きいクラツクや気孔がC/Cコン
ポジツト中に見られない。さらにこの方法だとピ
ツチ中に炭素繊維を浸したまま炭化処理するの
で、従来のプリプレグをつくりそれらを積層,成
形した後、炭化する方法に見られた、成形の際あ
るいは炭化の際のピツチ流出の問題は全くない。 ここでコールタールピツチは炭化処理によつて
熱分解あるいは低分子成分の揮発により重量が減
少し炭化終了後ピツチコークスとなる。この事を
考慮に入れて、二次元及び三次元配向炭素繊維と
コールタールピツチの使用比率は炭化終了後、ピ
ツチコークス中にC/Cコンポジツトが存在する
様に調製すれば良い。 更に詳しく説明すると、炭素繊維を二次元配向
させた平織,綾織,朱子織などの面状織物を所要
の枚数積層し、炭素繊維からなる積層体とする。
この積層体を保持するのは炭素材からなる板で上
下から締めつけプリフオームとする。三次元配向
させた炭素繊維の場合は、そのままピツチ含浸処
理すれば良い。この様に二次元配向させた面状織
物よりなる積層体及び三次元配向させた炭素繊維
に、溶融させたコールタールピツチを浸す含浸処
理はコールタールピツチが充分に低い粘度
(0.1poise以下)を呈する温度で行うことが望ま
しく、通常この含浸温度は150〜300℃である。 引き続き炭素繊維をピツチ中に浸したまま600
〜1000℃で炭化処理を行うが、この際常圧,加圧
及び減圧いずれの条件も良い。この炭化処理は昇
温を30〜600℃/hrという比較的速い速度で行う
ことができ、C/Cコンポジツトを効率よく容易
に製造できる。 このようにして得られたC/Cコンポジツトは
カサ密度,強度が充分ではなく、高密度,高強度
のC/Cコンポジツトを得るために更に常法によ
る含浸処理,炭化処理を適宜繰り返す必要がある
(緻密化処理)。この含浸処理に使用する含浸材は
安価なコールタールピツチが望ましい。このコー
ルタールピツチは芳香族性に富み炭化率,真比重
が大きく、特性の上からも好ましい。 ここでこのコールタールピツチは実質的にキノ
リン不溶分を含有しないことが重要である。ピツ
チ中のキノリン不溶分は固体粒子でありこの粒子
が炭素材中の気孔を閉塞させ、従つて含浸操作に
おける含浸材の浸透速度を著しく小さくするから
である。 この含浸処理での再炭化処理は800〜1200℃で
行う。この含浸−再炭化処理は2〜6回の繰り返
しでカサ比重1.5g/cm3以上の値を有するC/Cコ
ンポジツトを得ることができる。 本発明による高強度C/Cコンポジツトの製造
法はこの様にして得られたカサ比重1.5g/cm3以上
のC/Cコンポジツトを最後に1500〜3000℃の温
度で黒鉛化処理することに特徴がある。 ここでカサ比重1.5g/cm3以上のものでなければ
ならない理由は、カサ比重が1.5g/cm3以下の低密
度のC/Cコンポジツトは気孔が多いために元々
強度がでないし、また1500〜3000℃で処理しても
強度がでないからである。 本発明者らは上記のカサ比重1.5g/cm3以上の
C/Cコンポジツトを1500〜3000℃の温度で黒鉛
化処理することにより曲げ強度が20Kg/mm2以上が
容易に達成できることを見出した。 即ち炭素繊維とマトリツクス炭素との間に500
〜1200℃の炭化処理によつて適度な接着力が形成
されるが、この接着力の形成と同時に繊維周辺の
マトリツクス炭素には集中応力が発生する。しか
しこのC/Cコンポジツトを1500〜3000℃に黒鉛
化処理することによつてこの応力は解放及び緩和
される。この残留応力の解放及び緩和がC/Cコ
ンポジツトの高強度化に大きく寄与している。
1500℃以下だとマトリツクス炭素の黒鉛化が不充
分で応力の解放がおこらない。3000℃を超えると
かえつて黒鉛化が進みすぎてマトリツクス炭素の
層状割れが発生して結局C/Cコンポジツトの強
度が低下してしまう。従つて、黒鉛化処理温度は
1500〜3000℃に限定される。 本発明はマトリツクスとしてコールタールピツ
チについて説明してきたが、これに限るものでは
なく石油系ピツチについても同一方法で高強度の
C/Cコンポジツトが製造できる。 <実施例> 実施例 1 三次元配向させた繊維径8〓mの炭素繊維(使
用糸ポリアクリロニトリル系,ESCAによる炭素
繊維表面のOIS/CIS=0.10,NIS/CIS=0.05の特性
を有するもの)を含浸槽に装入し、220℃に溶融
させたコールタールピツチ(軟化点=90.0℃,ベ
ンゼン不溶分=30.7wt%,キノリン不溶分=
9.0wt%,これらのピツチの特性の測定はJIS K
−2425に従つた。以下同じ)を真空下において含
浸槽に注入し、炭素繊維にピツチを含浸させた。
引き続いて常圧下において昇温速度200℃/hrで
窒素ガス雰囲気中炭素繊維をピツチ中に浸したま
ま600℃まで炭化し、更にこの温度で1時間保持
した。次に含浸槽より成型体を取り出した後、窒
素ガス雰囲気中300℃/hrの昇温速度で1000℃ま
で昇温し、C/Cコンポジツト(C/C基材)を
得た。このC/C基材はカサ比重1.08g/cm3であ
つた。 更にこのC/C基材にコールタールピツチ(軟
化点=87.0℃,ベンゼン不溶分=18.0wt%,キノ
リン不溶分=trace)を真空下210℃で含浸した
後、この成型体を窒素雰囲気中で20℃/hrの昇温
速度で1000℃まで炭化処理した。この含浸炭化処
理を合計4回繰り返してカサ比重1.60g/cm3,曲
げ強度12.5Kg/mm2のC/Cコンポジツトを得た。 このC/Cコンポジツトをアルゴンガス雰囲気
中200℃/hrの昇温速度で2500℃で処理し、黒鉛
化処理したC/Cコンポジツトを得た。 この特性はカサ比重1.58g/cm3,曲げ強度28.5
Kg/mm2の高強度であつた。 この特性試験における試験片は50×10×1.5mm
(長さ×幅×厚み)の直方体でありカサ密度は試
験片の乾燥重量及び寸法から求めた体積より求め
た。曲げ強度は三点曲げ試験法を用い、支点間距
離40mmとしオートグラフにおけるクロスヘツド速
度は1mm/minとした。ナイフエツジの規格は
JIS K6911に定められたもので、支点エツジ先端
の曲率半径は2mm,加圧くさび先端の曲率半径は
5mmである。測定試験数は3ケである。 実施例 2 実施例1において炭素繊維表面の酸素及び窒素
含有官能基量を変えた炭素繊維を使用する以外は
全く同一条件でC/Cコンポジツトを製造した。
いずれの炭素繊維からも曲げ強度20Kg/mm2以上の
特性を有する高強度C/Cコンポジツトを得た。 この結果を表1に示した。 実施例 3 実施例1において、4回緻密化処理後のC/C
コンポジツト(カサ比重1.60g/cm3,曲げ強度
12.5Kg/mm2)をアルゴンガス雰囲気中200℃/hr
の昇温速度で1500℃及び3000℃で黒鉛化処理して
C/Cコンポジツトを得た。いずれも曲げ強度20
Kg/mm2以上の特性を有する高強度C/Cコンポジ
ツトを得た。 この結果を表1に示す。 比較例 1 実施例1において、炭素繊維表面の酸素及び窒
素含有官能基量を変えた炭素繊維を使用する以外
は全く同一条件でC/Cコンポジツトを製造し
た。これらの炭素繊維はESCAによる炭素繊維表
面のOIS/CIS,NIS/CISがそれぞれ本発明の範囲
外のものであり、この炭素繊維から得られるC/
Cコンポジツトは曲げ強度10〜15Kg/mm2の特性で
あつた。 この結果を表1に示す。 比較例 2 実施例1において4回緻密化処理後のC/Cコ
ンポジツト(カサ比重1.60g/cm3,曲げ強度12.5
Kg/mm2)をアルゴンガス雰囲気中200℃/hrの昇
温速度で1400℃及び3080℃で黒鉛化処理してC/
Cコンポジツトを得た。このC/Cコンポジツト
は最終の黒鉛化処理温度が本発明の範囲外のもの
でありこの様にして得られたC/Cコンポジツト
は曲げ強度15Kg/mm2前後の特性であつた。 この結果を表1に示した。
【表】
【表】
実施例 4
二次元配向させた繊維径7〓mの炭素繊維の平
織面状織物を15枚積層し、これを外枠のみ炭素材
の板で上下から締めつけてプリフオームとした。
この炭素繊維はポリアクリロニトリル系のもので
ありESCAによる炭素繊維表面のOIS/CIS=0.12,
NIS/CIS=0.05の特性を有するものである。この
プリフオームを含浸槽に装入し、200℃に溶融さ
せたコールタールピツチ(軟化点=80.5℃,ベン
ゼン不溶分=15.8wt%,キノリン不溶分=3.5wt
%)を真空下において含浸槽に注入し、炭素繊維
にピツチを含浸させた。引き続いて常圧下におい
て昇温速度120℃/hrで窒素ガス雰囲気中炭素繊
維をピツチ中に浸したまま600℃まで炭化し、更
にこの温度で1時間保持した。次に含浸槽より成
型体を取り出した後、窒素ガス雰囲気中300℃/
hrの昇温速度で1000℃まで昇温し、C/Cコンポ
ジツト(C/C基材)を得た。このC/C基材は
カサ比重1.17g/cm3でつた。更にこのC/C基材
にコールタールピツチ(軟化点=87.0℃,ベンゼ
ン不溶分=18.0wt%,キノリン不溶分=trace)
を真空下210℃で含浸した後、この成型体を窒素
雰囲気中で10℃/hrの昇温速度で1000℃まで炭化
処理した。この含浸炭化理を合計5回繰り返して
カサ比重1.70g/cm3,曲げ強度17.5Kg/mm2の特性
を有するC/Cコンポジツトを得た。 このC/Cコンポジツトをアルゴンガス雰囲気
中200℃/hrの昇温速度で2000℃で処理し、黒鉛
化処理したC/Cコンポジツトを得た。 この特性はカサ比重1.69g/cm3,曲げ強度34.8
Kg/mm2の高強度であつた。 比較例 3 実施例4におけるC/Cコンポジツトの製造法
において、緻密化処理における含浸−炭化処理を
合計2回繰り返す以外全く同一条件でC/Cコン
ポジツトを得た。合計2回の緻密化処理後(1000
℃処理品)の特性はカサ比重1.40g/cm3,曲げ強
度7.2Kg/mm2であつた。このC/Cコンポジツト
を2000℃で処理した黒鉛化処理した。このものは
カサ比重1.39/cm3,曲げ強度10.8Kg/mm2の特性で
あつた。 比較例 4 実施例1におけるC/Cコンポジツトの製造法
において三次元配向させた炭素繊維として繊維径
11〓mのピツチ系炭素繊維(ESCAによる炭素繊
維表面のOIS/CIS=0.16,NIS/CIS=0.02)を用い
る以外全く同一条件でC/Cコンポジツトを製造
した。 このものはカサ比重1.72g/cm3,曲げ強度12.8
Kg/mm2の特性であつた。 実施例 5 三次元配向させた繊維径8〓mの炭素繊維(使
用糸ポリアクリロニトリル系,ESCAによる炭素
繊維表面のOIS/CIS=0.14,NIS/CIS=0.03の特性
を有するもの)を含浸槽に装入し230℃に溶融さ
せた石油系ピツチ(軟化点=108.0℃,ベンゼン
不溶分=13.0wt%,キノリン不溶分=trace)を
真空下において含浸槽に注入し炭素繊維にピツチ
を含浸させた。引き続いて常圧下において昇温速
度200℃/hrで窒素ガス雰囲気中炭素繊維をピツ
チ中に浸したまま600℃で炭化処理して更にこの
温度で1時間保持した。次に含浸槽より成型体を
取り出した後、窒素ガス雰囲気中300℃/hrの昇
温速度で1000℃まで昇温し、C/Cコンポジツト
(C/C基材)を得た。このC/C基材はカサ比
重1.12g/cm3であつた。更にこのC/C基材に上
記の石油系ピツチを真空下で230℃で含浸した後、
この成型体を20℃/hrの昇温速度で1000℃まで炭
化処理した。この含浸炭化処理を合計4回繰り返
してカサ比重1.66g/cm3,曲げ強度13.8Kg/mm2の
C/Cコンポジツトを得た。このC/Cコンポジ
ツトをアルゴンガス雰囲気中200℃/hrの昇温速
度で2000℃で処理し黒鉛化処理したC/Cコンポ
ジツトを得た。 この特性はカサ比重1.65g/cm3、曲げ強度28.9
℃/mm2の高強度であつた。 <発明の効果> このように本発明により、ポリアクリロニトリ
ル系の炭素繊維表面に酸素含有官能基と窒素含有
官能基の両方を兼ね備えたものをフイラーとし、
安価なコールタールピツチをマトリツクスとし、
製造プロセスの最後に1500〜3000℃で黒鉛化処理
することによる比較的簡単なプロセスで生産性良
く、曲げ強度20Kg/mm2以上の高強度C/Cコンポ
ジツトが得られるので、産業への波及効果は非常
に大きいものがある。
織面状織物を15枚積層し、これを外枠のみ炭素材
の板で上下から締めつけてプリフオームとした。
この炭素繊維はポリアクリロニトリル系のもので
ありESCAによる炭素繊維表面のOIS/CIS=0.12,
NIS/CIS=0.05の特性を有するものである。この
プリフオームを含浸槽に装入し、200℃に溶融さ
せたコールタールピツチ(軟化点=80.5℃,ベン
ゼン不溶分=15.8wt%,キノリン不溶分=3.5wt
%)を真空下において含浸槽に注入し、炭素繊維
にピツチを含浸させた。引き続いて常圧下におい
て昇温速度120℃/hrで窒素ガス雰囲気中炭素繊
維をピツチ中に浸したまま600℃まで炭化し、更
にこの温度で1時間保持した。次に含浸槽より成
型体を取り出した後、窒素ガス雰囲気中300℃/
hrの昇温速度で1000℃まで昇温し、C/Cコンポ
ジツト(C/C基材)を得た。このC/C基材は
カサ比重1.17g/cm3でつた。更にこのC/C基材
にコールタールピツチ(軟化点=87.0℃,ベンゼ
ン不溶分=18.0wt%,キノリン不溶分=trace)
を真空下210℃で含浸した後、この成型体を窒素
雰囲気中で10℃/hrの昇温速度で1000℃まで炭化
処理した。この含浸炭化理を合計5回繰り返して
カサ比重1.70g/cm3,曲げ強度17.5Kg/mm2の特性
を有するC/Cコンポジツトを得た。 このC/Cコンポジツトをアルゴンガス雰囲気
中200℃/hrの昇温速度で2000℃で処理し、黒鉛
化処理したC/Cコンポジツトを得た。 この特性はカサ比重1.69g/cm3,曲げ強度34.8
Kg/mm2の高強度であつた。 比較例 3 実施例4におけるC/Cコンポジツトの製造法
において、緻密化処理における含浸−炭化処理を
合計2回繰り返す以外全く同一条件でC/Cコン
ポジツトを得た。合計2回の緻密化処理後(1000
℃処理品)の特性はカサ比重1.40g/cm3,曲げ強
度7.2Kg/mm2であつた。このC/Cコンポジツト
を2000℃で処理した黒鉛化処理した。このものは
カサ比重1.39/cm3,曲げ強度10.8Kg/mm2の特性で
あつた。 比較例 4 実施例1におけるC/Cコンポジツトの製造法
において三次元配向させた炭素繊維として繊維径
11〓mのピツチ系炭素繊維(ESCAによる炭素繊
維表面のOIS/CIS=0.16,NIS/CIS=0.02)を用い
る以外全く同一条件でC/Cコンポジツトを製造
した。 このものはカサ比重1.72g/cm3,曲げ強度12.8
Kg/mm2の特性であつた。 実施例 5 三次元配向させた繊維径8〓mの炭素繊維(使
用糸ポリアクリロニトリル系,ESCAによる炭素
繊維表面のOIS/CIS=0.14,NIS/CIS=0.03の特性
を有するもの)を含浸槽に装入し230℃に溶融さ
せた石油系ピツチ(軟化点=108.0℃,ベンゼン
不溶分=13.0wt%,キノリン不溶分=trace)を
真空下において含浸槽に注入し炭素繊維にピツチ
を含浸させた。引き続いて常圧下において昇温速
度200℃/hrで窒素ガス雰囲気中炭素繊維をピツ
チ中に浸したまま600℃で炭化処理して更にこの
温度で1時間保持した。次に含浸槽より成型体を
取り出した後、窒素ガス雰囲気中300℃/hrの昇
温速度で1000℃まで昇温し、C/Cコンポジツト
(C/C基材)を得た。このC/C基材はカサ比
重1.12g/cm3であつた。更にこのC/C基材に上
記の石油系ピツチを真空下で230℃で含浸した後、
この成型体を20℃/hrの昇温速度で1000℃まで炭
化処理した。この含浸炭化処理を合計4回繰り返
してカサ比重1.66g/cm3,曲げ強度13.8Kg/mm2の
C/Cコンポジツトを得た。このC/Cコンポジ
ツトをアルゴンガス雰囲気中200℃/hrの昇温速
度で2000℃で処理し黒鉛化処理したC/Cコンポ
ジツトを得た。 この特性はカサ比重1.65g/cm3、曲げ強度28.9
℃/mm2の高強度であつた。 <発明の効果> このように本発明により、ポリアクリロニトリ
ル系の炭素繊維表面に酸素含有官能基と窒素含有
官能基の両方を兼ね備えたものをフイラーとし、
安価なコールタールピツチをマトリツクスとし、
製造プロセスの最後に1500〜3000℃で黒鉛化処理
することによる比較的簡単なプロセスで生産性良
く、曲げ強度20Kg/mm2以上の高強度C/Cコンポ
ジツトが得られるので、産業への波及効果は非常
に大きいものがある。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 表面の酸素含有官能基量(OIS/CiS)が0.05
〜0.25,窒素含有官能基量(NIS/CIS)が0.01〜
0.10の範囲のポリアクリロニトリル系の炭素繊維
を二次元乃至三次元に配向させたものに、コール
タールピツチを含浸させ、次いで含浸させた状態
で炭化処理を行い、次いでこの処理材に実質的に
キノリン不溶分を含まないコールタールピツチを
含浸させ、引続き炭化処理を行う工程を、カサ比
重が1.5g/cm3以上になるまで繰り返し、次いで
1500〜3000℃の温度で黒鉛化処理することを特徴
とする高強度炭素複合材の製造方法。 但しCIS,OIS,NISはそれぞれX線光電子分光
法(ESCA)によりイオン化ポテンシヤル280〜
292eV,520〜540eV,395〜405eVの範囲で求め
たピーク面積である。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63227601A JPH0280369A (ja) | 1988-09-13 | 1988-09-13 | 高強度炭素複合材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63227601A JPH0280369A (ja) | 1988-09-13 | 1988-09-13 | 高強度炭素複合材の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0280369A JPH0280369A (ja) | 1990-03-20 |
| JPH0524874B2 true JPH0524874B2 (ja) | 1993-04-09 |
Family
ID=16863492
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP63227601A Granted JPH0280369A (ja) | 1988-09-13 | 1988-09-13 | 高強度炭素複合材の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0280369A (ja) |
-
1988
- 1988-09-13 JP JP63227601A patent/JPH0280369A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0280369A (ja) | 1990-03-20 |
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