JPH0561223B2 - - Google Patents
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- JPH0561223B2 JPH0561223B2 JP1101757A JP10175789A JPH0561223B2 JP H0561223 B2 JPH0561223 B2 JP H0561223B2 JP 1101757 A JP1101757 A JP 1101757A JP 10175789 A JP10175789 A JP 10175789A JP H0561223 B2 JPH0561223 B2 JP H0561223B2
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<産業上の利用分野>
本発明は、炭素繊維強化炭素複合材料の製造法
に係り、特に高密度な炭素複合材料の製造方法に
関するものである。 <従来の技術> 炭素をマトリツクスとして、炭素繊維で強化し
た炭素複合材料は、炭素繊維強化炭素複合材料
(以下、C/C−コンポジツトという)と呼ばれ、
このC/C−コンポジツトは機械特性、耐熱特
性、耐蝕性、摩擦、制動特性等に優れており、こ
の特性を利用してロケツトノズル、スペースシヤ
トルのノーズ及びリーデイングエツジ、航空機の
ブレーキデイスクなどの宇宙航空機器部材として
実用化されている。最近では原子炉や核融合炉用
第一壁材料、骨、関節などの医療用材料及びター
ビン材料としての実用化も進められている。 この様に優れた特性を有するC/C−コンポジ
ツトの製造法は種々あるが、炭素繊維のトウ、ク
ロス、フエルトなどに、フエノール樹脂等の熱硬
化性樹脂を含浸させ、プリプレグをつくり、これ
らを積層、硬化させて成型体をつくる方法が一般
的である。 また炭素繊維そのものは、極端に異方性が強
く、この炭素繊維を補強材とした複合材料である
C/C−コンポジツトは、異方性の強いものとな
るので、この異方性を緩和する方法として、トウ
を使つて三次元織物を織成し、この後で、フエノ
ール樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させ、次いで加
熱、硬化させて成型体を得る方法も一般的に採用
されている。 マトリツクスとしては、上記に示したフエノー
ル、エポキシ、フランなどの熱硬化性樹脂や、石
炭系及び石油系ピツチなどの熱可塑性樹脂が一般
に用いられている。しかし熱硬化性樹脂を用いた
場合、賦形が容易という利点はあるものの、値段
が高く、更には、この樹脂を炭素繊維に含浸させ
た後、加熱、硬化させるプロセスにおいて、かな
り厳密な温度コントロールが必要であり、またこ
のプロセス自体が複雑であり、多大の労力と時間
を要する。更に、この熱硬化性樹脂の炭化物の真
比重は1.4〜1.5であり、熱可塑性樹脂であるピツ
チの炭化物の真比重1.8〜2.0に比較して小さく熱
硬化性樹脂をマトリツクスとした場合C/C−コ
ンポジツトの嵩密度があまり上がらず、その結果
として機械特性が劣るという問題がある。 マトリツクスとしては、熱硬化性樹脂の他に、
コールタールピツチ又は石油系ピツチのような熱
可塑性樹脂も用いることができる。このようなピ
ツチは、熱硬化性樹脂に比較して安価であり、し
かも炭化物の真比重が大きいという利点はあるも
のの、ピツチを常圧下で加熱した場合、炭化収率
が低く、更にピツチは溶融相を経て炭素化するた
めに、炭素化する過程でバブリングが起き、その
時生じた気孔はC/C−コンポジツト中に残る。
(炭素、1982、No.109、P46)に発表している。従
来はこの気孔の存在のためC/C−コンポジツト
の嵩密度が上がらず(嵩密度、1.3〜1.5g/cm3)、
機械的強度が出ない(曲げ強度7〜10Kg/mm2)と
いう問題点があつた。そのため炭化処理における
炭化収率を上げる目的で、加圧炭化処理の方法が
用いられているが、この場合圧力が、100〜1000
Kg/cm2と高圧でありこの設備自体、特殊なもので
あり、結局、経済的にしかも工業的規模でC/C
−コンポジツトを製造するには問題があつた。 また、従来C/C−コンポジツトの嵩密度を上
げるために、熱硬化性樹脂及び熟可塑性樹脂を含
浸させ、更に炭素化処理する工程を通常8〜15回
繰り返して、嵩密度を1.6〜1.8g/cm3としてい
る。このようにC/C−コンポジツトの高密度化
処理(以下、緻密化処理という)は、含浸−炭化
という工程を通常8〜15回繰り返さなければなら
ず、そのために多大の労力と時間を要していて、
C/C−コンポジツトは非常に高価なものとなつ
ている。 <発明が解決しようとする課題> 本発明の目的は、比較的簡単なプロセスで、し
かも嵩密度が1.85g/cm3以上の高密度なC/C−
コンポジツトの安価な製造方法を提供することで
ある。 <課題解決のための手段> 本発明は、二次元乃至三次元に配向させたピツ
チ系の炭素繊維にコールタールピツチ及び/又は
石油系ピツチを含浸させ、次いで含浸させた状態
で炭化処理を施し、次いでこの処理材に2000〜
3000℃で黒鉛化処理を施し、次いで緻密化処理と
して、この黒鉛化されたものに軟化点が150〜250
℃で実質的にキノリン不溶分を含まないコールタ
ールピツチ及び/又は石油系ピツチを含浸させ、
続いて炭化−黒鉛化処理を施す工程を所望の密度
になるまで繰り返すことを特徴とする高密度炭素
繊維強化炭素複合材料の製造方法である。 <作用> 次に本発明の内容を更に詳細に説明する。 C/C−コンポジツトの製造に使用される炭素
繊維の織り方は、繊維の配向方向で区別され(1)ク
ロス積層材料、斜交積層材料などの繊維の二次元
配向(2)二次元配向させた積層材料の厚さ方向に垂
直糸を配向させた三次元配向に分類できる。本発
明はこれら二次元及び三次元配向させた炭素繊維
を強化繊維として用いる。炭素繊維の種類は、原
料で大別して、ポリアクリロニトリル系、レーヨ
ン系、ピツチ系があるが、C/C−コンポジツト
とした時、最も嵩密度が上がるのは、ピツチ系炭
素繊維であることを、本発明者らは見い出した。
ここでピツチ系炭素繊維とは、いわゆる高性能炭
素繊維のことであり、引張強度200Kg/mm2以上、
引張弾性率40t/mm2以上の特性を有するものであ
る。一般にピツチ系炭素繊維は、PAN系炭素繊
維と比較して、引張弾性率が大きく、又、真比重
が大きいことが知られている。 また、マトリツクスとなる炭素材の原料は、安
価なコールタールピツチ及び/又は石油系ピツチ
を用いる。高温乾留コールタールからのピツチ
は、芳香族性に富み、炭化率、真比重が大きく、
またその割りには、粘性が低いという特性を有し
ているので、C/C−コンポジツト用のマトリツ
クス原料として適している。ところでC/C−基
材のマトリツクス用のコールタールピツチは、人
造黒鉛電極、不浸透性黒鉛など炭素製品の製造に
おいて、通常バインダーとして用いられるバイン
ダーピツチ、さらにこれら炭素製品の含浸工程で
用いられる含浸ピツチのいずれのピツチであつて
も良い。これらコールタールピツチは代表的な熱
可塑性樹脂であり軟化点で流動化したピツチは温
度を上昇させると、0.5poise以下の粘性を示す液
体となり、更に温度を上げると500〜600℃の温度
において、コークス化(炭素化)のために、粘度
が上昇し、ついには固化する。 嵩密度の大きいC/C−コンポジツトを製造す
るためには、このマトリツクスであるコールター
ルピツチが炭素繊維のフイラメント間に充分浸透
することが必要であるが、ピツチは粘度が充分に
低く、表面張力の小さい特性を持つので、C/C
−コンポジツト用のマトリツクスとして望まし
い。 さらに、炭素繊維にマトリツクスを含浸した後
の炭化処理は、マトリツクスであるピツチ中に炭
素繊維を浸したまま施す。コールタールピツチは
熱可塑性なので、炭化処理過程で溶融するもの
の、この溶融ピツチが炭素繊維フイラメント間に
充分に浸透したまま炭化し、しかもバブリングで
生じた気孔をまわりの溶融ピツチが埋めていくの
で、炭化処理後に大きいクラツクや気孔がC/C
−コンポジツト中に見られない。さらにこの方法
だとピツチ中に炭素繊維を浸したまま炭化処理す
るので、従来のプリプレグをつくり、それらを積
層、成型した後、炭化する方法に見られた、成形
の際あるいは炭化の際のピツチ流出の問題は全く
ない。 ここでコールタールピツチは、炭化処理によつ
て熱分解あるいは低分子成分の揮発により重量が
減少し、炭化終了後ピツチコークスとなる。この
事を考慮に入れて、二次元及び三次元配向炭素繊
維とコールタールピツチの使用比率は炭化終了
後、ピツチコークス中にC/C−コンポジツトが
存在する様に調整すれば良い。 さらに詳しく説明すると、炭素繊維を二次元配
向させた平織、綾織、朱子織などの面状織物を所
要の枚数積層し、炭素繊維からなる積層体として
もよい。この積層体を保持するのは炭素材からな
る板が好ましく、上下から締めつけプリフオーム
とする。三次元配向させた炭素繊維の場合は、そ
のままピツチ含浸処理すれば良い。この様に二次
元配向させた面状織物よりなる積層体及び三次元
配向させた炭素繊維に、溶融させたコールタール
ピツチを浸す含浸処理は、コールタールピツチが
充分に低い粘度、好ましくは0.5poise以下を呈す
る温度で処理することが望ましく、通常この好ま
しい含浸温度は150〜300℃である。 ここで本発明では、ピツチ系の炭素繊維を用い
ることに特徴があるが、マトリツクスがコールタ
ールピツチ及び/又は石油ピツチだと、繊維とマ
トリツクスとのなじみが非常に良く、炭素繊維中
に存在する気孔の中にまで容易にピツチは含浸さ
れ、さらに炭素繊維表面が均一にピツチでおおわ
れるという利点がある。 本発明では、引き続き、炭素繊維をピツチ中に
浸したまま600〜1000℃程度で炭化処理を施すが、
この際、常圧、加圧及び減圧下いずれの条件でも
良い。この炭化処理は昇温を30〜600℃/hrとい
う比較的速い速度で行うことができ、C/C−基
材を効率よく容易に製造できる。 次に、このようにして得られたC/C−基材を
2000〜3000℃で黒鉛化処理を施す必要がある。黒
鉛化処理することによりC/C−基材中の閉気孔
が開気孔に変化しさらには、クラツクが生成す
る。この開気孔及びクラツクにコールタールピツ
チが容易に均一に含浸される。 黒鉛化処理温度2000℃未満だと、閉気孔から開
気孔への変化及びクラツクの生成が充分でない。
3000℃を越える処理温度では、炭素の黒鉛化が進
みすぎて、大きいクラツクが生成し、層状割れが
発生して好ましくない。 しかしこのようにして得られたC/C−基材
は、まだ嵩密度、強度が充分ではなく、高密度、
高強度のC/C−コンポジツトを得るためには、
さらに緻密化処理としての常法による含浸処理、
炭化処理を適宜繰り返す必要がある。 本発明では、この含浸処理に使用される含浸材
としては、実質的にキノリン不溶分を含有せず、
しかも軟化点が150〜250℃の範囲のあるコールタ
ールピツチ及び/又は石油系ピツチに限定され
る。ピツチ中のキノリン不溶分は固体粒子であ
り、この粒子が炭素材中の気孔を閉塞させ、従つ
て含浸操作における含浸材の浸透速度を著しく小
さくするので、コールタールピツチ中に、キノリ
ン不溶分を実質的に含有しないことが必要であ
る。一般にコールタールピツチの炭化歩留は、ピ
ツチの軟化点が高くなればなる程大きくなる。こ
の事を考慮に入れて、緻密化処理における含浸材
であるピツチは軟化点が150〜250℃の範囲に限定
される。軟化点が150℃未満であると、ピツチ中
に低分子成分がかなり多く残存し、炭化歩留が低
いものとなり、一方、軟化点が250℃を越えると、
ピツチ含浸温度において、粘度が高くて充分な浸
透性が得られないからである。 またC/C−基材の内部までピツチを均一に含
浸する為には、ピツチが充分に低い粘度
(0.5poise以下、フローテスターによる)を呈す
る温度を選ぶ必要があり、通常この含浸温度はピ
ツチの軟化点より100℃上の温度である。即ち、
本発明では、含浸温度は250〜350℃程度が好まし
く、しかもこの温度では、ピツチが熱的に安定
で、熱によつて特性が変化することはない。 次にこの含浸処理を施したものに再度炭化−黒
鉛化処理を施すが、この処理は常圧で良く、処理
温度は2000〜3000℃が好ましい。この緻密化処理
としての含浸−炭化−黒鉛化処理は、本発明によ
れば3〜5回程度の繰り返しで、嵩密度1.85g/
cm3以上の値を有するC/C−コンポジツトを得る
ことができる。 以上、マトリツクスとしてコールタールピツチ
についても説明してきたが、本発明ではこれに限
られるものではなく石油系ピツチについても同一
方法で高密度のC/C−コンポジツトが製造でき
る。 <実施例> 実施例−1 三次元配向させた繊維径10μmの炭素繊維(使
用糸:ピツチ糸の黒鉛化品、引張強度:250Kg/
mm2、引張弾性率:45t/mm2)を含浸槽に装入し、
220℃に溶融させたコールタールピツチ{軟化点
=900℃、ベンゼン不溶分=30.7wt%、キノリン
不溶分=9.0wt%(これらのピツチの特性の測定
はJIS K−2425に従つた、以下同じ)}を5mmHg
の真空下において含浸槽に注入し、炭素繊維にピ
ツチを含浸させた。引き続いて、常圧下において
昇温速度200℃/hrで窒素ガス雰囲気中、炭素繊
維をピツチ中に浸したまま600℃まで炭化し、さ
らにこの温度で1時間保持した。次に含浸槽より
成型体を取り出した後、アルゴンガス雰囲気中、
300℃/hrの昇温速度で2500℃まで昇温し、さら
にこの温度で30分間保持し、C/C−基材を得
た。このC/C−基材にコールタールピツチ{軟
化点=208℃(この軟化点の測定はフローテスタ
ーに従つた)、ベンゼン不溶分=42.0wt%、キノ
リン不溶分=trace}を3mmHgの真空下310℃で
含浸した後、この成型体を常圧下で、窒素ガス雰
囲気中で20℃/hrの昇温速度で1000℃まで炭化処
理した。次いで、300℃/hrの昇温速度で、アル
ゴンガス雰囲気中2500℃まで昇温し、さらにこの
温度で30分間保持した。この含浸、再炭化処理、
再黒鉛化処理を合計4回繰り返して、嵩密度1.89
g/cm3の高密度C/C−コンポジツトを得た。 実施例 2 三次元配向させた繊維径10μmの炭素繊維(使
用糸:ピツチ系の黒鉛化品、引張強度:290Kg/
mm2、引張弾性率:65t/mm2)を含浸槽に装入し、
230℃に溶融させたコールタールピツチ(軟化点
=85.0℃、ベンゼン不溶分=18.0wt%、キノリン
不溶分=3.6wt%)を5mmHgの真空下において含
浸槽に注入し、炭素繊維にピツチを含浸させた。
引き続いて常圧下において、昇温速度200℃/hr
で窒素ガス雰囲気中、炭素繊維をピツチ中に浸し
たまま600℃で炭化し、さらに、この温度で1時
間保持した。次に含浸槽より成型体を取り出した
後、アルゴンガス雰囲気中300℃/hrの昇温速度
で2500℃まで昇温し、さらに、この温度で30分間
保持し、C/C−基材を得た。このC/C−基材
にコールタールピツチ(軟化点=160℃、ベンゼ
ン不溶分37.0wt%、キノリン不溶分=trace)を
4mmHgを真空下290℃で含浸した後、この成型体
を常圧下で窒素ガス雰囲気中で20℃/hrの昇温速
度で1000℃まで炭化処理した。次に300℃/hrの
昇温速度でアルゴンガス雰囲気中2500℃まで昇温
し、さらに、この温度で30分間保持した。この含
浸、再炭化処理、再黒鉛化処理を合計5回繰り返
して嵩密度1.90g/cm3の高密度C/C−コンポジ
ツトを得た。 実施例 3 実施例1において、C/C−基材の緻密化処理
における再炭化処理温度を同一として(1000℃)、
表1に示す処理温度で再黒鉛化処理する以外は全
く同一条件でC/C−コンポジツトを製造した。
いずれの黒鉛化処理温度からも、嵩密度1.85g/
cm3以上の特性を有する高密度C/C−コンポジツ
トを得た。 この結果を表−1に併せて示した。 比較例 1 実施例1においてC/C−基材の緻密化処理に
おける再炭化処理温度を同一として(1000℃)、
表−1に示す処理温度で再黒鉛化処理する以外
は、全く同一条件でC/C−コンポジツトを製造
した。これらの黒鉛化処理温度は、本発明の範囲
外のものでありこの処理温度で得られるC/C−
コンポジツトの嵩密度は1.85g/cm3以下の特性を
示した。
に係り、特に高密度な炭素複合材料の製造方法に
関するものである。 <従来の技術> 炭素をマトリツクスとして、炭素繊維で強化し
た炭素複合材料は、炭素繊維強化炭素複合材料
(以下、C/C−コンポジツトという)と呼ばれ、
このC/C−コンポジツトは機械特性、耐熱特
性、耐蝕性、摩擦、制動特性等に優れており、こ
の特性を利用してロケツトノズル、スペースシヤ
トルのノーズ及びリーデイングエツジ、航空機の
ブレーキデイスクなどの宇宙航空機器部材として
実用化されている。最近では原子炉や核融合炉用
第一壁材料、骨、関節などの医療用材料及びター
ビン材料としての実用化も進められている。 この様に優れた特性を有するC/C−コンポジ
ツトの製造法は種々あるが、炭素繊維のトウ、ク
ロス、フエルトなどに、フエノール樹脂等の熱硬
化性樹脂を含浸させ、プリプレグをつくり、これ
らを積層、硬化させて成型体をつくる方法が一般
的である。 また炭素繊維そのものは、極端に異方性が強
く、この炭素繊維を補強材とした複合材料である
C/C−コンポジツトは、異方性の強いものとな
るので、この異方性を緩和する方法として、トウ
を使つて三次元織物を織成し、この後で、フエノ
ール樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させ、次いで加
熱、硬化させて成型体を得る方法も一般的に採用
されている。 マトリツクスとしては、上記に示したフエノー
ル、エポキシ、フランなどの熱硬化性樹脂や、石
炭系及び石油系ピツチなどの熱可塑性樹脂が一般
に用いられている。しかし熱硬化性樹脂を用いた
場合、賦形が容易という利点はあるものの、値段
が高く、更には、この樹脂を炭素繊維に含浸させ
た後、加熱、硬化させるプロセスにおいて、かな
り厳密な温度コントロールが必要であり、またこ
のプロセス自体が複雑であり、多大の労力と時間
を要する。更に、この熱硬化性樹脂の炭化物の真
比重は1.4〜1.5であり、熱可塑性樹脂であるピツ
チの炭化物の真比重1.8〜2.0に比較して小さく熱
硬化性樹脂をマトリツクスとした場合C/C−コ
ンポジツトの嵩密度があまり上がらず、その結果
として機械特性が劣るという問題がある。 マトリツクスとしては、熱硬化性樹脂の他に、
コールタールピツチ又は石油系ピツチのような熱
可塑性樹脂も用いることができる。このようなピ
ツチは、熱硬化性樹脂に比較して安価であり、し
かも炭化物の真比重が大きいという利点はあるも
のの、ピツチを常圧下で加熱した場合、炭化収率
が低く、更にピツチは溶融相を経て炭素化するた
めに、炭素化する過程でバブリングが起き、その
時生じた気孔はC/C−コンポジツト中に残る。
(炭素、1982、No.109、P46)に発表している。従
来はこの気孔の存在のためC/C−コンポジツト
の嵩密度が上がらず(嵩密度、1.3〜1.5g/cm3)、
機械的強度が出ない(曲げ強度7〜10Kg/mm2)と
いう問題点があつた。そのため炭化処理における
炭化収率を上げる目的で、加圧炭化処理の方法が
用いられているが、この場合圧力が、100〜1000
Kg/cm2と高圧でありこの設備自体、特殊なもので
あり、結局、経済的にしかも工業的規模でC/C
−コンポジツトを製造するには問題があつた。 また、従来C/C−コンポジツトの嵩密度を上
げるために、熱硬化性樹脂及び熟可塑性樹脂を含
浸させ、更に炭素化処理する工程を通常8〜15回
繰り返して、嵩密度を1.6〜1.8g/cm3としてい
る。このようにC/C−コンポジツトの高密度化
処理(以下、緻密化処理という)は、含浸−炭化
という工程を通常8〜15回繰り返さなければなら
ず、そのために多大の労力と時間を要していて、
C/C−コンポジツトは非常に高価なものとなつ
ている。 <発明が解決しようとする課題> 本発明の目的は、比較的簡単なプロセスで、し
かも嵩密度が1.85g/cm3以上の高密度なC/C−
コンポジツトの安価な製造方法を提供することで
ある。 <課題解決のための手段> 本発明は、二次元乃至三次元に配向させたピツ
チ系の炭素繊維にコールタールピツチ及び/又は
石油系ピツチを含浸させ、次いで含浸させた状態
で炭化処理を施し、次いでこの処理材に2000〜
3000℃で黒鉛化処理を施し、次いで緻密化処理と
して、この黒鉛化されたものに軟化点が150〜250
℃で実質的にキノリン不溶分を含まないコールタ
ールピツチ及び/又は石油系ピツチを含浸させ、
続いて炭化−黒鉛化処理を施す工程を所望の密度
になるまで繰り返すことを特徴とする高密度炭素
繊維強化炭素複合材料の製造方法である。 <作用> 次に本発明の内容を更に詳細に説明する。 C/C−コンポジツトの製造に使用される炭素
繊維の織り方は、繊維の配向方向で区別され(1)ク
ロス積層材料、斜交積層材料などの繊維の二次元
配向(2)二次元配向させた積層材料の厚さ方向に垂
直糸を配向させた三次元配向に分類できる。本発
明はこれら二次元及び三次元配向させた炭素繊維
を強化繊維として用いる。炭素繊維の種類は、原
料で大別して、ポリアクリロニトリル系、レーヨ
ン系、ピツチ系があるが、C/C−コンポジツト
とした時、最も嵩密度が上がるのは、ピツチ系炭
素繊維であることを、本発明者らは見い出した。
ここでピツチ系炭素繊維とは、いわゆる高性能炭
素繊維のことであり、引張強度200Kg/mm2以上、
引張弾性率40t/mm2以上の特性を有するものであ
る。一般にピツチ系炭素繊維は、PAN系炭素繊
維と比較して、引張弾性率が大きく、又、真比重
が大きいことが知られている。 また、マトリツクスとなる炭素材の原料は、安
価なコールタールピツチ及び/又は石油系ピツチ
を用いる。高温乾留コールタールからのピツチ
は、芳香族性に富み、炭化率、真比重が大きく、
またその割りには、粘性が低いという特性を有し
ているので、C/C−コンポジツト用のマトリツ
クス原料として適している。ところでC/C−基
材のマトリツクス用のコールタールピツチは、人
造黒鉛電極、不浸透性黒鉛など炭素製品の製造に
おいて、通常バインダーとして用いられるバイン
ダーピツチ、さらにこれら炭素製品の含浸工程で
用いられる含浸ピツチのいずれのピツチであつて
も良い。これらコールタールピツチは代表的な熱
可塑性樹脂であり軟化点で流動化したピツチは温
度を上昇させると、0.5poise以下の粘性を示す液
体となり、更に温度を上げると500〜600℃の温度
において、コークス化(炭素化)のために、粘度
が上昇し、ついには固化する。 嵩密度の大きいC/C−コンポジツトを製造す
るためには、このマトリツクスであるコールター
ルピツチが炭素繊維のフイラメント間に充分浸透
することが必要であるが、ピツチは粘度が充分に
低く、表面張力の小さい特性を持つので、C/C
−コンポジツト用のマトリツクスとして望まし
い。 さらに、炭素繊維にマトリツクスを含浸した後
の炭化処理は、マトリツクスであるピツチ中に炭
素繊維を浸したまま施す。コールタールピツチは
熱可塑性なので、炭化処理過程で溶融するもの
の、この溶融ピツチが炭素繊維フイラメント間に
充分に浸透したまま炭化し、しかもバブリングで
生じた気孔をまわりの溶融ピツチが埋めていくの
で、炭化処理後に大きいクラツクや気孔がC/C
−コンポジツト中に見られない。さらにこの方法
だとピツチ中に炭素繊維を浸したまま炭化処理す
るので、従来のプリプレグをつくり、それらを積
層、成型した後、炭化する方法に見られた、成形
の際あるいは炭化の際のピツチ流出の問題は全く
ない。 ここでコールタールピツチは、炭化処理によつ
て熱分解あるいは低分子成分の揮発により重量が
減少し、炭化終了後ピツチコークスとなる。この
事を考慮に入れて、二次元及び三次元配向炭素繊
維とコールタールピツチの使用比率は炭化終了
後、ピツチコークス中にC/C−コンポジツトが
存在する様に調整すれば良い。 さらに詳しく説明すると、炭素繊維を二次元配
向させた平織、綾織、朱子織などの面状織物を所
要の枚数積層し、炭素繊維からなる積層体として
もよい。この積層体を保持するのは炭素材からな
る板が好ましく、上下から締めつけプリフオーム
とする。三次元配向させた炭素繊維の場合は、そ
のままピツチ含浸処理すれば良い。この様に二次
元配向させた面状織物よりなる積層体及び三次元
配向させた炭素繊維に、溶融させたコールタール
ピツチを浸す含浸処理は、コールタールピツチが
充分に低い粘度、好ましくは0.5poise以下を呈す
る温度で処理することが望ましく、通常この好ま
しい含浸温度は150〜300℃である。 ここで本発明では、ピツチ系の炭素繊維を用い
ることに特徴があるが、マトリツクスがコールタ
ールピツチ及び/又は石油ピツチだと、繊維とマ
トリツクスとのなじみが非常に良く、炭素繊維中
に存在する気孔の中にまで容易にピツチは含浸さ
れ、さらに炭素繊維表面が均一にピツチでおおわ
れるという利点がある。 本発明では、引き続き、炭素繊維をピツチ中に
浸したまま600〜1000℃程度で炭化処理を施すが、
この際、常圧、加圧及び減圧下いずれの条件でも
良い。この炭化処理は昇温を30〜600℃/hrとい
う比較的速い速度で行うことができ、C/C−基
材を効率よく容易に製造できる。 次に、このようにして得られたC/C−基材を
2000〜3000℃で黒鉛化処理を施す必要がある。黒
鉛化処理することによりC/C−基材中の閉気孔
が開気孔に変化しさらには、クラツクが生成す
る。この開気孔及びクラツクにコールタールピツ
チが容易に均一に含浸される。 黒鉛化処理温度2000℃未満だと、閉気孔から開
気孔への変化及びクラツクの生成が充分でない。
3000℃を越える処理温度では、炭素の黒鉛化が進
みすぎて、大きいクラツクが生成し、層状割れが
発生して好ましくない。 しかしこのようにして得られたC/C−基材
は、まだ嵩密度、強度が充分ではなく、高密度、
高強度のC/C−コンポジツトを得るためには、
さらに緻密化処理としての常法による含浸処理、
炭化処理を適宜繰り返す必要がある。 本発明では、この含浸処理に使用される含浸材
としては、実質的にキノリン不溶分を含有せず、
しかも軟化点が150〜250℃の範囲のあるコールタ
ールピツチ及び/又は石油系ピツチに限定され
る。ピツチ中のキノリン不溶分は固体粒子であ
り、この粒子が炭素材中の気孔を閉塞させ、従つ
て含浸操作における含浸材の浸透速度を著しく小
さくするので、コールタールピツチ中に、キノリ
ン不溶分を実質的に含有しないことが必要であ
る。一般にコールタールピツチの炭化歩留は、ピ
ツチの軟化点が高くなればなる程大きくなる。こ
の事を考慮に入れて、緻密化処理における含浸材
であるピツチは軟化点が150〜250℃の範囲に限定
される。軟化点が150℃未満であると、ピツチ中
に低分子成分がかなり多く残存し、炭化歩留が低
いものとなり、一方、軟化点が250℃を越えると、
ピツチ含浸温度において、粘度が高くて充分な浸
透性が得られないからである。 またC/C−基材の内部までピツチを均一に含
浸する為には、ピツチが充分に低い粘度
(0.5poise以下、フローテスターによる)を呈す
る温度を選ぶ必要があり、通常この含浸温度はピ
ツチの軟化点より100℃上の温度である。即ち、
本発明では、含浸温度は250〜350℃程度が好まし
く、しかもこの温度では、ピツチが熱的に安定
で、熱によつて特性が変化することはない。 次にこの含浸処理を施したものに再度炭化−黒
鉛化処理を施すが、この処理は常圧で良く、処理
温度は2000〜3000℃が好ましい。この緻密化処理
としての含浸−炭化−黒鉛化処理は、本発明によ
れば3〜5回程度の繰り返しで、嵩密度1.85g/
cm3以上の値を有するC/C−コンポジツトを得る
ことができる。 以上、マトリツクスとしてコールタールピツチ
についても説明してきたが、本発明ではこれに限
られるものではなく石油系ピツチについても同一
方法で高密度のC/C−コンポジツトが製造でき
る。 <実施例> 実施例−1 三次元配向させた繊維径10μmの炭素繊維(使
用糸:ピツチ糸の黒鉛化品、引張強度:250Kg/
mm2、引張弾性率:45t/mm2)を含浸槽に装入し、
220℃に溶融させたコールタールピツチ{軟化点
=900℃、ベンゼン不溶分=30.7wt%、キノリン
不溶分=9.0wt%(これらのピツチの特性の測定
はJIS K−2425に従つた、以下同じ)}を5mmHg
の真空下において含浸槽に注入し、炭素繊維にピ
ツチを含浸させた。引き続いて、常圧下において
昇温速度200℃/hrで窒素ガス雰囲気中、炭素繊
維をピツチ中に浸したまま600℃まで炭化し、さ
らにこの温度で1時間保持した。次に含浸槽より
成型体を取り出した後、アルゴンガス雰囲気中、
300℃/hrの昇温速度で2500℃まで昇温し、さら
にこの温度で30分間保持し、C/C−基材を得
た。このC/C−基材にコールタールピツチ{軟
化点=208℃(この軟化点の測定はフローテスタ
ーに従つた)、ベンゼン不溶分=42.0wt%、キノ
リン不溶分=trace}を3mmHgの真空下310℃で
含浸した後、この成型体を常圧下で、窒素ガス雰
囲気中で20℃/hrの昇温速度で1000℃まで炭化処
理した。次いで、300℃/hrの昇温速度で、アル
ゴンガス雰囲気中2500℃まで昇温し、さらにこの
温度で30分間保持した。この含浸、再炭化処理、
再黒鉛化処理を合計4回繰り返して、嵩密度1.89
g/cm3の高密度C/C−コンポジツトを得た。 実施例 2 三次元配向させた繊維径10μmの炭素繊維(使
用糸:ピツチ系の黒鉛化品、引張強度:290Kg/
mm2、引張弾性率:65t/mm2)を含浸槽に装入し、
230℃に溶融させたコールタールピツチ(軟化点
=85.0℃、ベンゼン不溶分=18.0wt%、キノリン
不溶分=3.6wt%)を5mmHgの真空下において含
浸槽に注入し、炭素繊維にピツチを含浸させた。
引き続いて常圧下において、昇温速度200℃/hr
で窒素ガス雰囲気中、炭素繊維をピツチ中に浸し
たまま600℃で炭化し、さらに、この温度で1時
間保持した。次に含浸槽より成型体を取り出した
後、アルゴンガス雰囲気中300℃/hrの昇温速度
で2500℃まで昇温し、さらに、この温度で30分間
保持し、C/C−基材を得た。このC/C−基材
にコールタールピツチ(軟化点=160℃、ベンゼ
ン不溶分37.0wt%、キノリン不溶分=trace)を
4mmHgを真空下290℃で含浸した後、この成型体
を常圧下で窒素ガス雰囲気中で20℃/hrの昇温速
度で1000℃まで炭化処理した。次に300℃/hrの
昇温速度でアルゴンガス雰囲気中2500℃まで昇温
し、さらに、この温度で30分間保持した。この含
浸、再炭化処理、再黒鉛化処理を合計5回繰り返
して嵩密度1.90g/cm3の高密度C/C−コンポジ
ツトを得た。 実施例 3 実施例1において、C/C−基材の緻密化処理
における再炭化処理温度を同一として(1000℃)、
表1に示す処理温度で再黒鉛化処理する以外は全
く同一条件でC/C−コンポジツトを製造した。
いずれの黒鉛化処理温度からも、嵩密度1.85g/
cm3以上の特性を有する高密度C/C−コンポジツ
トを得た。 この結果を表−1に併せて示した。 比較例 1 実施例1においてC/C−基材の緻密化処理に
おける再炭化処理温度を同一として(1000℃)、
表−1に示す処理温度で再黒鉛化処理する以外
は、全く同一条件でC/C−コンポジツトを製造
した。これらの黒鉛化処理温度は、本発明の範囲
外のものでありこの処理温度で得られるC/C−
コンポジツトの嵩密度は1.85g/cm3以下の特性を
示した。
【表】
実施例 4
二次元配向させた繊維径10μmの炭素繊維(使
用糸:ピツチ系の黒鉛化品、引張強度:270Kg/
mm2、引張弾性率:55t/mm2)の平織面状織物を15
枚積層し、これを外枠のみ炭素材の板で上下から
締めつけてプリフオームとした。このプリフオー
ムを含浸槽に装入し、220℃に溶融させたコール
タールピツチピツチ(軟化点=85.6℃、ベンゼン
不溶分=18.6wt%、キノリン不溶分=trace)を
5mmHgの真空下において含浸槽に注入し、炭素
繊維にピツチを含浸させた。引き続いて、常圧下
において昇温速度200℃/hrで窒素ガス雰囲気中、
炭素繊維をピツチ中に浸したまま600℃まで炭化
し、さらに、この温度で1時間保持した。次に含
浸槽より成型体を取り出した後、アルゴンガス雰
囲気中300℃/hrの昇温速度で2500℃まで昇温し、
さらにこの温度で30分間保持し、C/C−基材を
得た。このC/C−基材にコールタールピツチ
(軟化点=250℃、ベンゼン不溶分=52.0wt%、キ
ノリン不溶分=trace)を3mmHgの真空下350℃
で含浸した後、この成型体を常圧下で、窒素ガス
雰囲気中で20℃/hrの昇温速度で1000℃まで炭化
処理した。次に300℃/hrの昇温速度でアルゴン
ガス雰囲気中2500℃まで昇温し、さらに、この温
度で30分間保持した。この含浸、再炭化処理、再
黒鉛化処理を合計4回繰り返して嵩密度1.88g/
cm3の高密度C/C−コンポジツトを得た。 比較例 2 三次元配向させた繊維径7μmの炭素繊維(使
用糸:PAN系の焼成品、引張強度:300Kg/mm2、
引張弾性率:18t/mm2)をプリフオームとして実
施例1に示した同一条件でC/C−コンポジツト
を製造した。得られたC/C−コンポジツトの嵩
密度は1.68g/cm3と低いものであつた。 比較例 3 三次元配向させた繊維径7μmの炭素繊維(使
用糸:PAN系の黒鉛化品、引張強度250Kg/mm2、
引張弾性率40t/mm2)をプリフオームとして実施
例1に示した同一条件でC/C−コンポジツトを
製造した。得られたC/C−コンポジツトの嵩密
度は1.73g/cm3と低いものであつた。 比較例 4 実施例1において緻密化処理における含浸材で
あるコールタールピツチを変える以外は全く同一
条件でC/C−コンポジツトを製造した。含浸材
として、軟化点=95℃、ベンゼン不溶分=18.0wt
%、キノリン不溶分=traceのコールタールピツ
チを用いた。得られたC/C−コンポジツトの嵩
密度は1.75g/cm3と低いものであつた。 比較例 5 実施例1において、緻密化処理における含浸材
であるコールタールピツチを変える以外は全く同
一条件でC/C−コンポジツトを製造した。含浸
材として軟化点=300℃、ベンゼン不溶分=
68.6wt%、キノリン不溶分=traceのコールター
ルピツチを用いた。得られたC/C−コンポジツ
トの嵩密度は1.60g/cm3と低いものであつた。 比較例 6 実施例1において、緻密化処理における含浸材
であるコールタールピツチを変える以外は、全く
同一条件でC/C−コンポジツトを製造した。含
浸材として軟化点=158℃、ベンゼン不溶分=
32.5wt%、キノリン不溶分=4.8wt%のコールタ
ールピツチを用いた。このピツチはキノリン不溶
分を含有していて含浸工程における浸透性が悪
く、結局、得られたC/C−コンポジツトの嵩密
度は1.63g/cm3と低いものであつた。 実施例 5 実施例1において、C/C−基材製造のマトリ
ツクスとして石油系ピツチ(軟化点=108.0℃、
ベンゼン不溶分=13.0wt%、キノリン不溶分=
trace)を用いさらに緻密化処理における含浸材
として石油系ピツチ(軟化点=260.0℃、ベンゼ
ン不溶分=38.6wt%、キノリン不溶分=trace)
を用いる以外は全く同一条件でC/C−コンポジ
ツトを製造した。得られたC/C−コンポジツト
の嵩密度は1.89g/cm3と高密度であつた。 <発明の効果> このように本発明により、ピツチ系炭素繊維を
強化材とし、安価なコールタールピツチ等をマト
リツクスとして、緻密化処理において2000〜3000
℃の高温処理を施すことにより簡単なプロセス
で、生産性良く、しかも安価に嵩密度1.85g/cm3
以上の高密度C/C−コンポジツトが容易に得ら
れるので、この発明の産業への波及効果は非常に
大きい。
用糸:ピツチ系の黒鉛化品、引張強度:270Kg/
mm2、引張弾性率:55t/mm2)の平織面状織物を15
枚積層し、これを外枠のみ炭素材の板で上下から
締めつけてプリフオームとした。このプリフオー
ムを含浸槽に装入し、220℃に溶融させたコール
タールピツチピツチ(軟化点=85.6℃、ベンゼン
不溶分=18.6wt%、キノリン不溶分=trace)を
5mmHgの真空下において含浸槽に注入し、炭素
繊維にピツチを含浸させた。引き続いて、常圧下
において昇温速度200℃/hrで窒素ガス雰囲気中、
炭素繊維をピツチ中に浸したまま600℃まで炭化
し、さらに、この温度で1時間保持した。次に含
浸槽より成型体を取り出した後、アルゴンガス雰
囲気中300℃/hrの昇温速度で2500℃まで昇温し、
さらにこの温度で30分間保持し、C/C−基材を
得た。このC/C−基材にコールタールピツチ
(軟化点=250℃、ベンゼン不溶分=52.0wt%、キ
ノリン不溶分=trace)を3mmHgの真空下350℃
で含浸した後、この成型体を常圧下で、窒素ガス
雰囲気中で20℃/hrの昇温速度で1000℃まで炭化
処理した。次に300℃/hrの昇温速度でアルゴン
ガス雰囲気中2500℃まで昇温し、さらに、この温
度で30分間保持した。この含浸、再炭化処理、再
黒鉛化処理を合計4回繰り返して嵩密度1.88g/
cm3の高密度C/C−コンポジツトを得た。 比較例 2 三次元配向させた繊維径7μmの炭素繊維(使
用糸:PAN系の焼成品、引張強度:300Kg/mm2、
引張弾性率:18t/mm2)をプリフオームとして実
施例1に示した同一条件でC/C−コンポジツト
を製造した。得られたC/C−コンポジツトの嵩
密度は1.68g/cm3と低いものであつた。 比較例 3 三次元配向させた繊維径7μmの炭素繊維(使
用糸:PAN系の黒鉛化品、引張強度250Kg/mm2、
引張弾性率40t/mm2)をプリフオームとして実施
例1に示した同一条件でC/C−コンポジツトを
製造した。得られたC/C−コンポジツトの嵩密
度は1.73g/cm3と低いものであつた。 比較例 4 実施例1において緻密化処理における含浸材で
あるコールタールピツチを変える以外は全く同一
条件でC/C−コンポジツトを製造した。含浸材
として、軟化点=95℃、ベンゼン不溶分=18.0wt
%、キノリン不溶分=traceのコールタールピツ
チを用いた。得られたC/C−コンポジツトの嵩
密度は1.75g/cm3と低いものであつた。 比較例 5 実施例1において、緻密化処理における含浸材
であるコールタールピツチを変える以外は全く同
一条件でC/C−コンポジツトを製造した。含浸
材として軟化点=300℃、ベンゼン不溶分=
68.6wt%、キノリン不溶分=traceのコールター
ルピツチを用いた。得られたC/C−コンポジツ
トの嵩密度は1.60g/cm3と低いものであつた。 比較例 6 実施例1において、緻密化処理における含浸材
であるコールタールピツチを変える以外は、全く
同一条件でC/C−コンポジツトを製造した。含
浸材として軟化点=158℃、ベンゼン不溶分=
32.5wt%、キノリン不溶分=4.8wt%のコールタ
ールピツチを用いた。このピツチはキノリン不溶
分を含有していて含浸工程における浸透性が悪
く、結局、得られたC/C−コンポジツトの嵩密
度は1.63g/cm3と低いものであつた。 実施例 5 実施例1において、C/C−基材製造のマトリ
ツクスとして石油系ピツチ(軟化点=108.0℃、
ベンゼン不溶分=13.0wt%、キノリン不溶分=
trace)を用いさらに緻密化処理における含浸材
として石油系ピツチ(軟化点=260.0℃、ベンゼ
ン不溶分=38.6wt%、キノリン不溶分=trace)
を用いる以外は全く同一条件でC/C−コンポジ
ツトを製造した。得られたC/C−コンポジツト
の嵩密度は1.89g/cm3と高密度であつた。 <発明の効果> このように本発明により、ピツチ系炭素繊維を
強化材とし、安価なコールタールピツチ等をマト
リツクスとして、緻密化処理において2000〜3000
℃の高温処理を施すことにより簡単なプロセス
で、生産性良く、しかも安価に嵩密度1.85g/cm3
以上の高密度C/C−コンポジツトが容易に得ら
れるので、この発明の産業への波及効果は非常に
大きい。
Claims (1)
- 1 二次元乃至三次元に配向させたピツチ系の炭
素繊維にコールタールピツチ及び/又は石油系ピ
ツチを含浸させ、次いで含浸させた状態で炭化処
理を施し、次いでこの処理材に2000〜3000℃で黒
鉛化処理を施し、次いで緻密化処理として、この
黒鉛化されたものに軟化点が150〜250℃で実質的
にキノリン不溶分を含まないコールタールピツチ
及び/又は石油系ピツチを含浸させ、続いて炭化
−黒鉛化処理を施す工程を所望の密度になるまで
繰り返すことを特徴とする高密度炭素繊維強化炭
素複合材料の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1101757A JPH02283666A (ja) | 1989-04-24 | 1989-04-24 | 高密度炭素繊維強化炭素複合材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1101757A JPH02283666A (ja) | 1989-04-24 | 1989-04-24 | 高密度炭素繊維強化炭素複合材料の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH02283666A JPH02283666A (ja) | 1990-11-21 |
| JPH0561223B2 true JPH0561223B2 (ja) | 1993-09-03 |
Family
ID=14309106
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1101757A Granted JPH02283666A (ja) | 1989-04-24 | 1989-04-24 | 高密度炭素繊維強化炭素複合材料の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH02283666A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2529148B2 (ja) * | 1991-12-05 | 1996-08-28 | 日本石油株式会社 | 炭素/炭素複合材料の製造法 |
| US20240246867A1 (en) * | 2023-01-23 | 2024-07-25 | Albany Engineered Composites, Inc. | Carbon-Carbon Composites and Related Methods of Fabricating Three-Dimensional Carbon-Carbon Composites Using Closed Tool Multiple Infusion Resin Transfer Molding Processes |
Family Cites Families (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5969409A (ja) * | 1982-10-13 | 1984-04-19 | Nissan Motor Co Ltd | 炭素・炭素複合材の製造方法 |
| JPS6121589A (ja) * | 1984-07-10 | 1986-01-30 | 三菱電機株式会社 | 入場管理装置 |
| JPS63123865A (ja) * | 1986-11-13 | 1988-05-27 | 渡部 正三 | 炭素・炭素複合材のペレツトの製造法 |
| JPS63151677A (ja) * | 1986-12-16 | 1988-06-24 | 株式会社ブリヂストン | 炭素繊維強化炭素複合材料 |
-
1989
- 1989-04-24 JP JP1101757A patent/JPH02283666A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH02283666A (ja) | 1990-11-21 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |