JPH05257149A - 液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子

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JPH05257149A
JPH05257149A JP5833392A JP5833392A JPH05257149A JP H05257149 A JPH05257149 A JP H05257149A JP 5833392 A JP5833392 A JP 5833392A JP 5833392 A JP5833392 A JP 5833392A JP H05257149 A JPH05257149 A JP H05257149A
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JP
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liquid crystal
film
polysilane
substrate
alignment
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JP5833392A
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English (en)
Inventor
Rikako Kani
利佳子 可児
Yoshihiko Nakano
義彦 中野
Shinji Murai
伸次 村井
Shuji Hayase
修二 早瀬
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基板の汚染および静電気の発生等を伴うこと
なく形成され、且つ液晶に対し強い配向制御能を有する
配向膜を具備した液晶表示素子を提供すること。 【構成】 一定距離を隔て対向して配置された一対の基
板111 ,112 と、これら基板の対向面を被覆する配
向膜191 ,192 と、前記基板間に、前記配向膜を介
して封入された液晶20とを具備する。前記配向膜19
1 および192 は、基板上においてスピンコートにより
製膜された後ラビング処理された、またはLB法により
形成された、ポリシラン膜であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶は、電卓、時計、小型液晶テレビ等
における小型フラットパネルディスプレイに応用されて
いる。
【0003】これらディスプレイに使用される液晶表示
素子は、以下のような基本構造を有する。即ち、一定距
離を隔て対向して配置された一対の基板の各対向表面に
配向膜が形成され、これら配向膜を介して液晶が封入さ
れている。また、画素部においては、基板上に透明電極
を介して配向膜が形成されている。この透明電極によっ
て液晶に対し電圧の印加がなされ、各画素部における液
晶分子の配向状態が制御されて液晶画像が形成される。
特に、近年では、アクティブマトリックス型表示方式に
使用される素子として、画素部における一方の基板上
に、薄膜トランジスタ(TFT)、MIM素子等の駆動
素子が実装された液晶表示素子が開発され、実用化され
ている。これら液晶表示素子では、上記駆動素子が画素
部においてスイッチング素子として機能するため、液晶
画像のコントラスト等の諸性能が改善されている。
【0004】以上のような構造の液晶表示素子におい
て、配向膜とは、その液晶と接する表面において液晶分
子を一定方向に配向させる目的で、絶縁膜等の表面に各
種の配向処理がなされたものである。この配向処理は、
液晶表示素子における液晶分子の配向状態を決定し、液
晶画像の性能を左右するという点で非常に重要である。
【0005】従来より、前記配向処理としては、ラビン
グ法と呼ばれる処理が広く行われている。ラビング法と
は、基板上にポリイミド、ポリビニルアルコール等の絶
縁性高分子膜を形成し、その液晶と接する表面を、ベル
ベット等の繊維状物質によって被覆されたローラによっ
て一定方向に擦る(ラビングする)ことによって、膜表
面に液晶分子に対する配向能を付与する方法である。当
該配向能については、ラビングにより該膜表面に形成さ
れる微小な凹凸により液晶分子のチルト角(液晶分子が
基板に対し傾斜して配向する角度)が制御され、また該
膜表面がラビングされる際に延伸されこれによって膜を
形成する高分子が配向し、この配向に従って液晶分子の
配向の方向性、均一性が制御されるという説が提唱され
ている。このラビング法による配向処理は、簡易で且つ
非常に単純な製造装置を使用することができ、短時間で
大量の配向膜の形成が可能である。また、ラビング法に
より形成された配向膜が液晶分子に対する配向制御力が
極めて強いという点で、現在の液晶表示素子の製造プロ
セスにおいて最も頻繁に採用されている。
【0006】しかしながら、絶縁性高分子膜に対し、上
述したようなラビング法による配向処理を施すことによ
って形成された配向膜を有する液晶表示素子では、多く
の問題点がある。即ち、当該ラビング法では、絶縁性高
分子膜の如き誘電体の表面を、繊維状物質によって摩擦
するため、配向膜上に大量の静電気が発生する。このた
め基板表面が帯電し、ゴミ等の吸着による汚染によって
基板間のギャップが所定の間隔より広がるため、形成さ
れる液晶表示素子において不良が発生する。特に、アク
ティブマトリックス型表示方式のディスプレイで使用さ
れる液晶表示素子では、静電気によって基板上に実装さ
れている駆動素子が破壊されるため、素子の不良率が更
に上昇する。この他、配向膜表面に電荷が蓄積され、所
謂チャージアップが発生し、液晶分子の配向が乱れると
いう欠点も生じる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みてなされたもので、その課題とするところは、液
晶に対し強い配向制御能を有する配向膜を具備した液晶
表示素子であって、その配向膜は、基板の汚染および静
電気の発生等を伴うことなく形成され得る、液晶表示素
子を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の液晶表示素子
は、一定距離を隔て対向して配置された一対の基板と、
これら夫々の基板の対向面を被覆する配向膜と、前記基
板間に前記配向膜を介して封入された液晶とを具備した
液晶表示素子であって、前記配向膜の少なくとも一方
は、配向処理の施されたポリシラン膜であることを特徴
とする。以下、本発明の詳細を説明する。
【0009】本発明の液晶表示素子において、配向膜と
して使用されるポリシラン膜は、一般的にはSi−Si
主鎖を有するポリシランを、好ましくは、下記化1に示
す反復単位(1)を有するポリシランを、種々の製膜方
法に従い基板上において薄膜化したものである。
【0010】
【化1】 但し、R1 ,R2 ,Xは夫々以下のものを示す。 R1 :炭素数 1〜24の置換もしくは非置換のアルキル
基、または炭素数 6〜24の置換または非置換アリール
基。
【0011】R2 :炭素数 1〜24の置換もしくは非置換
アルキレン基、炭素数 6〜24のアリーレン基、またはこ
れらが結合してなる炭素数 7〜24の置換もしくは非置換
炭化水素基。
【0012】X:水酸基、アミノ基、カルボン酸基、ま
たはアミド結合、エステル結合、カルバメート結合、カ
ーボネート結合、エーテル結合、チオエーテル結合、イ
ミド結合、およびエポキシ基からなる群より選ばれた少
なくとも1種を有する親水基。
【0013】この反復単位(1)を有するポリシラン
は、Si−Si結合からなる主鎖に対し、一方の側鎖に
は親水基Xを有し、他方の側鎖に疎水基として有機基R
1 を有する点、即ち両親媒性である点で特徴的である。
尚、有機基R1 としては、例えば、アルキル基、アリー
ル基、またはこれらが結合した基であって、更にその少
なくとも1個の水素原子がフッ素原子等によって置換さ
れていてもよい。
【0014】本発明で使用され得るポリシランとして
は、具体的には、例えば下記化2〜化25に示す構造式
で表される重合体または共重合体が挙げられる。これら
ポリシランは、マクロモレキュールズ(Macromolecule
s) ,22(1989)2933頁、同21(1988)304 頁に記載さ
れた方法によって容易に合成することができる。
【0015】
【化2】
【0016】
【化3】
【0017】
【化4】
【0018】
【化5】
【0019】
【化6】
【0020】
【化7】
【0021】
【化8】
【0022】
【化9】
【0023】
【化10】
【0024】
【化11】
【0025】
【化12】
【0026】
【化13】
【0027】
【化14】
【0028】
【化15】
【0029】
【化16】
【0030】
【化17】
【0031】
【化18】
【0032】
【化19】
【0033】
【化20】
【0034】
【化21】
【0035】
【化22】
【0036】
【化23】
【0037】
【化24】
【0038】
【化25】 式中、nは正の整数を、kおよびlは共重合体の組成比
を夫々表す。
【0039】本発明において、前記ポリシラン膜の膜厚
は、0.01〜 1μm 程度であることが好ましく、その製膜
方法としては、具体的には、ロールコーター法、スピン
コーター法、LB法(ラングミュア -ブロジェット法)
等が挙げられる。
【0040】これら製膜方法のうち、ロールコーター法
およびスピンコーター法では、まず、上述したようなポ
リシランを有機溶媒に溶解し、得られたポリマー溶液を
透明電極およびTFT等の駆動素子が形成された基板上
に塗布する。続いて、塗布後の基板をホットプレートま
たは乾燥機を使用して乾燥し、所定の膜厚を有するポリ
シラン膜を形成する。
【0041】また、LB法による製膜は、前記反復単位
(1)を有する両親媒性のポリシランを用いて行われ
る。まず、反復単位(1)を有するポリシランを有機溶
媒に溶解し、得られたポリマー溶液を水面上に滴下す
る。このとき、該ポリシランでは、前記親水基(反復単
位(1)におけるX側)が水面に接し、一方疎水基(反
復単位(1)におけるR1 側)が水面から遠ざかるよう
な配向をとるため、非常に安定した単分子膜が形成され
る。次に、該単分子膜を所定の表面圧に圧縮し、膜面積
を制御して該表面圧を一定に保ちながら、予め疎水化処
理等を施した基板を膜面に対して垂直な方向に浸漬し、
その後引上げる。この際、基板の浸漬時もしくは引上げ
時、またはその両方において、基板上に前記単分子膜が
移しとられ、反復単位(1)を有するポリシランの単分
子膜が一層または二層形成される。引続き、この基板を
浸漬する操作を複数回繰り返し、基板上にポリシラン層
状累積膜を形成する。当該LB法による製膜操作は、一
般的なLB膜形成装置を用いて行うことができる。
【0042】尚、上述したような種々の方法に従って基
板上に形成されたポリシラン膜においては、アクリル基
等の光重合性の基を側鎖に有するポリシランを使用し
て、製膜後に光照射等の処理を施すことによってポリシ
ラン分子間を架橋させ、その強度を向上させてもよい。
特に、ポリシランを基板上にスピンコートして膜形成を
行う場合では、この光照射を適用することが好ましい。
【0043】本発明の液晶表示素子において、基板上の
ポリシラン膜に対し施される配向処理は、その製膜方法
に対応して適宜選択され得る。例えば、前記ロールコー
ター法およびスピンコーター法によって形成されたポリ
シラン膜に対しては、従来と同様のラビング法、または
機械的操作による膜の延伸を施し、ポリシラン分子(S
i−Si主鎖)を配向させることによって、液晶分子に
対する配向制御能が付与される。一方、前記LB法によ
って形成されたポリシラン膜については、その製膜段階
においてSi−Si主鎖が水面からの基板の引上げ方向
に強く配向されることに起因して、基板上に製膜された
時点で液晶分子に対する配向制御能が付与されている。
即ち、前記反復単位(1)を有するポリシランのLB膜
を配向膜とする場合では、製膜の段階で同時に配向処理
を施していることになる。次に、上述したような配向処
理の施されたポリシラン膜を使用した液晶表示素子の構
造について、図1を参照して説明する。
【0044】図1は、本発明の液晶表示素子の一例につ
いて、その画素部の構造を示す断面図である。尚、当該
液晶表示素子はアクティブマトリックス型表示形式に適
用される素子である。同図において、111 および11
2 はガラス等の素材で形成された基板であり、夫々の対
向面には、ITO(Indium Tin Oxide)等の素材からな
る透明電極121 (表示電極)および122 (走査電
極)が形成されている。また、一方の基板111 上に
は、透明電極121 に接する形でTFT13が実装され
ている。このTFT13では、まず基板111 上にゲー
ト電極14が設けられており、このゲート電極14はゲ
ート絶縁膜15で被覆されている。ゲート絶縁膜15上
には半導体層16が形成されており、更に半導体層16
上の所定領域には、ソース電極17およびドレイン電極
18が接続している。透明電極121およびTFT13
の表面には配向膜191 が形成され、これらに対向する
基板112 上には、透明電極122 を介して配向膜19
2 が形成されており、配向膜191 および192 の間に
は、液晶20が封入されている。
【0045】但し、TFT13表面の配向膜191 は少
なくとも半導体層16の上方において、配向膜191
介してのソース電極17とドレイン電極18との導通を
防ぐため、光照射等によりポリシランをシロキサン化し
て絶縁性を高めることが好ましい。尚、本発明におい
て、配向膜191 を介してのソース電極17とドレイン
電極18との導通を防ぐ方法としては、これに限定され
ず、例えば半導体層16上に予めポリイミド等の絶縁性
高分子膜を被覆することや、少なくとも半導体層16上
を除く領域に、配向膜191 を形成すること等が採用さ
れ得る。
【0046】このような構造を有する本発明の液晶表示
素子では、互いに対向する基板111 および112 の対
向面を夫々被覆する配向膜191 および192 の少なく
とも一方に、前述した配向処理の施されたポリシラン膜
が使用される。この場合、特に好ましくは、静電気によ
るTFT13の破壊を防止するため、少なくともTFT
13が実装された基板111 を被覆する配向膜191
ポリシラン膜が使用される。
【0047】
【作用】本発明の液晶表示素子では、配向膜としてポリ
シラン膜が使用されている。このポリシラン膜は半導体
性を有するため、基板上における製膜および配向処理の
際、特にラビング法による配向処理を行った場合におい
ても、静電気が発生することはなく、基板および基板上
に形成された素子の汚染、破壊等が防止される。更に、
ポリシラン膜では、電荷の蓄積が低減されチャージアッ
プの発生が防止されるため、液晶分子の配向乱れの発生
が防止される。しかも、ポリシランにおいては可視光領
域における光の吸収がなく、光の透過性の優れた配向膜
を形成することができる。
【0048】また、ポリシラン膜はSi−Si主鎖の方
向に沿って大きな分極率を有するため、その方向に沿っ
て液晶分子が強く配向する。特に、前述したような反復
単位(1)を有するポリシランを使用し、LB法によっ
て形成された薄膜は、Si−Si主鎖が基板の引上げ方
向に強く配向するため、液晶分子に対する優れた配向制
御力を示す。以上のように、本発明の液晶表示素子で
は、配向膜としてポリシラン膜を適用することにより、
その諸性能が高めらている。
【0049】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0050】これら実施例および比較例において、液晶
表示素子は液晶セルの形で作製および評価されている。
尚、実施例および比較例の記載中、略号で示される化合
物について、その構造式を下記化26〜27に示す。 実施例1
【0051】表面にITOが蒸着された硬質ガラスNA
−45((株)HOYA製)をウェハ状に切出し、過酸
化水素水および硫酸の混合物で処理した。これを水洗
後、リンサードライヤーにより乾燥し、更に 150℃、30
分間乾燥して、ガラス基板を形成した。
【0052】次に、上記ガラス基板上にTFTを実装し
た後、そのTFTおよびITO面上にフェニルヘキシル
ポリシラン(P−1)(分子量 150,000)の15wt%キシ
レン溶液をスピンコートし、 150℃、30分間乾燥して膜
厚 0.1μm のポリシラン薄膜を形成した。続いて、この
ポリシラン薄膜を常法に従ってラビング処理した。
【0053】一方、ガラス上にカラーフィルター、透明
電極が順次形成され、更に保護膜をオーバーコートした
カラーフィルター基板表面に、上記同様にポリシラン薄
膜を形成し、ラビング処理を行った。
【0054】次いで、これらラビング処理の施されたポ
リシラン薄膜を有する基板を 2cm平方の大きさに切出
し、これらを夫々のラビング方向が直交するように組合
せ、常法に従って液晶セルを作製した。この液晶セルに
おいて、シール剤には常温硬化型二液性エポキシ樹脂
を、スペーサーには径 6μm のグラスファイバーを夫々
使用し、セル内部にはネマティック型液晶組成物(Merk
社製、ZLI-1370)を封入した。当該液晶セルについて、
電圧 -透過光量の関係(V−T特性)について評価した
ところ、しきい値電圧の変化は観測されず、良好に作動
した。 比較例
【0055】実施例1のプロセスにおいて、前記基板上
にポリシランに代って熱硬化性ポリイミドPIX1400 (日
立化成製)をスピンコートし、155 ℃で 1時間、 220℃
で 2時間、360 ℃で 2時間加熱硬化させた。これ以外は
上記同様に液晶セルを作製した。当該液晶セルについ
て、V−T特性について評価したところ、約 0.2Vのし
きい値電圧の変化が見られた。 実施例2
【0056】ポリシラン(P−2)30mgをシクロヘキサ
ノン 1リットルに溶解させ、このポリマー溶液を水面上
に展開して単分子膜を形成した。続いて、実施例1で使
用されたガラス基板およびカラーフィルター基板を、水
面(単分子膜面)に対して垂直方向に浸漬させた後、水
面上に引上げた。この操作を20回繰り返すことによっ
て、即ちLB法によるプロセスによって、基板上に(P
−2)が20層累積されたポリシラン薄膜を形成した。
【0057】以上のように形成されたポリシラン薄膜を
有する基板を所定の大きさに切出し、これらを前記水面
からの引上げ方向を揃えて組合せ、実施例1と同様に液
晶組成物(Merk社製、ZLI-1370)を封入して、液晶セル
を作製した。
【0058】当該液晶セルを2枚の偏光板間に挟装し、
偏光板の方向を変化させて液晶分子の配向状態を観察し
たところ、偏光板の方向と基板の前記引上げ方向とを揃
えた場合では光が透過しており、一方、偏光板の方向と
基板の前記引上げ方向とを直交させた場合では光の透過
が起こらなくなった。この結果より、ポリシラン(P−
2)は基板上において前記LB法による引上げ方向に配
向しており、その薄膜は液晶分子を同方向に配向させ得
ることが示唆された。
【0059】また、当該液晶セルについて、V−T特性
について評価したところ、しきい値電圧は一定であり、
良好に作動して、チャージアップ発生の影響はないこと
が示唆された。 参考例
【0060】ポリシラン(P−2)30mgをシクロヘキサ
ノン 1リットルに溶解させた。このポリマー溶液を、実
施例1で使用されたガラス基板およびカラーフィルター
基板上にスピンコートし、他の処理は施さずポリシラン
薄膜を形成した。これらポリシラン薄膜を有する基板を
所定の大きさに切出し、実施例1と同様に液晶組成物
(Merk社製、ZLI-1370)を封入して、液晶セルを作製し
た。
【0061】当該液晶セルを2枚の偏光板間に挟装し、
偏光板の方向を変化させて液晶分子の配向状態を観察し
たところ、偏光板の方向によって光の透過は完全に制御
されなかった。この結果より、特に配向処理の施されて
いないポリシラン薄膜には、液晶分子に対する配向制御
能がないことが示唆された。 実施例3〜6
【0062】ポリシランとして(P−3),(P−
4),(P−5),または(P−6)を使用することを
除いて、上述した実施例2と同様のプロセスに従って実
施例3〜6の液晶セルを作製した。これら液晶セルにつ
いて、V−T特性について評価したところ、しきい値電
圧は一定であり、良好に作動して、チャージアップ発生
の影響はないことが示唆された。 実施例7
【0063】表面にITOが蒸着された硬質ガラスNA
−45((株)HOYA製)をウェハ状に切出し、過酸
化水素水および硫酸の混合物で処理した。これを水洗
後、リンサードライヤーにより乾燥し、更に 150℃、30
分間乾燥して、ガラス基板を形成した。
【0064】次に、上記ガラス基板上にTFTを実装し
た後、そのTFTおよびITO面上にポリシラン(P−
7)(分子量 200,000)の15wt%シクロヘキサン溶液を
スピンコートし、 100℃、10分間乾燥して膜厚 0.1μm
のポリシラン薄膜を形成した。続いて、このポリシラン
薄膜に対し、波長 370nm以下の光をカットした水銀ラン
プ光を照射して、ポリシラン分子中のアクリル基を架橋
させた。更に、光照射後のポリシラン薄膜に対し、常法
に従ってラビング処理を行った。
【0065】一方、ガラス上にカラフィルター、透明電
極が順次形成され、更に保護膜をオーバーコートしたカ
ラーフィルター基板表面に、上記同様にポリシラン薄膜
を形成し、光照射後ラビング処理を行った。これらラビ
ング処理の施されたポリシラン薄膜を有する基板を用い
て、実施例1と同様に液晶セルを作製した。
【0066】当該液晶セルについて、V−T特性につい
て評価したところ、しきい値電圧の変化は観測されず、
良好に作動して、チャージアップ発生の影響はないこと
が示唆された。
【0067】また、これとは別に、上記基板上に全く同
様にしてポリシラン薄膜を形成し、光照射の後セロハン
テープによる剥がれ試験を行ったところ、ポリシラン薄
膜はほとんど剥がれなかった。一方、光照射の前に同様
の剥がれ試験を行った場合は、ポリシラン薄膜が殆ど剥
がれてしまった。即ち、当該液晶セルでは、基板上のポ
リシラン薄膜が光照射により硬化されているため、その
配向膜としての強度がより向上されていることが確認さ
れた。 実施例8
【0068】ポリシラン(P−8)30mgをシクロヘキサ
ノン 1リットルに溶解させ、このポリマー溶液を水面上
に展開して単分子膜を形成した。続いて、実施例1で使
用されたガラス基板およびカラーフィルター基板を、水
面(単分子膜面)に対して垂直方向に浸漬させた後、水
面上に引上げた。この操作を20回繰り返すことによっ
て、即ちLB法によるプロセスによって、基板上に(P
−8)が20層累積されたポリシラン薄膜を形成した。続
いて、このポリシラン薄膜に対し、波長 370nm以下の光
をカットした水銀ランプ光を照射して、ポリシラン分子
中のアクリル基を架橋させた。
【0069】以上のように形成されたポリシラン薄膜を
有する基板を所定の大きさに切出し、これらを前記LB
法による水面からの引上げ方向を揃えて組合せ、実施例
1と同様に液晶組成物(Merk社製、ZLI-1370)を封入し
て、液晶セルを作製した。
【0070】当該液晶セルについて、電圧 -透過光量の
関係(V−T特性)について評価したところ、しきい値
電圧の変化は観測されず、良好に作動して、チャージア
ップ発生の影響はないことが示唆された。
【0071】また、これとは別に、上記基板上に全く同
様にしてポリシラン薄膜を形成し、光照射の後セロハン
テープによる剥がれ試験を行ったところ、ポリシラン薄
膜はほとんど剥がれなかった。一方、光照射の前に同様
の剥がれ試験を行った場合は、ポリシラン薄膜が殆ど剥
がれてしまった。即ち、当該液晶セルでは、基板上のポ
リシラン薄膜が光照射により硬化されているため、その
配向膜としての強度がより向上されていることが確認さ
れた。
【0072】
【化26】
【0073】
【化27】 式中、nは正の整数を、x,y,zは共重合体の組成比
を夫々表す。
【0074】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の液晶表示
素子は、基板の汚染および静電気の発生等を伴うことな
く形成された配向膜を有する。この配向膜は、チャージ
アップの発生が少なく、液晶に対して強い配向制御能を
有する。従って、本発明の液晶表示素子は、V−T特
性、動画表示状態等の性能に優れ、液晶ディスプレイの
品質を向上させる上で顕著な効果を奏するものであり、
その工業的価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示素子の一例における画素部の
構造を示す断面図。
【符号の説明】
111 ,112 …基板、121 ,122 …透明電極、1
3…TFT、14…ゲート電極、15…ゲート絶縁膜、
16…半導体層、17…ソース電極、18…ドレイン電
極、191 ,192 …配向膜、20…液晶
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 早瀬 修二 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一定距離を隔て対向して配置された一対
    の基板と、これら夫々の基板の対向面を被覆する配向膜
    と、前記基板間に前記配向膜を介して封入された液晶と
    を具備した液晶表示素子であって、 前記配向膜の少なくとも一方は、配向処理の施されたポ
    リシラン膜であることを特徴とする液晶表示素子。
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