JPH05258911A - 電力用抵抗体 - Google Patents

電力用抵抗体

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JPH05258911A
JPH05258911A JP4055633A JP5563392A JPH05258911A JP H05258911 A JPH05258911 A JP H05258911A JP 4055633 A JP4055633 A JP 4055633A JP 5563392 A JP5563392 A JP 5563392A JP H05258911 A JPH05258911 A JP H05258911A
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直樹 森田
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文雄 上野
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基真 今井
Iwao Mitsuishi
巌 三石
Hideyasu Ando
秀泰 安藤
Koji Tohata
孝二 東畑
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、単位体積当りの熱容量が大きく、抵
抗率が適当な値であり、抵抗温度係数が正でその絶対値
が小さく、さらに抵抗率の制御が容易な電力用抵抗体を
提供しようとするものである。 【構成】酸化亜鉛(ZnO)を主成分とし、副成分とし
てチタンを酸化チタン換算にて0.5〜20モル%、ニ
ッケルを酸化ニッケル換算にて0.5〜30モル%、銅
を酸化銅(Cu2 O)換算にて0.001〜1モル%含
む焼結体1を具備したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、変圧器、遮断器など電
力機器等のサージの吸収に好適な電力用抵抗体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、遮断器等の電流制御用、電動機の
始動・回生に伴なう各種制御用、または送電系統の異常
発生時における接地用として、種々の電力用抵抗器が用
いられている。これら抵抗器は、金属抵抗体、セラミッ
ク抵抗体、種々の複合体により構成されている。
【0003】例えば、高電圧用遮断器には開閉時に発生
するサージを吸収したり遮断容量を増加させるために遮
断接点と並列に投入抵抗体が接続される。このような目
的に用いられる抵抗体として、従来、例えば特開昭58
−139401号公報に記載されているような炭素粒子
分散型セラミック抵抗体が用いられている。前記抵抗体
は、絶縁性の酸化アルミニウム結晶中に、導電性のカー
ボン粉末を分散させ粘土で焼き固めたもので、100〜
2500Ω・cmの抵抗率を持つ。前記炭素粒子分散型
セラミック抵抗体は、カーボン粉末の含有量を調整する
ことで抵抗率を変化させることができる利点があるが、
気孔率が10〜30%と高く緻密性に劣るため、以下の
問題がある。
【0004】すなわち、第1に、体積当りの熱容量が2
J/cm3 ・K程度と小さいために、放電大量が小さ
い。その結果、サージの吸収による発熱に伴って温度が
著しく上昇する。第2に、開閉サージ吸収時にカーボン
粉末間で放電を起こして貫通放電を生じる。第3に、前
記抵抗体を高い温度にさらすと、抵抗値を制御している
炭素粒子が酸化されるため、大きな抵抗値変動を発生す
る。第4に、抵抗温度係数が負であることである。その
ため、投入抵抗器用抵抗体として使用した場合、開閉サ
ージ吸収によって抵抗体の温度上昇が起こると、抵抗体
の抵抗率が小さくなって熱暴走を生じて開閉サージを吸
収し切れなくなる。以上のような第1〜第4の点により
前述した従来の抵抗体は実用上問題があった。
【0005】一方、近年の技術開発による遮断器の小型
化にともない、開閉サージ吸収用投入抵抗器の小型化が
望まれている。投入抵抗器を小型化するためには、使用
される抵抗体の単位体積当たりの熱容量の増大が不可欠
である。従来の抵抗体のように2J/cm3 ・Kという
熱容量ではこれ以上投入抵抗器を小型化することが困難
である。
【0006】このようなことから、単位体積当たりの熱
容量が約2.8J/cm3 ・Kと大きい酸化亜鉛基セラ
ミック抵抗体が注目されている。酸化亜鉛セラミック
は、通常、単独ではその抵抗温度係数が負であるが、酸
化チタン(TiO2 )を添加することにより抵抗温度係
数を正にすることができることが広く知られている。た
だし、TiO2 のみを添加すると、高抵抗率の亜鉛−チ
タンスピネル(Zn2 TiO4 )相が生成する。その結
果、電力用抵抗体として適当な抵抗率より大きくなって
しまうという問題がある。
【0007】前記問題を解決するためにSolid−S
tate ElectronicsPergamon
Press 6,111(1963),USP−289
2988,USP−2933586には酸化ニッケル
(NiO)を添加することによって抵抗率を調節するこ
とが行われている。しかも、単位体積当りの熱容量が
4.0J/cm3 ・Kと大きなNiOを添加することに
よって、抵抗体の熱容量を大きくすることができるた
め、絶縁耐量を約800J/ccと従来の炭素粒子分散
型セラミック抵抗体(400J/cc)よりも2倍大き
くすることができる。
【0008】しかしながら、前記抵抗体は形状によって
抵抗率が変化するため、抵抗体の抵抗値制御が困難にな
るという問題があった。かかる現象は、抵抗体の表面積
/体積が大きくなるに伴って顕著になる。したがって、
酸化亜鉛セラミックは抵抗率および抵抗率の温度変化等
の電気的性質、熱容量のような熱的性質を有することが
知られているものの、サージ吸収用の電力用抵抗体とし
ては工業的に問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、単位
体積当りの熱容量が大きく、抵抗率が適当な値であり、
抵抗温度係数が正でその絶対値が小さく、さらに抵抗率
の制御が容易な電力用抵抗体を提供しようとするもので
ある。
【0010】本発明の別の目的は、単位体積当りの熱容
量が大きく、抵抗温度係数が正でその絶対値が小さく、
さらにサージ吸収による抵抗値変化および温度係数の小
さい電力用抵抗体を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる電力用抵
抗体は、酸化亜鉛(ZnO)を主成分とし、副成分とし
て(a)チタンを酸化チタン換算にて0.5〜20モル
%、(b)ニッケルを酸化ニッケル換算にて0.5〜3
0モル%、(c)銅を酸化銅(Cu2 O)換算にて0.
001〜1モル%含む焼結体を具備したことを特徴とす
るものである。前記焼結体中の副成分の配合割合を限定
した理由について以下に説明する。 (a)Ti
【0012】前記焼結体中のチタン量を酸化チタン(T
iO2 )に換算して0.5モル%未満にすると、抵抗温
度係数が負で、かつ抵抗温度係数の絶対値が大きくなる
ため、良好な特性を有する電力用抵抗体を得ることがで
きなくなる。一方、前記焼結体中のチタン量が酸化チタ
ン(TiO2 )に換算して20モル%を超えると、抵抗
率が104 Ωcm以上と大きくなり、良好な特性を有す
る電力用抵抗体を得ることができなくなる。 (b)Ni
【0013】前記焼結体中のニッケル量を酸化ニッケル
(NiO)に換算して0.5モル%未満にすると、抵抗
率が約102 Ωcm以下となり、良好な特性を有する電
力用抵抗体を得ることができなくなる。一方、前記焼結
体中のニッケル量を酸化ニッケル(NiO)に換算して
30モル%範囲を超えると、単位体積当たりの熱容量は
大きくなるものの、抵抗率が104 Ωcm以上と大きく
なり、同様に良好な特性を有する電力用抵抗体を得るこ
とができなくなる。 (c)銅
【0014】前記焼結体中の銅量を酸化銅(Cu2 O)
に換算して0.001モル%未満にすると、抵抗率制御
効果が小さくなる。前記焼結体中の銅量を酸化銅(Cu
2 O)に換算して1モル%を超えると、前記銅の配合に
よる効果をそれ以上高めることができなくなるばかり
か、抵抗温度係数が負で絶対値が大きくなり、電力用機
器が熱暴走する問題が生じる。
【0015】本発明に係わる別の電力用抵抗体は、酸化
亜鉛(ZnO)を主成分とし、副成分として(a)チタ
ンを酸化チタン換算にて0.5〜20モル%、(b)ニ
ッケルを酸化ニッケル換算にて0.5〜30モル%、
(c)アルミニウム、リチウム、ナトリウム、カリウ
ム、銀から選ばれる少なくとも1種の金属元素を酸化物
換算にて0.001〜0.05モル%を含む焼結体を具
備したことを特徴とするものである。前記焼結体中の副
成分であるTi、Niの配合割合を限定したのは、前述
したのと同様な理由によるものである。
【0016】前記副成分である金属元素の配合割合を限
定したのは、次のような理由によるものである。金属元
素量を酸化物に換算して0.001モル%未満にする
と、サージ吸収による抵抗率変化が大きくなる。一方、
金属元素量を酸化物に換算して0.05モル%を超える
と、抵抗温度係数が大きくなって電力用抵抗体として不
適当になる。
【0017】本発明に係わる電力抵抗体は、図1および
図2に示すように前述した成分組成からなる例えば環状
の焼結体1と、前記焼結体1の両面に設けられた電極2
と、前記焼結体1の外周面および中空部の内周面にそれ
ぞれ被覆され、側面での沿面放電を防止するための絶縁
層3とから構成されている。前記電極2は、例えばアル
ミニウムまたはニッケルなどから形成されることが望ま
しい。前記絶縁層3は、例えば樹脂又はガラスやガラス
セラミックから形成することが望ましい。本発明に係わ
る電力抵抗体は、例えば以下のような方法により作製さ
れる。
【0018】まず、酸化亜鉛粉末に所定量の酸化チタン
粉末、酸化ニッケル粉末および酸化銅粉末または硝酸金
属塩水溶液(例えば硝酸アルミニウム水溶液)を加え、
さらに水およびバインダーを加え、ボールミル中で十分
に混合する。得られた混合物を乾燥後、造粒し、成形す
る。この時の成形圧力は、焼結体の密度を高めるために
200kg/cm2 以上であることが望ましい。前記圧
力未満で成形すると、焼結体の相対密度が上がらず、単
位体積当たりの熱容量が低下する恐れがある。つづい
て、成形体を電気炉等により焼成する。かかる焼成時の
雰囲気は、空気中の他、酸素ガス中などの酸化性雰囲気
中で行なうことができる。前記焼成温度は1000℃〜
1400℃で行なうことが望ましい。焼成温度を100
0℃未満にすると、焼結が進まず、相対密度が低くな
る。その結果、抵抗体の単位体積当りの熱容量が小さく
なり、サージ耐量が小さくなる恐れがある。一方、14
00℃を超えると焼結体の成分元素、特にニッケル成分
の蒸発が著しくなる。蒸発による組成変動は特に焼結体
の表面に近いほど著しいため、焼結体内部に抵抗率分布
ができ、エネルギーを吸収発熱した際、温度分布が生じ
て、熱応力によって焼結体が破壊される恐れがある。
【0019】次いで、前記焼結体の両主面を研磨し、ス
パッタリング、溶射、焼き付けなどの手段によりアルミ
ニウムまたはニッケルなどからなる電極を形成する。前
記焼結体(例えば環状をなす)の外周面および中空部の
内周面は、必要に応じて、樹脂系あるいは無機系の絶縁
層(高抵抗層)が焼き付けもしくは溶射等により形成さ
れる。
【0020】なお、前記抵抗体は基本的に前述した構成
成分が配合されていればよく、製造上および特性改善を
目的として必要に応じて他の添加物を含んでもよい。ま
た、前記抵抗素子の構造は中空円筒の形状が好ましい
が、これに限定されるものではなく、遮断器の抵抗体ス
ペースに好適な形状とすればよい。
【0021】
【作用】本発明に係わる電力用抵抗体によれば、焼結体
は酸化亜鉛(ZnO)を主成分とし、副成分としてチタ
ンを酸化チタン換算にて0.5〜20モル%、ニッケル
を酸化ニッケル換算にて0.5〜30モル%、銅を酸化
銅(Cu2 O)換算にて0.001〜1モル%含む組成
を有するため、単位体積当りの熱容量が大きく、抵抗率
が適当な値であり、抵抗温度係数が正でその絶対値が小
さく、さらに抵抗率の制御が容易になる。前記単位体積
当りの熱容量の増大、抵抗率の適性化、抵抗温度係数が
正でその絶対値が小さいという作用は、所定量のチタ
ン、ニッケルの配合によるものである。抵抗率制御の容
易さは、以下に説明するように銅を配合したことによる
ものである。
【0022】すなわち、純粋の酸化亜鉛は酸素と亜鉛元
素が化学量論的に定比であれば絶縁体であるが、通常は
不定比で、亜鉛元素が若干過剰になっているため、ドナ
ーレベルが形成され、導電キャリアが存在している。こ
のため、酸化亜鉛は半導体的な性質を示すことが知られ
ている。酸化亜鉛に一価の陽イオン、例えばCu1+を固
溶させ、原子価制御を行うと抵抗率を調節できることが
知られている。これは、一価の陽イオンを固溶すると、
アクセプタレベルが形成されて酸化亜鉛の導電キャリア
が減少するためであると考えられている。
【0023】本発明者らは、酸化亜鉛単体のみならず、
酸化亜鉛−酸化ニッケル−酸化チタンの3成分系でもC
u1+を所定量固溶させることによって、抵抗率を容易に
調節できることを見い出した。前述したように酸化亜鉛
−酸化ニッケル−酸化チタンの3成分系中の酸化ニッケ
ルによっても抵抗率を調節することが可能であるが、本
発明のように酸化銅(Cu2 O)を所定量配合すること
によって、抵抗率を調節できることに加え、抵抗体の形
状変化に起因する抵抗率のばらつきを抑制でき、ひいて
は特性のばらつきの少ない電力用抵抗体を得ることがで
きるに至ったものである。
【0024】本発明に係わる別の電力用抵抗体によれ
ば、焼結体が酸化亜鉛(ZnO)を主成分とし、副成分
としてチタンを酸化チタン換算にて0.5〜20モル
%、ニッケルを酸化ニッケル換算にて0.5〜30モル
%、アルミニウム、リチウム、ナトリウム、カリウムお
よび銀から選ばれる少なくとも1種の金属元素を酸化物
換算にて0.001〜0.05モル%を含む組成を有す
るため、単位体積当りの熱容量が大きく、抵抗温度係数
が正でその絶対値が小さく、さらにサージ吸収による抵
抗値変化および温度係数の小さくできる。
【0025】すなわち、遮断器が例えば脱調投入される
と、前記遮断器に組み込まれた抵抗体には瞬時(約0.
01秒)に100℃以上の温度上昇を生じる。かかる加
熱冷却サイクルが繰り返されると、抵抗体の抵抗率が変
化する。具体的には、1回の加熱冷却サイクルで、抵抗
率は1〜2%程度増加する。従って、加熱冷却サイクル
が100回繰り返されれば、その抵抗率は元の3〜7倍
になってしまう。
【0026】このようなことから、本発明者らは酸化亜
鉛−酸化ニッケル−酸化チタンの3成分系に加えてアル
ミニウム、リチウム、ナトリウム、カリウムおよび銀か
ら選ばれる少なくとも1種の金属元素を酸化物換算にて
所定量配合することによってサージ吸収による抵抗値変
化および温度係数の小さい電力用抵抗体を見い出したも
のである。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 実施例1〜17、比較例1〜10
【0028】まず、平均粒径0.7μmの酸化亜鉛(Z
nO)粉末に平均粒径0.5μmの酸化ニッケル(Ni
O)と平均粒径0.7μmの酸化チタン(TiO2 )粉
末と平均粒径1.5ミクロンの酸化銅(Cu2 O)粉末
を下記表1および表2に示す割合となるように配合し、
純水溶媒中、樹脂製ボールミルとジルコニア製粉砕媒体
を用いて、24時間湿式混合した。つづいて、前記各ス
ラリーを乾燥した後、バインダとしてポリビニルアルコ
ール水溶液をそれぞれ所定量添加混合し、篩を通して造
粒を行った。これら造粒粉を、圧力500kg/cm2
にて金型成形することにより外径148mm、内径48
mm、高さ32mmの環状成形体をそれぞれ形成した。
これら成形体を、空気中1400℃で2時間焼成を行っ
た。得られた各焼結体の寸法は、外径127mm、内径
41mm、高さ25.4mmであった。
【0029】次いで、前記各焼結体の外周面および中空
部の内周面に、ホウケイ酸ガラス粉末を塗布、焼き付け
て絶縁層をそれぞれ形成した。つづいて、前記各焼結体
の両端面を研削加工し、洗浄した後、両端面にアルミニ
ウム電極を溶射により形成することにより前述した図1
および図2に示す27種の抵抗体を製造した。
【0030】得られた本実施例1〜17および比較例1
〜10の抵抗体について、常温での抵抗率、抵抗温度係
数および比熱を調べた。なお、前記抵抗温度係数は、常
温の抵抗率と常温から100℃上昇した時の抵抗率の変
化を1℃当たりの変化率で示した。これらの結果を下記
表1および表2に併記した。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】前記表1および表2に明らかなように酸化
亜鉛(ZnO)を主成分とし、副成分としてチタンを酸
化チタン(TiO2 )に換算して0.5〜20モル%、
ニッケルを酸化ニッケル(NiO)に換算して0.5〜
30モル%、銅を酸化銅(Cu2 O)に換算して0.0
01〜1モル%含む組成範囲の焼結体を備えた本実施例
1〜17の抵抗体は、抵抗率が102 〜104 Ω・cm
で、抵抗温度係数の絶対値が0.5以下であることがわ
かる。また、比熱も2.81〜3.16J/cm3 と従
来のカーボン分散型の抵抗体より大きいことがわかる。
【0034】これに対し、NiO量が0.5モル%未満
の焼結体を備えた抵抗体(比較例1)では抵抗率が10
2 Ω・cm以下と小さくなる。一方、NiO量が30モ
ル%を超える焼結体を備えた抵抗体(比較例2)では抵
抗率が104 Ω・cm以上となると共に、ニッケル成分
の蒸発量が著しくなる。
【0035】また、TiO2 量が0.5モル%未満の焼
結体を備えた抵抗体(比較例3)では抵抗温度係数が負
で、かつその絶対値とが大きくなると共に抵抗変化率が
大きくなる。一方、TiO2 が20モル%を超える焼結
体を備えた抵抗体(比較例4)では抵抗率が104 Ω・
cm以上となることがわかる。
【0036】さらに、Cu2 O量が0.001モル%未
満の焼結体を備えた抵抗体(比較例5、6、8、9)で
は抵抗率制御効果が小さく、一方、Cu2 O量が1モル
%を超える焼結体を備えた抵抗体(比較例7、10)で
は抵抗温度係数が負で絶対値が大きくなるという不都合
を招く。 実施例18〜21
【0037】実施例9と同様な組成(NiO;5モル
%、TiO2 ;15モル%、Cu2 O;0.01モル
%、残部ZnO)を有し、下記表3に示す円板状の抵抗
体を実施例1と同様な方法により製造した。 比較例11〜14 下記表3に示す組成、形状の円板状の抵抗体を実施例1
と同様な方法により製造した。得られた本実施例18〜
21および比較例11〜14の抵抗体について、常温で
の抵抗率を調べた。その結果を下記表3に併記した。
【0038】
【表3】 前記表3から明らかなように本実施例18〜21の抵抗
体は比較例11〜14の抵抗体に比べて形状変化による
抵抗率の変動が著しく小さいことがわかる。 実施例22〜30、比較例15〜20
【0039】まず、平均粒径0.7μmの酸化亜鉛(Z
nO)粉末に平均粒径0.5μmの酸化ニッケル(Ni
O)と平均粒径0.7μmの酸化チタン(TiO2 )粉
末と1%濃度の硝酸アルミニウム水溶液をAl2 O3 換
算で下記表4に示す割合となるように配合し、純水溶媒
中、樹脂製ボールミルとジルコニア製粉砕媒体を用い
て、24時間湿式混合した。つづいて、前記各スラリー
を乾燥した後、バインダとしてポリビニルアルコール水
溶液をそれぞれ所定量添加混合し、篩を通して造粒を行
った。これら造粒粉を、圧力500kg/cm2 にて金
型成形することにより外径148mm、内径48mm、
高さ32mmの環状成形体をそれぞれ形成した。これら
成形体を、空気中1400℃で2時間焼成を行った。得
られた各焼結体の寸法は、外径127mm、内径41m
m、高さ25.4mmであった。
【0040】次いで、前記各焼結体の外周面および中空
部の内周面に、ホウケイ酸ガラス粉末を塗布、焼き付け
て絶縁層をそれぞれ形成した。つづいて、前記各焼結体
の両端面を研削加工し、洗浄した後、両端面にアルミニ
ウム電極を溶射により形成することにより前述した図1
および図2に示す15種の抵抗体を製造した。
【0041】得られた本実施例22〜30および比較例
15〜20の抵抗体について、常温での抵抗率、抵抗温
度係数および抵抗変化率を調べた。なお、前記抵抗温度
係数は、常温の抵抗率と常温から100℃上昇した時の
抵抗率の変化を1℃当たりの変化率で示した。前記抵抗
変化率は、同一条件で試作した直径20mmの試料に2
00J/ccに相当する衝撃波を20回印加した後の抵
抗率変化を初期値に対する百分率で求めた。この結果を
下記表4に併記した。
【0042】
【表4】
【0043】前記表4から明らかなように本実施例22
〜30の抵抗体は適切な抵抗率を有し、抵抗温度係数の
絶対値が0.5以下で、さらにサージ吸収による抵抗変
化率が低く、極めて良好な特性を有することがわかる。 比較例21、22
【0044】米国特許第2,892,988号明細書に
記載のようにCaOをAl2 O3 の代わりに0.01モ
ル%、0.1モル%添加し、実施例22と同様な方法に
より2種の抵抗体を製造した。
【0045】得られた比較例21、22の抵抗体につい
て、実施例22と同様な方法により常温での抵抗率、抵
抗温度係数および抵抗変化率を調べた。その結果を下記
表5に示した。
【0046】
【表5】 実施例31〜44、比較例23〜28
【0047】まず、平均粒径0.7μmの酸化亜鉛(Z
nO)粉末に平均粒径0.5μmの酸化ニッケル(Ni
O)と平均粒径0.7μmの酸化チタン(TiO2 )粉
末と1%濃度の硝酸ナトリウム水溶液をNa2 O換算で
下記表6、表7に示す割合となるように配合し、純水溶
媒中、樹脂製ボールミルとジルコニア製粉砕媒体を用い
て、24時間湿式混合した。つづいて、前記各スラリー
を乾燥した後、バインダとしてポリビニルアルコール水
溶液をそれぞれ所定量添加混合し、篩を通して造粒を行
った。これら造粒粉を、圧力500kg/cm2 にて金
型成形することにより外径148mm、内径48mm、
高さ32mmの環状成形体をそれぞれ形成した。これら
成形体を、空気中1400℃で2時間焼成を行った。得
られた各焼結体の寸法は、外径127mm、内径41m
m、高さ25.4mmであった。
【0048】次いで、前記各焼結体の外周面および中空
部の内周面に、ホウケイ酸ガラス粉末を塗布、焼き付け
て絶縁層をそれぞれ形成した。つづいて、前記各焼結体
の両端面を研削加工し、洗浄した後、両端面にアルミニ
ウム電極を溶射により形成することにより前述した図1
および図2に示す15種の抵抗体を製造した。
【0049】得られた本実施例31〜44および比較例
23〜28の抵抗体について、実施例22と同様な方法
により常温での抵抗率、抵抗温度係数および抵抗変化率
を調べた。これらの結果を下記表6、表7に併記した。
【0050】
【表6】
【0051】
【表7】
【0052】前記表6、表7から明らかなように本実施
例31〜44の抵抗体は適切な抵抗率を有し、抵抗温度
係数の絶対値が0.5以下で、更に優れたサージ吸収に
よる抵抗変化率が低く、極めて良好な特性を有すること
がわかる。 実施例45 Na2 Oの代わりにLi2 Oを0.01モル%添加した
以外、実施例32と同組成の抵抗体を実施例22と同様
な方法により製造した。 実施例46 Na2 Oの代わりにK2 Oを0.01モル%添加した以
外、実施例32と同組成の抵抗体を実施例22と同様な
方法により製造した。 実施例47 Na2 Oの代わりにAg2 Oを0.01モル%添加した
以外、実施例32と同組成の抵抗体を実施例22と同様
な方法により製造した。
【0053】得られた本実施例45〜47の抵抗体につ
いて、実施例22と同様な方法により常温での抵抗率、
抵抗温度係数および抵抗変化率を調べた。実施例45の
結果を下記表8、実施例46の結果を下記表9、実施例
47の結果を下記表10、にそれぞれ示した。
【0054】
【表8】
【0055】
【表9】
【0056】
【表10】
【0057】前記表8〜表10から明らかなようにNa
2 Oの代わりにLi2 O、K2 O、Ag2 Oを添加した
実施例45〜47の抵抗体はいずれも適切な抵抗率を有
し、抵抗温度係数の絶対値が0.5以下で、更に優れた
サージ吸収による抵抗変化率が低く、極めて良好な特性
を有することがわかる。
【0058】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明によれば単位
体積当りの熱容量が大きく、抵抗率が適当な値であり、
抵抗温度係数が正でその絶対値が小さく、さらに抵抗率
の制御が容易な電力用抵抗体を提供できる。また、本発
明によれば単位体積当りの熱容量が大きく、抵抗温度係
数の絶対値が小さく、さらにサージ吸収による抵抗値変
化および温度係数の小さい電力用抵抗体を提供をでき
る。したがって、従来の抵抗体に比べて抵抗体の大きさ
を大幅に縮小化することができ、ひいては前記抵抗体を
組み込んだ遮断器の縮小化を図ることができる等顕著な
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる抵抗体の一例を示す斜視図。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図。
【符号の説明】
1…焼結体、2…電極、3…絶縁層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三石 巌 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝総合研究所内 (72)発明者 安藤 秀泰 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内 (72)発明者 東畑 孝二 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化亜鉛(ZnO)を主成分とし、副成
    分としてチタンを酸化チタン換算にて0.5〜20モル
    %、ニッケルを酸化ニッケル換算にて0.5〜30モル
    %、銅を酸化銅(Cu2 O)換算にて0.001〜1モ
    ル%含む焼結体を具備したことを特徴とする電力用抵抗
    体。
  2. 【請求項2】 酸化亜鉛(ZnO)を主成分とし、副成
    分としてチタンを酸化チタン換算にて0.5〜20モル
    %、ニッケルを酸化ニッケル換算にて0.5〜30モル
    %、アルミニウム、リチウム、ナトリウム、カリウムお
    よび銀から選ばれる少なくとも1種の金属元素を酸化物
    換算にて0.001〜0.05モル%を含む焼結体を具
    備したことを特徴とする電力用抵抗体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010219154A (ja) * 2009-03-13 2010-09-30 Mitsubishi Electric Corp 電圧非直線抵抗体、電圧非直線抵抗体を搭載した避雷器及び電圧非直線抵抗体の製造方法
JP2012231091A (ja) * 2011-04-27 2012-11-22 Toshiba Corp 電流−電圧非直線抵抗体

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