JPH05272057A - 獣毛繊維処理剤および処理方法 - Google Patents

獣毛繊維処理剤および処理方法

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JPH05272057A
JPH05272057A JP4067370A JP6737092A JPH05272057A JP H05272057 A JPH05272057 A JP H05272057A JP 4067370 A JP4067370 A JP 4067370A JP 6737092 A JP6737092 A JP 6737092A JP H05272057 A JPH05272057 A JP H05272057A
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JP
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animal hair
treatment
bath
hair fiber
owf
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JP4067370A
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English (en)
Inventor
Seiji Shimura
征爾 志村
Kunio Kako
邦夫 加古
Akira Saito
旭 齋藤
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KOIZUMI KAGAKU KK
Chiyoda Shoji Co Ltd
Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Original Assignee
KOIZUMI KAGAKU KK
Chiyoda Shoji Co Ltd
Nippon Chemical Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 獣毛繊維にソフトで独特のぬめり感をもつ風
合を付与し且つ防縮性および耐ピリング性、さらにナチ
ュラルホワイトな白度で黄変しにくい漂白効果を与え
る。 【構成】 ヒドロキシアルキルホスフィンおよびその誘
導体の1種または2種以上と、蛋白質分解酵素とを有効
成分として含有してなる、獣毛繊維処理剤を用いる。前
記獣毛繊維処理剤を有効成分とする水溶液を含む処理浴
に、獣毛繊維を浸漬処理するか、あるいは、ヒドロキシ
アルキルホスフィン化合物を有効成分とする水溶液を含
む処理浴に、獣毛繊維を浸漬処理した後、さらに、蛋白
質分解酵素を含む前記とは別の処理浴に浸漬処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は獣毛繊維処理剤および処
理方法に関するものであり、さらに詳しくは、本発明
は、獣毛繊維にソフトで独特のぬめり感をもつ風合を付
与し且つ防縮性および耐ピリング性をも与え、さらにナ
チュラルホワイトな白度で黄変しにくい漂白効果を与え
ることのできる獣毛繊維処理剤および処理方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】羊毛に代表される獣毛が、その繊維製品
として我々の日常生活に利用されるに至るまでには、刈
り取った原毛の洗毛処理から始まって多数の加工工程を
経ている。例えば、精錬漂白や染色等の化学処理や防縮
加工の工程がある。例えば、酸化による改質としては、
過酸化水素、過硫酸塩、過マンガン酸塩、次亜塩素酸
塩、シクロロイソシアヌル酸塩、塩素等を使用して、ク
チクルを酸化させることが行われている。樹脂による改
質としては、ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂、バソ
ランSW(BASF社)等を被覆処理することが行われ
ている。酵素による改質としては、アルカリプロテアー
ゼを含むpH8.5以上のアルカリ性溶液で処理する方法
(特開昭51-99196号公報)がある。また、獣毛に塩素化
剤または過酸化剤を含む溶液を作用させた後、さらに蛋
白質分解酵素を作用させる方法もある(特開昭57-7147
4)。さらにまた、予め酸化処理し、次いで、塩類の存
在下で蛋白質分解酵素を用いる方法もある(特開昭58-1
44105号公報)。なお、ヒドロキシアルキルホスフィン
化合物による改質としては、国際公開WO89/02497があ
る。これらは獣毛のクチクル部分を改質することで防縮
性を与えるのみならず、光沢性、風合の改良、耐ピリン
グ性、諸堅ろう度の向上などを目的としている。上記の
方法いずれにおいても、獣毛に防縮性を与えることがで
きるが、耐ピリング性(毛玉にならないようにする)を
与えるには、ヒドロキシアルキルホスフィン化合物によ
る改質が最も顕著に効果がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、獣毛製
品は、防縮や耐ピリング性の機能を満足させるだけで
は、商品としてのニーズに合うものとは言えない。獣毛
製品では、防縮、耐ピリング性も要求されるが、同時
に、極めて感覚的な風合が求められる。例えば、カシミ
ヤのような風合と言えば、単に“やわらかな”という表
現だけでは不充分で、“ぬめり感のある”でも言い表し
得ない誠に微妙なものであり、測定機械等で評価できる
ものではない。獣毛の風合は、その産地、成育条件、部
位などによって千差万別で、同じ種類であっても風合が
一致するとは限らない。例えば、カシミヤ、ビキュー
ナ、アルパカ、アンゴラ、モヘヤ、メリノ羊毛など、同
種類であっても単一な風合ではない。風合のよい獣毛製
品は好まれ、高価である。これと反対に、粗剛であった
りして好みに沿わない風合では売れ行きも悪く、したが
って安価にならざるを得ない。言い換えると、風合が悪
いために安価な獣毛に対して、防縮性、耐ピリング性に
加えて、例えばカシミヤのような風合を与えることがで
きれば、天然資源の有効利用にもなり、加工業者にとっ
ても、消費者にとっても有益となる。さらに、獣毛製品
は、そのときどきのファッションの指向するところに従
い、売れ行きの良い色相などに合わせることが要求され
る。白色または極淡色から淡色の鮮明なパステルカラー
が要求されるとき、染色工程に先立ち、充分な漂白が必
須となる。なぜならば、獣毛は、元来独特の淡いクリー
ム色の色相をもつためである。例えば、ピンク、若草
色、ベージュ、ブルーなどの極淡色から淡色の鮮明な色
調が要求されるとき、獣毛がクリーム色に着色していて
は、求める色調に合わせることはできない。そこでクリ
ーム色の獣毛を白色に漂白する必要がある。しかしなが
ら、獣毛は漂白効果があがりにくい。例えば、35%過
酸化水素を、30〜50%owfもの高濃度で酸化漂白
し、続いて、ハイドロサルファイトなどの硫黄系還元剤
を用いて還元漂白を行う等、高温でしかも長時間作業が
必要となる。このような高温長時間作業では、当然のこ
ととして、獣毛は損傷せざるを得ず、如何にして損傷を
最小限に止めるかが、漂白作業の課題であった。本発明
は、上記のような従来の課題を解決し、ソフトで独特の
ぬめり感をもつ風合を付与し且つ防縮性および耐ピリン
グ性をも与え、さらにナチュラルホワイトな白度で黄変
しにくい漂白効果を獣毛繊維に与えることのできる獣毛
繊維処理剤および処理方法を提供することを目的とする
ものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、上記のような従来の課題を解決することができ
た。すなわち本発明の第1は、次の一般式
【0005】
【化3】
【0006】(式中、R1は炭素数1〜10のヒドロキ
シアルキル基、R2、R3は炭素数1〜10のアルキル基
又はヒドロキシアルキル基を表す)で示されるヒドロキ
シアルキルホスフィンおよびその誘導体の1種または2
種以上と、蛋白質分解酵素とを有効成分として含有して
なる、獣毛繊維処理剤を提供するものである。本発明の
第2は、請求項1に記載の獣毛繊維処理剤を有効成分と
する水溶液を含む処理浴に、獣毛繊維を浸漬処理するこ
とを特徴とする、獣毛繊維の処理方法を提供するもので
ある。本発明の第3は、前記のヒドロキシアルキルホス
フィンおよびその誘導体の1種または2種以上を有効成
分とする水溶液を含む処理浴に、獣毛繊維を浸漬処理し
た後、該獣毛繊維を、蛋白質分解酵素を含む前記とは別
の処理浴にさらに浸漬処理することを特徴とする、獣毛
繊維の処理方法を提供するものである。
【0007】以下に本発明をさらに詳細に説明する。な
お、本明細書において%owfとは、繊維の重量を基準に
した重量%を意味するものとする。本発明は、ヒドロキ
シアルキルホスフィン類と蛋白質分解酵素とを併用して
獣毛繊維に適用することにより、獣毛繊維に微妙にソフ
トで独特のぬめり感をもつ風合を付与し且つ防縮性およ
び耐ピリング性をも与え、さらにナチュラルホワイトな
白度で黄変しにくい漂白も提供するものである。
【0008】本発明において使用できるヒドロキシアル
キルホスフィンの具体例としては、例えばジメチルヒド
ロキシメチルホスフィン、ジメチルヒドロキシエチルホ
スフィン、ジエチルヒドロキシプロピルホスフィン、エ
チルビス(ヒドロキシエチル)ホスフィン、エチルビス
(ヒドロキシプロピル)ホスフィン、トリスヒドロキシ
メチルホスフィン、トリスヒドロキシエチルホスフィ
ン、トリスヒドロキシプロピルホスフィン、トリスヒド
ロキシブチルホスフィン、トリスヒドロキシペンチルホ
スフィン、トリスヒドロキシヘキシルホスフィン、トリ
スヒドロキシオクチルホスフィン等が挙げられる。中で
も、トリスヒドロキシプロピルホスフィンが好ましい。
また、ヒドロキシアルキルホスフィンの誘導体、例えば
アルキレンオキサイド付加物を使用することもできる。
ヒドロキシアルキルホスフィンのアルキレンオキサイド
付加物としては、通常、エチレンオキサイドまたはプロ
ピレンオキサイド付加物であって、付加モル数としては
1〜5の範囲のものが挙げられる。
【0009】(蛋白質分解酵素)蛋白質分解酵素は、粗
製のものまたは精製されたものであってもよく、とくに
限定するものではない。具体的には、植物起源系のパパ
イン、キモパパイン、プロメライン、フイシン、又、微
生物起源系のアスパギイラス、リイゾパス、細菌起源系
では枯草菌プロテアーゼ、放射菌プロテアーゼ等々が挙
げられる。中でも、パパインが好適である。
【0010】(処理浴)本発明の獣毛繊維処理剤は、い
かなる方法で獣毛に適用してもよいが、一般的には、以
下に述べるような処理浴を用いる。この処理浴には、処
理される獣毛繊維の処理効果をあげるために、酸性化
剤、界面活性剤、pH調整剤、染料または均染剤等の各
種補助剤を適宜併用するのが好ましい。酸性化剤とは、
処理浴のpHを中性から弱酸性にするための化合物であ
って、かつホスホニウム付加塩を形成しないような弱酸
である。例えば蟻酸、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、
蓚酸等が挙げられるが、好ましくは酢酸のようなカルボ
ン酸がよい。なお、強酸は塩を形成するので好ましくな
い。界面活性剤は、獣毛繊維の処理技術における公知の
ものを使用することができる。例えば、カルボン酸塩
系、スルホン酸塩系、硫酸エステル系またはリン酸エス
テル系の陰イオン界面活性剤、アルキルアミン系のよう
な陽イオン界面活性剤、カルボキシベタイン系、アミノ
カルボン酸塩系、イミダゾリニウムベタイン系の両性イ
オン活性剤、エーテル型、エーテルエステル型、エステ
ル型、含窒素型の非イオン界面活性剤、その他フッ素系
界面活性剤等が挙げられる。その使用量は、とくに制限
されないが、通常、0.1〜10g/lの濃度である。pH
調整剤とは、処理浴のpH緩衝作用を与えるような化合
物であって、例えば、リン酸一水素アルカリ、リン酸二
水素アルカリ、ピロリン酸アルカリ、トリポリリン酸ア
ルカリ、ホウ酸アルカリ、酢酸アルカリ等が挙げられ
る。本発明に用いられる獣毛繊維処理浴の組成は、獣毛
繊維の種類や加工の主目的等によって、以下に述べるよ
うに適宜変化させればよい。
【0011】処理浴の形態としては、以下の二つの形態
を挙げることができる。 (同浴方式)同浴方式とは、ヒドロキシアルキルホスフ
ィン化合物と蛋白質分解酵素を、前述の酸性化剤、界面
活性剤、pH調整剤などの補助物質と同浴、即ち、1浴
で用いることを意味する。この同浴方式では、ヒドロキ
シアルキルホスフィン化合物および蛋白質分解酵素を、
酸性から中性のpH領域、例えばpH3〜7、好ましくは
4〜6で併用することを特徴としている。これによっ
て、上記のような目的を短時間に効果的に達成させるこ
とができる。実際における上記の処理浴を用いた獣毛繊
維の処理方法を以下に例示する。まず、上記のような処
理浴に、獣毛繊維を浸漬する。このときの浴中の液体と
処理される獣毛繊維との重量比、いわゆる浴比は、1:
1〜100:1、好ましくは、5:1〜50:1で行う
のがよい。獣毛繊維を含めた処理浴全体における、ヒド
ロキシアルキルホスフィンまたはその誘導体の量は、P
として0.005〜3%owf、好ましくは0.02〜2%o
wfがよい。また、蛋白質分解酵素の量は、精製酵素量と
して、0.1〜10%owf、好ましくは1〜5%owfであ
る。浸漬時の温度は、獣毛の種類によって異なるもので
あるが、当初は常温、好ましくは20〜30℃である。
処理浴の温度を上昇させる必要がある場合は、80℃以
下とし、急激な反応が起こらないように、0.5℃〜3
℃/分の割合で昇温させるのがよい。一定温度の処理浴
における獣毛繊維の浸漬時間は、自由に設定することが
できるが、5〜120分の範囲が一般的であり、好まし
くは、20〜60分である。なお、加工の主目的および
使用する染料によっては、染料をも含めて1浴の処理浴
とすることも可能である。この場合は、使用する染料が
限定され、例えばPROCILAN(ICI社製)、VEROFIX(BAYE
R社製)等が挙げられる。一般には、染色後、この処理
浴での処理を行うが、この処理浴での処理を行った後、
染色することもできる。また、従来の酸化漂白処理の後
処理としても、有効に適用できる。
【0012】上記のような処理浴での処理が終了した
後、常法による水洗および乾燥の後処理を行うこともで
きるが、水洗後にホスホニウム塩を組成し得るような強
酸で直ちに中和する後処理を行うことが望ましい。とく
に、硫酸または重硫酸ナトリウム、重硫酸カリウムのよ
うな重硫酸塩水溶液で後処理することが好ましい。この
後処理の目的は、繊維に残留する少量のホスフィン化合
物を除去することにあり、その意味からは酸化剤であっ
てもよいが、強酸、とくに硫酸または重硫酸アルカリに
よれば、繊維を損なわないのみならず、風合を良好に仕
上げる助けともなる。このときの処理条件は、上記の酸
または塩濃度は、0.1〜2%owfであり、浸漬時間は、
5〜60分、浴比は5:1〜50:1程度でよい。この
ような後処理を施すことによって、ヒドロキシアルキル
ホスフィン化合物の処理獣毛繊維中に残留する還元力を
消失させることができる。次いで常法により、水洗およ
び乾燥して、獣毛繊維の処理を終了する。なお、要すれ
ば、本発明に係る加工処理後、常法による柔軟加工処理
を行うことは何ら差し支えない。
【0013】(別浴方式)上記の同浴方式とは別に、別
浴方式を用いることができる。別浴方式とは、ヒドロキ
シアルキルホスフィンと蛋白質分解酵素とを別々の浴に
おいて、獣毛繊維に適用することを意味する。具体例と
しては、一方の浴(A浴)においては、ヒドロキシアル
キルホスフィン化合物と前記の酸性化剤、界面活性剤、
pH調整剤などの補助物質を入れておく。この浴で、前
記と同様の浸漬作業を行った後、水洗後に前記の硫酸又
は重硫酸塩による後処理を行うことが好ましい。次い
で、別の浴(B浴)において、前記の補助物質と蛋白質
分解酵素とを含む処理浴に、A浴で処理した獣毛繊維を
浸漬する。pH、浴比、処理時間、温度等の処理条件
は、前記の同浴方式の場合と同様である。次いで常法に
より、水洗および乾燥して獣毛繊維の処理を終了する。
水洗・乾燥処理前後に、常法による柔軟加工処理を行う
ことは差し支えない。
【0014】本発明で処理することのできる獣毛繊維と
しては、例えば、羊毛、山羊毛、兎の毛、らくだの毛な
どが代表的に挙げられ、それらの混毛であってもよい。
また、獣毛繊維のみからなるものだけでなく、獣毛と他
の繊維が混紡されてなるものでも、獣毛繊維が少なくと
も40%程度であれば、その範疇に包含し得るものであ
る。また、獣毛繊維としては、原毛は勿論、これを加工
した糸、織物、編み物、あるいはそれらの各種加工製品
が含まれ、とくに限定されるものではない。
【0015】
【作用】獣毛は、皮質間、表皮細胞と皮質との間がCM
C(細胞膜複合体)によって接着されているものであ
る。すなわち、細胞というブロックをCMCというセメ
ントで接着した、いわゆる“ブロックセメント”構造を
とっているといわれる。本発明にかかわる作用機構の詳
細は不明であるが、大略、次のように推測される。防縮
性および耐ピリング性については主としてヒドロキシア
ルキルホスフィンの作用と考えられる。風合の調整と白
度の向上は、併用する酵素の作用によって微妙な調整が
得られるものと考えられる。本発明にかかわるヒドロキ
シアルキルホスフィンがCMCの一部を溶解損傷させる
ことによりブロックセメント構造を劣化させるので、適
度に単繊維の強伸度が低下し、すぐれた耐ピリング性を
与える。また、S−S結合の開裂によって、うろこ状表
皮クチクル細胞の改質とCMC部の一部溶解の結果、羊
毛内部への通水性を大巾に改良するので、エンドクチク
ルとエキソクチクルの親水性の差が少なくなる。親水性
の度合いの差がなくなると、吸水による表皮の立ちあが
りがなくなるので、獣毛繊維のからみ合い現象は発生し
なくなる。獣毛に特有であった縮みはなくなって、防縮
性の獣毛が得られる。通水性がよくなることで、酵素の
作用は深部にまで及ぶことになり、酵素の風合改良作用
が従来到達し得なかった域にまで至る。酵素を併用する
ことによって、従来技術では得られなかった程のナチュ
ラルホワイトな白度が得られる。この作用機構の明らか
ではないが、酵素がクチクル表面を平滑にし、更に、ヒ
ドロキシアルキルホスフィンの還元漂白力が獣毛内部に
までも及ぶので、光の反射を捕らえる視覚的には白度が
増すのではないかと推測される。風合の改良、および、
白度の改良は、ヒドロキシアルキルホスフィンと蛋白質
分解酵素の併用による相乗効果である。相乗効果によっ
て得られる風合は、深部に至るまで滑らかにソフトで、
しかもぬめり感がある。市販されている柔軟剤に頼る加
工では、手を触れたあとギトギトした感じのぬめり感が
強いが、この発明によって得られる相乗効果は、極めて
ナチュラルなソフトなぬめり感を与えるところに特徴が
ある。ソフト感やぬめり感の程度は、ヒドロキシアルキ
ルホスフィンと蛋白質分解酵素の両方の処理条件によっ
て決まる。即ち、処理の度合によって、得られる効果を
容易にコントロールすることができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。メ
リノ2/48梳毛ニットセーターをパドル染色機を使
い、精練用界面活性剤としてダイヤノール45(新中村
化学社製)1%owf、浴比1:20(セーター:浴)で
60℃で10分間精練したものを、本実施例における共
通検体とした。なお、以下の実施例における処理は、す
べて浴比1:20にて行った。
【0017】実施例1 染色処理 染料 シー・アイ・リアクティブ・イエロー(C.I.Reactive Yellow)39 1%owf シー・アイ・リアクティブ・レッド84 1%owf シー・アイ・リアクティブ・ブルー69 1%owf 助剤 コイカリン LL−77 1.0g/l (小泉化学社製) コイカリン PHL535 1.0g/l (小泉化学社製) アルベガールB 1.0%owf (チバガイギー社製) ユニゾールWL 1.0%owf (ICI社製) 90%酢酸 1.5%owf 上記処理浴にて90℃で60分、染色処理を行った。 本発明の繊維処理(以下、単に処理という) 染色処理を施した検体を、下記処方にて60℃で30
分浸漬処理した。 トリス(3ヒドロキシプロピル)ホスフィン 4.0%owf コイカリンPHL535 1.0g/l 酸性プロテアーゼ 2.0%owf (エンチロンFA10洛東化成社製) 90%酢酸 1.5g/l pH 初浴4.7、終浴4.3 後処理 0.3%owf重硫酸ナトリウム浴にて25℃で10分間浸
漬処理した。
【0018】実施例2 実施例1と同じく染色処理を施した後、下記の処理を
60℃で30分行った。 処理 トリス(3ヒドロキシプロピル)ホスフィン 4.0%owf コイカリンPHL535 1.0g/l パパイン酵素(アサヒビール社製) 2.0%owf 90%酢酸 1.35g/l pH 初浴4.8、終浴4.4 上記処理を施した検体は、続いて実施例1の後処理を
行った後、次のとおり柔軟処理が施された。 柔軟処理 次の浴にて45℃で15分浸漬処理した。 東レシリコンBY22−830 1.0%owf (東レダウコーニング社製) ライトシリコンA−100 3.0%owf (共栄社油脂社製)
【0019】実施例3 実施例1と同じく染色処理を施した後、下記の処理を
60℃で30分行った。 処理 ジメチルヒドロキシメチルホスフィン 4.0%owf コイカリンPHL535 1.0g/l 酸性プロテアーゼ 2.0%owf (エンチロンFA−10洛東化成社製) 90%酢酸 1.5g/l pH 初浴5.0、終浴4.5 上記処理を施した検体は、実施例1の後処理を行った
後、次いで実施例2の柔軟処理が施された。
【0020】実施例4 実施例1と同じく染色処理を施した後、下記の処理を
60℃で30分行った。 処理 ジメチルヒドロキシメチルホスフィン 4.0%owf コイカリンPHL535 1.0g/l パパイン酵素(アサヒビール社製) 2.0%owf 90%酢酸 1.35g/l pH 初浴5.1、終浴4.6 上記処理を施した検体は、実施例1と同じく後処理を
行った後、次いで実施例2の柔軟処理が施された。
【0021】実施例5 実施例1と同じく染色処理を施した後、実施例1と同
じく処理を75℃で20分行い、次いで後処理を行
った。
【0022】実施例6 実施例1と同じく染色処理を施した後、実施例2と同
じく処理を75℃で20分行い、次いで実施例1の後
処理、および実施例2の柔軟処理を行った。
【0023】実施例7 実施例1と同じく染色処理を施した後、下記の処理を
75℃で20分行った。 処理 トリス(3ヒドロキシプロピル)ホスフィン 4.0%owf コイカリンPHL535 1.0g/l ユニゾールWL(ICI社製) 2.35%owf 90%酢酸 1.8g/l pH 初浴4.4、終浴4.0 次いで、下記の処理を60℃で30分行った後、実施例
1の後処理を行った。 処理 酸性プロテアーゼ 2.0%owf (エンチロンFA−10洛東化成社製) 90%酢酸 0.5g/l pH 初浴5.2、終浴5.0 続いて、実施例2の柔軟処理を施した。
【0024】実施例8 実施例1と同じく染色処理を施した後、下記の処理を
75℃、20分行った。 処理 トリス(3ヒドロキシプロピル)ホスフィン 4.0%owf コイカリンPHL535 1.0g/l ユニゾールWL 2.35%owf 90%酢酸 1.8g/l pH 初浴4.4、終浴4.0 次いで、下記の処理を65℃で30分行った。 処理 パパイン酵素(アサヒビール社製) 2.0%owf 90%酢酸 1.1g/l pH 初浴4.2、終浴4.0 続いて、実施例1の後処理および実施例2の柔軟処理
を行った。
【0025】実施例9 検体に実施例1の染色処理を行わず、実施例2の処理
を行った。
【0026】実施例10 酸化漂白処理 35%過酸化水素 40.0%owf コイカリンCL−30(小泉化学社製) 2.0 g/l 尿素 5.0 g/l コイカリンPHL535 2.5 g/l pH 初浴7.3、終浴7.1 上記の処理浴にて70℃で60分浸漬処理を行い、次い
で水洗後、実施例2の処理を行った。
【0027】比較例1 実施例1と同じく染色処理を施した後、下記の処理を
75℃で20分行った。 トリス(3ヒドロキシプロピル)ホスフィン 4.0%owf コイカリンPHL535 1.0g/l ユニゾールWL 2.35%owf 90%酢酸 1.8g/l pH 初浴4.4、終浴4.0 次いで実施例1の後処理を行った。
【0028】比較例2 実施例1と同じく染色処理を施した後、下記の処理を
75℃で20分行った。 トリス(3ヒドロキシプロピル)ホスフィン 4.0%owf コイカリンPHL535 1.0g/l ユニゾールWL 2.35%owf 90%酢酸 1.8g/l pH 初浴4.4、終浴4.0 次いで実施例と同じく後処理と柔軟処理を行っ
た。
【0029】比較例3 実施例1と同じく染色処理を施した後、下記の処理を
60℃で30分行った。 酸性プロテアーゼ 2.0%owf (エンチロンFA−10洛東化成社製) 90%酢酸 0.5g/l pH 初浴5.2、終浴5.0 次いで実施例2と同じく後処理と柔軟処理を行っ
た。
【0030】比較例4 実施例1と同じく染色処理を施した後、下記の処理を
60℃で30分行った。 パパイン酵素(アサヒビール社製) 2.0%owf 90%酢酸 1.1g/l pH 初浴4.2、終浴4.0 次いで実施例1の後処理および実施例2の柔軟処理
を行った。
【0031】比較例5 実施例10と同じく酸化漂白処理を行い、次いで水洗
後、下記の処理を50℃で30分行った。 ハイドロサルファイト 2.0 g/l FWA 260 1 g/l (一方社油脂工業社製) pH 初浴7.2、終浴6.3
【0032】上記の実施例および比較例の各処理で得ら
れた獣毛繊維の品質を評価した。その結果を以下の表に
示す。なお、品質の評価としては、防縮性試験をIWS
TM31(ISO5A&7A)および耐ピリング試験
JIS L1076(ICI形成法5時間)を行ったと
ころ、以下の表1のような結果が得られた。また、処理
繊維につき風合および測色色差計(ND−101DP
型、日本電色工業社製)にてL、a、b、W値を求め
た。その結果を表2に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【発明の効果】本発明によって、微妙にソフトで独特の
ぬめり感をもつ風合を付与し且つ防縮性および耐ピリン
グ性をも与え、さらにナチュラルホワイトな白度で黄変
しにくい漂白を獣毛繊維に与えることのできる獣毛繊維
処理剤を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加古 邦夫 神奈川県横浜市鶴見区馬場6−9−13 (72)発明者 齋藤 旭 東京都世田谷区上北沢5−6−5

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式 【化1】 (式中、R1は炭素数1〜10のヒドロキシアルキル
    基、R2、R3は炭素数1〜10のアルキル基又はヒドロ
    キシアルキル基を表す)で示されるヒドロキシアルキル
    ホスフィンおよびその誘導体の1種または2種以上と、
    蛋白質分解酵素とを有効成分として含有してなる、獣毛
    繊維処理剤。
  2. 【請求項2】 ヒドロキシアルキルホスフィンが、トリ
    スヒドロキシアルキルホスフィンである請求項1に記載
    の獣毛繊維処理剤。
  3. 【請求項3】 トリスヒドロキシアルキルホスフィン
    が、トリスヒドロキシプロピルホスフィンである請求項
    2に記載の獣毛繊維処理剤。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の獣毛繊維処理剤を有効
    成分とする中性から酸性のpH領域にある水溶液を含む
    処理浴に、獣毛繊維を浸漬処理することを特徴とする、
    獣毛繊維の処理方法。
  5. 【請求項5】 次の一般式 【化2】 (式中、R1は炭素数1〜10のヒドロキシアルキル
    基、R2、R3は炭素数1〜10のアルキル基又はヒドロ
    キシアルキル基を表す)で示されるヒドロキシアルキル
    ホスフィンおよびその誘導体の1種または2種以上を有
    効成分とする水溶液を含む処理浴に、獣毛繊維を浸漬処
    理した後、該獣毛繊維を、蛋白質分解酵素を含む前記と
    は別の処理浴にさらに浸漬処理することを特徴とする、
    獣毛繊維の処理方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0620311A1 (en) * 1993-04-15 1994-10-19 Nippon Sanmo Sensyoku Co.,Ltd. Modified wool and process of imparting shrink-proofing property to wool
WO2016127951A1 (zh) * 2015-02-13 2016-08-18 天津市绿源天美科技有限公司 用于羊毛原料及制品的无氯防缩处理的工艺和设备
JP2021188201A (ja) * 2020-06-02 2021-12-13 千代田商事株式会社 耐ピリング加工された獣毛の製造方法

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