JPH0529207B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPH0529207B2 JPH0529207B2 JP22613586A JP22613586A JPH0529207B2 JP H0529207 B2 JPH0529207 B2 JP H0529207B2 JP 22613586 A JP22613586 A JP 22613586A JP 22613586 A JP22613586 A JP 22613586A JP H0529207 B2 JPH0529207 B2 JP H0529207B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ngf
- compound
- group
- compounds
- secretion
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
- Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Heterocyclic Compounds That Contain Two Or More Ring Oxygen Atoms (AREA)
Description
本発明は神経成長因子(Nerve growth
factor、以下NGFと略す)の中枢組織内での産
生と分泌とを誘発し、もつて支配神経の機能を賦
活し、かつ支配神経の修復あるいはまた未変性神
経による再支配を促進して、アルツハイマー型老
年性痴呆症(Senile Dementia of Alzheimer
Type、以下SDATと略す)をはじめとするNGF
産生、分泌促進剤に関するものである。 〔発明の背景〕 NGFはR.Levi−MontalciniやS.Cohenらによ
つて発見されて以来、数多くの研究の対象とな
り、すでに末梢神経細胞、とくに胎生期の知覚お
よび交換神経細胞の分化と成長、さらに成熟期の
交感神経細胞の生存と機能保持に必須不可欠の因
子であることが明らかにされている(H.
ThoenenとY.A.Barde:Physiol.Rev.60,1284−
1335,1980およびB.A.YankerとE.M.Shooter:
Ann.Rev.Biochem.51,845−868,1982)。 しかしながらNGFは超微量生理活性物質であ
り、組織内分布と動態とはごく最近まで不明で、
生体内での作用を直接証明することはできなかつ
た。 近年NGFの活性サブユニツト(以下β−NGF
と略す)に対する高感度酵素抗体測定法
(Enzyme Linked Immunosorbent Assay、以下
ELISA)の開発、改良が進み、検出感度および
特異性が飛躍的に高まつた(S.Furukawa et
al:J.Neurochem.40,734−744,1983およびS.
KorshingとH.Thoenen:Proc.Natl.Acad.Sci.
USA 80,3513−3516,1983)。 またNGFの遺伝子がクローニングされ、構造
解析されて、β−NGFの相補的DNA(cDNAと
略す)をプローブとして、そのメツセンジヤー
RNA(mRNAと略す)を定量する方法も確立さ
れた(D.L.SheltonとL.F.Reichardt:Proc.Natl.
Acad.Sci.USA 81,7951−7955,1984およびR.
Heumannら:EMBO J.3,3183−3189,1984)。 この結果末梢では交感神経の支配組織にNGF
とりわけそのmRNAの含量が高く、その量とノ
ルエピネフリン含量すなわち交感神経支配の度合
との間に正の相関があることが確認された。 さらに驚くべきことに、ラツトの中枢、とりわ
け海馬、新皮質、嗅球および前脳基底部の中隔
野、ブローカ対角帯、大細胞性基底核にもNGF
が検出され、しかもそのmRNA含量は海馬、新
皮質に高く、基底部の中隔野では、NGFの検出
されない脳の他の領域並に低いことが判明した
(S.Korshingら:EMBO J.4,1389−1393,
1985)。 本成績は、その後他の研究グループによつても
次々に追試された(D.L.SheltonとL.F.
Reichardt:Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83,
2714−2718,1986およびS.R.Whittemoreら:
Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83,817−821,
1986)。 この結果はNGFが中枢におけるコリン作動性
神経束に対して、いわゆる「神経栄養因子」とし
て作用していることを示す生理化学的実験事実を
実証したものである。すなわちNGFは末梢のみ
ならず中枢とりわけ海馬、新皮質、嗅球などにお
いても遺伝子発現つまり産生され、分泌されて、
この領域へ投射するコリン作動性神経束の神経終
末よりとりこまれ、逆軸索輸送によつて大脳基底
部の起始核にある神経細胞本体に到ること。ここ
において、NGFは該神経の生存と、機能維持た
とえばコリンアセチル転移酵素(Choline
acetyltransferase,CATと略す)の遺伝子発現
等に不可欠な因子として作用していることが明ら
かとなつた(M.E.Schwabら:Brain Res.168,
473−483,1979およびM.SeilerとM.E.Schwab:
Brain Res.300,33−39,1984およびH.Gnahn
ら:Dev.Brain.Res.9,45−52,1983)。 また脳にもNGFレセプターが存在し、NGFと
レセプターの複合体が大脳皮質から基底核へ、海
馬からブローカ対角帯および中隔野へ輸送される
ことも証明され(M.Taniuchiら:Proc.Natl.
Acad.Sci.USA、83,1950−1954,1986)、NGF
は中枢の生理機能に密接かつ決定的に関与するこ
とがさらに確認された。 他方記銘力低下や失見当識を特徴的な早期症状
とするSDATの直接の病因が中枢性コリン作動
神経系の退行性失調であることを示す知見はすで
に数多くある。すなわちSDAT患者脳ではCAT
活性が著しく低下しているが、早期においては、
これが大脳皮質および海馬の神経細胞の変性脱落
によるというよりはむしろ、本領域への外因性の
アセチルコリン供給路であるコリン作動性神経束
の失調、変性によるものであることが一連の生化
学的検討から明らかにされている(E.K.Perry
ら:Lancet,1,189,1977、その他)。 その後患者脳の病理学的所見(P.J.
Whitehouseら:Ann.Neurol.10,122−126,
1981、その他)および前脳基底部破壊による記
憶、学習障害ラツトの行動薬理学的解析(C.
Flickerら:Pharmacol.Biochem.Behave.18,
973−981、1983、その他)からも証明されるに到
つた。また臨床的にもSDAT患者の脳内コリン
作動系の賦活療法としてアセチルコリンエステラ
ーゼ阻害剤および前駆物質などの投与の試みもな
され、若干の症状改善例も報告されている。これ
とは別に、SDAT患者におけるNGF遺伝子の発
現を検討し、NGF産生、分泌の失調とSDATの
発症との相関を直接解析しようとする動きも活発
になりつつある(M.Goedertら:Mol.Brain
Res.1,85−92,1986)。 〔発明の目的〕 発明者らは、以上述べた二つの大きな研究展開
を背景として、中枢性神経退行性疾患とりわけ
SDATの特徴的早期症状である記銘力の低下や
失見当識として表れる学習、記憶障害の直接原因
が、大脳基底部から大脳皮質及び海馬へ投射する
コリン作動神経束の進行性変性と、それによる支
配域の機能不全であるとしても、さらにその本質
的原因は、該支配域において産生、分泌され神経
支配を保証する「神経栄養因子」たるNGFの産
生、分泌不全であるとの立場に立つものである。 従つてSDATの進行防止あるいは治療の目的
では、アセチルコリンの利用率の向上療法には一
過性の効果以上は期待できず、むしろ大脳皮質お
よび海馬域でのNGFの産生、分泌を確保して、
支配神経との間で成立している機能上の悪循環を
断つことこそ効果的であると考える。ただしこの
場合、遺伝子のクローニングによつてヒト型のβ
−NGFの大量調製の道が拓かれたとはいうもの
の、分子量10000を越えるタンパク質の直接適用
には薬剤学上の様々な制約は避けられないと予想
される。 発明者らは、NGFの遺伝子発現機能を賦活化
し、産生、分泌量を高める作用のある低分子化合
物を検索し、これを比較的軽症時に末梢投与し
て、中枢の大脳皮質や海馬の残されたNGF産生
能を高め、支配神経の変性の進行を防止するとと
もに、神経修復ないし生存神経による再支配等、
脳機能の可塑性に依拠する治療方法の確立を目標
として、本発明のスクリーニング法を設定した。
すなわちinvitroでの二段階のNGF産生、分泌促
進試験、急性毒性試験、in vivoでのNGF産生、
分泌促進試験によつて化合物を順次選別し、最終
的に行動薬理学試験によつて効果を確認して本発
明を完成するに到つた。以下試験方法と実施例と
を示す。 なお、本明細書においては一般式(A)における置
換基Rについて、Rが2個の水素原子又は2個の
アシル基である化合物群を化合物()、Rが−
CO−である化合物群を化合物()、Rが−
CO・CO−である化合物群を化合物()、Rが
−C(CH3)2−である化合物群を化合物()と
呼び、これらの化合物は一般の試薬カタログに記
載されているものはそれを購入して精製して用い
たが、入手困難が見込まれるものは次のようにし
て調製してもちいた。 すなわち、無水塩化アルミニウムを触媒とした
カテコールと相当するカルボン酸クロリドとのフ
リーデル・クラフツ反応縮合物、又はBF3を触媒
としたカテコールと相当するカルボン酸とのフリ
ーデル・クラフツ反応縮合物を通常の方法で還元
し精製して化合物()(R=Hで、R1,R2の一
方が水素原子、他方がアルキル基)を得た。 これで得た化合物()(R,R1=H,R2=ア
セチル基)の水酸基をアセチル化し、これをカテ
コールにかわる出発物質として上記の反応を繰り
返し脱アセチルしてR1にもアルキル基を有する
一連の化合物()をえた。 水酸基のエステル型置換体は化合物()(R
=H)に塩基の存在下で酸無水物と反応させて化
合物()(R=アシル基)を、同じくホスゲン
又は炭酸エステルと反応させて化合物()を、
同じくオキザリルクロリドと反応させて化合物
()を容易にかつ高い収率で得た。 水酸基のエーテル型置換体は化合物()(R
=H)に酸の存在下でアセトンと反応させて化合
物()を高い収率で得た。 〔試験1〕 マウス線維芽細胞を用いるin vitro
NGF産生、分泌促進試験 マウス線維芽細胞樹立株、L−M細胞
(ATCC,CCL 1.2)は血清非依存的に増殖し、
培養培地中にNGFを産生、分泌すること、比較
的高濃度のカテコールアミン類が、アドレナリン
作動性レセプターを介さずにこれを促進すること
が明らかになつている(Y.Furukawaら:J.Biol.
Chem.261,6039−6047,1986)。本培養細胞を用
いた検索法は多数の化合物の検索に好適であり、
古川らの方法に準じて第一段スクリーニング系と
して試験法を設定した。 すなわち、0.5%ペプトン添加199培地(Gibco
社製)にてL−M細胞を前培養し、24孔培養プレ
ート(Falcon社製、培養孔あたりの培養面積2.1
cm2)に約3x104個/培養孔の細胞をまき、3日間
37℃にて培養して完全コンフルエント(約106細
胞/培養孔)とする。培地を0.5%牛血清アルブ
ミン(第五画分、Armour社製)添加199培地
(0.5ml/培養孔)に交換する。被検化合物は本培
地中に所定の濃度で含有させ、24時間後の培養培
地中のNGF濃度を高感度ELISA法(S.
Furukawaら:J.Neurochem.40,734−744,
1983)によつて測定する。結果は被検化合物を含
まない培地にて培養した対象の培養培地中の濃度
に対する倍率として求めた。本ELISA法の検出
限界は0.25pg/mlであり、対照のNGF濃度は、
通常50−200pg/0.5ml/培養孔である。値は同一
細胞標品を用いた4回の試行の平均値±標準誤差
として示してある。 実施例 1 NGF産生分泌を促進する基本骨格を検討した
結果を表1に示す。これにより、オルト位に水酸
基を有する1,2−ジヒドロキシベンゼン環いわ
ゆるカテコール環が活性発現のための基本構造で
あることが判明した。
factor、以下NGFと略す)の中枢組織内での産
生と分泌とを誘発し、もつて支配神経の機能を賦
活し、かつ支配神経の修復あるいはまた未変性神
経による再支配を促進して、アルツハイマー型老
年性痴呆症(Senile Dementia of Alzheimer
Type、以下SDATと略す)をはじめとするNGF
産生、分泌促進剤に関するものである。 〔発明の背景〕 NGFはR.Levi−MontalciniやS.Cohenらによ
つて発見されて以来、数多くの研究の対象とな
り、すでに末梢神経細胞、とくに胎生期の知覚お
よび交換神経細胞の分化と成長、さらに成熟期の
交感神経細胞の生存と機能保持に必須不可欠の因
子であることが明らかにされている(H.
ThoenenとY.A.Barde:Physiol.Rev.60,1284−
1335,1980およびB.A.YankerとE.M.Shooter:
Ann.Rev.Biochem.51,845−868,1982)。 しかしながらNGFは超微量生理活性物質であ
り、組織内分布と動態とはごく最近まで不明で、
生体内での作用を直接証明することはできなかつ
た。 近年NGFの活性サブユニツト(以下β−NGF
と略す)に対する高感度酵素抗体測定法
(Enzyme Linked Immunosorbent Assay、以下
ELISA)の開発、改良が進み、検出感度および
特異性が飛躍的に高まつた(S.Furukawa et
al:J.Neurochem.40,734−744,1983およびS.
KorshingとH.Thoenen:Proc.Natl.Acad.Sci.
USA 80,3513−3516,1983)。 またNGFの遺伝子がクローニングされ、構造
解析されて、β−NGFの相補的DNA(cDNAと
略す)をプローブとして、そのメツセンジヤー
RNA(mRNAと略す)を定量する方法も確立さ
れた(D.L.SheltonとL.F.Reichardt:Proc.Natl.
Acad.Sci.USA 81,7951−7955,1984およびR.
Heumannら:EMBO J.3,3183−3189,1984)。 この結果末梢では交感神経の支配組織にNGF
とりわけそのmRNAの含量が高く、その量とノ
ルエピネフリン含量すなわち交感神経支配の度合
との間に正の相関があることが確認された。 さらに驚くべきことに、ラツトの中枢、とりわ
け海馬、新皮質、嗅球および前脳基底部の中隔
野、ブローカ対角帯、大細胞性基底核にもNGF
が検出され、しかもそのmRNA含量は海馬、新
皮質に高く、基底部の中隔野では、NGFの検出
されない脳の他の領域並に低いことが判明した
(S.Korshingら:EMBO J.4,1389−1393,
1985)。 本成績は、その後他の研究グループによつても
次々に追試された(D.L.SheltonとL.F.
Reichardt:Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83,
2714−2718,1986およびS.R.Whittemoreら:
Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83,817−821,
1986)。 この結果はNGFが中枢におけるコリン作動性
神経束に対して、いわゆる「神経栄養因子」とし
て作用していることを示す生理化学的実験事実を
実証したものである。すなわちNGFは末梢のみ
ならず中枢とりわけ海馬、新皮質、嗅球などにお
いても遺伝子発現つまり産生され、分泌されて、
この領域へ投射するコリン作動性神経束の神経終
末よりとりこまれ、逆軸索輸送によつて大脳基底
部の起始核にある神経細胞本体に到ること。ここ
において、NGFは該神経の生存と、機能維持た
とえばコリンアセチル転移酵素(Choline
acetyltransferase,CATと略す)の遺伝子発現
等に不可欠な因子として作用していることが明ら
かとなつた(M.E.Schwabら:Brain Res.168,
473−483,1979およびM.SeilerとM.E.Schwab:
Brain Res.300,33−39,1984およびH.Gnahn
ら:Dev.Brain.Res.9,45−52,1983)。 また脳にもNGFレセプターが存在し、NGFと
レセプターの複合体が大脳皮質から基底核へ、海
馬からブローカ対角帯および中隔野へ輸送される
ことも証明され(M.Taniuchiら:Proc.Natl.
Acad.Sci.USA、83,1950−1954,1986)、NGF
は中枢の生理機能に密接かつ決定的に関与するこ
とがさらに確認された。 他方記銘力低下や失見当識を特徴的な早期症状
とするSDATの直接の病因が中枢性コリン作動
神経系の退行性失調であることを示す知見はすで
に数多くある。すなわちSDAT患者脳ではCAT
活性が著しく低下しているが、早期においては、
これが大脳皮質および海馬の神経細胞の変性脱落
によるというよりはむしろ、本領域への外因性の
アセチルコリン供給路であるコリン作動性神経束
の失調、変性によるものであることが一連の生化
学的検討から明らかにされている(E.K.Perry
ら:Lancet,1,189,1977、その他)。 その後患者脳の病理学的所見(P.J.
Whitehouseら:Ann.Neurol.10,122−126,
1981、その他)および前脳基底部破壊による記
憶、学習障害ラツトの行動薬理学的解析(C.
Flickerら:Pharmacol.Biochem.Behave.18,
973−981、1983、その他)からも証明されるに到
つた。また臨床的にもSDAT患者の脳内コリン
作動系の賦活療法としてアセチルコリンエステラ
ーゼ阻害剤および前駆物質などの投与の試みもな
され、若干の症状改善例も報告されている。これ
とは別に、SDAT患者におけるNGF遺伝子の発
現を検討し、NGF産生、分泌の失調とSDATの
発症との相関を直接解析しようとする動きも活発
になりつつある(M.Goedertら:Mol.Brain
Res.1,85−92,1986)。 〔発明の目的〕 発明者らは、以上述べた二つの大きな研究展開
を背景として、中枢性神経退行性疾患とりわけ
SDATの特徴的早期症状である記銘力の低下や
失見当識として表れる学習、記憶障害の直接原因
が、大脳基底部から大脳皮質及び海馬へ投射する
コリン作動神経束の進行性変性と、それによる支
配域の機能不全であるとしても、さらにその本質
的原因は、該支配域において産生、分泌され神経
支配を保証する「神経栄養因子」たるNGFの産
生、分泌不全であるとの立場に立つものである。 従つてSDATの進行防止あるいは治療の目的
では、アセチルコリンの利用率の向上療法には一
過性の効果以上は期待できず、むしろ大脳皮質お
よび海馬域でのNGFの産生、分泌を確保して、
支配神経との間で成立している機能上の悪循環を
断つことこそ効果的であると考える。ただしこの
場合、遺伝子のクローニングによつてヒト型のβ
−NGFの大量調製の道が拓かれたとはいうもの
の、分子量10000を越えるタンパク質の直接適用
には薬剤学上の様々な制約は避けられないと予想
される。 発明者らは、NGFの遺伝子発現機能を賦活化
し、産生、分泌量を高める作用のある低分子化合
物を検索し、これを比較的軽症時に末梢投与し
て、中枢の大脳皮質や海馬の残されたNGF産生
能を高め、支配神経の変性の進行を防止するとと
もに、神経修復ないし生存神経による再支配等、
脳機能の可塑性に依拠する治療方法の確立を目標
として、本発明のスクリーニング法を設定した。
すなわちinvitroでの二段階のNGF産生、分泌促
進試験、急性毒性試験、in vivoでのNGF産生、
分泌促進試験によつて化合物を順次選別し、最終
的に行動薬理学試験によつて効果を確認して本発
明を完成するに到つた。以下試験方法と実施例と
を示す。 なお、本明細書においては一般式(A)における置
換基Rについて、Rが2個の水素原子又は2個の
アシル基である化合物群を化合物()、Rが−
CO−である化合物群を化合物()、Rが−
CO・CO−である化合物群を化合物()、Rが
−C(CH3)2−である化合物群を化合物()と
呼び、これらの化合物は一般の試薬カタログに記
載されているものはそれを購入して精製して用い
たが、入手困難が見込まれるものは次のようにし
て調製してもちいた。 すなわち、無水塩化アルミニウムを触媒とした
カテコールと相当するカルボン酸クロリドとのフ
リーデル・クラフツ反応縮合物、又はBF3を触媒
としたカテコールと相当するカルボン酸とのフリ
ーデル・クラフツ反応縮合物を通常の方法で還元
し精製して化合物()(R=Hで、R1,R2の一
方が水素原子、他方がアルキル基)を得た。 これで得た化合物()(R,R1=H,R2=ア
セチル基)の水酸基をアセチル化し、これをカテ
コールにかわる出発物質として上記の反応を繰り
返し脱アセチルしてR1にもアルキル基を有する
一連の化合物()をえた。 水酸基のエステル型置換体は化合物()(R
=H)に塩基の存在下で酸無水物と反応させて化
合物()(R=アシル基)を、同じくホスゲン
又は炭酸エステルと反応させて化合物()を、
同じくオキザリルクロリドと反応させて化合物
()を容易にかつ高い収率で得た。 水酸基のエーテル型置換体は化合物()(R
=H)に酸の存在下でアセトンと反応させて化合
物()を高い収率で得た。 〔試験1〕 マウス線維芽細胞を用いるin vitro
NGF産生、分泌促進試験 マウス線維芽細胞樹立株、L−M細胞
(ATCC,CCL 1.2)は血清非依存的に増殖し、
培養培地中にNGFを産生、分泌すること、比較
的高濃度のカテコールアミン類が、アドレナリン
作動性レセプターを介さずにこれを促進すること
が明らかになつている(Y.Furukawaら:J.Biol.
Chem.261,6039−6047,1986)。本培養細胞を用
いた検索法は多数の化合物の検索に好適であり、
古川らの方法に準じて第一段スクリーニング系と
して試験法を設定した。 すなわち、0.5%ペプトン添加199培地(Gibco
社製)にてL−M細胞を前培養し、24孔培養プレ
ート(Falcon社製、培養孔あたりの培養面積2.1
cm2)に約3x104個/培養孔の細胞をまき、3日間
37℃にて培養して完全コンフルエント(約106細
胞/培養孔)とする。培地を0.5%牛血清アルブ
ミン(第五画分、Armour社製)添加199培地
(0.5ml/培養孔)に交換する。被検化合物は本培
地中に所定の濃度で含有させ、24時間後の培養培
地中のNGF濃度を高感度ELISA法(S.
Furukawaら:J.Neurochem.40,734−744,
1983)によつて測定する。結果は被検化合物を含
まない培地にて培養した対象の培養培地中の濃度
に対する倍率として求めた。本ELISA法の検出
限界は0.25pg/mlであり、対照のNGF濃度は、
通常50−200pg/0.5ml/培養孔である。値は同一
細胞標品を用いた4回の試行の平均値±標準誤差
として示してある。 実施例 1 NGF産生分泌を促進する基本骨格を検討した
結果を表1に示す。これにより、オルト位に水酸
基を有する1,2−ジヒドロキシベンゼン環いわ
ゆるカテコール環が活性発現のための基本構造で
あることが判明した。
【表】
【表】
実施例 2
1,2−ジヒドロキシベンゼン環の4位の側鎖
R2の影響を検討した結果を表2に示す。A群に
カテコールアミン類、B群にはそれ以外のカテコ
ール誘導体の効果を示した。これにより、1,2
−ジヒドロキシベンゼン環の効果は、4位の側鎖
によつて増強されるが、その度合は側鎖の構造に
よつて大きく異なることが判明した。 すなわち、側鎖にアミノ基は不可欠ではなく
(B群にはA群に匹敵する活性を示すものがあ
る)、水酸基やカルボキシル基も必須ではない。
また不飽和よりは飽和構造が好ましく、炭素数は
2よりは3のほうが活性が高いことが示唆され
た。また驚くべきことに、B群のホモカテコール
(4−メチルカテコール)が、炭素数1ながら低
濃度域で炭素数3の化合物にせまる高活性を示す
ことが判明した。本化合物は高濃度添加では思つ
たほどの促進活性がみとめられなかつたが、この
濃度域では細胞の変形や一部細胞の器壁からの剥
離が観察されたことから、細胞毒性により効果が
減弱されたと考えられる。
R2の影響を検討した結果を表2に示す。A群に
カテコールアミン類、B群にはそれ以外のカテコ
ール誘導体の効果を示した。これにより、1,2
−ジヒドロキシベンゼン環の効果は、4位の側鎖
によつて増強されるが、その度合は側鎖の構造に
よつて大きく異なることが判明した。 すなわち、側鎖にアミノ基は不可欠ではなく
(B群にはA群に匹敵する活性を示すものがあ
る)、水酸基やカルボキシル基も必須ではない。
また不飽和よりは飽和構造が好ましく、炭素数は
2よりは3のほうが活性が高いことが示唆され
た。また驚くべきことに、B群のホモカテコール
(4−メチルカテコール)が、炭素数1ながら低
濃度域で炭素数3の化合物にせまる高活性を示す
ことが判明した。本化合物は高濃度添加では思つ
たほどの促進活性がみとめられなかつたが、この
濃度域では細胞の変形や一部細胞の器壁からの剥
離が観察されたことから、細胞毒性により効果が
減弱されたと考えられる。
【表】
【表】
実施例 3
L−M細胞のNGF産生、分泌活性に対する促
進効果は当初カテコールアミン類特有の作用とし
て見出されたものの、1,2−ジヒドロキシベン
ゼン環(カテコール環)を有する化合物に共通な
性質であり、より単純なアルキル側鎖だけでも充
分な増強効果が認められる可能性が示唆された。
そこで、1,2−ジヒドロキシベンゼンの3位あ
るいはまた4位の(特許請求の範囲に示した化合
物()でR=HのR1あるいはまたR2のアルキ
ル置換体の効
進効果は当初カテコールアミン類特有の作用とし
て見出されたものの、1,2−ジヒドロキシベン
ゼン環(カテコール環)を有する化合物に共通な
性質であり、より単純なアルキル側鎖だけでも充
分な増強効果が認められる可能性が示唆された。
そこで、1,2−ジヒドロキシベンゼンの3位あ
るいはまた4位の(特許請求の範囲に示した化合
物()でR=HのR1あるいはまたR2のアルキ
ル置換体の効
【表】
【表】
【表】
【表】
果を詳細に検討し、表3の結果を得た。
これにより、R1,R2の置換基の位置の差は決
定的ではなく、炭素数2から5個の非分枝型アル
キル基をいずれかにもち、R1,R2の組み合わせ
がより「かさ高くない」化合物、可及的には一方
が水素原子であるような組み合わせの化合物が、
有効なカテコールアミン類並ないしそれ以上の効
果を、より低濃度で示すことが判明した。また炭
素数が小さい側鎖を有する化合物で観察される高
濃度域における効果減弱が、炭素数が大きいもの
では測定濃度域では観察されなくなることも明ら
かとなつた。高活性を示した化合物はカテコール
アミン類とは異なり、アドレナリン作動性の神経
伝達物質活性を有することは知られておらず、本
発明用途での臨床適用上も有利と判断され、以後
高次の試験によつてさらに検索することとした。 実施例 4 実施例3において高活性が見出された化合物、
すなわち3あるいはまた4位に直鎖アルキル基を
有するカテコール類の高濃度域での急性期の細胞
定的ではなく、炭素数2から5個の非分枝型アル
キル基をいずれかにもち、R1,R2の組み合わせ
がより「かさ高くない」化合物、可及的には一方
が水素原子であるような組み合わせの化合物が、
有効なカテコールアミン類並ないしそれ以上の効
果を、より低濃度で示すことが判明した。また炭
素数が小さい側鎖を有する化合物で観察される高
濃度域における効果減弱が、炭素数が大きいもの
では測定濃度域では観察されなくなることも明ら
かとなつた。高活性を示した化合物はカテコール
アミン類とは異なり、アドレナリン作動性の神経
伝達物質活性を有することは知られておらず、本
発明用途での臨床適用上も有利と判断され、以後
高次の試験によつてさらに検索することとした。 実施例 4 実施例3において高活性が見出された化合物、
すなわち3あるいはまた4位に直鎖アルキル基を
有するカテコール類の高濃度域での急性期の細胞
【表】
チル
Priority Applications (13)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61226135A JPS6383020A (ja) | 1986-09-26 | 1986-09-26 | 中枢性神経退行性疾患の進行防止および治療剤 |
| FI874163A FI874163L (fi) | 1986-09-26 | 1987-09-23 | Katekolderivat samt preparat innehaollande desamma foer haemmande och botande av regressiva sjukdomar i det centrala nervsystemet. |
| NO874032A NO874032L (no) | 1986-09-26 | 1987-09-25 | Fremgangsmaate for fremstilling av terapeutisk aktive catecholderivater. |
| KR1019870010738A KR900001511B1 (ko) | 1986-09-26 | 1987-09-25 | 카테콜 유도체 및 그것을 함유하는 중추신경계 퇴행성질환의 진행방지 및 치료제 |
| EP87308482A EP0261977B1 (en) | 1986-09-26 | 1987-09-25 | Catechol derivatives, and preventive and remedial preparations for regressive disorders in the central nervous system |
| NZ221933A NZ221933A (en) | 1986-09-26 | 1987-09-25 | Catechol derivatives and pharmaceutical compositions |
| DK505787A DK505787A (da) | 1986-09-26 | 1987-09-25 | Catecholderivater samt forebyggende og terapeutisk praeparat omfattende samme mod regressive sygdomme i centralnervesystemet |
| DE8787308482T DE3777050D1 (de) | 1986-09-26 | 1987-09-25 | Catecholderivate und vorbeugende sowie heilende praeparate fuer regressive stoerungen im zentralnervensystem. |
| AU78956/87A AU603137B2 (en) | 1986-09-26 | 1987-09-25 | Catechol derivatives, and preventive and remedial preparations for regressive disorders in the central nervous system containing the same |
| US07/481,677 US4985458A (en) | 1986-09-26 | 1990-02-20 | Catechol diacetate derivatives for inducing the production of nerve growth factor to treat degenerative diseases in the central nervous system |
| US07/606,817 US5102906A (en) | 1986-09-26 | 1990-10-31 | Catechol derivatives, and preventive and remedial preparations for regressive disorders in the central nervous system containing the same |
| US07/801,866 US5214034A (en) | 1986-09-26 | 1991-12-03 | Catechol derivatives, and preventive and remedial preparations for regressive disorders in the central nervous system containing the same |
| NO921475A NO921475D0 (no) | 1986-09-26 | 1992-04-13 | Analogifremgangsmaate for fremstilling av terapeutisk aktive catecholderivater |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61226135A JPS6383020A (ja) | 1986-09-26 | 1986-09-26 | 中枢性神経退行性疾患の進行防止および治療剤 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6383020A JPS6383020A (ja) | 1988-04-13 |
| JPH0529207B2 true JPH0529207B2 (ja) | 1993-04-28 |
Family
ID=16840397
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP61226135A Granted JPS6383020A (ja) | 1986-09-26 | 1986-09-26 | 中枢性神経退行性疾患の進行防止および治療剤 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6383020A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2012157612A1 (ja) * | 2011-05-19 | 2012-11-22 | 国立大学法人徳島大学 | 細胞分化誘導剤および分化誘導方法 |
| US9730497B2 (en) | 2012-04-24 | 2017-08-15 | Grand Rainbow International Limited | Closure for article, in particular for jewelry |
-
1986
- 1986-09-26 JP JP61226135A patent/JPS6383020A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6383020A (ja) | 1988-04-13 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US5342942A (en) | Pyrazoloquinazolone derivatives as neurotrophic agents | |
| DE68917499T2 (de) | Catechol-Derivate und sie enthaltende pharmazeutische Präparate. | |
| JP7486328B2 (ja) | 神経突起伸長促進剤、神経細胞の樹状突起発現促進剤、及び神経栄養因子様作用物質 | |
| JP2002504370A (ja) | 改変された毛様体神経栄養因子、それらを作製する方法およびそれらの使用方法 | |
| EP0261977A2 (en) | Catechol derivatives, and preventive and remedial preparations for regressive disorders in the central nervous system | |
| JP5198538B2 (ja) | 硫酸化多糖または硫酸化オリゴ糖を含む薬学的組成物および医薬 | |
| US5232923A (en) | Catechol derivatives and pharmaceutical preparations containing same | |
| JP2011059126A5 (ja) | ||
| KR20180031532A (ko) | 말초신경계 질환의 치료 또는 예방용 약학 조성물 | |
| JPH0529207B2 (ja) | ||
| Liebl et al. | Serotonin‐activated α2‐macroglobulin inhibits neurite outgrowth and survival of embryonic sensory and cerebral cortical neurons | |
| JPH01238524A (ja) | カテコールアミン誘導体を含有してなる中枢性神経退行性疾患の進行防止および治療剤 | |
| US5543498A (en) | Peptides to overcome inhibition of nerve growth | |
| JPH09323928A (ja) | 神経分化誘導剤 | |
| US4782073A (en) | Amides of [(5,6-dichloro-3-oxo-9-alpha-substituted-2,3,9,9-alpha-tetrahydrofluoren-7-yl-oxyl]acetic acids, and pharmaceutical compositions thereof | |
| RU2160098C2 (ru) | Применение бензонафталиновых производных для получения лекарственных средств, предназначенных для лечения заболеваний нервной системы | |
| CN105646207A (zh) | 阿魏酸与细辛醚类似物拼合的化合物及其制备方法与应用 | |
| CN106608824B (zh) | 芳酸酯类化合物及其制备方法和用途 | |
| EP0418065B1 (en) | Dihydrocaffeic acid derivatives, use thereof for medical treatments and pharmaceutical preparations containing same | |
| CN105085348B (zh) | 一种苯甲酸硫酯类化合物及其应用 | |
| US5290793A (en) | Dihydrocaffeic acid derivatives and pharmaceutical preparation containing same | |
| JP6791977B2 (ja) | 骨格筋の肥大剤としてのフロスタン−3オール誘導体 | |
| JPH0678286B2 (ja) | ジヒドロカフェイン酸誘導体およびそれを有効成分として含有する治療剤 | |
| CN116813562B (zh) | 一种小分子化合物及其在制备抗胰腺炎药物中的应用 | |
| JPH0720929B2 (ja) | ジヒドロカフェイン酸アミド化合物およびそれを有効成分として含有する治療剤 |