JPH05294832A - 経皮吸収貼付剤 - Google Patents

経皮吸収貼付剤

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JPH05294832A
JPH05294832A JP9826492A JP9826492A JPH05294832A JP H05294832 A JPH05294832 A JP H05294832A JP 9826492 A JP9826492 A JP 9826492A JP 9826492 A JP9826492 A JP 9826492A JP H05294832 A JPH05294832 A JP H05294832A
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patch
compound
drug
skin
adhesive
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JP9826492A
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English (en)
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Michiari Hashimoto
通有 橋本
Michiya Nakagawa
道也 中川
Mutsumi Fukuda
睦 福田
Kiyoshi Sato
潔 佐藤
Toyohiro Tadokoro
豊博 田所
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Nisshin Seifun Group Inc
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Seifun Group Inc
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 (±)−4−[2−ヒドロキシ−3−(3−
(2−メトキシフェノキシ)−2−プロピルアミノ)プ
ロポキシ]−1(2H)−イソキノリノンの血中濃度を
投与後穏やかに上昇させ、しかる後、一定の血中濃度を
維持することができるように供給することができ、さら
に副作用が発現した場合に速やかに取り除くことを可能
とする経皮吸収貼付剤を得る。 【構成】 粘着基剤と、薬物として(±)−4−[2−
ヒドロキシ−3−(3−(2−メトキシフェノキシ)−
2−プロピルアミノ)プロポキシ]−1(2H)−イソ
キノリノンを必須成分として、p−ヒドロキシ安息香酸
エステルを必要に応じて含む貼付層を支持体上に形成し
てなる経皮吸収貼付剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高血圧症の治療薬とし
て近年開発された(±)−4−[2−ヒドロキシ−3−
(3−(2−メトキシフェノキシ)−2−プロピルアミ
ノ)プロポキシ]−1(2H)−イソキノリノン(以
下、これを化合物Aと略す。)の新規な剤型に関し、よ
り詳細には、皮膚に貼付して該薬物を皮膚を介して体内
の循環器系に投与するのに用いられる経皮吸収貼付剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】高血圧症に対する治療薬物すなわち降圧
剤としては、降圧利尿薬、交感神経抑制薬、血管拡張薬
等が知られており、近年、各種の新しい降圧剤が開発さ
れてきている。これらの降圧剤の内、化合物Aは近年開
発されたもののひとつであり、α遮断作用とβ遮断作用
とを併せ持つ新しい降圧剤であり、顕著な薬効を発現す
るものである(特開昭59−116269号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】降圧剤は、通常、錠剤
の形で提供され、経口投与されるのが一般的である。そ
して、α遮断薬及びβ遮断薬は、経口投与により確実な
血圧低下効果を発揮するが、他方において、めまいや立
ち眩み等の副作用を避けることができないという問題が
あった。また、一旦副作用が発現した場合には、該副作
用を取り除くことは非常に困難であった。従って、α遮
断薬及びβ遮断薬として、投与後緩やかにその血中濃度
が上昇すると共に、一定の濃度で長時間持続し、さらに
副作用が発現した場合にはそれを取り除き得るような医
薬製剤の登場が望まれていた。
【0004】上記の要望を達成するために、従来、錠剤
の崩壊性を制御する試みが種々成されている。しかしな
がら、錠剤の崩壊性を制御する方法では、胃腸内のpH
や内容物の状態等により、薬物の崩壊性・吸収性が非常
に大きくばらつくため、薬物の血中濃度を一定にするこ
とが難しかった。のみならず、錠剤の崩壊性を制御し得
たとしても、一旦副作用が発現した場合に、該副作用を
取り除くことができないという問題は依然として残され
ている。
【0005】よって、本発明の目的は、投与後緩やかに
化合物Aの血中濃度を上昇させ、しかる後一定の血中濃
度に維持するように徐々に化合物Aを供給することがで
き、さらに副作用が発現した場合に該副作用を速やかに
取り除くことを可能とする化合物A製剤を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】本願発明者ら
は、上記課題を解決すべく鋭意検討重ねた結果、化合物
Aを用いて経皮吸収貼付剤を構成すれば、上記課題を達
成し得ることを見出し、本発明を成すに至った。すなわ
ち、本願の第1発明は、粘着基剤と、化合物Aとを含む
貼付層を支持体上に形成してなる経皮吸収貼付剤であ
る。また、本願の第2発明は、粘着基剤と、化合物A及
びp−ヒドロキシ安息香酸エステルとを含む貼付層を支
持体上に形成してなる経皮吸収貼付剤である。
【0007】本願の第1,第2発明では、化合物Aを必
須成分として含有する製剤が経皮吸収貼付剤の形態とさ
れているため、前述した従来の化合物A含有錠剤の欠点
を解消することができる。すなわち、副作用が発現した
場合には、皮膚から取り除くことにより副作用の発現を
抑制することができる。のみならず、他の経皮吸収投与
タイプの医薬、例えば薬物含有溶液をスプレー塗布した
り、軟膏を塗布したりする方法において生じる、投与量
のばらつきや衣服に付着して汚したりするといった種々
の問題をも解消することができる。
【0008】本願発明者らは、上記のように経皮吸収貼
付剤として構成した場合の上記のような利点に着目し、
さらに化合物Aが皮膚から確実に吸収され、かつ投与後
緩やかに血中濃度が高められ、さらに一定の血中濃度の
維持が実現され得る経皮吸収貼付剤について検討した結
果、貼付層が皮膚に所定時間確実に密着しているこ
と、粘着基剤層での薬物の飽和溶解度が適度に大きい
こと、粘着基剤から皮膚に対して適度な化合物A放出
性を有すること等が好適な条件であることを見出した。
以下、本願の第1,第2発明に係る経皮吸収貼付剤の各
構成及び製造方法について、詳細に説明する。
【0009】粘着基剤 化合物Aと組み合わせることができる粘着基剤であっ
て、上述した〜の好ましい条件を満足させるものと
しては、ガラス転移温度Tgが−70℃〜−10℃であ
り、合成または天然高分子化合物及びこれら高分子化合
物を含む組成物が好ましい。Tgが−70℃より低い粘
着基剤を用いた場合には、粘着基剤層の保型性が低下す
ると共に、剥離時に皮膚への残留物が生じるため好まし
くなく、Tgが−10℃より高い場合には皮膚への密着
性が低下するため好ましくないからである。
【0010】粘着基剤として、最も好ましいTgは、−
60℃〜−20℃である。もっとも、共重合体や2種以
上の高分子化合物の混合物では、数種のTgを有するも
のもあるが、この場合には、全てのTgが上記範囲内、
すなわち−70℃〜−10℃の範囲にある必要はない。
Tgが−70℃〜−10℃の範囲内にあり、常温で感圧
接着性を示す粘着基剤は、例えば、下記の合成及び/ま
たは天然樹脂の群から選択されたもので構成することが
できる。
【0011】合成樹脂としては、ポリビニルアルキルエ
ーテル、ポリ(メタ)アクリレート、ポリウレタン、ポ
リエステル、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合
体、スチレン−ブタジエンゴム、ポリブテン、ポリイソ
プレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム等が挙げら
れ、天然樹脂としては、天然ゴム等が挙げられる。好ま
しくは、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重
合体やアクリル系共重合体が挙げられる。また、上記高
分子化合物を単独で使用した場合に上記範囲のTgが得
られない場合には、他の高分子化合物を組み合わせて使
用したり、公知の配合剤を添加して必要とするTgに調
整してもよい。
【0012】アクリル系共重合体のうち好ましいもの
は、アルキル基の平均炭素数が2以上、好ましくは2〜
18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを少なくと
も50重量%含有するアクリル系共重合物である。この
アクリル系共重合物は、皮膚への密着性及び薬物に対す
る溶解性が良好であり、しかも皮膚を刺激することが少
なく、さらに薬物を安定に保持し得る。前記アクリル系
共重合物には、(メタ)アクリル酸アルキルエステル
と、他の共重合可能なモノマーとの共重合物が含まれ、
該共重合可能なモノマーは40重量%以下、好ましくは
0.5〜30重量%の範囲で共重合される。
【0013】上記共重合性モノマーの種類及び共重合比
を調整することにより、上記アクリル系共重合物の凝集
性、薬物溶解性及び薬物放出性を調節することができ
る。従って、上記アクリル系共重合物あるいは該アクリ
ル系共重合物の混合物は、化合物Aを担持させる重合物
として好適なものである。アクリル系共重合物を構成す
るのに用いられる前記(メタ)アクリル酸アルキルエス
テルモノマーとしては、エチル(メタ)アクリレート、
n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、
ヘキシルアクリレート、2−エチルブチルアクリレー
ト、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルア
クリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、デシ
ルアクリレート、ドデシルアクリレート、ドデシルメタ
クリレート、トリデシルアクリレート、トリデシルメタ
クリレート等を例示することができる。
【0014】前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
モノマーと共重合可能なモノマーとしては、(メタ)ア
クリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、
ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロシキプロピルア
クリレート、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミ
ド、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸ジメチルア
ミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチ
ル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルピロリド
ン等を例示することができる。
【0015】上記アクリル系共重合物には、さらに必要
に応じて多官能性モノマーが加えられる。この多官能性
モノマーの添加により、生成する重合体間にごくわずか
に架橋が生じ、それにより粘着基剤の内部凝集力が増大
する。そのため貼付された皮膚の性状や発汗量にほとん
ど無関係に、貼付剤剥離時のいわゆる糊残り現象がほぼ
解消される。しかも、この多官能性モノマーの添加は薬
物の放出性や低皮膚刺激性には何ら悪影響を与えない。
このような多官能性モノマーとしては、例えば、ジ(メ
タ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレート、テトラ
(メタ)アクリレート等があるが、これに限定されな
い。より具体的には、ヘキサメチレングリコールや、オ
クタメチレングリコール等のポリメチレングリコール類
と(メタ)アクリル酸とを結合させて得られるジ(メ
タ)アクリレート;ポリエチレングリコールやポリプロ
ピレングリコール等のポリアルキレングリコール類と、
(メタ)アクリル酸とを結合させて得られるジ(メタ)
アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)ア
クリレートやグリセリントリ(メタ)アクリレート等の
トリ(メタ)アクリレート;及びペンタエリスリトール
テトラ(メタ)アクリレート等のテトラ(メタ)アクリ
レートがある。これら多官能性モノマーは2種以上の組
み合わせで用いてもよい。多官能性モノマーは粘着基剤
の製造に供される全モノマー中に0.5重量%以下の割
合で使用される。多官能性モノマーの使用量が0.5重
量%を超えると重合により得られる粘着基剤がゲル化を
起こし易く、薬物の拡散・放出にも影響が現れる。
【0016】前記粘着基剤には、その保型性を保つため
に、皮膚の薬物吸収能を高めるために、あるいは薬物溶
解性を高める等のために、充填剤、吸収助剤または溶解
助剤等を配合することができる。充填剤としては、例え
ば、微粉末シリカ、チタン白、炭酸カルシウム等を挙げ
ることができ、吸収助剤としては、例えば、プロピレン
グリコール、ポリエチレングリコール、1,3−ブタン
ジオール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イ
ソプロピル、ポリオキシエチレン脂肪族エステル・エー
テル等を挙げることができ、溶解助剤としては、例え
ば、乳酸を挙げることができる。通常、上記充填剤は貼
付層中20重量%以下の量で使用され、吸収助剤は30
重量%以下の量で用いられる。また、粘着基剤には、一
般的な粘着付与樹脂、軟化剤、抗酸化剤のような配合
剤、及び/またはかゆみ止め剤のような刺激低下剤のよ
うな他の薬物を添加してもよい。
【0017】化合物A 本願の第1,第2の発明の経皮吸収貼付剤では、薬物と
して、化合物Aが貼付層に含有されている。化合物A
は、前述したように、従来より降圧剤として高血圧症等
の治療に用いられている。化合物Aの含有量は、好まし
くは、貼付層中0.1〜30重量%の範囲である。0.
1重量%未満の場合には、所期の薬効を発現することが
難しく、貼付剤のサイズを著しく大きくし、貼付面積を
広げる必要があるが、このような大型の貼付剤は使い勝
手が悪い上に、貼付中の使用感が悪くしかも長時間の貼
付が困難となる。他方、上記含有量が30重量%を超え
ると、化合物Aが粘着基剤中に過飽和状態となり、粘着
基剤の表面に薬物の結晶が析出し、貼付性を低下させ、
やはり長時間の貼付が困難となる。化合物Aの特に好ま
しい含有量は、貼付層中0.5〜25重量%の範囲であ
る。
【0018】支持体 支持体は、柔軟であるが、経皮吸収貼付剤に自己支持性
を付与し、かつ貼付層中の薬物の揮散や移行を防止する
役目を果たすものであって、薬物非透過性のシートまた
はフィルムやこれらのラミネート体、これらに金属を蒸
着したもの、織布もしくは不織布または金属箔等で構成
され得る。支持体の材料例としては、酢酸セルロース、
エチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、酢酸
ビニル−塩化ビニル共重合体、ナイロン、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、可塑化ポリ塩化ビニル、ポリウレタ
ン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、アルミニウム
等が挙げられる。これらの素材のうち、皮膚面に対して
の追従性が十分な素材が好適に用いられる。特に、ポリ
エチレンテレフタレート、エチレン−酢酸ビニル共重合
体とのラミネートフィルム等が好ましい。支持体の厚み
は500μm以下、好ましくは5〜150μmである。
【0019】支持体は、皮膚の角質中の水分量を増し、
経皮吸収を刺激なく促進するために通気性または透湿性
の低い素材で構成されることが好ましい。また、貼付剤
が剥がれるのを防止したり、貼付による違和感を少なく
したりするには、支持体の10重量%以上、好ましくは
50重量%以上を伸延性の材料で構成したり、あるいは
伸縮加工を施した支持体を用いることが好ましい。
【0020】p−ヒドロキシ安息香酸エステル 本願の第2の発明では、貼付層に、上記した化合物Aに
加えて、吸収助剤としてp−ヒドロキシ安息香酸エステ
ルが含有されている。p−ヒドロキシ安息香酸エステル
の含有量は、好ましくは、貼付層中0.5〜15重量%
の範囲である。0.5重量%未満では、十分な吸収助剤
効果が発現せず、他方、15重量%を超えるとp−ヒド
ロキシ安息香酸エステルが粘着基剤中に過飽和状態とな
り、粘着基剤の表面に結晶として析出し、貼付性を低下
させ、長時間の貼付が困難となるからである。p−ヒド
ロキシ安息香酸エステルの特に好ましい含有量は、1〜
10重量%の範囲である。p−ヒドロキシ安息香酸エス
テルとしては、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒ
ドロキシ安息香酸エチル、p−ヒドロキシ安息香酸プロ
ピル、p−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、p−ヒド
ロキシ安息香酸n−ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸t
−ブチル等が挙げられる。
【0021】また、p−ヒドロキシ安息香酸エステルに
加えて、他の吸収助剤を併用することも可能である。こ
のような他の吸収助剤としては、プロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、1,3−ブタンジオー
ル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロ
ピル、ポリオキシエチレン脂肪族エステル・エーテル等
が挙げられる。
【0022】剥離紙 本願の第1,第2発明の経皮吸収貼付剤では、通常は、
その貼付面に剥離紙が積層される。剥離紙は、貼付剤の
使用前に貼付層表面の貼付能を低下させないため、並び
に貼付層表面を汚染させないために設けられているもの
である。剥離紙としては、貼付層から容易に剥離し得る
ものであれば適宜のものを用い得るが、例えば、ポリエ
チレンテレフタレートフィルムをシリコーン処理したも
のがよく用いられる。剥離紙の厚みは、500μm以
下、好ましくは20〜200μmが選ばれる。
【0023】製法 本願の第1,第2発明に係る経皮吸収貼付剤は、通常の
粘着テープの製造方法を用いて製造することができる。
例えば、代表的な製法として溶剤塗工法が挙げられる。
また、他の方法としては、エマルジョン塗工法、ホット
メルト法、電子架橋による方法等が用いられる。本願の
第1,第2発明に係る経皮吸収貼付剤を溶剤塗工法で製
造するには、例えば、粘着基剤、薬物及び吸収助剤、さ
らに必要に応じて配合剤を適当な溶媒に溶解あるいは分
散させ、得られた溶液または分散液を支持体表面に直接
塗布・乾燥し、厚み5〜300μmの貼付層を形成す
る。また、この溶液または分散液を保護用の剥離紙上に
塗布し、乾燥後に得られた貼付層を支持体に密着させて
もよい。貼付層は、支持体の一方主面の全面に形成して
もよく、あるいは、例えば筋状、格子状または波型状の
ように部分的に形成してもよい。
【0024】本発明の貼付剤の好ましい変形例として、
一の支持体上に、異なる組成、厚み及び/または薬物含
有量を有する2以上の異なる貼付層を、支持体の一端か
ら他端に所定幅で順次形成したり、所定幅で交互に形成
したり、あるいは海島状に形成したりすることも可能で
ある。このような混成パターンタイプの貼付剤では、異
種の貼付層の使用により薬物の放出速度または放出量を
異ならせることができるため、単一の貼付層を有する貼
付剤に比べて、全体としての放出時間を延長することが
できるという利点がある。
【0025】他の好ましい変形例は、一の支持体上に、
異なる組成、厚み及び/または薬物含有量を有する2以
上の粘着物を層状に重ね合わせて貼付層を形成したもの
が挙げられる。この場合、貼付層中の薬物量が外側から
内側に行くにつれて多くなるように、異種の粘着物を重
ね合わせて貼付層を構成すれば、薬物を貼付層内部から
外部へ徐々に供給することを可能とすることができる。
このような積層タイプの貼付剤は、製剤を皮膚に密着さ
せた直後に、一時に大量の薬物が経皮吸収されることを
防止する効果を有する。
【0026】
【発明の効果】本願の第1,第2の発明では、化合物A
が経皮吸収貼付剤の形態に構成されているため、従来の
経口投与タイプの化合物A製剤の問題点を解消すること
ができ、すなわち化合物Aの血中濃度を投与初期には穏
やかに上昇させることができ、投与中は有効血中濃度を
長時間に渡って維持することができ、しかも、副作用が
発現した場合には皮膚面から剥離することにより副作用
を効果的に抑制することができる。さらに、経皮吸収貼
付剤であるため、取扱が極めて簡便である。
【0027】なお、第2発明では、薬物である化合物A
に加えて、吸収助剤であるp−ヒドロキシ安息香酸エス
テルが貼付層中に含有されているため、化合物Aの皮膚
面を経由した吸収能が、より一層高められ、従って化合
物Aの薬効をより効果的に発揮させることができる。さ
らに、他の経皮吸収投与タイプの医薬製剤、例えば薬物
含有溶液を皮膚にスプレー塗布したりする方法や軟膏を
塗布する方法では、投与量のばらつきが生じたり、スプ
レー液や軟膏が衣服に付着して衣服を汚すという種々の
問題があったが、本願の第1,第2発明に係る経皮吸収
貼付剤では、このような問題を招く恐れも全くない。
【0028】
【実施例の説明】以下、本発明についての非限定的かつ
具体的な実施例を説明することにより、本発明を明らか
にする。実施例1 1)ゴム系粘着剤 ・スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(シェル化学社製、商品 名:カリフレックスTR1107) … 14.6g ・ポリブテン(日本石油社製、商品名:HV−300) … 4.9g ・脂環族飽和炭化水素(荒川化学社製、商品名:アルコンP−70) … 41.9g ・流動パラフィン … 36.9g
【0029】上記組成を配合し、Tg=−49℃のゴム
系粘着基剤を調製した。 2)テトラヒドロフラン233.3gに、化合物Aを1
gと、ゴム系粘着基剤99gとを配合し、ディゾルバー
にて均一に混合して、固形分30重量%の粘着剤溶液を
得た。 3)厚み48μmのポリエチレンテレフタレート剥離ラ
イナー上に、工程2)で得られた塗工液を塗布した後、
60℃で30分間ギヤオーブン内で乾燥し厚さ80μm
の貼付層を形成した。ついで、ポリエチレンフィルムよ
りなる厚さ20μmの支持体を貼付層に密着させて、経
皮吸収貼付剤を調製した。
【0030】実施例2 1)アクリル酸−2−エチルヘキシル65モル%(30
2.0g)、ビニルピロリドン35モル%(98.0
g)、及びジメタクリル酸1,6−ヘキサメチレングリ
コール0.02モル%(40.0mg)をセパラブルフ
ラスコに仕込み、さらに酢酸エチル400gを加えて、
モノマー濃度を50重量%に調整した。この溶液を窒素
雰囲気下で温度60℃に加熱し、次に、2gの過酸化ラ
ウロイルをシクロヘキサン100gと酢酸エチル240
gの混合溶媒に溶解して成る重合開始剤溶液を少しずつ
添加し、12時間にわたり重合反応を行い、固形分濃度
35重量%のアクリル系粘着基剤の酢酸エチル−シクロ
ヘキサン混合溶液を得た。次に、得られた溶液を、10
5℃で3時間かけて乾燥し、酢酸エチル及びシクロヘキ
サンを蒸発させ、アクリル系粘着剤400gを得た。
【0031】2)ゴム系粘着基剤の代わりに工程1)で
得られたアクリル系粘着基剤を用い、実施例1の工程
2)と同様にして、テトラヒドロフラン233.3g
に、化合物Aを3gと、上記アクリル系粘着基剤97g
とを溶解し、固形分濃度30重量%の貼付用配合物を含
有する塗工液を調製した。 3)実施例1の工程3)と同じ操作により、シリコン処
理PETフィルムより成る剥離ライナー上に貼付層を形
成し、この層にポリエチレンフィルムよりなる支持体を
密着させて、経皮吸収貼付剤を調製した。
【0032】実施例3 1)アクリル酸−2−エチルヘキシル10モル%(3
5.0g)、メタクリル酸−2−エチルヘキシル80モ
ル%(301.0g)、メタクリル酸ドデシル10モル
%(48.2g)、ジメタクリル酸1,6−ヘキサメチ
レングリコール0.02モル%(50mg)をセパラブ
ルフラスコに仕込み、さらに酢酸エチルを165g加え
て、モノマー濃度を70重量%に調整した。この溶液を
窒素雰囲気下で温度80℃に加熱し、次に、4gの過酸
化ラウロイルをシクロヘキサン50gと酢酸エチル36
0gの混合溶媒に溶解して成る重合開始剤溶液を少しず
つ添加し、24時間にわたり重合反応を行い、固形分濃
度40重量%のアクリル系粘着基剤の酢酸エチル−シク
ロヘキサン混合溶液を得た。これを実施例2の工程1)
と同様にして、酢酸エチル及びシクロヘキサンを蒸発さ
せアクリル系粘着剤384gを得た。
【0033】2)実施例2と同様に、上記工程1)で得
られたアクリル系粘着基剤を用い、テトラヒドロフラン
233.3gに、化合物Aを3gと、上記アクリル系粘
着基剤97gとを溶解し、固形分濃度30重量%の貼付
用配合物を含有する塗工液を調製した。 3)実施例1の工程3)と同じ操作により、シリコン処
理PETフィルムより成る剥離ライナー上に貼付層を形
成し、この層にポリエチレンフィルムより成る支持体を
密着させて、経皮吸収貼付剤を調製した。
【0034】実施例4 1)実施例2の工程1)で得られたアクリル系粘着基剤
を用い、テトラヒドロフラン233.3gに、化合物A
を25gと、溶解助剤としての乳酸5gと、アクリル系
粘着基剤70gとを溶解し、固形分濃度30重量%の貼
付用配合物を含有する塗工液を調製した。 2)実施例1の工程3)と同じ操作により、シリコン処
理PETフィルムより成る剥離ライナー上に貼付層を形
成し、この層にポリエチレンフィルムより成る支持体を
密着させて、経皮吸収貼付剤を調製した。
【0035】実施例5 テトロヒドロフラン233.3gに対して、化合物Aを
1gと、p−ヒドロキシ安息香酸メチル3gと、ゴム系
粘着基剤96gとを配合したことを除いては、実施例1
と同様にして、経皮吸収貼付剤を調製した。
【0036】実施例6 テトラヒドロフラン233.3gに、化合物Aを3g
と、p−ヒドロキシ安息香酸n−ブチル10gと、アク
リル系粘着基剤87gとを溶解し、固形分濃度30重量
%の貼付用配合物を用いたことを除いては、実施例2と
同様にして経皮吸収貼付剤を調製した。
【0037】実施例7 テトラヒドロフラン233.3gに、化合物Aを25g
と、p−ヒドロキシ安息香酸n−ブチル10gと、溶解
助剤としての乳酸5gと、アクリル系粘着基剤60gと
を溶解し、固形分濃度30重量%の貼付用配合物を用い
たことを除いては実施例4と同様にして、経皮吸収貼付
剤を調製した。
【0038】実施例8 テトラヒドロフラン233.3gに、化合物Aを3g
と、p−ヒドロキシ安息香酸n−ブチル10gと、ミリ
スチン酸イソプロピル5gと、アクリル系粘着基剤82
gとを溶解して得られた、固形分濃度30重量%の貼付
用配合物を用いたことを除いては実施例3と同様にし
て、経皮吸収貼付剤を調製した。上記から明らかなよう
に、実施例5〜7は、それぞれ、実施例1,2,4と、
p−ヒドロキシ安息香酸エステルを含有するかしないか
という点においてのみ異なる。
【0039】評価 上記のようにして得られた実施例の各経皮吸収貼付剤に
つき、下記の要領で評価実験を行った。実験1 実施例1〜8について、以下の兎貼付試験を行った。兎
をバリカン及びシェーバーで除毛したところに、直径2
0mmの円形(面積3.14cm2 )の貼付剤を24時
間貼付し、貼付時と24時間後の接着性、剥離後1時間
経過後の皮膚刺激性を観察した。この実験は、経皮吸収
貼付剤毎にそれぞれ3例ずつ行った。
【0040】実験2 実施例1〜8について、以下のヘアレスマウス皮膚透過
性試験を行った。まず、図1に示すフランツタイプの拡
散セル1を準備した。拡散セル1は、下側の有底円筒状
のレセプター槽2と、これの上に配置された有底円筒状
のドナー槽3とからなる。ドナー槽3の底壁中央には開
口部4が設けられ、またドナー槽3の下端及びレセプタ
ー槽2の上端には、それぞれ、上側フランジ5及び下側
フランジ6が設けられている。そして、上側フランジ5
と下側フランジ6を対向状に重ね合わせることによっ
て、ドナー槽3とレセプター槽2が気密状にかつ同心状
に積み重ねられている。レセプター槽2には、その側部
に側方突出状のサンプリング口7が取り付けられ、レセ
プター槽2の内部にはマグネット攪拌子9が入れてあ
る。
【0041】ヘアレスマウス(6週齢、雄)を頸椎脱臼
により屠殺した後、直ちに背部皮膚を剥離して皮下脂肪
と筋層を除去し、約5cm×5cmの皮膚片を得た。こ
の皮膚片8を拡散セル1の上側フランジ5と下側フラン
ジ6の間に挟着して、ドナー槽3の開口部4を皮膚片8
で完全に閉じるようにした。皮膚片8の上面に、経皮吸
収貼付剤を直径20mmの円形(面積3.14cm2
に打ち抜いて得た試験片10を貼付した。レセプター槽
2には、後述の調製法に従って調製されたレセプター液
を満たした。
【0042】次いで、拡散セル1を温度37℃に保たれ
た恒温槽内に設置し、マグネット攪拌装置によりレセプ
ター液の攪拌を行った。所定時間後にサンプリング口7
からレセプター液1mlを採取した。採取後は等量のレ
セプター液を補充した。この採取レセプター液への薬物
の透過量を高速液体クロマトグラフ法により測定した。
各試験片の数は経皮吸収貼付剤毎にそれぞれ3片ずつと
した。レセプター液の調製法…NaH2 PO4 (5×1
-4mol)、Na2 HPO 4 (2×10-4mol)、
NaCl(1.5×10-1mol)、ゲンタマイシン1
0mgを、蒸留水500mlに溶かし、0.1N−Na
OH水溶液でpH7.2に調整した後、蒸留水で100
0mlとした。
【0043】実験3 実施例2及び実施例6について以下に示すヘアレスラッ
ト経皮吸収性試験を及び実施例2について以下のSHR
ラット薬理試験を行った。ヘアレスラット経皮吸収性試験 ヘアレスラットの腹部に約5cm×約4cm(四隅を一
部切り取ったので面積は18.75cm2 )の大きさの
貼付剤を貼付し、所定時間毎に血液を0.6mlづつ採
取し、得られた血液を遠心分離し、血漿と等容量の1N
のNaOHを加え5%(V/V)メタノール/クロロホ
ルム溶液抽出、減圧乾固し、乾固分を移動相に溶解し、
HPLCにより血漿中の化合物A濃度の測定を行った。
【0044】SHRラット薬理試験 実施例2についてのみ、兎と同様の除毛を行ったSHR
ラットに約5cm×約4cm(四隅を一部切り取ったの
で面積は18.75cm2 )の貼付剤を貼付し、所定時
間毎に血圧の測定を行った。実験1〜実験3の結果を、
表1〜表4に示す。
【0045】
【表1】
【0046】表1において、表中に示した評価基準は、
以下の通りである。 [皮膚接着性] 貼付時 …… 優 : 皮膚貼付面積
100% 良 : 皮膚貼付面積70%〜100%未満 可 : 皮膚貼付面積70%未満 不可: 皮膚に全く付着しない 24時間後 … 優 : 皮膚貼付面積100%かつ糊残
りなし 良 : 皮膚貼付面積70%〜100%未満かつ糊残り
なし 可 : 皮膚貼付面積70%未満かつ糊残りなし 不可: 皮膚に全く付着しないかまたは糊残り有り
【0047】[刺激性] 1)紅斑と痂皮形成 0 : 紅斑なし 1 : ごく軽度(やっと認められる程度)の紅斑 2 : 明らかな紅斑 3 : 中等度から強い紅斑 4 : 深紅色の強い紅斑に軽い痂皮形成
【0048】2)浮腫形成 0 : 浮腫なし 1 : ごく軽度(やっと認められる程度)の浮腫 2 : 周囲と明らかに区別が可能な浮腫 3 : 中等度の浮腫 4 : 強い浮腫 1)と2)との評点を加算した。なお、上記刺激性の評
価は24時間貼付後剥離し、剥離後1時間での刺激性を
評価することにより行った。
【0049】
【表2】
【0050】但し、表2において、N.Dは、検出限界
以下であったことを示す。
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】表3,4において、−はデータが測定され
なかったことを示す。また、表3及び表4中に示した化
合物A濃度は3例の平均値であり、SHRラットの血圧
変化は4例の平均値である。表3,4から明らかなよう
に、実施例2及び実施例6に係る経皮吸収貼付剤におい
て、化合物Aの血漿中濃度が投与直後から穏やかに上昇
し、しかる後一定濃度に維持することができ、さらに長
時間に渡って薬理効果を発揮させ得ることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において、皮膚透過性試験に使用した試
験装置の概略図である。
【符号の説明】
1…拡散セル 2…レセプター槽 3…ドナー槽 4…開口部 5…上側フランジ 6…下側フランジ 7…サンプリング口 8…皮膚片 10…試験片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 潔 埼玉県川越市伊勢原町1−19−5 (72)発明者 田所 豊博 埼玉県上福岡市西1−13−23

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘着基剤と、薬物(±)−4−[2−ヒ
    ドロキシ−3−(3−(2−メトキシフェノキシ)−2
    −プロピルアミノ)プロポキシ]−1(2H)−イソキ
    ノリノンとを含む貼付層を支持体上に形成してなる経皮
    吸収貼付剤。
  2. 【請求項2】 粘着基剤と、薬物(±)−4−[2−ヒ
    ドロキシ−3−(3−(2−メトキシフェノキシ)−2
    −プロピルアミノ)プロポキシ]−1(2H)−イソキ
    ノリノン及びp−ヒドロキシ安息香酸エステルとを含む
    貼付層を支持体上に形成してなる経皮吸収貼付剤。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006129745A1 (ja) * 2005-06-01 2006-12-07 Saitama Daiichi Pharmaceutical Co., Ltd. 貼付剤

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EP1886675A1 (en) 2005-06-01 2008-02-13 Saitama Daiichi Pharmaceutical Co., Ltd. Skin patch
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