JPH05302149A - 時効硬化型オーステナイト系工具鋼 - Google Patents
時効硬化型オーステナイト系工具鋼Info
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- JPH05302149A JPH05302149A JP7953492A JP7953492A JPH05302149A JP H05302149 A JPH05302149 A JP H05302149A JP 7953492 A JP7953492 A JP 7953492A JP 7953492 A JP7953492 A JP 7953492A JP H05302149 A JPH05302149 A JP H05302149A
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Landscapes
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 時効処理後の組織が非磁性のオーステナイト
であり、しかも被切削性に優れた時効硬化型オーステナ
イト系工具鋼を提供する。 【構成】 重量比で、C 0.40〜1.00%、Si 1.40%以
下、Mn 5.00〜10.00%、Ni2.00〜10.00%、Cr 7.00〜1
4.00%、V 0.50〜2.50%、これにCu 0.60〜4.00%、Al
0.60〜4.00%の1種または2種、残部Feおよび通常の不
純物よりなる組成を基本系とする時効硬化型オーステナ
イト系工具鋼であり、必要に応じてW、Mo単独または
複合で1/2W+Mo 0.80〜5.00%、Co 2.00〜7.00%、S
0.04〜0.15%、およびCa 0.01%以下、Ce 0.10%以下の
1種または2種を適宜添加することができる。
であり、しかも被切削性に優れた時効硬化型オーステナ
イト系工具鋼を提供する。 【構成】 重量比で、C 0.40〜1.00%、Si 1.40%以
下、Mn 5.00〜10.00%、Ni2.00〜10.00%、Cr 7.00〜1
4.00%、V 0.50〜2.50%、これにCu 0.60〜4.00%、Al
0.60〜4.00%の1種または2種、残部Feおよび通常の不
純物よりなる組成を基本系とする時効硬化型オーステナ
イト系工具鋼であり、必要に応じてW、Mo単独または
複合で1/2W+Mo 0.80〜5.00%、Co 2.00〜7.00%、S
0.04〜0.15%、およびCa 0.01%以下、Ce 0.10%以下の
1種または2種を適宜添加することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラスチック製マグネ
ット成形用型などの冷間型や熱間成形用金型材として、
優れた被切削性を備えた非磁性高硬度の新しい時効硬化
型オーステナイト系工具鋼に関するものである。
ット成形用型などの冷間型や熱間成形用金型材として、
優れた被切削性を備えた非磁性高硬度の新しい時効硬化
型オーステナイト系工具鋼に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来プラスチック製マグネット(以下プ
ラマグと記す)成形用型など非磁性で高強度を要求され
る冷間型や昇温温度の特に高い熱間成形型用途には、特
公昭57-19749号に記載の鋼が使用されている。また、型
加工する場合、加工性が問題になるときは、被切削性を
改善した特開昭63-203753号および特開平1-159353号に
記載の鋼などが使用されている。
ラマグと記す)成形用型など非磁性で高強度を要求され
る冷間型や昇温温度の特に高い熱間成形型用途には、特
公昭57-19749号に記載の鋼が使用されている。また、型
加工する場合、加工性が問題になるときは、被切削性を
改善した特開昭63-203753号および特開平1-159353号に
記載の鋼などが使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】特公昭57-19749号の鋼
の場合、Mnが高いため基地が粘く、また加工硬化性が
大きいため被切削性が悪く、多大な加工工数を要する問
題があった。また、特開昭63-203753号の鋼は、被切削
性を高める目的で固溶化処理した後、低温で予備時効処
理を行ない、Ni-Al金属間化合物、Fe-Cu固溶体をそ
れぞれ単独たは複合で析出させて基地の延性を適度に低
めて素加工し、次いで高温で時効処理を行なって仕上加
工するのであるが、13%前後にMnが高い場合には被切削
性の点で今一つ改善の効果が得られないことがわかって
きた。
の場合、Mnが高いため基地が粘く、また加工硬化性が
大きいため被切削性が悪く、多大な加工工数を要する問
題があった。また、特開昭63-203753号の鋼は、被切削
性を高める目的で固溶化処理した後、低温で予備時効処
理を行ない、Ni-Al金属間化合物、Fe-Cu固溶体をそ
れぞれ単独たは複合で析出させて基地の延性を適度に低
めて素加工し、次いで高温で時効処理を行なって仕上加
工するのであるが、13%前後にMnが高い場合には被切削
性の点で今一つ改善の効果が得られないことがわかって
きた。
【0004】さらに、特開平1-159353号の鋼は、被切削
性に悪影響を及ぼすMnを5.0%以下に限定し、かつ固溶
化処理状態においてAlを基地に固溶させるとともにNi
-Al金属間化合物を析出させて適度に延性を減じること
により被切削性を大幅に改善したものである。しかし、
時効処理において硬さを高めた時、また金型を製作する
場合など加工を加えた時、オーステナイト組織が不安定
となり、透磁率が1.02以上に高くなり、非磁性でなくな
るという問題が生じた。これは、オーステナイト安定化
元素であるMnが低くなり過ぎたためと考えられる。本
発明の目的は、時効処理後の組織が非磁性の安定オース
テナイトであり、しかも被切削性に優れた時効硬化型オ
ーステナイト系工具鋼を提供することである。
性に悪影響を及ぼすMnを5.0%以下に限定し、かつ固溶
化処理状態においてAlを基地に固溶させるとともにNi
-Al金属間化合物を析出させて適度に延性を減じること
により被切削性を大幅に改善したものである。しかし、
時効処理において硬さを高めた時、また金型を製作する
場合など加工を加えた時、オーステナイト組織が不安定
となり、透磁率が1.02以上に高くなり、非磁性でなくな
るという問題が生じた。これは、オーステナイト安定化
元素であるMnが低くなり過ぎたためと考えられる。本
発明の目的は、時効処理後の組織が非磁性の安定オース
テナイトであり、しかも被切削性に優れた時効硬化型オ
ーステナイト系工具鋼を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】発明者は、種々検討を行
ない、時効処理後の透磁率を十分低くして実質上非磁性
にするには、MnとNiを適量配合して安定なオーステナ
イト基地にするとともに、被切削性を高めるには、Mn
量を5.00〜10.00%の範囲内に限定することではじめてA
lやCuなどの快削元素を添加する効果が得られることを
見出した。すなわち本発明は、重量比で、C 0.40〜1.0
0%、Si 1.40%以下、Mn 5.00〜10.00%、Ni 2.00〜10.
00%、Cr 7.00〜14.00%、V 0.50〜2.50%、これにCu
0.60〜4.00%、Al 0.60〜4.00%の1種または2種、残部
Feおよび通常の不純物よりなる組成を基本系とする時
効硬化型オーステナイト系工具鋼であり、必要に応じて
W、Mo単独または複合で1/2W+Mo 0.80〜5.00%、Co
2.00〜7.00%、S 0.04〜0.15%、およびCa 0.01%以
下、Ce 0.10%以下の1種または2種を適宜添加するこ
とができる。その結果、本発明の効果として、時効処理
後の透磁率が1.015以下に低くなり、本発明の成分のほ
とんどの範囲内で透磁率を1.010以下とすることがで
き、実質上非磁性とし、かつ十分な被切削性を有する鋼
を得ることができるものである。
ない、時効処理後の透磁率を十分低くして実質上非磁性
にするには、MnとNiを適量配合して安定なオーステナ
イト基地にするとともに、被切削性を高めるには、Mn
量を5.00〜10.00%の範囲内に限定することではじめてA
lやCuなどの快削元素を添加する効果が得られることを
見出した。すなわち本発明は、重量比で、C 0.40〜1.0
0%、Si 1.40%以下、Mn 5.00〜10.00%、Ni 2.00〜10.
00%、Cr 7.00〜14.00%、V 0.50〜2.50%、これにCu
0.60〜4.00%、Al 0.60〜4.00%の1種または2種、残部
Feおよび通常の不純物よりなる組成を基本系とする時
効硬化型オーステナイト系工具鋼であり、必要に応じて
W、Mo単独または複合で1/2W+Mo 0.80〜5.00%、Co
2.00〜7.00%、S 0.04〜0.15%、およびCa 0.01%以
下、Ce 0.10%以下の1種または2種を適宜添加するこ
とができる。その結果、本発明の効果として、時効処理
後の透磁率が1.015以下に低くなり、本発明の成分のほ
とんどの範囲内で透磁率を1.010以下とすることがで
き、実質上非磁性とし、かつ十分な被切削性を有する鋼
を得ることができるものである。
【0006】
【作用】次に本発明鋼の成分限定の理由を示す。Cは、
Ni、Mn、Co、Cuとともにオーステナイト形成元素と
して本発明鋼の組織を安定なオーステナイト組織に保つ
とともに、V、W、Mo、Crとの間に固溶化処理後の時
効硬化処理において、特殊炭化物を析出させ、高い時効
硬さをもたらすために、また、V、W、Mo、Crなどと
ともに残留炭化物を形成し、耐摩耗性を高めるために添
加される。低すぎるとフェライト生成をまねいたり、十
分な時効硬さが得られなくなるので0.40%以上とし、高
すぎると偏析を増大させたり、巨大炭化物を生成して、
被切削性や靭性を損うので1.00%以下とする。
Ni、Mn、Co、Cuとともにオーステナイト形成元素と
して本発明鋼の組織を安定なオーステナイト組織に保つ
とともに、V、W、Mo、Crとの間に固溶化処理後の時
効硬化処理において、特殊炭化物を析出させ、高い時効
硬さをもたらすために、また、V、W、Mo、Crなどと
ともに残留炭化物を形成し、耐摩耗性を高めるために添
加される。低すぎるとフェライト生成をまねいたり、十
分な時効硬さが得られなくなるので0.40%以上とし、高
すぎると偏析を増大させたり、巨大炭化物を生成して、
被切削性や靭性を損うので1.00%以下とする。
【0007】Siは、本発明鋼の耐酸化性を高めるため
に添加される。多量の添加は必要なく、多すぎると熱伝
導性を低下させるため1.40%以下とする。Mnは、C、N
i、Co、Cuとともに本発明鋼の組織をオーステナイト
組織に保つために添加される。多すぎると被切削性を低
下させ、また、靭性や耐酸化性も低下させるので10.00%
以下とし、低すぎるとフェライトを生成し易く透磁率を
高めるとともに基地のオーステナイト組織が不安定にな
るため5.00%以上とする。
に添加される。多量の添加は必要なく、多すぎると熱伝
導性を低下させるため1.40%以下とする。Mnは、C、N
i、Co、Cuとともに本発明鋼の組織をオーステナイト
組織に保つために添加される。多すぎると被切削性を低
下させ、また、靭性や耐酸化性も低下させるので10.00%
以下とし、低すぎるとフェライトを生成し易く透磁率を
高めるとともに基地のオーステナイト組織が不安定にな
るため5.00%以上とする。
【0008】NiはC、Mn、Co、Cuとともに本発明鋼
の組織をオーステナイト組織に保ち、また優れた靭性を
保持するために、またAlとの間にNi-Al金属間化合物
を析出し、基地の靭性を適当に減じ、良好な被切削性を
与えるために、さらに、時効硬化における最高硬さを高
めるために添加される。多量の添加は必要なく、C、M
n、Al量との関係において、上記効果を最高度に得るた
めの十分な量として上限を10.00%とし、低すぎると上記
添加の効果が得られないので2.00%以上とする。Crは本
発明鋼の耐酸化性および耐食性を高め、また炭化物を形
成して固溶化加熱時の結晶粒の粗大化の抑制のために添
加される。多すぎると粗大な炭化物を生成し、靭性を減
少させ、また高温強度の低下やフェライトの生成をまね
くので14.00%以下とし、低すぎると上記添加の効果が得
られないので7.00%以上とする。
の組織をオーステナイト組織に保ち、また優れた靭性を
保持するために、またAlとの間にNi-Al金属間化合物
を析出し、基地の靭性を適当に減じ、良好な被切削性を
与えるために、さらに、時効硬化における最高硬さを高
めるために添加される。多量の添加は必要なく、C、M
n、Al量との関係において、上記効果を最高度に得るた
めの十分な量として上限を10.00%とし、低すぎると上記
添加の効果が得られないので2.00%以上とする。Crは本
発明鋼の耐酸化性および耐食性を高め、また炭化物を形
成して固溶化加熱時の結晶粒の粗大化の抑制のために添
加される。多すぎると粗大な炭化物を生成し、靭性を減
少させ、また高温強度の低下やフェライトの生成をまね
くので14.00%以下とし、低すぎると上記添加の効果が得
られないので7.00%以上とする。
【0009】MoおよびWは炭化物を形成し、固溶化加
熱時の結晶粒の粗大化を抑制し、時効硬化処理時に微細
な特殊炭化物を析出し、高い時効硬さと高温強度を得る
ために、また残留炭化物を形成し、耐摩耗性を高め、ま
た耐食性を高めるために添加される。耐摩耗性、高温強
度についてはWの方が有利で、一方靭性、被切削性につ
いては、Moの方が有利であり、目的、用途により使い
分けられる。Mo、Wは上記目的のため添加されるが、
多すぎると粗大な炭化物を形成し、靭性を低下させるの
で1/2W+Moで5.00%以下とし、低すぎると上記添加の
効果が得られないので0.80%以上とする。Vは炭化物を
形成し、固溶化加熱時の結晶粒の粗大化を抑制し、時効
硬化処理時に微細な特殊炭化物を析出し、特に高い時効
硬さを得るために、また極めて硬い残留炭化物を形成
し、高い摩耗性を形成するための極めて重要な添加元素
である。多すぎると粗大な炭化物を形成して靭性を低下
させ、またフェライトの生成をまねくので2.50%以下と
し、低すぎると上記添加の効果が得られないので0.50%
以上とする。
熱時の結晶粒の粗大化を抑制し、時効硬化処理時に微細
な特殊炭化物を析出し、高い時効硬さと高温強度を得る
ために、また残留炭化物を形成し、耐摩耗性を高め、ま
た耐食性を高めるために添加される。耐摩耗性、高温強
度についてはWの方が有利で、一方靭性、被切削性につ
いては、Moの方が有利であり、目的、用途により使い
分けられる。Mo、Wは上記目的のため添加されるが、
多すぎると粗大な炭化物を形成し、靭性を低下させるの
で1/2W+Moで5.00%以下とし、低すぎると上記添加の
効果が得られないので0.80%以上とする。Vは炭化物を
形成し、固溶化加熱時の結晶粒の粗大化を抑制し、時効
硬化処理時に微細な特殊炭化物を析出し、特に高い時効
硬さを得るために、また極めて硬い残留炭化物を形成
し、高い摩耗性を形成するための極めて重要な添加元素
である。多すぎると粗大な炭化物を形成して靭性を低下
させ、またフェライトの生成をまねくので2.50%以下と
し、低すぎると上記添加の効果が得られないので0.50%
以上とする。
【0010】Cuは固溶化処理後の時効処理において、
Feとの間に微細な固溶体を形成、析出し、時効硬化処
理時の最高硬さを上げるために添加される。また耐食性
を高めるための極めて重要な元素である。多すぎると熱
間加工性を減ずるので4.00%以下とし、低すぎると上記
添加の効果が得られないので0.60%以上とする。Alは、
固溶化処理時、基地に固溶する一方、Niとの間にNi-
Al金属間化合物を形成、析出し、基地の延性を適度に
減じ、良好な被切削性を得るための極めて重要な元素で
ある。また、時効硬化処理時の最高硬さを高めるために
添加される。多すぎると熱間加工性を減じ、フェライト
の生成をまねくので4.00%以下とし、低すぎると上記添
加の効果が得られないので0.60%以上とする。
Feとの間に微細な固溶体を形成、析出し、時効硬化処
理時の最高硬さを上げるために添加される。また耐食性
を高めるための極めて重要な元素である。多すぎると熱
間加工性を減ずるので4.00%以下とし、低すぎると上記
添加の効果が得られないので0.60%以上とする。Alは、
固溶化処理時、基地に固溶する一方、Niとの間にNi-
Al金属間化合物を形成、析出し、基地の延性を適度に
減じ、良好な被切削性を得るための極めて重要な元素で
ある。また、時効硬化処理時の最高硬さを高めるために
添加される。多すぎると熱間加工性を減じ、フェライト
の生成をまねくので4.00%以下とし、低すぎると上記添
加の効果が得られないので0.60%以上とする。
【0011】Coは、固溶化処理時にオーステナイト基
地中へのCr、W、Mo、V系各炭化物の固溶度を高め、
時効硬化処理時の微細な特殊炭化物の析出量を増加させ
て時効最高硬さを高め、また基地に固溶すること自体に
よっても時効最高硬さを高めるために添加される。多す
ぎると被切削性および靭性を低下させるので7.00%以下
とし、低すぎると上記添加の効果が得られないので2.00
%以上とする。SはMnとの間に硫化物を形成し、本発明
鋼の被切削性を大幅に向上させるために添加される。多
すぎると熱間加工性を減じ、また靭性を過度に減じるの
で0.15%以下とし、低すぎると上記添加の効果が得られ
ないので0.04%以上とする。Ca、Ceは、MnSが形成す
る際の核となり、MnSの形態および分布を制御するた
めに添加される。これにより、MnSは均一微細に分布
し、被切削性はさらに向上する。
地中へのCr、W、Mo、V系各炭化物の固溶度を高め、
時効硬化処理時の微細な特殊炭化物の析出量を増加させ
て時効最高硬さを高め、また基地に固溶すること自体に
よっても時効最高硬さを高めるために添加される。多す
ぎると被切削性および靭性を低下させるので7.00%以下
とし、低すぎると上記添加の効果が得られないので2.00
%以上とする。SはMnとの間に硫化物を形成し、本発明
鋼の被切削性を大幅に向上させるために添加される。多
すぎると熱間加工性を減じ、また靭性を過度に減じるの
で0.15%以下とし、低すぎると上記添加の効果が得られ
ないので0.04%以上とする。Ca、Ceは、MnSが形成す
る際の核となり、MnSの形態および分布を制御するた
めに添加される。これにより、MnSは均一微細に分布
し、被切削性はさらに向上する。
【0012】
【実施例】表1に本発明鋼A〜N、および特公昭57-197
49号、特開昭63-203753号、特開平1-159353号に記載の
鋼をそれぞれ比較鋼O,P,Qとして、その化学組成(w
t%)を示す。表2に、本発明鋼A〜Nおよび比較鋼O,
P,Qについて、1150〜1180℃で固溶化処理した状態に
おいて、被切削性を調査した結果を示す。8mmφのドリ
ルを用いて深さ 10mm切削した時の限界穴あけ個数を比
較し、比較鋼Oのそれを100として被切削性指数で表し
た。Mnを低減することにより、被切削性が良好になる
傾向にあり、またAl量を増しても被切削性指数は高く
なっている。さらにS,Ca,Ceを添加することによ
り、被切削性の大幅な向上が達成できることがわかる。
49号、特開昭63-203753号、特開平1-159353号に記載の
鋼をそれぞれ比較鋼O,P,Qとして、その化学組成(w
t%)を示す。表2に、本発明鋼A〜Nおよび比較鋼O,
P,Qについて、1150〜1180℃で固溶化処理した状態に
おいて、被切削性を調査した結果を示す。8mmφのドリ
ルを用いて深さ 10mm切削した時の限界穴あけ個数を比
較し、比較鋼Oのそれを100として被切削性指数で表し
た。Mnを低減することにより、被切削性が良好になる
傾向にあり、またAl量を増しても被切削性指数は高く
なっている。さらにS,Ca,Ceを添加することによ
り、被切削性の大幅な向上が達成できることがわかる。
【0013】表3に、固溶化処理後、600〜750℃で時効
処理を施し、硬さ HRC40に調整したときの透磁率を示
す。Mn量を高めることにより、透磁率は低くなり、オ
ーステナイトが安定していることが伺われる。表4に、
時効硬化処理したときの最高硬さ(HRC)を測定した結果
を示す。本発明鋼は、Ni-Al金属間化合物およびFe-
Cu固溶体の析出により、比較鋼Oよりも高硬度が得ら
れ、さらにCoを添加することにより、最高硬さは上昇
している。また、高硬度が得られることから、金型とし
ての耐摩耗性が十分備わっているものと判断される。
処理を施し、硬さ HRC40に調整したときの透磁率を示
す。Mn量を高めることにより、透磁率は低くなり、オ
ーステナイトが安定していることが伺われる。表4に、
時効硬化処理したときの最高硬さ(HRC)を測定した結果
を示す。本発明鋼は、Ni-Al金属間化合物およびFe-
Cu固溶体の析出により、比較鋼Oよりも高硬度が得ら
れ、さらにCoを添加することにより、最高硬さは上昇
している。また、高硬度が得られることから、金型とし
ての耐摩耗性が十分備わっているものと判断される。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】
【表3】
【0017】
【表4】
【0018】
【発明の効果】以上に示すように、本発明は非磁性で高
い硬さと耐摩耗性を有しながら、従来鋼の問題点であっ
た被切削性が大幅に改善されているため、加工工数の大
幅な削減や複雑形状の精密加工が可能となる。したがっ
て、特に複雑な形状の加工と非磁性であることを要求さ
れるプラスチック製マグネット成形用型の製造の合理化
が図られ、型寿命の延長にも寄与する。また昇温温度の
特に高い熱間型用途に適用し、へたり、摩耗が生じにく
く、長寿命を得ることができる。
い硬さと耐摩耗性を有しながら、従来鋼の問題点であっ
た被切削性が大幅に改善されているため、加工工数の大
幅な削減や複雑形状の精密加工が可能となる。したがっ
て、特に複雑な形状の加工と非磁性であることを要求さ
れるプラスチック製マグネット成形用型の製造の合理化
が図られ、型寿命の延長にも寄与する。また昇温温度の
特に高い熱間型用途に適用し、へたり、摩耗が生じにく
く、長寿命を得ることができる。
Claims (12)
- 【請求項1】 重量比で、C 0.40〜1.00%、Si 1.40%
以下、Mn 5.00〜10.00%、Ni 2.00〜10.00%、Cr 7.00
〜 14.00%、V 0.50〜2.50%、これにCu 0.60〜4.00%、
Al 0.60〜4.00%の1種または2種、残部Feおよび通常
の不純物よりなる時効硬化型オーステナイト系工具鋼。 - 【請求項2】 重量比で、C 0.40〜1.00%、Si 1.40%
以下、Mn 5.00〜10.00%、Ni 2.00〜10.00%、Cr 7.00
〜 14.00%、W、Mo単独または複合で1/2W+Mo 0.80
〜5.00%、V 0.50〜2.50%、これにCu 0.60〜4.00%、A
l 0.60〜4.00%の1種または2種、残部Feおよび通常の
不純物よりなる時効硬化型オーステナイト系工具鋼。 - 【請求項3】 重量比で、C 0.40〜1.00%、Si 1.40%
以下、Mn 5.00〜10.00%、Ni 2.00〜10.00%、Cr 7.00
〜 14.00%、V 0.50〜2.50%、Co 2.00〜7.00%、これに
Cu 0.60〜4.00%、Al 0.60〜4.00%の1種または2種、
残部Feおよび通常の不純物よりなる時効硬化型オース
テナイト系工具鋼。 - 【請求項4】 重量比で、C 0.40〜1.00%、Si 1.40%
以下、Mn 5.00〜10.00%、Ni 2.00〜10.00%、Cr 7.00
〜14.00%、W、Mo単独または複合で1/2W+Mo 0.80〜
5.00%、V 0.50〜2.50%、Co 2.00〜7.00%、これにCu
0.60〜4.00%、Al 0.60〜4.00%の1種または2種、残部
Feおよび通常の不純物よりなる時効硬化型オーステナ
イト系工具鋼。 - 【請求項5】 重量比で、C 0.40〜1.00%、Si 1.40%
以下、Mn 5.00〜10.00%、Ni 2.00〜10.00%、Cr 7.00
〜14.00%、V 0.50〜2.50%、S 0.04〜0.15%、これにC
u 0.60〜4.00%、Al 0.60〜4.00%の1種または2種、残
部Feおよび通常の不純物よりなる時効硬化型オーステ
ナイト系工具鋼。 - 【請求項6】 重量比で、C 0.40〜1.00%、Si 1.40%
以下、Mn 5.00〜10.00%、Ni 2.00〜10.00%、Cr 7.00
〜14.00%、W、Mo単独または複合で1/2W+Mo 0.80〜
5.00%、V 0.50〜2.50%、S 0.04〜0.15%、これにCu
0.60〜4.00%、Al 0.60〜4.00%の1種または2種、残部
Feおよび通常の不純物よりなる時効硬化型オーステナ
イト系工具鋼。 - 【請求項7】 重量比で、C 0.40〜1.00%、Si 1.40%
以下、Mn 5.00〜10.00%、Ni 2.00〜10.00%、Cr 7.00
〜14.00%、V 0.50〜2.50%、Co 2.00〜7.00%、S 0.04
〜0.15%、これにCu 0.60〜4.00%、Al 0.60〜4.00%の
1種または2種、残部Feおよび通常の不純物よりなる
時効硬化型オーステナイト系工具鋼。 - 【請求項8】 重量比で、C 0.40〜1.00%、Si 1.40%
以下、Mn 5.00〜10.00%、Ni 2.00〜10.00%、Cr 7.00
〜14.00%、W、Mo単独または複合で1/2W+Mo 0.80〜
5.00%、V 0.50〜2.50%、Co 2.00〜7.00%、S 0.04〜
0.15%、これにCu 0.60〜4.00%、Al 0.60〜4.00%の1
種または2種、残部Feおよび通常の不純物よりなる時
効硬化型オーステナイト系工具鋼。 - 【請求項9】 重量比で、C 0.40〜1.00%、Si 1.40%
以下、Mn 5.00〜10.00%、Ni 2.00〜10.00%、Cr 7.00
〜14.00%、W、Mo単独または複合で1/2W+Mo 0.80〜
5.00%、V 0.50〜2.50%、S 0.04〜0.15%、およびCa
0.01%以下、Ce 0.10%以下の1種または2種、これにC
u 0.60〜4.00%、Al 0.60〜4.00%の1種または2種、残
部Feおよび通常の不純物よりなる時効硬化型オーステ
ナイト系工具鋼。 - 【請求項10】 重量比で、C 0.40〜1.00%、Si 1.40
%以下、Mn 5.00〜10.00%、Ni 2.00〜10.00%、Cr 7.0
0〜14.00%、V 0.50〜2.50%、S 0.04〜0.15%、および
Ca 0.01%以下、Ce 0.10%以下の1種または2種、これ
にCu 0.60〜4.00%、Al 0.60〜4.00%の1種または2
種、残部Feおよび通常の不純物よりなる時効硬化型オ
ーステナイト系工具鋼。 - 【請求項11】 重量比で、C 0.40〜1.00%、Si 1.40
%以下、Mn 5.00〜10.00%、Ni 2.00〜10.00%、Cr 7.0
0〜14.00%、W、Mo単独または複合で1/2W+Mo 0.80
〜5.00%、V 0.50〜2.50%、Co 2.00〜7.00%、S 0.04
〜0.15%、およびCa 0.01%以下、Ce 0.10%以下の1種
または2種、これにCu 0.60〜4.00%、Al 0.60〜4.00%
の1種または2種、残部Feおよび通常の不純物よりな
る時効硬化型オーステナイト系工具鋼。 - 【請求項12】 重量比で、C 0.40〜1.00%、Si 1.40
%以下、Mn 5.00〜10.00%、Ni 2.00〜10.00%、Cr 7.0
0〜14.00%、V 0.50〜2.50%、Co 2.00〜7.00%、S 0.0
4〜0.15%、およびCa 0.01%以下、Ce 0.10%以下の1種
または2種、これにCu 0.60〜4.00%、Al 0.60〜4.00%
の1種または2種、残部Feおよび通常の不純物よりな
る時効硬化型オーステナイト系工具鋼。
Applications Claiming Priority (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3767592 | 1992-02-25 | ||
| JP4-37675 | 1992-05-08 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05302149A true JPH05302149A (ja) | 1993-11-16 |
Family
ID=12504202
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7953492A Pending JPH05302149A (ja) | 1992-02-25 | 1992-04-01 | 時効硬化型オーステナイト系工具鋼 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05302149A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7387692B2 (en) * | 2006-01-09 | 2008-06-17 | Ati Properties, Inc. | Tool and bearing steels |
| JP2019505674A (ja) * | 2015-12-24 | 2019-02-28 | ロバルマ, ソシエダッド アノニマRovalma, S.A. | 構造、機械、工具応用のための長期耐用性高機能鋼鉄 |
| CN110952032A (zh) * | 2019-10-30 | 2020-04-03 | 武汉科技大学 | 一种低成本含铝耐热钢及其制备方法 |
| WO2024203945A1 (ja) * | 2023-03-31 | 2024-10-03 | 株式会社プロテリアル | 造形用金属粉末および造形物 |
-
1992
- 1992-04-01 JP JP7953492A patent/JPH05302149A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7387692B2 (en) * | 2006-01-09 | 2008-06-17 | Ati Properties, Inc. | Tool and bearing steels |
| JP2019505674A (ja) * | 2015-12-24 | 2019-02-28 | ロバルマ, ソシエダッド アノニマRovalma, S.A. | 構造、機械、工具応用のための長期耐用性高機能鋼鉄 |
| CN110952032A (zh) * | 2019-10-30 | 2020-04-03 | 武汉科技大学 | 一种低成本含铝耐热钢及其制备方法 |
| CN110952032B (zh) * | 2019-10-30 | 2021-01-15 | 武汉科技大学 | 一种低成本含铝耐热钢及其制备方法 |
| WO2024203945A1 (ja) * | 2023-03-31 | 2024-10-03 | 株式会社プロテリアル | 造形用金属粉末および造形物 |
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