JPH0530949A - アマランス種実の処理法 - Google Patents

アマランス種実の処理法

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JPH0530949A
JPH0530949A JP3215999A JP21599991A JPH0530949A JP H0530949 A JPH0530949 A JP H0530949A JP 3215999 A JP3215999 A JP 3215999A JP 21599991 A JP21599991 A JP 21599991A JP H0530949 A JPH0530949 A JP H0530949A
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amaranth seeds
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Takahide Ohata
▲高▼英 尾畑
Hiroko Yamamuro
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アマランスは、ひゆ科の一年生草本で、はげ
いとうなどと同じ仲間の植物である。アマランス種実に
は、蛋白質やミネラルが多く、しかも蛋白質を構成する
アミノ酸には他の穀類に不足しているリジンが多く含ま
れいる。従来、アマランス種実は、焙煎したりパフ化し
てから粉砕して粉末として用いられている。しかし、ア
マランス種実を用いた食品は、苦味、しぶ味、エグ味な
どの不快感が感じられた。この発明は、アマランス種実
の持っている不快感を除去することを目的としており、
不快感のないアマランス種実利用食品を供することも目
的としている。 【構成】 アマランス種実を、酵素にて所定時間処理し
た後、要すれば乾燥し、焙煎又はパフ化してから粉砕す
るアマランス種実の処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の利用分野】アマランスは、アマランサスとも呼
ばれ、ひゆ科(AMARANTHACEAE)ひゆ属(Amaranthus)に属
する一年生草本であり、薬用にも用いられる「ひゆ(Ama
ranthus inamoenus)」や鑑賞用の「はげいとう(Amarant
hus tricolor)」などと同じ仲間の植物である。
【0002】小麦などの他の穀類に比べ、アマランス種
実には、蛋白質やミネラルが多く、しかも蛋白質を構成
するアミノ酸には他の穀類に不足しているリジンが多く
含まれており、栄養的にも優れている。そのため米国な
どではスーパーグレン(SUpergrain)として推奨されてい
る。このアマランス種実は、中南米において古くから食
用として利用されている。種実を食用として用いるアマ
ランスの種類として、例えば、Amaranthus cruentus、A
maranthus hypochondriacus、Amaranthus caudatus(和
名:せんにんこく)、Amaranthus edulis、Amaranthus r
etroflexus(和名:あおびゆ)などが知られている。
【0003】この発明は、これらのアマランス種実を食
用に用いる際の処理法に関するものである。
【0004】
【従来の技術】アマランス種実は、焙煎したりパフ化し
てから粉砕して粉末として用いられている。通常、アマ
ランス種実の粉末は、小麦粉その他の穀類粉末と混ぜて
使用されており、パン、ビスケット、クラッカーなどの
食品にして利用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらのアマ
ランス種実を用いた食品は、アマランス種実に由来する
苦味、しぶ味、エグ味などの不快感が感じられる。不快
感を示す成分は、解明されていないが、アマランス種実
にタンニン、蓚酸、フィチン酸が存在することが報告さ
れている。この発明は、アマランス種実の持っている不
快感を示す成分を除去することを目的としており、不快
感のないアマランス種実を利用した食品を供することを
目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の発明者は、ア
マランス種実の不快感を取り除く方法を種々検討し、ア
マランス種実を酵素で処理することにより除去されるこ
とを見い出し、この発明を完成させた。すなわち、この
発明は、アマランス種実を酵素にて処理した後食品の製
造に用いるものである。
【0007】ここに用いる酵素として、ラッカーゼやビ
リルビンオキシダーゼなどのポリフェノールオキシダー
ゼ、ナリンギナーゼなどの配糖体加水分解酵素、トラン
スグルコシターゼなどの配糖体転移酵素などから1種又
は2種以上選んだ酵素が用いられる。このような酵素
は、公知の方法で微生物から分離精製して用いてもよい
が、多くのメーカーから食品用グレードの製剤として発
売されており、それを用いると便利である。
【0008】アマランス種実を酵素にて処理するには、
例えばアマランス種実の水分を調整する際の水に酵素を
加え処理する方法、アマランス種実を酵素を加えた水に
浸漬する方法、アマランス種実の粉末を用いて食品を製
造する際使用する水と共に酵素を加える方法などで行う
ことができる。
【0009】アマランス種実の水分の調整する際の水に
酵素を加え処理する方法とは、アマランス種実は10%前
後の水分を持っているが、焙煎又はパフ化するとき、後
の粉砕が行われ易いように、あらかじめ水を散布して15
%前後の水分に調整してから処理している。このとき用
いる調整用の水に酵素を加えて処理する方法であり、ア
マランス種実に酵素を分散溶解した水を散布した後所定
時間放置して反応させてから焙煎又はパフ化する。
【0010】アマランス種実を酵素を加えた水に浸漬す
る方法とは、アマランス種実を酵素を分散溶解した水に
所定時間浸漬して反応させた後取り出し、要すれば乾燥
し、焙煎又はパフ化する方法である。また、アマランス
種実を酵素を分散溶解した水に浸漬後取り出し、所定時
間放置して反応させてから乾燥し、焙煎又はパフ化して
もよい。
【0011】このように処理して焙煎又はパフ化したア
マランス種実は、粉末とし、小麦粉その他の穀類粉末と
混ぜて食品の製造に用いられる。すなわち、粉末とした
アマランス種実は、小麦粉又はその他の穀類粉末を使用
する食品の粉末原料の全部又は一部と置換して、ビスケ
ット、パン、ケーキ、ホットケーキ、まんじゅう、うど
んなどの食品を製造するのに用いられる。
【0012】なお、アマランス種実を焙煎又はパフ化し
た後、酵素を加えた水を散布する、又は酵素を加えた水
に浸漬するなどの方法で処理することも可能である。こ
の場合、粉砕前に乾燥する必要がある。
【0013】アマランス種実の粉末を用いて食品を製造
する際使用する水と共に酵素を加える方法は、酵素処理
をしてないアマランス種実の粉末を用いて食品を製造す
る際用いられ、食品に使用する水と共にに酵素を加える
方法である。この方法は、例えばビスケット、パン、ケ
ーキ、まんじゅう、うどんなどの食品を製造する際、小
麦粉などの穀類粉末の全部又は一部にアマランス種実の
粉末を使用し、このとき使用する水に酵素を加えて食品
を製造する方法である。すなわち、穀類粉末に水分を加
え、練ってドウ或はバッターとする際、水と一緒に酵素
を加え、混練し、所定時間放置して反応させてから成形
し、食品を製造する方法である。
【0014】アマランス種実に加える酵素の量は、使用
する酵素の種類、精製の度合、酵素活性の力価などによ
り一概に定められないが、市販の酵素を使用した場合、
使用するアマランス種実の重量の1,000分の1から10,000
分の1位の量でよいようである。
【0015】処理の温度は、使用する酵素の至適温度で
行うのが理想であるが、常温で処理することが可能であ
る。また、処理時間も使用する酵素の種類、処理温度、
酵素活性の力価、処理の方法や造る食品の種類などで異
なるが、1時間以上放置して反応させるのが望ましく、
作業のなど都合で一晩(15時間)以上放置してもかま
わない。しかし、あまり長い時間放置するとアマランス
自身の酵素或は付着している微生物の影響が生じるおそ
れがあるので、なるべく短い時間で処理するのが望まし
い。
【0016】このようにして酵素で処理したアマランス
種実を用いて造った食品は、アマランス種実が本来持っ
ている苦味、しぶ味、エグ味などの不快感が感じられな
いものとなる。
【0017】
【実施例】
実施例1 100部(重量部、以下同じ)ずつのアマランス種実に対
し、1,000、100、50、6部の水に各々0.1部のラッカーゼ
を分散溶解した酵素液を散布添加し、25℃にて一晩(15
時間)放置した。次いで、1,000及び100部の水を散布し
たものは水切りしてから乾燥してから焙煎した。また、
50部の水を散布したものはそのまま乾燥してから焙煎
し、6部の水を散布したものは乾燥せずにそのまま焙煎
した。これらの焙煎したアマランス種実を粉砕して、ア
マランス種実の粉末を得た。
【0018】なお、使用したラッカーゼは、酵素産生菌
Coriolus versicalorから分離したもの(ナガセ生化学
工業株式会社製)である。これらのアマランス種実の粉
末を10名の専門パネラーにより官能審査を行った結果、
平均官能評価がいずれも0.6〜1.3の範囲となり、わずか
に苦味が残る程度で、不快感はほとんど感じなかった。
また、これらのアマランス種実の粉末を粉末原料の15重
量%配合して製造したビスケット及びパンには不快感が
感じられなかった。
【0019】なお、平均官能評価は、アマランス種実の
粉末をなめたときの不快感を次の官能検査評価段階に示
す6段階で評価した10名の価を平均した価である。
【0020】官能検査評価段階 0 全く不快感を感じない。 1 あと味にわずかな苦味がある。 2 苦味が若干ある。 3 苦味以外は感じない。 4 苦味、しぶ味、エグ味、ピリピリ感があるが強くな
い。 5 苦味、しぶ味、エグ味、ピリピリ感がかなり強く感じ
る。 ピリピリ感とは、食べたとき舌先をピリピリと刺激する
感じである。これ以後の実施例の平均官能評価も、同様
にして求めたものである。
【0021】酵素処理せずに焙煎してから粉砕したアマ
ランス種実の粉末の平均官能評価は5.0となり、全員苦
味、しぶ味、エグ味、ピリピリする感じをかなり強く感
じた。また、この酵素処理をしないアマランス種実の粉
末を粉末原料の15%用いて製造したビスケット及びパン
には、不快感が認められた。
【0022】実施例2 アマランス種実100部に6部の水に0.1部のラッカーゼを
分散溶解したものを散布し、25℃にて一晩(15時間)放
置した後、2軸エクストルーダーで処理し、粉砕して、
アマランス種実の粉末を得た。なお、ラッカーゼは、実
施例1で使用したものと同じものを用いた。
【0023】このアマランス種実の粉末を官能検査をし
た結果、平均官能評価が1.2となり、食べた後わずかに
苦味が感じる程度であった。また、アマランス種実の粉
末を小麦粉の15%置換して製造したビスケットには、不
快感が感じられなかった。
【0024】実施例3 アマランス種実を、酵素処理をせずに、焙煎し、粉砕し
たアマランス種実の粉末を15重量%加えた小麦粉を用
い、常法に従いビスケットドウを調製した。このビスケ
ットドウを練り上げるとき使用した水にビスケットドウ
1,000部に対し0.1部となる量のMyrothecium属の菌体か
ら分離したビリルビンオキシダーゼ(商品名 BO "Aman
o" III、天野製薬製、酵素活性の力価3.96U/mg)を加え
た。練り上げたビスケットドウは、時間を変えて放置
し、反応させた。放置時間は1時間、4時間、一晩(15
時間)とし、所定時間放置した後、ビスケットとし、こ
のビスケットを官能検査した結果、ドウを1時間放置し
た場合の平均官能評価の値は3.8となり、苦味、しぶ
味、ピリピリする感じが残り、あまり効果が見られなか
ったが、4時間放置で0.8となり、後味にわずかに苦味
が感じる程度まで不快感が減少した。また、一晩放置し
たものは、平均官能評価が0となり、全員が不快感を感
じなかった。
【0025】実施例4 アマランス種実100部に対し、6部の水を散布して水分を
調整した後、焙煎し、粉砕してアマランス種実の粉末と
する際、散布する水にPenicillium属の菌体から分離し
たナリンギナーゼ(商品名 ナリンギナーゼ「アマ
ノ」、天野製薬製、ラムノシダーゼ活性の力価200U/g、
グルコシダーゼ活性の力価150U/g)を表1に記載の量加
え、表の時間放置した後焙煎し、粉砕してアマランス種
実の粉末を得た。
【0026】これらのアマランス種実の粉末を官能検査
した結果、平均官能評価は表1のようになった。 酵素の添加量が0.05部以上の場合、3時間以上放置し
て反応させるとアマランス種実の不快感はわずかな苦味
を除いて感じなくなったが、添加量が0.01部の場合一晩
放置してもあまり効果がなかった。
【0027】実施例5 アマランス種実100部に対し、6部の水を散布して水分を
調整した後、焙煎し、粉砕してアマランス種実の粉末と
する際、Aspergillus属の菌体から分離したトランスグ
ルコシダーゼ(商品名 トランスグルコシダーゼL「ア
マノ」、天野製薬製、グルコシダーゼ活性力価300,000U
/ml以上)を表2に記載の量加え、3時間及び6時間放
置して反応させた後焙煎し、粉砕してそれぞれのアマラ
ンス種実の粉末を得た。なお、酵素と一緒に0.01部のマ
ルトースを添加した。
【0028】これらのアマランス種実の粉末の官能検査
した結果、平均官能評価は表1のようになった。 平均官能評価は、いずれも苦味が若干感じる程度の2.
0前後であった。
【0029】実施例6 アマランス種実100部に対し、ラッカーゼ0.05部及びナ
リンギナーゼ0.05部を加えた6部の水を散布して一晩(15
時間)放置して水分を調整した後、焙煎し、粉砕してア
マランス種実の粉末とした。このアマランス種実の粉末
を10名のパネラーにより官能検査した結果、平均官能評
価は0.5となった。なお、使用したラッカーゼは実施例
1、ナリンギナーゼは実施例4に記載のものと同じもの
である。また、このアマランス種実の粉末を粉末原料の
15%使用して製造したビスケットには、不快感が認めら
れなかった。
【0030】実施例7 アマランス種実100部に対し、ラッカーゼ0.05%、トラ
ンスグルコシダーゼ0.05部及びマルトース0.5部を加え
た6部の水を散布して一晩(15時間)放置して水分を調整
した後、焙煎し、粉砕してアマランス種実の粉末とし
た。このアマランス種実の粉末を10名のパネラーにより
官能検査した結果、平均官能評価は1.0となった。な
お、使用したラッカーゼは実施例1、トランスグルコシ
ダーゼは実施例5に記載のものと同じものである。ま
た、このアマランス種実の粉末を粉末原料の15%使用し
て製造したビスケットには、不快感が認められなかっ
た。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アマランス種実を、酵素にて処理した
    後、食品製造に用いることを特徴とするアマランス種実
    の処理法。
  2. 【請求項2】 酵素がラッカーゼやビリルビンオキシダ
    ーゼなどのポリフェノールオキシダーゼ、ナリンギナー
    ゼなどの配糖体加水分解酵素、トランスグルコシダーゼ
    などの配糖体転移酵素から1種又は2種以上を選んだも
    のである請求項1に記載のアマランス種実を処理法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07173877A (ja) * 1993-11-04 1995-07-11 Kajima Corp 鉄骨構造物のプッシュアップ工法および装置
JP2014132894A (ja) * 2012-12-11 2014-07-24 Ikeda Shokken Kk セリ科植物エキスの製造方法
WO2024247292A1 (ja) * 2023-05-26 2024-12-05 天野エンザイム株式会社 アルデヒド化合物の製造方法及びその応用

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