JPH05310745A - ジエラジラクトンおよび抗炎症剤 - Google Patents

ジエラジラクトンおよび抗炎症剤

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JPH05310745A
JPH05310745A JP4148114A JP14811492A JPH05310745A JP H05310745 A JPH05310745 A JP H05310745A JP 4148114 A JP4148114 A JP 4148114A JP 14811492 A JP14811492 A JP 14811492A JP H05310745 A JPH05310745 A JP H05310745A
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JP
Japan
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dieradilactone
inflammatory
dielladilactone
analgesic
compound
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JP4148114A
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English (en)
Inventor
Yutaka Kiyota
裕 清田
Masazumi Watanabe
正純 渡辺
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安全性が高く、抗炎症、鎮痛及び解熱剤とし
て有用な化合物を提供する。 【構成】 下記式(1)で表されるジエラジラクトン又
はその塩、これらの化合物を有効成分として含む抗炎症
剤。 【化5】 ジエラジラクトンはエラグ酸の二量体である。ジエラジ
ラクトンの塩には、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属
塩が含まれる。ジエラジラクトンは、ザクロ果皮から抽
出し、単離精製することにより得ることができる。ジエ
ラジラクトンは、安全性が高く、抗炎症、鎮痛、解熱作
用及び肝障害抑制作用を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗炎症、鎮痛及び解熱
作用を有するジエラジラクトン又はその塩、および抗炎
症剤に関する。
【0002】
【従来の技術】非ステロイド性抗炎症剤は、ステロイド
性の抗炎症・鎮痛剤と異なり、ホルモン作用などの副作
用がない点で優れている。しかし、非ステロイド性抗炎
症剤は、胃腸障害などの消化管障害を発現し、臨床上好
ましくない。
【0003】一方、天然物には、生理活性を有し、安全
性の高い化合物が存在する。例えば、ザクロ果皮から抽
出された化合物が、炭酸脱水酵素阻害作用を示し、利尿
薬、緑内症治療薬として有用であることが報告されてい
る[日本薬学会第107年会講演要旨集、第304頁
(1987年)]。
【0004】しかし、ザクロ果皮から単離された化合物
において、抗炎症、鎮痛及び解熱作用を示す生理活性物
質は知られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、安全性が高く、抗炎症、鎮痛及び解熱作用を有する
ジエラジラクトン、および抗炎症剤を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため、天然物から抗炎症作用を発現する化合
物を得るべく、鋭意検討の結果、ザクロ果皮から得られ
るジエラジラクトンが強い抗炎症作用及び肝障害抑制作
用を示すと共に、安全性に優れていることを見いだし、
本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、下記式(1)で表さ
れるジエラジラクトン(diellagilactone )又はその塩
を提供する。
【0008】
【化2】 また、本発明は、前記ジエラジラクトン又はその塩を有
効成分として含む抗炎症剤を提供することにある。
【0009】ジエラジラクトンはエラグ酸の二量体であ
る。ジエラジラクトンは塩であってもよい。ジエラジラ
クトンの塩には、例えば、リチウム、カリウム、ナトリ
ウムなどのアルカリ金属塩;カルシウム、マグネシウ
ム、ストロンチウム、バリウムなどのアルカリ土類金属
塩が含まれる。
【0010】ジエラジラクトンは、ザクロ果皮から常法
に従って抽出し、単離することができる。ザクロ果皮
は、未乾燥であってもよいが、通常、乾燥した果皮が使
用される。果皮は、粉末状で抽出操作に供することがで
きる。
【0011】抽出溶媒としては、親水性溶媒、例えば、
メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノ
ール、n−ブタノールなどのアルコール類;セロソルブ
類;アセトンなどのケトン類;ジオキサン、テトラヒド
ロフランなどのエーテル類;ピリジン、モルホリン、ア
セトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどの含窒素溶
媒などが挙げられる。これらの抽出溶媒は、単独又は二
種以上の混合溶媒として使用してもよい。好ましい抽出
溶媒には、メタノール、エタノールなどのアルコール類
が含まれる。
【0012】前記抽出溶媒は、水との混合溶媒としても
使用できる。水と前記溶媒との割合は、例えば、水/溶
媒=95/5〜5/95(重量比)の範囲から適当に選
択できる。抽出効率を高めるため、前記抽出溶媒単独で
抽出する場合が多い。
【0013】抽出は、適当な温度、例えば、10℃〜溶
媒の還流温度、好ましくは15〜50℃程度で行なうこ
とができ、室温で冷浸抽出する場合も多い。
【0014】前記抽出溶媒により抽出された抽出液は、
通常、濃縮され、濃縮エキスとされる。得られた濃縮エ
キスには、通常、水が添加され、疎水性溶媒で分配され
る。
【0015】疎水性溶媒には、水と分液可能な種々の溶
媒、例えば、n−ブタノール、イソブタノール、ヘキサ
ノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、シク
ロヘキサノールなどのアルコール類;ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素;ジクロロメタン、
クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロ
ロエチレンなどのハロゲン化炭化水素;エチルエーテ
ル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテルなどのエー
テル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエ
ステル類などが挙げられる。これらの疎水性溶媒は、単
独で又は二種以上の混合溶媒として使用できる。これら
の疎水性溶媒のなかで、n−ブタノールなどが繁用され
る。
【0016】疎水性有機層を濃縮して得られたエキス
に、必要に応じてアルコールなどの前記親水性溶媒を添
加して不溶物を除去した後、親水性溶媒(例えばピリジ
ンなど)から再結晶すると、エラグ酸が得られる。
【0017】そして、再結晶母液には、本発明のジエラ
ジラクトンが含まれている。再結晶母液を、濃縮乾固
し、水を含む親水性溶媒、例えば含水N,N−ジメチル
ホルムアミドから再結晶すると前記式(1)で表される
ジエラジラクトンが得られる。
【0018】このようにして得られたジエラジラクトン
は、慣用の方法により、さらに精製してもよい。例え
ば、ジエラジラクトンを慣用の方法でアシル化し、カラ
ムクロマトグラフィー、再結晶法、溶剤抽出法などの分
離精製法に供し、得られたオクタアシルジエラジラクト
ンを、アルカリで加水分解することにより、さらに高純
度のジエラジラクトンを得ることができる。
【0019】アシル化剤としては、例えば、酢酸、無水
酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸などのカルボン
酸;これらのカルボン酸に対応する酸ハライドなどの誘
導体などが挙げられる。好ましいアシル化剤には無水酢
酸が含まれる。
【0020】このようにして得られたジエラジラクトン
は、対称構造を有するエラグ酸の2量体であり、その立
体構造に起因して比旋光度[α]D =−15.8゜を示
す。
【0021】ジエラジラクトンの構造は、ジエラジラク
トンのヒドロキシル基をジアゾメタンでメチル化し、得
られたオクタメチルジエラジラクトンのマススペクト
ル、核磁気共鳴スペクトルを測定したり、オクタメチル
ジエラジラクトンをX線解析に供することにより決定で
きる。前記オクタメチルジエラジラクトンは、融点30
1〜304℃、比旋光度[α]D =−16.2゜を示す
黄色プリズム晶である。
【0022】なお、ザクロ果皮の熱メタノール抽出エキ
スを酢酸エチル−水に転溶し、析出物をカラムクロマト
グラフィー及び高速液体クロマトグラフィーに供するこ
とにより単離された化合物が、炭酸脱水酵素阻害作用を
示し、利尿薬、緑内症治療薬として有用であることが報
告されている[日本薬学会第107年会講演要旨集、第
304頁(1987年)]。
【0023】しかし、この先行技術文献に記載の化合物
は、平面構造を有し、旋光性を示さない。従って、前記
化合物は、本発明のジエラジラクトンと構造が相違す
る。また、前記先行技術文献には、ザクロ果皮から単離
された化合物が、抗炎症、鎮痛及び解熱作用を示すこと
についても開示されていない。さらに、炭酸脱水酵素阻
害作用と抗炎症作用とは異なる作用であり、両者間に関
係もない。
【0024】J. Chem. Soc. 4225 (1956) には、デヒド
ロジエラグ酸が開示されている。この先行文献には、デ
ヒドロジエラグ酸のオクタアセテートの融点が318〜
320℃、デヒドロジエラグ酸のオクタメチルエーテル
の融点が365℃以上であると記載されている。しか
し、本発明のジエラジラクトンのオクタメチルエーテル
の融点と大きく相違する。
【0025】さらに、ザクロ果皮からの抽出により、テ
トララクトン化合物が得られることが知られている[Li
ebigs Ann. Chem. 1977, 1976-1985]。
【0026】しかし、前記化合物のオクタメチルエーテ
ルの融点は385〜388℃であり、本発明の化合物の
オクタメチルエーテルの融点と大きく相違する。
【0027】本発明の前記式(1)で表されるジエラジ
ラクトン又はその塩は、天然物から得られた化合物であ
り、副作用を含めて毒性がなく安全性が極めて高い。ま
た、前記ジエラジラクトン又はその塩は、強い抗炎症作
用、鎮痛及び解熱作用並びに肝障害抑制作用を示す。そ
のため、式(1)で表される化合物及びその塩は、とり
わけ哺乳動物、特にヒトの抗炎症剤の有効成分として有
用である。
【0028】本発明の抗炎症剤は、前記式(1)で表さ
れる化合物又はその塩を有効成分として含む。式(1)
で表される化合物又はその塩の含有量は、特に制限され
ないが、通常、投与単位当り、0.1〜500mg、好
ましくは約1〜50mg程度である。式(1)で表され
る化合物又はその塩の投与量は、剤形、投与経路、年
齢、炎症や肝障害の程度及び炎症や肝疾患の種類などに
より異なるが、ヒトに投与する場合、通常、成人1日当
り、約1〜500mg、好ましくは2〜100mg程度
である。投与回数は特に制限されず、一回又は数回に別
けて投与できる。投与方法は、経口および非経口のいず
れであってもよい。
【0029】投与剤形としては、錠剤、顆粒剤、散剤、
丸剤、カプセル剤などの固形剤;懸濁剤、乳剤、注射
剤、輸液などの液剤が挙げられる。
【0030】固形製剤の調製には、慣用の成分、例え
ば、デンプン、乳糖、ショ糖、マンニトール、コーンス
ターチなどの糖類、結晶セルロース、カルボキシメチル
セルロース、ケイ酸などの賦形剤;ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルエーテル、エチ
ルセルロース、アラビアゴム、トラガント、ゼラチン、
ヒドロキシプロピルセルロース、クエン酸カルシウム、
デキストリン、ペクチンなどの結合剤;ステアリン酸マ
グネシウム、タルク、ポリエチレングリコールなどの滑
沢剤;カルボキシメチルセルロースカルシウムなどの崩
壊剤、崩壊助剤、安定剤、着色剤などが使用できる。
【0031】液剤の調製には、慣用の成分、例えば、
水、エチルアルコール、エチレングリコール、グリセリ
ン、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなど
の界面活性剤、ブドウ糖、アミノ酸、無痛化剤、溶解補
助剤、緩衝剤、着色剤、保存剤、甘味料などが使用でき
る。
【0032】抗炎症剤は、式(1)の化合物及び必要に
より添加成分を用い、常法に従って製造することができ
る。
【0033】
【発明の効果】本発明のジエラジラクトンとその塩、お
よび抗炎症剤は、低毒性で安全性が高く、抗炎症、鎮痛
及び解熱作用を有し、抗炎症、鎮痛及び解熱剤として有
用である。
【0034】
【実施例】以下に、実施例及び実験例に基づいて本発明
をより詳細に説明する。
【0035】実施例1 (1)ジエラジラクトンの単離 ザクロ果皮(Granati Pericarpium )の粉末5kgにメ
タノール20Lを加え、室温で1昼夜浸漬抽出した。同
様の操作をさらに2回繰返し、抽出物液を濃縮してメタ
ノールエキス2.6kgを得た。メタノールエキス2k
gに水22Lを添加し、n−ブタノール22Lで抽出す
る操作を3回繰返した。抽出液を濃縮乾固し、ブタノー
ルエキス384gを得た。
【0036】ブタノールエキスにメタノール2.8Lを
加え、不溶物を濾取し、ピリジンから再結晶することに
より、エラグ酸を除去した。再結晶母液を濃縮乾固し、
粗ジエラジラクトン60.8gを得た。粗ジエラジラク
トン53.2gを含水ジメチルホルムアミドから再結晶
することにより、純度99%のジエラジラクトン19g
を得た。
【0037】黄色粉末 紫外線吸収スペクトル(メタノール):377,255
nm 赤外線吸収スペクトル(KBr):3400,1720
cm-1 [α]D :−15.8゜(c=0.97,DMF)1 H−NMR(d6 −DMSO)δ:7.57(1H,
s),9.3〜11.3(4H,OH)13 C−NMR(d6 −DMSO)δ:107.3
(s),108.1(s),110.6(d),11
2.7(s),112.9(s),123.1(s),
136.3(s),136.6(s),138.9
(s),139.4(s),146.0(s),14
8.1(s),158.2(s),159.4(s) (2)ジエラジラクトンのアセチル化 前記ステップ(1)で単離したジエラジラクトン2.0
gを無水酢酸400mlに溶解し、酢酸ナトリウム20
0mgを添加し、室温で3時間攪拌した。反応混合液を
氷水中に注ぎ、析出物1.7gをシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(カラム:3×20cm)に供し、ヘキ
サン−アセトン(1:1)で溶出し、下記式で表される
ジエラジラクトンオクタアセテート1.6gを得た。
【0038】
【化3】 白色粉末 紫外線吸収スペクトル(メタノール):363,27
5,246nm 赤外線吸収スペクトル(KBr):1790,1760
cm-1 1 H−NMR(CDCl3 )δ:2.01(6H,
s),2.37(6H,s),2.38(6H,s),
2.43(6H,s),8.09(2H,s)13 C−NMR(CDCl3 )δ:19.8(q),2
0.1(q),20.3(q),20.5(q),11
5.4(s),116.0(s),116.5(s),
116.9(s),120.6(d),127.5
(s),135.3(s),135.9(s),14
2.4(s),142.6(s),143.6(s),
145.7(s),155.5(s),156.6
(s),165.8(s),166.3(s),16
6.8(s),167.4(s) (3)ジエラジラクトンのアセチル化物の加水分解 前記ステップ(2)で得られたジエラジラクトンオクタ
アセテート1.6gに2%NaOH−80%メタノール
混合液30mlを加え、室温で1時間放置した。反応混
合液を水に注ぎ、塩酸水溶液でpHを2に調整した後、
n−ブタノールで抽出した。
【0039】n−ブタノール層を濃縮乾固し、残留物
1.1gをテトラヒドロフラン−水混合液に添加し、沈
澱物を析出させ、ジエラジラクトン840mgを得た。
【0040】(4)ジエラジラクトンのメチル化 前記ステップ(1)で単離したジエラジラクトン2.0
gをアセトン200mlに溶解し、ジアゾメタン−エチ
ルエーテル溶液を加え、室温で一昼夜放置した。析出物
を濾取し、アセトンから再結晶し、ジエラジラクトンの
オクタメチル体(黄色プリズム晶)960mgを得た。
さらに、母液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(カラム:3×27cm)に供し、トルエン−アセトン
(30:1)で溶出し、アセトンから再結晶することに
より、下記式で示されるジエラジラクトンのオクタメチ
ル体(黄色プリズム晶)970mgを得た。ジエラジラ
クトンのオクタメチル体の合計取得量は1.93g(8
1%)である。
【0041】
【化4】 黄色プリズム晶 融点:301〜304℃ [α]D :−16.2゜(c=1,CHCl3 ) 紫外線吸収スペクトル(メタノール):373,250
nm 赤外線吸収スペクトル(KBr):1745cm-1 1 H−NMR(CDCl3 )δ:3.77(6H,
s),4.06(6H,s),4.16(6H,s),
4.30(6H,s),7.74(2H,s)13 C−NMR(CDCl3 )δ:56.8(q),6
1.5(q),61.8(q),61.9(q),10
7.7(s),110.6(s),112.8(s),
113.7(s),116.0(s),130.5
(s),141.4(s),141.6(s),14
5.8(d),151.8(s),154.6(s)×
2,157.5(s),158.7(s) 質量分析EI−MS[(m/Z(%)]:714
(M+ ,100),357(17) (5)X線結晶構造解析 前記ステップ(4)で得らた化合物をジオキサンから結
晶化し、得られた淡黄色プリズム晶(0.6×0.3×
0.25mm)を用い、X線結晶構造解析[理学電機
(株)製、AFC5R解析装置、Cu−Kα1 線(λ=
1.5406オングストローム)]を行なった。なお、
以下、オングストロームをAで示す。
【0042】前記結晶は単斜晶系に属し、格子定数a=
38.047(2)A、b=15.747(3)A、c
=12.221(2)A、β=102.83(1)A、
単位格子体積V=7139(1)A3 の格子定数を有し
ていた。空間群はC2、単位格子中の分子数Z=8であ
り、非対称単位中に分子式C36H26O16−1/2C4H
8 O2 (Mr=758.64)が2つ存在した。
【0043】3゜≦2θ≦120゜の範囲で5536の
独立な反射を測定し、このうち観測構造因子F0 ≧3σ
(F0 )を満す4586反射に基づいて解析した。SI
Rによる直接法で得られた部分構造をもとに、逐次近似
を行ない、全非水素原子の座標を決定した。構造の精密
化は、XTALシステムにより、非加重ブロック対角化
近似最小二乗法で行なった。非水素原子については、熱
振動を非等方的に扱い、水素原子については、座標を標
準的なジオメトリで発生させ、結合する炭素原子の等方
的熱振動パラメータを与えた。最終のR値は0.096
であった。
【0044】非対称単位中には、2分子とジオキサン1
分子が含まれており、一方の分子は格子の対称要素と無
関係に存在するが、他方の分子は格子の2回軸上にあ
り、1/2分子が独立に2つ存在していた。この化合物
は、回転障害によるアロープ異性が生じている。いずれ
の分子もchiral axis (分子中央の炭素−炭素単結合)
に関するねじれの方向は同じであり、78゜,108゜
及び112゜であった。
【0045】測定条件も含めてX線解析結果を下記に示
す。
【0046】 分子式: C36H26O16−1/2C4 H8 O2 分子量: 758.64 晶系 : 単斜晶系 単位格子: a=38.047(2)A b=15.747(3)A c=12.221(2)A β=102.83(1)A 単位格子体積: 7139(1)A3 空間群: C2 単位格子中の分子数Z: 8 計算密度: 1.412g/cm3 放射線: Cu−Kα1 線(λ=1.5406A) 吸収係数μ: 9.74/cm 格子定数を決定するための反射:25(79゜<2θ<80゜) データ収集範囲: 3゜≦2θ≦120゜ スキャンモード: 2θ−ω スキャンスピード: 32゜/分 トータル反射: 5536 観測した反射: 4586 最終のR値: R=0.096 RW =0.118 実験例 ウインター(Winter)らの方法(Proc. Soc. exp. Bio
l., 111, 544,1962)に準じてラットのカラゲニン浮腫
抑制試験により、ジエラジラクトンの有用性を次のよう
にして調べた。
【0047】雄性JcI:SD系ラット[6週令、体重
180〜230g(日本クレア)]を1群6匹として用
いた。右後肢足蹠部の容積は、容積測定装置(Ugo basi
le社製)で測定した。10%ジメチルスルホキシドに溶
解した検体を静脈注射(0.5ml/100g b.
w.)し、その直後に水を5ml/ラットの割合で経口
投与するとともに1%カラゲニン生理食塩水懸濁液0.
05mlを右後肢足蹠部に皮下注射して浮腫を惹起し
た。なお、非治療対照群には溶媒(10%ジメチルスル
ホキシド)のみを与えた。
【0048】そして、3時間後に再度右後肢足蹠部の容
積を測定した。検体の効果は、カラゲニン注射前と注射
3時間後の足容積の差を求め、それにより非治療対照群
に対する抑制率として算出した。結果を表に示す。な
お、実験例における結果は、いずれも有意差検定p<
0.01で有意であった。
【0049】
【表1】 表に示す結果から明らかなように、ジエラジラクトン
は、浮腫を抑制し、抗炎症作用が高い。
【0050】マウス急性毒性試験 雄性Slc:ICR系マウス[5週令(エスエルシー)
5匹を用いた。ジエラジラクトンの5%アラビアゴム懸
濁液1000mg/kgを経口投与し、エルウィン(Ir
win )法に従って、2時間症状を観察した。その後、1
週間の観察で死亡例は認められなかった。
【0051】製剤例 日局注射用蒸溜水を用いて調製した0.1N水酸化ナト
リウム溶液200mlに、ジエラジラクトン6gを溶解
し、0.02N塩酸水溶液でpHを7.4に調整した
後、日局注射用蒸溜水を加え、500mlとした。得ら
れた溶液を1mlずつとり、日本薬局方製剤総則に従っ
て、注射剤アンプルを製造した。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // A61K 35/78 C 7180−4C

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1)で表されるジエラジラクト
    ン又はその塩。 【化1】
  2. 【請求項2】 請求項1記載のジエラジラクトン又はそ
    の塩を有効成分として含む抗炎症剤。
JP4148114A 1992-05-13 1992-05-13 ジエラジラクトンおよび抗炎症剤 Withdrawn JPH05310745A (ja)

Priority Applications (1)

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JP4148114A JPH05310745A (ja) 1992-05-13 1992-05-13 ジエラジラクトンおよび抗炎症剤

Applications Claiming Priority (1)

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JP4148114A JPH05310745A (ja) 1992-05-13 1992-05-13 ジエラジラクトンおよび抗炎症剤

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