JPH05317037A - 酵母erd2遺伝子とそのリガンドとしての小胞体局在蛋白質をコードする遺伝子とを含む共発現系及びそれを利用する有用ポリペプチドの製造法 - Google Patents

酵母erd2遺伝子とそのリガンドとしての小胞体局在蛋白質をコードする遺伝子とを含む共発現系及びそれを利用する有用ポリペプチドの製造法

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JPH05317037A
JPH05317037A JP3311601A JP31160191A JPH05317037A JP H05317037 A JPH05317037 A JP H05317037A JP 3311601 A JP3311601 A JP 3311601A JP 31160191 A JP31160191 A JP 31160191A JP H05317037 A JPH05317037 A JP H05317037A
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Toshiya Hayano
俊哉 早野
Setsuko Katou
世都子 加藤
Nobuhiro Takahashi
信弘 高橋
Masanori Suzuki
正則 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明は、酵母由来受容体蛋白質ERD2又
はその類似体をコードする遺伝子を含む発現単位と、E
RD2のリガンドとしての小胞体残留シグナル含有小胞
体局在蛋白質をコードする遺伝子を含む発現単位とを、
共発現可能な状態で酵母染色体上に組み込んで得られる
形質転換体、上記2つの発現単位と、該小胞体局在蛋白
質の機能の対象となる基質としてのポリペプチドをコー
ドする外来遺伝子を含む発現単位とを共発現可能な状態
で酵母染色体上に導入して得られる別の形質転換体、並
びに、この形質転換体を培養し共発現させて該ポリペプ
チドを優先的に細胞外に分泌させる、ポリペプチドの製
造方法に関する。 【効果】 上記ポリペプチドの精製を容易にし且つ収率
を高め、全体的にその生産効率を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酵母由来受容体蛋白質
ERD2又はその類似体をコードする遺伝子を含む発現
単位と、該蛋白質のリガンドとしての小胞体残留シグナ
ル含有小胞体局在蛋白質をコードする遺伝子を含む発現
単位とを、共発現可能な状態で酵母染色体上に組み込ん
で得られる形質転換体に関する。本発明はまた、このよ
うな形質転換体にさらに、該小胞体局在蛋白質の機能の
対象となる基質としてのポリペプチドをコードする外来
遺伝子を含む発現単位を導入した別の形質転換体、及
び、この形質転換体を培養し共発現させて該ポリペプチ
ドを優先的に細胞外に分泌させる、ポリペプチドの製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】真核細胞において分泌蛋白質は、小胞
体、ゴルジ体、さらには分泌顆粒を経て細胞外へと運ば
れていくが、この過程は「bulk flow 」と呼ばれる受動
的な流れとしてとらえられている。一方、小胞体内腔に
局在する蛋白質は、ポリペプチドの合成後、分泌蛋白質
と同様に小胞体にとりこまれた後、「bulk flow 」に乗
るが、これらはゴルジ体から再び小胞体へと運ばれる何
らかの機構により小胞体に残留するものと考えられてい
た。哺乳動物の小胞体内腔に局在する様々な蛋白質の一
次構造が決定され、それらのうちのいくつかの蛋白質、
即ち、プロテインジスルフィドイソメラーゼ(PD
I)、glucose-regulated protein 78(grp78 、免疫グ
ロブリン重鎖結合蛋白質であるBipと同一)及びgluc
ose-regulated protein 94(grp94 )などで、そのC末
端にアミノ酸4残基からなる共通配列「KDEL」(酵
母では「HDEL」である)が見いだされ、さらに、酵
母の系でgrp78の欠失変異蛋白質は細胞外に分泌さ
れてしまうこと、あるいは、分泌蛋白質であるリゾチー
ムのC末端に「HDEL」を付加することによりリゾチ
ームを小胞体内に留めることができることなどから、こ
の配列が蛋白質を小胞体内腔に局在させるための小胞体
残留シグナルとして働くことが示唆された[Munro, S.
とPelham,H.R.B. (1987) Cell 48, 899; Pelham, H.R.
B., Hardwick, K.G. およびLewis, M.J. (1988) EMBO
J. 7, 1757]。即ち、小胞体あるいはゴルジ体に「KD
EL」あるいは「HDEL」配列に対する受容体が存在
し、この受容体がC末端にこれらの配列をもつ蛋白質の
小胞体への局在化を制御しているものと考えられた。
【0003】その後、「HDEL」配列をもつ蛋白質が
小胞体に留まらずに分泌経路に入ってしまう酵母変異株
erd2の解析から酵母の小胞体残留シグナル受容体が
同定され、また、哺乳動物でも「KDEL」に対する抗
イディオタイプ抗体を用いた解析により同受容体が同定
された[Semenza, J.C., Hardwick, K.G., Dean,N.お
よび Pelham, H.R.B. (1990) Cell 61, 1349; Vaux,
D., Tooze, J. および Fuller, S. (1990) Nature 34
5, 495 ]。酵母の「HDEL」受容体は、その遺伝子
構造が明らかにされ、一次配列が推定され、その結果分
子量は26kdであった。一方、抗イディオタイプ抗体
によって同定された哺乳類の「KDEL」受容体は、分
子量が72kdであり、両者は異なるものである可能性
が示唆された。後に、クロスハイブリダイゼーションに
より酵母の「HDEL」受容体と相同的な蛋白質の遺伝
子が哺乳動物でもクローン化された[Lewis, M.J. とPe
lham,H.R.B. (1990) Nature 348, 162 ]。現在のと
ころ、哺乳動物の細胞では、2つの別種の残留シグナル
受容体が互いに関係をもって機能しているのか、あるい
は互いに独立に機能しているのかは不明である。
【0004】また、小胞体残留シグナルとしては、「K
DEL」、「HDEL」のほかに「DDEL」、「AD
EL」、「SDEL」、「RDEL」、「KEEL」、
「QEDL」、「HIEL」、「HTEL」、あるいは
「KQDL」なる相同的な配列が知られており、これら
をもつポリペプチドも上記の受容体を介して小胞体に残
留するものと考えられている[Pelham, H.R.B. (1990)
TIBS 15, 483 ]。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】酵母などの細胞で外来
の蛋白質を発現分泌させる際に、その蛋白質の翻訳以降
の過程でフォールディング促進酵素(例えば、PDI)
などの様々な蛋白質の機能を共役させることにより、分
泌蛋白質の生産効率を上昇させる系が次第に開発されつ
つある(本出願人による特願平3−114074号)。
ここで、例えば、このような機能蛋白質が小胞体内腔に
局在するものである場合を考えると、その大量発現に伴
い本来小胞体に留まるべき機能蛋白質がその受容体の受
容能を超えることにより細胞外へと漏れだしてしまうこ
とが予想される。このような系では、もともとの目的と
する、分泌生産させて回収すべき有用蛋白質の精製が不
利となろう。
【0006】実際に、ラットの膵外分泌腺細胞では、細
胞外へのPDIの分泌が検出されており、その原因とし
て「KDEL」受容体の残留シグナルに対する受容能の
不足によるPDIの「over flow 」が考えられている
[Yoshimori,T., Semba, T., Takemoto, H., Akagi,
S., Yamamoto, A.およびTashiro, Y. (1990) J. Biol.
Chem. 265, 15984 ]。
【0007】上記問題の解決策の1つとして、C末端に
小胞体残留シグナルをもつ蛋白質を共発現させる際に、
同時に、このシグナルの受容体を同一細胞内で大量に共
発現させることにより、残留シグナルをもつ蛋白質の細
胞外への分泌を抑えることができると考えられる。ま
た、共発現蛋白質の小胞体への残留効率を上げることに
より、その機能をより効率的に利用することができると
考えられる。
【0008】しかしながら、前記受容体の安定な大量発
現系、あるいは、その受容体と小胞体残留シグナルをも
つ蛋白質との共発現系は未だに確立されていなかった。
【0009】本発明の目的は、小胞体残留シグナルをも
つ小胞体局在蛋白質を受容することが可能な酵母由来受
容体蛋白質ERD2又はその類似体をコードする遺伝子
を含む発現単位と、前記小胞体残留シグナルをもつ小胞
体局在蛋白質をコードする遺伝子を含む発現単位とを、
共発現可能な状態で酵母染色体上に組み込んで得られる
形質転換体を提供することである。
【0010】本発明の別の目的は、上記2種の発現単位
の他にさらに、前記小胞体局在蛋白質の機能の対象とな
る基質としてのポリペプチドをコードする外来遺伝子を
含む発現単位を、共発現可能な状態で酵母染色体上に組
み込んで得られる形質転換体を提供することである。
【0011】本発明のさらに別の目的は、前記形質転換
体を培養し、共発現させて前記ポリペプチドを優先的に
細胞外に分泌させることを包含するポリペプチドの製造
方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究した結果、酵母ERD2遺伝
子の発現用ベクターを見い出し、本発明を完成させた。
【0013】即ち、本発明は、小胞体残留シグナルをも
つ小胞体局在蛋白質を受容することが可能な酵母由来受
容体蛋白質ERD2又はその類似体をコードする遺伝子
を含む発現単位と、前記小胞体残留シグナルをもつ小胞
体局在蛋白質をコードする遺伝子を含む発現単位とを、
共発現可能な状態で酵母染色体上に組み込んで得られる
形質転換体を提供する。
【0014】このような形質転換体は、前記小胞体局在
蛋白質の機能の対象となる基質としての有用ポリペプチ
ドをコードする外来遺伝子を含む発現ベクターでその形
質転換細胞を形質転換することにより、有用ポリペプチ
ドのみを優先的に細胞外に分泌させ得る別の形質転換株
を作製するのに有用である。
【0015】本明細書中「小胞体残留シグナルをもつ小
胞体局在蛋白質」とは、in vivo 蛋白質合成後小胞体内
腔に局在することができ、C末端にアミノ酸配列「KD
EL」、「HDEL」、「DDEL」、「ADEL」、
「SDEL」、「RDEL」、「KEEL」、「QED
L」、「HIEL」、「HTEL」、及び「KQDL」
などの小胞体残留シグナルをもち、且つ酵母由来受容体
蛋白質ERD2又はその類似体と結合し得る蛋白質を指
す。このような蛋白質の具体例としては、プロテインジ
スルフィドイソメラーゼ(PDI)、glucose-regulate
d protein 78(grp 78)、glucose-regulated pr
otein 94(grp 94)などが挙げられるが、任意の
ポリペプチドに対して有効な作用を及ぼす働きのあるも
のが最も好ましい。その好適例はプロテインジスルフィ
ドイソメラーゼ(PDI)である。PDIは、チオール
/ジスルフィド結合の交換反応を触媒し、変性蛋白質の
再構成の速度を促進する酵素として知られている(Sche
in, Bio/Technology 7, 1141-1148, 1989; Freedman, C
ell 57, 1069-1072, 1989 )。また、前記小胞体局在蛋
白質の中には、本来C末端に小胞体残留シグナルをもた
ない蛋白質であっても遺伝子工学技術によって前述の小
胞体残留シグナルをもつように改変されたものも包含す
る。
【0016】「酵母由来受容体蛋白質ERD2」とは、
小胞体シグナルをもつ任意の小胞体局在蛋白質を受容す
ることができる酵母由来受容体蛋白質又はその類似体を
指す。ERD2蛋白質をコードするDNA配列は、Seme
nza らの報告した配列が参照されるが[Semenza, J.C.,
Hardwick, K.G., Dean, N. および Pelham, H.R.B.(19
90) Cell 61, 1349]、該蛋白質の機能を損わない範囲
の改変を含むDNA配列も包含される。そのような改変
体の中には、ERD2蛋白質と相同性の高い哺乳動物由
来の「KDEL」受容体をコードするDNA配列も含ま
れる[Lewis,M.J.と Pelham, H.R.B. (1990) Nature 3
48, 162 ]。
【0017】以下に、酵母ERD2をコードする遺伝子
を含む発現ベクターの作製手順を説明するが、得られた
ベクターは代表例であり限定的なものではない。
【0018】酵母ERD2をコードする遺伝子は、酵母
S288C株より調製したゲノムDNAを鋳型にして、
polymerase chain reaction (PCR) 法[Mullis, K.B.と
Faloona, F. (1987) Meth. Enzymol. 155, 335 ]によ
り取得し得る。用いたプライマーは、5′−TTTTT
CTCGAGTAAGCAATGAATCCGTT−
3′および5′−AAAAAGGATCCTGCGAA
CACTATTTAAA−3′であり、これらは酵母E
RD2遺伝子DNA塩基配列[Semenza, J. C.,Hardwic
k, K.G., Dean, N.および Pelham, H.R.B. (1990) Cell
61, 1349]をもとにデザインした。得られたERD2
遺伝子をプラスミドベクターBluescriptIISK +のXhoI
/BamHI 部位に連結しサブクローン化した(図1)。
【0019】該遺伝子と組み込むためのベクターは、宿
主内で発現可能であり、且つ、宿主染色体上に組み込ま
れることにより、染色体と同時に複製し得るものであ
る。ベクターは、通常、形質転換された細胞中での表現
型選択を可能にするマーカー配列を保有する。
【0020】発現ベクターを構築するためのベクターと
しては、例えば、プラスミドpRG−UAS1−N7−
TLY−304が使用される(構築手順は後述の実施例
に示す)。このプラスミドは、ヒト血清アルブミン(H
SA)cDNAを含み、また、酵母グリセルアルデヒド
−3−リン酸脱水素酵素(GAP)プロモーター由来の
改変型プロモーター、酵母アルコール脱水素酵素I(A
DHI)ターミネーター、アンピシリン耐性遺伝子(A
mpr )及びTRP1遺伝子を含んでいる。そのため、
このプラスミドをXhoI及びBamHIで消化し、H
SAcDNAを除去し、酵母ERD2遺伝子を連結する
ことにより、該遺伝子の発現プラスミド(pIVTRPGAPYER
D2)を得ることができる(図2)。さらに、 pIVTRPGAP
YERD2 をHindIII 及びXhoIで消化し、GAP改
変型プロモーターを除去し、酵母ADHプロモーターを
連結することにより該遺伝子の発現プラスミド(pIVTRP
ADHYERD2)を得ることができる(図3)。もちろん、本
発明のERD2遺伝子を発現させ得る同等の機能を果た
すことができる別の種類のベクターを使用することもで
きる。
【0021】得られた発現ベクター中のプロモーター配
列としては、アルコール脱水素酵素Iプロモーターの他
に、例えば、3−ホスホグリセレートキナーゼプロモー
ター[Hitzenman ら、J. Biol. Chem., 255, 2073(198
0)]、他の解糖系酵素類例えばエノラーゼ、グリセルア
ルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ、ヘキソ
キナーゼなどに対するプロモーター[Hessら、J. Adv.
Enzyme Reg., 7, 149(1968); Hollandら、Biochemistr
y, 17, 4900 (1978) ]なども使用され得る。また、タ
ーミネーター配列は酵母適合性のものであればいかなる
ものであってもよい。そのような例としては、上記酵素
に対するターミネーターが挙げられる。
【0022】発現ベクターはさらに、例えばtrp1遺
伝子のような酵母由来の遺伝子を含む。この遺伝子は、
目的の形質転換体を単離する際の表現型選択マーカーと
しての役割をもったり、酵母染色体への組み込みの際に
ERD2発現単位の相同的組換えを可能にする役割をも
つ。
【0023】発現ベクターはさらに、酵母適合性の複製
起点、リボソーム結合部位、抗生物質耐性遺伝子のよう
なマーカー配列等を含み得る。
【0024】一方、前記小胞体残留シグナルをもつ小胞
体局在蛋白質をコードする遺伝子の好適例は、プロテイ
ンジスルフィドイソメラーゼ(PDI)遺伝子及び、P
DI遺伝子とヒト血清アルブミンプレプロ配列との連結
遺伝子である。PDI遺伝子及び該連結遺伝子のDNA
配列に関しては、本出願人による特願平2−29501
7号及び特願平3−114074号に記載の配列を本明
細書中に参照として含めるものとする。PDI発現単位
の構築例については、ERD2発現系に関する上述の内
容が適用されるが、具体的には後述の実施例を参照され
たい。
【0025】宿主としての酵母は、本発明の目的が達成
される限りその種類を問わないが、好ましくはSaccharo
myces 属例えばSaccharomyces cerevisiaeである。宿
主に関しては、本発明の範囲外であるが、酵母以外の真
核細胞(例えば、動物細胞)も宿主として使用し得るこ
とは当業者には自明であろう。
【0026】形質転換に際しては、塩化カルシウム処理
法、プロトプラスト(又はスフェロプラスト)−ポリエ
チレングリコール法、電気穿孔法等の慣用技術が使用さ
れ得る。
【0027】本発明の形質転換体は、例えばtrp1遺
伝子を保有する場合には、得られた菌体をSD(−Le
u、−His、−Ade、−Ura、−Trp)プレー
ト上で培養することによって容易にスクリーニングする
ことが可能である。
【0028】本発明はさらに、小胞体残留シグナルをも
つ小胞体局在蛋白質を受容することが可能な酵母由来受
容体蛋白質ERD2又はその類似体をコードする遺伝子
を含む発現単位と、前記小胞体残留シグナルをもつ小胞
体局在蛋白質をコードする遺伝子を含む発現単位と、前
記小胞体局在蛋白質の機能の対象となる基質としてのポ
リペプチドをコードする外来遺伝子を含む発現単位と
を、共発現可能な状態で酵母染色体上に組み込んで得ら
れる形質転換体を提供する。
【0029】前記ERD2又はその類似体をコードする
遺伝子を含む発現単位、前記小胞体局在蛋白質をコード
する遺伝子を含む発現単位、宿主酵母、形質転換法につ
いては上述した内容がそのまま適用される。
【0030】本明細書中、「ポリペプチド」とは、前記
小胞体局在蛋白質がin vivoで有効に作用する、短鎖又
は長鎖ペプチド性基質あるいは蛋白質性基質を意味す
る。このようなポリペプチドの例には、プロテインジス
ルフィドイソメラーゼの前記触媒作用を受容するあらゆ
る種類のポリペプチドが含まれる。本発明の実施態様に
より、好ましいポリペプチドはヒト血清アルブミン(H
SA)である。
【0031】本発明の2種類の上述の形質転換体中に保
有されるERD2遺伝子及び他の前記遺伝子は、互いに
共発現可能な状態である限り、宿主染色体中の同一ゲノ
ム上にあってもよく又は異なるゲノム上にあってもよ
い。例えば、ERD2遺伝子及び他の前記遺伝子を同一
ベクター内か又は好ましくは異なるベクター内に組み込
んだ後、同一宿主細胞内に移入し、相同的組換えにより
宿主染色体中に導入する。また、前記ERD2遺伝子又
は他の前記遺伝子を含む発現単位は、共発現が可能な限
り染色体中に複数個存在してもよい。
【0032】本発明の実施態様により、本発明の形質転
換体には、ヒト血清アルブミン(HSA)高生産性酵母
SN35A−1PUAET株が含まれる。
【0033】この酵母株は、酵母ERD2遺伝子を含む
発現ベクターを、HSA高分泌酵母SN35A株のur
a3遺伝子座へヒトPDI発現単位を導入して得た酵母
SN35A−1PU株(特願平3−226107号;後述の実
施例参照)中に移入し、該酵母染色体上のtrp1部位
に相同的組換えを起こしてERD2遺伝子を導入するこ
とによって得られる。このようにして得られた形質転換
酵母SN35A−1PUAET株は、酵母ERD2、ヒ
トPDI及びHSAを共発現させることが可能であり、
ERD2の発現系を導入しない場合と比べ、PDIの培
地中への分泌は極めて抑制されると同時に、HSAの発
現分泌量は24時間培養時に平均で約26%、また、4
8時間培養時に約17%増加した(図4および図5)。
【0034】本発明はさらに、上記の3種類の発現単位
を含む、形質転換体を適切な培地中で培養し共発現させ
て、小胞体残留シグナルをもつ小胞体局在蛋白質を受容
することが可能な酵母由来受容体蛋白質ERD2又はそ
の類似体と、ERD2のリガンドとしての前記小胞体局
在蛋白質とを小胞体内に残留させ、一方、前記小胞体局
在蛋白質の機能の対象となる基質としてのポリペプチド
を優先的に細胞外に分泌させること、並びに前記ポリペ
プチドを回収することを包含するポリペプチドの製造方
法を提供する。
【0035】本発明の製法では、前記小胞体局在蛋白質
が細胞外に漏出しないように、前記ERD2蛋白質又は
その類似体及び前記小胞体局在蛋白質の発現が適切な制
御配列によってコントロールされている。
【0036】理論に拘束されるつもりはないが、ERD
2の共発現によるPDIの分泌抑制及びHSAの発現分
泌の促進に関しては以下のように考えられる。
【0037】PDIの小胞体への残留機構については、
小胞体に局在すると考えられるERD2がPDIのC末
端の小胞体残留シグナルの受容体として働くことが考え
られている。PDIを強力なプロモーターの支配下で発
現させた時(本発明では、改変型GAPプロモーターを
使用)、細胞内のPDI量は、小胞体のERD2の受容
能を超えてしまい、したがって、ERD2の受容限界を
超えた分のPDIが細胞外に「over flow 」することに
なる。実際に、このPDIの「over flow 」は、本出願
人による特願平2−295017号に記載のヒトPDI
の酵母における発現の実施例で観察されている。ここ
で、新たにADHプロモーター支配下に大量のERD2
を共発現させることによって、小胞体内のPDI受容能
が増強された結果、SN35A−1PU株で細胞外に分
泌されていたPDIがSN35A−1PUAET株にお
いては、細胞内に留められたものと解釈される。
【0038】一方、PDIの共発現が、HSAの細胞内
での高次構造形成(S−S結合形成)を促し、その結果
として、HSAの分泌促進効果を示すことは、本出願人
による特願平3−114074号に記されているが、本
発明では、酵母ERD2の共発現の効果が上述のPDI
の小胞体内への残留効率を上げ、さらにその結果とし
て、PDIの基質としてのHSAの分泌量の増加がみら
れたものと考えられる。
【0039】このことは、逆に、PDIの示すHSA分
泌促進効果は、PDIの細胞外におけるHSAの安定化
によるものではなく、細胞内(小胞体内)でのHSAの
高次構造形成反応(S−S結合交換反応)の触媒に起因
することを強く示唆するものである。
【0040】このように、酵母ERD2の共発現に伴う
PDIの小胞体内残留の効率化は、大量発現させたPD
Iが本来機能するであろう適切な細胞内のコンパートメ
ントにPDIを局在化させることにより、PDIの機能
を最大限に発揮させうる系を提供するものである。
【0041】より一般的には、ERD2が受容しうる小
胞体残留シグナルをもつポリペプチドをPDIと同様に
その基質となる外来のポリペプチドに効率良く効かせる
ために、本発明は大きな利用価値があるものと考えられ
る。
【0042】
【実施例】以下の、実施例により、さらに本発明を説明
するが、本発明は、これらの実施例に限定されるもので
はない。
【0043】酵母ERD2遺伝子のクローン化 polymerase chain reaction (PCR)法[Mullis, K.
B.とFaloona, F.(1987) Meth. Enzymol. 155, 335 ]に
より以下の手順で酵母ERD2遺伝子をクローン化し
た。
【0044】酵母S288C株の単コロニーを2mlのY
PD培地(2%バクトトリプトン、1%バクトイースト
エキストラクトおよび2%ブドウ糖)に接種し、30℃
で24時間培養した。遠心分離により回収した菌体を、
1mlのソルビトール溶液[1Mソルビトールおよび50
mM K2 HPO4 /KH2 PO4 (pH 6.85 )]で洗浄
後、再び遠心分離にかけて集めた。得られた菌体を、1
mlのソルビトール溶液に再懸濁し、40μlのザイモリ
アーゼ溶液(10mg/ml)および1μlのβ−メルカプ
トエタノールを加えて37℃で30分間保温した。次
に、遠心分離によって菌体を回収し200μlの溶液
[50mM Tris-HCl (pH 7.5)および20mMEDTA ]に
懸濁し、200μlのNDS緩衝液[0.5M EDTA 、10
mM Tris-HCl(pH 7.5)、1% sodium dodecyl sarcosi
nate 、7.5%β−メルカプトエタノールおよび1mg
/mlプロナーゼK]を加えて50℃で1時間加温した。
この溶液をフェノール/クロロホルム溶液で抽出し、得
られた水層に10分の1容の3M酢酸ナトリウム(pH
5.2)および2.5倍容のエタノールを加え、−80℃
で20分間冷却後、遠心分離にかけて沈殿を回収した
(エタノール沈殿)。得られた沈殿を400μlのTE
緩衝液[10mM Tris-HCl(pH 8.0) および1mM EDTA]
に溶かし、240μlの20%PEG溶液(20%ポリ
エチレングリコールおよび2.5M NaCl)を加えて氷上
に1時間放置した。これを遠心分離にかけ、沈殿を回収
し70%エタノールで洗浄後、400μlのTE緩衝液
に再溶解した。得られた溶液を2度フェノール/クロロ
ホルム抽出し、回収した水層からエタノール沈殿により
酵母S288C株のゲノムDNAを回収した。
【0045】以上のようにして調製したゲノムDNAを
鋳型にして酵母ERD2遺伝子のクローン化を行った。
S288CゲノムDNA10μl(0.02μg)、プライ
マーI5μl(0.25μg)、プライマー II 5μl(0.
25μg)、TaqIポリメラーゼ(Gene AmpTM DNA Amp
lification Reagent kit、Perkin Elmer Cetus社)0.5
μl、10倍濃縮反応緩衝液(同社同キット)10μ
l、dNTP混合液(各1.25mM、同社同キット)お
よびおよび53.5μlの滅菌水を混合した反応液につい
て、 Perkin Elmer Cetus 社製の DNA Thermal Cycler
を用いてPCR反応を行った。反応条件は、DNAの変
性94℃1分、アニーリング50℃2分、ポリメラーゼ
による伸長反応72℃3分を30サイクル行った後、7
2℃で7分間反応させるように設定した。また、プライ
マーIおよび II は以下に示す配列をもつ。
【0046】 プライマーI: 5′−TTTTTCTCGAGTAAGCAATGAATCCGTT−
3 ′ プライマーII: 5′−AAAAAGGATCCTGCGAACACTATTTAAA−
3 ′ 得られた反応液をフェノール/クロロホルム抽出後、水
層についてエタノール沈殿を行いDNAを回収した。こ
のDNAを溶液[10mM Tris-HCl (pH 8.0)、100mM
NaCl 、7mM MgCl2 、5単位のXhoI(宝酒造社)
および5単位のBamHI(同社)]20μl中で37
℃2時間反応後、0.8%アガロースゲル電気泳動にか
け約0.7kbのDNA断片をグラスパウダー(Gene C
leanTM、Bio−101社)を用いて分離精製した。こ
のようにして回収したDNA約50ngおよびXhoIお
よびBamHIで消化した BluescriptII SK+約20
ngを宝酒造社DNAライゲーションキットA液30μl
およびB液6μlと混合し、16℃で2時間反応させる
ことにより連結させた。得られた組換えプラスミド(p
YERD2と命名した)(図1)を用いて大腸菌XLI
−Blue株を形質転換した。
【0047】以上のようにしてサブクローン化したDN
A断片をさらに細かくサブクローン化した後、DNA塩
基配列を決定した。その結果、得られたDNA断片は目
的とする酵母ERD2の遺伝子を含むことが明らかとな
った。ただし、Semenza らの報告した配列[Semenza,
J.C., Hardwick,K.G., Dean,N. およびPelham, H.R.B.
(1990) Cell 61, 1349]で52番目のLeuのコドンが
「TTG」であるのに対して該クローンでは「TTA」
であった。しかしながら、すべてのアミノ酸配列および
その他の塩基配列は一致していた。
【0048】酵母染色体trp1部位へのERD2発現
単位インテグレーション用ベクターの構築 上記プラスミドpYERD2を用いて以下の手順によ
り、ERD2発現単位の酵母染色体へのインテグレーシ
ョン用ベクターを作製した(図1〜3)。
【0049】アルカリ溶菌法[Birnboim, H.C.とDoly,
J. (1979) Nucleic Acids Res. 7,1513]により調製し
たプラスミドベクターpRS304[Sikorski, R.S.と
Hieter,P. (1989) Genetics 122, 1 ]のDNA 0.5μ
gを溶液[10mM Tris-HCl(pH 8.0)、100mM NaC
l、7mM MgCl2 、5単位のXhoI(宝酒造社)およ
び5単位のBamHI(同社)]30μl中で37℃2
時間反応後、0.7%アガロースゲル電気泳動にかけ約
4.3kbのDNA断片をグラスパウダーを用いて分離
精製した一方、ADHI転写ターミネーターカセットベ
クターpUC−ATE(本出願人による特開平2−1173
84号公報)のDNA 0.5μgを溶液[10mM Tris-HCl
(pH 8.0)、150mM NaCl、7mM MgCl2 、5単位の
SalI(宝酒造社)および5単位のBamHI(同
社)]30μl中で37℃2時間反応後、1%アガロー
スゲル電気泳動にかけ約0.4kbのDNA断片をグラ
スパウダーを用いて分離精製した。このようにして得ら
れた両DNA断片それぞれ約50ngを宝酒造社DNAラ
イゲーションキットA液30μlおよびB液6μlと混
合し、16℃で2時間反応させることにより連結、環状
化させた。この組換えプラスミド(pRS304−AT
Eと命名した)を用いて大腸菌XL1−Blue株を形
質転換した。
【0050】次に、HSA発現ベクターpRG−UAS
1−N7−TLY1−305(本出願人による特願平3
−188794号)のDNA 0.5μgを溶液[10mM Tris-HC
l (pH 8.0)、100mM NaCl、7mM MgCl2 、10単位
のNotI(東洋紡績社)および5単位のBamHI
(宝酒造社)]30μl中で37℃2時間反応後、 0.7
%アガロースゲル電気泳動にかけ約4kbのDNA断片
をグラスパウダーを用いて分離精製した。一方、pRS
304−ATEのDNA 0.5μgを溶液[10mMTris-H
Cl (pH 8.0 )、100mM NaCl、7mM MgCl2 、10単位の
NotI(東洋紡績社)および5単位のBamHI(宝
酒造社)]30μl中で37℃2時間反応後、0.7%
アガロースゲル電気泳動にかけ約5kbのDNA断片を
グラスパウダーを用いて分離精製した。このようにして
回収した両DNA断片それぞれ約50ngを宝酒造社DN
AライゲーションキットA液30μlおよびB液6μl
と混合し、16℃で2時間反応させることにより連結、
環状化させた。得られた組換えプラスミド(pRG−U
AS1−N7−TLY1−304と命名した)を用いて
大腸菌XL1−Blue株を形質転換した。
【0051】アルカリ溶菌法により調製した前述のプラ
スミドpYERD2のDNA 0.5μgを溶液[10mM T
ris-HCl (pH 8.0)、100mM NaCl 、7mM MgCl2 、5
単位のXhoI(宝酒造社)および5単位のBamHI
(同社)]30μl中で37℃2時間反応後、0.8%
アガロースゲル電気泳動にかけ約0.7kbのDNA断
片をグラスパウダーを用いて分離精製した。一方、同じ
くアルカリ溶菌法により調製した上述のヒトHSAイン
テグレーションベクターpRG−U1−N7−TLY−
304DNA0.5μgを溶液[10mM Tris-HCl (pH 8.
0)、100mM NaCl、7mM MgCl2 、5単位のXhoI(宝酒
造社)および5単位のBamHI(同社)]30μl中
で37℃2時間反応後、0.8%アガロースゲル電気泳
動にかけ約6.3kbのDNA断片をグラスパウダーを
用いて分離精製した。得られた両DNAそれぞれ約50
ngを宝酒造社DNAライゲーションキットA液30μ
lおよびB液6μlと混合し、16℃で2時間反応させ
ることにより連結させた。得られた組換えプラスミド
(pIVTRPGAPYERD2と命名した)を用いて大腸菌HB10
1株を形質転換した。
【0052】アルカリ溶菌法により調製した pIVTRPGAP
YERD2 DNA 1μgを溶液[10mM Tris-HCl (pH 8.0)、10
0mM NaCl、7mM MgCl2 、5単位のXhoI(宝酒造社)
および5単位のHindIII (同社)]30μl中で3
7℃4時間反応後、0.8%アガロースゲル電気泳動に
かけ約6.8kbのDNA断片をグラスパウダーを用い
て分離精製した。一方、同じくアルカリ溶菌法により調
製したHSA発現ベクターpJDB−ADH−HSA−
A(本出願人による特開平2−117384号公報)D
NA1μgを溶液[10mM Tris-HCl (pH8.0) 、100mM Na
Cl、7mM MgCl2、5単位のXhoI(宝酒造社)および
5単位のHindIII (同社)]30μl中で37℃4
時間反応後、0.8%アガロースゲル電気泳動にかけ約
1.4kbのDNA断片(酵母アルコール脱水素酵素I
プロモーター)をグラスパウダーを用いて分離精製し
た。得られた両DNAそれぞれ約50ngを宝酒造社D
NAライゲーションキットA液30μlおよびB液6μ
lと混合し、16℃で2時間反応させることにより連結
させた。得られた組換えプラスミド(pIVTRPADHYERD2と
命名した)を用いて大腸菌HB101株を形質転換し
た。
【0053】SN35A株の作製 HSA発現ベクターpRG−UAS1−N7−TLY1
−305(本出願人による特願平3−188794号)
をHindIII とXhoIで切断し、消化物を0.7%
アガロース電気泳動することにより、約10kbの断片
を分離し、Geneclean を用い約10kbの断片を調製し
た。一方大腸菌染色体由来のUAS断片とADH2のU
ASから成るハイブリッドUASとADHIの転写開始
領域から成り立つプロモーターを持つプラスミドpSN
AD3AX(本出願人による特願平3−136657
号)をHindIII とXhoIで切断し、1%アガロー
ス電気泳動にかけることにより約0.5kbの断片を分
離しGeneclean を用いこれを調製した。この断片と上記
の約10kbの断片とをT4 DNAリガーゼを用いて
連結、環状化させ大腸菌XL1−Blueを形質転換さ
せることにより、HSA発現ベクターpRG−SNAD
3AX−TLY1−305を持つ形質転換体を得た。
【0054】一方、プラスミドベクターpRS303
(Sikorski & Hieter, 1989 )をBamHIとXhoI
で消化し、0.7%アガロース電気泳動により4.3k
bの断片を分離しGeneclean を用いこれを調製した。A
DHI転写ターミネーターカセットベクターpUC−A
TE(本出願人による特開平2−117384号公報)
をBamHIとSalIで切断し、1%アガロース電気
泳動にかけることにより約0.4kbの断片を分離しGe
neclean を用いこれを調製した。この断片と上記の約
4.3kbの断片とをT4 DNAリガーゼを用いて連
結、環状化させて大腸菌XL1−Blueを形質転換さ
せることにより、プラスミドpRS303−ATEを持
つ形質転換体を得た。
【0055】次にHSA発現ベクターpRG−SNAD
3AX−TLY1−305をNotIとBamHIで切
断し、消化物を0.7%アガロース電気泳動することに
より、約4kbの断片を分離し、Geneclean を用いこれ
を調製した。pRS303−ATEをNotIとBam
HIで切断し、消化物を0.7%アガロース電気泳動す
ることにより、約4kbの断片を分離し、Geneclean を
用いこれを調製した。この断片とpRG−SNAD3A
X−TLY1−305由来の断片とをT4 DNAリガ
ーゼを用いて連結、環状化させ大腸菌XL1−Blue
を形質転換させることにより、HSA発現ベクターpR
G−SNAD3AX−TLY1−303を持つ形質転換
体を得た。
【0056】このHSA発現ベクターpRG−SNAD
3AX−TLY1−305 10μgを20μlの反応
液中でSplIで切断した後、反応液を65℃、10分
間の熱処理により酵素を失活させた。YY35A株(微
工研菌寄第12480号)をYPD培地(1%酵母エキ
ス、2%ペプトン、2%グルコース)で1夜培養し、そ
のうちの0.1mlを5mlのYPD培地に接種した。OD
600 が1.0に達するまで培養した後、遠心により菌体
を集め、集めた菌体を0.5mlの0.1M酢酸リチウム
液(0.1M酢酸リチウム、 10mM Tris-HCl[pH 7.
5]、1mM EDTA)にて1回洗った。再度遠心に
より菌体を集め、70μlの0.1M酢酸リチウム液に
再懸濁し、30℃、1時間保温した。
【0057】ここに上記の熱処理をした反応液20μl
を加え、30℃、30分間保温した。次に500μlの
PEG溶液(40%ポリエチレングリコール[平均分子
量4,000]を含む0.1M酢酸リチウム液)を加
え、ピペットマンを用いてよく混合した後、45分、3
0℃で保温した。この細胞懸濁液を42℃、5分熱処理
し、500μl滅菌水を加えた後、遠心により菌体を集
めた。この菌体を100μlの滅菌蒸留水に再懸濁した
後、SD(−His)寒天培地(20μg/mlアデニン
硫酸塩、20μg/mlアルギニン塩酸塩、20μg/ml
メチオニン、20μg/mlトリプトファン、20μg/
mlウラシル、30μg/mlイソロイシン、30μg/ml
リジン塩酸塩、30μg/mlチロシン、50μg/mlフ
ェニルアラニン、60μg/mlロイシン、150μg/
mlバリン0.67%アミノ酸不含イーストニトロゲンベ
ース、2%グルコース、2%寒天)にひろげ、30℃に
おき5日間培養することによりコロニーを形成させた。
形成されたコロニーのうちの一つを再度SD(−Hi
s)寒天培地にひろげることによりHSA高効率産生
株、SN35A株を得た。
【0058】酵母SN35A−1PU株の作製 (その1)TDH3プロモーターを用いたヒトPDI発
現単位の構築 アルカリ溶菌法により調製したphPDILy1(本出
願人による特願平3−114074号)プラスミドDNA4μ
gを溶液[10mM Tris-HCl (pH8.0)、60m
M NaCl、7mM MgCl2 および20単位のE
coRI(ニッポンジーン社)]100μl中で37℃
で2時間消化後、フェノール/クロロホルム抽出しエタ
ノール沈殿により消化したDNAを回収した。得られた
DNAを50μlKlenow緩衝液(Kilo-sequence 用Dele
tion Kit、宝酒造社)に溶解し、4単位のKlenow fragm
ent (宝酒造社)を加え37℃で45分間反応させるこ
ととによりEcoRI切断部分の平滑化を行なった。次
いでこの溶液からフェノール/クロロホルム抽出および
エタノール沈殿によりDNAを回収した。得られたDN
Aを溶液[10 mM Tris-HCl(pH 8.0)、100mM NaCl、
7mM MgCl2 および10単位のBamHI(ニッポンジー
ン社)]30μl中で37℃、2時間消化後、0.8%
アガローゲル電気泳動にかけ、約1.8kbのDNA断
片をGeneclean で調製した。
【0059】一方、アルカリ溶菌法で調製したpRG−
UAS1−N7−TLY1−305プラスミドDNA
3μgを溶液[10mM Tris-HCl (pH 8.0)、100mM
NaCl、7mM MgCl2 および24単位のXhoI(宝酒造
社)]100μl中で37℃、2時間消化後、フェノー
ル/クロロホルム抽出およびエタノール沈殿により回収
した。得られたDNAを50μlの Klenow 緩衝液に溶
解し、4単位の Klenowfragmentを加え37℃、45分
間反応させることによりXhoI切断部分の平滑化を行
なった。この溶液について、フェノール/クロロホルム
抽出およびエタノール沈殿を行ないDNAを回収し、続
いてこのDNAを溶液[10 mM Tris-HCl(pH 8.0)、
100mM NaCl、7mM MgCl2 および10単位のBamHI
(ニッポンジーン社)]40μl中で37℃、2時間反
応させた。この溶液からエタノール沈殿により回収した
DNAを0.8%アガロースゲル電気泳動にかけ約8k
bのDNA断片をGeneclean により回収した。
【0060】以上のようにして得られたphPDILy
1由来の1.8kbのDNA断片約50ngおよびpRG
−UAS1−N7−TLY1−305由来の8kb D
NA断片約50ngをDNAライゲーションキット(宝酒
造社)A液30μl、B液6μlと混合し、16℃、1
時間反応させ両DNAを連結させた。得られたDNA溶
液10μlを用いて塩化カルシウム法[Mandel, M.とHi
ga, A. (1970) J. Mol. Biol. 53, 154 ]により大腸菌
HB101株を形質転換し、制限酵素解析により目的と
するプラスミド(pIVLEUGAPhPDILy1と命名)を保持する
形質転換体を選択した。
【0061】アルカリ溶菌法により調製した上記 pIVLE
UGAPhPDILy1 プラスミドDNA2μgを溶液[10mM
Tris-HCl (pH 8.0)、 60mM NaCl、7mM MgCl2 、10
単位のBamHI(ニッポンジーン社)および10単位
のHindIII (同社)]40μl中で37℃、2時間
反応後、0.8%アガロースゲル電気泳動にかけ約2.
5kbのDNA断片をGeneclean を用いて分離精製し
た。一方、アルカリ溶菌法により調製したpJDB−A
DH−HSA−AプラスミドDNA(特開平2−117384
号公報)2μgを上述の pIVLEUGAPhPDILy1 のDNAと
同様の条件で消化後、やはり0.8%アガロースゲル電
気泳動を行ないGeneclean により約8.5kbのDNA
断片を分離精製した。このようにして得られた両DNA
断片各々約50ngをDNAライゲーションキット(宝酒
造社)A液30μl、B液6μと混合し、16℃、1時
間反応させ両DNAを連結させた。得られたDNA溶液
10μlを用いて塩化カルシウム法により大腸菌JM1
09株を形質転換した。目的とするプラスミド(pGAPhP
DILy1 と命名)を保持する形質転換体を選択し以後の構
築に用いた。
【0062】(その2)酵母染色体ura3遺伝子座へ
ヒトPDI発現単位を組み込ませるためのベクターの構
築 上記プラスミドpGAPhPDILy1 を用いて以下の手順にした
がって、ヒトPDI発現単位の酵母染色体への組み込み
用ベクターを作製した。
【0063】プラスミドベクターpRS306(Sikors
kiと Hierter, 1989)をBamHIとXhoIで消化
し、0.7%アガロース電気泳動により4.3kbの断
片を分離しGeneclean を用いこれを調製した。ADH転
写ターミネーターカセットベクターpUC−ATE(特
開平2−117384号公報)をBamHIとSalIで切断
し、1%アガロース電気泳動にかけることにより約0.
4kbの断片を分離しGeneclean を用いこれを調製し
た。この断片と上記の約4.3kbの断片とをT4DN
Aリガーゼを用いて連結、環状化させ大腸菌XL1−B
lueを形質転換させることにより、プラスミドpRS
306−ATEを持つ形質転換体を得た。
【0064】次にHSA発現ベクターpRG−UAS1
−N7−TLY1−305をNotIとBamHIで切
断し、消化物を0.7%アガロース電気泳動することに
より、約4kbの断片を分離し、Geneclean を用いこれ
を調製した。この断片とpRS306−ATE由来の約
5kbのNotI/BamHI断片とをT4 DNAリ
ガーゼを用いて連結、環状化させ大腸菌XL1−Blu
eを形質転換させることにより、HSA発現ベクターp
RG−UAS1−N7−TLY1−306を持つ形質転
換体を得た。
【0065】アルカリ溶菌法により調製したHSAイン
テグレーションベクターpRG−UAS1−N7−TL
Y1−306のDNA 1μgを溶液[10mM Tris-
HCl(pH 8.0)、 60mM NaCl、7mM MgCl2 、5単位のB
amHI(ニッポンジーン社)および5単位のHind
III (同社)]30μl中で37℃、2時間反応後、
0.8%アガロースゲル電気泳動にかけ約8.5kbの
DNA断片をグラスパウダーを用いて分離精製した。一
方、アルカリ溶菌法により調製した上記pIVLEUGAPhPDIL
y1プラスミドDNA 2μgを溶液[10mM Tris-HC
l (pH 8.0)、60mM NaCl 、7mM MgCl2 、5単位のBa
mHI(ニッポンジーン社)および5単位のHindII
I (同社)]30μl中で37℃、2時間反応後、0.
8%アガロースゲル電気泳動にかけ約2.5kbのDN
A断片をGeneclean を用いて分離精製した。これら両D
NA断片約50ngずつをDNAライゲーションキット
(宝酒造社)A液30μl、B液6μlと混合し、16
℃、1.5時間反応させ両DNAを連結させた。得られ
た組換えプラスミド(pIVURAGAPhPDILy1と命名した)を
用いて大腸菌MV1190株を形質転換した。
【0066】(その3)HSA高分泌酵母SN35A株
のura3遺伝子座へのヒトPDI発現単位の導入 上記の組み込み用プラスミド pIVURAGAPhPDILy1 を用い
て、以下の手順に従いHSA高生産株SN35A株を形
質転換した。
【0067】アルカリ溶菌法により調製した pIVURAGAP
hPDILy1 のDNA 30μgを溶液[10mM Tris-HC
l (pH 8.0)、100mM NaCl、7mM MgCl2 および100単
位のEcoRV(宝酒造社)]400μl中で37℃一
晩消化した後、フェノール/クロロホルム抽出およびエ
タノール沈殿により回収し10μlのTE緩衝液に溶解
した。
【0068】HSA高分泌株SN35A株の単コロニー
を5mlのYPD培地に接種し30℃で一晩振盪培養し
た。この前培養液100μlを新たに10mlのYPD培
地に接種し30℃で振盪培養を行なった。OD600 が約
0.5に達したところで菌体を遠心分離によって回収し
た。得られた菌体を1mlの0.1M酢酸リチウム溶液で
洗浄し遠心分離により集め、50μlの0.1M酢酸リ
チウム溶液に再懸濁し30℃で1時間保温した。この菌
体70μlに上記のDNA溶液10μlを加え30℃で
30分間保温後、さらに500μlのPEG溶液を加え
混合し30℃で45分間保温した。次いで、42℃で5
分間加温し500μlの滅菌水を加えた後、遠心分離に
よって菌体を集めロイシン、ヒスチジン、アデニン、ウ
ラシルを含まないSD寒天培地(20μg/mlアルギニ
ン塩酸塩、20μg/mlメチオニン、20μg/mlトリ
プトファン、30μg/mlイソロイシン、30μg/ml
リジン塩酸塩、30μg/mlチロシン、50μg/mlフ
ェニルアラニン、100μg/mlアスパラギン酸、同グ
ルタミン酸、150μg/mlバリン、200μg/mlト
レオニン、375μg/mlセリン、0.67%バクトイース
トニトロゲンベース、2%ブドウ糖、1.5%寒天)に
まき30℃で培養した。培養後3日で形質転換体をプレ
ート上のコロニーとして得た。得られた形質転換体をS
N35A−1PUと命名した。
【0069】HSAおよびヒトPDI共発現酵母SN3
5A−1PU株染色体trp1部位へのERD2発現単
位の導入 上記のインテグレーションプラスミドpIVTRPAD
HYERD2を用いて、以下の手順にしたがってHSA
およびヒトPDI共発現株SN35A−1PUを形質転
換した。
【0070】SN35A−1PU株の単コロニーを5ml
のYPD培地に接種し30℃で一晩振盪培養した。この
前培養液 100μlをあらたに10mlのYPD培地に接種
し30℃で振盪培養を行なった。濁度(OD600 )が約
0.5に達したところで菌体を遠心分離によって回収し
た。得られた菌体を1mlの0.1M酢酸リチウム溶液
[0.1M酢酸リチウム、10mM Tris-HCl (pH 7.5)およ
び1mM EDTA]で洗浄した後遠心分離によって集め、50
μlの0.1M酢酸リチウム溶液に再懸濁し30℃で1
時間保温した。この菌体70μlに上記のERD2発現
単位インテグレーションベクターDNA(pIVTRP
ADHYERD2)30μgを加え30℃で30分間保
温した後、さらに500μlのPEG溶液[40%ポリ
エチレングリコール#4000、0.1M酢酸リチウム、10
mM Tris-HCl (pH 7.5)および1mM EDTA]を加え混合し3
0℃で45分間保温した。次いで、42℃で5分間加温
し500μlの滅菌水を加えた後、遠心分離によって菌
体を集めSD(−Leu、−His、−Ade、−Ur
a、−Trp)プレート[SD(−Leu、−His、
−Ade、−Ura、−Trp)培地{0.67%バクトニ
トロゲンベース、2%ブドウ糖、20μg/mlのアルギ
ニン塩酸塩、同メチオニン、30μg/mlのチロシン、
同イソロイシン、同リジン塩酸塩、50μg/mlのフェ
ニルアラニン、100μg/mlのアスパラギン酸、同グ
ルタミン酸、150μg/mlのバリン、200μg/ml
のトレオニンおよび375μg/mlのセリン(以上のア
ミノ酸は和光純薬社製)}および1.5%の寒天]にま
き30℃で培養してプレート上で得られた形質転換体を
SN35A−1PUAETと命名した。
【0071】ERD2の共発現のヒトPDI細胞内残留
に対する効果およびそれに伴うHSA発現分泌の増進 上記形質転換体についてヒトPDIの細胞内残留に対す
る効果およびそれに伴うHSAの発現分泌に対する効果
を以下の手順にしたがって調べた。
【0072】SDプレート上のSN35A−1PUAE
T株のコロニー6個を拾いそれぞれ5mlのSD(−Hi
s、−Leu、−Ade、−Ura、−Trp)培地に
植菌し、30℃で24時間前培養を行なった。得られた
前培養液100μlを5mlのYPD培地に接種し30℃
で培養した。本培養開始から24時間後、それぞれの培
養液200μlを採取し遠心分離にかけ、上清100μ
lをとり、これに等容のエタノールを加えた。氷上に3
時間静置後、遠心分離にかけて得られた沈殿を減圧乾燥
した後、それぞれ8μlのSDS−PAGEサンプル緩
衝液[62.5mMTris-HCl (pH 6.8) 、2%SDS、10%
グリセリン、0.72Mβ−メルカプトエタノールおよび
0.005%ブロモフェノールブルー]に溶かした。得られ
たサンプルを5分間煮沸後、4〜20%の濃度勾配SD
S−PAGE(第一化学社SDS−PAGEプレート4
/20を使用)にかけた。この際、HSAの定量用の標
準としてSigma 社HSA0.5μgを同時に泳動した。
泳動後のゲルを、染色液(0.15%クマシーブリリアント
ブルー、10%酢酸および40%メタノール)に浸し染
色後、脱色液(10%酢酸および40%メタノール)で
脱色することにより培地中の蛋白質を視覚化した。さら
に、本培養開始から48時間後、24時間培養と同様の
培地のサンプリングを行なった。但し、エタノール沈殿
に供した培地量は50μlとした。以上の実験におい
て、コントロールとしてSN35A−1PU株を用い、
培地のサンプリング等は上記と全く同様に行なった。各
株についてのHSA分泌量はデンシトメーター(IMAGE
ANALYSIS SYSTEM 、テフコ株式会社)で定量化した。そ
の結果、ERD2の共発現により、培地中のPDI量は
大幅に減少し、また、それに伴ってHSA分泌量は24
時間培養時で平均約26%、48時間培養時で同17%
増加した(図4、図5)。
【0073】
【発明の効果】本発明は、酵母ERD2遺伝子を用いる
ことにより、その大量発現系を構築し、また、この系を
ヒトPDIおよびヒト血清アルブミンの発現系に応用す
ることにより、PDIの分泌を抑え、且つ、PDIによ
る血清アルブミンの分泌増進効果を上げる手段を初めて
確立したものである。これにより、この方法は、真核細
胞における小胞体局在蛋白質の大量発現系と共役させる
ことにより、その小胞体残留の効率化の手段として用い
ることができ、さらにまた、この共役発現系を小胞体局
在蛋白質の基質となる有用ポリペプチドの生産系に導入
することにより、そのポリペプチドの生産効率を上げる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この図は、YERD2のXhoI−BamHI
制限断片の作製工程を示す。
【図2】この図は、発現プラスミド pIVTRPGAPYERD2 の
構築工程を示す。
【図3】この図は、発現プラスミド pIVTRPADHYERD2 の
構築工程を示す。
【図4】この図は、ヒトPDIおよびヒト血清アルブミ
ンの発現株SN35A−1PUとこれに酵母ERD2発
現系を導入した株SN35A−1PUAETとで発現分
泌されたヒトPDIおよびヒト血清アルブミンのSDS
電気泳動結果を示す写真である。ここでレーン1はSN
35A−1PUの培養液上清を、また、レーン2はSN
35A−1PUAETの培養液上清を示す。
【図5】この図は、SN35A−1PU株およびSN3
5A−1PUAET株におけるヒト血清アルブミンの発
現分泌量を、SDS電気泳動ゲルについてデンシトメー
ターで定量化して得られた結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 21/02 C 8214−4B //(C12N 15/31 C12R 1:865) (C12N 15/61 C12R 1:865) (C12P 21/02 C12R 1:865) (72)発明者 鈴木 正則 埼玉県入間郡大井町西鶴ケ岡一丁目3番1 号 東燃株式会社総合研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 小胞体残留シグナルをもつ小胞体局在蛋
    白質を受容することが可能な酵母由来受容体蛋白質ER
    D2又はその類似体をコードする遺伝子を含む発現単位
    と、前記小胞体残留シグナルをもつ小胞体局在蛋白質を
    コードする遺伝子を含む発現単位とを、共発現可能な状
    態で酵母染色体上に組み込んで得られる形質転換体。
  2. 【請求項2】 前記酵母由来受容体蛋白質ERD2又は
    その類似体をコードする遺伝子を含む発現単位が、発現
    プラスミド pIVTRPADHYERD2 である請求項1記載の形質
    転換体。
  3. 【請求項3】 前記小胞体残留シグナルをもつ小胞体局
    在蛋白質をコードする遺伝子が、プロテインジスルフィ
    ドイソメラーゼ遺伝子又は、プロテインジスルフィドイ
    ソメラーゼ遺伝子とヒト血清アルブミンプレプロ配列と
    の連結遺伝子である請求項1記載の形質転換体。
  4. 【請求項4】 小胞体残留シグナルをもつ小胞体局在蛋
    白質を受容することが可能な酵母由来受容体ERD2又
    はその類似体をコードする遺伝子を含む発現単位と、前
    記小胞体残留シグナルをもつ小胞体局在蛋白質をコード
    する遺伝子を含む発現単位と、前記小胞体局在蛋白質の
    機能の対象となる基質としてのポリペプチドをコードす
    る外来遺伝子を含む発現単位とを、共発現可能な状態で
    酵母染色体上に組み込んで得られる形質転換体。
  5. 【請求項5】 前記酵母由来受容体蛋白質ERD2又は
    その類似体をコードする遺伝子を含む発現単位が、発現
    プラスミド pIVTRPADHYERD2 である請求項4記載の形質
    転換体。
  6. 【請求項6】 前記小胞体残留シグナルをもつ小胞体局
    在蛋白質をコードする遺伝子が、プロテインジスルフィ
    ドイソメラーゼ遺伝子又は、プロテインジスルフィドイ
    ソメラーゼ遺伝子とヒト血清アルブミンプレプロ配列と
    の連結遺伝子である請求項4記載の形質転換体。
  7. 【請求項7】 前記ポリペプチドをコードする外来遺伝
    子が、ヒト血清アルブミンをコードする遺伝子である請
    求項4記載の形質転換体。
  8. 【請求項8】 前記形質転換体が酵母SN35A−1P
    UAET株である請求項4記載の形質転換体。
  9. 【請求項9】 請求項4〜8のいずれか一項に記載の形
    質転換体を適切な培地中で培養し共発現させて、小胞体
    残留シグナルをもつ小胞体局在蛋白質を受容することが
    可能な酵母由来受容体蛋白質ERD2又は類似体と、E
    RD2のリガンドとしての前記小胞体局在蛋白質とを小
    胞体内に残留させ、一方、前記小胞体局在蛋白質の機能
    の対象となる基質としてのポリペプチドを優先的に細胞
    外に分泌させること、並びに前記ポリペプチドを回収す
    ることを包含するポリペプチドの製造方法。
JP3311601A 1991-04-18 1991-10-30 酵母erd2遺伝子とそのリガンドとしての小胞体局在蛋白質をコードする遺伝子とを含む共発現系及びそれを利用する有用ポリペプチドの製造法 Pending JPH05317037A (ja)

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EP19920303492 EP0509841A3 (en) 1991-04-18 1992-04-16 Co-expression system of protein disulfide isomerase gene and useful polypeptide gene and process for producing the polypeptide using its system
US07/872,673 US5578466A (en) 1991-04-18 1992-04-17 Recombinant co-expression system of protein disulfide isomerase gene, yeast receptor protein ERD2 gene and a foreign product polypeptide gene, and a process for producing the foreign polypeptide using such system

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1984001646A1 (fr) * 1982-10-16 1984-04-26 Fanuc Ltd Dispositif d'entree et de sortie de donnees
JP2003088368A (ja) * 2001-09-18 2003-03-25 Toyota Motor Corp プレニルアルコールの製造方法
JP2008271976A (ja) * 1992-06-12 2008-11-13 Merck & Co Inc サッカロミセスセレビシアエによるジスルフィド結合をもつ組換えタンパク質の産生を増加させる方法
US8759046B2 (en) 2000-12-28 2014-06-24 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Process for producing prenyl alcohols

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