JPH05320276A - 両親媒性グラフトポリマーを用いて疎水性粉体をマイクロカプセル化する方法 - Google Patents

両親媒性グラフトポリマーを用いて疎水性粉体をマイクロカプセル化する方法

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JPH05320276A
JPH05320276A JP4127249A JP12724992A JPH05320276A JP H05320276 A JPH05320276 A JP H05320276A JP 4127249 A JP4127249 A JP 4127249A JP 12724992 A JP12724992 A JP 12724992A JP H05320276 A JPH05320276 A JP H05320276A
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dispersion
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hydrophobic powder
hydrophobic
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JP4127249A
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Hisaichi Muramoto
壽市 村本
Hidezumi Okada
英積 岡田
Koichi Saito
宏一 斉藤
Keizo Ishii
敬三 石井
Shinichi Ishikura
慎一 石倉
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 疎水性粉体100重量部と両親媒性グラフトポ
リマー1〜50重量部と皮膜形成用モノマーもしくはプレ
ポリマー5〜300重量部とを含有する疎水性粉体分散ペ
ーストを調製する工程;得られる疎水性粉体分散ペース
トを固形分濃度5〜50重量%となるように水性媒体中に
分散させる工程;および得られる分散体を加熱もしくは
光照射することにより分散粒子と水性媒体との界面に存
在する皮膜形成用モノマーもしくはプレポリマーを重合
させる工程;を包含する疎水性粉体をマイクロカプセル
化する方法。 【効果】 耐水性に優れるカプセル皮膜を有するために
塗料組成物に用いた場合でも塗膜の耐水性を損なわない
マイクロカプセル化疎水性粉体が得られる、疎水性粉体
をマイクロカプセル化する方法が提供された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、疎水性粉体をマイクロ
カプセル化する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】複合系高分子材料および塗料の分野にお
いては、材料および塗膜の物理的特性の向上や機能性の
付与を目的として、顔料などのような粉体状添加剤をポ
リマーを用いてマイクロカプセル化することが従来から
広く行なわれてきた。
【0003】例えば、防カビ剤または防汚剤のような塗
料添加剤をマイクロカプセル化することにより防カビ剤
または防汚剤に徐放機能が付与されるので、これらのカ
プセルを含有する機能性塗料の有効期間は著しく延長さ
れる。また、例えば、カプセル化された顔料は塗料中に
おける分散性が良好なので、塗料の貯蔵安定性のみなら
ず塗膜の光沢や物理的強度の向上にも大きく寄与する。
【0004】これまで粉体をマイクロカプセル化する技
術分野では、研究対象となる粉体は表面極性の高い(す
なわち表面親水性の高い)金属酸化物(例えば、TiO2およ
びSiO2)のような無機材料が主体を占めてきた。その理
由は、モノマー重合によるカプセル化を行なう際に、カ
プセル皮膜の形成を比較的容易かつ効率的に行うために
は、モノマーおよび開始剤を静電的な相互作用により粉
体の界面に吸着させる必要があるからである。このよう
な先行技術は、長井勝利著、「重合法による無機微粒子
のポリマーカプセル化」、高分子加工出版、第39巻、第1
1号、第17〜22頁、(1990年)に詳しく述べられている。
【0005】したがって、モノマーを吸着させるのに有
効な極性官能基を表面にあまり有しない疎水性の顔料ま
たは固体防汚剤をマイクロカプセル化するためには、こ
のような手法は不都合である。
【0006】例えば、特開平2-163174号公報および米国
特許4,766,051号公報では、疎水性の有機顔料をあらか
じめ疎水性の分散樹脂中に分散させた分散ペーストを調
製し、その後、得られる分散ペーストをカプセル皮膜を
形成するために必要なモノマーと共に水性媒体中に乳化
分散する技術が述べられている。
【0007】これらの技術で用いる分散樹脂は疎水性な
ので水分散性に乏しい。したがって、疎水性顔料を水性
媒体中に充分に均一に乳化分散させるためには、低分子
量の界面活性剤や強親水性樹脂(例えば、ポリビニルア
ルコール等)のような親水性分散安定剤をさらに添加す
る必要がある。このような低分子量の親水性成分または
強親水性樹脂を用いてマイクロカプセル化を行うと、強
い親水性を有するカプセル皮膜が形成される。強い親水
性のカプセル皮膜を有するマイクロカプセル化顔料を塗
料組成物に用いた場合には、塗膜の耐水性が損なわれる
等の欠点が生じる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の問
題を解決するものであり、その目的とするところは、耐
水性に優れるカプセル皮膜を有するために塗料組成物に
用いた場合でも塗膜の耐水性を損なわないマイクロカプ
セル化疎水性粉体が得られる、疎水性粉体をマイクロカ
プセル化する方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、疎水性粉体10
0重量部と; A)式 [式中、R1およびR2は水素原子またはメチル基であり、A
は炭素数2〜3のアルキレン基であり、Xは-COO-または
-CH2O-であり、Yは以下の式(i)、(ii)または(iii)
【0010】
【化2】
【0011】のいずれかで示す構造を有する結合基であ
り、kは0〜20の整数であり、lは0または1であり、m
は5〜30の整数であり、M+はプロトン、アンモニウムカ
チオンまたはアルカリ金属カチオンである。]で示す構
造を有する、親水性側鎖を有する繰り返し単位80〜30重
量%と、 B)式 -CH2-CR10Z- [式中、R10は水素原子またはメチル基であり、Zは式 -COOR11 -OCOR11、または -R11 [式中、R11は炭素数1〜25のアルキル、アリール、アル
ケニルもしくはアラルキル基である]で示す構造を有す
る基である。]で示す構造を有する、疎水性側鎖を有す
る繰り返し単位20〜70重量%と、C)その他のα,β-エチ
レン性不飽和モノマーの繰り返し単位0〜10重量%とを
有する、数平均分子量2,000〜200,000の範囲の両親媒性
グラフトポリマー1〜50重量部と;皮膜形成用モノマー
もしくはプレポリマー5〜300重量部と;を含有する疎
水性粉体分散ペーストを調製する工程; 得られる疎水性粉体分散ペーストを固形分濃度5〜50
重量%となるように水性媒体中に分散させる工程;およ
び 得られる分散体を加熱もしくは光照射することにより
分散粒子と水性媒体との界面に存在する皮膜形成用モノ
マーもしくはプレポリマーを重合させる工程;を包含す
る疎水性粉体をマイクロカプセル化する方法を提供する
ものであり、そのことにより、上記目的が達成される。
【0012】本発明の製造方法によって得られるマイク
ロカプセル径は、芯物質である疎水性粉体径およびそれ
を被覆するのに用いるポリマー量によって種々異なる
が、概して平均粒径0.05〜20μmの範囲である。
【0013】本発明に用いる疎水性粉体には、塗料組成
物に含有させうる全ての疎水性かつ難溶性粉体が挙げら
れる。これらには、例えば、無機および有機顔料、また
は塗膜に種々の機能を付与する防汚剤および防カビ剤の
ような添加剤が挙げられる。具体的には、カーボンブラ
ックおよびクロムイエロー(黄鉛)のような無機顔料、フ
タロシアニン金属塩(フタロシアニンブルーなど)、不溶
性アゾ顔料(ファストエローなど)、染色レーキ(ファナ
ールレーキーなど)、イソインドリノン、ペリノン、ペ
リレン、キナクリドンおよびジオキサジンバイオレット
等のような有機顔料、2-ピリジンチオール-1-オキサイ
ドの金属塩(Zn、Mg、Cu、Fe、Hg、AgおよびPb等の金属
塩)、2-メチルチオ-4-t-ブチルアミノ-6-シクロプロピ
ルアミノ-S-トリアジン、2,4,5,6-テトラクロロイソフ
タロニトリル、N,N-ジメチルジクロロフェニル尿素、4,
5-ジクロロ-2-n-オクチル-3(2H)イソチアゾロン、N-(フ
ルオロジクロロメチルチオ)フタルイミド、N,N'-ジメチ
ル-N'-フェニル-(N-フルオロジクロロメチルチオ)スル
ファミド、2-ピリジンチオール-1-オキシド亜鉛塩のよ
うな有機固体防汚剤が挙げられる。
【0014】ノニオン性およびアニオン性の親水性を示
す本発明に用いる両親媒性グラフトポリマーは、親水性
部分を有するエチレン性不飽和モノマー(a)と疎水性部
分を有するエチレン性不飽和モノマー(b)と必要に応じ
てその他のエチレン性不飽和モノマー(c)とをラジカル
重合することにより調製される。
【0015】(a)両親媒性グラフトポリマーを調製する
ために用いる親水性部分有するエチレン性不飽和モノマ
ーは、式 [式中、R1、R2、A、X、Y、k、l、mおよびM+は上記と同
意義である。]で示す構造を有する化合物である。
【0016】こようなモノマーは市販されている。
【0017】例えば、式
【0018】
【化3】
【0019】[式中、Rは水素原子または炭素数1〜25の
アルキル基であり、R'は炭素数1〜25のアルキル基、ベ
ンジル基またはスチリル基であり、M+はNH4 +またはNa+
である。]で示す構造を有するモノマーは、日本乳化剤
社より「RA-1022」(M=NH4 +)、または「RA-1024」(M=Na+)の
商品名で市販されている。
【0020】また、式
【0021】
【化4】
【0022】[式中、xは約10または約30である。]で示
す構造を有するモノマーは旭電化工業社より「アデカリ
アソープSE-10N」(x=10)、または「アデカリアソープSE-3
0N」(x=30)の商品名で市販されている。
【0023】また、式
【0024】
【化5】
【0025】で示す構造を有するモノマーは第一工業製
薬社より「アクアロンHS-10」の商品名で市販されてい
る。
【0026】(b)両親媒性グラフトポリマーを調製する
ために用いる疎水性部分を有するエチレン性不飽和モノ
マーは、式 CH2=CR10Z [式中、R10およびZは上記と同意義である。]で示す構造
を有するモノマーである。
【0027】このようなモノマーの具体例としては、メ
チル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)ア
クリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル
(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、
n-ヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリ
レート、ステアリル(メタ)アクリレート、スチレン、ビ
ニルトルエン、t-ブチルスチレンおよびビニルナフタレ
ン等が挙げられる。
【0028】(c)両親媒性グラフトポリマーを調製する
ために必要に応じて用いるその他のエチレン性不飽和モ
ノマーは上記のエチレン性不飽和モノマー(a)および(b)
と共重合可能なモノマーであれば特に限定されないが、
親水性官能基を有するモノマーであることが好ましい。
具体的には、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン
酸、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミ
ド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、アクリロニト
リル、(メタ)アクリロキシエチルホスフェート、ジメチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプ
ロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル-N-メタク
リロキシ-N-(3-スルホプロピル)-アンモニウムベタイ
ン、1-(3-スルホプロピル)-2-ビニル-ピリジニウム-ベ
タイン、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン
酸、グリシジルメタアクリレート、酢酸ビニルおよびジ
アセトンアクリルアミド等が挙げられる。
【0029】モノマー(a)と(b)と(c)とは、(a)+(b)+(c)
=100重量%とした場合に、好ましくは80〜30/20〜70/0
〜10重量%、さらに好ましくは70〜40/30〜60/0〜5重
量%の割合で共重合させる。共重合させる割合が上記の
範囲を逸脱すると重合後のポリマーの両親媒性が乏しく
なり、本発明の目的に合わなくなる。重合法には溶液重
合のような通常のラジカル重合反応を用いることができ
る。分子量は、2,000〜200,000の範囲となるように調節
することが好ましい。
【0030】例えば、モノマー(a)、(b)および必要に応
じて(c)の混合液を、ラジカル重合開始剤と共に反応に
適する温度(20〜200℃、好ましくは60〜150℃)に加熱し
た媒体中に滴下することにより本発明に用いる両親媒性
グラフトポリマーが得られる。このような方法は当該技
術分野で周知である。
【0031】上記のような親水性部分を有するエチレン
性不飽和モノマー(a)と疎水性部分を有するエチレン性
不飽和モノマー(b)とを共重合させることにより、得ら
れるポリマーに両親媒性が付与される。本発明で用いる
両親媒性ポリマーは親水性部分を主鎖に、疎水性部分を
側鎖として有する。したがって、水中において疎水性粉
体表面に強く吸着する主鎖、および粉体表面よりバルク
水相へ向けて溶媒和可能な側鎖を同一分子中に有するこ
ととなるので、疎水性粉体の水性媒体中への分散化が容
易になる。また、このポリマーは親水性側鎖の末端にス
ルホン酸塩を有する。スルホン酸およびその塩は水中で
は強電解質なので、両親媒性ポリマーの側鎖末端にこの
ような基を位置させることで粉体表層に強い負電荷が付
与される。そのことにより粒子間に電荷反発力の効果が
生じ、凝集防止に著しい効果が生じる。その結果、この
ポリマーを用いると疎水性粉体は水性媒体中に良好に分
散される。
【0032】本発明では、疎水性粉体分散樹脂の代わり
に上記の両親媒性グラフトポリマーを用いること、そし
て低分子量の界面活性剤や強親水性樹脂(例えば、ポリ
ビニルアルコール等)のような親水性分散安定剤を用い
ないこと以外は従来法と実質的に同様にしてマイクロカ
プセル化を行う。まず、カプセル皮膜形成モノマーを疎
水性粉体(芯物質)および両親媒性グラフトポリマーと共
に混合することにより疎水性粉体分散ペーストを調製す
る。その際に、疎水性粉体100重量部に対して、両親媒
性グラフトポリマー1〜50重量部、好ましくは3〜30重
量部、カプセル皮膜形成モノマーもしくはプレポリマー
5〜300重量部、好ましくは10〜100重量部、および油溶
性開始剤(例えば、ラウリルパーオキシド)もしくは重合
触媒を適量添加する。
【0033】ついで、得られるペーストを水性媒体中に
分散させる。その際に、水性媒体を固形分濃度5〜50%
になる様に疎水性粉体分散ペーストを分散させることが
好ましい。分散に際しては通常の分散機、乳化機を粒度
調整など目的に応じて使用することができる。
【0034】カプセル皮膜形成法は、芯となる物質(こ
こでは疎水性粉体)の特性や合成カプセルの使用法に合
わせて随意に選択できる。本発明で用いるのに特に好ま
しいカプセル皮膜形成法は界面重合法およびin-Situ重
合法である。
【0035】マイクロカプセル化を界面重合法で行う場
合は、まず、カプセル皮膜形成モノマーを疎水性粉体お
よび両親媒性グラフトポリマーと共に混合することによ
り疎水性粉体分散ペーストを調製する。ついで、得られ
るペーストを水性媒体中に分散させた後に、ポリアミン
またはポリオールのような親水性の架橋剤を滴下する。
そして、重合温度(一般に20〜90℃)に加熱することによ
りカプセル皮膜を形成させる。
【0036】界面重合法で用いるのに好ましいカプセル
皮膜形成モノマーには、テトラメチレンジイソシアネー
ト、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレン
ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェ
ニルメタン-4,4'-ジイソシアネート、ポリメチレンポリ
フェニルイソシアネートおよびイソホロンジイソシアネ
ートのようなポリイソシアネート、およびセバシン酸ク
ロリド、アゼライン酸クロリド、アジピン酸クロリド、
テレフタル酸クロリドおよびコハク酸クロリドのような
多塩基酸の塩化物が挙げられる。
【0037】カプセル皮膜形成モノマーとしてポリイソ
シアネートを用いる場合は、水溶性架橋剤にはエチレン
ジアミン、プロピレン-1,3-ジアミン、テトラメチレン
ジアミン、ペンタメチレンジアミン、ジエチレントリア
ミン、1,6-ヘキサメチレンジアミン、1,5-ジアミノナフ
タレン、1,3,5-トリアミノベンゼンのようなポリアミ
ン、またはエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、グリセリン、ジエチレングリコール、ジプロピレン
グリコール、1,3-ブチレングリコール、1,6-ヘキサンジ
オール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコ
ール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリトリット、ジペンタエリトリットのよう
なポリオールを用いうる。水溶性架橋剤としてポリアミ
ンを用いる場合はポリウレア樹脂のカプセル皮膜が得ら
れ、水溶性架橋剤としてポリオールを用いる場合はポリ
ウレタン樹脂のカプセル皮膜が得られる。
【0038】カプセル皮膜形成モノマーとして酸クロリ
ドを用いる場合は、水溶性架橋剤には上記ポリアミンを
用いうる。この場合はナイロン(ポリアミド樹脂)のカプ
セル皮膜が得られる。この場合に、反応温度条件として
は20〜70℃が特に好適である。
【0039】マイクロカプセル化をin-Situ重合法で行
う場合は、まず、カプセル皮膜形成モノマーを疎水性粉
体、両親媒性グラフトポリマーおよび必要に応じて用い
る油溶性重合開始剤と共に混合することにより疎水性粉
体分散ペーストを調製する。ついで、得られるペースト
を、必要に応じて水溶性重合開始剤を含有する水性媒体
中に分散させる。そして、重合温度(一般に40〜90℃)に
加熱、または紫外線照射することによりカプセル皮膜を
形成させる。水溶性重合開始剤を用いる場合はディスパ
ーション形成後、反応温度にて開始剤水溶液を滴下する
方法が好ましい。また、この際に、カプセル化効率を向
上させるため、反応前にc.m.c.(臨界ミセル濃度)以下の
濃度条件で少量の界面活性剤を添加するなど公知の手法
を適宜利用しうる。
【0040】in-Situ重合法で用いるのに好ましいカプ
セル皮膜形成モノマーには以下に示すα,β-エチレン性
不飽和化合物が挙げられる。
【0041】(I)分子内に1個のα,β-エチレン性不飽
和結合を有するもの:
【0042】1)カルボキシル基含有単量体 例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタ
コン酸、マレイン酸、フマル酸等;
【0043】2)ヒドロキシル基含有単量体 例えば、2-ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシ
プロピルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレ
ート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシ
ブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレー
ト、アリルアルコール、メタアリルアルコール等;
【0044】3)含窒素アルキルアクリレートもしくは
メタクリレート 例えば、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチル
アミノエチルメタクリレート等;
【0045】4)重合性アミド 例えば、アクリル酸アミド、メタクリル酸アミド等;
【0046】5)重合性ニトリル 例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等;
【0047】6)アルキルアクリレートもしくはメタク
リレート 例えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、
エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n-ブチル
アクリレート、n-ブチルメタクリレート、2-エチルヘキ
シルアクリレート等;
【0048】7)重合性芳香族化合物 例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエ
ン、t-ブチルスチレン等;
【0049】8)α-オレフィン 例えば、エチレン、プロピレン等;
【0050】9)ビニル化合物 例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等;
【0051】(II)分子内に2個以上のα,β-エチレン性
不飽和結合を有するもの:
【0052】10)ジエン化合物 例えば、ブタジエン、イソプレン等;
【0053】11)多価アルコールの重合性不飽和モノカ
ルボン酸エステル、多塩基酸の重合性不飽和アルコール
エステルまたは2個以上のビニル基で置換された芳香族
化合物 例えば、エチレングリコールジアクリレート、エチレン
グリコールジメタクリレート、トリエチレングリコール
ジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタク
リレート、1,3-ブチレングリコールジメタクリレート、
トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロ
ールプロパントリメタクリレート、1,4-ブタンジオール
ジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリ
スリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリ
アクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレー
ト、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエ
リスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトー
ルテトラメタクリレート、グリセロールジメタクリレー
ト、グリセロールジアクリレート、グリセロールアリロ
キシジメタクリレート、1,1,1-トリスヒドロキシメチル
エタンジアクリレート、1,1,1-トリスヒドロキシメチル
エタントリアクリレート、1,1,1-トリスヒドロキシメチ
ルエタンジメタクリレート、1,1,1-トリスヒドロキシメ
チルエタントリメタクリレート、1,1,1-トリスヒドロキ
シメチルプロパンジアクリレート、1,1,1-トリスヒドロ
キシメチルプロパントリアクリレート、1,1,1-トリスヒ
ドロキシメチルプロパンジメタクリレート、1,1,1-トリ
スヒドロキシメチルプロパントリメタクリレート、トリ
アリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ト
リアリルトリメリテート、ジアリルテレフタレート、ジ
アリルフタレート、ジビニルベンゼン等;およびこれら
の組み合わせが挙げられる。
【0054】好ましい重合開始剤としては、例えば、過
酸化ベンゾイル、t-ブチル-1-オキシド、ラウロイルパ
ーオキシドおよびクメンヒドロパーオキシドのような有
機過酸化物;アゾビスシアノ吉草酸、アゾビスイソブチ
ロニトリル、アゾビス(2,4-ジメチル)バレロニトリルお
よびアゾビス(2-アミジノプロパン)ヒドロクロリドのよ
うな有機アゾ化合物;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニ
ウム、過硫酸ナトリウムおよび過酸化水素のような無機
水溶性ラジカル開始剤;レドックス系開始剤などが挙げ
られる。
【0055】本発明に用いうる他のカプセル皮膜形成法
には、ポリイソシアネートの一部加水分解(一部アミン
化)反応に基づくポリウレア形成法が挙げられる。ま
ず、上述のポリイソシアネート群から選ばれる少なくと
も一種のポリイソシアネートを疎水性粉体および両親媒
性グラフトポリマーと共に混合することにより疎水性粉
体分散ペーストを調製する。ついで、得られるペースト
を水性媒体中に分散させた後に、50〜90℃に加熱してイ
ソシアネート基の一部を水により加水分解する。そのこ
とにより重合反応が進行し、ポリウレアのカプセル皮膜
が形成される。
【0056】また、メラミンホルムアルデヒドプレポリ
マーの自己縮合反応を用いてカプセル皮膜を形成させる
こともできる。この場合はカプセル皮膜形成モノマーに
メラミンホルムアルデヒドプレポリマー(メチロール基
の一部がアルコールによりエーテル化されているプレポ
リマーで代表的なものに部分的ブチル化メラミン樹脂が
ある)を用いる。まず、部分的にブチル化されたメラミ
ン樹脂(50〜90%のメチロール基がブチルアルコールに
よりエーテル化されているものが好ましい。)を疎水性
粉体および両親媒性グラフトポリマーと共に混合するこ
とにより疎水性粉体分散ペーストを調製する。次いで、
得られるペーストを水性媒体中に分散させた後に、クエ
ン酸のような弱酸を添加することによりpHを弱酸性域(p
H3〜6が好ましい)に調節する。そして、好ましくは40
〜70℃の温度範囲に加熱することでメチロール基間の自
己縮合反応に基づくメラミンホルムアルデヒド樹脂のカ
プセル皮膜が形成される。
【0057】粉体のカプセル化にあたり、上述の両親媒
性グラフト高分子を用いると、疎水性粉体への吸着性と
水媒体への分散性の両方の性能が十分に発揮される。そ
の結果、カプセル形成時の安定性および樹脂被覆性が向
上する。また、疎水性粉体分散ペーストを水性媒体中に
分散させる際に親水性分散安定剤を添加する必要がない
ので、耐水性に優れるカプセル皮膜が形成される。
【0058】
【実施例】以下の実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。しかしながら、本発明はこれらに限定されな
い。特に断らない限り、配合量を示す「部」は重量基準で
ある。
【0059】
【調製例1】両親媒性グラフトポリマー(1)の調製 撹拌機、還流冷却器、窒素導入管および温度計を装着し
た1L容量の四つ口フラスコに溶媒としてエチレングリ
コールモノブチルエーテル105部を仕込んだ。反応に適
する温度(125℃)まで加熱した後、RA-1022(日本乳化剤
製のノニオンアニオン性マクロモノマー)222部およびス
チレンモノマー200部を、別途調製した開始剤カヤエス
テル0(化薬アクゾ製のt-ブチルパーオクトエート)のエ
チレングリコールモノブチルエーテル溶液(5.2部のカヤ
エステル0と262部のエチレングリコールモノブチルエー
テルとを配合)と共に3時間かけて滴下、撹拌しながら
ラジカル重合反応を行なった。上記のモノマーおよび開
始剤溶液の滴下終了後、反応を完遂するために0.8部の
開始剤カヤエステル0を添加し、さらに130℃で1時間撹
拌を続けた。
【0060】得られた樹脂溶液は固形分濃度50%、ポリ
マーの数平均分子量はGPC測定により4,300であった。
【0061】
【調製例2】両親媒性グラフトポリマー(2)の調製 撹拌機、還流冷却器、窒素導入管および温度計を装着し
た1L容量の四つ口フラスコに溶媒としてエチレングリ
コールモノブチルエーテル111部を仕込んだ。反応に適
する温度(125℃)まで加熱した後、RA-1024(日本乳化剤
製のノニオンアニオン性マクロモノマー)267部およびス
チレンモノマー160部を、別途調製した開始剤カヤエス
テル0のエチレングリコールモノブチルエーテル溶液(6
部のカヤエステル0と252部のエチレングリコールモノブ
チルエーテルとを配合)と共に3時間かけて滴下、撹拌
しながらラジカル重合反応を行なった。上記のモノマー
および開始剤溶液の滴下終了後、反応を完遂するために
0.8部の開始剤カヤエステル0を添加し、さらに130℃で
1時間撹拌を続けた。
【0062】得られた樹脂溶液は固形分濃度50%、ポリ
マーの数平均分子量はGPC測定により4,000であった。
【0063】
【調製例3】両親媒性グラフトポリマー(3)の調製 撹拌機、還流冷却器、窒素導入管および温度計を装着し
た1L容量の四つ口フラスコに溶媒としてN,N-ジメチル
ホルムアミド135部を仕込んだ。反応に適する温度(125
℃)まで加熱した後、133部のRA-1022、TBAS(日東化学製
のt-ブチルアクリルアミドスルホン酸)のN,N-ジメチル
エタノールアミン中和物5部およびスチレン260部を、
別途調製した開始剤カヤエステル0のN,N-ジメチルホル
ムアミド溶液(4.2部のカヤエステル0と262部のN,N-ジメ
チルホルムアミドとを配合)と共に3時間かけて滴下、
撹拌しながらラジカル重合反応を行なった。上記のモノ
マーおよび開始剤溶液の滴下終了後、反応を完遂するた
めに0.8部の開始剤カヤエステル0を添加し、さらに130
℃で1時間撹拌を続けた。
【0064】得られた樹脂溶液は固形分濃度50%、ポリ
マーの数平均分子量はGPC測定7,000であった。
【0065】
【調製例4】両親媒性グラフトポリマー(4)の調製 撹拌機、還流冷却器、窒素導入管および温度計を装着し
た1L容量の四つ口フラスコに溶媒としてN,N-ジメチル
ホルムアミド135部を仕込んだ。反応に適する温度(125
℃)まで加熱した後、アクアロンHS-10(第一工業製薬製
のノニオンアニオン性マクロモノマー)320部およびスチ
レンモノマー80部を、別途調製した開始剤カヤエステル
0のN,N-ジメチルホルムアミド溶液(2部のカヤエステル
0と260部のN,N-ジメチルホルムアミドとを配合)と共に
3時間かけて滴下、撹拌しながらラジカル重合反応を行
なった。上記のモノマーおよび開始剤溶液の滴下終了
後、反応を完遂するために0.8部の開始剤カヤエステル0
を添加し、さらに130℃で1時間撹拌を続けた。
【0066】得られた樹脂溶液は固形分濃度50%、ポリ
マーの数平均分子量はGPC測定10,000であった。
【0067】
【調製例5】両親媒性グラフトポリマー(5)の調製 撹拌機、還流冷却器、窒素導入管および温度計を装着し
た1L容量の四つ口フラスコに溶媒としてキシレン135部
を仕込んだ。反応に適する温度(125℃)まで加熱した
後、アデカリアソープSE-30N(旭電化工業製のノニオン
アニオン性マクロモノマー)120部およびスチレンモノマ
ー280部を、別途調製した開始剤カヤエステル0のキシレ
ン溶液(2部のカヤエステル0と262部のキシレンとを配
合)と共に3時間かけて滴下、撹拌しながらラジカル重
合反応を行なった。上記のモノマーおよび開始剤溶液の
滴下終了後、反応を完遂するために0.8部の開始剤カヤ
エステル0を添加し、さらに130℃で1時間撹拌を続け
た。
【0068】得られた樹脂溶液は固形分濃度50%、ポリ
マーの数平均分子量はGPC測定8,000であった。
【0069】
【参考例1】撹拌機、還流冷却器、窒素導入管および温
度計を装着した1L容量の四つ口フラスコに溶媒として
エチレングリコールモノブチルエーテル105部を仕込ん
だ。反応に適する温度(125℃)まで加熱した後、RA-951
(日本乳化剤製のノニオン性マクロモノマー;以下に構
造式を示す)222部およびスチレンモノマー200部を、別
途調製した開始剤カヤエステル0のエチレングリコール
モノブチルエーテル溶液(5.2部のカヤエステル0と262部
のエチレングリコールモノブチルエーテルとを配合)と
共に3時間かけて滴下、撹拌しながらラジカル重合反応
を行なった。上記のモノマーおよび開始剤溶液の滴下終
了後、反応を完遂するために0.8部の開始剤カヤエステ
ル0を添加し、さらに130℃で1時間撹拌を続けた。
【0070】得られた樹脂溶液は固形分濃度50%、ポリ
マーの数平均分子量はGPC測定4,300であった。
【0071】
【化6】
【0072】
【実施例1】疎水性粉体分散ペースト調製工程:両親媒
性グラフトポリマー(1)(調製例1)の樹脂溶液14部(樹
脂固形分7部)、粉末状防汚剤2-ピリジンチオール-1-オ
キサイド70部およびエチレングリコールモノブチルエー
テル70部を混合し、さらに適量のガラスビーズを加えた
上で卓上型SGミルで料分散(20℃、1時間)した。分散終
了後、グラインドゲージを用いて目視で最大5ミクロン
以上の未分散物の無いことを確認した後、ガラスビーズ
を濾別して分散ペーストを得た。
【0073】水性媒体への分散工程:分散ペースト110部
に対し、スチレンモノマー18部、DVB-810(新日鉄化学製
のジビニルベンゼン)8部および開始剤ラウロックスLP
(化薬アクゾ製のラウロイルパーオキシド)をターンテー
ブル式アジテーター・ペンサーPS-501(阪和化工機製)を
用いて混練した後、イオン交換水660部を加えながら卓
上型TKラボミキサー(特殊機化製)を用いて乳化分散し
た。乳化分散に際しては凝集物を形成することがなく、
安定な分散体の調製が可能であった。調製分散体の静置
状態における分散状態保持時間は15時間(粉体の沈降が
認められるまでの経過時間を測定)に達した。
【0074】反応工程:分散体を撹拌機、還流冷却器お
よび温度計を装着した2L容量の四つ口フラスコに移
し、85℃まで昇温した後、2時間反応させることにより
目的のマイクロカプセル分散体を得た。
【0075】反応中の分散安定性は良く、重合時の凝集
物は仕込み固形分の3%未満であった。また、調製後の
カプセルを光学顕微鏡および電子顕微鏡で観察すること
で、樹脂による粉体表面被覆が十分行われていることを
確認した。顕微鏡観察による平均粒径は1.2ミクロンで
あった。
【0076】
【実施例2】疎水性粉体分散ペースト調製工程:両親媒
性グラフトポリマー(2)(調製例2)の樹脂溶液14部(樹
脂固形分7部)、無機顔料カーボンブラック70部および
N,N-ジメチルホルムアミド70部を混合し、さらに適量の
ガラスビーズを加えた上で卓上型SGミルで分散(20℃、
1時間)した。分散終了後、グラインドゲージを用いて
目視で最大ミクロン以上の未分散物の無いことを確認し
た後、ガラスビーズを濾別した分散ペーストを得た。
【0077】水性媒体への分散工程:分散ペースト110部
に対し、メラミンホルムアルデヒドプレポリマーとして
スーパーベッカミンL-117-60(大日本インキ化学製のブ
チル化メラミン樹脂)20部をターンテーブル式アジテー
ター・ペンサーPS-501(阪和化工機製)を用いて混練した
後、イオン交換水660部を加えながら卓上型TKラボミキ
サー(特殊機化製)を用いて乳化分散した。乳化分散に際
しては凝集物を形成することがなく、安定な分散体の調
製が可能であった。
【0078】反応工程:分散体を撹拌機、還流冷却器お
よび温度計を装着した2L容量の四つ口フラスコに移
し、10%クエン酸水溶液でpH3.0に調整した後、40℃で
3時間反応させることにより目的のマイクロカプセル分
散体を得た。
【0079】反応中の分散安定性は良く、重合時の凝集
物は仕込み固形分の3%未満であった。また、調製後の
カプセルを光学顕微鏡および電子顕微鏡で観察すること
で、樹脂により粉体表面被覆が十分行われていることを
確認した。顕微鏡観察による平均粒径は0.3ミクロンで
あった。
【0080】
【実施例3】疎水性粉体分散ペースト調製工程:両親媒
性グラフトポリマー(3)(調製例3)の樹脂溶液20部(樹
脂固形物10部)、有機顔料フタロシアニン・ブルー70部
およびN,N-ジメチルホルムアミド60部を混合し、さらに
適量のガラスビーズを加えた上で卓上型SGミルで分散(2
0℃、1時間)した。分散終了後、グラインドゲージを用
いて目視で最大5ミクロン以上の未分散物の無いことを
確認した後、ガラスビーズを濾別して分散ペーストを得
た。
【0081】水性媒体への分散工程:分散ペースト110部
に対し、ポリイソシアネートとしてミリオネートMR-200
(日本ポリウレタン製)10部をターンテーブル式アジテー
ター・ペンサーPS-501(阪和化工機製)を用いて混練した
後、イオン交換水500部を加えながら卓上型TKラボミキ
サー(特殊機化製)を用いて乳化分散した。乳化分散に際
しては凝集物を形成することがなく、安定な分散体の調
製が可能であった。調製分散体の静置状態における分散
状態保持時間は20時間(粉体の沈降が認められるまでの
経過時間を測定)に達した。
【0082】反応工程:分散体を撹拌機、還流冷却器お
よび温度計を装着した2L容量の四つ口フラスコに移
し、10%ジエチレントリアミン水溶液40部を加えて40℃
で3時間界面重合させることにより目的のマイクロカプ
セル分散体を得た。
【0083】反応中の分散安定性は良く、重合時の凝集
物は仕込み固形分の3%未満であった。また、調製後の
カプセルを光学顕微鏡および電子顕微鏡で観察すること
で、樹脂による粉体表面被覆が十分行われていることを
確認した。顕微鏡観察による平均粒径は1.8ミクロンで
あった。
【0084】
【実施例4】疎水性粉体分散ペースト調製工程:両親媒
性グラフトポリマー(4)(調製例4)の樹脂溶液14部(樹
脂固形分7部)、粉体状防汚剤2-ピリジンチオール-1-オ
キサイド70部およびN,N-ジメチルホルムアミド70部を混
合し、さらに適量のガラスビーズを加えた上で卓上型SG
ミルで分散(20℃、1時間)した。分散終了後、グライン
ドゲージを用いて目視で最大5ミクロン以上の未分散物
の無いことを確認した後、ガラスビーズを濾別して分散
ペーストを得た。
【0085】水性媒体への分散工程:分散ペースト110部
に対し、セバシン酸クロリド15部をターンテーブル式ア
ジテーター・ペンサーPS-501(阪和化工機製)を用いて混
練した後、イオン交換水600部を加えながら卓上型TKラ
ボミキサー(特殊機化製)を用いて乳化分散した。乳化分
散に際しては凝集物を形成することなく、安定な分散体
の調製が可能であった。
【0086】反応工程:分散体を撹拌機、還流冷却器お
よび温度計を装着した2L容量の四つ口フラスコに移
し、40℃まで昇温した後、1,6-ヘキサメチレンジアミン
10部を0.5時間かけて滴下し、さらに2時間界面重合反
応させることにより目的のマイクロカプセル分散体を得
た。
【0087】反応中の分散安定性は良く、重合時の凝集
物は仕込み固形分の3%未満であった。また、調製後の
カプセルを光学顕微鏡および電子顕微鏡で観察すること
で、樹脂による粉体表面被覆が十分行われていることを
確認した。顕微鏡観察による平均粒径は1.3ミクロンで
あった。
【0088】
【実施例5】疎水性粉体分散ペースト調製工程:両親媒
性グラフトポリマー(5)(調製例5)の樹脂溶液20部(樹
脂固形分10部)、有機顔料ファストエローG70部およびキ
シレン70部を混合し、さらに適量のガラスビーズを加え
た上で卓上型SGミルで分散(20℃、1時間)した。分散終
了後、グラインドゲージを用いて目視で最大5ミクロン
以上の未分散物の無いことを確認した後、ガラスビーズ
を濾別して分散ペーストを得た。
【0089】水性媒体への分散工程:分散ペースト110部
に対し、ポリイソシアネートとしてトルエンジイソシア
ネート18部をターンテーブル式アジテーター・ペンサー
PS-501(阪和化工機製)を用いて混練した後、イオン交換
水500部を加えながら卓上型TKラボミキサー(特殊機化
製)を用いて乳化分散した。乳化分散に際しては凝集物
を形成することがなく、安定な分散体の調製が可能であ
った。
【0090】反応工程:分散体を撹拌機、還流冷却器お
よび温度計を装着した2L容量の四つ口フラスコに移
し、70℃で5時間界面重合させることにより目的のマイ
クロカプセル分散体を得た。
【0091】反応中の分散安定性は良く、重合時の凝集
物は仕込み固形分の3%未満であった。また、調製後の
カプセルを光学顕微鏡および電子顕微鏡で観察すること
で、樹脂による粉体表面被覆が十分行われていることを
確認した。顕微鏡観察による平均粒径は2.1ミクロンで
あった。
【0092】
【実施例6】疎水性粉体分散ペースト調製工程:両親媒
性グラフトポリマー(5)(調製例5)の樹脂溶液20部(樹
脂固形分10部)、有機顔料フタロシアニン・ブルー70部
およびキシレン60部を混合し、さらに適量のガラスビー
ズを加えた上で卓上型SGミルで分散(20℃、1時間)し
た。分散終了後、グラインドゲージを用いて目視で最大
5ミクロン以上の未分散物の無いことを確認した後、ガ
ラスビーズを濾別して分散ペーストを得た。
【0093】水性媒体への分散工程:分散ペースト110部
に対し、ポリイソシアネートとしてヘキサメチレンジイ
ソシアネート10部をターンテーブル式アジテーター・ペ
ンサーPS-501(阪和化工機製)を用いて混練した後、イオ
ン交換水500部を加えながら卓上型TKラボミキサー(特殊
機化製)を用いて乳化分散した。乳化分散に際しては凝
集物を形成することがなく、安定な分散体の調製が可能
であった。
【0094】反応工程:分散体を撹拌機、還流冷却器お
よび温度計を装着した2L容量の四つ口フラスコに移
し、10%ジエチレングリコール10部を加えて40℃で3時
間界面重合させることにより目的のマイクロカプセル分
散体を得た。
【0095】反応中の分散安定性は良く、重合時の凝集
物は仕込み固形分の3%未満であった。また、調製後の
カプセルを光学顕微鏡および電子顕微鏡で観察すること
で、樹脂による粉体表面被覆が十分行われていることを
確認した。顕微鏡観察による平均粒径は2.0ミクロンで
あった。
【0096】
【比較例1】粉体分散樹脂と乳化分散剤と併用する従来
法 疎水性粉体分散ペースト調製工程:タマノール350(荒川
化学製のロジン変性フェノール樹脂)10部、有機顔料フ
タロシアニン・ブルー70部およびキシレン60部を混合
し、さらに適量のガラスビーズを加えた上で卓上型SGミ
ルで分散(20℃、1時間)した。分散終了後、グラインド
ゲージを用いて目視で最大5ミクロン以上の未分散物の
無いことを確認した後、ガラスビーズを濾別して分散ペ
ーストを得た。
【0097】水性媒体への分散工程:分散ペースト110部
に対し、ポリイソシアネートとしてミリオネートMR-200
(日本ポリウレタン製)10部をターンテーブル式アジテー
ター・ペンサーPS-501(阪和化工機製)を用いて混練した
後、エマノーン3299(ノニオン性界面活性剤;花王社製
のポリエチレングリコールジステアレート)およびイオ
ン交換水500部を加えながら卓上型TKラボミキサー(特殊
機化製)を用いて乳化分散した。乳化分散に際しては幾
分凝集物を形成することが認められ、また調製分散体の
静置状態における分散安定性が低く、30分後には粉体の
分離沈降が認められた。
【0098】反応工程:分散体を撹拌機、還流冷却器お
よび温度計を装着した2L容量の四つ口フラスコに移
し、10%ジエチレントリアミン水溶液40部を加えて40℃
で3時間界面重合させることにより目的のマイクロカプ
セル分散体を得た。反応中の分散安定性は低く、重合時
の凝集物は仕込み固形分の20%未満であった。また、調
製後のカプセルを光学顕微鏡および電子顕微鏡で観察す
ることで、樹脂による粉体表面被覆も十分ではなかっ
た。顕微鏡観察による平均粒径は5.7ミクロンであっ
た。
【0099】
【比較例2】粉体分散樹脂と乳化分散剤とを併用する従
来法 疎水性粉体分散ペースト調製工程:JSR Butyl 065(日本
合成ゴム製のイソブチレン-イソプレン共重合樹脂)の20
%キシレン溶液100部、粉末状防汚剤2-ビリジンチオー
ル-1-オキサイド70部を混合し、さらに適量のガラスビ
ーズを加えた上で卓上型SGミルで分散(20℃、1時間)し
た。分散終了後、グラインドゲージを用いて目視で最大
5ミクロン以上の未分散物の無いことを確認した後、ガ
ラスビーズを濾別して分散ペーストを得た。
【0100】水性媒体への分散工程:分散ペースト110部
に対し、トルエンジイソシアネート18部をターンテーブ
ル式アジテーター・ペンサーPS-501(阪和化工機製)を用
いて混練した後、10%ポリビニルアルコール水溶液10
部、イオン交換水500部を加えながら卓上型TKラボミキ
サー(特殊機化製)を用いて乳化分散した。乳化分散に際
しては幾分凝集物を形成することが認められ、また調製
分散体の静置状態における分散安定性が低く、60分後に
は粉体の分離沈降が認められた。
【0101】反応工程:分散体を撹拌機、還流冷却器お
よび温度計を装着した2L容量の四つ口フラスコに移
し、70℃まで昇温した後、2時間反応させることにより
目的のマイクロカプセル分散体を得た。反応中の分散安
定性は低く、重合時の凝集物は仕込み固形分の25%未満
であった。また、調製後のカプセルを光学顕微鏡および
電子顕微鏡で観察することで、樹脂による粉体表面被覆
も十分ではなかった。顕微鏡観察による平均粒径は8.2
ミクロンであった。
【0102】
【比較例3】ノニオン性グラフトポリマーを分散剤に用
いた場合 疎水性粉体分散ペースト調製工程:参考例1の樹脂溶液
14部(樹脂固形分7部)、粉末状防汚剤2-ピリジンチオ
ール-1-オキサイド70部およびエチレングリコールモノ
ブチルエーテル70部を混合し、さらに適量のガラスビー
ズを加えた上で卓上型SGミルで分散(20℃、1時間)し
た。分散終了後、グラインドゲージを用いて目視で5ミ
クロン以上の未分散物の無いことを確認した後、ガラス
ビーズを濾別して分散ペーストを得た。
【0103】水性媒体への分散工程:分散ペースト110部
に対し、スチレンモノマー18部、DVB-810(新日鉄化学製
のジビニルベンゼン)8部および開始剤ラウロックスLP
(ラウロイルパーオキシド化薬アクゾ製)をターンテーブ
ル式アジテーター・ペンサーPS-501(阪和化工機製)を用
いて混練した後、イオン交換水660部を加えながら卓上
型TKラボミキサー(特殊機化製)を用いて乳化分散した。
【0104】乳化分散に際しては凝集物が多量に生じ、
調製分散体の静置状態における分散安定性が低く、5分
後には粉体の分離沈降が認められた。
【0105】反応工程:分散体を撹拌機、還流冷却器お
よび温度計を装着した2L容量の四つ口フラスコに移
し、10%ジエチレングリコール10部を加えて40℃で3時
間界面重合させるスケジュールで反応を行ったが、反応
開始後0.5時間で反応固形分がすべて凝集したため、途
中で反応を中断した。
【0106】
【実施例7】実施例および比較例で調製したマイクロカ
プセル化粉体状添加剤を配合した塗料の評価 アクリル-スチレン樹脂エマルジョン(固形分50%)100部
に対して、実施例1〜6および比較例1〜2のカプセル
化顔料もしくはカプセル化固体防汚剤または防カビ剤の
凍結乾燥品10部を分散配合した塗料の貯蔵安定性および
耐水性を評価した。結果を以下の表1に示す。
【0107】評価法 貯蔵安定性:20℃において放置し、沈降物が生じるまで
の期間を測定した。 耐水性:固形分50%のエマルジョンである塗料を25ミル
のアプリケーターでガラス板上に塗布し、乾燥(40℃1
日)させた塗膜をスポット状に水と接触させて15分間放
置し、目視評価した。
【0108】
【表1】
【0109】
【発明の効果】耐水性に優れるカプセル皮膜を有するた
めに塗料組成物に用いた場合でも塗膜の耐水性を損なわ
ないマイクロカプセル化疎水性粉体が得られる、疎水性
粉体をマイクロカプセル化する方法が提供された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09C 3/10 PBZ 6904−4J C09D 7/12 PSJ 7211−4J // C08F 299/02 MRS 7442−4J C08L 33/14 LHT 7921−4J (72)発明者 石井 敬三 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 (72)発明者 石倉 慎一 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 疎水性粉体100重量部と; A)式 [式中、R1およびR2は水素原子またはメチル基であり、A
    は炭素数2〜3のアルキレン基であり、Xは-COO-または
    -CH2O-であり、Yは以下の式(i)、(ii)または(iii) 【化1】 のいずれかで示す構造を有する結合基であり、kは0〜
    20の整数であり、lは0または1であり、mは5〜30の整
    数であり、M+はプロトン、アンモニウムカチオンまたは
    アルカリ金属カチオンである。]で示す構造を有する、
    親水性側鎖を有する繰り返し単位80〜30重量%と、 B)式 -CH2-CR10Z- [式中、R10は水素原子またはメチル基であり、Zは式 -COOR11 -OCOR11、または -R11 [式中、R11は炭素数1〜25のアルキル、アリール、アル
    ケニルもしくはアラルキル基である]で示す構造を有す
    る基である。]で示す構造を有する、疎水性側鎖を有す
    る繰り返し単位20〜70重量%と、 C)その他のα,β-エチレン性不飽和モノマーの繰り返し
    単位0〜10重量%とを有する、数平均分子量2,000〜20
    0,000の範囲の両親媒性グラフトポリマー1〜50重量部
    と;皮膜形成用モノマーもしくはプレポリマー5〜300
    重量部と;を含有する疎水性粉体分散ペーストを調製す
    る工程; 得られる疎水性粉体分散ペーストを固形分濃度5〜50
    重量%となるように水性媒体中に分散させる工程;およ
    び 得られる分散体を加熱もしくは光照射することにより
    分散粒子と水性媒体との界面に存在する皮膜形成用モノ
    マーもしくはプレポリマーを重合させる工程;を包含す
    る、疎水性粉体をマイクロカプセル化する方法。
JP4127249A 1992-05-20 1992-05-20 両親媒性グラフトポリマーを用いて疎水性粉体をマイクロカプセル化する方法 Pending JPH05320276A (ja)

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