JPH05331222A - 重合体の製造方法 - Google Patents

重合体の製造方法

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JPH05331222A
JPH05331222A JP14451792A JP14451792A JPH05331222A JP H05331222 A JPH05331222 A JP H05331222A JP 14451792 A JP14451792 A JP 14451792A JP 14451792 A JP14451792 A JP 14451792A JP H05331222 A JPH05331222 A JP H05331222A
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polymer
polymerization
tin
compound
lithium
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JP14451792A
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Toshiki Takizawa
俊樹 滝澤
Yasuo Horikawa
泰郎 堀川
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Original Assignee
Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 有機リチウム化合物を開始剤としてポリブタ
ジエン又はブタジエン−スチレン共重合体を製造する方
法において、テトラアリルスズ、テトラベンジルスズ又
はテトラフェニルスズのような有機金属化合物を、重合
開始後の初期に、重合系に添加して、重合反応を行い、
スズ−炭素結合鎖を持つ高分子量重合体を相当量含む重
合体を生成させる。 【効果】 破壊特性を損なうことなく、ヒステリシスロ
スの小さいゴムが生産性良く得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はヒステリシスロスの小さ
い重合体を生産性良く、安価に得ることができる重合体
の新規な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の低燃費化の要求に伴って、タイ
ヤ材料用ゴムとしてヒステリシスロスの小さなゴムが望
まれている。ヒステリシスロスの小さいゴム材料として
天然ゴム、シス−1,4ポリイソプレンゴム、低シス−
1,4又は高シス−1,4のポリブタジエンゴム等が知
られている。また、ヒステリシスロスが著しく改良され
た合成ゴムとして、炭化水素溶媒中、有機リチウム化合
物を開始剤として重合した重合体末端にハロゲン化スズ
化合物をカップリングした合成ゴムがある(例えば特開
昭57−55912)。この重合体末端をハロゲン化ス
ズ化合物でカップリング反応を行う場合、まず反応面か
ら考えるとスズ化合物を添加した段階で重合反応は終了
し、カップリング反応が終わると反応系は失活状態とな
るので、未反応モノマーが残存しても重合の継続はない
と考えられている。一方、重合体の分子構造面から考え
ると、スズ化合物を添加した時点で、重合体の重合度な
どの分子構造が決まり、最終的にスズを分子鎖に有する
重合体の分子構造が決まってくる。
【0003】従って、反応面でメカニズム及び経済的理
由から、分子構造面で分子設計上の理由から、未反応モ
ノマーを残さないようにするため、通常、重合反応が終
了した時点でスズ化合物を添加する方法が用いられてい
る。
【0004】上述のように、従来のハロゲン化スズ化合
物のようなカップリング剤等の変性剤を用いた方法にお
いては、反応系に変性剤を加えた後はモノマー等が残存
していても、もはや如何なる反応も起こりえないか、利
用することもないと考えて目的の重合体を回収する工程
に入ることになる。すなわち、バッチ重合方式をとる。
連続重合方式に比べ、バッチ重合方式は生産性が悪く、
製造コスト高を招き、その結果として重合体は高価とな
るため、大きな問題である。
【0005】一方、連続重合方式のみに着目した場合に
は、これが可能な重合体の製造方法として、開始剤に有
機リチウム化合物等を用いてポリジエンゴムのブレンド
を製造する方法(特開昭63−235305)が知られ
ている。これはブタジエン−スチレン共重合等の重合の
中期(転化率が30〜70%)に四塩化スズ等の分枝剤
をある量加え、ポリマーの20〜70%をカップリング
することによりスズ−炭素結合鎖を有する低分子量の重
合体(A)を先ず生成させ、次に残りの活性末端リチウ
ムにより重合を継続させスズ−炭素結合鎖を含まない高
分子量重合体(B)を生成させ、(A)重合体に対し
(B)重合体を主体とするポリマーブレンドを製造する
方法である。この製造方法は通常のブレンド方式を取ら
ずに、重合過程で低分子量ポリマーと高分子量ポリマー
を製造し、加工性を改良したポリマーを得ることを目的
としている。
【0006】他の方法として、ポリブタジエン又はポリ
イソプレンの加工性を改良する製法(USP3,53
6,691)が知られている。この方法は特殊なリチウ
ム化合物であるハロアリールリチウムの存在下でモノマ
ーを重合する際、重合の中期にアリルスズをモディファ
イヤーとして添加することにより、加工性を改良したポ
リマーを得ることを目的としている。すなわち、このア
リルスズは高分子量重合体の分子鎖にスズ−炭素結合鎖
を積極的に導入するために用いられたものではなく、従
って、レジリエンスを高める効果は全く認められない。
このことはヒステリシスロスの小さい重合体を得る目的
とは明確に異なることを示している。
【0007】これらの例からわかるように、連続重合方
式は知られていても、同時にヒステリシスロスの小さい
優れた重合体を製造する方法は未だ知られていない。
【0008】また従来、ヒステリシスロスを下げる目的
で重合体にスズのような金属を導入するには、重合体の
活性末端リチウムとハロゲン化スズ化合物のカップリン
グ反応による方法が専ら知られている。これはリチウム
とハロゲンの反応に着想されたものであるが、新しい着
想すなわちハロゲン化スズ化合物以外のスズ化合物、例
えば有機スズ化合物を用いて重合体にスズを導入し、ヒ
ステリシスロスの小さい重合体を得る方法は全く知られ
ていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、製造コ
ストの高いバッチ重合方式に代わって、生産性の高い連
続重合方式により、優れた重合体を得る製造方法が要請
されていた。
【0010】本発明は、従来と異なり、有機金属化合物
を用いた新しい着想によって、破壊特性を損なうことな
く、ヒステリシスロスの小さい重合体を、生産性良く、
安価に得ることができる重合体の新規な製造方法を提供
することが目的である。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の製造方法
は、炭化水素溶媒中、有機リチウム化合物を開始剤とし
て共役ジエン及び/又はビニル芳香族炭化水素を重合さ
せて重合体を製造する方法において、構造式MR
4 (M:スズ、ゲルマニウム及び鉛から選ばれた金属、
R:Mへの結合部がアリル構造、ベンジル構造及びフェ
ニル構造である分子から選ばれた同一又は異なる分子構
造基)で表される有機金属化合物を、重合の開始直後か
ら終了前の重合連鎖生長時期に、重合系に添加して重合
反応を行うことを特徴とする。
【0012】本発明者らは有機リチウムによる重合反
応、この重合活性末端リチウムと有機金属化合物との相
互作用及びその相互作用生成系の反応性に着目し、鋭意
検討を行った結果、意外なことに、重合開始後の系に本
発明の有機スズ化合物を添加した場合を例にとれば添加
後、スズ−炭素結合鎖含有重合体が生成し、それが活性
化され、該重合体に重合開始点が生成し、モノマーの重
合が継続して起こり、連鎖が生長してスズ−炭素結合鎖
含有の高分子量重合体が得られることを見出した。この
ことにより、バッチ重合方式に代わって連続重合方式が
可能となった。前述のように、従来スズ−炭素結合鎖含
有重合体に活性はなく、モノマー重合の継続はない、従
って結局バッチ重合方式をとらざるを得ないという定説
を覆した新事実である。
【0013】これを詳述すれば、炭化水素溶媒中、ブチ
ルリチウム化合物を開始剤として、エーテル化合物など
を用いてブタジエンとスチレンのランダム共重合を行う
際に、有機スズ化合物を添加する場合を例にとると、重
合開始後に有機スズ化合物を加えると、系内には有機ス
ズ化合物との相互作用に関与しない重合活性末端リチウ
ムが存在すれば、その活性点による重合は継続するが、
同時に、重合活性末端リチウムと有機スズ化合物の相互
作用により生成したスズ−炭素結合鎖含有重合体に新た
に重合能が賦与され、重合連鎖の生長が継続して、高分
子量のスズ−炭素結合鎖含有ランダム型ブタジエン−ス
チレン共重合体が得られ、この重合体から得られた加硫
ゴムには、ヒステリシスロスの小さい効果が顕著に認め
られることがわかった。このスズ−炭素結合鎖含有重合
体の重合能賦与のメカニズムは不明であるが、重合活性
末端リチウムと、本発明の有機スズ化合物の相互作用に
よる新規な機構に基づくものと考えられる。
【0014】このように、本発明では連鎖生長時期すな
わち重合活性末端リチウムの存在下に、本発明の有機金
属化合物を添加し一種のカップリング反応を行った後
も、モノマーが存在する限り金属例えばスズ−炭素結合
鎖含有重合体の連鎖生長は継続されるので、ここに生産
性の高い連続重合方法が初めて可能となり、しかも得ら
れた重合体はスズ−炭素結合鎖含有の高分子量ポリマー
を主とするもので、ヒステリシスロスの小さい有用な物
性を持つことも明らかとなり、本発明を完成するに至っ
た。
【0015】以下に、本発明をさらに詳細に説明する。
重合溶媒としては、不活性の有機溶媒であり、例えばベ
ンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、
n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族
炭化水素溶媒、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン
等の脂環族炭化水素溶媒及びこれらの混合物が使用でき
る。
【0016】前記製造方法において、開始剤として用い
られる有機リチウム化合物には、n−ブチルリチウム、
エチルリチウム、プロピルリチウム、tert−ブチルリチ
ウム、ヘキシルリチウム、1,4−ジリチオブタン、ブ
チルリチウムとジビニルベンゼンとの反応物等のアルキ
ルリチウム、アルキレンジリチウム、フェニルリチウ
ム、スチルベンジリチウム等を挙げることができる。好
ましくはn−ブチルリチウム又はtert−ブチルリチウム
である。これらの有機リチウム開始剤は、単独で用いて
も良いし、2種以上混合して用いても良い。これらの有
機リチウム化合物の使用量はモノマーに100グラム当
たり0.2〜30ミリモルの範囲で用いることができ
る。
【0017】本発明において、重合に用いられるモノマ
ーは、共役ジエン及び/又はビニル芳香族炭化水素であ
り、該共役ジエンは1分子当たり炭素原子4〜12個好
ましくは4〜8個を含有する共役ジエン炭化水素であ
る。例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、ピペリレ
ン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−
ペンタジエン、オクタジエン等が挙げられ、これらの共
役ジエンは単独または2種以上を併用することができ、
特に1,3−ブタジエンが好ましい。
【0018】また、前記ビニル芳香族炭化水素としては
スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、
o−メチルスチレン、p−ブチルスチレン、ビニルナフ
タリン及び同様物が包含され、特にスチレンが好まし
い。
【0019】本発明方法の構造式MR4 で表される有機
金属化合物において、式中Mに該当する金属には、ス
ズ、ゲルマニウム及び鉛が挙げられるが、好ましくはス
ズである。
【0020】また、式中Rに該当する分子構造基には、
Mへの結合部がアリル構造、ベンジル構造及びフェニル
構造である分子から選ばれた同一又は異なる分子構造基
が当てはまる。
【0021】該アリル構造である分子の分子構造基にお
いて、その分子構造としてはアリル化合物、例えばアリ
ル、2−ブテニル、2−ペンテニル、シンナミル、Mへ
の結合部が共役ジエン単位であるオリゴマー又はポリマ
ー、例えばポリブタジエン、ブタジエン−スチレン共重
合体、ポリイソプレン、イソプレン−スチレン共重合体
及びこれらのジエン系オリゴマー等が包含される。好ま
しくはアリル、ポリブタジエン、ブタジエン−スチレン
共重合体及びこれらのジエン系オリゴマーである。
【0022】前記ベンジル構造である分子の分子構造基
において、その分子構造としてはベンジル化合物、例え
ばベンジル、α−メチルベンジル、ジフェニルメチル、
Mへの結合部がビニル芳香族炭化水素単位であるオリゴ
マー又はポリマー、例えばポリスチレン、スチレン−ブ
タジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体及び
これらのスチレン系オリゴマー等が包含される。好まし
くはベンジル、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共
重合体及びこれらのスチレン系オリゴマーである。
【0023】前記フェニル構造である分子の分子構造基
において、その分子構造としてはフェニル化合物、例え
ばフェニル、トルイル、ナフチル等が包含される。好ま
しくはフェニル及びトルイルである。
【0024】構造式MR4 の具体例には、式中Rが同一
の例として、テトラアリルスズ、テトラポリブタジエニ
ルスズ、テトラベンジルスズ、テトラポリスチリルス
ズ、テトラフェニルスズ等が挙げられ、また該Rが異な
る例としてアリルトリフェニルスズ及びジアリルジフェ
ニルスズ等が挙げられる。
【0025】本発明の構造式MR4 におけるRは全てが
アリル構造、ベンジル構造及び/又はフェニル構造であ
る分子構造基であることを要する。Rの少なくとも一つ
が例えばアルキル基である場合は、金属例えばスズ−炭
素結合鎖の重合体が生成しないためヒステリシスロスが
大きくなり、好ましくない。
【0026】本発明方法の構造式MR4 で表される有機
金属化合物の重合活性末端リチウムに対する添加量は特
に制限されない。
【0027】重合活性末端リチウムに対して有機金属化
合物を使用する場合において、金属/リチウムのモル当
量比は重合活性、全重合体中の金属−炭素結合鎖含有重
合体の含量及び重合体の分子量等に大きな影響を与え
る。
【0028】該モル当量比が大きくなると、従来の例え
ば四塩化スズ化合物をカップリング剤に用いた場合は、
スズ化合物/リチウムのモル当量比が0.25を越える
と全く重合活性が失われることは周知であるが、本発明
では反応のメカニズムが異なるため、例えばこの値が1
を越えても重合活性は小さくなるが十分に活性を有して
おり、得られた重合体は、前記した金属−炭素結合鎖含
有重合体の含量は大きくなり、また分子量は小さくな
る。前記モル当量比がさらに大きくなるに従って、この
傾向は助長される。
【0029】このモル当量比が小さくなると上記とは逆
の傾向すなわち、重合活性は大きくなり、金属−炭素結
合鎖含有重合体の含量は小さくなり、つまり該結合鎖を
含有しない重合体の割合が大きくなり、また分子量も大
きくなる。
【0030】従って、前記モル当量比を選択することに
よって、用途に適合した重合体を任意にしかも容易に得
ることができる。
【0031】全重合体中の金属例えばスズ−炭素結合鎖
を含有しない重合体に対するスズ−炭素結合鎖を含有す
る高分子量重合体の割合が、ある程度以上、例えば50
%以上であって初めて、ヒステリシスロスの小さい重合
体と言えるが、この割合が大きいほどヒステリシスロス
は小さくなり、好ましい。本発明では従来の方法に比べ
て、この割合をかなり高くすることができる。該高分子
量重合体の割合は、上記したようにこのリチウムと有機
金属化合物の割合に依存するもので、重合活性末端リチ
ウムに対する有機金属化合物の添加量を選択することに
よってヒステリシスロスの小さい重合体が容易に得ら
れ、本発明の目的が達せられる。一方、前記モル当量比
が小さ過ぎる例えば0.3以下となると、この割合が小
さくなり過ぎて、得られた重合体はヒステリシスロスが
大きくなり、好ましくない。
【0032】本発明において有機金属化合物の添加時期
は重要な要素である。この添加時期は、有機リチウム化
合物による重合の開始直後から終了前の、好ましくは転
化率80%、さらに好ましくは20%に至るまでの重合
連鎖生長時期に重合系内に添加される。連続重合方式が
達成されること及びヒステリシスロスの小さい重合体が
得られることの2つの効果を満足する観点からすれば、
前記の重合開始直後から終了前又は転化率80%に至る
までの添加時期でよいが、更に効果を挙げるには次の理
由、すなわち重合開始後の低粘度の段階で一種のカップ
リング反応を行うとカップリング効率がよい、及び重合
初期では種々の理由による活性末端リチウムの失活が少
ない等により、金属例えばスズ−炭素結合鎖含有の高分
子量重合体、つまりヒステリシスロスの小さい重合体が
効率よく得られること及び連続重合方式を安定して遂行
できること等の理由で、重合開始直後から転化率20%
のような重合初期に有機金属化合物を添加することが好
ましい。重合が開始する前に有機金属化合物を添加する
と、目的の重合体は得られないし、重合終了後に添加す
ると、本発明の連続重合方式の特徴が失われることにな
る。
【0033】本発明においては重合活性の向上及び/又
は用途に応じた所望の重合体の分子構造(分子量、ミク
ロ構造、共重合体の場合はこれに加えてモノマー単位の
組成、その組成分布等)を調節するため、この目的に使
用される通常の添加剤、例えばエ−テル化合物、第3級
アミン化合物等のルイス塩基を反応系に加えることがで
きる。使用されるエ−テル化合物としては例えばジエチ
ルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、
2−メトキシテトラヒドロフラン、2−メトキシメチル
テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール
ジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテ
ル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレン
グリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジ
エチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテ
ル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等が挙げ
られる。さらに第2級アミン化合物としてはトリエチル
アミン、トリプロピルアミン、ピリジン、N,N,
N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,
N’,N’−テトラエチルエチレンジアミン、N−メチ
ルモルホリン等が挙げられる。エーテル化合物及び第3
級アミン化合物の使用量は有機リチウム化合物1モル当
たり0.05〜1000モルの範囲で用いられる。
【0034】重合温度は、通常、−20℃〜150℃
で、好ましくは0℃〜120℃である。
【0035】なお、溶媒中のモノマー濃度は、通常、5
〜50重量%、好ましくは10〜35重量%である。共
役ジエンとビニル芳香族炭化水素の共重合の場合、仕込
みモノマー混合物中のビニル芳香族炭化水素の含量は3
〜50重量%、好ましくは5〜40重量%である。
【0036】重合反応はモノマーを液相で触媒に接触さ
せて実施されるが、その圧力は普通、本質的に液相を保
持するに充分な圧力で操作することが好ましい。また、
反応系に装入される上記の全物質には、触媒作用を妨害
する物質を排除することが好ましい。
【0037】反応終了後、ポリマー溶液中にスチームを
吹き込んで溶媒を除去するか、あるいはメタノール等の
貧溶媒を加えて重合体を凝固した後、熱ロールもしくは
減圧下で乾燥して重合体を得ることができる。また、ポ
リマー溶液を直接熱ロールもしくは減圧下で溶媒を除去
して重合体を得ることもできる。
【0038】本発明の重合体は金属例えばスズ−炭素結
合鎖を有する高分子量重合体を含む重合体であり、共役
ジエン又はビニル芳香族炭化水素の単独重合体、共役ジ
エンとビニル芳香族炭化水素との共重合体、あるいは両
重合体の混合物を包含する。特に有用に用いられるのは
高分子量のポリブタジエン又はブタジエン−スチレン共
重合体で、この中に含まれる金属例えばスズ−炭素結合
鎖を持つ高分子量重合体の分子量は用途により任意にコ
ントロールできるが、金属例えばスズに結合した分枝ポ
リマーの数平均分子量で、5×104 〜150×104
位のものが有用である場合が多い。
【0039】また、ポリブタジエン又はブタジエン−ス
チレン共重合体を例にとれば、ブタジエン部のミクロ構
造(シス−1,4、トランス−1,4、ビニル)、共重
合体にあってはブタジエン/スチレンの組成、この組成
分布(ランダム構造、ブロック構造又はその混合構造)
を、目的に応じて自由に選択された分子構造のポリマー
が容易に得られ、種々の用途に適用できる。
【0040】本発明の例えばブタジエン−スチレン共重
合体は、単独でまたは天然ゴム、合成ゴムとブレンド
し、必要ならば、油展し、通常の加硫ゴム用配合剤を加
え、加硫して、タイヤ用途を始め防振ゴム、ベルト、ホ
ースその他工業品用途に用いられる。
【0041】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明の主旨を越えないかぎり本実施例に
限定されるものではない。
【0042】なお、実施例中、部及び%は、特に断らな
いかぎり重量部及び重量%を意味する。
【0043】各種の測定は下記の方法によった。ヒステ
リシスロスの指標としては室温のレジリエンスを用い
た。レジリエンスが大きいほど、ヒステリシスロスは小
さいと評価される。引張り特性及びレジリエンスはJI
S K6301に従って測定した。ムーニー粘度は通常
の方法にて、Lローターを使用して100℃にて測定し
た。
【0044】スズに結合した分枝ポリマーは、全ポリマ
ー1gを10mlのトルエンに溶解させ、濃塩酸0.2
mlを加え、20分攪拌した後、メタノールに沈殿、精
製して得た。これはスズとカップリングしたポリマーが
塩酸処理により、カップリング部が切断されるという原
理に基づくものである。
【0045】全ポリマー及び分枝ポリマーの数平均分子
量(Mn)の測定はゲルパーミエイションクロマトグラ
フィ(G.P.C.)によって行い、示差屈折率(R
I)と254nmの紫外吸収率(U.V.)を用いて単
分散ポリスチレンを標準としてポリスチレン換算で行っ
た。
【0046】スチレン−ブタジエン共重合体のブタジエ
ン部分のミクロ構造は赤外法(Morero法:D.M
orero,Chim.e.Ind.,vol.41,
758(1959))によって求めた。また結合スチレ
ン含有量は699cm-1のフェニル基の吸収に基づいた
赤外法による検量線から求めた。
【0047】有機スズ化合物とリチウムのモル当量比の
算出に用いられる重合活性末端リチウム濃度の測定は種
々の方法があるが、重合開始時に仕込んだ有機リチウム
開始剤の68モル%とした。有機リチウム開始剤を用い
た重合においては、溶媒などは事前に充分に精製したも
のを使用するが、通常の重合においては、開始剤の有機
リチウムのいくらかは重合系内の水、二酸化炭素等の不
純物により失活してしまう。一般的に本発明のような有
機リチウム化合物を開始剤とする共役ジエン及び/又は
ビニル芳香族炭化水素の重合においては分子量分布は
1.1程度と十分に狭いので、理論的には重合されたポ
リマーの数平均分子量(Mn)は下記の式1として成り
立つことが公知である(大津隆行著、高分子合成の実験
法、p212、化学同人)。
【0048】式1 Mn=(モノマ−モル数/有機リチウム開始剤モル数)
×モノマー分子量 本発明において行った重合実験においても、式1は、ほ
ぼ成り立つのことがわかっており、不純物により、ある
一定の割合で有機リチウム濃度は式2のように仮定され
る。
【0049】式2 活性重合末端リチウム濃度=有効有機リチウム開始剤モ
ル数=重合開始時に仕込んだ有機リチウム開始剤のモル
数×有機リチウムの残存率 同じリアクターを使用し、同じロットの溶媒及び重合モ
ノマー等を使用する場合には、式2の仮定が成り立つの
は明らかであり、かつ、この式は工業的にも経験的にも
用いられている客観性のあるものである。よって、今回
の一連の検討を行う前に予備実験を行い、式1及び式2
を用いて求めた有機リチウムの残存率は68%と求めら
れた。従って、活性重合末端リチウム濃度は重合開始剤
に仕込んだ有機リチウム開始剤のモル数の68%とし
た。
【0050】〔実施例1〕5lの攪拌機付きの反応器に
シクロヘキサン1500g、1,3−ブタジエン200
g、スチレン50g、テトラヒドロフラン0.80gを
仕込み、反応容器内温度を60℃に調整した後に、n−
ブチルリチウム0.14gを添加し重合を開始させた。
【0051】n−ブチルリチウムを仕込んで重合を開始
させた直後に、テトラアリルスズ(アルドリッチケミカ
ル社製)を0.49g添加した。その後さらに重合を6
0℃において60分間行った後に、イソプロピルアルコ
ールで重合を停止させた。
【0052】次に、この重合体含有液に2.6−ジ−te
rt−ブチル−p−クレゾール2.5gを添加した後、ス
チームストリッピングにより脱溶媒し、得られた固形物
を100℃の熱ロールで乾燥してゴム状ポリマーを得
た。ポリマーの特性は表1に示した。
【0053】ポリマーは、表3に示す配合に従って25
0ccラボプラストミル及び3インチロールで混練、配
合した後、145℃で35分間加硫を行った。加硫物の
物性を表2に示した。
【0054】〔実施例2〜3〕実施例2及び3はそれぞ
れテトラベンジルスズを0.85g及びテトラフェニル
スズ(アルドリッチケミカル社製)0.74gを添加し
たほかは実施例1と同様に重合を行った。テトラベンジ
ルスズはジエチルエーテル中において四塩化スズをベン
ジルマグネシウムクロライド(アルドリッチケミカル社
製)との反応物を減圧蒸留した後、使用した(mp=4
2〜43℃)。ポリマーの特性及びポリマーの加硫物物
性を表1及び表2に示した。
【0055】〔実施例4〕炭化水素溶媒中n−ブチルリ
チウム1.0gを開始剤としてスチレン30.9gを重
合させて分子量2000のスチリル−リチウム重合末端
を有するポリスチレン重合体を重合し、四塩化スズ1.
01gとのカップリング反応によってテトラポリスチリ
ルスズ(ポリスチレン鎖とスズの結合部構造はベンジル
型)を得た。このようにして得られた重合体を十分に精
製乾燥させた後に、ベンゼン100mlに溶解させた該
重合体14.02gを添加剤として重合開始直後に添加
したほかは実施例1と同様に行った。ポリマーの特性及
びポリマーの加硫物物性を表1及び表2に示した。
【0056】〔実施例5〕炭化水素溶媒中n−ブチルリ
チウム0.5gを開始剤としてブタジエン84.4gを
重合させて分子量約10000のブタジエニル−リチウ
ム重合末端を有するポリブタジエン重合体を重合し、四
塩化スズ0.51gとのカップリング反応によってテト
ラポリブタジエニルスズ(ポリブタジエン鎖とスズの結
合部構造はアリル型)を得た。このようにして得られた
重合体を十分に精製乾燥させた後に、シクロヘキサン4
00mlに溶解させた該重合体75.34gを添加剤と
して重合開始直後に添加したほかは実施例1と同様に行
った。ポリマーの特性及びポリマーの加硫物物性を表1
及び表2に示した。
【0057】〔比較例1〕有機スズ化合物を添加しなか
った以外は実施例1と同様に重合を行った。ポリマーの
特性及びポリマーの加硫物物性を表1及び表2に示し
た。
【0058】〔比較例2〜4〕比較例2、3及び4はそ
れぞれ重合開始後に、ジアリルジブチルスズを0.55
g、アリルトリブチルスズ(アルドリッチケルカル社
製)を0.58g及びテトラブチルスズ(アルドリッチ
ケミカル社製)を0.60g添加したほかは実施例1と
同様に重合を行った。ジアリルジブチルスズはジエチル
エーテル中においてジブチルスズクロライドとアリルマ
グネシウムブロマイド(アルドリッチ社製)の反応物を
減圧蒸留した後、使用した(bp93℃/0.1mmH
g)。ポリマーの特性及びポリマーの加硫物物性を表1
及び表2に示した。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】表1に示すように、本発明の実施例は、ブ
タジエン−スチレン共重合の重合初期に、カップリング
剤として有機スズ化合物を添加して重合を行ったもの
で、スズ/リチウムのモル当量比が大きいにもかかわら
ず、重合が進行し、得られたポリマーは、高分子量のス
ズ−炭素結合鎖含有ポリマーを相当量含むブタジエン−
スチレンランダム構造を有する高分子量ゴム状共重合体
であった。前記スズ−炭素結合ポリマーを相当量含むこ
とは、全ポリマーと分枝ポリマーの分子量を対比すれば
明らかである。このポリマーの加硫物は比較例と比べて
もわかるように、破壊特性を損なうことなく、25℃で
のレジリエンスの大きいすなわち、ヒステリシスロスの
小さいバランスのとれた物性を示した。
【0063】上述のように、重合初期に一種のカップリ
ング剤として有機スズ化合物を添加しているにもかかわ
らず、通常のリビング重合と同じく化学量論的に重合が
進行し、高分子量の有用なスズ−炭素結合鎖を持つ重合
体が得られたことは、連続重合方式を可能としたことを
明白に示すものである。
【0064】比較例1はカップリング剤を加えなかった
もので、得られた加硫物はレジリエンスが小さく、すな
わちヒステリシスロスが大きく発熱性の点で劣るもので
ある。このことは実施例に示したように、スズ−炭素結
合鎖含有重合体のヒステリシスロスが小さい事実と対比
される現象である。
【0065】比較例2〜4は実施例1に用いられたテト
ラアリルスズのアリル基の一部又は全部をブチル基に変
えた有機スズ化合物を添加した系である。得られたポリ
マーはスズを全く含まない(U.V.により確認)もの
で、塩酸処理前後のポリマーの分子量も全く変わらない
ものであった。すなわち、スズに結合した分枝ポリマー
を有しないものであった。従って、加硫物の物性はレジ
リエンスが小さく好ましいものではなかった。この結果
は有機スズ化合物を用いない比較例1と全く同じで、こ
のような構造の有機スズ化合物は全く効果がないことを
示している。
【0066】
【発明の効果】本発明の重合体の製造方法では上記構成
としたので、連続重合方式が可能となり、ヒステリシス
ロスの小さな重合体を生産性良く得ることができるとい
う優れた効果を有する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化水素溶媒中、有機リチウム化合物を
    開始剤として共役ジエン及び/又はビニル芳香族炭化水
    素を重合させて重合体を製造する方法において、構造式
    MR4 (M:スズ、ゲルマニウム及び鉛から選ばれた金
    属、R:Mへの結合部がアリル構造、ベンジル構造及び
    フェニル構造である分子から選ばれた同一又は異なる分
    子構造基)で表される有機金属化合物を、重合の開始直
    後から終了前の重合連鎖生長時期に、重合系に添加して
    重合反応を行うことを特徴とする重合体の製造方法。
JP14451792A 1992-06-04 1992-06-04 重合体の製造方法 Pending JPH05331222A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018508639A (ja) * 2015-06-24 2018-03-29 エルジー・ケム・リミテッド 共役ジエン系重合体製造用触媒組成物及びこれを利用して製造された共役ジエン系重合体
JP2024524855A (ja) * 2021-11-10 2024-07-09 エルジー・ケム・リミテッド オレフィン系共重合体用の架橋助剤組成物、架橋剤組成物および光素子用の封止材組成物用の添加剤

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US10556976B2 (en) 2015-06-24 2020-02-11 Lg Chem, Ltd. Catalyst composition for preparing conjugated diene-based polymer and conjugated diene-based polymer preparing using the same
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