JPH05331964A - 鋼梁の開口部補剛構造 - Google Patents

鋼梁の開口部補剛構造

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JPH05331964A
JPH05331964A JP13949792A JP13949792A JPH05331964A JP H05331964 A JPH05331964 A JP H05331964A JP 13949792 A JP13949792 A JP 13949792A JP 13949792 A JP13949792 A JP 13949792A JP H05331964 A JPH05331964 A JP H05331964A
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opening
web
steel beam
flange
stiffening member
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JP13949792A
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Toshiro Suzuki
敏郎 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 鋼梁の開口部近傍のウェブ及びフランジの面
外方向の変形を拘束することにより、構造部材の持つ塑
性変形能力を有効に利用しつつ、開口部の断面欠損分を
補い、変形性能、及び耐力的に優れた構造部材を提供す
る。 【構成】 開口部4を有するH形鋼梁1に対し、同形の
開口部14を形成した溝形断面の補剛部材11を添接す
る。補剛部材11は梁1の開口部4を挟む所定区間に設
け、梁1のウェブ2及び上下のフランジ3で形成される
凹部内に嵌合し、ウェブ12を梁1のウェブ2に当接さ
せるとともに、フランジ13の外面を梁1のフランジ3
内面に当接させる。補剛部材11は4隅ルーズホール6
にボルト5を通して、梁1のウェブ2に止め付け、梁1
のフランジ3に対しては、単に当接させるだけで止め付
けない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、H形鋼梁等、ウェブの
上下にフランジを有する鋼梁の開口部補剛構造に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】H形鋼梁等において、設備配管を通す等
の目的で、ウェブに開口部が形成される場合がある。
【0003】従来、ウェブ開口部に伴う断面欠損に対し
ては、ウェブの開口部周辺を補強するのが一般的であ
り、例えば実開昭63−85721号公報には、従来例
として述べられているリング状の補強プレートをウェブ
開口部の周囲に隅肉溶接したものの他、ウェブ面に締付
け固定されるリング状のフランジ部と、開口部と略同径
の筒状サポート部とからなる補強部材を、開口部を穿設
する前に、複数のボルトによりウェブに固定する梁の補
強構造が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】鋼梁の曲げ耐力につい
てみた場合、H形鋼梁等ではフランジ部分の曲げ剛性に
対する寄与が大きい。しかし、ウェブ開口部に伴う断面
欠損により、開口位置でウェブ、フランジとも大きな局
部変形が生じる恐れがあり、何らかの補強が必要となる
場合が多い。
【0005】また、材端部その他、大きな曲げモーメン
トが生ずる区間については、断面欠損に加え、フランジ
の局部座屈変形の問題等もあり、開口を設けるのが難し
く、補強するとしても、その部分の構造が煩雑になり、
従来の単に補強プレートで開口部まわりの強度を上げる
構造には限界がある。
【0006】これに対し、本発明は従来の補強構造のよ
うに、補強部材をウェブ開口部周辺に、直接一体化し、
ウェブの強度を上げるものと異なり、開口部近傍のウェ
ブ及びフランジの変形を拘束することにより、構造部材
の持つ塑性変形能力を有効に利用しつつ、開口部の断面
欠損分を補い、耐力的に優れた構造部材を提供すること
を目的としたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、H形鋼梁等、
ウェブの上下にフランジを有し、ウェブに開口部を設け
た鋼梁の開口部補剛構造であり、板要素からなる補剛部
材を、鋼梁のウェブ及びフランジに面で接するように添
接したことを特徴とする。また、本発明の開口部補剛構
造は、鋼梁のフランジの塑性化域、すなわちフランジが
塑性化する変形領域においても、フランジの局部座屈変
形等に伴う耐力劣化を補い、鋼梁としての安定した変形
性能を確保するものであり、補剛部材は鋼梁の開口部を
挟む梁長手方向所定区間に添接し、ウェブに対して止め
付け、フランジに対しては実質的に止め付けない。
【0008】補剛部材を添接することで、鋼梁のウェブ
及びフランジのそれぞれ面外方向への変形(少なくとも
1方向について)が拘束される。補剛部材の形態として
は、鋼梁の開口部に対応する位置に、同様の開口部を形
成した溝形断面部材を、鋼梁のウェブ高さ方向全体に添
接するものや、鋼梁のウェブに対し、開口部の上下にそ
れぞれ別個の補剛部材を止め付けるもの等が考えられ、
鋼梁のウェブ及びフランジに対し、それぞれ補剛部材を
構成する板要素が面で接する形態とする。
【0009】また、補剛部材は、鋼梁のウェブの両面に
添接し、両側からウェブを挟み込む場合と、ウェブの片
面にのみ添接する場合とがある。
【0010】さらに、補剛部材の止め付け方としては、
ボルト等でルーズホールに対し、面内方向のずれを許容
する形で止め付ける以外に、ボルトないし溶接でしっか
り止め付け、開口部による耐力減少分をカバーすること
が考えられる。
【0011】
【作用】図9はH形鋼梁材端部のウェブに開口部がある
場合の開口部近傍の変形性状を数値解析し、鋼梁破壊状
態(降伏耐力到達後、1/2まで耐力劣化した時の状
態)における変形の解析結果を示したものである。
【0012】数値解析は、図8に示すように、H形鋼梁
を4節点、四角形シェル要素でモデル化して行った。図
8(a) はフランジの要素分割を、図8(b) はウェブの要
素分割を示したものである。加力形式は、片持梁で、梁
右端に集中荷重を作用させている。解析対象のH形鋼梁
は、高さ400mm、フランジ幅147mm、ウェブ厚6m
m、フランジ厚12mmの軟鋼で、開口部の開口半径を8
0mm、梁左端から加力点までの距離L=2000mmに対
し、梁左端から開口部中心までの距離L’=200mmと
した。
【0013】数値解析結果によると、開口部を中心とす
る領域で、ウェブが面内にも大きく歪み、また面外にも
しわが発生する。それにつられるように、フランジの局
部変形が増大し、耐荷能力を失うことが分かる。
【0014】これに対し、本発明の鋼梁の開口部補剛構
造は、鋼梁のウェブ及びフランジ内側面に面で接する補
剛部材が、ウェブの開口部近傍の面外へのしわを押さえ
つつ、梁耐力を支配するフランジの局部変形の自由を拘
束する形態であり、ウェブ及びフランジ間での変形の波
及が抑制されるとともに、フランジの局部板座屈が抑え
られることで、鋼梁の塑性変形能力を十分に生かすこと
ができる。
【0015】また、補剛部材を、鋼梁の開口部を挟む所
定区間に設けることで、補剛部材が開口部の両側の健全
なウェブ部分をつなぐ形で、応力伝達が図れる。
【0016】
【実施例】次に、図示した実施例について説明する。
【0017】図1は本発明の一実施例を示したもので、
H形鋼梁1のウェブ2に設けられた開口部4と同形の開
口部14を形成した溝形断面の補剛部材11を、梁1の
開口部4を挟む所定区間に添接している。補剛部材11
の本体はウェブ12と上下のフランジ13とからなり、
梁1のウェブ2及び上下のフランジ3で形成される凹部
内に嵌合し、ウェブ12を梁1のウェブ2に当接させる
とともに、フランジ13の外面を梁1のフランジ3内面
に当接させている。
【0018】補剛部材11の梁1への取り付けは、補剛
部材11の4隅に通したボルト5により、ウェブ2に対
して行われる。一方、フランジ3に対しては、単に当接
させるだけで止め付けない。また、本実施例では補剛部
材11のボルト孔をルーズホール6とすることで、補剛
部材11の面内方向のずれを許容し、補剛部材11がで
きるだけ、梁1の曲げ剛性に関わらないようにしてい
る。
【0019】図2は図1の実施例に対応する補剛部材1
1の変形例を示したもので、ウェブ12の開口部14位
置から円筒部15を突出させ、ウェブ12との間に補強
リブ16を周方向に分散配置している。円筒部15は補
剛部材11自体の断面剛性を上げる他、梁1を貫通する
配管等の支持部材としても利用できる。
【0020】図3は図1の実施例に対応する補剛部材1
1のもう一つの変形例を示したもので、ウェブ12の開
口部14位置から円筒部15を突出させるとともに、補
剛部材11の上下のフランジ13間に縦リブ17を設け
たものである。
【0021】以上の補剛部材11は梁1のウェブ2の両
面に取り付け、ウェブ2を挟み込む形とすることができ
るが、ウェブ2の片面にのみ配置する場合もある。
【0022】図4は本発明の他の実施例を示したもの
で、補剛部材21として、梁1のせいに比べ細幅の溝形
断面部材(チャンネル)を用い、この補剛部材21を梁
1の開口部2の上下に配置している。各補剛部材21
は、それぞれ梁1のフランジ3内側面とウェブ2端部と
の間の隅角部に当接し、少なくとも1方向について、ウ
ェブ2及びフランジの面外方向への変形を拘束してい
る。この場合も、補剛部材21はウェブ2に対してボル
ト5で止め付け、フランジ3には止め付けていない。
【0023】また、図4(a) に示されるように、図4の
実施例では、ルーズホール6にボルト5を通し、補剛部
材21の面内方向のずれを許容しているが、図5の実施
例では同様に、細幅の溝形断面の補剛部材21を用い、
これを通常のボルト孔に対して止め付けることで、開口
部4の両側の健全なウェブどうしを連結することによる
応力伝達に関し、よりスムーズな伝達を期待したもので
ある。
【0024】図4(b) では補剛部材21をウェブ2の両
面に止め付けているが、片面のみでもよい。
【0025】図6は材端部のウェブに開口部を有する鋼
梁のせん断曲げ実験に用いた試験体の概要図であり、図
7はその試験結果を示したグラフである。
【0026】試験体としては、高さ400mm、フランジ
幅147mm、ウェブ厚6mm、フランジ厚12mm、部材の
降伏点σy =35kg/mm2 (軟鋼)のH形鋼を用いた。
実験は、梁としての試験体に作用するせん断力Qを増加
させ、変位δを求めた。なお、図7のグラフでは、せん
断力Qに関する縦軸を降伏荷重Qy で、変形δに関する
横軸を降伏変形δy で無次元化している。
【0027】図7において、実線は開口部がない場合、
一点鎖線は図6に示す開口部における補剛を施した場
合、破線は開口部があり、補剛を施していない場合であ
る。本発明に相当する一点鎖線のケースでは補剛部材の
取付ボルトを介して力が流れ、ウェブによる強度低下分
を補い、また降伏後も耐荷力が維持され、変形性能が格
段に改良されている。
【0028】
【発明の効果】 補剛部材により、開口部近傍におけ
る鋼梁のウェブ及びフランジの面外方向の変形を拘束す
ることで、フランジ及びウェブ間での局部変形の波及が
抑制される。
【0029】 補剛部材をウェブに止め付け、フラン
ジに対しては止め付けないことで、鋼梁の曲げ強度に、
ほとんど関わらないようにすることができる。
【0030】 上記やに関連して、大きな曲げモ
ーメントが生ずる部分においても、フランジの局部板座
屈等変形が抑えられることで、鋼梁の急激な曲げ耐力の
低下が抑制され、鋼梁の塑性変形性能を設計に取り入れ
ることができる。
【0031】 補剛部材が、断面欠損のない開口部両
側の健全なウェブ間をつないでいることで、補剛部材に
よる応力の伝達が図れる。
【0032】 従来の開口部補強のように、補強プレ
ートを、溶接等で強固に取り付けるものではなく、比較
的簡単に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示したもので、(a) は開口
部補剛部分の正面図、(b) は梁長手方向と直角な断面図
である。
【図2】図1の実施例に対応する補剛部材の変形例を示
したもので、(a) は正面図、(b) はそのA−A断面図、
(c) はB−B断面図である。
【図3】図1の実施例に対応する補剛部材の他の変形例
を示したもので、(a) は正面図、(b) はそのC−C断面
図、(c) はD−D断面図である。
【図4】本発明の他の実施例を示したもので、(a) は開
口部補剛部分の正面図、(b) は梁長手方向と直角な断面
図である。
【図5】図4の実施例における補剛部材の止め付けに関
する変形例を示した正面図である。
【図6】ウェブに開口部を有する鋼梁のせん断曲げ実験
に用いた試験体の概要図である。
【図7】図6の試験体による試験結果を示すグラフであ
る。
【図8】鋼梁の開口部近傍の変形性状の数値解析モデル
を示したもので、(a) はフランジの要素分割を示す図、
(b) はウェブの要素分割を示す図である。
【図9】図8の数値解析モデルによる鋼梁破壊状態にお
ける変形を示す図である。
【符号の説明】
1…梁、2…ウェブ、3…フランジ、4…開口部、5…
ボルト、6…ルーズホール、11…補剛部材、12…ウ
ェブ、13…フランジ、14…開口部、15…円筒部、
16…補強リブ、17…縦リブ、21…補剛部材、

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウェブの上下にフランジを有し、前記ウ
    ェブに開口部を設けた鋼梁の開口部補剛構造であって、
    板要素からなり前記ウェブ及びフランジに面で接する補
    剛部材を、鋼梁の前記開口部を挟む所定区間に添接し、
    該補剛部材を前記フランジに実質的に止め付けることな
    く、前記ウェブに対し止め付けてあることを特徴とする
    鋼梁の開口部補剛構造。
  2. 【請求項2】 前記補剛部材は、上下のフランジが前記
    鋼梁の上下フランジ内側面に当接し、ウェブが前記鋼梁
    のウェブ面に当接する溝形断面部材からなり、前記鋼梁
    の開口部に対応する位置に開口部を形成したものである
    請求項1記載の鋼梁の開口部補剛構造。
  3. 【請求項3】 前記補剛部材は、前記鋼梁の開口部の上
    下において、それぞれ前記鋼梁の上下フランジ内側面と
    ウェブ上下端部との間の4隅に当接する4つの溝形断面
    部材である請求項1記載の鋼梁の開口部補剛構造。
  4. 【請求項4】 前記補剛部材は、前記鋼梁のウェブにル
    ーズホールに対するボルト接合により、面内方向のずれ
    を許容する形で止め付けてある請求項1、2または3記
    載の鋼梁の開口部補剛構造。
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