JPH05334648A - 磁気記録媒体とその製造方法および装置 - Google Patents

磁気記録媒体とその製造方法および装置

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JPH05334648A
JPH05334648A JP16529992A JP16529992A JPH05334648A JP H05334648 A JPH05334648 A JP H05334648A JP 16529992 A JP16529992 A JP 16529992A JP 16529992 A JP16529992 A JP 16529992A JP H05334648 A JPH05334648 A JP H05334648A
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直樹 渡辺
Katsuhiko Nara
克彦 奈良
Hitoaki Hirama
仁章 平間
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高保磁力Hcとした磁気記録媒体と、この磁
気記録媒体の製造に適した方法および装置を提供する。 【構成】 磁気記録媒体は、基板上のCoCrTa層が
Cr層を挟んで複数層としてある。製造装置は、スパッ
タリング室にCoCrTaターゲットとCrターゲット
を設置すると共に、基板ホルダー上の基板が、CoCr
TaターゲットとCrターゲットに順次対向可能に構成
する。このような装置で、基板をCoCrTaターゲッ
トとCrターゲットに交互に静止対向させてスパッタリ
ングを行い、CoCrTa膜とCr膜を順次成膜する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、保磁力を向上した磁
気記録媒体と、その製造方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、円盤型の磁気記録媒体は、図7に
示したように、アルミニウムなどの非磁性材料製の基板
1の表面にNiPメッキ層2を形成した後、Cr又はC
r合金の下地層3と、磁性材料でなるCoCrTa層4
を順次設けて構成している(例えば特開平3−4902
0号公報)。前記下地層3やCoCrTa層4は、スパ
ッタリング法による成膜技術が採用され、量産型の設備
では、基板がスパッタリング室を通過する連続処理方式
とされているものもあった。前記CoCrTa層4は磁
性膜層を構成する為で、CoCrTaの他、CoCrT
aNi、CoCrTaPt、CoCrTaW、CoCr
Ni、CoCrNiPt、又はCoCrNiW膜とする
場合もあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような磁気記録媒
体は、記録密度の高密度化の為に磁性膜層の保磁力Hc
を向上することが要請されているが、現在の所、保磁力
HcはCoCrTa膜で1500Oeが限界であった。
この限界を超える為に、磁性膜層をPt系の合金材料に
代える試みや、スパッタリング中に基板にバイアス電圧
を印加する試みがなされている。
【0004】然し乍ら、磁性材料をPt系の合金材料と
するには、Pt系の合金ターゲットを必要とし、コスト
(Co系の50倍以上)が高騰して採用が難しかった。
また、スパッタリング中に基板にバイアス電圧を印加す
る試みは、保磁力Hcを1800Oe程度に向上できる
(CoCrTa膜の場合)に止まり、それ程の効果は期
待できなかった。更に、基板がスパッタリング室を通過
するようにした連続処理方式とした量産型の設備では、
基板ホルダーが移動するため、接地電位から絶縁するこ
とが難しく、安定したバイアス電圧の印加が困難であっ
た。
【0005】
【課題を解決する為の手段】この発明は、前記の如くの
問題点に鑑みてなされたもので、基板にCoCrTa膜
その他の磁性膜を形成した磁気記録媒体であって、高い
保磁力Hcとした媒体を提供することを目的としてい
る。
【0006】また、この発明は、このような高保磁力H
cの磁気記録媒体の製造に適した方法および装置を提供
することも目的としている。
【0007】斯る目的を達成するこの発明の磁気記録媒
体は、基板にCoCrTa膜その他の磁性膜を形成して
なる磁気記録媒体において、前記CoCrTa膜その他
の磁性膜がCr又はCr合金膜を挟んで複数層としてあ
ることを特徴としている。
【0008】CoCrTa膜その他の磁性膜は、CoC
rTa、CoCrTaNi、CoCrTaPt、CoC
rTaW、CoCrNi、CoCrNiPt、CoCr
NiWの何れかの膜とすることができる。
【0009】CoCrTa膜その他の磁性膜は、2層以
上何層でも良いが、好ましくは2〜4層である。
【0010】また、この発明の磁気記録媒体の製造方法
は、基板にCoCrTa膜その他の磁性膜をスパッタリ
ング法で成膜して磁気記録媒体を製造する方法におい
て、一つのスパッタリング室内で、基板を磁性膜材料の
合金ターゲットと、Cr又はCr合金ターゲットに交互
に静止対向させ、静止対向時にスパッタリングを行い、
基板にCoCrTa膜その他の磁性膜とCr又はCr合
金膜を順次成膜することを特徴としている。
【0011】CoCrTa膜その他の磁性膜は、前記の
通り、2〜4層とし、CoCrTa膜その他の磁性膜の
間にCr又はCr合金膜を挟むようにするのが望まし
い。
【0012】スパッタリング中には、基板にバイアス電
圧を印加するようにしても良い。
【0013】次に、この発明の磁気記録媒体の製造装置
は、スパッタリング室に、ターゲットと基板ホルダーを
対向設置して構成した磁気記録媒体の製造装置におい
て、前記ターゲットは、少くとも一つのCoCrTaそ
の他の磁性材料でなる合金ターゲットと、少くとも一つ
のCr又はCr合金ターゲットの複数種とし、前記基板
ホルダーは、少くとも一枚の基板を保持する為のホルダ
ーとしてあり、基板ホルダーに、基板を前記ターゲット
中の一つと対向する位置に順次移動し、停止させる為の
駆動機構が設けてあることを特徴としている。
【0014】ターゲットは、基板ホルダーの一側に設置
した構成でも良いが、基板ホルダーの両側に、夫々複数
種設置して、基板の両面に成膜できる構造とするのが望
ましい。
【0015】このような装置において、ターゲットは、
円周に沿って等間隔で配置してあると共に、基板ホルダ
ーは回転可能な円盤で構成してあり、ターゲットを配置
した円周と同一の円周に沿って等間隔に、基板保持部が
設けてある構成とすることができる。
【0016】また、基板ホルダーは、接地電位から絶縁
され、バイアス印加電源を接続された構成とすることが
できる。
【0017】更に、スパッタリング室を複数連設して、
そのうちの少くとも一つのスパッタリング室を、前記の
ような構成(CoCrTa膜その他の磁性膜およびCr
又はCr合金膜を成膜する為の構成)とし、全てのスパ
ッタリング室に亘って、基板ホルダーを移送する為の搬
送機構を設けるようにして、他のスパッタリング室で、
下地層や表面保護膜を成膜できるようにすることもでき
る。
【0018】
【作用】この発明の磁気記録媒体によれば、CoCrT
a膜その他の磁性膜を複数層としたので、各層の膜厚を
薄くすることができ、保磁力Hcを向上することができ
る。尚、保磁力HcとCoCrTa膜その他の磁性膜の
膜厚の関係は図8に示したCoCrTa膜の場合のよう
に、膜厚の増加と共に保磁力Hcが減少する傾向にある
ことが判っているものである。
【0019】CoCrTa膜その他の磁性膜の膜厚を薄
くすると、記録再生時の出力特性を左右する値である、
Br・δ(Brは残留磁束密度、δは膜厚)が小さくな
り、再生出力を低下させるが、この発明ではCoCrT
a膜その他の磁性膜を複数層としてδの減少をなくした
ので、出力特性の維持と保磁力Hcの向上を両立するこ
とができる。
【0020】基板上にCoCrTa膜その他の磁性膜と
Cr又はCr合金膜を順次成膜する場合、成膜プロセス
のインターバル期間や、CoCrTa膜その他の磁性膜
がさらされる雰囲気(気体の種類)によってCoCrT
a膜その他の磁性膜が変質し、磁気記録媒体の磁気履歴
曲線における角形比が悪化することがある。この点、こ
の発明の製造方法および装置によれば、一つのスパッタ
リング室で1〜10秒程度の短いインターバルでCoC
rTa膜その他の磁性膜と、Cr又はCr合金膜を順次
成膜できるので、角形比の悪化を避けることができる。
【0021】また、スパッタリング中は基板を停止した
状態でターゲットと対向させるので、CoCrTa膜そ
の他の磁性膜の厚さ方向に関し、一定の成長速度で成膜
できることになり、厚さ方向に均質な膜とすることがで
きる。また、各ターゲットの投入電力は、個々に、独立
して制御できるので、10オングストローム以下の精度
で膜厚の調整ができる。
【0022】
【実施例】始めに、磁性膜CoCrTa膜とした磁気記
録媒体について説明する。図1に示したように、表面に
NiPメッキ層2を形成したアルミニウム製の基板1
に、Crの下地層3(1000オングストローム)をス
パッタリングで形成し、その上に、CoCrTa膜4を
Cr膜5(100オングストローム)を挟んで複数層に
形成した。CoCrTa膜4およびCr膜5は以下で説
明する静止対向型のスパッタリング装置で成膜したもの
で、装置のバックグラウンド真空は10-8Torr台で
あり、スパッタリング前に基板1を約200〜280℃
に加熱して脱ガスをした。スパッタリング中はアルゴン
ガスを導入して、3×10-3Torrとし、基板1を保
持した基板ホルダーには−300Vのバイアスを印加し
た。CoCrTa膜4を成膜する為のターゲットは、C
rを12atm%、Taを2atm%含んだCo合金を
用いた。
【0023】保磁力Hcの向上およびBr・δの変化を
調べる為に、図7に示したようにCoCrTa層4を一
層のものと、CoCrTa層4をCr膜5を挟んで2〜
4層としたものを作成した。何れの場合も、CoCrT
a層4の膜厚は、合計540オングストロームとなるよ
うに、2層の場合で270オングストローム、3層の場
合で180オングストローム、4層の場合で135オン
グストロームとした。
【0024】各磁気記録媒体の保磁力HcとBr・δは
図2に示した通りであった。即ち、CoCrTa層4を
複数層とすることで、保磁力Hcを2000Oe以上、
最大2257Oeとすることができた。基板側にバイア
スを印加したのみでは、保磁力Hcの向上は1770O
e(1層の場合)に止まっており、CoCrTa層を複
数層に分割することが効果的であることが判明した。
【0025】Br・δは、何れの場合も約400G・μ
mと略一定であり、CoCrTa層4の合計膜厚を確保
することで、Br・δを一定に保てることが判明した。
【0026】CoCrTa層4の層数と保磁力Hcの関
係は3層とした時を最大として、2層および4層の時
は、それよりい低い値であった。
【0027】保磁力Hcを2000Oe以上とするこ
と、並びに、下地層3上に形成できる成膜の許容範囲
や、CoCrTa層4の制御可能の膜厚等を考慮する
と、CoCrTa層4の層数は2〜4層が適当と認めら
れた。
【0028】次に、前記の磁気記録媒体を製造した装置
の実施例について説明する。装置は図3のように加熱チ
ャンバーA、下地スパッタチャンバーB、磁性膜スパッ
タチャンバーCを連設したものとした。チャンバーの連
設方向に沿って、搬送機構37が設置してあり、基板を
支持した基板ホルダー12を加熱チャンバーA、下地ス
パッタチャンバーB、磁性膜スパッタチャンバーCへと
順次、移送できるようになっている。各チャンバーには
夫々排気装置14が設置してあると共に、加熱チャンバ
ーAと下地スパッタチャンバーBの隣接部、下地スパッ
タチャンバーBと磁性膜スパッタチャンバーCの隣接
部、並びに加熱チャンバーAの外側壁および磁性膜スパ
ッタチャンバーCの外側壁には、夫々、搬送機構37上
の基板ホルダー12の通過が可能としたゲートバルブ3
8が設置してある。
【0029】前記スパッタチャンバーB、Cは、図4お
よび図5に示したように、スパッタリング室11の側壁
にカソード13、13を複数設置して構成した。スパッ
タチャンバーを構成したスパッタリング室11には、図
示していないガス導入系を通して、アルゴンガスなどを
導入して所定圧力のガス雰囲気に調整できるようになっ
ている。
【0030】基板ホルダー12は、前記搬送機構37に
沿って走行する走行部材15に絶縁材16を介して立設
した支持脚17で回転自在に支持された円盤状のもの
で、一つの円周に沿って、8ヶ所、等間隔に透孔18、
18が形成されて、各透孔部を基板保持部としてある。
基板保持部とした透孔18の内周に沿って、バネ片1
9、19が設けてあり、円形の基板1を透孔18の中央
部に保持できるようになっている。
【0031】基板ホルダー12の中央の支持軸20の両
端には、夫々カップリング21、22が設けてある。一
方のカップリング21は、スパッタリング室11の一側
壁に設置したステップ回転機構23の出力軸24と結合
するものであり、他方のカップリング22は、スパッタ
リング室11の他側壁に設置したバイアス印加電源25
の出力軸26と結合するものである。
【0032】ステップ回転機構23の出力軸24は、中
間に絶縁材27が介設されて、先端部が絶縁されてお
り、ステップ回転機構23によって、矢示28のように
ステップ回転すると共に、矢示29のように進退してカ
ップリング21と接続又は離脱できるように構成されて
いる。
【0033】一方、バイアス印加電源25の出力軸26
は、側壁に設けた絶縁材30で、接地電位から絶縁され
ており、矢示31のように進退して、カップリング22
と接続又は離脱できるように構成されている。
【0034】基板ホルダー12の走行部の両側には、基
板ホルダー12と対向するように、シールド板32、3
2が設置してある。シールド板32は、図5に示したよ
うに矩形の板体で、四側縁中央部に、夫々開口部33を
形成して、基板ホルダー12に保持された8枚の基板
1、1のうち、1枚おきに、4枚の基板1を露出させ、
残りの基板1を覆いかくすことができるようにしたもの
である。
【0035】スパッタリング室11の側壁に設置したカ
ソード13、13は、前記シールド板32の開口部33
の位置に対応させて、設置してある。各カソード13
は、基板1と対向するターゲット34と、ターゲットホ
ルダー35およびターゲットホルダー35の冷却機構
や、スパッタリング空間に磁界を与える為の、回転磁石
などが収容されたカソード本体36から構成され、カソ
ード本体36を通して、ターゲット34に、図示してい
ない電源から、直流電力又は高周波電力を導入できるよ
うになっている。
【0036】スパッタリング室11の各側壁に設置され
た4個所のカソード13、13は、磁性膜スパッタチャ
ンバーCでは、上下2個所のカソード13のターゲット
34をCrターゲットとし、左右2個所のカソード13
のターゲット34をCoCrTa合金ターゲットとし、
下地スパッタチャンバーBでは、全てのカソード13の
ターゲット34をCrターゲットとした。
【0037】加熱チャンバーAは、側壁に、前記カソー
ド13に代えて、加熱機構39を設置したものである。
加熱機構39は、赤外線放射ランプなどを熱源としたも
ので、前記基板ホルダー12に支持された基板1に対向
する位置(図の実施例の場合、8ヶ所)に、夫々設置し
たものである。
【0038】以上のように構成した磁気記録媒体の製造
装置を用いて、図1に示したような構造の磁気記録媒体
を製造した。
【0039】基板ホルダー12の各基板保持部に、3.
5インチの基板1を保持し、搬送機構37を介して、加
熱チャンバーA、下地スパッタリングチャンバーB、磁
性膜スパッタリングチャンバーCへと、間欠移送した。
【0040】加熱チャンバーAにおいては、真空ポンプ
14でチャンバー内を排気し乍ら、基板1を約200℃
に加熱して、基板1の脱ガス処理を行なった。脱ガス処
理においては、H2 O等のガスが放出されるので、スパ
ッタリングチャンバーB、C側に流入しないように、ゲ
ートバルブ38、38は閉鎖して行なった。
【0041】脱ガス処理を終了した後、基板ホルダー1
2を下地スパッタリングチャンバーB内に移送し、基板
1の表面に、下地層3として、Cr膜(1000オング
ストローム)をスパッタリングにより成膜した。スパッ
タリングに要した時間は、1kwで約8秒であった。下
地スパッタリングチャンバーBには、カソード13を4
個所としてあるのに対し、基板ホルダー12には基板1
が8枚、夫々、同一円周上に、等間隔で配置してある。
従って、スパッタリングは、基板ホルダー12を45度
ステップ回転させて2回行なった。
【0042】スパッタリング室11の圧力は、バックグ
ラウンドとして10-8Torr台まで真空に排気した
後、Arガスを導入して3×10-3Torrとした。
【0043】下地層3の成膜終了後、基板ホルダー12
を磁性膜スパッタリングチャンバーCに移送し、下地層
3の表面に、CoCrTa層4とCr層5を交互に成膜
した。
【0044】CoCrTa層4の成膜は、基板1をCo
CrTaターゲットと対向させ、Cr層4の成膜は、基
板1をCrターゲットと対向させてスパッタリングを行
うのは言うまでもなく、各基板1が、CoCrTaター
ゲットとCrターゲットに交互に対向するように、ステ
ップ回転機構23を制御し、スパッタリング中は、ステ
ップ回転機構を停止して、基板1とターゲット34の正
対関係を維持した。又、スパッタリング中は、基板ホル
ダー12に、バイアス印加電源25を介してバイアス電
位を与えた。スパッタリング室11の圧力は、前記と同
様に、10-8Torr台に排気したスパッタリング室1
1にArガスを導入して、3×10-3Torrとした。
【0045】各基板1がCoCrTaターゲットとCr
ターゲットに交互に対向する為の、基板ホルダー12の
ステップ回転シーケンスには、種々の態様が考えられる
が、例えば図5中、Bで示した基板1は、図示した位置
でCoCrTaターゲットに対向し、次いで、90度ず
つ4回のステップ回転を繰り返すことで、Crターゲッ
ト、CoCrTaターゲット、Crターゲット、CoC
rTaターゲットと順次対向し、2層のCr層5を挟ん
で3層のCoCrTa層4を成膜することができる。
【0046】CoCrTa層4およびCr層5の膜厚
は、カソード13を通して導入される電力で制御し、所
定の膜厚が同一のスパッタリング時間で得られるように
する。実施例の場合、基板1とターゲット34の距離は
40mm、ターゲット34の径は152mmであり、CoC
rTa層4を180オングストローム、Cr層5を10
0オングストロームとする場合で、CoCrTaターゲ
ットには0.05〜0.3kw、Crターゲットには
0.1〜0.3kwの電力を投入して、CoCrTa層
4又はCr層5の一層のスパッタリング時間を1〜10
秒とすることができた。従って、3層のCoCrTa層
4と2層のCr層5の合計5層をスパッタリングするの
に、約1分の時間が必要である。尚、CoCrTa層4
のみを一層、540オングストロームの厚さとする場合
には、電力を約0.7kwとして、約8秒の時間が必要
である。
【0047】3.5インチの基板1に成膜されるCoC
rTa膜とCr膜の膜厚分布特性を調べた所、図6の通
りであった。図中(a)がCoCrTa膜の分布、
(b)がCr膜の分布である。何れも、半径22、3
2、42mmの円周に沿って、45度間隔で膜厚を測定し
て求めた。CoCrTa膜、Cr膜ともに平均膜厚の±
5%以内の分布であった。
【0048】以上、この発明の磁気記録媒体の製造方法
および装置の実施例について説明したが、この発明は実
施例に限定されるものではない。例えば、磁性膜スパッ
タリングチャンバーC内のCoCrTaターゲトとCr
ターゲットは、少なくとも1枚ずつ、スパッタリング室
11内に設置してあれば、この発明の製造方法を実施す
ることができる。又、基板ホルダー12に保持する基板
の数も、少なくとも1枚保持してあれば、この発明の製
造方法を実施することができる。更に、基板ホルダー1
2も円盤状のものに限定されることなく、少なくとも1
枚の基板1を保持し、直線運動機構を介して、異なる種
類のターゲット間で基板1を移動できるようにすること
でこの発明の製造方法を実施することができる。
【0049】磁性膜スパッタリングチャンバーCも1つ
に限定されるものではなく、2以上の磁性膜スパッタリ
ングチャンバーCを連設して、CoCrTa層4とCr
層5の多層膜を成膜するようにしても良い。
【0050】又、実施例では、磁性膜をCoCrTaと
して、ターゲット34をCoCrTa合金ターゲットと
したが、CoCrTaNi、CoCrTaPt、CoC
rTaW、CoCrNi、CoCrNiPt、又はCo
CrNiWの磁性膜も、ターゲット34を変更すること
で、同様に実施できる。Cr層5の為のCrターゲット
もCr合金ターゲットとして、Cr層5をCr合金層と
することもできる。
【0051】
【発明の効果】この発明によれば、高い保磁力HcとB
r・δの磁気記録媒体を提供できる。
【0052】また、CoCrTaその他の磁性膜層のス
パッタリングを基板とターゲットを静止対向させて行う
ので、CoCrTaその他の磁性膜層を厚さ方向で均質
なものにできる。
【0053】更に、CoCrTaその他の磁性膜層のス
パッタリングとCr又はCr合金層のスパッタリングを
短いタイムインターバルで行うことができ、かつ各層を
有害なガスを含む雰囲気にさらなさいようにできるの
で、CoCrTaその他の磁性膜層の変質を防ぐことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例の磁気記録媒体の一部を拡大
した断面図である。
【図2】この発明の実施例の磁気記録媒体のCoCrT
a層の数と保磁力Hcの関係を示すグラフである。
【図3】この発明の製造装置の実施例の構成図である。
【図4】同じく実施例のスパッタリングチャンバーの概
略断面図である。
【図5】図4中、A−A線から見た図である。
【図6】実施例の装置の膜厚分布特性のグラフで、
(a)はCoCrTa膜の分布、(b)はCr膜の分布
のグラフである。
【図7】従来の磁気記録媒体の一部を拡大した断面図で
ある。
【図8】磁気記録媒体における、保磁力HcとCoCr
Ta膜の膜厚の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 基板 2 NiPメッキ層 3 下地層 4 CoCrTa層 5 Cr層 11 スパッタリング室 12 基板ホルダー 13 カソード 14 真空ポンプ 23 ステップ回転機構 25 バイアス印加電源 32 シールド板 34 ターゲット 37 搬送機構 38 ゲートバルブ 39 加熱機構

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板にCoCrTa膜その他の磁性膜を
    形成してなる磁気記録媒体において、前記CoCrTa
    膜その他の磁性膜がCr又はCr合金膜を挟んで複数層
    としてあることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 CoCrTa膜その他の磁性膜は、Co
    CrTa、CoCrTaNi、CoCrTaPt、Co
    CrTaW、CoCrNi、CoCrNiPt、CoC
    rNiWの何れかの膜とした請求項1記載の磁気記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 CoCrTa膜その他の磁性膜は、2〜
    4層とした請求項1記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 基板にCoCrTa膜その他の磁性膜を
    スパッタリング法で成膜して磁気記録媒体を製造する方
    法において、一つのスパッタリング室内で、基板を磁性
    膜材料の合金ターゲットと、Cr又はCr合金ターゲッ
    トに交互に静止対向させ、静止対向時にスパッタリング
    を行い、基板にCoCrTa膜その他の磁性膜とCr又
    はCr合金膜を順次成膜することを特徴とする磁気記録
    媒体の製造方法。
  5. 【請求項5】 CoCrTa膜その他の磁性膜を2〜4
    層とし、CoCrTa膜その他の磁性膜の間にCr又は
    Cr合金膜を挟むようにする請求項4記載の磁気記録媒
    体の製造方法。
  6. 【請求項6】 スパッタリング中、基板にバイアス電圧
    を印加する請求項4記載の磁気記録媒体の製造方法。
  7. 【請求項7】 スパッタリング室にターゲットと基板ホ
    ルダーを対向設置して構成した磁気記録媒体の製造装置
    において、前記ターゲットは、少くとも一つのCoCr
    Taその他の磁性材料でなる合金ターゲットと、少くと
    も一つのCr又はCr合金ターゲットの複数種とし、前
    記基板ホルダーは、少くとも一枚の基板を保持する為の
    ホルダーとしてあり、基板ホルダーに基板を、前記ター
    ゲット中の一つと対向する位置に順次移動し、停止させ
    る為の駆動機構が設けてあることを特徴とする磁気記録
    媒体の製造装置。
  8. 【請求項8】 ターゲットは、基板ホルダーの両側に夫
    々設置してある請求項7記載の磁気記録媒体の製造装
    置。
  9. 【請求項9】 ターゲットは、円周に沿って等間隔で配
    置してあると共に、基板ホルダーは回転可能な円盤で構
    成してあり、ターゲットを配置した円周と同一の円周に
    沿って、等間隔に基板保持部が設けてある請求項7又は
    8記載の磁気記録媒体の製造装置。
  10. 【請求項10】 基板ホルダーは、接地電位から絶縁さ
    れ、バイアス印加電源と接続されている請求項9記載の
    磁気記録媒体の製造装置。
  11. 【請求項11】 スパッタリング室が複数連設され、そ
    のうちの少くとも一つのスパッタリング室が請求項7又
    は8記載の構成とされ、全てのスパッタリング室に亘っ
    て、基板ホルダーを移送する為の搬送機構が設けてある
    磁気記録媒体の製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US5762766A (en) * 1995-11-20 1998-06-09 Anelva Corporation Method for depositing magnetic film on both substrate surfaces and mechanism for performing same
WO2013061506A1 (ja) * 2011-10-28 2013-05-02 キヤノンアネルバ株式会社 真空処理装置

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WO2013061506A1 (ja) * 2011-10-28 2013-05-02 キヤノンアネルバ株式会社 真空処理装置
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