JPH0533659B2 - - Google Patents
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- JPH0533659B2 JPH0533659B2 JP12660886A JP12660886A JPH0533659B2 JP H0533659 B2 JPH0533659 B2 JP H0533659B2 JP 12660886 A JP12660886 A JP 12660886A JP 12660886 A JP12660886 A JP 12660886A JP H0533659 B2 JPH0533659 B2 JP H0533659B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- viscoelastic
- vibration damping
- loss coefficient
- material layer
- steel plate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Vibration Prevention Devices (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
この発明は、低温から高温までの広い温度範囲
において優れた制振作用を発揮する制振材に関す
るものである。 〔従来の技術〕 一般に制振材、特に制振鋼板は、2枚の鋼板の
間に粘弾性物質層を介在させ、全体を一体化して
構成されており、鋼板に加えられる定常振動ない
し衝撃に基づく振動エネルギーを上記粘弾性物質
層で吸収させ、内部摩擦による熱エネルギーに変
換し騒音を減殺する(制振作用)ものである。こ
の種の制振鋼板は、車両等のオイルパン、シリン
ダヘツドカバー、遮蔽板、モートルケース等に広
く使用されている。制振鋼板の制振作用は、上記
のように、2枚の鋼板の間に介在している粘弾性
物質層自体の制振作用に基づくものであつて、そ
の制振作用の尺度として一般に損失係数(η)が
用いられており、その損失係数ηの値で制振作用
が評価される。損失係数ηは大きく、かつ低温か
ら高温までの広い範囲にわたつて変わらないこと
が好ましい。すなわち、上記制振鋼板は、低温か
ら高温までの広い温度範囲において使用されるも
のであり、特に自動車用のものは、厳寒地から酷
暑地まで対応することが求められ、低温(−30℃
程度)域からかなりの高温域まで優れた制振作用
を発揮することが要求される。 このように、制振鋼板の性能は、粘弾性物質層
自体の損失係数ηによつて大きく左右されるもの
であり、従来から、上記粘弾性物質層として、合
成樹脂またはゴムが使用されている。合成樹脂
は、特有の粘弾性的特徴、すなわち弾性率、損失
係数ηの温度依存性が大であるという特徴をもつ
ため、このような合成樹脂を粘弾性物質層として
構成した制振鋼板は、損失係数ηの温度依存性が
大であり、ガラス転移温度(通常、常温もしくは
それ以上の温度域にある)付近でシヤープなピー
クを有するとともに、制振効果を発揮する温度領
域が狭いという欠点を有している。これは、主に
合成樹脂の弾性率が急激に低下することに起因す
る。しかも、合成樹脂は、その品温が上昇してガ
ラス転移温度を超えると溶融状態になり、かかる
合成樹脂を粘弾性物質層として構成された制振鋼
板は、損失係数ηの急激な低下を招く。したがつ
て、広い温度範囲において優れた制振作用を発揮
することができず、ガラス転移温度近傍の温度に
おいてのみ優れた制振作用を発揮するにすぎな
い。特に、ガラス転移温度を超えると上記ηが急
激に低下するため、高温では使用できない。他
方、ゴムを粘弾性物質層とした制振鋼板も、その
損失係数ηが、ガラス転移温度付近で最大になる
が、ゴムのガラス転移温度は一般に0℃よりも低
いところにあるため、常温ないしは常温以上の高
い温度領域においては、優れた制振作用を発揮し
えない。しかし、ゴムは三次元的に架橋されてい
るため、品温が上昇しガラス転移温度を超えて
も、溶融状態にならず、合成樹脂のように急激に
損失係数ηが低下することはない。このゴムの損
失係数η−温度曲線および合成樹脂の損失係数η
−温度曲線を第1図に示す。図において、曲線
A′が合成樹脂のそれであり、曲線B′がゴムのそ
れである。第1図から明らかなように、合成樹脂
は、常温ないしそれ以上の温度領域内におけるガ
ラス転移温度近傍で優れた制振作用を発揮するも
のの、損失係数ηの温度依存性が高いためそれを
外れた温度領域では制振作用が急激に低下する。
これに対して、ゴムはその損失係数ηの温度依存
性が低いため、温度変化による制振作用の変動は
比較的少ないものの、常温ないしそれ以上の温度
領域では損失係数ηが小さくなるため、この温度
領域においては充分な制振作用が得られない。 このように、合成樹脂およびゴムには一長一短
があり、それらを単独で用いても優れた制振鋼板
は得られない。そこで、合成樹脂とゴムとをブレ
ンドして、損失係数ηの温度依存性を低くし、広
い範囲領域において高い値の損失係数ηを得るよ
うにすることが考えられた。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、合成樹脂とゴムとのブレンド物
を粘弾性物質層として用いた制振材は、ピークに
おける損失係数ηの値は大きくなるが、同時に温
度依存性も大きくなるため、所期の目的を達成す
ることができない。 この発明は、損失係数ηの温度依存性が低く、
制振材の使用温度範囲において高い損失係数ηを
保持しうる粘弾性物質を開発することにより、制
振材の使用温度範囲である低温から高温までの広
い温度範囲において優れた制振作用を発揮する制
振材を提供することを目的とする。 〔問題点を解決するための手段〕 上記の目的を達成するため、この発明の制振材
は、剛性基板の基板面に粘弾性物質層が形成され
た制振材であつて、上記粘弾性物質層が、下記の
(A)成分100重量部に対して(B)成分5〜80重量部を
反応させた粘弾性反応生成物によつて実質的に構
成されているという構成をとる。 (A) アクリロニトリルから誘導される反覆単位を
10〜60重量%含むニトリル系ゴム。 (B) 下記の一般式(1)または(2)で表されるアクリル
酸系化合物。
において優れた制振作用を発揮する制振材に関す
るものである。 〔従来の技術〕 一般に制振材、特に制振鋼板は、2枚の鋼板の
間に粘弾性物質層を介在させ、全体を一体化して
構成されており、鋼板に加えられる定常振動ない
し衝撃に基づく振動エネルギーを上記粘弾性物質
層で吸収させ、内部摩擦による熱エネルギーに変
換し騒音を減殺する(制振作用)ものである。こ
の種の制振鋼板は、車両等のオイルパン、シリン
ダヘツドカバー、遮蔽板、モートルケース等に広
く使用されている。制振鋼板の制振作用は、上記
のように、2枚の鋼板の間に介在している粘弾性
物質層自体の制振作用に基づくものであつて、そ
の制振作用の尺度として一般に損失係数(η)が
用いられており、その損失係数ηの値で制振作用
が評価される。損失係数ηは大きく、かつ低温か
ら高温までの広い範囲にわたつて変わらないこと
が好ましい。すなわち、上記制振鋼板は、低温か
ら高温までの広い温度範囲において使用されるも
のであり、特に自動車用のものは、厳寒地から酷
暑地まで対応することが求められ、低温(−30℃
程度)域からかなりの高温域まで優れた制振作用
を発揮することが要求される。 このように、制振鋼板の性能は、粘弾性物質層
自体の損失係数ηによつて大きく左右されるもの
であり、従来から、上記粘弾性物質層として、合
成樹脂またはゴムが使用されている。合成樹脂
は、特有の粘弾性的特徴、すなわち弾性率、損失
係数ηの温度依存性が大であるという特徴をもつ
ため、このような合成樹脂を粘弾性物質層として
構成した制振鋼板は、損失係数ηの温度依存性が
大であり、ガラス転移温度(通常、常温もしくは
それ以上の温度域にある)付近でシヤープなピー
クを有するとともに、制振効果を発揮する温度領
域が狭いという欠点を有している。これは、主に
合成樹脂の弾性率が急激に低下することに起因す
る。しかも、合成樹脂は、その品温が上昇してガ
ラス転移温度を超えると溶融状態になり、かかる
合成樹脂を粘弾性物質層として構成された制振鋼
板は、損失係数ηの急激な低下を招く。したがつ
て、広い温度範囲において優れた制振作用を発揮
することができず、ガラス転移温度近傍の温度に
おいてのみ優れた制振作用を発揮するにすぎな
い。特に、ガラス転移温度を超えると上記ηが急
激に低下するため、高温では使用できない。他
方、ゴムを粘弾性物質層とした制振鋼板も、その
損失係数ηが、ガラス転移温度付近で最大になる
が、ゴムのガラス転移温度は一般に0℃よりも低
いところにあるため、常温ないしは常温以上の高
い温度領域においては、優れた制振作用を発揮し
えない。しかし、ゴムは三次元的に架橋されてい
るため、品温が上昇しガラス転移温度を超えて
も、溶融状態にならず、合成樹脂のように急激に
損失係数ηが低下することはない。このゴムの損
失係数η−温度曲線および合成樹脂の損失係数η
−温度曲線を第1図に示す。図において、曲線
A′が合成樹脂のそれであり、曲線B′がゴムのそ
れである。第1図から明らかなように、合成樹脂
は、常温ないしそれ以上の温度領域内におけるガ
ラス転移温度近傍で優れた制振作用を発揮するも
のの、損失係数ηの温度依存性が高いためそれを
外れた温度領域では制振作用が急激に低下する。
これに対して、ゴムはその損失係数ηの温度依存
性が低いため、温度変化による制振作用の変動は
比較的少ないものの、常温ないしそれ以上の温度
領域では損失係数ηが小さくなるため、この温度
領域においては充分な制振作用が得られない。 このように、合成樹脂およびゴムには一長一短
があり、それらを単独で用いても優れた制振鋼板
は得られない。そこで、合成樹脂とゴムとをブレ
ンドして、損失係数ηの温度依存性を低くし、広
い範囲領域において高い値の損失係数ηを得るよ
うにすることが考えられた。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、合成樹脂とゴムとのブレンド物
を粘弾性物質層として用いた制振材は、ピークに
おける損失係数ηの値は大きくなるが、同時に温
度依存性も大きくなるため、所期の目的を達成す
ることができない。 この発明は、損失係数ηの温度依存性が低く、
制振材の使用温度範囲において高い損失係数ηを
保持しうる粘弾性物質を開発することにより、制
振材の使用温度範囲である低温から高温までの広
い温度範囲において優れた制振作用を発揮する制
振材を提供することを目的とする。 〔問題点を解決するための手段〕 上記の目的を達成するため、この発明の制振材
は、剛性基板の基板面に粘弾性物質層が形成され
た制振材であつて、上記粘弾性物質層が、下記の
(A)成分100重量部に対して(B)成分5〜80重量部を
反応させた粘弾性反応生成物によつて実質的に構
成されているという構成をとる。 (A) アクリロニトリルから誘導される反覆単位を
10〜60重量%含むニトリル系ゴム。 (B) 下記の一般式(1)または(2)で表されるアクリル
酸系化合物。
すなわち、上記制振材における粘弾性物質
は、ゴムと樹脂を機械的混合により単にいブレ
ンドしたものではなく、上位のニトリル系ゴム
と、上記一般式(1)、(2)で表されるアクリル酸系
化合物(モノマー)との粘弾性反応生成物を主
体として構成されている。そして、この粘弾性
反応生成物において、上記アクリル酸系化合物
(モノマー)はそれ自身重合して鎖状構造とな
つており、上記ニトリル系ゴム分子中の二重結
合部分に結合してニトリル系ゴムとグラフト重
合体を構成していると考えられ、この構造と、
ニトリル系ゴムおよびアクリル酸系化合物を上
記の割合で反応させることによるグラフト重合
体の構成成分比の特定とにより、上記粘弾性反
応生成物が、制振材の使用温度範囲である低温
から高温までの広い温度範囲において高い損失
係数ηを有するようになるものと思われる。し
たがつて、それを用いた制振材は、上記温度範
囲において、優れた制振作用を発揮するように
なるのである。 上記粘弾性反応生成物の合成に使用するニトリ
ル系ゴムは、アクリロニトリル共重合体
(NBR)、アクリロニトリル−イソプレン共重合
体(NIR)もしくはアクリロニトリル−ブタジ
エン−イソプレン三元共重合体(NBIR)または
これらを適宜に組み合わせたものであり、アクリ
ロニトリルから誘導される反覆単位を10〜60重量
%含むものであることが必要である。すなわち、
アクリロニトリルから誘導される反覆単位が10〜
60重量%、残部がブタジエン、イソプレンから誘
導される反覆単位であるニトリル系ゴムを使用す
ることにより初めて、そのニトリル系ゴム中の二
重結合(ブタジエン、イソプレンから誘導される
反覆単位中に存在する)の数が適正になり、そこ
にアクリル酸系化合物鎖状体が結合して所定のグ
ラフト重合体が得られるようになるからである。 上記ニトリル系ゴムと反応させるアクリル酸系
化合物(モノマー)としては、下記の一般式(1)ま
たは(2)で表されるものが使用される。
は、ゴムと樹脂を機械的混合により単にいブレ
ンドしたものではなく、上位のニトリル系ゴム
と、上記一般式(1)、(2)で表されるアクリル酸系
化合物(モノマー)との粘弾性反応生成物を主
体として構成されている。そして、この粘弾性
反応生成物において、上記アクリル酸系化合物
(モノマー)はそれ自身重合して鎖状構造とな
つており、上記ニトリル系ゴム分子中の二重結
合部分に結合してニトリル系ゴムとグラフト重
合体を構成していると考えられ、この構造と、
ニトリル系ゴムおよびアクリル酸系化合物を上
記の割合で反応させることによるグラフト重合
体の構成成分比の特定とにより、上記粘弾性反
応生成物が、制振材の使用温度範囲である低温
から高温までの広い温度範囲において高い損失
係数ηを有するようになるものと思われる。し
たがつて、それを用いた制振材は、上記温度範
囲において、優れた制振作用を発揮するように
なるのである。 上記粘弾性反応生成物の合成に使用するニトリ
ル系ゴムは、アクリロニトリル共重合体
(NBR)、アクリロニトリル−イソプレン共重合
体(NIR)もしくはアクリロニトリル−ブタジ
エン−イソプレン三元共重合体(NBIR)または
これらを適宜に組み合わせたものであり、アクリ
ロニトリルから誘導される反覆単位を10〜60重量
%含むものであることが必要である。すなわち、
アクリロニトリルから誘導される反覆単位が10〜
60重量%、残部がブタジエン、イソプレンから誘
導される反覆単位であるニトリル系ゴムを使用す
ることにより初めて、そのニトリル系ゴム中の二
重結合(ブタジエン、イソプレンから誘導される
反覆単位中に存在する)の数が適正になり、そこ
にアクリル酸系化合物鎖状体が結合して所定のグ
ラフト重合体が得られるようになるからである。 上記ニトリル系ゴムと反応させるアクリル酸系
化合物(モノマー)としては、下記の一般式(1)ま
たは(2)で表されるものが使用される。
上記一価の有機基Rの具体例としては、メチル
基、エチル基、ブチル基等のアルキル基のほか、
シクロアルキル基、2−ヒドロキシアルキル基、
テトラヒドロフルフリル基、アリル基、グリシジ
ル基、ジメチルアミノ基があげられる。また、ジ
エチルレンリコール、テトラエチレングリコール
等の多価アルコールの残基もあげられる。 上記アクリル酸系化合物(モノマー)の重合開
始剤としては、ジアルキルパーオキサイド、ハイ
ドロパーオキサイド、パーオキシエステル、パー
オキシケタール等、通常広く使用されている有機
過酸化物からなる熱重合開始剤が用いられる。 また、上記粘弾性反応生成物を主体とする粘弾
性物質層の形成対象となる、剛性をもつ基板とし
ては、通常使用されている鋼板があげられるが、
それ以外に、FRP等の剛性をもつプラスチツク
板等も用いられる。 この発明の制振材は、上記のような原材料を用
い、例えば、つぎのようにして製造される。すな
わち、上記のニトリル系ゴムとアクリル酸系化合
物(モノマー)とを、前者100重量部(以下「部」
と略す)に対して後者が5〜80部になるように配
合する。 このようにすることにより、得られる粘弾性反
応生成物中において、ニトリル系ゴムから誘導さ
れる反覆単位(a)とアクリル酸系化合物から誘導さ
れる反覆単位(b)とが重量基準で、(a):(b)=100:
5〜100:80の割合になる。アクリル酸系化合物
の使用割合が前記の割合を下まわると、反覆単位
(b)が、上記範囲を下まわつて粘弾性反応生成物が
ゴム性を強め、その損失係数ηが高温域で低くな
つて高温域における制振作用が小さくなる。逆に
上記範囲を上まわると、粘弾性反応生成物が樹脂
性を高め、その損失係数ηが常温近傍で低くなつ
て常温近傍における制振作用が小さくなる。した
がつて、反覆単位(a)と(b)の比率を、上記のように
(a):(b)=100:5〜100:80の割合に設定すること
が重要であり、そのためには、ニトリル系ゴムと
アクリル酸系化合物とを前記のような割合で配合
する必要がある。この場合、同時に上記アクリル
酸系化合物(モノマー)の熱重合開始剤となる有
機過酸化物や補強充填剤、老化防止剤、軟化剤を
適当量配合する。つぎに、上記配合物を、ロール
に掛けて薄いシート状に形成し、粘弾性物質層と
の被着面に加硫接着剤が塗布されている2枚の鋼
板の間に挟み、加硫(加熱プレス)する。この加
硫加熱により、熱重合開始剤が作用してアクリル
酸系化合物(モノマー)が熱重合し鎖状化すると
同時に、ニトリル系ゴム分子中の二重結合部分に
結合してニトリル系ゴムとグラフト重合体を形成
し粘弾性反応生成物化する。この結果、目的とす
る制振鋼板が得られる。 また、上記配合物を、公知の溶媒で溶解してペ
ースト状化し、被着面に加硫接着剤が塗布されて
いる2枚の鋼板のうちの1枚の被着面に塗布して
乾燥したのち、その上に残る鋼板を重ね、その状
態で加硫(加熱プレス)し圧着するようにしても
よい。このようにする場合には、極めて薄い粘弾
性物質層をもつ制振鋼板が得られる。 なお、粘弾性物質層は上記のように2枚の鋼板
の間に形成するだけでなく、1枚の鋼板上に形成
するようにしてもよい。この場合にも、粘弾性物
質層の作用により、優れた制振効果が得られる。 〔発明の効果〕 以上のように、この発明は、制振作用を発揮さ
せるための粘弾性物質層を、ゴムと樹脂の単なる
ブレンド物で構成するのではなく、ニトリル系ゴ
ムとアクリル酸系化合物とを前記の割合で反応さ
せた粘弾性反応生成物を用いて構成するため、粘
弾性反応生成物の損失係数ηが低温から高温まで
ピークを保ち続けるようになる。したがつて、そ
の粘弾性反応生成物を用いた制振材は、上記温度
範囲内のいずれの温度であつても最大限の制振作
用を発揮するのである。特に、上記粘弾性反応生
成物の損失係数ηは、−30℃程度の低温域から100
℃を超える高温域までほぼピークを保持するた
め、低温域から高温域の広い温度領域において最
大限の制振作用が発揮される。これは制振材が厳
寒地から酷暑地等の広い温度領域で使用される自
動車等に多用されることを考慮すると、極めて重
要な効果といいうるのである。そのうえ、上記粘
弾性反応生成物は、耐油性に富んだニトリル系ゴ
ムを用いているため耐油性にも富んでおり、した
がつて、この発明の制振材は実用性に極めて富ん
でいる。また、上記粘弾性反応生成物は、機械強
度等も優れているため、この発明の制振材は剪断
等の機械加工にも充分耐え得るのである。 つぎに、実施例について比較例と併せて説明す
る。 実施例1〜6、比較例1、2 下記の第1表に示す原料を同表に示すような割
合で配合し、その配合物を、バンバリーミキサー
を用いて混練し形成ロールに掛けて厚み0.4mmの
シートに形成した。これを、粘弾性物質被着面に
加硫接着剤が塗布されている2枚の鋼板(厚み
0.7mm)の間に挟み、150℃、10分間加熱プレス
(加硫)し制振鋼板を得た。得られた制振鋼板の
構造を第2図に示す。図において、1は鋼板、2
は粘弾性物質層である。
基、エチル基、ブチル基等のアルキル基のほか、
シクロアルキル基、2−ヒドロキシアルキル基、
テトラヒドロフルフリル基、アリル基、グリシジ
ル基、ジメチルアミノ基があげられる。また、ジ
エチルレンリコール、テトラエチレングリコール
等の多価アルコールの残基もあげられる。 上記アクリル酸系化合物(モノマー)の重合開
始剤としては、ジアルキルパーオキサイド、ハイ
ドロパーオキサイド、パーオキシエステル、パー
オキシケタール等、通常広く使用されている有機
過酸化物からなる熱重合開始剤が用いられる。 また、上記粘弾性反応生成物を主体とする粘弾
性物質層の形成対象となる、剛性をもつ基板とし
ては、通常使用されている鋼板があげられるが、
それ以外に、FRP等の剛性をもつプラスチツク
板等も用いられる。 この発明の制振材は、上記のような原材料を用
い、例えば、つぎのようにして製造される。すな
わち、上記のニトリル系ゴムとアクリル酸系化合
物(モノマー)とを、前者100重量部(以下「部」
と略す)に対して後者が5〜80部になるように配
合する。 このようにすることにより、得られる粘弾性反
応生成物中において、ニトリル系ゴムから誘導さ
れる反覆単位(a)とアクリル酸系化合物から誘導さ
れる反覆単位(b)とが重量基準で、(a):(b)=100:
5〜100:80の割合になる。アクリル酸系化合物
の使用割合が前記の割合を下まわると、反覆単位
(b)が、上記範囲を下まわつて粘弾性反応生成物が
ゴム性を強め、その損失係数ηが高温域で低くな
つて高温域における制振作用が小さくなる。逆に
上記範囲を上まわると、粘弾性反応生成物が樹脂
性を高め、その損失係数ηが常温近傍で低くなつ
て常温近傍における制振作用が小さくなる。した
がつて、反覆単位(a)と(b)の比率を、上記のように
(a):(b)=100:5〜100:80の割合に設定すること
が重要であり、そのためには、ニトリル系ゴムと
アクリル酸系化合物とを前記のような割合で配合
する必要がある。この場合、同時に上記アクリル
酸系化合物(モノマー)の熱重合開始剤となる有
機過酸化物や補強充填剤、老化防止剤、軟化剤を
適当量配合する。つぎに、上記配合物を、ロール
に掛けて薄いシート状に形成し、粘弾性物質層と
の被着面に加硫接着剤が塗布されている2枚の鋼
板の間に挟み、加硫(加熱プレス)する。この加
硫加熱により、熱重合開始剤が作用してアクリル
酸系化合物(モノマー)が熱重合し鎖状化すると
同時に、ニトリル系ゴム分子中の二重結合部分に
結合してニトリル系ゴムとグラフト重合体を形成
し粘弾性反応生成物化する。この結果、目的とす
る制振鋼板が得られる。 また、上記配合物を、公知の溶媒で溶解してペ
ースト状化し、被着面に加硫接着剤が塗布されて
いる2枚の鋼板のうちの1枚の被着面に塗布して
乾燥したのち、その上に残る鋼板を重ね、その状
態で加硫(加熱プレス)し圧着するようにしても
よい。このようにする場合には、極めて薄い粘弾
性物質層をもつ制振鋼板が得られる。 なお、粘弾性物質層は上記のように2枚の鋼板
の間に形成するだけでなく、1枚の鋼板上に形成
するようにしてもよい。この場合にも、粘弾性物
質層の作用により、優れた制振効果が得られる。 〔発明の効果〕 以上のように、この発明は、制振作用を発揮さ
せるための粘弾性物質層を、ゴムと樹脂の単なる
ブレンド物で構成するのではなく、ニトリル系ゴ
ムとアクリル酸系化合物とを前記の割合で反応さ
せた粘弾性反応生成物を用いて構成するため、粘
弾性反応生成物の損失係数ηが低温から高温まで
ピークを保ち続けるようになる。したがつて、そ
の粘弾性反応生成物を用いた制振材は、上記温度
範囲内のいずれの温度であつても最大限の制振作
用を発揮するのである。特に、上記粘弾性反応生
成物の損失係数ηは、−30℃程度の低温域から100
℃を超える高温域までほぼピークを保持するた
め、低温域から高温域の広い温度領域において最
大限の制振作用が発揮される。これは制振材が厳
寒地から酷暑地等の広い温度領域で使用される自
動車等に多用されることを考慮すると、極めて重
要な効果といいうるのである。そのうえ、上記粘
弾性反応生成物は、耐油性に富んだニトリル系ゴ
ムを用いているため耐油性にも富んでおり、した
がつて、この発明の制振材は実用性に極めて富ん
でいる。また、上記粘弾性反応生成物は、機械強
度等も優れているため、この発明の制振材は剪断
等の機械加工にも充分耐え得るのである。 つぎに、実施例について比較例と併せて説明す
る。 実施例1〜6、比較例1、2 下記の第1表に示す原料を同表に示すような割
合で配合し、その配合物を、バンバリーミキサー
を用いて混練し形成ロールに掛けて厚み0.4mmの
シートに形成した。これを、粘弾性物質被着面に
加硫接着剤が塗布されている2枚の鋼板(厚み
0.7mm)の間に挟み、150℃、10分間加熱プレス
(加硫)し制振鋼板を得た。得られた制振鋼板の
構造を第2図に示す。図において、1は鋼板、2
は粘弾性物質層である。
【表】
【表】
上記のようにして得られた制振鋼板を幅30mm、
長さ300mmに切断し、メカニカルインピーダンス
法によつて各温度での損失係数η(周波数500Hz)
を測定し、その損失係数η−温度曲線を第3図に
示した。図において、曲線Aは実施例1、4、曲
線Bは実施例3、5、曲線Cは実施例6、曲線D
は比較例1、2、曲線Eは粘弾性物質層としてエ
チレン−酢ビ共重合樹脂を用いた市販制振鋼板の
それである。曲線A,Bと曲線D、Eとの対比よ
り、実施例1、4、実施例3、5の制振鋼板は、
比較例のものに比べて低温から高温(100℃)ま
での広い温度範囲においてピークないしピークに
近い損失係数ηを呈しており、その温度領域内に
おいて最大の制振作用を発揮しうることがわか
る。ただ、実施例6(曲線C)は、低温域におい
て上記実施例1、4、実施例3、5より性能がや
や劣るが、上記損失係数ηは0.03以上あれば実用
に供しうるとされているのであり、実用性を保持
しているといいうる。
長さ300mmに切断し、メカニカルインピーダンス
法によつて各温度での損失係数η(周波数500Hz)
を測定し、その損失係数η−温度曲線を第3図に
示した。図において、曲線Aは実施例1、4、曲
線Bは実施例3、5、曲線Cは実施例6、曲線D
は比較例1、2、曲線Eは粘弾性物質層としてエ
チレン−酢ビ共重合樹脂を用いた市販制振鋼板の
それである。曲線A,Bと曲線D、Eとの対比よ
り、実施例1、4、実施例3、5の制振鋼板は、
比較例のものに比べて低温から高温(100℃)ま
での広い温度範囲においてピークないしピークに
近い損失係数ηを呈しており、その温度領域内に
おいて最大の制振作用を発揮しうることがわか
る。ただ、実施例6(曲線C)は、低温域におい
て上記実施例1、4、実施例3、5より性能がや
や劣るが、上記損失係数ηは0.03以上あれば実用
に供しうるとされているのであり、実用性を保持
しているといいうる。
第1図はゴムと樹脂の損失係数η−温度曲線
図、第2図はこの発明の実施例品の構造を説明す
る断面図、第3図はその損失係数η−温度曲線を
説明する説明図である。 1……鋼板、2……粘弾性物質層。
図、第2図はこの発明の実施例品の構造を説明す
る断面図、第3図はその損失係数η−温度曲線を
説明する説明図である。 1……鋼板、2……粘弾性物質層。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 剛性基板の基板面に粘弾性物質層が形成され
た制振材であつて、上記粘弾性物質層が、下記の
(A)成分100重量部に対して(B)成分5〜80重量部を
反応させた粘弾性反応生成物によつて実質的に構
成されていることを特徴とする制振材。 (A) アクリロニトリルから誘導される反覆単位を
10〜60重量%含むニトリル系ゴム。 (B) 下記の一般式(1)または(2)で表されるアクリル
酸系化合物。 【式】【式】 〔式(1)、(2)において、Rは一価の有機基であ
る。〕 2 剛性基板が鋼板である特許請求の範囲第1項
記載の制振材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12660886A JPS62280032A (ja) | 1986-05-30 | 1986-05-30 | 制振材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12660886A JPS62280032A (ja) | 1986-05-30 | 1986-05-30 | 制振材 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS62280032A JPS62280032A (ja) | 1987-12-04 |
| JPH0533659B2 true JPH0533659B2 (ja) | 1993-05-20 |
Family
ID=14939405
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP12660886A Granted JPS62280032A (ja) | 1986-05-30 | 1986-05-30 | 制振材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS62280032A (ja) |
-
1986
- 1986-05-30 JP JP12660886A patent/JPS62280032A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS62280032A (ja) | 1987-12-04 |
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