JPH05338445A - 自動車のパワープラント支持装置 - Google Patents

自動車のパワープラント支持装置

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JPH05338445A
JPH05338445A JP15021892A JP15021892A JPH05338445A JP H05338445 A JPH05338445 A JP H05338445A JP 15021892 A JP15021892 A JP 15021892A JP 15021892 A JP15021892 A JP 15021892A JP H05338445 A JPH05338445 A JP H05338445A
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JP
Japan
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power plant
members
mount
vehicle body
rotation
Prior art date
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Pending
Application number
JP15021892A
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English (en)
Inventor
Yoshibumi Shimose
義文 下瀬
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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  • Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 衝突時に、パワープラントをダッシュロアか
ら逃がして、骨格部材の潰れ量を増加し、かつ車体の衝
撃吸収効果を上げる。 【構成】 センタメンバ7の前側とサイドメンバ4,5
とに固定したマウント部材8,10,11にパワープラ
ント12のブラケット13,15,16を軸部材17,
18,19で回転可能に連結し、パワープラント12の
ブラケット14に形成した長孔26,27から、センタ
メンバ7の後側に固定したマウント部材9に軸部材28
を嵌装し、パワープラント12を傾けて支持してある。
そして、所定値以上の衝撃が車体に加わると、センタメ
ンバ7やサイドメン4,5の潰れに伴って、パワープラ
ント12が軸部材17,18,19を中心として回転
し、ブラケット14が移動して長孔26,27が軸部材
28に当接し、パワープラント12の回転が止まり、パ
ワープラント12がダッシュロア3から逃げる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車の衝突時に、パ
ワープラントを、車体のエンジンルームと車室とを区画
する縦壁から逃がすように、車体に支持する装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の自動車のパワープラント支持装置
としては、特開平2−38135号公報に開示されたも
のが知られている。これは、図15に示すように、2ボ
ックスタイプまたは3ボックスタイプのフロントエンジ
ン車におけるエンジンとトランスミッションとを一体化
したパワープラントの支持装置であり、エンジンルーム
101と車室102とが、ダッシュロア103で区画し
てある。このエンジンルーム101において、ダッシュ
ロア103の車幅方向両側から前方には、エンジンルー
ム101の上下方向中間部で車体前後方向(自動車の前
面衝突時の衝撃荷重入力方向)に伸びる骨格部材として
のフロントサイドメンバ104を連設してある。このフ
ロントサイドメンバ104のパワープラント109手前
に位置するフロントサイドメンバは、図示を省略してあ
る。フロントサイドメンバ104の前端下部には、車幅
方向(自動車の前面衝突時の衝撃荷重入力方向と直交す
る方向)に延びる骨格部材としてのフロントクロスメン
バ105を結合してある。このフロントクロスメンバ1
05とダッシュロア103とには、エンジンルーム10
1の下方で車体前後方向に延びる骨格部材としてのフロ
ントセンタメンバ106を結合してある。このフロント
センタメンバ106上の前側と後側には、マウント部材
107,108を固定してある。これらマウント部材1
07,108の弾性体107a,108aには、パワー
プラント109の前下部と後下部とに設けられたブラケ
ット110,111を、ボルト・ナットのような締結部
材112,113で結合してある。このマウント部材1
07,108の弾性体107a,108aとブラケット
112,113との結合により、パワープラント109
のシリンダブロック109aが鉛直方向に向けられて、
パワープラント109を車体に支持してある。また、フ
ロントセンタメンバ106は、自動車の前面衝突の衝撃
荷重で下方に折曲するように形成してある。このフロン
トセンタメンバ106とパワープラント109とには、
フック114,115を設けてある。そして、前面衝突
時において、フロントサイドメンバ104の座屈変形に
伴って、フロントセンタメンバ106に大きな衝撃荷重
が作用した場合、この衝撃荷重によりフロントセンタメ
ンバ106を積極的に下方に折曲させ、フック114,
115を係合させて、図16に実線で示すようにパワー
プラント109を後方斜め下方に移動させることによ
り、図16に点線で示す下方に移動しない場合に比べ
て、パワープラント109の移動量をD1だけ増やし
て、フロントサイドメンバ104やフロントセンタメン
バ106などの潰れ量を増加するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たパワープラントの支持装置にあっては、フロントサイ
ドメンバ104に入力された車体前方から後方に向く、
横向きの衝撃荷重を、フロントセンタメンバ106の下
方への折曲によって下向きに変換しなけらばならない構
造であるため、何らかの原因で、フロントセンタメンバ
106に下方への変形が起きなかった場合は、パワープ
ラント109の下方への移動は困難である。
【0004】特に、最近、図17に示すように、自動車
の車体にあっては、エンジンフードを低くする傾向にあ
ることから、パワープラントを傾けて車体に支持するこ
とにより、パワープラント109のエンジンルームを占
有する上下寸法を小さくしているため、前面衝突時に、
フロントセンタメンバ106を下方への折曲により、フ
ック114,115を係合させて、パワープラント10
9Aを下方に移動するようにしても、パワープラント1
09Aのデファレンシャルギヤ109bがダッシュロア
103の下に潜り込む前に、シリンダブロック109a
が仮想線で示すようにダッシュロア103に当接するの
で、パワープラント109Aを一点鎖線で示すように下
方に移動させることなく単に後方に移動させた場合と比
べて、パワープラント109Aの後方への移動量には、
差がなく、フロントサイドメンバ104やフロントセン
タメンバ106などの潰れ量を更に増加することができ
ない可能性がある。
【0005】そこで本発明にあっては、衝突時に、パワ
ープラントの車室形成壁からの逃げ量を多くして、骨格
部材の潰れ量を増加し、かつ、車体の衝撃吸収効果を上
げることを課題にしている。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、車体の骨
格部材に複数のマウント部材を取り付け、これらマウン
ト部材にパワープラントを連結することにより、前記車
体にパワープラントを支持するようにした自動車のパワ
ープラント支持装置において、一方のマウント部材に、
所定値以上の耐衝撃荷重性を有して前記パワープラント
を回転可能に保持する回転機構を付設し、他方のマウン
ト部材に、所定値以上の衝撃荷重による前記回転機構を
中心とするパワープラントの回転を許容しつつパワープ
ラントとの連結を保持する連結機構を付設してある。
【0007】第2の発明は、第1の発明において、連結
機構が付設されたマウント部材に、パワープラントの回
転速度を抑制する拘束機構を付設してある。
【0008】第3の発明は、第1の発明または第2の発
明において、回転機構が付設されたマウント部材を、パ
ワープラントの重心より下方と上方とに位置させ、この
パワープラントの重心より上方に位置するマウント部材
に、所定値以上の衝撃荷重による前記回転機構を中心と
するパワープラントの回転を許容しつつパワープラント
との連結を保持する連結機構を付設してある。
【0009】
【作用】衝突により、骨格部材が潰れるような、所定値
以上の衝撃荷重が車体に加わると、衝撃荷重を方向変換
することなくそのまま利用して、連結機構が他方のマウ
ント部材とパワープラントとの連結を保持したまま、パ
ワープラントが回転機構を介してマウント部材を中心と
して衝撃荷重入力方向に回転し、パワープラントがエン
ジンルームと車室とを区画するダッシュロアのような縦
壁から離れる。
【0010】また、拘束機構がパワープラントの回転速
度を抑制し、パワープラントの回転停止時の衝撃が小さ
くなる。
【0011】
【実施例】以下の実施例では、本発明を2ボックスタイ
プまたは3ボックスタイプのフロントエンジン車に適用
したパワープラント支持装置を図示してある。
【0012】第1実施例 図1および図2は、第1実施例としてのパワープラント
支持装置を示している。図1および図2において、エン
ジンルーム1と車室2とがダッシュロア3で区画されて
いる。このエンジンルーム1において、ダッシュロア3
の車幅方向両側部前方には、エンジンルーム1の中間部
で車体前後方向に延びる骨格部材としてのフロントサイ
ドメンバ4,5を連設してある。これらフロントサイド
メンバ4,5の前端下部には、車幅方向に延びる車体骨
格部材としてのフロントクロスメンバ6を結合してあ
る。このフロントクロスメンバ6とダッシュロア3とに
は、エンジンルーム1の下方で車体前後方向に延びる骨
格部材としてのフロントセンタメンバ7を結合してあ
る。このフロントセンタメンバ7の前側と後側、ならび
にフロントサイドメンバ4,5それぞれには、マウント
部材8,9,10,11を固定してある。これらマウン
ト部材8〜11の弾性体8a,9a,10a,11aに
は、パワープラント12の前下部と後下部と左右方向両
側とに設けられたU字形のブラケット13,14,1
5,16を連結してある。これらのマウント部材8〜1
1とブラケット13〜16との連結により、パワープラ
ント12のシリンダブロック12aがダッシュロア3側
に傾けられ、パワープラント12が車体に支持されてい
る。このパワープラント12の支持された状態におい
て、図1に示すように、マウント部材8,9は、パワー
プラント12の重心Gより下方に位置し、マウント部材
10,11は、パワープラント12の重心Gより上方に
位置している。そして、マウント部材8,10,11そ
れぞれには、所定値以上の耐衝撃荷重性を有してパワー
プラント12を回転可能に保持する回転機構17,1
8,19としての軸部材を個別に付設してある。
【0013】具体的には、図2に示すように、軸部材1
7は、パワープラント12のブラケット13をマウント
部材8の弾性体8aに外嵌し、ブラケット13の貫通孔
と弾性体8aの貫通孔とに軸部材17を車幅方向に挿入
し、軸部材17をブラケット13に抜け止め装着するこ
とにより、マウント部材8の弾性体8aとブラケット1
3とを回転可能に結合している。軸部材18は、パワー
プラント12のブラケット15をマウント部材10の弾
性体10aに外嵌し、ブラケット15の貫通孔と弾性体
10aの貫通孔とに軸部材18を車体前後方向に挿入
し、軸部材18をブラケット15に抜け止め装着するこ
とにより、マウント部材10の弾性体10aとブラケッ
ト15とを回転可能に結合している。軸部材19は、パ
ワープラント12のブラケット16をマウント部材11
の弾性体11aに外嵌し、ブラケット16の貫通孔と弾
性体11aの貫通孔とに軸部材19を車体前後方向に挿
入し、軸部材19をブラケット16に抜け止め装着する
ことにより、マウント部材11の弾性体11aとブラケ
ット16とを回転可能に結合している。また、軸部材1
8の軸心と軸部材19の軸心とは、図1に示すように、
車体上下方向の位置が同位置となって車幅方向に平行に
配置してあるとともに、図2に示すように、車体前後方
向の位置が同位置となって車幅方向に平行に配置してあ
る。また、マウント部材8の車体側取り付け部は、車両
衝突時の衝撃力が所定値以上のとき、潰れて、所定荷重
を発生すべく、図1に示す複数の貫通孔20を備えてい
るとともに、板厚が決められている。一方、マウント部
材9には、図3に示す連結機構25を付設してある。
【0014】図3は、上記連結機構25を示している。
この連結機構25は、所定値以上の衝撃荷重による軸部
材17〜19を中心とするパワープラント12の回転を
許容しつつパワープラント12との連結を保持するもの
である。具体的には、図3(A)に示すように、連結機
構25は、ブラケット14の相対峙する両側壁に円弧状
に形成された長孔26,27と、軸部材としてのボルト
28と、弾性部材としてのコイルスプリングに形成され
たスプリング29,30とナット31とで構成されてい
る。長孔26,27の後端部周縁それぞれには、図3
(B)に示すように、薄肉部32,33を形成してあ
る。これら薄肉部32,33は、長孔26,27の後端
部周縁以外の厚肉部34,35に、斜面36,37を介
して滑らかに連なっている。
【0015】図4(A),(B)は、上記連結機構25
によって、ブラケット14がマウント部材9に結合され
た通常状態を示している。つまり、ブラケット14をマ
ウント部材9の弾性体9aに外嵌し、ブラケット14の
薄肉部32をマウント部材9の弾性体9aの軸心部に埋
設された剛体製のパイプによる貫通孔9b(図3(A)
参照)に位置合わせする。そして、ボルト28に一方の
スプリング29を外嵌装着し、ボルト28を長孔26か
らマウント部材9の貫通孔9bを経て長孔27に挿入す
る。引き続き、長孔27から突出するボルト28に他方
のスプリング30を外嵌装着し、スプリング30より突
出するボルト28にナット31を締結する。上記所定値
とは、車両衝突時の衝撃力が当該所定値以上のときに、
フロントサイドメンバ4,5やフロントセンタメンバ7
が座屈変形をし始める基準を示す値である。なお、上記
スプリング29,30と薄肉部32,33と斜面36,
37と厚肉部34,35とが、パワープラント12の回
転速度を制御する拘束装置38を構成している。
【0016】第1実施例の作用を説明する。
【0017】自動車が前面衝突し、車体前部の変形が進
み、図5に示すように、その衝撃力が、座屈変形される
フロントサイドメンバ5,6からフロントセンタメンバ
7にそのまま作用する。すると、フロントセンタメンバ
7に作用する衝撃力Fが、マウント部材8を通ってパワ
ープラント12に伝達される。このとき、マウント部材
10,11の弾性体10,11まわりとパワープラント
12のブラケット15,16とに隙間が有り、かつ、マ
ウント部材8,10,11と軸部材17,18,19と
の間に弾性体8,10,11が介在しているため、弾性
体8,10,11が弾性変形しつつ、パワープラント1
2のブラケット15,16がフロントサイドメンバ5,
6のマウント部材10,11に対して傾く。これと並行
して、上記衝撃力Fによってパワープラント12が、軸
部材17,18,19を中心として、仮想線示から実線
示のように、反時計方向に回転して、パワープラント1
2のシリンダブロック12aが起き上がる。したがっ
て、パワープラント12の重心Gが重心G′に移動し、
パワープラント12のシリンダブロック12aがダッシ
ュロア3から距離D2だけ逃げるとともに、パワープラ
ント12のデファレンシャルギヤ12bがダッシュロア
3の下に潜り込むことが可能な位置となり、パワープラ
ント12がダッシュロア3に当接しなくなるとともに、
フロントサイドメンバ5,6の潰れ量を大きくできる。
また、上記パワープラント12の回転中において、ブラ
ケット14が、連結機構25のボルト28とナット31
とスプリング29,30とによる摩擦力fs=締め付け
力f×摩擦係数μに逆らって移動する。このとき、ボル
ト28とナット31とが、薄肉部32,33から斜面3
6,37を経て厚肉部34,35に移動する。よって、
スプリング29,30が、図6(A)に示す長さL1
ら図6(B)に示す長さL2に縮まる。このスプリング
29,30の長さL1から長さL2への圧縮により、スプ
リング29,30の弾性力f(締め付け力)は、図7に
示すように、f1からf2に増加する。また、パワープラ
ント12の回転は、長孔26,27の長さによって強制
的に止まる。
【0018】ここで、再び図5に戻り説明すると、上記
回転中のパワープラント12には、衝撃力Fなる回転力
と、慣性力Fgと、摩擦力fsとが作用している。よっ
て、パワープラント12の回転角加速度ツードットθ
は、 I×(ツードットθ)=(F×H1)−(Fg×H2)−
(fs×H3) となる。ただし、上記式中、Iは、パワープラント12
の慣性モーメント、H1は、パワープラント12の上方
左右のマウント部材10,11位置から回転力F発生位
置までの距離、H2は、パワープラント12の重心G′
位置から上方左右のマウント部材10,11位置までの
距離、H3は、パワープラント12の上方左右のマウン
ト部材10,11位置から摩擦力fs発生位置までの距
離、である。また、摩擦力fsは、下記表に示すよう
に、スプリング29,30の締め付け力fに比例する。
【0019】
【表1】
【0020】よって、摩擦力fsは、パワープラント1
2が回転する初期は低く、パワープラント12の回転角
度θが増加するにしたがって大きくなる。
【0021】このようなことから、パワープラント12
の回転角加速度ツードットθは、図8の下段に示すよう
に、締め付け力fが小さい回転初期には増加し、締め付
け力fが大きくなるにしたがって減少する。そして、パ
ワープラント12は、図8の上段に示すように、回転が
止まると、角速度ワンドットθがほぼ無くなり、緩やか
に停止する。よって、パワープラント12の回転停止時
には、大きな衝撃が発生することが無く、車体への影響
も少ない。
【0022】また、パワープラント12は、常に、回転
機構17を含むマウント部材8と、連結機構25を含む
マウント部材9とで、フロントセンタメンバ7に連結し
ているので、フロントセンタメンバ7の発生反力も吸収
できる。
【0023】また、車両の前面衝突時において、第1実
施例の連結機構25によりパワープラント12と後側の
マウント部材9との連結を保持した場合と、対比例とし
てパワープラント12と後側マウント部材9との連結を
切り離した場合とについて、フロントセンタメンバ7の
圧壊荷重と、車体減速度とを測定した実験結果を図9と
図10とに示している。
【0024】図9に示したフロントセンタメンバ7の圧
壊荷重について考察する。第1実施例では、実線で示す
ように、衝突から所定時間経過後に、圧壊荷重がほぼ一
定となり、ボルト28が長孔26,27の厚肉部34,
35側端に当接した後は、フロントセンタメンバ7が潰
れにくいことがわかる。これに対し、対比例では、点線
で示すように、衝突から所定時間経過後に、圧壊荷重が
時間の経過とともに減少しており、フロントセンタメン
バ7が潰れ易いことがわかる。
【0025】図10に示した車体減速度について考察す
る。第1実施例では、実線で示すように、前半での落ち
込みが無いので、乗員に与える衝撃が少ないことがわか
る。これに対し、対比例では、点線で示すように、前半
が落ち込み、後半が高くなるので、乗員に与える衝撃が
大きくなるという可能性がある。
【0026】第2実施例 図11は、第2実施例としてのパワープラント支持装置
を示している。図11において、パワープラント12の
重心Gより上方に位置するマウント部材10,11に連
結機構40,41を個別に設けてある。これらの連結機
構40,41は、所定値以上の衝撃荷重による前側の回
転機構17を中心とするパワープラント12の回転を許
容しつつパワープラント12の連結を保持するようにな
っている。また、後側のマウント部材9に設けられた連
結機構25の長孔26,27は、ブラケット14の両側
壁に上下方向に細長くなるように形成されている。な
お、この連結機構25には、第1実施例と同様なスプリ
ング29,30と薄肉部32,33と厚肉部34,35
と斜面36,37とから成る拘束機構38が付設されて
いる。
【0027】上記連結機構40,41は、左右同一の構
造になっているので、一方の連結機構41を図12に図
示して詳述する。連結機構41は、フロントサイドメン
バ5に固定的に取り付けられたチャンネル状のガイド部
材42を備えている。ガイド部材42の車体前後方向に
延びるガイド溝43には、マウント部材11の車体側取
り付け部の上下縁に突設された突起部44,45を、車
体前後方向に向けて移動可能に嵌合装着してある。ガイ
ド溝43の前後端には、マウント部材11の突起部4
4,45の抜け止め防止用のストッパ46,47(図1
1参照)を設けてある。マウント部材11の弾性部材1
1aには、パワープラント12(図11参照)側のブラ
ケット16が軸部材19で回転可能に連結されている。
なお、図中の符号48は、軸部材19のブラケット16
より突出する先端のねじ部に締結するナットである。
【0028】したがって、この第2実施例によれば、図
13に示すように、車両が前面衝突し、パワープラント
12の重心G位置に慣性力Fgが作用すると、上方左右
のマウント部材10,11が連結機構40のガイド部材
42に沿って車体前方に移動しつつ、後側のブラケット
14が拘束機構38から回転抑制力を受けながら長孔2
6,27の下端がボルト28側に移動し、パワープラン
ト12が前側の軸部材17を中心として反時計方向に回
転して、パワープラント12のシリンダブロック12a
が起き上がってダッシュロア3から距離D3だけ逃げ
る。この距離D3は、上方左右のマウント部材10,1
1が連結機構40,41によって車体前方に移動した
分、前記第1実施例での距離D2より大きくなる。よっ
て、パワープラント12のダッシュロア3からの逃げ量
が多くなる。
【0029】なお、この第2実施例では、マウント部材
10,11をフロントサイドメンバ4,5に設けたガイ
ド部材42で車体前方に移動するようにしたが、図14
に示すように構成することもできる。図14において、
マウント部材10,11をフロントサイドメンバ4,5
に固定的に取り付け、パワープラント12の上方左右の
ブラケット15,16の両側壁とマウント部材10,1
1との前側に隙間50を形成し、ブラケット15,16
にマウント部材10,11の弾性部材10a,11aを
長い軸部材51,52で回転可能に連結し、車両の前面
衝突時のパワープラント12の慣性力Fgにより、ブラ
ケット15,16が軸部材51,52に沿って車体前方
に移動するようになっている。
【0030】また、本発明は、ミッドシップ車やリヤエ
ンジン車であっても、前記実施例と同様の効果がある。
【0031】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、パワープ
ラントの占有スペースの上下寸法を少なくすることか
ら、パワープラントを車体に傾けて支持して、パワープ
ラントをダッシュロアのような縦壁に近接配置した場合
において、衝突により、骨格部材が潰れるような、所定
値以上の衝撃荷重が車体に加わった場合でも、骨格部材
の潰れに伴って、衝撃荷重を方向変換することなくその
まま利用して、連結機構が他方のマウント部材とパワー
プラントとの連結を保持したまま、パワープラントが回
転機構を介してマウント部材を中心として衝撃荷重入力
方向に回転し、パワープラントをエンジンルームと車室
とを区画するダッシュロアのような縦壁から離すことが
でき、このパワープラントの縦壁からの離れに伴って、
上記骨格部材の潰れ量を増やすことができ、車体の衝撃
吸収効果を向上することができる。また、上記連結機構
が付設されたマウント部材にパワープラントの回転速度
を抑制する拘束機構を付設することにより、パワープラ
ントの回転停止時に大きな衝撃が発生することを防止
し、車体への影響を少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例を示す側面図。
【図2】第1実施例を示す平面図。
【図3】第1実施例の連結機構を示すものであって、
(A)は全体分解斜視図,(B)は(A)に示すB−B
線に沿う断面図。
【図4】第1実施例の連結機構の組み立て状態を示すも
のであって、(A)は側面図、(B)は(A)に示すB
−B線に沿う断面図。
【図5】第1実施例の作用説明図。
【図6】第1実施例の連結機構と拘束機構との作用を示
すものであって、(A)は通常状態の作用説明図、
(B)は衝突時の作用説明図。
【図7】第1実施例のスプリング長さとスプリングの弾
性力との関係を示す特性図。
【図8】第1実施例のパワープラントの回転角速度と角
加速度とを示す特性図。
【図9】第1実施例と対比例とのフロントセンタメンバ
の圧壊荷重の測定結果図。
【図10】第1実施例と対比例との車体減速度の測定結
果図。
【図11】第2実施例を示す側面図。
【図12】第2実施例の連結機構を分解して示す斜視
図。
【図13】第2実施例の作用説明図。
【図14】異なる例を示す側面図。
【図15】従来例を示す側面図。
【図16】従来例の作用説明図。
【図17】従来の異なる例を示す側面図。
【符号の説明】
4,5…フロントサイドメンバ(骨格部材) 7…フロントセンタメンバ(骨格部材) 8,9,10,11…マウント部材 12…パワープラント 17,18,19,…回転機構(軸部材) 25,40,41…連結機構 38…拘束機構

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体の骨格部材に複数のマウント部材を
    取り付け、これらマウント部材にパワープラントを連結
    することにより、前記車体にパワープラントを支持する
    ようにした自動車のパワープラント支持装置において、 一方のマウント部材に、所定値以上の耐衝撃荷重性を有
    して前記パワープラントを回転可能に保持する回転機構
    を付設し、 他方のマウント部材に、所定値以上の衝撃荷重による前
    記回転機構を中心とするパワープラントの回転を許容し
    つつパワープラントとの連結を保持する連結機構を付設
    した、 ことを特徴とする自動車のパワープラント支持装置。
  2. 【請求項2】 前記連結機構が付設されたマウント部材
    に、パワープラントの回転速度を抑制する拘束機構を付
    設したことを特徴とする請求項1に記載した自動車のパ
    ワープラント支持装置。
  3. 【請求項3】 前記回転機構が付設されたマウント部材
    を、パワープラントの重心より下方と上方とに位置さ
    せ、このパワープラントの重心より上方に位置するマウ
    ント部材に、所定値以上の衝撃荷重による前記回転機構
    を中心とするパワープラントの回転を許容しつつパワー
    プラントとの連結を保持する連結機構を付設したことを
    特徴とする請求項1または請求項2に記載した自動車の
    パワープラント支持装置。
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