JPH05339557A - ホットメルト接着剤組成物 - Google Patents

ホットメルト接着剤組成物

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JPH05339557A
JPH05339557A JP15217792A JP15217792A JPH05339557A JP H05339557 A JPH05339557 A JP H05339557A JP 15217792 A JP15217792 A JP 15217792A JP 15217792 A JP15217792 A JP 15217792A JP H05339557 A JPH05339557 A JP H05339557A
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acid
lactic acid
hot melt
melt adhesive
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正 北村
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清人 土井
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 分子量1万以上の高分子ポリ乳酸またはウレ
タン化変性やアルキルエステル化変性等の改質高分子ポ
リ乳酸を熱可塑性樹脂成分の1種として、また乳酸オリ
ゴマーやその改質乳酸オリゴマーを粘着付与剤成分の1
種として使用する等アルカル水崩壊性および微生物分解
性に優れたホットメルト接着剤組成物。 【効果】 生分解性プラスチックの接着に適し、使用後
は土壌中に埋没投棄しても経時で崩壊し、全くまたはほ
とんど無公害な性質を発揮する。また紙やアルミ等の貴
重な資源素材を対象とした接合に適し、素材のリサイク
ル化適性に優れ、その処理水が無公害性に富む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はリサイクル適性及び生分
解性プラスチックの接着に適した、溶融させて吐出また
は塗布後、軽く圧締する事で接着が可能なホットメルト
接着剤に関する。更に詳しくは乳酸系ポリマーを必ず含
むホットメルト接着剤組成物からなり、アルカリ水崩壊
性または微生物分解性の性質を発揮し、特に生分解性プ
ラスチックの接着に最も良く適合するホットメルト接着
剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ホットメルト接着剤は常温で10
0%固体であって、加熱する事で溶融し、塗布後冷却固
定するだけで瞬時に接着が完了する性質があり、省力型
の瞬間接着可能な接着剤として広く知られ、製本、袋
装、木工、自動車内外装等の幅広い分野で省力型接着剤
として普及してきた。特にエチレン−酢酸ビニルコポリ
マー、スチレンブロックコポリマー、ブチルゴム、エチ
レン−エチルアクリレートコポリマーやアイオノマー樹
脂等のポリオレフィン樹脂やポリエステル、ポリアミド
樹脂等を熱可塑性ベースポリマーとし、その他石油系粘
着付与剤、ワックス等を主成分とする低〜高粘度ホット
メルト接着剤が最も普及しており、前記分野に於いても
主として使用されている。しかし、近年では省資源化、
無公害化の視点から接着製品のリサイクル化適性や自然
環境化での短時間崩壊性等が問われている現状にあり、
前記した様な従来型ホットメルト接着剤ではその一般的
な性質として加水分解性の性質や微生物分解性の性質が
極めて遅い為適応性が欠ける事が問題となっている現状
にある。すなわち、従来公知のホットメルト接着剤を用
いた各種接着製品では、通常の取扱条件下の数年間は充
分な接着機能を保有し、再利用時には何等かの方法で容
易に該接着剤を崩壊劣化させる事が出来、接合界面を接
着以前の状態に復元化出来る様な機能を保有させる事が
まだ充分でない問題を有している。また前記リサイクル
適性と同時に、回収されたホットメルト接着剤の易微生
物分解性とその分解成分の低毒性等も叫ばれているが、
そうした要請にも充分対応出来るホットメルト接着剤の
実体はまだ万全ではない状況にある。従来から知られる
先行技術としては、特開平4−4279に無水マレイン
酸共重合体を有効成分とするアルカリ水可溶性ホットメ
ルト接着剤ホットメルト接着剤がある。またポリビニル
アルコール系の水可溶性ホットメルト接着剤が知られて
いる。このような先行技術は段ボールや紙箱の封函、製
本の脊貼り用途に適合しそれらの古紙回収適性を満足さ
せる技術として利用されているが、用途が限定されてお
り、廃水処理の問題やポリマー自信の崩壊性が欠ける等
の難点がある。また、一方では接着された接合物を接着
以前の状態に回復させるリサイクル化の技術としては、
例えば接合物を大量の有機溶剤中に投じて接着剤を加熱
溶解させて剥離回収する方法が有るが、溶剤による引火
発火の危険性や臭気発生の問題がある。また一方、生分
解性のある熱可塑性物質としてはポリ乳酸が開発されて
おり、USP1,995,970、USP−3,63
6,956等でその製造方法が開示されている。そして
ポリ乳酸は動物の体内で数ケ月から1年以内に完全に1
00%生分解し、また土壌や海水中に置かれた場合など
湿った環境下では数週間で分解が開始され、1年から数
年以内に人体に無害な乳酸、炭酸ガス、水となる性質を
有している事も知られている。しかし、上記生分解性の
有るポリ乳酸を用いた、塗布作業適性に富みかつ瞬間接
着適性および初期接着特性に優れ、かつリサイクル適性
及び生分解性プラスチックの接着に適したホットメルト
接着剤組成物はまだ開発されていないのが実体である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記した社会
的背景に添い、ポリ乳酸系ポリマーを用いた塗布作業適
性に富みかつ瞬間接着適性および初期接着特性に優れ
る、詳しくは接着剤を溶融させて所定の場所に任意に吐
出または塗布する事で接着が可能な、リサイクル適性に
富み、生分解性プラスチックの接着に適したホットメル
ト接着剤組成物を開発する事にある。より詳しくは、通
常の取扱条件下の数年間は充分な接着機能を保有し、再
利用時には何等かの方法で容易に該接着剤を崩壊劣化さ
せる事が出来ること。また、接合界面を接着以前の状態
に復元化出来る様な機能を保有させる事。と同時に、生
分解性プラスチックなどの接着物を、そのまま廃棄した
場合にホットメルト接着剤を含めて全て易微生物分解性
を発揮し、その分解成分は人体や自然界の生物に対し、
毒性が全く無いか、もしくは環境に与える影響が極めて
軽微である事。等の要請に、十分対応出来るホットメル
ト接着剤の開発である。
【0004】
【発明を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決する目的で鋭意研究した結果、ポリ乳酸またはポ
リ乳酸系ポリマーを特定させた態様で使用する事で達成
され、本発明を達成した。すなわち、本発明は次のとお
りである。 (1) 熱可塑性樹脂と粘着付与剤を主成分とし、その
いずれか一方または両方が、ポリ乳酸または乳酸と他の
ヒドロキシカルボン酸から誘導された乳酸共重合樹脂を
含む組成物であり、その系の溶融粘度が180〜210
℃で10センチポイズ〜30万センチポイズの範囲に有
る事を特徴とするホットメルト接着剤組成物。 (2) 熱可塑性樹脂及び/または粘着付与剤の一部ま
たは全部がL型及び/またはD型のポリ乳酸か、または
L型及び/またはD型の乳酸と他のヒドロキシカルボン
酸から誘導された乳酸共重合樹脂である事を特徴とする
上記1記載のホットメルト接着剤組成物。 (3) 熱可塑性樹脂が下記(a)〜(f)のいずれか
1種または2種以上の混合物からなり、且つ、その重量
平均分子量が少なくとも平均1万以上で有る改質されて
なる高分子改質ポリ乳酸で有る事、粘着付与剤が下記
(a)〜(f)のいずれか1種または2種以上の混合物
からなり、且つ、その重量平均分子量が少なくとも平均
5000以下で有る改質されてなる低分子改質ポリ乳酸
樹脂とする事を特徴とする上記の1または2記載のホッ
トメルト接着剤組成物。 (a)ポリ乳酸または乳酸と他のヒドロキシカルボン酸
から誘導された乳酸共重合樹脂とジイソシアナート化合
物をモル比で2:(1〜0.9)の割合で反応させて得
られるウレタン化ポリ乳酸。 (b)ポリ乳酸または乳酸と他のヒドロキシカルボン酸
から誘導された乳酸共重合樹脂とジオール化合物または
ジカルボン酸をモル比で2:(1〜0.9)の割合で脱
水縮合反応させて得られるエステル化ポリ乳酸。 (c)ポリ乳酸または乳酸と他のヒドロキシカルボン酸
から誘導された乳酸共重合樹脂とジグリシジル化合物を
モル比で2:(1〜0.9)の割合で反応させて得たエ
ポキシ変性ポリ乳酸。 (d)ポリ乳酸または乳酸と他のヒドロキシカルボン酸
から誘導された乳酸共重合樹脂のいずれかと乳酸アルキ
ルエステルの同モル量に対しジイソシアナート化合物を
モル比で(1:1):(1〜0.9)の割合で反応させ
て得られたウレタン化変性ポリ乳酸。 (e)ポリ乳酸または乳酸と他のヒドロキシカルボン酸
から誘導された乳酸共重合樹脂または前記(a)〜
(d)の分子末端に加水分解性シリル基を導入してなる
シリル化ポリ乳酸。 (f)ポリ乳酸または乳酸と他のヒドロキシカルボン酸
から誘導された乳酸共重合樹脂または前記(a)〜
(d)の分子末端をアルキルエステル化封鎖してなる末
端エステル化ポリ乳酸。 (4) 熱可塑性樹脂として重量平均分子量が2〜10
0万の範囲のポリ乳酸または乳酸共重合樹脂または高分
子改質ポリ乳酸の70〜5重量%、粘着付与剤として重
量平均分子量が多くとも5,000以下のポリ乳酸また
は乳酸共重合樹脂または低分子改質ポリ乳酸の95〜3
0重量%とする上記の1〜3記載のいずれかのホットメ
ルト接着剤組成物。 (5) 粘着付与剤として重量平均分子量が3,000
以下のポリ乳酸または乳酸共重合樹脂または低分子改質
ポリ乳酸の30〜90重量%と、熱可塑性樹脂として重
量平均分子量が7〜50万の範囲のポリ乳酸または乳酸
共重合樹脂または高分子改質ポリ乳酸の10〜70重量
%とし、その粘着付与剤、熱可塑性樹脂であるポリ乳酸
または乳酸共重合樹脂または高分子改質ポリ乳酸のいず
れか一方の成分がヒドロキシル価または酸価を1以下と
する事を特徴とする上記の1〜3記載のいずれかのホッ
トメルト接着剤組成物。 (6) ポリ乳酸または乳酸共重合樹脂または高分子改
質ポリ乳酸のヒドロキシル価または酸価をすべて0.1
以下とする事を特徴とする上記の1〜4記載のいずれか
のホットメルト接着剤組成物。 (7) 熱可塑性樹脂が、ポリアミド、ポリエステル、
ポリエステルウレタン、ポリカーボネート、ポリオレフ
ィンより選ばれた少なくとも1種類の単独または同じく
熱可塑性樹脂であるポリ乳酸または乳酸共重合樹脂また
は高分子改質ポリ乳酸と併用して用いる事を特徴とする
上記の1〜3、6記載のいずれかのホットメルト接着剤
組成物。 (8) 粘着付与剤が、ロジンエステル及びまたはテル
ペン−フエノール樹脂を20〜70重量%の範囲で単独
に、または同じく粘着付与剤であるポリ乳酸または乳酸
共重合樹脂または低分子改質ポリ乳酸と併用して用いる
事を特徴とする上記の1〜3、6、7記載のいずれかの
ホットメルト接着剤組成物。 (9) 上記の1〜8記載のいずれかのホットメルト接
着剤組成物に更に、天然ワックス、エステルアミドワッ
クス、ポリエステルワックスから選ばれた少なくとも1
種のワックス成分及びまたはポリ乳酸の相溶化可塑剤を
0.1〜50重量%の範囲で含有させたホットメルト接
着剤組成物。 (10) 上記の1〜9記載のいずれかのホットメルト
接着剤組成物を生分解生プラスチックス同士の接着に使
用する事を特徴とする接着方法。
【0005】以下に本発明を詳細に説明する。本発明の
ホットメルト接着剤組成物はその発明の目的から、ポリ
乳酸または乳酸と他のヒドロキシカルボン酸とから誘導
される乳酸共重合樹脂を熱可塑性樹脂成分粘着付与剤成
分のいずれか一方または両方に含有させ、その系の溶融
粘度が180〜210℃で10センチポイズ〜30万セ
ンチポイズの範囲にあるアルカリ水崩壊性または微生物
分解性のホットメルト接着剤組成物である事が最も特徴
である。前記熱可塑性樹脂、粘着付与剤の何れか一方の
成分のみで構成されたホットメルト接着剤や、30万セ
ンチポイズを越えるかもしくは0.001万センチポイ
ズ以下等の系では、接着塗布作業性や接着実用物性を充
分満足しないからであり詳しくは、熱可塑性樹脂のみで
は濡れ性や塗布作業特性を充分満足出来ない事、粘着付
与剤のみでは接着剤が極めて脆くほとんど実用性が無
い。本発明では前記ポリ乳酸または乳酸と他のヒドロキ
シカルボン酸とから誘導される乳酸共重合樹脂は、何れ
か一方の成分、具体的には前記熱可塑性樹脂、粘着付与
剤の何れか一方の成分にL型及び/またはD型のポリ乳
酸またはL型及び/またはD型の乳酸と他のヒドロキシ
カルボン酸とから誘導される乳酸共重合樹脂を含有させ
る事。特に好ましくは熱可塑性樹脂及び粘着付与剤のす
べての成分にL型及びまたはD型のポリ乳酸またはL型
及び/またはD型の乳酸と他のヒドロキシカルボン酸と
から誘導される乳酸共重合樹脂を含有させる事が好まし
い。本発明記載のL型、D型、LD複合型のポリ乳酸ま
たはL型及び/またはD型の乳酸と他のヒドロキシカル
ボン酸とから誘導される乳酸共重合樹脂(以下乳酸共重
合樹脂を単に乳酸コポリマーと総称する。)とは、以下
の方法で得た物が代表的な例として挙げられ、例えばL
型やD型の乳酸またはその混合乳酸を出発原料とし、そ
れらを直接脱水重縮合させて得た物や、前記乳酸の環状
2量体から合成された通常ラクタイドと呼ばれる物を得
た後更に開環重縮合させて得たもの等があげられる。ま
た前記乳酸と他のヒドロキシカルボン酸から誘導された
乳酸コポリマーにはL型及び/またはD型の前記乳酸を
一部含むラクタイドとの混合物やまたは前記ラクタイド
の単独とε−カプロラクトンやグリコライド等の共重合
可能なモノマーとから誘導される乳酸コポリマーも包含
する物であり、その合成手段等には特に制約は無く、す
でに公知の方法で得られるポリ乳酸や乳酸コポリマーで
あれば好ましく使用出来る。
【0006】本発明では前記ポリ乳酸や乳酸コポリマー
は、接着組成物の熱安定性や接着特性の向上安定化を図
る目的で、下記(a)〜(f)で示した、改質されてな
る低または高分子改質ポリ乳酸とする事が良い。なお以
下の記載では、低分子改質ポリ乳酸とは粘着付与剤成分
として分類定義される物を意味し、一方高分子改質ポリ
乳酸とは熱可塑性樹脂成分として分類定義される物を意
味する。 (a)ポリ乳酸または乳酸と他のヒドロキシカルボン酸
から誘導された乳酸共重合樹脂とジイソシアナート化合
物をモル比で2:(1〜0.9)の割合で反応させて得
られるウレタン化ポリ乳酸とは、例えばポリ乳酸または
乳酸コポリマーをジイソシアナート化合物と反応させて
得た、いわゆるポリ乳酸または乳酸コポリマーの片末端
ヒドロキシル基をウレタン化改質させて得た低または高
分子量のウレタン化ポリ乳酸であり、ポリ乳酸または乳
酸コポリマーと公知のジイソシアナート化合物とをモル
比で2:(1〜0.9)の割合で反応させて得られる低
または高分子量のウレタン化ポリ乳酸が挙げられる。ジ
イソシアナート化合物とは公知の物を使用して良く、特
に制約する物では無いが以下の物が代表例である。例え
ばナフタレンジイソシアナート、トリレンジイソシアナ
ート、キシリレンジイソシアナート、ジフェニルメタン
ジイソシアナート、テトラメチルキシリレンジイソシア
ナート等の芳香属ジイソシアナートや、イソホロンジイ
ソシアナート、テトラメチレンジイソシアナートなどの
脂肪属ジイソシアナー等がある。 (b)ポリ乳酸または乳酸と他のヒドロキシカルボン酸
から誘導された乳酸共重合樹脂とジオール化合物または
ジカルボン酸をモル比で2:(1〜0.9)の割合で脱
水縮合反応させて得られるエステル化ポリ乳酸とは、例
えば、ポリ乳酸または乳酸コポリマーをジオール化合物
またはジカルボン酸と反応させて得た、いわゆるポリ乳
酸または乳酸コポリマーの片末端カルボキシル基をエス
テル化改質させて得た低または高分子量のエステル化ポ
リ乳酸であり、ポリ乳酸または乳酸コポリマーと公知の
ジオール化合物またはジカルボン酸をモル比で2:(1
〜0.9)の割合で脱水縮合反応させて得られる低また
は高分子量のエステル化ポリ乳酸が挙げられる。ジオー
ル化合物とは公知の物を使用して良く、特に制約する物
では無いが以下の物が代表例である。例えば、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、トリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール等で代表されるグリコー
ル類、ビスフェノールAやビスフェノールFまたはその
エチレンおよびまたはプロピレン付加物等が挙げられ
る。
【0007】また前記ジカルボン酸とは公知の物を使用
して良く、特に制約する物では無いが以下の物が代表例
である。例えばコハク酸、マレイン酸、プロピオン酸な
どで代表される脂肪属ジカルボン酸、フタル酸、フマル
酸で代表芳香属ジカルボン類等が挙げられる。 (c)ポリ乳酸または乳酸と他のヒドロキシカルボン酸
から誘導された乳酸共重合樹脂とジグリシジル化合物を
モル比で2:(1〜0.9)の割合で反応させて得たエ
ポキシ変性ポリ乳酸とは、例えば、ポリ乳酸または乳酸
コポリマーをジグリシジル化合物と反応させて得た、い
わゆるポリ乳酸または乳酸コポリマーの片末端カルボキ
シル基をグリシジル基と反応改質させて得た低または高
分子量のエポキシ変性ポリ乳酸であり、ポリ乳酸または
乳酸コポリマーと公知のジグリシジル化合物をモル比で
2:(1〜0.9)の割合で脱水縮合反応させて得られ
る前記エポキシ変性ポリ乳酸が挙げられる。ジグリシジ
ル化合物とは公知の物を使用して良く、特に制約する物
では無いが以下の物が代表例である。例えばビスフェノ
ールAやビスフェノールF型ジグリシジルエーテル系エ
ポキシ樹脂、ナフタレンジグリシジルエーテルで代表さ
れる芳香属ジグリシジル化合物や、ネオペンチルジグリ
シジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエー
テル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ト
リエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレ
ングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリ
コールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコー
ルジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグ
リシジルエーテルで代表されるグリコール類のジグリシ
ジル化合物や、その他脂環属ジグリシジル化合物が挙げ
られる。 (d)ポリ乳酸または乳酸と他のヒドロキシカルボン酸
から誘導された乳酸共重合樹脂のいずれかと乳酸アルキ
ルエステルの同モル量に対しジイソシアナート化合物を
モル比で(1:1):(1〜0.9)の割合で反応させ
て得られたウレタン化変性ポリ乳酸とは、例えばポリ乳
酸または乳酸コポリマーと乳酸アルキルエステル(以下
乳酸アルキルエステルを本発明では単にアルキル乳酸と
呼ぶ。)の同モル量に対し前記ジイソシアナート化合物
を反応させて得た、いわゆるポリ乳酸または乳酸コポリ
マー及びアルキル乳酸の片末端ヒドロキシル基をイソシ
アナート基と反応改質させ、前記ジイソシアナート化合
物を介して末端分子にポリ乳酸または乳酸コポリマーと
アルキル乳酸がそれぞれ一つづつ結合された低または高
分子量のウレタン化変成ポリ乳酸や、前記ジイソシアナ
ート化合物を介して末端分子にポリ乳酸または乳酸コポ
リマーのアルキル乳酸付加物がそれぞれ結合された低ま
たは高分子量のウレタン変性ポリ乳酸が挙げられ、ポリ
乳酸または乳酸コポリマーとアルキル乳酸の同モル量に
対し、公知の前記ジイソシアナート化合物をモル比で
(1:1):(1〜0.9)の割合で縮合反応させて得
られる前記ウレタン変性ポリ乳酸が挙げられる。
【0008】前記アルキル乳酸としては、特に制約は無
いが、炭素数30以下、好ましくは炭素数18以下、好
ましくは炭素数5以下のアルキル乳酸が良く、例えば、
乳酸メチル(別名2−ヒドロキシプロパン酸メチル)、
乳酸エチル(別名2−ヒドロキシプロパン酸エチル)、
乳酸プロピル(別名2−ヒドロキシプロパン酸プロピ
ル)、乳酸ブチル(別名2−ヒドロキシプロパン酸ブチ
ル)等の物が容易に入手可能な事から好ましい例であ
る。前記ジイソシアナート化合物を介して末端分子にポ
リ乳酸または乳酸コポリマーとアルキル乳酸がそれぞれ
結合された低または高分子量のウレタン変性ポリ乳酸を
得る方法としては、特に制約する物では無いが、例えば
ポリ乳酸または乳酸コポリマーまたはアルキル乳酸に対
し等モル量の例えばトリレンジイソシアナートで代表さ
れるイソシアナート基の活性反応速度がそれぞれ異なっ
た性質を示すジイソシアナート化合物をゆっくり作用さ
せてのち、いま一方の等モル量を作用させて得る方法な
どが代表的な例である。前記ジイソシアナート化合物を
介して末端分子にポリ乳酸のアルキル乳酸付加物がそれ
ぞれ結合された低または高分子ウレタン変性ポリ乳酸を
得る方法としては、特に制約する物では無いが、例えば
ポリ乳酸とアルキル乳酸を等モル量完全にエステル化反
応後、または乳酸コポリマーとアルキル乳酸を等モル量
完全にエステル化反応後、その反応生成物に対し更に等
モル量の前記ジイソシアナート化合物をゆっくり作用さ
せて得る方法などが代表的な例である。 (e)ポリ乳酸または乳酸と他のヒドロキシカルボン酸
から誘導された乳酸共重合樹脂または前記(a)〜
(d)の分子末端に加水分解性シリル基を導入してなる
シリル化ポリ乳酸とは、例えばポリ乳酸または乳酸コポ
リマーまたは前記(a)〜(d)の分子末端の活性ヒド
ロキシル基及びまたは活性カルボキシル基に対し反応し
うる、例えばトリメトキシエポキシシラン、ジメトキシ
メチルエポキシシラン、トリメトキシイソシアナートシ
ラン、ジメトキシメチルイソシアナートシランで代表さ
れるジまたはトリメトキシシランモノマーや、トリエト
キエポキシシシラン、ジエトキメチルエポキシシラン、
トリエトキシイソシアナートシランで代表されるジまた
はトリエトキシシラン誘導体等のアルコキシシランモノ
マー類を作用させて得られる低または高分子量のシリル
化ポリ乳酸が代表的である。
【0009】(f)ポリ乳酸または乳酸と他のヒドロキ
シカルボン酸から誘導された乳酸共重合樹脂または前記
(a)〜(d)の分子末端をアルキルエステル化封鎖し
てなる末端エステル化ポリ乳酸とは,例えばポリ乳酸ま
たは乳酸コポリマーまたは前記(a)〜(d)のの分子
末端をアルキルエステル化封鎖して得た低または高分子
量の末端エステル化ポリ乳酸があげられ、そのアルキル
エステル化剤としてはポリ乳酸の片末端活性ヒドロキシ
ル基及びまたは活性カルボキシル基に対し反応しうるす
でに公知のアルキルエステル化剤を使用して良く、特に
制約は無いが以下の様な物が代表的な例として挙げられ
る。例えば、ポリ乳酸の片末端活性カルボキシル基に作
用するアルキルエステル化剤として、特に制約は無い
が、炭素数30以下、好ましくは炭素数18以下、好ま
しくは炭素数5以下の脂肪属または芳香属アルコール類
がある。一方、ポリ乳酸の片末端活性ヒドロキシル基に
作用するアルキルエステル化剤として、特に制約は無い
が、炭素数30以下、好ましくは炭素数18以下、好ま
しくは炭素数5以下の脂肪属または芳香属酸やその他前
記アルキル乳酸が挙げられる。本発明では、前記(a)
〜(f)記載の改質ポリ乳酸樹脂を種々単独系または複
合させて使用する事で、本発明のホットメルト接着剤組
成物の被接着物に対する適度な濡れ特性、適度なアルカ
リ水崩壊性、微生物分解性の速度等の性質を任意に調整
または達成可能とする事が出来、従って、目的に応じて
前記(a)〜(f)記載の改質ポリ乳酸樹脂を適宜選定
使用する事が本発明を達成する上で慣用である。特に陶
器、ガラス、金属、紙、木材などと生分解性プラスチッ
クとの接着用途に適した本発明のホットメルト接着剤組
成物としては、ポリ乳酸または乳酸コポリマーをはじめ
前記(a)〜(f)記載の改質ポリ乳酸樹脂を、特に好
ましくはポリ乳酸または(e)記載の改質ポリ乳酸樹脂
を本発明の熱可塑性樹脂成分または粘着付与剤成分とし
て使用する事は好ましい。また、特に生分解性プラスチ
ック同士の接着に適した本発明のホットメルト接着剤組
成物としてはポリ乳酸または乳酸コポリマーをはじめ前
記(a)〜(f)記載の改質ポリ乳酸樹脂を、特に好ま
しくはポリ乳酸または(f)記載の改質ポリ乳酸樹脂を
本発明の熱可塑性樹脂成分または粘着付与剤成分として
使用する事が大いに好ましい態様である。
【0010】本発明では以下の記載に於いて前記してき
た以下、ポリ乳酸または乳酸と他のヒドロキシカルボン
酸との乳酸コポリマーや前記改質ポリ乳酸樹脂を、一括
して単にポリ乳酸樹脂と呼ぶ事とする。本発明記載の他
のヒドロキシカルボン酸とは、すでに公知の物であれば
好ましく使用出来、特に制約は無いが、以下の様な物が
代表的な例として挙げられる。例えば、グリコール酸、
3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロ
キシ吉草酸、5−ヒドロキシル吉草酸、6−ヒドロキシ
カプロン酸が好ましく使用出来、特にグリコール酸が好
ましい例である。特に乳酸と他のヒドロキシカルボン酸
から得られた乳酸コポリマーをポリ乳酸樹脂として使用
した本発明のホットメルト接着剤組成物では、加水分解
の性質をわずかに遅らせ、微生物分解性の性質は純粋ポ
リ乳酸(100%乳酸のみから誘導したポリマーの意
味)と同程度である事から大いに好ましい例である。本
発明では乳酸と前記した他のヒドロキシカルボン酸から
得られた乳酸コポリマーを出発原料とし、前記(e)ま
たは(f)記載の改質手段で改質・誘導されたポリ乳酸
樹脂を用いたホットメルト接着剤組成物や、同様に乳酸
と前記した他のヒドロキシカルボン酸との乳酸コポリマ
ーを出発原料とし、更にその単独、またはその前記乳酸
コポリマーと等モル量の前記アリキル乳酸の存在下に、
前記(a)記載の改質手段で改質・誘導されたポリ乳酸
樹脂を用いたホットメルト接着剤組成物などは加水分解
の性質をわずかに遅らせ、微生物分解性の性質は純粋ポ
リ乳酸(100%乳酸のみから誘導したポリマーの意
味)と同程度である事から大いに好ましい態様である。
また、本発明の熱可塑性樹脂として分類定義した高分子
量のポリ乳酸樹脂とは重量平均分子量測定値で1万以上
の物を意味し、好ましくは2〜100万、特に好ましく
は7〜50万の範囲とする事が好ましい。1万以下の低
分子ポリ乳酸樹脂は本発明では粘着付与剤成分に分類定
義される。一方、粘着付与剤成分として使用する場合
は、前記したように重量平均分子量が1万以下、好まし
くは5,000以下、特に好ましくは3,000以下が
良く乳酸の環状ラクタイドであっても良い。
【0011】本発明のホットメルト接着剤組成物では、
熱可塑性樹脂として重量平均分子量が1万以上の高分子
量のポリ乳酸樹脂やその他の公知の熱可塑性樹脂のいず
れか一成分または複合成分とする事は何等差し支えな
い。それらの熱可塑性樹脂としての使用割合は70〜5
重量%の範囲、好ましくは熱可塑性樹脂として重量平均
分子量が1〜100万の範囲の高分子量のポリ乳酸樹脂
を単独または他の熱可塑性樹脂と前記割合で併用使用す
る事、特に好ましくは、熱可塑性樹脂として重量平均分
子量が7〜50万の範囲の高分子量のポリ乳酸樹脂を単
独で70〜10重量%の範囲で使用する事が接着塗布作
業性と接着信頼性の点から好ましい態様である。また特
に重量平均分子量が7〜50万の範囲でかつそのヒドロ
キシル価または酸価が多くとも1以下、好ましくは0.
1以下とする前記使用態様は本発明の組成物の熱安定性
と色相安定性を向上出来る事から特に好ましい態様であ
る。本発明のホットメルト接着剤組成物では、粘着付与
剤として重量平均分子量が1万以下の低分子量のポリ乳
酸樹脂やその他の公知の粘着付与剤のいずれか一成分ま
たは複合成分とする事は何等差し支えない。それらの粘
着付与剤としての使用割合は95〜30重量%の範囲、
好ましくは熱可塑性樹脂として重量平均分子量が5,0
00以下の低分子量のポリ乳酸樹脂を単独または他の熱
可塑性樹脂と前記割合で併用使用する事、特に好ましく
は、粘着付与剤として重量平均分子量が3,000以下
の低分子量のポリ乳酸樹脂を単独で90〜30重量%の
範囲で使用する事が接着濡れ特性の点から好ましい態様
である。また特に重量平均分子量が3,000以下でそ
のヒドロキシル価または酸価が多くとも1以下、好まし
くは酸価を0.1以下とする前記使用態様は、本発明の
組成物の熱安定性と色相安定性を向上出来る事から特に
好ましい態様である。また特に熱可塑性樹脂、粘着付与
剤のいずれのポリ乳酸樹脂も、ヒドロキシル価または酸
価が多くとも1以下、好ましくは0.1以下とする使用
態様は特に最も好ましい態様である。その理由として、
2種類のポリ乳酸分子末端基がそれぞれカルボキシル基
とヒドロキシル基を有する構成では、本発明を制約する
ものでは無いが、180〜210℃溶融状態に於いて相
互間で反応し、溶解時に粘性挙動が一定せず熱安定性を
満足しないケースが有る事からである。
【0012】本発明ではすでに前記したように以下に記
載した他の熱可塑性樹脂(以下の記載では高分子量ポリ
乳酸樹脂と区別する意味で他の熱可塑性樹脂を単にベー
スポリマーと呼ぶ)を一部または単独で使用する事が包
含される。すなわち、例えば以下に記載したベースポリ
マーを単独で使用し、粘着付与剤に必須成分であるポリ
乳酸樹脂を含有させる態様や、またはその逆の態様で有
っても良いと言う事である。ベースポリマーとしてはそ
の種類や分子量やポリ乳酸樹脂と相溶性(ポリマーブレ
ンド安定性)等の性質には特に制約は無く、公知のベー
スポリマーを使用できる。好ましくはポリ乳酸樹脂と一
部相溶または完全に相溶する事が好ましく、ポリマーブ
レンド安定性に富んでいるベースポリマーを適宜選定し
て使用する事で本発明を達成できる。ベースポリマーと
しては公知の例えば、エチレン−酢酸ビニル樹脂、エチ
レン−エチルアクリレート樹脂、エチレン−ブテン樹脂
で代表されるエチレン系コポリマー樹脂、ブチルゴム、
天然ゴム、ポリイソブチレンで代表されるポリオレフィ
ンゴム、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプ
ロピレン樹脂、スチレンブロックコポリマー樹脂で代表
されるポリオレフィンが挙げられる。その他、ポリアミ
ド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリイミド、アクリ
ル樹脂、アイオノマー樹脂等があげられる。好ましくは
ポリアミド、ポリエステル、ポリエステルウレタン、ポ
リカーボネート、ポリオレフィンが挙げられ、それらの
少なくとも1種類をベースポリマーとして単独または高
分子量のポリ乳酸樹脂と併用して用いた態様が好まし
い。
【0013】ベースポリマーと高分子量のポリ乳酸樹脂
との併用する場合の配合割合は、本発明のホットメルト
接着剤の溶融粘度が180〜210℃測定値で10セン
チポイズ〜30万センチポイズの範囲内で使用する事が
好ましいく、その併用割合は任意であって良い。しかし
出来るだけポリ乳酸樹脂の使用割合が高いほどアルカリ
水崩壊性や微生物分解性が高い組成物(またはリサイク
ル適性が容易かつ簡単に行なえる本発明の組成物を与え
る事を含む)となる事は言うまでも無い。本発明ではす
でに前記したように以下に記載した他の粘着付与剤を一
部または単独で使用する事が包含される。すなわち、例
えば以下に記載した他の粘着付与剤(以下の記載では低
分子量ポリ乳酸と区別する意味で他の粘着付与剤を単に
タッキファイヤーと呼ぶ)を単独で使用し、熱可塑性樹
脂に必須成分であるポリ乳酸樹脂を含有させる態様や、
その逆で有っても良い。タッキファイヤーとしてはその
種類や分子量やポリ乳酸樹脂と相溶性(ポリマーブレン
ド安定性)等の性質には特に制約は無く、公知のタッキ
ファイヤーで有って良い。好ましくはポリ乳酸樹脂と一
部相溶または完全に相溶する事が好ましく、熱可塑性樹
脂成分を熱時低粘度化する作用効果を発揮するタッキフ
ァイヤーであれば好ましく使用する事ができる。
【0014】タッキファイヤーとしては公知の例えば、
ロジンまたはその誘導体、テルペン樹脂とその誘導体、
炭素数5〜9の石油分解留分から誘導された石油樹脂、
ジシクロペンタジエン樹脂、クマロン−インデン樹脂、
ケトン樹脂、キシレン樹脂、アクリルオノゴマー樹脂、
ポリエステルオリゴマー樹脂等があり、その他としてポ
リ乳酸以外の公知の生分解性オリゴマーも挙げられ、一
般的には常温で固体又は半固体または液状の数平均分子
量が高くとも数千以下、好ましくは5,000以下の低
分子量の前記樹脂等が挙げられる。前記ポリ乳酸以外の
公知の生分解性樹脂オリゴマーとは、例えば3−ヒドロ
キシブチリックアシッドや3−ヒドロキシバレリックア
シッド等のオリゴマーやその共重合オリゴマー、更には
ε−カプロラクトンの開環オリゴマー樹脂樹脂等が挙げ
られる。タッキファイヤーとして特に好ましくは、ロジ
ンエステル及びまたはテルペン−フエノール樹脂が挙げ
られ、その使用割合は20〜70重量%の範囲であり、
単独または低分子ポリ乳酸樹脂と併用した合計割合で、
前記範囲とする態様が良い。本発明のホットメルト接着
剤では前記態様の組成物に更に、天然ワックス、エステ
ルアミドワックス、ポリエステルワックスから選ばれた
少なくとも1種のワックス成分及びまたはを0.1〜5
0重量%の範囲で、好ましく1〜30重量%の範囲で含
有させた態様は、本発明のホットメルト接着剤の接着セ
ット時間や可撓性が改善出来る事、適度な撥水特性の付
与等の効果が発揮される事から好ましい。ポリ乳酸の相
溶化可塑剤とは以下の物が代表的な例であるが前記した
ベースポリマー樹脂の相溶化可塑剤をも包含する物と定
義する。例えばポリ乳酸の相溶化可塑剤として、ジオク
チルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソデシルフ
タレートで代表されるジアルキルフタレート系可塑剤、
ジオクチルアジペートで代表されるジアルキルアジペー
ト系可塑剤、グリセリントリアセテート、ネオペンチル
ジアセテートで代表されるジまたはトリアセテート系可
塑剤が挙げられる。またクエン酸やアジピン酸などの有
機酸から誘導されるsp値(ソルビィリティーパラメー
ター値)が8〜9.5の範囲のポリエステル系可塑剤
や、植物油のエステル系可塑剤なども良い例である。特
に好ましくは、ポリ乳酸樹脂と極めて良好な相溶性の性
質を示す物として、グリセリントリアセテート系可塑
剤、植物油のエステル系可塑剤があげられる。
【0015】本発明のホットメルト接着剤組成物には必
要に応じて以下の添加剤を予め含有または使用(接着使
用時)直前に含有させる事が出来る。その添加剤として
は、公知の以下、耐候性調節剤、無機物などの充填剤・
顔料、染料、熱安定性助剤、界面活性剤、加水分解性助
触媒、有機物を食べる微生物や菌類などが挙げられ、ま
たそれらの添加剤の本来の作用効果を経時で発現させる
目的であらかじめ何等かの化合物で一部固定またはカプ
セル化(マスキングを含む)した物で有って良い。本発
明のホットメルト接着剤組成物の調整加工方法や最終的
な形態には特に制約は無く、一般的な製造方法としては
公知の方法を採用する事で良く、例えば溶融撹拌釜やニ
ーダー釜などの混練または撹拌溶解槽を介して各成分樹
脂を加熱溶解させる事で良い。またその取り出し加工形
態としては、例えばペレットやブロック、粉体、フィル
ム、スティック等の態様が、更にその前記加工製品を使
用時まで安定的に保存する加工包装方法は何等制約は無
く、公知の包装態様を使用して良い。包装容器や搬送方
法等には限定は無い。要は本発明のホットメルト接着剤
組成物の性質であるアルカリ水崩壊性や微生物分解性の
性質に応じて適宜製品態様を決定する事で良い。本発明
のホットメルト接着剤組成物を用いた主たる被接着対象
物には特に限定は無いが、生分解性プラスチックをはじ
め、金属、石材、陶磁器、ガラス、コンクリート、石
膏、セラミックス等の無機物、木材、紙、布、不織布、
プラスチック類等が挙げられ、それらの各種生活必需品
類や工業用必需品を対象とする事で良い。本発明の主た
る目的からは、リサイクル適性の要請が強い紙類やアル
ミやガラスや生分解性プラスチックは好ましい接着対象
例である。
【0016】生分解性プラスチックとは、自然界に存在
する微生物特に菌類によって崩壊する事が認められるプ
ラスチックの事であり、特に限定は無いが、以下に記載
の物質がすでに知られており、好ましい例である。例と
してポリ乳酸、乳酸とその他のヒドロキシカルボン酸か
ら誘導されたコポリマー樹脂、3−ヒドロキシブチリッ
クアシッドと3−ヒドロキシバレリックアシッドとのコ
ポリマー樹脂、ポリカプロラクトン樹脂、デンプンをブ
レンド変性した工業用プラスチック等が挙げられる。本
発明のホットメルト接着剤組成物は前記した接着剤とし
ての用途の他、塗料、トナーやインク等の色材(感熱色
材用バイダー用途)などに使用することもできる。
【0017】
【実施例】以下に本発明の実施例を記載するが特に本発
明を制約するものでは無い。また例中記載の%及び部と
はそれぞれ重量%、重量部を表す。また表中記載の常態
接着強度項に記載の各記号はそれぞれ以下の特性を表
す。 記号◎:剪断剥離強度が紙の材破であるか、または5K
g/cm2以上。 ○:剪断剥離強度が紙の材破確率が10〜50%程度
か、または2〜5Kg/cm2の範囲。 △:剪断剥離強度が紙の極く薄い表層材破であるか、ま
たは2Kg/cm2以下の場合。 実施例1.L−乳酸とD−乳酸の同量に対し触媒として
錫粉末の0.3%とラウリルアルコールの0.06%を
仕込、キシレン溶剤下、窒素気流中、水の共沸温度14
0℃で50時間脱水縮重合を行ない、最終的に脱溶剤と
脱触媒・濾過して重量平均分子量4.6万のLD型高分
子ポリ乳酸(熱可塑性樹脂−A)を得た。また別個に、
LD(1:1)混合乳酸と乳酸メチルを仕込、内温15
0℃/減圧下3時間脱水縮重合して両末端がメチルエス
テル基で封鎖された重量平均分子量2,200の低分子
ポリ乳酸(粘着付与剤−a)を得た。その熱可塑性樹脂
−Aの50部と粘着付与剤−aの50部とからなるホッ
トメルト接着剤(イ)の180〜200℃溶融粘度は約
1〜3万センチポイズの範囲の透明無色の組成物であっ
た。なお、このホットメルト接着剤(イ)の190℃/
24時間放置後の溶融粘度変化は10%以内と安定であ
った。このホットメルト接着剤(イ)を190℃に調整
されたホットメルトハンドガン「ニュウメルター90
型」にて、表−1記載の接着を行なった。またホットメ
ルトハンドガン「ニュウメルター90型」やノードソン
社のホットメルトアプリケーター「モデル2300」及
びメルテックス社のホットメルトアプリケーター「PS
250」等で行なったビードまたは面状またはスプレー
などの塗布・吐出作業性試験では任意の量をスムーズに
塗布または吐出出来、アプリケーター特性に富む接着剤
であった。またホットメルト接着剤(イ)単独の生分解
性とアルカリ水加水分解の試験結果も合せて表−1に記
載した。
【0018】実施例2.L−ラクタイド1.5モル(2
16部)に対しオクタン酸第一スズの0.01部とステ
アリルアルコールの0.005部を仕込、窒素気流中、
185℃以内の温度で開環重合を行なって重量平均分子
量10.3万のL型高分子ポリ乳酸(熱可塑性樹脂−
B)を得た。その熱可塑性樹脂−Bの40部と、実施例
1で得た粘着付与剤−aの60部とからなるホットメル
ト接着剤(ロ)の180〜200℃溶融粘度は、約2〜
5万センチポイズの範囲の透明無色の組成物であった。
なおこのホットメルト接着剤(ロ)の190℃/24時
間放置後の溶融粘度変化は、10%以内と安定であっ
た。このホットメルト接着剤(ロ)を190℃に調整さ
れたホットメルトハンドガン「ニュウメルタ−90型」
にて、表−1記載の接着を行なった。またホットメルト
接着剤(ロ)の実施例1と同様な塗布・吐出作業性試験
の結果は良好であった。またホットメルト接着剤(ロ)
単独の生分解性とアルカリ水加水分解の試験結果も合せ
て表−1に記載した。 実施例3〜5.L−ラクタイド1.5モル(216部)
の替りに、L−ラクタイド108部とヒドロキシカルボ
ン酸の108部とした以外は実施例2と同様にしてL−
ラクタイドとヒドロキシカルボン酸のコポリマ−である
L型高分子ポリ乳酸(熱可塑性樹脂−C,D,E)を得
た。ヒドロキシカルボン酸がD−ラクタイドの場合を実
施例3、生成物は重量平均分子量が10万のL型高分子
ポリ乳酸(熱可塑性樹脂−C),ヒドロキシカルボン酸
がグリコライドの場合を実施例4、生成物は重量平均分
子量が11万のL型高分子ポリ乳酸(熱可塑性樹脂−
D),ヒドロキシカルボン酸がε−カプロラクタムの場
合を実施例5、生成物は重量平均分子量が11万のL型
高分子ポリ乳酸(熱可塑性樹脂−E)。また別個に、実
施例1で示したと同様にしてL−乳酸と乳酸ブチルから
両末端がブチルエステル基で封鎖された酸価が0.1以
下の重量平均分子量3,500の低分子ポリ乳酸(粘着
付与材−b)を得た。その熱可塑性樹脂−Cの40部と
粘着付与剤−bの60部とからなるホットメルト接着剤
(ハ)、熱可塑性樹脂−Dの40部と粘着付与剤−bの
40部と同じく粘着付与剤として透明ロジンエステルで
ある荒川化学社商品KE−311の10部、ワックスと
してカルナバワックスの10部からなるホットメルト接
着剤(ニ)、熱可塑性樹脂−Eの40部と粘着付与剤−
bの40部と同じく粘着付与剤としてテルペン−フェノ
ール樹脂であるヤスハラケミカル社商品YSポリスター
T−115の10部、ワックスとして蜜ロウワックスの
10部からなるホットメルト接着剤(ホ)、のそれぞれ
の180〜200℃溶融粘度は総じて約7000センチ
ポイズ〜3.5万センチポイズの範囲の組成物であっ
た。なお、このホットメルト接着剤(ハ、ニ、ホ)の1
90℃/24時間放置後の溶融粘度変化は全て10%以
内と熱安定に富む接着剤組成物であった。このホットメ
ルト接着剤(ハ、ニ、ホ)を190℃に調整されたホッ
トメルトハンドガン「ニュウメルタ−90型」にて、表
−1記載の接着をそれぞれ行なった。またホットメルト
接着剤(ハ、ニ、ホ)単独の生分解性とアルカリ水加水
分解の試験結果も合せて表−2に記載した。
【0019】実施例6〜9.LD−混合(1:1)乳酸
に対し触媒として錫粉末の0.3%を仕込、不活性溶剤
の存在下、窒素気流中、内温155℃の温度で減圧脱水
縮重合を30時間行ない、濾過して重量平均分子量7万
のLD型ポリ乳酸を得た。実施例6では、そのポリ乳酸
溶液にポリ乳酸の0.5モル当量に相当する2,4−ト
リレンジイソシアナートを作用させて、グリセリントリ
アセテートを10%を含む分子量が約14万の熱可塑性
高分子のウレタン化ポリ乳酸樹脂−Fを得た。実施例7
では、そのポリ乳酸溶液にポリ乳酸の0.5モル当量に
相当するエチレングリコールジグリシジルエーテルを高
温で20時間作用させて、グリセリントリアセテートを
10%を含む、分子量が約14万の熱可塑性高分子のエ
ポキシ変性ポリ乳酸樹脂−Gを得た。実施例8では、そ
のポリ乳酸溶液にポリ乳酸の0.5モル当量に相当する
エチレングリコールを作用させて、最終的にグリセリン
トリアセテートを10%を含む、分子量が約14万の熱
可塑性高分子のエチレングリコールでエステル化された
エステル化ポリ乳酸樹脂−Hを得た。また別個に、LD
−混合(1:1)乳酸を仕込、無触媒下、窒素気流中、
180℃の温度で減圧脱水縮重合を2〜3時間行ない、
重量平均分子量1300の低分子LD型ポリ乳酸を得
た。さらにその低分子ポリ乳酸に対し同モル等量の、実
施例6ではイソシアナートトリエトキシシランを、実施
例7では乳酸エチルを、実施例8では0.5モル等量の
キシリレンジイソシアナートをそれぞれ作用させて実施
例記載順に低分子シリル化ポリ乳酸(粘着付与材−
c)、低分子末端エステル化ポリ乳酸(粘着付与材−
d)、低分子ウレタン化ポリ乳酸(粘着付与材−e)を
得た。熱可塑性樹脂−Fの25部と粘着付与剤−c30
部と粘着付与剤−dの30部とトリアセチン可塑化剤の
10部とカルナバ天然ワックスの5部とからなるホット
メルト接着剤組成物(ヘ)を作成した。このホットメル
ト接着剤組成物(ヘ)は190℃の溶融粘度が約1.7
万センチポイズを示し、接着特性および単独での生分解
性とアルカリ水加水分解の試験結果は表−2に記載し
た。また、熱可塑性樹脂−F,G,H、粘着付与剤−
c,d,eとから、表ー3記載のホットメルト接着剤
(ト〜ル)を得た。なお、このホットメルト接着剤
(ト、チ、リ、ヌ、ル)のそれぞれの190℃/24時
間放置後の溶融粘度変化は全て10%以内と熱安定に富
む接着剤組成物であった。
【0020】実施例9.L−乳酸とD−乳酸の同量に対
し触媒として錫粉末の0.35%を使用し、アニソール
溶剤下、窒素気流中、水の共沸温度154℃の温度で脱
水縮重合を行ない、最終的に脱溶剤・濾過して重量平均
分子量15万のLD型高分子ポリ乳酸を得、更にそのポ
リ乳酸に対し0.5モル当量に相当する純粋なビスフェ
ノールAのジグリシジルエーテルを作用させて重量平均
分子量28万のLD型高分子エポキシ変性ポリ乳酸(熱
可塑性樹脂−I)を得た。また別個に、LD(1:1)
混合乳酸からラクタイドである環状乳酸(粘着付与剤−
f)を得た。その熱可塑性樹脂−I、粘着付与剤−f、
タッキファイヤー、ベースポリマーと実施例7で得た粘
着付与剤−dとから、表−4記載のホットメルト接着剤
(ヲ〜ヨ)を調整した。このホットメルト接着剤(ヲ〜
ヨ)の190℃/24時間放置後の溶融粘度変化は10
%以内と安定であった。このホットメルト接着剤(ヲ〜
ヨ)を190℃に調整されたホットメルトハンドガン
「ニュウメルタ−90型」にて、接着試験を行なった結
果を合せて表−4に記載した。またホットメルト接着剤
(ヲ〜ヨ)単独の生分解性とアルカリ水加水分解の試験
結果も合せて表−4に記載した。 比較例1.ベースポリマーとしてエチレン−酢酸ビニル
コポリマーである商品名「エバフレックス#220」
(MI値:400、28%酢酸ビニル含有)の40部
と、タッキファイヤーとして荒川化学社製品「ロジンエ
ステルガムH」の40部、75℃パラフィンワックスの
20部からなる180℃溶融粘度が1,700センチポ
イズのホットメルト接着剤組成物(X−1)を得た。こ
のホットメルト接着剤組成物(X−1)を用いた接着特
性及び単独の生分解性とアルカリ水加水分解の試験結果
も合せて表−1に記載した。 比較例2.ベースポリマーとしてスチレンーエチレンー
プロピレンースチレンブロックコポリマーであるシェル
化学製品、商品名「クレイトンG−1652」の10部
およびエチレンーエチルアクリレート樹脂である商品名
「エバフレックスA−703」の30部と、タッキファ
イヤーとしてロジンエステルである荒川化学商品名「ス
ーパーエステルA−115」の20部及びテルペン樹脂
であるヤスハラケミカル社製品、商品名YSレジンTO
−115の20部、ポリエチレンワックスとして商品名
ネオワックスLの10部、可塑化剤として液状ポリブテ
ンである日本石油商品「ポリブテンHV−300」の1
0部からなる180℃溶融粘度が約1万センチポイズの
ホットメルト接着剤組成物(X−2)を得た。このホッ
トメルト接着剤組成物(X−2)を用いた接着特性及び
単独の生分解性とアルカリ水加水分解の試験結果も合せ
て表−2に記載した。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】記号の説明 ベースポリマー1:アジピン酸とジプロピレングリコー
ルから誘導された重量平均分子量が約10万のポリエス
テル樹脂。 ベースポリマー2:180℃MI値が200のダイマー
酸とヘキサメチレンジアミンとから誘導されたポリアミ
ド樹脂。 ベースポリマー3:ジメチルテレフタール酸と1,4−
ブタンジオールから誘導された分子量1200の両末端
ヒドロキシル基のポリエステルオリゴマーに対し、ほぼ
当モルのイソホロンジイソシアナートを反応させて得
た、重量平均分子量12万のポリエステルウレタン樹
脂。 ベースポリマー4:2%無水マレイン酸変性スチレンー
エチレンーブチレンースチレンブロックコポリマー(1
4%スチレン含有)樹脂。 ベースポリマー5:フタール酸とアジピン酸のモル比
1:1に対しジプロピレングリコールとジエチレングリ
コールのモル比1:1を作用させて得た重量平均分子量
が約8万のポリエステル樹脂。 ベースポリマー6:分子量1万のポリカーボネートポリ
オール樹脂。 ポリエステルワックス;トリス(2−ヒドロキシエチ
ル)イソシアヌレートの3ベヘニン酸付加物である合成
エステルワックス。 トリアセチン;グリセリントリアセテート。 タッキファイヤー1;ロジンエステル樹脂として荒川化
学社の商品名「スーパーエステルA−115」を用い
る。 タッキファイヤー2;低分子テルペンービスフェノール
A共重合樹脂としてヤスハラケミカル社の商品名「YS
ポリスターT−2115」を用いる。 タッキファイヤー3;溶融粘度の項:低粘度とは190
℃の溶融粘度が3万以下を、中粘度とは3〜10万の範
囲にある事を表す。
【0026】比較例3.表−4記載のホットメルト接着
剤組成物(X−3)を用いたバイオポール素材接着物を
土壌中に埋没投棄した場合、数カ月後、取り出して観察
した結果、バイオポール素材は微生物で一部崩壊が進み
ボロボロの状態で有ったが、接着剤は全く変化が認めら
れず、接着した形状がそのままで無変化で残存してい
た。また、ホットメルト接着剤組成物(X−3)を用い
た紙ダンボール同士またはアルミ同士の接合物を、接着
対象素材を痛めずに再剥離させようと加熱溶解させて自
然に剥離させたが接着剤が凝集剥離するのみで不可であ
った。また同目的を大量の加熱トルエン溶剤中にしたし
て接着剤を溶解させて剥離を試みたが、紙素材の変形は
ある程度おさえられたが、素材中やその表面に接着剤が
含浸・汚染する結果となり問題であった。また弱アルカ
リ水中での界面剥離を試みたが数時間浸漬しても何等剥
離は起こらなかった。 実施例10.実施例1の項で得たホットメルト接着剤組
成物(イ)を用いたバイオポール相当素材接着物を土壌
中に埋没投棄した場合、数カ月後に取り出して観察した
結果、バイオポール相当の素材を含み接着剤層は微生物
で一部崩壊が進みボロボロの状態で有った。また、ホッ
トメルト接着剤組成物(イ)を用いたアルミまたはガラ
ス同士の接合物を、接着対象素材を痛めずに再剥離させ
ようと弱アルカリアンモニア水中での界面剥離を試みた
所、短時間に剥離し最終的に接着剤は全て水和し、容易
に接着対象素材を回収する事が出来た。剥離処理に要し
た前記処理水は最終的に全く人畜無害な乳酸塩を含む水
溶液であり中和処理のみで廃水が可能であった。
【0027】実施例11.実施例6〜9で得たホットメ
ルト接着剤組成物(チ)を用いたバイオポール相当素材
接着物を土壌中に埋没投棄した場合、数カ月後に取り出
して観察した結果、バイオポール素材を含み接着剤層は
微生物で一部崩壊が進みボロボロの状態で有った。ま
た、ホットメルト接着剤組成物(チ)を用いたアルミま
たはガラス同士の接合物を、接着対象素材を痛めずに再
剥離させようと30℃弱アルカリ苛性ソーダ水中での界
面剥離を試みた所、10分以内で容易に剥離し、更に水
洗する事で素材界面が全く汚染のない無キズの接着対象
素材を回収する事が出来た。
【0028】比較例4.無水マレイン酸とイソブチレン
を共重合体のエチレンオキサイドの9モル付加物である
ポリオキシエチレングリコールモノメチルエーテルのエ
ステル化物を主成分とするホットメルト接着剤(X−
4)の200ミクロンフィルムを用いてアルミ同士の接
着を190℃加熱接着させた。この接合物を30℃弱ア
ルカリ苛性ソーダ水溶液に20分浸漬した所、二枚のア
ルミ板は容易に剥離したが、その処理水はホットメルト
接着剤(X−4)である前記エステル化物が単に水和し
ている状態であり、そのままでは無公害処理水とはなら
ず、廃水処理には複雑な中和析出濾過が必須であった。
またホットメルト接着剤(X−4)の単独フィルムの土
壌埋没試験3ケ月の結果でほとんど重量変化が観察され
ない結果であり、微生物分解性または生分解性の性質は
無いホットメルトと推定された。 比較例5.実施例1の項で得た熱可塑性樹脂(A)と同
様にして得た重量平均分子量10万のポリ乳酸のみから
なるホットメルト接着剤(X−5)では180℃溶融粘
度が30万センチポイズ以上と著しく高く、ハンドガン
や溶融タンク内蔵ホットメルトアプリケーターを介した
吐出がほとんど不可であった。また、ホットメルト接着
剤(X−5)を予め100ミクロンのフィルム化した状
態で紙またはバイオポール相当素材同士の接着を試みた
が、250℃と高温溶融圧締接着が必要であり、素材が
変形・変色して問題であった。ホットメルト接着剤(X
−5)を予め100ミクロンのフィルム化した接着剤の
使用できる範囲は高温に耐える金属やセラミックスに限
定され、汎用性に掛ける事が判明した。 比較例6.実施例1の項で得た粘着付与剤(a)のみか
らなるホットメルト接着剤(X−6)では190℃溶融
粘度は極めて小さく、ハンドガンや溶融タンク内蔵ホッ
トメルトアプリケーターを介した吐出は容易に可能で有
ったが、その物自体の性質として脆く、紙などの素材を
接着しても容易簡単に剥離してしまい実用強度を満足せ
ず問題であった。特にポリ乳酸高分子フィルム成型物同
士の接着ではわ0.3Kg以下のピール強度しか得られ
なかった。
【0029】
【発明の効果】本発明は比較例1〜3に於いて明らかな
様に従来公知のホットメルト組成物では全くアルカリ水
崩壊性や微生物分解性の性質を発揮する事が出来ず、特
に生分解性樹脂を接着対象とした場合は、そのまま自然
界に投棄すると超期間分解する事なく存在し、公害の問
題を発生する事が明らかである。比較例4はアルカリ水
溶解型ホットメルトの例で有るが、リサイクル適性はあ
る程度実現しているが生分解性の性質が無く、生分解性
プラスチックの接着には全く適切な接着剤では無く無公
害型とは言えない。更に比較例4,5でポリ乳酸の高分
子または低分子オリゴマーからそれぞれなるホットメル
ト接着剤を用いた場合で有るが、接着物性やアプリケー
ター特性等の点で問題が判明した。実施例1〜9からは
明らかに熱可塑性樹脂成分、と粘着付与剤成分のいずれ
か一方または両者が、ポリ乳酸を含み、系の溶融粘度が
180〜210℃で0.001〜30万センチポイズの
範囲に調整されたアルカリ水崩壊性または微生物分解性
のホットメルト接着剤組成物であれば、接着剤を溶融さ
せて所定の場所に任意に吐出または塗布する事で接着が
可能な、リサイクル適性に富み、生分解性プラスチック
の接着に適したホットメルト接着剤組成物である事が判
明した。また、実施例10、11からは、再利用時には
アルカリ水浸漬の方法で容易に該接着剤を崩壊劣化させ
る事が出来、接合物界面を接着以前の状態に復元化出来
る様な機能が発現された結果を得た。また同時に、生分
解性プラスチックなどの接着物をそのまま廃棄した場合
にはホットメルト接着剤を含めて全て易微生物分解性を
発揮し、その分解成分は人体や自然界の生物に対し、毒
性が全く無いか、もしくは環境に与える影響が極めて軽
微である事も判明した。従って実施例の結果から、本発
明の主目的に十分対応出来るホットメルト接着剤である
と判断された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八城 賢一 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂と粘着付与剤を主成分と
    し、そのいずれか一方または両方が、ポリ乳酸または乳
    酸と他のヒドロキシカルボン酸から誘導された乳酸共重
    合樹脂を含む組成物であり、その系の溶融粘度が180
    〜210℃で10センチポイズ〜30万センチポイズの
    範囲にある事を特徴とするホットメルト接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂及び/または粘着付与剤の
    一部または全部がL型及び/またはD型のポリ乳酸か、
    またはL型及び/またはD型の乳酸と他のヒドロキシカ
    ルボン酸から誘導された乳酸共重合樹脂である事を特徴
    とする請求項1記載のホットメルト接着剤組成物。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂が下記(a)〜(f)のい
    ずれか1種または2種以上の混合物からなり、且つ、そ
    の重量平均分子量が少なくとも平均1万以上で有る改質
    されてなる高分子改質ポリ乳酸で有る事、粘着付与剤が
    下記(a)〜(f)のいずれか1種または2種以上の混
    合物からなり、且つ、その重量平均分子量が少なくとも
    平均5000以下で有る改質されてなる低分子改質ポリ
    乳酸樹脂とする事を特徴とする請求項1または2記載の
    ホットメルト接着剤組成物。 (a)ポリ乳酸または乳酸と他のヒドロキシカルボン酸
    から誘導された乳酸共重合樹脂とジイソシアナート化合
    物をモル比で2:(1〜0.9)の割合で反応させて得
    られるウレタン化ポリ乳酸。 (b)ポリ乳酸または乳酸と他のヒドロキシカルボン酸
    から誘導された乳酸共重合樹脂とジオール化合物または
    ジカルボン酸をモル比で2:(1〜0.9)の割合で脱
    水縮合反応させて得られるエステル化ポリ乳酸。 (c)ポリ乳酸または乳酸と他のヒドロキシカルボン酸
    から誘導された乳酸共重合樹脂とジグリシジル化合物を
    モル比で2:(1〜0.9)の割合で反応させて得たエ
    ポキシ変性ポリ乳酸。 (d)ポリ乳酸または乳酸と他のヒドロキシカルボン酸
    から誘導された乳酸共重合樹脂のいずれかと乳酸アルキ
    ルエステルの同モル量に対しジイソシアナート化合物を
    モル比で(1:1):(1〜0.9)の割合で反応させ
    て得られたウレタン化変性ポリ乳酸。 (e)ポリ乳酸または乳酸と他のヒドロキシカルボン酸
    から誘導された乳酸共重合樹脂または前記(a)〜
    (d)の分子末端に加水分解性シリル基を導入してなる
    シリル化ポリ乳酸。 (f)ポリ乳酸または乳酸と他のヒドロキシカルボン酸
    から誘導された乳酸共重合樹脂または前記(a)〜
    (d)の分子末端をアルキルエステル化封鎖してなる末
    端エステル化ポリ乳酸。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂として重量平均分子量が2
    〜100万の範囲のポリ乳酸または乳酸共重合樹脂また
    は高分子改質ポリ乳酸の70〜5重量%、粘着付与剤と
    して重量平均分子量が多くとも5,000以下のポリ乳
    酸または乳酸共重合樹脂または低分子改質ポリ乳酸の9
    5〜30重量%とする請求項1〜3記載のいずれかのホ
    ットメルト接着剤組成物。
  5. 【請求項5】 粘着付与剤として重量平均分子量が3,
    000以下のポリ乳酸または乳酸共重合樹脂または低分
    子改質ポリ乳酸の30〜90重量%と、熱可塑性樹脂と
    して重量平均分子量が7〜50万の範囲のポリ乳酸また
    は乳酸共重合樹脂または高分子改質ポリ乳酸の10〜7
    0重量%とし、その粘着付与剤、熱可塑性樹脂であるポ
    リ乳酸または乳酸共重合樹脂または高分子改質ポリ乳酸
    のいずれか一方の成分がヒドロキシル価または酸価を1
    以下とする事を特徴とする請求項1〜3記載のいずれか
    のホットメルト接着剤組成物。
  6. 【請求項6】 ポリ乳酸または乳酸共重合樹脂または高
    分子改質ポリ乳酸のヒドロキシル価または酸価をすべて
    0.1以下とする事を特徴とする請求項1〜4記載のい
    ずれかのホットメルト接着剤組成物。
  7. 【請求項7】 熱可塑性樹脂が、ポリアミド、ポリエス
    テル、ポリエステルウレタン、ポリカーボネート、ポリ
    オレフィンより選ばれた少なくとも1種類の単独または
    同じく熱可塑性樹脂であるポリ乳酸または乳酸共重合樹
    脂または高分子改質ポリ乳酸と併用して用いる事を特徴
    とする請求項1〜3、6記載のいずれかのホットメルト
    接着剤組成物。
  8. 【請求項8】 粘着付与剤が、ロジンエステル及びまた
    はテルペン−フエノール樹脂を20〜70重量%の範囲
    で単独に、または同じく粘着付与剤であるポリ乳酸また
    は乳酸共重合樹脂または低分子改質ポリ乳酸と併用して
    用いる事を特徴とする請求項1〜3、6、7記載のいず
    れかのホットメルト接着剤組成物。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8記載のいずれかのホットメ
    ルト接着剤組成物に更に、天然ワックス、エステルアミ
    ドワックス、ポリエステルワックスから選ばれた少なく
    とも1種のワックス成分及びまたはポリ乳酸の相溶化可
    塑剤を0.1〜50重量%の範囲で含有させたホットメ
    ルト接着剤組成物。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9記載のいずれかのホット
    メルト接着剤組成物を生分解生プラスチックス同士の接
    着に使用する事を特徴とする接着方法。
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