JPH0539231A - β−メチルナフタレンの製造方法 - Google Patents

β−メチルナフタレンの製造方法

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JPH0539231A
JPH0539231A JP3333329A JP33332991A JPH0539231A JP H0539231 A JPH0539231 A JP H0539231A JP 3333329 A JP3333329 A JP 3333329A JP 33332991 A JP33332991 A JP 33332991A JP H0539231 A JPH0539231 A JP H0539231A
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methylnaphthalene
producing
isomerization
fraction
containing oil
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JP3333329A
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Tsugio Hotta
田 次 男 堀
Yoshinori Takagi
木 嘉 則 高
Tatsuya Nobusawa
沢 達 也 信
Toshihide Suzuki
木 利 英 鈴
Akinori Matsuura
浦 明 徳 松
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Kawasaki Steel Corp
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】α−メチルナフタレンおよびβ−メチルナフタ
レンを含有するメチルナフタレン油から高純度のβ−メ
チルナフタレンを簡単な操作で容易に高収率で長期間に
亘って安定的に製造する方法を提供する。 【構成】メチルナフタレン油を原料油として、まず、水
添脱硫工程で、不純物の硫黄化合物を除去し、副生する
メチルテトラリン類を異性化工程に供給し、α−メチル
ナフタレンをβ−メチルナフタレンに異性化する工程を
組み合せたプロセスによりβ−メチルナフタレンを製造
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はα−メチルナフタレン含
有油からβ−メチルナフタレンを高収率で経済的に製造
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】β−メチルナフタレン(2−メチルナフ
タレン)は、医薬品のビタミンKや、耐熱性、高引張強
度を有するポリエステル系合成樹脂の中間原料である
2,6−ナフタレンジカルボン酸の原料として重要な化
合物である。
【0003】しかし、これらの用途に供するためには、
純度の高いことが重要で、特に異性体のα−メチルナフ
タレン(1−メチルナフタレン)や、触媒毒とか反応阻
害物質として働く有機硫黄化合物や有機窒素化合物の混
在は、極力排除しなければならない。
【0004】これまで、高純度のβ−メチルナフタレン
を分離回収するための方法として、蒸留と晶析を組み合
わせる方法(特開昭57−95923号公報)、吸着剤
を利用する方法(特開昭59−88432号公報)、ア
ルカノールアミン類を添加して蒸留する方法(特開昭6
2−153233号公報)等が提案されている。
【0005】また、包接化合物を形成させる方法(特公
平02−215733号公報、特公平02−25563
0号公報)等も提案されている。
【0006】しかしながら、上記の前者の3つの方法を
α−メチルナフタレンとβ−メチルナフタレンのように
物理的・化学的性状が極めて近接している異性体の分離
に適用した場合、必然的に装置の大型化、精密化を招
き、経済的に不利となる。一方、後者の方法では、高価
な包接錯体形成用の薬剤を使用するので経済的に不利と
なる。
【0007】また、これら従来の方法は、あくまでもβ
−メチルナフタレンを分離回収する方法であり、理論的
にβ−メチルナフタレンの回収率は100%を越えるこ
とはできない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはα−メチ
ルナフタレン含有油に含まれる不要なα−メチルナフタ
レンを有用なβ−メチルナフタレンに異性化することに
より該α−メチルナフタレン含有油から収率良くβ−メ
チルナフタレンを取得すべく研究を行ったところ、異性
化に用いる固体酸触媒の活性の寿命が意外に短くこの問
題が解決されてはじめてβ−メチルナフタレンを経済的
に有利に製造することが可能になることを知った。
【0009】かくして、本発明の目的はα−メチルナフ
タレン含有油からβ−メチルナフタレンを経済的に有利
に製造する方法を提供することであり、より具体的に
は、α−メチルナフタレン含有油に含まれるα−メチル
ナフタレンを異性化する際に用いる触媒の活性を保持し
つつα−メチルナフタレンをβ−メチルナフタレンに異
性化して、β−メチルナフタレンを収率良く経済的にα
−メチルナフタレン含有油から収得する方法を提供する
ことである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記目的を達
成すべく更に研究を重ねた結果、α−メチルナフタレン
含有油を水添脱硫工程に付して得られる脱硫油について
異性化反応を行うと意外にも異性化の反応に用いる固体
酸触媒の活性が持続するという事実を発見し、更にその
原因につき検討を行ったところ、α−メチルナフタレン
含有油を水添脱硫工程に付すことにより該油中のメチル
ナフタレンの一部が核水添されて少量のメチルテトラリ
ンが生成し、この少量のメチルテトラリンが固体酸触媒
の失活(劣化)を極めて効果的に防止し触媒の寿命を保
持すること、そして生成したメチルテトラリンを用いて
異性化工程に供給するメチルテトラリンの量を適切に制
御すれば異性化工程で用いられる固体酸触媒の活性がよ
り持続すること等の一連の事実を知見して本発明の完成
に到った。
【0011】通常水添脱硫工程は硫黄化合物を除去する
目的の工程であって、このような工程を異性化工程の前
に付すことにより、異性化工程を効率良く行うことがで
きるという事実は全く予想外のことであり驚くべきこと
であった。勿論水添脱硫工程を付すことによって不要な
硫黄化合物は除去され、得られるβ−メチルナフタレン
は高純度となり、水添脱硫の目的は合わせて達成され
る。
【0012】すなわち本発明は包括的には、α−メチル
ナフタレン含有油を固体酸触媒を用いて異性化し、β−
メチルナフタレンを製造する方法であって、異性化の前
処理工程として前記α−メチルナフタレン含有油の水添
脱硫工程を含むことを特徴とするβ−メチルナフタレン
の製造方法であり、また、α−メチルナフタレン含有油
を固体酸触媒を用いて異性化し、β−メチルナフタレン
を製造する方法であって、α−メチルナフタレン含有油
を水添脱硫して副生するメチルテトラリンの一部または
全部を異性化工程に供給することを特徴とするβ−メチ
ルナフタレンの製造方法である。
【0013】以下の本発明に関する詳細な記述から本発
明のより好ましい態様およびそれらに基づく利点が自ず
と明らかとなろう。
【0014】本発明で用いる原料油のα−メチルナフタ
レン含有油にはタール塩基化合物およびインドールが含
まれず、且つ、メチルナフタレン含有量(α−メチルナ
フタレンとβ−メチルナフタレンとの合計含有量)が8
0重量%以上、特には90重量%以上のメチルナフタレ
ン含有油が好ましい。
【0015】このようなメチルナフタレン油は、一般に
コールタールを分留して得られる洗浄油から公知の方法
を使って容易に製造される。例えば、タール塩基化合物
の除去には硫酸洗浄法または共沸蒸留法を、インドール
の除去には溶媒抽出法、アルカリ融解法および/または
オリゴマー塩化法、共沸蒸留法等を利用し、炭化水素化
合物の分離除去には蒸留法を利用することで可能であ
る。
【0016】水添脱硫前のα−メチルナフタレンとβ−
メチルナフタレン含有量の合計が、80重量%未満では
単位操作当りのエネルギー負荷が大きくなることから、
80重量%以上、特には90重量%以上が好ましい。ま
た、80重量%以上であれば水添脱硫時に異性化工程に
おける必要十分なメチルテトラリンが得られるためであ
る。
【0017】以下に、本発明のβ−メチルナフタレンの
製造方法の一例を図1に示す製造フローに従って説明す
る。本発明は、このフローに限定されるわけではなく、
適切に組合せを変えても目的が達成される。
【0018】まず、原料油のメチルナフタレン含有油1
を水添脱硫設備2に導入して、水添脱硫工程を行う。本
発明のβ−メチルナフタレンの製造方法の第1工程であ
る水添脱硫工程の役割の1つは、メチルナフタレン含有
油に含有される硫黄化合物を除去することである。水添
脱硫法は公知の水添脱硫方法に従って行うことができ
る。硫黄化合物の除去率は製品の仕様に応じて決定すれ
ば良く、特に制限的ではない。また、副反応としてのメ
チルナフタレンの核水添反応によって生成するメチルテ
トラリンの発生量も特に限定されるものではない。これ
は、水添脱硫前のメチルナフタレン含有油中のα−メチ
ルナフタレンとβ−メチルナフタレンの合計の濃度が8
0重量%以上であれば、異性化工程で充分な量のメチル
テトラリンが水添脱硫工程で生成することおよび水添脱
硫後の異性化工程の前工程として蒸留工程を設けること
により異性化工程へ供給されるメチルナフタレン含有油
中のメチルテトラリンの濃度を制御できるためである。
また、α−メチルナフタレン含有油中に若干のナフタレ
ンが含有されている場合、水添脱硫工程でその一部がテ
トラリンとなり、それが異性化工程での固体酸触媒の活
性低下を防止する機能を有する。
【0019】本発明において水添脱硫時に使用される触
媒としては、モリブデン、コバルトおよびニッケルから
選ばれた少なくとも1種を担持した触媒、より好ましく
は、コバルト・モリブデン/アルミナ、ニッケル・モリ
ブデン/アルミナもしくはコバルト・ニッケル・モリブ
デン/アルミナ等の触媒、すなわちアルミナ担体にモリ
ブデンと、コバルト、ニッケルから選ばれた少なくとも
1種とを担持した触媒が例示され、これらは市販されて
いる。モリブデンの担持量はモリブデン元素として1〜
25重量%、コバルトの担持量はコバルト元素として
0.5〜15重量%、ニッケルの担持量はニッケル元素
として0.5〜15重量%が好ましい。なお、本発明の
水添脱硫工程において用いる触媒は、水添脱硫と適度の
(過度でない)メチルナフタレンの核水添が達成される
触媒であれば、これらに限定されるものではなく、ま
た、本発明の目的を損なわない範囲で前記以外の元素を
添加してもよい。
【0020】脱硫反応における反応条件としては、温度
は240〜400℃、好ましくは260〜350℃、圧
力は常圧〜100kg/cm2G 、好ましくは1.0〜20kg
/cm2G で行なうのがよい。
【0021】温度、圧力を上記範囲よりも低く設定した
場合には、脱硫活性が低下するために希望する脱硫率が
得られず、高く設定した場合には、メチルナフタレンの
水素化が顕著となり歩留りの低下をもたらす。一般に脱
硫率の上昇に伴い、メチルナフタレンの水素添加率が上
昇する傾向がある。水添脱硫工程における液空間速度
(触媒1リットル当たりの原料油の供給量)(LHS
V)は、通常0.2〜10.0(l/l・hr)である。
【0022】本水添脱硫工程における水素流量[GHSV(hr
-1]/液空間速度[LHSV(hr-1)]は30以上が好ましい。G
HSV/LHSV が30未満の場合は、脱硫活性の低下が著し
い。
【0023】β−メチルナフタレンは次の第2工程であ
る蒸留(A)工程で分離製造される。蒸留(A)工程
は、蒸留塔4および精留塔7から構成され、蒸留塔4で
は、水添脱硫油3からβ−メチルナフタレンよりも低沸
点物の不純物(主として、メチルテトラリンからなり、
場合によってはテトラリン、ナフタレンを含む)を塔頂
留分5として分離し、塔底留分6を得る。塔底留分6は
蒸留(B)工程の蒸留塔16の塔頂留分17と合流して
精留塔7へ供給され、精留塔7では製品のβ−メチルナ
フタレンを留分8として分離し、留分9が残る。蒸留塔
4および精留塔7の操作条件は製品の仕様および次工程
の異性化工程の原料10(留分5および留分9の合流
液)のα−メチルナフタレン含有量が35wt%以上、
より好ましくは50重量%以上となる条件を満たすよう
に設定すればよい。異性化工程の原料である留分10の
α−メチルナフタレン含有量が35wt%未満ではこの
異性化反応の熱力学的平衡の点から異性化工程の効率が
悪くなる。35wt%以上の範囲では特に限定されない
が、蒸留塔4と7の設計および運転上技術的限界値で決
定すれば良い。
【0024】蒸留(A)工程からの留分10は異性化工
程の原料として異性化設備11に供給され、ここの異性
化工程でα−メチルナフタレンが異性化されて、β−メ
チルナフタレンとなる。異性化触媒にゼオライト、シリ
カ・アルミナ等の固体酸触媒、好ましくは固体酸触媒と
してゼオライトを用いることで本発明が達成される。更
に好ましい固体酸触媒はY型ゼオライト、特に好ましい
ものは、脱アルミニウムY型ゼオライトであり、シリカ
・アルミナ触媒より高寿命が達成される。脱アルミニウ
ムY型ゼオライトは、Y型ゼオライトを水蒸気処理およ
び/または酸処理を行うことで得られる。
【0025】また、本発明の異性化工程において、WH
SV(1時間に単位重量の触媒上を通過する原料油の重
量)は、好ましくは0.1〜20h-1、より好ましくは
0.1〜10h-1の範囲内が好ましい。WHSVが大き
すぎると、十分に大きな転化率が得られず、一方、WH
SVが小さすぎると、充填触媒量および反応器容積が大
きくなり、不経済となる。異性化工程における反応温度
は、300〜600℃、好ましくは350〜550℃で
ある。圧力は常圧、常圧に近い加圧下、高圧下いずれの
圧力条件でも良く、また低圧下での気相反応、高圧下の
液相反応いずれでも良い。
【0026】蒸留塔4にて塔頂留分として留去せられた
メチルテトラリン、場合によってはテトラリンを含む留
分5の一部または全部を異性化工程に供給する。このよ
うにして異性化工程にて用いられる固体酸触媒の寿命が
大巾に延びる。
【0027】留分10のメチルテトラリン含有量または
メチルテトラリンとテトラリンの含有量は0.1〜1
0.0重量%が好ましく、より好ましくは0.4〜5.
0重量%である。これら水添物の含量が少なすぎると活
性低下を抑制する効果に乏しく、また、あまり過剰であ
ると異性化反応以外の副反応(不均化反応等)が顕著と
なりβ−メチルナフタレンの収率が低下する。
【0028】留分10のメチルテトラリン含量またはメ
チルテトラリンとテトラリンの含量は留分9と合流され
る留分5の流量により調節することができる。
【0029】異性化工程を経た留分12は次いで蒸留
(B)工程に送られる。蒸留(B)工程は蒸留塔13と
16から構成され、その役割は水添脱硫工程と異性化工
程で発生した低沸点物と高沸点物を系外に留去すること
である。即ち、蒸留塔13においてメチルナフタレンよ
り低沸点物が系外へ留去せられ、蒸留塔16においては
高沸点物が系外へ留去される。蒸留塔16からの塔頂留
分17は蒸留(A)工程へ循環され留分6と合流する。
【0030】蒸留塔13と16の操作条件は、蒸留
(A)工程に循環されるメチルナフタレン含有の留分1
7が留分6とほぼ同等の組成を有するように、決定すれ
ば良く、特に、留分17中のβ−メチルナフタレン含有
量を高くする必要はない。ここで、蒸留塔13の有無は
製品の仕様により決定することができる。
【0031】また、本発明においては、実施例2に示す
ように、水添脱硫直後に異性化する方式も用いることが
でき、水添脱硫、異性化、蒸留は本発明の目的をそこな
わない範囲において適切に組合せることができる。
【0032】以上詳述した本発明の製造方法によれば、 (1)異性化工程前のα−メチルナフタレン含有油の水
添脱硫工程において生成した副生品である少量のメチル
テトラリンにより、異性化工程における固体酸触媒の寿
命が長時間となる。 (2)異性化触媒に用いられる固体酸触媒にはメチルテ
トラリンの脱水素能力があるので、水添脱硫工程で生成
したメチルテトラリンは脱水素されてメチルナフタレン
となり、その中のα−メチルナフタレンはβ−メチルナ
フタレンに異性化するのでβ−メチルナフタレンの収量
が増加すると共にその純度は高い。 (3)水添脱硫工程、異性化工程および蒸留工程を適切
に組み合わせることにより、α−メチルナフタレンから
β−メチルナフタレンへの転換率を極めて高くすること
が可能となり全体としてβ−メチルナフタレンを高収率
で取得することが可能である。
【0033】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明する。
【0034】(実施例1)図1に示すβ−メチルナフタ
レンの製造フローに従って実施した結果を具体的に説明
する。代表的な留分の結果は表1に記載する。タール塩
基およびインドールを含まないα−メチルナフタレン含
有油1(メチルナフタレン含有量=94.9重量%、硫
黄化合物濃度=3.0重量%)を市販の水添脱硫触媒
(コバルト・モリブデン/アルミナ)を充填した固定床
流通管式反応装置を用い、反応温度300℃、反応圧力
2kg/cm2G 、LHSV:1.0(l/l・hr)、GHSV:1
00(l/l・hr)の条件下で水添脱硫処理を行って、留分3
の硫黄化合物を0.3重量%まで除去した。次いで蒸留
(A)工程の蒸留塔4にて留分5を留去してβ−メチル
ナフタレン含有量=64.7wt%の留分6を得て、引
続き蒸留塔7により製品であるβ−メチルナフタレン8
(製品純度=98.0重量%、硫黄化合物濃度=0.3
重量%)を回収した。留分8中のβ−メチルナフタレン
回収率は留分1に含まれるβ−メチルナフタレンを基準
とすると80重量%であった。蒸留(A)工程で留去さ
れた留分5と留分9の合流液である留分10にはメチル
テトラリンが2.6重量%含有されており、α−メチル
ナフタレン含有量は67.2重量%であった。この留分
10でのメチルナフタレンに占めるβ−メチルナフタレ
ンの割合は25重量%であった。
【0035】次いで固体酸触媒( SiO2/Al2O3(モル比)
=18、格子定数24.30Åのカチオンサイトがプロ
トンで交換された脱アルミY型ゼオライト)を充填した
触媒層を有する異性化工程により、反応温度450℃、
WHSV(1時間に単位重量の触媒上を通過する原料の
重量)1.5h-1の条件下でα−メチルナフタレンを異
性化させ、β−メチルナフタレンが全メチルナフタレン
に占める割合を62重量%にまで増加させた。異性化処
理された留分12から次の蒸留(B)工程にてメチルナ
フタレン含有留分17(β−メチルナフタレン含有量=
66.2重量%)が回収された。この留分17を蒸留
(A)工程の留分6に循環させると留分8のβ−メチル
ナフタレン回収率は留分1に含まれるβ−メチルナフタ
レンを基準にして126重量%まで増加した。
【0036】本異性化工程での異性化触媒の活性は、3
30日間の運転期間中良好に維持された。すなわち、運
転開始当初の留分12のβ−メチルナフタレン含有量は
56.5重量%であり、330日後の同留分のβ−メチ
ルナフタレン含有量は50.0重量%であった。
【0037】このように、水添脱硫工程→蒸留(A)工
程→異性化工程→蒸留(B)工程からなる本発明の製造
方法でβ−メチルナフタレンの回収率を著しく向上させ
ることができると共に製品中の硫黄化合物濃度を低減さ
せることができる。
【0038】 *1:留分1は原料油のα−メチルナフタレン含有油 *2:MNはメチルナフタレンの略称 *3:MTはメチルテトラリンの略称 *4:MNはβ−MNとα−MNの合計量 *5:留分17を蒸留塔7へ循環した場合 (回収率は、留分1のα−メチルナフタレン含有油中に
含有されるβ−メチルナフタレンの量を基準に計算し
た。)
【0039】(比較例)実施例の蒸留(A)工程から留
去される留分5(メチルテトラリン含有留分)を異性化
工程に供給しなかった以外は実施例と同様に行った。
【0040】異性化の触媒活性は徐々に劣化する傾向が
現れ、80日間の運転後にはα−メチルナフタレンがβ
−メチルナフタレンへ異性化しなくなった。
【0041】(実施例2)図2に示す製造フローに従っ
て実施した結果を説明する。代表的な留分の結果を表2
に記載する。タール塩基およびインドールを含まないα
−メチルナフタレン含有油101(α−メチルナフタレ
ンとβ−メチルナフタレンの合計含有量=80重量%、
硫黄化合物濃度=2.8重量%)を実施例1と同様に水
添脱硫処理し、留分103の硫黄化合物を0.4重量%
まで除去した。この留分103にはテトラリンおよびメ
チルテトラリンが合計で1.0重量%(テトラリン/メ
チルテトラリン=1/9:モル比、核水添率1.1モル
%)含まれており、メチルナフタレンに占めるβ−メチ
ルナフタレンの割合は、25重量%であった。次いで、
実施例1で用いたのと同じ固体酸触媒を充填した異性化
工程に、この留分103を供給して実施例1と同一条件
で異性化反応を行った結果、β−メチルナフタレンが全
メチルナフタレンに占める割合を64重量%にまで増加
させた留分119が得られた。この留分119を蒸留工
程に付して(蒸留塔124で低沸点油を分離除去し、蒸
留塔125で高沸点油を分離除去)、製品のβ−メチル
ナフタレン留分122を回収した。製品中のβ−メチル
ナフタレン回収率は留分101を基準にすると144重
量%であり、製品純度=97.0重量%、硫黄化合物濃
度=0.4重量%であった。
【0042】本異性化工程での異性化触媒の活性は、1
50日間の運転期間中良好に維持された。すなわち、運
転開始当初の留分119のβ−メチルナフタレン含有量
は48.5重量%であり、150日後の同留分のβ−メ
チルナフタレン含有量は45.0重量%であった。
【0043】
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、原料油に含有されるα
−メチルナフタレンをβ−メチルナフタレンに転換して
製品化するに際し、工業的に有利な方法で異性化触媒の
劣化を大巾に防止し、経済的且つ容易に硫黄分等の少な
い高純度のβ−メチルナフタレンを高収率で得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のβ−メチルナフタレンの製造フローの
一例を示す図である。
【図2】本発明のβ−メチルナフタレンの製造フローの
一例を示す図である。
【符号の説明】
1、101 原料油(α−メチルナフタレン含有油) 2、102 水添脱硫設備 5、6、9、10、14、15、17、18、120、
121、123 蒸留分画留分 4、7、13、16、124、125 蒸留塔 8、122 製品(β−メチルナフタレン) 11、111 異性化設備 3、103 水添脱硫油 12、119 異性化処理油
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07B 61/00 300 (72)発明者 信 沢 達 也 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (72)発明者 鈴 木 利 英 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (72)発明者 松 浦 明 徳 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】α−メチルナフタレン含有油を固体酸触媒
    を用いて異性化し、β−メチルナフタレンを製造する方
    法であって、異性化の前処理工程として前記α−メチル
    ナフタレン含有油の水添脱硫工程を含むことを特徴とす
    るβ−メチルナフタレンの製造方法。
  2. 【請求項2】α−メチルナフタレン含有油を固体酸触媒
    を用いて異性化し、β−メチルナフタレンを製造する方
    法であって、α−メチルナフタレン含有油を水添脱硫し
    て副生するメチルテトラリンの一部または全部を異性化
    工程に供給することを特徴とするβ−メチルナフタレン
    の製造方法。
  3. 【請求項3】水添脱硫前のα−メチルナフタレン含有油
    中のα−メチルナフタレン含有量とβ−メチルナフタレ
    ン含有量の合計が80重量%以上である請求項1または
    2記載のβ−メチルナフタレンの製造方法。
  4. 【請求項4】前記固体酸触媒がゼオライト触媒である請
    求項1〜3いずれかに記載のβ−メチルナフタレンの製
    造方法。
  5. 【請求項5】前記ゼオライト触媒がY型ゼオライトであ
    る請求項4記載のβ−メチルナフタレンの製造方法。
  6. 【請求項6】前記異性化工程に供給されるメチルナフタ
    レン含有油の水添脱硫油中のメチルテトラリン含有量が
    0.1〜10.0重量%である請求項1〜5いずれかに
    記載のβ−メチルナフタレンの製造方法。
  7. 【請求項7】前記異性化工程に供給されるメチルナフタ
    レン含有油の水添脱硫油中のテトラリンとメチルテトラ
    リンの含有量の合計が0.1〜10.0重量%である請
    求項1〜5いずれかに記載のβ−メチルナフタレンの製
    造方法。
  8. 【請求項8】前記水添脱硫工程において、モリブデン、
    コバルトおよびニッケルから選ばれた少なくとも1種を
    担持した触媒を用いることを特徴とする請求項1〜7い
    ずれかに記載のβ−メチルナフタレンの製造方法。
  9. 【請求項9】前記水添脱硫工程において、モリブデン
    と、コバルト、ニッケルから選ばれた少なくとも1種と
    を担持した触媒を用いることを特徴とする請求項1〜7
    いずれかに記載のβ−メチルナフタレンの製造方法。
  10. 【請求項10】前記水添脱硫工程にてメチルナフタレン
    含有油に含有される硫黄化合物を除去する請求項1〜9
    のいずれかに記載のβ−メチルナフタレンの製造方法。
  11. 【請求項11】α−メチルナフタレン含有油を水添脱硫
    工程に付し、引き続き得られた水添脱硫油を蒸留工程
    (A)に付し、該蒸留工程(A)では、メチルテトラリ
    ン留分、β−メチルナフタレン留分及びα−メチルナフ
    タレンとβ−メチルナフタレンとからなる留分に分画
    し、β−メチルナフタレン留分を製品として取り出し、
    メチルテトラリン留分の少なくとも1部は異性化工程へ
    供給し、α−メチルナフタレンとβ−メチルナフタレン
    とからなる留分を異性化工程へ供給し、引き続く異性化
    工程においては固体酸触媒の存在下にα−メチルナフタ
    レンからβ−メチルナフタレンへの異性化反応を行い、
    異性化工程からの反応物を、必要に応じて蒸留工程
    (B)に付してα−メチルナフタレンおよびβ−メチル
    ナフタレンより低沸点物および/または高沸点物を系外
    に除去した後、前記蒸留工程(A)へ循環させることか
    らなるβ−メチルナフタレンの製造方法。
  12. 【請求項12】α−メチルナフタレン含有油を水添脱硫
    工程に付し、引き続き得られた水添脱硫油を直接異性化
    反応工程に付し、更に得られた生成物を蒸留工程に付し
    てβ−メチルナフタレン留分を製品として取得すること
    からなるβ−メチルナフタレンの製造方法。
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