JPH0543477A - ヒト免疫不全ウイルス増殖抑制剤 - Google Patents
ヒト免疫不全ウイルス増殖抑制剤Info
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- JPH0543477A JPH0543477A JP3224764A JP22476491A JPH0543477A JP H0543477 A JPH0543477 A JP H0543477A JP 3224764 A JP3224764 A JP 3224764A JP 22476491 A JP22476491 A JP 22476491A JP H0543477 A JPH0543477 A JP H0543477A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 副作用ないヒト免疫不全ウイルス増殖抑制剤
の提供 【構成】 シコン(Lithospermi Radi
x)の水抽出物を有効成分とするヒト免疫不全ウイルス
増殖抑制剤 【効果】 ヒト免疫不全ウイルス増殖抑制剤の投与によ
り後天性免疫不全症候群(エイズ)の発症を予防あるい
はエイズを治療することができる。
の提供 【構成】 シコン(Lithospermi Radi
x)の水抽出物を有効成分とするヒト免疫不全ウイルス
増殖抑制剤 【効果】 ヒト免疫不全ウイルス増殖抑制剤の投与によ
り後天性免疫不全症候群(エイズ)の発症を予防あるい
はエイズを治療することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なヒト免疫不全ウイ
ルス(Human immunodefi−cienc
y virus,以下HIVという)増殖抑制剤に関す
る。本発明のHIV増殖抑制剤によると後天性免疫不全
症候群(Acquiredimmunodeficie
ncy syndrome,以下AIDSという)の発
症を予防あるいはAIDSを治療することができる。
ルス(Human immunodefi−cienc
y virus,以下HIVという)増殖抑制剤に関す
る。本発明のHIV増殖抑制剤によると後天性免疫不全
症候群(Acquiredimmunodeficie
ncy syndrome,以下AIDSという)の発
症を予防あるいはAIDSを治療することができる。
【0002】
【従来の技術】AIDSはウイルスによる感染症であ
り、致死率が高いことから、その治療薬の開発が急がれ
ている。AIDS治療薬および、AIDSの原因ウイル
スであるHIV感染者のAIDS発症予防のために用い
られる薬剤はいくつかのものがすでに報告されている。
例えば、アジドチミジン、インターフェロン、グリチル
リチン、硫酸デキストランなどがあげられる。これらは
HIVの増殖抑制効果のあることが報告されている。と
くにアジドチミジンは、実際にAIDS患者の治療に用
いられているが、毒性が強く、HIV感染者のAIDS
発症予防のために、長期間利用するには問題がある。こ
のため、より低毒性で、なおかつ抗HIV作用をもつ薬
剤の開発が急務となっている。このために、合成した化
学物質、天然物質あるいは漢方薬についてHIV増殖抑
制効果が検討されている。特に、漢方薬については、投
与による副作用が少ないことから検討が進められてい
る。漢方薬として小柴胡湯、人参湯を臨床に用いた報告
もあるが、その有効性が評価されるに至っていない。
り、致死率が高いことから、その治療薬の開発が急がれ
ている。AIDS治療薬および、AIDSの原因ウイル
スであるHIV感染者のAIDS発症予防のために用い
られる薬剤はいくつかのものがすでに報告されている。
例えば、アジドチミジン、インターフェロン、グリチル
リチン、硫酸デキストランなどがあげられる。これらは
HIVの増殖抑制効果のあることが報告されている。と
くにアジドチミジンは、実際にAIDS患者の治療に用
いられているが、毒性が強く、HIV感染者のAIDS
発症予防のために、長期間利用するには問題がある。こ
のため、より低毒性で、なおかつ抗HIV作用をもつ薬
剤の開発が急務となっている。このために、合成した化
学物質、天然物質あるいは漢方薬についてHIV増殖抑
制効果が検討されている。特に、漢方薬については、投
与による副作用が少ないことから検討が進められてい
る。漢方薬として小柴胡湯、人参湯を臨床に用いた報告
もあるが、その有効性が評価されるに至っていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、このよ
うな現状下にあって、副作用がなく、抗HIV作用をも
つ生薬成分を見出すべく、多数の生薬を用いて探索を行
なった。すなわち、本発明の課題は、抗HIV作用が強
く、投与しても副作用がない生薬成分を見出し、これを
有効成分とするHIV増殖抑制剤を提供することにあ
る。
うな現状下にあって、副作用がなく、抗HIV作用をも
つ生薬成分を見出すべく、多数の生薬を用いて探索を行
なった。すなわち、本発明の課題は、抗HIV作用が強
く、投与しても副作用がない生薬成分を見出し、これを
有効成分とするHIV増殖抑制剤を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するために、次に示される生薬48試料(水抽出試料
33、粉末のままの試料15)の粉末あるいは水抽出物
を用いてHIV増殖抑制スクリーニング試験を行った。
その結果、シコン(LithospermiRadi
x)の水抽出にのみ強いHIV増殖抑制作用があること
を見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発
明は、シコン(Lithospermi Radix)
の水抽出物を有効成分とするHIV抑制剤に関する。
成するために、次に示される生薬48試料(水抽出試料
33、粉末のままの試料15)の粉末あるいは水抽出物
を用いてHIV増殖抑制スクリーニング試験を行った。
その結果、シコン(LithospermiRadi
x)の水抽出にのみ強いHIV増殖抑制作用があること
を見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発
明は、シコン(Lithospermi Radix)
の水抽出物を有効成分とするHIV抑制剤に関する。
【0005】本発明者らのHIV増殖抑制スクリーニン
グに供した生薬試料は、次の生薬試料48種類である。
水抽出物として用いた生薬;シコン、オウギ、クコシ、
ボウイ、ゴミシ、モクテンリョウ、ボウフウ、サイシ
ン、ジオウ、ブクリョウ、トチュウ、サイコ、バクモン
トウ、トウキ、タイソウ、ボタンピ、マオウ、テンモン
トウ、タンジン、ケイヒ、イカリソウ、ビャクゴウ、ト
ウジン、キンギンカ、カシ、カシュウ、サンヤク、サン
シュユ、ゴバイシ、ビャクジュツ、インチンコウ、レン
ギョウ、セイタカアワダチソウ。粉末のまま実験に供し
た生薬;ホコツシ、クセキ、ジョテイシ、バンランコ
ン、ソウキセイ、ヤクチニン、ギョクチク、レンジ、ジ
ュクジオウ、カンジュウ、ソウハクヒ、コロハ、バッカ
ツ、ウバイ、シャジン。
グに供した生薬試料は、次の生薬試料48種類である。
水抽出物として用いた生薬;シコン、オウギ、クコシ、
ボウイ、ゴミシ、モクテンリョウ、ボウフウ、サイシ
ン、ジオウ、ブクリョウ、トチュウ、サイコ、バクモン
トウ、トウキ、タイソウ、ボタンピ、マオウ、テンモン
トウ、タンジン、ケイヒ、イカリソウ、ビャクゴウ、ト
ウジン、キンギンカ、カシ、カシュウ、サンヤク、サン
シュユ、ゴバイシ、ビャクジュツ、インチンコウ、レン
ギョウ、セイタカアワダチソウ。粉末のまま実験に供し
た生薬;ホコツシ、クセキ、ジョテイシ、バンランコ
ン、ソウキセイ、ヤクチニン、ギョクチク、レンジ、ジ
ュクジオウ、カンジュウ、ソウハクヒ、コロハ、バッカ
ツ、ウバイ、シャジン。
【0006】その結果、シコンの水抽出物にのみHIV
の増殖を抑制する作用があることを見出した。シコン
(紫根Lithospermi Radix)は、ムラ
サキ科のムラサキ(Lithospermam ery
throhizon Sieboldet Zucca
rini)の根を乾燥したものであって、シコニン、デ
オキシシコニン、アンヒドロシコニン等のナフトキノン
誘導体、ボメシトール、多糖類等を含有し、解熱、解毒
薬あるいは外用軟膏として用いられている。
の増殖を抑制する作用があることを見出した。シコン
(紫根Lithospermi Radix)は、ムラ
サキ科のムラサキ(Lithospermam ery
throhizon Sieboldet Zucca
rini)の根を乾燥したものであって、シコニン、デ
オキシシコニン、アンヒドロシコニン等のナフトキノン
誘導体、ボメシトール、多糖類等を含有し、解熱、解毒
薬あるいは外用軟膏として用いられている。
【0007】本発明で使用する水抽出物は、シコン生薬
粉末1重量部に対し水(冷水、温水あるいは熱湯)5〜
20重量部を使用し、数時間〜数日間5〜100℃で抽
出を行なって得られる抽出物を使用する。この抽出に水
性溶媒のメタノール、エタノールあるいはそれと水との
混液あるいはヘキサン等の脂溶性溶媒を使用してもHI
V増殖抑制効果を得ることができなかった。
粉末1重量部に対し水(冷水、温水あるいは熱湯)5〜
20重量部を使用し、数時間〜数日間5〜100℃で抽
出を行なって得られる抽出物を使用する。この抽出に水
性溶媒のメタノール、エタノールあるいはそれと水との
混液あるいはヘキサン等の脂溶性溶媒を使用してもHI
V増殖抑制効果を得ることができなかった。
【0008】得られた水抽出物は、これを凍結乾燥ある
いは噴霧乾燥等の乾燥手段を施して粉末としてもよい。
また、水抽出物を精製して用いてもよい。精製手段とし
ては、水抽出物にメタノール等の水溶性アルコールを添
加して生ずる沈澱等の不溶物を除去し、この残留液を乾
燥して粉末とする方法を例示することができる。本発明
では、このような抽出液、乾燥粉末を抽出物という。
いは噴霧乾燥等の乾燥手段を施して粉末としてもよい。
また、水抽出物を精製して用いてもよい。精製手段とし
ては、水抽出物にメタノール等の水溶性アルコールを添
加して生ずる沈澱等の不溶物を除去し、この残留液を乾
燥して粉末とする方法を例示することができる。本発明
では、このような抽出液、乾燥粉末を抽出物という。
【0009】このようにして得られた抽出物を、後述す
るようなHIV増殖抑制スクリーニング試験、MT−4
細胞におけるHIV増殖抑制試験あるいは巨細胞形成抑
制試験等を行なったところ、他の生薬47種にはHIV
増殖抑制作用がなく、このシコン抽出物だけがHIV増
殖抑制作用を示した。
るようなHIV増殖抑制スクリーニング試験、MT−4
細胞におけるHIV増殖抑制試験あるいは巨細胞形成抑
制試験等を行なったところ、他の生薬47種にはHIV
増殖抑制作用がなく、このシコン抽出物だけがHIV増
殖抑制作用を示した。
【0010】本発明ではシコン水抽出物を、経口剤、経
皮吸収剤、経鼻剤あるいは注射剤として投与することが
できる。経口剤は、シコン水抽出物と界面活性剤、賦形
剤、滑沢剤、佐剤等製剤成分として通常知られているも
のと混合し成形を行なって、粉剤、顆粒剤、錠剤、カプ
セル剤、ドリンク剤等として用いることができる。ま
た、経皮吸収剤、経鼻剤も、これらの製剤を調製すると
きの通常知られている成分と混合し、通常の方法で経皮
吸収剤あるいは経鼻剤とすることができる。さらに、注
射剤は、蒸留水あるいは生理食塩水にシコン抽出物を溶
解し、これをアンプルに充填し、皮下、筋注、動注、静
注等として用いることができる。
皮吸収剤、経鼻剤あるいは注射剤として投与することが
できる。経口剤は、シコン水抽出物と界面活性剤、賦形
剤、滑沢剤、佐剤等製剤成分として通常知られているも
のと混合し成形を行なって、粉剤、顆粒剤、錠剤、カプ
セル剤、ドリンク剤等として用いることができる。ま
た、経皮吸収剤、経鼻剤も、これらの製剤を調製すると
きの通常知られている成分と混合し、通常の方法で経皮
吸収剤あるいは経鼻剤とすることができる。さらに、注
射剤は、蒸留水あるいは生理食塩水にシコン抽出物を溶
解し、これをアンプルに充填し、皮下、筋注、動注、静
注等として用いることができる。
【0011】投与量は、使用目的、患者の症状、性別、
年令等によって異なるがAIDSの予防を目的とするさ
いは成人男子で乾燥物として1日0.01〜0.1g/
体重Kgを、また治療を目的とするさいは0.01〜
0.3g/体重Kgを1日2〜3回に分けて投与すると
よい。シコンは、従来、生薬として長期間使用されてお
り、現在までその毒性、特に急性毒性は報告されておら
ず、急性毒性は存在しない。また、従来、シコンは、解
毒、解熱剤あるいは外用軟膏として用いられているが、
本発明ではシコンの水抽出物を用い、その結果投与量が
多量である点で、従来の解毒解熱剤や外用軟膏とは適用
範囲を異にする。
年令等によって異なるがAIDSの予防を目的とするさ
いは成人男子で乾燥物として1日0.01〜0.1g/
体重Kgを、また治療を目的とするさいは0.01〜
0.3g/体重Kgを1日2〜3回に分けて投与すると
よい。シコンは、従来、生薬として長期間使用されてお
り、現在までその毒性、特に急性毒性は報告されておら
ず、急性毒性は存在しない。また、従来、シコンは、解
毒、解熱剤あるいは外用軟膏として用いられているが、
本発明ではシコンの水抽出物を用い、その結果投与量が
多量である点で、従来の解毒解熱剤や外用軟膏とは適用
範囲を異にする。
【0012】
【実施例】次に本発明を実施例を挙げて具体的に説明す
る。なお、本発明の実施例においては、試験に供したシ
コン以外の生薬についても比較のために記載した。
る。なお、本発明の実施例においては、試験に供したシ
コン以外の生薬についても比較のために記載した。
【0013】〔実施例1〕 水抽出物の調製 シコン及びその他の実験に供したその他の上記に生薬3
3試料について次の方法で抽出を行なった。また、他の
生薬については粉末として使用した。 (1) 冷水抽出 生薬末25gに水200mlを加
え、振盪し、5℃で腐敗しないように2日間放置し、ガ
ーゼで漉したのち濾液を遠心分離し、その後上澄液を凍
結乾燥し試料とした。 (2) 熱水抽出 生薬末50gに水500mlを加え
振盪し、弱火で約2時間加熱したのち、ガーゼで漉し、
濾液を40〜50℃で約100mlになるまで減圧濃縮
した。これを10倍容量のメタノール中に加え、生ずる
沈澱を遠心分離し、70〜80℃、減圧下でメタノール
を留去した。残留物に、水50mlを加え、減圧下で約
10分間加温して溶解したのち、遠心分離し、上澄液を
採取した。残留物に水少量を加え、同様の操作で得られ
た上澄を合わせ、凍結乾燥し試料とした。なお、生薬シ
コンの熱水抽出物をA−1、冷水抽出物をA−2と表示
した。
3試料について次の方法で抽出を行なった。また、他の
生薬については粉末として使用した。 (1) 冷水抽出 生薬末25gに水200mlを加
え、振盪し、5℃で腐敗しないように2日間放置し、ガ
ーゼで漉したのち濾液を遠心分離し、その後上澄液を凍
結乾燥し試料とした。 (2) 熱水抽出 生薬末50gに水500mlを加え
振盪し、弱火で約2時間加熱したのち、ガーゼで漉し、
濾液を40〜50℃で約100mlになるまで減圧濃縮
した。これを10倍容量のメタノール中に加え、生ずる
沈澱を遠心分離し、70〜80℃、減圧下でメタノール
を留去した。残留物に、水50mlを加え、減圧下で約
10分間加温して溶解したのち、遠心分離し、上澄液を
採取した。残留物に水少量を加え、同様の操作で得られ
た上澄を合わせ、凍結乾燥し試料とした。なお、生薬シ
コンの熱水抽出物をA−1、冷水抽出物をA−2と表示
した。
【0014】使用した生薬の抽出率について表1に示
す。
す。
【表1】
【0015】〔実施例2〕 HIV増殖抑制試験 A.HIV増殖抑制効果として次に示す(1)HIV増
殖抑制スクリーニング試験、(2)MT−4細胞におけ
るHIV増殖抑制試験及び(3)巨細胞形成抑制試験を
行なった。 (1)HIV増殖抑制スクリーニング試験 薬剤による抗HIV増殖抑制効果をみるためのスクリー
ニング試験としてつぎのような方法で実験を行った。成
人T細胞性白血病ウイルス(HTLV−I,ATLV)
に持続感染している細胞系であるMT−4細胞にHIV
を感染させると、4〜6日間の間に急速にHIVが増殖
して、MT−4細胞は死滅することが報告されている。
この現象を利用して生薬のHIV増殖抑制作用を測定し
た。HIV−1(LAV−1株)を0.001TCID
50/cell(ウイルス感染価:細胞1000個あた
り、1個の感染性HIV−1粒子を感染させた。)の割
合でMT−4細胞に1時間感染させたのち、後述の培養
液を用いて1回洗浄した。このHIV−1感染MT−4
細胞を段階希釈した生薬抽出物を含むRPMI−104
0培養液(10%の牛胎児血清、ペニシリン100U/
mlとストレプトマイシン100μg/mlを含む)に
1×105 cells/mlの濃度で浮遊させ、5日間
96穴の平底培養プレートにて1ウェルあたり200μ
l量で1ウェルずつ培養した。培養後、鏡検によりHI
V−1感染によるMT−4細胞のCPE(Cylopa
thic effect;細胞変性効果)の有無を観察
した。
殖抑制スクリーニング試験、(2)MT−4細胞におけ
るHIV増殖抑制試験及び(3)巨細胞形成抑制試験を
行なった。 (1)HIV増殖抑制スクリーニング試験 薬剤による抗HIV増殖抑制効果をみるためのスクリー
ニング試験としてつぎのような方法で実験を行った。成
人T細胞性白血病ウイルス(HTLV−I,ATLV)
に持続感染している細胞系であるMT−4細胞にHIV
を感染させると、4〜6日間の間に急速にHIVが増殖
して、MT−4細胞は死滅することが報告されている。
この現象を利用して生薬のHIV増殖抑制作用を測定し
た。HIV−1(LAV−1株)を0.001TCID
50/cell(ウイルス感染価:細胞1000個あた
り、1個の感染性HIV−1粒子を感染させた。)の割
合でMT−4細胞に1時間感染させたのち、後述の培養
液を用いて1回洗浄した。このHIV−1感染MT−4
細胞を段階希釈した生薬抽出物を含むRPMI−104
0培養液(10%の牛胎児血清、ペニシリン100U/
mlとストレプトマイシン100μg/mlを含む)に
1×105 cells/mlの濃度で浮遊させ、5日間
96穴の平底培養プレートにて1ウェルあたり200μ
l量で1ウェルずつ培養した。培養後、鏡検によりHI
V−1感染によるMT−4細胞のCPE(Cylopa
thic effect;細胞変性効果)の有無を観察
した。
【0016】(2)MT−4細胞におけるHIV増殖抑
制試験 スクリーニング試験で、細胞毒性を示さない濃度におい
て、CPEの抑制が見られた物質について、次のような
試験を行った。HIV−1(LAV−1株)を0.00
1 TICD50/cellの割合で、1時間感染させた
のち、洗浄した。このHIV−1感染MT−4細胞と非
感染MT−4細胞を種々の濃度で浮遊させ、5日間24
穴の平底培養プレートにて、1ウェル当り1mlの量で
培養した。培養後、トリパンブルー染色法により、生細
胞数をカウントした。
制試験 スクリーニング試験で、細胞毒性を示さない濃度におい
て、CPEの抑制が見られた物質について、次のような
試験を行った。HIV−1(LAV−1株)を0.00
1 TICD50/cellの割合で、1時間感染させた
のち、洗浄した。このHIV−1感染MT−4細胞と非
感染MT−4細胞を種々の濃度で浮遊させ、5日間24
穴の平底培養プレートにて、1ウェル当り1mlの量で
培養した。培養後、トリパンブルー染色法により、生細
胞数をカウントした。
【0017】(3)巨細胞形成抑制試験 HIV感染細胞の周囲に非感染細胞が結合し、巨細胞が
形成されるが、この現象を利用して、薬剤のHIVのエ
ンベロープ蛋白とHelper−T細胞表面上のHIV
レセプター(CD4分子)との結合を阻止する能力を測
定することができる。Molt−4細胞とHIV−1
(HTLV−III 株) に持続感染しているMolt−4
細胞を1:1の割合で混合し(細胞濃度5×105 ce
lls/ml)、種々の濃度の薬剤と共に24穴の平底
培養プレートにて22時間培養した。形成される巨細胞
の有無を鏡検にて観察した。
形成されるが、この現象を利用して、薬剤のHIVのエ
ンベロープ蛋白とHelper−T細胞表面上のHIV
レセプター(CD4分子)との結合を阻止する能力を測
定することができる。Molt−4細胞とHIV−1
(HTLV−III 株) に持続感染しているMolt−4
細胞を1:1の割合で混合し(細胞濃度5×105 ce
lls/ml)、種々の濃度の薬剤と共に24穴の平底
培養プレートにて22時間培養した。形成される巨細胞
の有無を鏡検にて観察した。
【0018】B.試験結果 (1)HIV増殖抑制スクリーニング試験 表1に示した32種類の生薬抽出物および15種類の生
薬末について抗HIV作用のスクリーニング試験を行っ
たところ、A−1とA−2の2種類において、CPEの
抑制がみられた。
薬末について抗HIV作用のスクリーニング試験を行っ
たところ、A−1とA−2の2種類において、CPEの
抑制がみられた。
【0019】(2)MT−4細胞におけるHIV増殖抑
制試験 A−1およびA−2の、MT−4細胞におけるHIV増
殖抑制試験の結果を図1および図2に示した。A−1に
ついて、図1で、生薬抽出物0μg/mlの場合、HI
V−1非感染細胞では、9×105 cells/mlま
でMT−4細胞は増殖しているが、HIV−1を感染さ
せたMT−4細胞では、HIV−1感染によって増殖が
抑制され、生細胞濃度は7×104 cells/mlで
あった。250μg/ml以上の濃度では、非感染細胞
の増殖抑制が示された。125μg/mlにおけるHI
V−1感染MT−4細胞濃度は、非感染MT−4細胞の
場合の77%であり、HIV−1の増殖が抑制されてい
た。250μg/ml以上でも、HIV−1の増殖抑制
は顕著であるが、やや毒性がみられた。A−2について
は、図2に示すように、250μg/mlでHIV−1
の増殖を完全に抑制していた。125μg/mlでも、
ほぼ50%の抑制が認められた。この物質においては、
500μg/ml以上で毒性が現れた。
制試験 A−1およびA−2の、MT−4細胞におけるHIV増
殖抑制試験の結果を図1および図2に示した。A−1に
ついて、図1で、生薬抽出物0μg/mlの場合、HI
V−1非感染細胞では、9×105 cells/mlま
でMT−4細胞は増殖しているが、HIV−1を感染さ
せたMT−4細胞では、HIV−1感染によって増殖が
抑制され、生細胞濃度は7×104 cells/mlで
あった。250μg/ml以上の濃度では、非感染細胞
の増殖抑制が示された。125μg/mlにおけるHI
V−1感染MT−4細胞濃度は、非感染MT−4細胞の
場合の77%であり、HIV−1の増殖が抑制されてい
た。250μg/ml以上でも、HIV−1の増殖抑制
は顕著であるが、やや毒性がみられた。A−2について
は、図2に示すように、250μg/mlでHIV−1
の増殖を完全に抑制していた。125μg/mlでも、
ほぼ50%の抑制が認められた。この物質においては、
500μg/ml以上で毒性が現れた。
【0020】(3)巨細胞形成抑制試験 表2に示すとおり、A−1、A−2共に250μg/m
lでMolt−4細胞と、HIV−1感染Molt−4
細胞を混合培養した場合に認められる巨細胞形成を阻止
た。
lでMolt−4細胞と、HIV−1感染Molt−4
細胞を混合培養した場合に認められる巨細胞形成を阻止
た。
【0021】
【表2】 巨細胞形成抑制試験 ─────────────┬─────────────── 抽出物濃度(μg/ml)│ A−1 A−2 ─────────────┼─────────────── 1000 │ − − 500 │ − − 250 │ ± − 125 │ + + 62.5 │ ++ ++ 0 │ ++ ++ ─────────────┴─────────────── −:巨細胞形成は認められず、+:巨細胞細胞形成が認められた。
【0022】C.考察 成人T細胞性白血病ウイルス(ATLV−1)に持続感
染しているT−cell株であるMT−4細胞は少数の
HIV粒子(1000個の細胞当り1個のHIV粒子)
を感染させることにより、急速に感染が広がり、4日な
いし6日間でほとんどすべての細胞が死滅する。この性
質を利用して、薬剤の抗HIV効果を判定する方法が開
発されている。この実験系は、HIVの細胞への吸着、
増殖の過程を抑制する作用を総合的に判断できる簡便な
方法であると思われる。今までに、いくつかの抗HIV
作用を持った薬剤がこの方法で発見されている。今回、
生薬の抽出物A−1とA−2が、MT−4細胞における
HIV−1増殖を抑制することを見い出した。熱水抽出
であるA−1は、125μg/ml、冷水抽出であるA
−2は250μg/mlでほぼ完全にHIV−1の増殖
を抑制した。またHIVと細胞側のレセプターであるC
D4分子との結合を反映していると思われる巨細胞形成
において、A−1、A−2は、共に250μg/mlで
抑制した。このことから、A−1、A−2のHIV抑制
作用は、HIVの細胞への結合を抑制することによって
生じている可能性が高い。なお、A−1、A−2の作用
を比較してみると、MT−4細胞におけるCPE抑制テ
ストでは、A−1の方がやや抑制効果が高く、毒性も、
A−2よりやや高い傾向がみられた。しかしながら、さ
れらは大差なく、薬理作用の本質はそれほど差はないも
のと考えられる。
染しているT−cell株であるMT−4細胞は少数の
HIV粒子(1000個の細胞当り1個のHIV粒子)
を感染させることにより、急速に感染が広がり、4日な
いし6日間でほとんどすべての細胞が死滅する。この性
質を利用して、薬剤の抗HIV効果を判定する方法が開
発されている。この実験系は、HIVの細胞への吸着、
増殖の過程を抑制する作用を総合的に判断できる簡便な
方法であると思われる。今までに、いくつかの抗HIV
作用を持った薬剤がこの方法で発見されている。今回、
生薬の抽出物A−1とA−2が、MT−4細胞における
HIV−1増殖を抑制することを見い出した。熱水抽出
であるA−1は、125μg/ml、冷水抽出であるA
−2は250μg/mlでほぼ完全にHIV−1の増殖
を抑制した。またHIVと細胞側のレセプターであるC
D4分子との結合を反映していると思われる巨細胞形成
において、A−1、A−2は、共に250μg/mlで
抑制した。このことから、A−1、A−2のHIV抑制
作用は、HIVの細胞への結合を抑制することによって
生じている可能性が高い。なお、A−1、A−2の作用
を比較してみると、MT−4細胞におけるCPE抑制テ
ストでは、A−1の方がやや抑制効果が高く、毒性も、
A−2よりやや高い傾向がみられた。しかしながら、さ
れらは大差なく、薬理作用の本質はそれほど差はないも
のと考えられる。
【0023】生薬由来の抗HIV剤としては、グリチル
リチン(以下GLと記す)が知られているが、抗HIV
作用を示した濃度についてA−1及びA−2と比較して
みると、GLが500μg/mlで作用が発現したのに
対し、A−2は125μg/ml、A−1は250μg
/mlであり、その作用はGLよりも強かった。しか
も、Aは、単一の物質である可能性が少なく、多種の物
質の混合体であると考えられるので、より抗HIV作用
の強い物質が、生薬Aの単離精製により同定される可能
性は高い。
リチン(以下GLと記す)が知られているが、抗HIV
作用を示した濃度についてA−1及びA−2と比較して
みると、GLが500μg/mlで作用が発現したのに
対し、A−2は125μg/ml、A−1は250μg
/mlであり、その作用はGLよりも強かった。しか
も、Aは、単一の物質である可能性が少なく、多種の物
質の混合体であると考えられるので、より抗HIV作用
の強い物質が、生薬Aの単離精製により同定される可能
性は高い。
【0024】シコン水抽出物の示した抗HIV作用のメ
カニズムに関しては、今回の実験からだけでは明らかで
はないが、Molt−4細胞と、HIV感染のMolt
−4細胞を混合したときにみられる巨細胞形成を抑制し
たことから、HIVの細胞への吸着を阻害するために生
じているであろうと思われる。GLの抗HIV作用の機
序の主なものは、プロティンキナーゼCの抑制と考えら
れていることから、シコン水抽出物の作用機序は、GL
と異なるものと考えられる。
カニズムに関しては、今回の実験からだけでは明らかで
はないが、Molt−4細胞と、HIV感染のMolt
−4細胞を混合したときにみられる巨細胞形成を抑制し
たことから、HIVの細胞への吸着を阻害するために生
じているであろうと思われる。GLの抗HIV作用の機
序の主なものは、プロティンキナーゼCの抑制と考えら
れていることから、シコン水抽出物の作用機序は、GL
と異なるものと考えられる。
【0025】一般に、生薬は副作用が強くなく、長期間
の投与に適していると考えられている。本実施例の成績
から、シコン水抽出物の毒性は低いものと考えられ、免
疫賦活作用があることも考慮して、AIDS患者の治療
はもとより、無症状HIV感染者(ウイルスキャリア
ー)のAIDS発症予防にも利用できる。
の投与に適していると考えられている。本実施例の成績
から、シコン水抽出物の毒性は低いものと考えられ、免
疫賦活作用があることも考慮して、AIDS患者の治療
はもとより、無症状HIV感染者(ウイルスキャリア
ー)のAIDS発症予防にも利用できる。
【0026】〔実施例3〕 製剤 (1)実施例1(1)で得られる凍結乾燥粉末0.6g
に、コーンスターチ0.2g及び乳糖0.2gを添加し
混練し、顆粒を製造した。この顆粒は経口的に投与する
ことができる。
に、コーンスターチ0.2g及び乳糖0.2gを添加し
混練し、顆粒を製造した。この顆粒は経口的に投与する
ことができる。
【0027】(2)実施例1(2)で得られた凍結乾燥
粉末0.5gに滅菌生理食塩100mlを加えて溶解
し、アンプルに5ml充填し、密封殺菌を行なって静注
剤を得た。
粉末0.5gに滅菌生理食塩100mlを加えて溶解
し、アンプルに5ml充填し、密封殺菌を行なって静注
剤を得た。
【図1】シコン熱水抽出物(A−1)のHIV増殖抑制
効果を示す。
効果を示す。
【図2】シコン冷水抽出物(A−2)のHIV増殖抑制
効果を示す。
効果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 勝弘 大阪府堺市鳳西町1−54−98 ハイネス鳳 403号 (72)発明者 阿部 慎一郎 埼玉県戸田市新曽南三丁目17番35号 日本 鉱業株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 シコン(Lithospermi Ra
dix)の水抽出物を有効成分とするヒト免疫不全ウイ
ルス増殖抑制剤。 - 【請求項2】 水抽出物が冷水抽出物である請求項1記
載のヒト免疫不全ウイルス増殖抑制剤。 - 【請求項3】 水抽出物が熱水抽出であって、それから
メタノールを加えることによって生ずる沈澱を除去され
た残留物である請求項1記載のヒト免疫不全ウイルス増
殖抑制剤。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3224764A JPH0543477A (ja) | 1991-08-09 | 1991-08-09 | ヒト免疫不全ウイルス増殖抑制剤 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3224764A JPH0543477A (ja) | 1991-08-09 | 1991-08-09 | ヒト免疫不全ウイルス増殖抑制剤 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0543477A true JPH0543477A (ja) | 1993-02-23 |
Family
ID=16818865
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3224764A Pending JPH0543477A (ja) | 1991-08-09 | 1991-08-09 | ヒト免疫不全ウイルス増殖抑制剤 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0543477A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5411733A (en) * | 1992-04-27 | 1995-05-02 | Hozumi; Toyoharu | Antiviral agent containing crude drug |
-
1991
- 1991-08-09 JP JP3224764A patent/JPH0543477A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5411733A (en) * | 1992-04-27 | 1995-05-02 | Hozumi; Toyoharu | Antiviral agent containing crude drug |
| EP0568001A3 (en) * | 1992-04-27 | 1995-07-05 | Tsuneo Namba | An antiviral containing a raw medicine. |
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