JPH054348A - インクジエツト記録ヘツドおよびその製造方法 - Google Patents

インクジエツト記録ヘツドおよびその製造方法

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JPH054348A
JPH054348A JP15704491A JP15704491A JPH054348A JP H054348 A JPH054348 A JP H054348A JP 15704491 A JP15704491 A JP 15704491A JP 15704491 A JP15704491 A JP 15704491A JP H054348 A JPH054348 A JP H054348A
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liquid flow
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ink
substrate
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Isao Imamura
功 今村
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 吐出口や液流路の目詰まりが発生せず、イン
クの液流路への供給特性や吐出口からの吐出特性が良好
なインクジェット記録ヘッドと、このインクジェット記
録ヘッドを容易に量産性よく製造できる製造方法を提供
する。 【構成】 液流路11の液室12に連通する部分である
共通液流路15に、3次元形状のフィラー例えばウィス
カー14を配置する。このインクジェット記録ヘッド
は、第1の基板1上の、液流路11、液室12および共
通液流路15に相当する部位に除去可能な材料からなる
固体層3を積層し、さらに充填部材10を積層してから
固体層3を除去することにより製造される。このとき共
通液流路15に相当する部位の固体層3に、3次元形状
のフィラー例えばウィスカー14を混合させておく。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吐出口と、該吐出口に
連通する液流路と、該液流路に設けられインクを前記吐
出口から吐出させるエネルギーを発生する吐出エネルギ
ー発生素子と、前記液流路に連通するインク供給部とを
有するインクジェット記録ヘッドとその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】インク液滴を吐出口から吐出、飛翔させ
て記録を行なうときに使用されるインクジェット記録ヘ
ッドは、一般に、インクが吐出される微細な吐出口、こ
の吐出口に連通する液流路、液流路に設けられインクを
吐出口から吐出させるためのエネルギーを発生する吐出
エネルギー発生素子、液流路に連通するインク供給部を
有している。図8はこのようなインクジェット記録ヘッ
ドの一例を示すものである。
【0003】このインクジェット記録ヘッドは、複数の
吐出エネルギー発生素子2を有するものであって、これ
ら吐出エネルギー発生素子2は、第1の基板1の表面に
形成され、2つの液流路11のそれぞれの底部に配置さ
れるようになっている。各液流路11の一方の端部は細
くなっていて外部に開口しており、これが吐出口13と
なる。各液流路11の他方の端部は、液流路11に共通
に設けられた液室12に連通している。液室12は、後
述する液供給口6とともに、インクを各液流路11に供
給するためのインク供給部を構成している。各液流路1
1の液室12に連通する部分は、複数の液流路11が合
流した共通液流路15となっている。共通液流路15に
は、この共通液流路15の底壁(すなわち第1の基板
1)と天井とを結ぶ多数の柱21が設けられ、これら柱
21相互の間隙が概ね液流路11の横幅より小さくなる
ようになっている。すなわち、これら柱21はフィルタ
ーを構成して、インク中に含まれるゴミなどの固形物が
液流路11内に流れ込まないようにしている。液室12
の下部やこれら液流路11、吐出口13、共通液流路1
5、柱21は、充填部材10によって一体的に形成され
ている。充填部材10の上面には、第2の基板4が設け
られている。この第2の基板4の下面には、液室12の
上部に相当する凹部5が設けられ、さらにこの凹部5に
は、第2の基板4の上面に連絡する液供給口6が設けら
れ、外部から液室12にインクを供給できるようになっ
ている。
【0004】次に、このインクジェット記録ヘッドの製
造方法について、図9(A)〜(E)を用いて説明する。な
お、図9(B)〜(E)は、それぞれ図9(A)のD-D'線での断
面に相当する図である。予め吐出エネルギー発生素子2
を形成しておいた第1の基板1の上にポジ型のドライフ
ィルムなどを積層してフォトリソグラフィ工程を行なう
ことにより、図9(A)の平面図や図9(B)の断面図に示す
ように、液流路11、液室12の下端部、吐出口13、
共通液流路15が予定される部位の第1の基板1上に、
固体層3を形成する。このとき共通液流路15の柱21
に相当する部分には固体層3が形成されないようにして
おく。続いて、図9(C)に示すように、第1の基板1の
上にさらに硬化性の樹脂組成物22をポッティングし、
図9(D)に示すようにして第2の基板4を貼り合わせ、
樹脂組成物22を硬化させて充填部材10とし、第1の
基板1、充填部材10、第2の基板4からなる積層体を
得る。柱21に相当する部分には固体層3が形成されて
いないので、柱21に相当する部分に硬化性の樹脂組成
物22が流れ込むこととなり、樹脂組成物22の硬化に
よって柱21が形成されることになる。この積層体につ
いて、図9(E)に示すように、固体層3のみを例えばア
ルカリ水溶液で流し出して除去すれば、インクジェット
記録ヘッドの完成品が得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のインク
ジェット記録ヘッドでは、液流路や吐出口が目詰まりす
るのを防ぐため、液室から液流路に流入するインクから
ゴミなどの固形物を除去する必要があるが、共通液流路
に設けられた多数の柱だけでフィルターを構成してこれ
ら固形物を取り除くことは難しいという問題点がある。
具体的には、共通液流路の柱をフォトリソグラフィ工程
で作成するため、柱間の間隙をある程度以下まで狭くす
ることができず、さらに柱間の間隙であるから、高さ方
向にこの間隙を小さくすることが原理的に不可能であ
る。さらに、柱自体の径を余り小さくできないので、共
通液流路の断面積に対する柱の縦断面積の比が大きくな
って、インクの流れ抵抗が大きくなり、液流路へのイン
クの供給特性が悪くなったり、インクの供給不足が起き
て吐出不良を生じたりするという問題点がある。
【0006】本発明の目的は、吐出口や液流路の目詰ま
りが発生せず、インクの液流路への供給特性や吐出口か
らの吐出特性が良好なインクジェット記録ヘッドと、こ
のインクジェット記録ヘッドを容易に量産性よく製造で
きる製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
記録ヘッドは、インク供給部に連通する部分の液流路
に、3次元形状のフィラーからなるフィルターが設けら
れている。また、本発明のインクジェット記録ヘッドの
製造方法は、表面に吐出エネルギー発生素子が設けられ
た基板を用い、少なくとも液流路と吐出口とに相当する
部位の前記基板の表面に、除去可能な部材からなる固体
層を設ける工程と、前記固体層ごと前記基板の表面を充
填部材で被覆する工程と、そののち前記固体層を除去す
る除去工程とを有し、前記液流路が前記インク供給部に
連通する部分に相当する部位の前記固体層には、前記除
去工程では除去されない材料からなる3次元形状のフィ
ラーが混合されている。
【0008】
【作用】本発明のインクジェット記録ヘッドでは、イン
ク供給部に連通する部分の液流路に、3次元形状のフィ
ラーからなるフィルターが設けられているので、インク
に対する流れ抵抗を増大させることなく、ゴミなどの固
形物を除去でき、効果的に吐出口や液流路の目詰まりを
防止できる。
【0009】また、本発明のインクジェット記録ヘッド
の製造方法では、液流路がインク供給部に連通する部分
に相当する部位の固体層に3次元形状のフィラーを混合
させておくので、固体層のみを除去することによって、
3次元形状のフィラーからなるフィルターがインク供給
部に連通する部分の液流路に設けられたインクジェット
記録ヘッドを容易に製造できる。このとき、固体層とし
て活性エネルギー線感応性樹脂を用いるとよい。
【0010】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1は、本発明の一実施例のインクジェッ
ト記録ヘッドの構成を説明する模式斜視図であり、図2
〜7はこのインクジェット記録ヘッドの製造方法を説明
する図である。図3〜7における各分図(A)〜(C)は、そ
れぞれ図2(A),(B)に記載されたA-A'線、B-B'線、C-C'
線における断面に相当する図である。なお、これらの図
において2つの吐出口を有するインクジェット記録ヘッ
ドが示されているが、もちろん、3つ以上の吐出口を有
する高密度マルチアレイ型のインクジェット記録ヘッ
ド、あるいは1つの吐出口のみを有するインクジェット
記録ヘッドにも、本発明が適用し得ることはいうまでも
ない。
【0011】例えば、ガラス、セラミックス、プラスチ
ックあるいは金属などからなる第1の基板1の上に、所
望の個数の吐出エネルギー発生素子2が設けられてい
る。第1の基板1は、液流路11や液室12の底壁とし
て機能し、また後述するように、固体層3や活性エネル
ギー線硬化性材料層7の積層時の支持体としても機能す
るものである。吐出エネルギー発生素子2は、吐出口1
3から吐出するためのエネルギーをインクに与えるもの
であって、例えば電気熱変換体や圧電素子などからな
る。ちなみに吐出エネルギー発生素子2として電気熱変
換体を使用した場合、この素子が近傍のインクを加熱す
ることにより吐出エネルギーが発生し、圧電素子を使用
した場合には、この素子の機械的振動によって吐出エネ
ルギーが発生する。吐出エネルギー発生素子2には、こ
れら素子を動作させるための駆動信号が入力する電極
(不図示)が接続されている。また、吐出エネルギー発
生素子2の耐久性を向上させるために、保護層などの各
種の機能層が設けられるが、本発明においてもこのよう
な機能層を設けることは一向に差し支えない。
【0012】各吐出エネルギー発生素子2に対応してほ
ぼ直線状の液流路11が設けられ、液流路11の底部に
吐出エネルギー発生素子2が配置されるようになってい
る。各液流路11の一方の端部は細くなっていて外部に
開口しており、これが吐出口13となる。各液流路11
の他方の端部は、液流路11に共通に設けられた液室1
2に連通している。液室12は、後述する液供給口6と
ともに、各液流路11にインクを供給するためのインク
供給部を構成している。各液流路11の液室12に連通
する部分は、複数の液流路11が合流した共通液流路1
5となっている。共通液流路15には、この共通液流路
15の底壁(すなわち第1の基板1)と天井とを結ぶ適
宜の個数の柱21が設けられ、この柱21間に3次元形
状のフィラーであるウィスカー14が配置されている。
このウィスカー14は、液室12から液流路11に送ら
れるインクに対するフィルターとなるものであり、前記
インクの全量が、ウィスカー14が設けられてフィルタ
ーとなっている部分を通過するようになっている。液室
12の下部やこれら液流路11、吐出口13、共通液流
路15、柱21は、充填部材10によって一体的に形成
されている。充填部材10の上面には、第2の基板4が
設けられている。この第2の基板4の下面には、液室1
2の上部に相当する凹部5が設けられ、さらにこの凹部
5には、第2の基板2の上面に連絡する液供給口6が設
けられ、外部から液室12にインクを供給できるように
なっている。
【0013】次に、このインクジェット記録ヘッドの動
作について説明する。記録用の液体であるインクは、図
示しない液体貯蔵室から液供給口6を通って液室12に
供給される。液室12内に供給されたインクは、毛管現
象により、共通液流路15を通って各液流路11内に供
給され、液流路11の先端にある吐出口13でメニスカ
スを形成することにより安定に保持される。このとき、
共通液流路15に3次元形状のフィラーであるウィスカ
ー14が設けられてフィルターを構成しているので、液
室12に供給されるインク中にゴミなどの固形物が含ま
れていても、これら固形物が各液流路11に流入するこ
とはなく、したがってこれら固形物による液流路11や
液流路11の先端にあって液流路11よりさらに狭くな
っている吐出口13の目詰まりが発生することはない。
ここで吐出エネルギー発生素子2を図示しない駆動手段
で駆動することにより、吐出エネルギーがインクに印加
され、その吐出エネルギーの作用によりインクが吐出口
13から吐出する。吐出口13は、16個/mmといっ
た高密度で128個もしくは256個さらにはそれ以上
の個数形成することができ、さらに被記録媒体の記録領
域の全幅にわたるだけの数を形成してフルラインタイプ
とすることもできる。
【0014】次に、本発明の製造方法の実施例によるこ
のインクジェット記録ヘッドの製造について説明する。
まず、図2に示すように、表面の所定の位置に所望の個
数の吐出エネルギー発生素子2が設けられている第1の
基板1を用意する。次に、図3(A)に示すように、液流
路11(図1)、液室12(図1)の下部、吐出口13
(図1)および共通液流路15(図1)に相当する部位
の第1の基板1の表面に、固体層3を積層する。このと
き、共通液流路15の柱21(図1)に相当する部位に
は固体層3は設けられない。また、共通液流路15の各
柱21間に相当する部位の固体層3には、ウィスカー1
4が混合されている。
【0015】固体層3は、後述する各工程を経たのちに
除去され、この除去部分に液流路11、液室12の下端
部、吐出口13および共通液流路15が構成されること
になる。もちろん、液流路11、共通液流路15および
液室12の形状は所望のものとすることができ、これら
のものの形状に応じて固体層3の形状が決定される。こ
のような固体層3を構成する際に用いられる材料および
プロセスとしては、例えば以下に挙げるようなものがあ
る。 感光性ドライフィルムを用い、いわゆるドライ
フィルムの画像形成プロセスにしたがって固体層3を形
成する。 第1の基板1上に所望の厚さの溶剤可溶性
ポリマー層およびフォトレジスト層を順次積層し、この
フォトレジスト層にパターンを形成した後、溶剤可溶性
ポリマー層をこのパターンにしたがって選択的に除去す
る。 樹脂を印刷する。
【0016】に挙げた感光性ドライフィルムとして
は、ポジ型のものもネガ型のものも用いることができる
が、例えば、ポジ型ドライフィルムであれば活性エネル
ギー線の照射によって現像液に可溶化するものが、ネガ
型ドライフィルムであれば光重合型であって塩化メチレ
ンや強アルカリ溶液によって溶解もしくは剥離除去しう
るものが適している。
【0017】ポジ型ドライフィルムとしては、具体的に
は、例えば、「OZATEC R225」(商品名、ヘキストジャ
パン(株))などが、またネガ型ドライフィルムとして
は、「OZATEC Tシリーズ」(商品名、ヘキストジャパン
(株))、「PHOTOTEC PHTシリーズ」(商品名、日立化成
工業(株))、「RISTON」(商品名、デュ・ポン・ド・ネ
モアース・Co.)などが用いられる。これらの市販材料
のみならず、ポジ型に作用する樹脂組成物、例えばナフ
トキノンジアジド誘導体とノボラック型フェノール樹脂
を主体とする樹脂組成物、あるいはネガ型に作用する樹
脂組成物、例えばアクリルエステルを反応基とするアク
リルオリゴマーと熱可塑性高分子化合物および増感剤を
主体とする樹脂組成物、ポリオールとポリエン化合物お
よび増感剤とからなる樹脂組成物を同様に用いることが
できる。
【0018】に挙げた溶剤可溶性ポリマーとしては、
それを溶解する溶剤が存在し、コーティングによって被
膜形成し得る高分子化合物であれば、いずれのものも使
用できる。ここで使用されるフォトレジスト層として
は、典型的には、ノボラック型フェノール樹脂とナフト
キノンジアジドからなるポジ型液状フォトレジスト、ポ
リビニルシンナメートからなるネガ型液状フォトレジス
ト、環化ゴムとビスアジドからなるネガ型液状フォトレ
ジスト、ネガ型感光性ドライフィルム、熱硬化型および
紫外線硬化型のインキなどが挙げられる。
【0019】に挙げた印刷法によって固体層3を形成
する材料としては、例えば蒸発乾燥型、熱硬化型あるい
は紫外線硬化型などのそれぞれの乾燥方式で用いられる
平板印刷インキ、スクリーン印刷インキならびに転写型
の樹脂などが挙げられる。固体層3を構成する材料とし
て以上に述べたもののうち、加工精度や除去の容易性あ
るいは作業性などの面からみて、の感光性ドライフィ
ルムを用いる手段が好ましく、その中でもポジ型ドライ
フィルムを用いるのが特に好ましい。
【0020】その理由は、ポジ型の感光性材料は、一般
に解像度がネガ型のものより優れ、垂直かつ平滑な側壁
面を有しあるいはテーパ型ないし逆テーパ型の断面形状
を有するレリーフパターンを容易に作成することができ
るからであり、これらの特長によって液流路を形成する
上で最適であるからである。また、レリーフパターンを
現像液や有機溶剤で溶解除去できるという特長も有して
いる。特に、例えば先に述べたナフトキノンジアシドと
ノボラック型フェノール樹脂を用いたポジ型感光性材料
は、弱アルカリ水溶液あるいはアルコールで完全に溶解
できるので、吐出エネルギー発生素子2に損傷をなんら
与えることがなく、かつ後の工程での除去も極めて速や
かである。このようなポジ型感光性材料の中でも、ドラ
イフィルム状のものは、10〜100μmの膜厚のもの
が得られる点で、最も好ましい材料である。
【0021】固体層3の共通液流路15の各柱21間に
相当する部位には、3次元形状のフィラーであるウィス
カー14が混合されているが、混合する方法としては、
予め固体層3を構成する材料中にウィスカー14を混和
しておき、この混和した材料を共通液流路15に相当す
る部位の固体層3の形成に用いる方法や、固体層3の形
成後、共通液流路15に相当する部位の固体層3の表面
にウィスカー14を載置し、加熱して固体層3を軟化さ
せウィスカー14を押圧して固体層3中にめりこませる
方法などがある。このとき、ウィスカー14をその先端
部までが完全に固体層3に埋没するようにする必要はな
く、むしろウィスカー14の少なくとも一部の先端部が
固体層3の外に出るようした方がよい。このようにする
ことにより、後述するように、ウィスカー14の先端部
が充填部材10中に固定されることになり、共通液流路
15からのウィスカー14の移動を防ぐことができる。
【0022】ウィスカー以外の3次元形状のフィラー
も、共通液流路15の各柱21間に相当する部位の固体
層3に混合するのに使用することができる。3次元形状
のフィラーとしては、流れ抵抗の小さいアスペクト比の
大きいものが望ましい。また、粒度選択性、耐薬品性、
機械特性の良好なものが好ましい。このような観点か
ら、3次元形状のフィラーとして、各種ウィスカー類が
適しているといえる。3次元形状のフィラーとして使用
できるウィスカーには、例えば正4面体の中心から各頂
点方向に伸びる形状を有する「パナテトラ」(商品名、
松下産業機器製)などがある。
【0023】一方、このインクジェット記録ヘッドにお
いて、充填部材10(図1)をはさんで第1の基板1に
対向する第2の基板4が、図3(B)に示されている。第
2の基板4も、第1の基板1と同様に、ガラス、プラス
チック、感光性樹脂、セラミックス、金属などの所望の
材質のものを用いることができるが、後述する活性エネ
ルギー線を照射する工程をこの第2の基板4側から行な
う場合には、その活性エネルギー線を透過しうる材料で
ある必要がある。第2の基板4には、液室12の上部に
相当する凹部5と、この凹部5と第2の基板4の上面と
の間を貫通する液供給口6とが設けられている。
【0024】続いて、固体層3の形成された第1の基板
1の表面に、図4(A)〜(C)に示すように、固体層3を被
覆するように活性エネルギー線硬化性材料層7を積層す
る。この活性エネルギー線硬化性材料層7は、硬化後に
充填部材10となるべきものであって、固体層3を被覆
し得るものであれば好適に使用することができるが、液
流路11や液室12、吐出口13、共通液流路15を構
成することになるものであるので、各基板1,4との接
着性、機械的強度、寸法安定性、耐蝕性の面で優れたも
のを選択して用いることが好ましい。活性エネルギー線
硬化性材料層7を構成するのに好ましい材料を具体的に
示せば、液状で、紫外線硬化あるいは電子線硬化などの
活性エネルギー線硬化性材料が適しており、中でも、エ
ポキシ樹脂、アクリル樹脂、ジグリコールジアルキルカ
ルボネート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹
脂、尿素樹脂などがあげられる。特に、光によってカチ
オン重合を開始することのできるエポキシ樹脂、光によ
ってラジカル重合できるアクリルエステル基を有するア
クリルオリゴマー類、ポリチオールとポリエーテルを用
いた光付加重合性樹脂、不飽和シクロアセタール樹脂な
どは、重合速度が大きく、重合体の物性も優れており、
活性エネルギー線硬化性材料層7を構成するのに適して
いる。
【0025】活性エネルギー線硬化性材料層7の積層の
方法としては、例えば、第1の基板1の形状に即したノ
ズルを用いた吐出器具、アプリケータ、カーテンコー
タ、ロールコータ、スプレコータ、スピンコータなどの
手段を用いるものが具体的に挙げられる。なお、液状の
硬化性材料を積層する場合には、この硬化性材料の脱気
を行なったのち、気泡の混入を避けながら行なうことが
望ましい。また、上述したように固体層3からウィスカ
ー14の先端部が外に出ている場合には、このウィスカ
ー14の先端部は、活性エネルギー線硬化性材料層7の
中に侵入することになる。
【0026】次に、図5(A)〜(C)に示すように、活性エ
ネルギー線硬化性材料層7の上に第2の基板4を積層す
る。なお、活性エネルギー線硬化材料層7の積層は、第
2の基板4を固体層3に積層したのちに行なってもよ
い。この場合の積層方法として、第2の基板4を第1の
基板1に圧着したのち、内部を減圧にして硬化性材料を
注入するするなどの方法が好ましく用いられる。また、
第2の基板4を積層するに際しては、活性エネルギー線
硬化材料層7を所要の厚さにするべく、例えばそれぞれ
の基板1,4間にスペーサーを設けたり、第2の基板4
の端部に凸部を設けたりするなどの工夫をしてもよい。
【0027】こうして第1の基板1、固体層3、活性エ
ネルギー線硬化性材料層7および第2の基板4が順次積
層された積層体を得たのち、図6(A)〜(C)に示すよう
に、液室12となる部分を活性エネルギー線9から遮蔽
するマスク8を第2の基板4の上に積層し、このマスク
8の上方から活性エネルギー線9を照射する。図中、マ
スク8の黒塗りの部分が活性エネルギー線9を透過しな
い部分であり、黒塗り以外の部分が活性エネルギー線9
を透過する部分である。この活性エネルギー線9の照射
により、照射部分の活性エネルギー線硬化性材料層9が
硬化して充填部材10が形成されるとともに、硬化によ
って第1の基板1と第2の基板4の接合も行なわれる。
もちろん、活性エネルギー線9を透過する材料で第1の
基板を構成し、第1の基板1側から活性エネルギー線9
を照射するようにしてもよい。
【0028】活性エネルギー線9としては、紫外線、電
子線、可視光線などが利用できるが、第2の基板4を透
過させての露光であるので紫外線や可視光線が好まし
く、また重合速度の面から紫外線が最も適している。紫
外線源としては、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲン
ランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ、カー
ボンアークなどのエネルギー密度の高い光源が好ましく
用いられる。光源からの光線は、平行度が高く、熱の発
生が少ないものほど精度のよい加工が行なえるが、印刷
製版ないしプリント配線基板の加工あるいは光硬化型塗
料の硬化に一般に用いられている紫外線光源であれば、
概ね利用可能である。
【0029】活性エネルギー線9に対するマスク8とし
ては、特に紫外線もしくは可視光線を用いる場合、メタ
ルマスク、銀塩からなるエマルジョンマスク、ジアゾマ
スクなどが挙げられ、その他、液室12に対応する位置
に黒色のインクを印刷したりシールを貼りつけたりする
などの方法でもよい。次いで、例えば吐出口13の形成
されるべき端面が露出していない場合には、必要に応じ
てダイヤモンドブレードを用いたダイシングソーなどに
よって上記積層体を所要の位置で切断し、吐出口13の
形成されるべき端面を露出させる。しかしこのような切
断操作は必ずしも必要なものでもなく、例えば、液状の
ものを活性エネルギー線硬化性材料層7として用い、こ
の活性エネルギー線硬化性材料層7を積層する際に型を
使用し、吐出口13の先端部が閉じて覆われたりするこ
となくかつこの先端部が平滑に成型されるようにした場
合などには、切断は不要である。
【0030】そして、図7(A)〜(C)に示すように、活性
エネルギー線9の照射が終了した上記積層体から、固体
層3および未硬化の活性エネルギー線硬化性材料層7を
除去する。その結果、液流路11、液室12、吐出口1
3および共通液流路15とが充填部材10によって一体
的に形成される。その結果、図1に示されるようなイン
クジェット記録ヘッドの完成品が得られることになる。
【0031】ここで液室12について説明する。液室1
2の下端部の固体層3の厚みに相当する部分は、固体層
3を設けたことによって形成され、液室12の上部の第
2の基板4に設けられた凹部5に相当する部分は、その
凹部5によって形成されたことになる。液室12の残り
の部分、すなわち活性エネルギー線硬化性材料層7に相
当する部分は、上述のように、液室12に対応するマス
ク8を設けて活性エネルギー線9を照射したことにより
形成させる。つまり液室12の壁面となる部分は、照射
されて硬化し充填部材10の一部となり、マスク8によ
って遮蔽されたことによる未硬化の部分は、除去されて
液室12の上記残りの部分となる。
【0032】共通液流路15の柱21に相当する部位に
は固体層3が積層されていなかったので、この部分にも
活性エネルギー線硬化性材料層7が流入し、柱21も形
成されることになる。柱21間に相当する部位の固体層
3には、ウィスカー14が混合されていたが、このウィ
スカー14は除去されずに残って、インクに対する網目
状のフィルターを構成するようになる。上述したように
ウィスカー14の先端部が固体層3からはみ出るように
なっていれば、この先端部は活性エネルギー線硬化性材
料層7の中に侵入しているので、結果として充填部材1
0に良好に固定されることになる。
【0033】固体層3および未硬化の活性エネルギー線
硬化性材料層7の除去方法は、特に限定されるものでは
ないが、具体的には、例えば固体層3と活性エネルギー
線硬化性樹脂層7とを溶解または膨潤あるいは剥離する
液体中に浸漬して除去する方法などが好ましいものとし
て挙げられる。この際、必要に応じて、超音波処理、ス
プレー、加熱、攪拌、振とう、加圧循環やその他の除去
促進手段を用いることも可能である。除去の際に用いら
れる上記液体としては、例えば含ハロゲン炭化水素、ケ
トン、エーテル、アルコール、N−メチルピロリドン、
ジメチルホルムアミド、フェノール、水、酸溶液あるい
はアルカリ溶液などが挙げられる。これらの液体には、
必要に応じて界面活性剤などを加えてもよい。また、固
体層3としてポジ型ドライフィルムを用いた場合には、
除去を容易にするために固体層3に改めて紫外線照射を
施すことが好ましく、その他の材料を用いた場合には、
40〜60℃に上記液体を加温することが好ましい。
【0034】図7(A)〜(C)には、上記のような固体層3
と未硬化の活性エネルギー線硬化材料層7の除去を行な
ったのちの状態が示されているが、本実施例の場合、固
体層3と未硬化の活性エネルギー線硬化材料層7とは、
これを溶解する液体中に浸漬され、吐出口13と液供給
口6を通して溶解除去されている。なお、以上の各工程
終了した後、吐出エネルギー発生素子2と吐出口13と
の間隔を最適なものとするために、必要に応じて、吐出
口13の先端の切断、研磨、平滑化を行なってもよい。
【0035】以上、本実施例のインクジェット記録ヘッ
ドについて説明したが、固体層3は、必ずしも第1の基
板1の液室12に相当する部位にまでは設けなくてもよ
く、少なくとも各液流路11、共通液流路15に相当す
る部位に設けられていればよい。また、本発明のインク
ジェット記録ヘッドとしては、第2の基板4は必ずしも
必要ではなく、さらに液室12も必ずしも必要ではな
い。液室12のかわりに、インク供給部として各液流路
11に良好にインクを供給できるものを使用することが
可能である。
【0036】次に、本実施例によって実際にインクジェ
ット記録ヘッドを製造した結果について説明する。 [実施例1]図2〜7を用いて説明した上述の製造方法
によってインクジェット記録ヘッドを作成した。まず、
第1の基板1としてガラス基板(厚さ1.1mm)を用
い、第1の基板1の上に吐出エネルギー発生素子2とし
てHfB2からなる電気熱変換体を形成した。次に、この第
1の基板1上に、ラミネーションによってポジ型ドライ
フィルム「OZATEC R225」(商品名、ヘキストジャパン
(株))からなる厚さ50μmの感光層を形成した。この
感光層のうち共通液流路15の各柱21間に相当する部
分の表面に、ウィスカー14として、大きさが30〜7
0μmの3次元形状のウィスカー「パナテトラ」(商品
名、松下産業機器(社))を1cm2あたり4万個の割合
で載せ、その状態で120℃において20分間のアフタ
ー・ラミネーション・ベークを行なった。このベーク
中、ウィスカー14を感光層であるポジ型ドライフィル
ムに押し付けた。この結果、ウィスカー14が感光層に
混合されることとなった。続いて、液流路11、液室1
2、吐出口13および共通液流路15の形状に相当する
形状のマスクを前記感光層の上に載せ、70mJ/cm
2のエネルギー密度の紫外線照射を行ない、5%のメタ
ケイ酸ナトリウム水溶液にてスプレー現像を行なって、
第1の基板1上に厚さ50μmの固体層3を形成した。
液流路11の長さは約3mmとした。
【0037】上記と同様の操作を行なうことにより、固
体層3を積層した第1の基板1を合計200枚作成し、
そののちこれら各第1の基板1の上に、下記の表に示す
液状の硬化性材料からなる活性エネルギー線硬化性材料
層7を積層した。積層は、樹脂と触媒とを混合して硬化
性材料を調製し、その硬化性材料を真空ポンプによって
脱泡し、そののちアプリケータを用いて第1の基板1の
上面から70μmの厚さに塗布することによって行なっ
た。
【0038】
【表1】
【0039】次に、活性エネルギー線硬化性材料層7を
積層した第1の基板1のそれぞれに、液供給口6と深さ
0.3mmの凹部5を有するガラス基板(厚さ1.1m
m)からなる第2の基板4を、液室12となる予定の位
置を合わせるようにして積層し、積層体を形成した。続
いてこの積層体の第2の基板4の上面に液室12となる
部位を遮蔽するようにフィルムマスクを密着させ、上方
から超高圧水銀灯「ユニアーク」(ウシオ電機(株)製)
によって紫外線を照射して活性エネルギー線硬化性材料
層7を硬化させた。硬化した部分が充填部材10とな
る。このとき、波長が365nm付近である光の積算強
度は1000mJ/cm2であった。そののちフィルム
マスクを取り外し、吐出エネルギー発生素子2である電
気熱変換体が吐出口13から0.7mmの位置となるよ
うに、吐出口13の形成されるべき端面を切断によって
露出させ、吐出口13を形成した。
【0040】吐出口13の形成された各積層体をそれぞ
れエタノール中に浸漬し、固体層3と未硬化の活性エネ
ルギー線硬化性材料層7を溶解除去した。溶解除去は、
第2の基板4の液供給口6から積層体の内部にエタノー
ルを充填し、吐出口13がエタノールに接触した状態と
なるようにして、超音波洗浄槽中にて約3分間行なっ
た。溶解除去が終了した後、5%のNaOH水溶液およ
び純水で洗浄を行なった。洗浄後これらの積層体を乾燥
させ、高圧水銀灯を用いて光の積算エネルギー密度が1
0J/cm2である後露光を行ない、充填部材10を完
全に硬化させた。このようにして作成された200個の
インクジェット記録ヘッドの液流路11の内部には、固
体層3の残渣は全く存在しなかった。
【0041】続いてこれら200個のインクジェット記
録ヘッドのそれぞれをインクジェット記録装置に装着
し、純水/グリセリン/ダイレクトブラック154(水
溶性黒色染料)=65/30/5(重量部)からなるイ
ンクジェット記録用インクを用いて記録を行ない、液流
路11の目詰まり、インクの吐出不良の発生頻度を測定
した。その結果を表2に示す。なお、吐出口13の寸法
は50×50μmであり、共通液流路15の各柱21間
の隙間(フィルター開口部)の大きさは、それぞれ幅3
0×高さ50μmであった。
【0042】
【表2】
【0043】[比較例1]共通液流路15に柱21の存
在しない構成、すなわち共通液流路15にはフィルター
効果を有するものが一切ない構成とした以外は実施例1
と同様のインクジェット記録ヘッドを200個作成し、
実施例1と同様にして液流路11の目詰まり、インクの
吐出不良の発生頻度を測定した。その結果を表2に示
す。 [比較例2]共通液流路15には柱21のみが存在して
ウィスカー14が配置されていないこと以外は実施例1
と同様のインクジェット記録ヘッドを200個作成し、
実施例1と同様にして液流路11の目詰まり、インクの
吐出不良の発生頻度を測定した。その結果を表2に示
す。
【0044】表2から明らかなように、本実施例による
インクジェット記録ヘッドは、全くフィルターを設けな
い比較例1と比べ、格段によい結果を示した。また、共
通液流路15に柱21しかない比較例2に比べ、3次元
形状のフィラーを配置して実質的に網目状のフィルター
を形成することにより、液流路に詰まるゴミを確実に除
去できることがわかった。
【0045】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明のインクジェット記録ヘッドによれば、インクを
吐出、噴射するノズル部分と網目状のフィルターとを一
体形成できるので、部品点数および製造工程を増やす必
要がなく、フィルターを別途製造する場合に比べて大幅
なコストダウンを図ることができる。また、網目状のフ
ィルターとなっているので、液供給特性を低下させるこ
となく、また液流路や吐出口ごとの液供給特性のばらつ
きを発生させることなく、ゴミなどの固形物を確実に除
去できる。3次元形状のフィラーを用いているので、イ
ンクジェット記録ヘッドとしては構造的に強化されてい
る。
【0046】また、本発明のインクジェット記録ヘッド
の製造方法の工業的価値をまとめれば、 精密な加工
ができること、 液流路、フィルター部分、液室の形
状に対し加工上の制限が少ないこと、 加工上、特に
熟練を要さず、量産性に優れていること、 活性エネ
ルギー線硬化材料の選択範囲が広く、構造材料としての
機能に優れたものを用いることができること、 安価
であること、 網目状フィルターが一体成形できるた
め、プロセスを変えずに機能の向上が図れること、など
が挙げられる。
【0047】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でもキヤノン株式会社の提唱する熱エネルギーでイン
クを吐出させる方式のインクジェット記録ヘッド、イン
クジェット記録装置に於いて、優れた効果をもたらすも
のである。その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書
に開示されている基本的な原理を用いて行なうものが好
ましい。この方式は所謂オンデマンド型、コンティニュ
アス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマ
ンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシ
ートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、
記録情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇
を与える少なくとも一つの駆動信号を印加することによ
って、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録
ヘッドの熱作用面に膜沸騰させて、結果的にこの駆動信
号に一対一対応し液体(インク)内の気泡を形成出来る
ので有効である。この気泡の成長,収縮により吐出用開
口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも一
つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とする
と、即時適切に気泡の成長収縮が行なわれるので、特に
応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より
好ましい。このパルス形状の駆動信号としては、米国特
許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載され
ているようなものが適している。尚、上記熱作用面の温
度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に
記載されている条件を採用すると、更に優れた記録を行
なうことができる。
【0048】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明
細書を用いた構成も本発明に有効である。加えて、複数
の電気熱変換体に対して、共通するスリットを電気熱変
換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59年第123670
号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収する開孔を吐出部
に対応させる構成を開示する特開昭59年第138461号公報
に基づいた構成としても本発明は有効である。
【0049】更に、インクジェット記録装置が記録でき
る最大記録媒体の幅に対応した長さを有するフルライン
タイプの記録ヘッドとしては、上述した明細書に開示さ
れているような複数記録ヘッドの組合わせによって、そ
の長さを満たす構成や一体的に形成された一個の記録ヘ
ッドとしての構成のいずれでも良いが、本発明は、上述
した効果を一層有効に発揮することができる。
【0050】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。又、本発明のインクジェット記録装置の構成とし
て設けられる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的
な補助手段等を付加することは本発明の効果を一層安定
できるので好ましいものである。これらを具体的に挙げ
れば、記録ヘッドに対しての、キャピング手段、クリー
ニング手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれ
とは別の加熱素子或はこれらの組合わせによる予備加熱
手段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出モードを行な
うことも安定した記録を行なうために有効である。
【0051】更に、インクジェット記録装置の記録モー
ドとしては黒色等の主流色のみの記録モードだけではな
く、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組合わせ
によってでもよいが、異なる色の複色カラー又は、混色
によるフルカラーの少なくとも一つを備えた装置にも本
発明は極めて有効である。以上説明した本発明実施例に
おいては、インクを液体として説明しているが、室温や
それ以下で固化するインクであって、室温で軟化もしく
は液体或いは、上述のインクジェットではインク自体を
30℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を行なってイ
ンクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するも
のが一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが
液状をなすものであれば良い。加えて、積極的に熱エネ
ルギーによる昇温をインクの固形状態から液体状態への
態変化のエネルギーとして使用せしめることで防止する
か又は、インクの蒸発防止を目的として放置状態で固化
するインクを用いるかして、いずれにしても熱エネルギ
ーの記録信号に応じた付与によってインクが液化してイ
ンク液状として吐出するものや記録媒体に到達する時点
ではすでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギー
によって初めて液化する性質のインク使用も本発明には
適用可能である。このような場合インクは、特開昭54-5
6847号公報あるいは特開昭60-71260号公報に記載される
ような、多孔質シート凹部又は貫通孔に液状又は固形物
として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向す
るような形態としても良い。本発明においては、上述し
た各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰
方式を実行するものである。
【0052】
【発明の効果】以上説明したようにインクジェット記録
ヘッドについての本発明は、インク供給部に連通する部
分の液流路に3次元形状のフィラーからなるフィルター
を設けることにより、吐出口や液流路の目詰まりを効果
的に防止でき、インクの液流路への供給特性や吐出口か
らの吐出特性が良好なインクジェット記録ヘッドを得る
ことができるという効果がある。
【0053】また、インクジェット記録ヘッドの製造方
法についての本発明は、液流路がインク供給部に連通す
る部分に相当する部位の固体層に3次元形状のフィラー
を混合させておくことにより、吐出口や液流路の目詰ま
りが発生せず、インクの液流路への供給特性や吐出口か
らの吐出特性が良好なインクジェット記録ヘッドを容易
に量産性よく製造できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のインクジェット記録ヘッド
の構成を説明する模式斜視図である。
【図2】固体層を形成する前の第1の基板の模式斜視図
である。
【図3】(A)は固体層形成後の第1の基板の模式平面
図、(B)は第2の基板の模式平面図である。
【図4】固体層および充填部材積層後の第1の基板を示
し、(A)は図2に示したA−A'線での模式断面図、(B)は
図2に示したB−B'線での模式断面図、(C)は図2に示し
たC−C'線での模式断面図である。
【図5】第2の基板の積層後を示し、(A)はA−A'線での
模式断面図、(B)はB−B'線での模式断面図、(C)はC−C'
線での模式断面図である。
【図6】マスクの積層後を示し、(A)はA−A'線での模式
断面図、(B)はB−B'線での模式断面図、(C)はC−C'線で
の模式断面図である。
【図7】固体層および充填部材の除去後を示し、(A)はA
−A'線での模式断面図、(B)はB−B'線での模式断面図、
(C)はC−C'線での模式断面図である。
【図8】従来のインクジェット記録ヘッドの構成を示す
模式斜視図である。
【図9】(A)〜(E)は、それぞれ従来のインクジェット記
録ヘッドの製造方法を説明する断面図である。
【符号の説明】
1 第1の基板 2 吐出エネルギー発生素子 3 固体層 4 第2の基板 5 凹部 6 液供給口 7 活性エネルギー線硬化性材料層 8 マスク 9 活性エネルギー線 10 充填部材 11 液流路 12 液室 13 吐出口 14 ウィスカー 15 共通液流路 21 柱

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吐出口と、該吐出口に連通する液流路
    と、該液流路に設けられインクを前記吐出口から吐出さ
    せるエネルギーを発生する吐出エネルギー発生素子と、
    前記液流路に連通するインク供給部とを有するインクジ
    ェット記録ヘッドにおいて、前記インク供給部に連通す
    る部分の前記液流路に、3次元形状のフィラーからなる
    フィルターが設けられていることを特徴とするインクジ
    ェット記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 吐出エネルギー発生素子が電気熱変換体
    である請求項1記載のインクジェット記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 吐出口が被記録媒体の記録領域の全幅に
    わたって複数設けられているフルラインタイプである請
    求項1または2記載のインクジェット記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 吐出口と、該吐出口に連通する液流路
    と、該液流路に設けられインクを前記吐出口から吐出さ
    せるエネルギーを発生する吐出エネルギー発生素子と、
    前記液流路に連通するインク供給部とを有するインクジ
    ェット記録ヘッドの製造方法において、表面に前記吐出
    エネルギー発生素子が設けられた基板を用い、少なくと
    も前記液流路と前記吐出口とに相当する部位の前記基板
    の表面に、除去可能な部材樹脂からなる固体層を設ける
    工程と、前記固体層ごと前記基板の表面を充填部材で被
    覆する工程と、そののち前記固体層を除去する除去工程
    とを有し、前記液流路が前記インク供給部に連通する部
    分に相当する部位の前記固体層には、前記除去工程では
    除去されない材料からなる3次元形状のフィラーが混合
    されていることを特徴とするインクジェット記録ヘッド
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 固体層が活性エネルギー線感応性樹脂か
    らなる請求項4記載のインクジェット記録ヘッドの製造
    方法。
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