JPH0543973A - 低温ろう付け用高熱伝導アルミニウム合金犠牲フイン材とその製造方法 - Google Patents
低温ろう付け用高熱伝導アルミニウム合金犠牲フイン材とその製造方法Info
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- JPH0543973A JPH0543973A JP22510491A JP22510491A JPH0543973A JP H0543973 A JPH0543973 A JP H0543973A JP 22510491 A JP22510491 A JP 22510491A JP 22510491 A JP22510491 A JP 22510491A JP H0543973 A JPH0543973 A JP H0543973A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 自動車用の熱交換器等に使用されるろう付け
後の強度と熱伝導性が高い低温ろう付け用高熱伝導アル
ミニウム合金犠牲フィン材とその製造方法を提供する。 【構成】 Zr0.03〜0.30wt%を含有し、さら
にZn0.3〜2.0wt%、In0.03〜0.3wt
%、Sn0.03〜0.3wt%のうちを1種または2種
以上含有し、残部がAlと不可避的不純物で、該不可避
的不純物の合計が0.6wt%以下からなるAl合金鋳塊
より圧延にてフィン材を製造するに当たり、すべての製
造工程において520℃を超える温度に加熱することな
く、最終の冷間圧延率を20〜80%とすることを特徴
とする低温ろう付け用高熱伝導アルミニウム合金犠牲フ
ィン材の製造方法。
後の強度と熱伝導性が高い低温ろう付け用高熱伝導アル
ミニウム合金犠牲フィン材とその製造方法を提供する。 【構成】 Zr0.03〜0.30wt%を含有し、さら
にZn0.3〜2.0wt%、In0.03〜0.3wt
%、Sn0.03〜0.3wt%のうちを1種または2種
以上含有し、残部がAlと不可避的不純物で、該不可避
的不純物の合計が0.6wt%以下からなるAl合金鋳塊
より圧延にてフィン材を製造するに当たり、すべての製
造工程において520℃を超える温度に加熱することな
く、最終の冷間圧延率を20〜80%とすることを特徴
とする低温ろう付け用高熱伝導アルミニウム合金犠牲フ
ィン材の製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高熱伝導アルミニウム
合金犠牲フィン材に関するものであり、さらに詳しく
は、500℃以下の温度でろう付けするための低温ろう
付け用高熱伝導アルミニウム合金犠牲フィン材に関する
もので、特に自動車用の熱交換器のラジエーター、ヒー
ター、コンデンサー等のフィンとして使用されるもので
ある。
合金犠牲フィン材に関するものであり、さらに詳しく
は、500℃以下の温度でろう付けするための低温ろう
付け用高熱伝導アルミニウム合金犠牲フィン材に関する
もので、特に自動車用の熱交換器のラジエーター、ヒー
ター、コンデンサー等のフィンとして使用されるもので
ある。
【0002】
【従来の技術およびその課題】自動車用熱交換器の多く
はAlおよびAl合金が使用されておりろう付け法によ
り製造されている。通常ろう付けはAl−Si系のろう
材が用いられ、そのためろう付けは600℃程度の高温
で行われる。ラジエーター等の熱交換器は例えば図1に
示すように複数本の偏平チューブ(1)の間にコルゲート
状に加工した薄肉フィン(2) を一体に形成し、該偏平チ
ューブ(1) の両端はヘッダー(3) とタンク(4) とで構成
される空間にそれぞれ開口しており、一方のタンク側の
空間から偏平チューブ(1) 内を通して高温冷媒を他方の
タンク(4) 側の空間に送り、チューブ(1) およびフィン
(2) の部分で熱交換して低温になった冷媒を再び循環さ
せるものである。ところで、近年、熱交換器は軽量・小
型化の方向にあり、そのために材料の薄肉化が望まれて
いる。しかし、従来の材料で薄肉化を行った場合、材料
の肉厚が減少する分強度と熱伝導性が不足してしまう。
そのため、フィン材の高強度化と熱伝導性の向上が検討
されているが両者を満たす十分な成果は得られていな
い。これは、製品の最終工程として600℃付近まで加
熱されるブレージングがあるため、加熱硬化等の強度向
上のメカニズムが利用できず、さらにろう付け中に合金
に添加した元素が再固溶し熱伝導を阻害するためであ
る。また、チューブ材、タンク材、ヘッダー材等の薄肉
が行われた場合、熱交換器としての耐食性のためにフィ
ン材は十分な犠牲効果が必要とされる。
はAlおよびAl合金が使用されておりろう付け法によ
り製造されている。通常ろう付けはAl−Si系のろう
材が用いられ、そのためろう付けは600℃程度の高温
で行われる。ラジエーター等の熱交換器は例えば図1に
示すように複数本の偏平チューブ(1)の間にコルゲート
状に加工した薄肉フィン(2) を一体に形成し、該偏平チ
ューブ(1) の両端はヘッダー(3) とタンク(4) とで構成
される空間にそれぞれ開口しており、一方のタンク側の
空間から偏平チューブ(1) 内を通して高温冷媒を他方の
タンク(4) 側の空間に送り、チューブ(1) およびフィン
(2) の部分で熱交換して低温になった冷媒を再び循環さ
せるものである。ところで、近年、熱交換器は軽量・小
型化の方向にあり、そのために材料の薄肉化が望まれて
いる。しかし、従来の材料で薄肉化を行った場合、材料
の肉厚が減少する分強度と熱伝導性が不足してしまう。
そのため、フィン材の高強度化と熱伝導性の向上が検討
されているが両者を満たす十分な成果は得られていな
い。これは、製品の最終工程として600℃付近まで加
熱されるブレージングがあるため、加熱硬化等の強度向
上のメカニズムが利用できず、さらにろう付け中に合金
に添加した元素が再固溶し熱伝導を阻害するためであ
る。また、チューブ材、タンク材、ヘッダー材等の薄肉
が行われた場合、熱交換器としての耐食性のためにフィ
ン材は十分な犠牲効果が必要とされる。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明はこれに鑑み、ろ
う付け後の強度と熱伝導性が高いフィン材を開発するに
は、従来のブレージングではなく、ろう付け温度を低温
にしたろう付けに適したフィン材を開発することで問題
が解決できると考え、本発明に到った。ここで、ろう付
け温度を低温にしたろう付けとは、近年、ろう付けコス
トを低減する目的から、ろう付け温度をより低温にした
いという要求が高まってきたことから開発されたろう付
け法であり、ろう付け温度を低温にすることにより、ろ
う付け時間の低減、熱量の低減、ろう付け炉のコスト低
減、ろう付炉の耐久性の向上等種々の利点が生まれる。
現在開発されている低温でろう付けするろう材として
は、融点500℃以下なら、例えば純Zn、Zn−0〜
28wt%Al、Zn−Al系、Zn−Cd系、Sn−Z
n系、Sn−Pb系等がある。但しろう付後の熱交換器
の耐食性を考慮すると、Zn−Al系のろう材が最も有
力である。すなわち、本発明は、上記ろう付け法に適
し、ろう付け後の熱伝導性と強度が優れ、薄肉化が可能
なフィン材およびその製造方法についてなされたもので
あり、請求項1記載の発明は、Zr0.03〜0.30
wt%を含有し、さらにZn0.3〜2.0wt%、In
0.03〜0.3wt%、Sn0.03〜0.3wt%のう
ちの1種または2種以上含有し、残部がAlと不可避的
不純物で、該不可避的不純物の合計が0.6wt%以下か
らなることを特徴とする低温ろう付け用高熱伝導アルミ
ニウム合金犠牲フィン材であり、請求項2記載の発明
は、Zr0.03〜0.30wt%を含有し、さらにZn
0.3〜2.0wt%、In0.03〜0.3wt%、Sn
0.03〜0.3wt%のうちの1種または2種以上含有
し、残部がAlと不可避的不純物で、該不可避的不純物
の合計が0.6wt%以下からなるAl合金鋳塊より圧延
にてフィン材を製造するに当たり、すべての製造工程に
おいて520℃を超える温度に加熱することなく、最終
の冷間圧延率を20〜80%とすることを特徴とする低
温ろう付け用高熱伝導アルミニウム合金犠牲フィン材の
製造方法であり、請求項3記載の発明は、Zr0.03
〜0.30wt%を含有し、さらにZn0.3〜2.0wt
%、In0.03〜0.3wt%、Sn0.03〜0.3
wt%のうちの1種または2種以上含有し、残部がAlと
不可避的不純物で、該不可避的不純物の合計が0.6wt
%以上からなるAl合金鋳塊より圧延にてフィン材を製
造するに当たり、最終の冷間圧延率を20%以上とし、
最終フィン材の板厚で300℃〜420℃にて析出処理
を行うことを特徴とする低温ろう付け用高熱伝導アルミ
ニウム合金犠牲フィン材の製造方法である。
う付け後の強度と熱伝導性が高いフィン材を開発するに
は、従来のブレージングではなく、ろう付け温度を低温
にしたろう付けに適したフィン材を開発することで問題
が解決できると考え、本発明に到った。ここで、ろう付
け温度を低温にしたろう付けとは、近年、ろう付けコス
トを低減する目的から、ろう付け温度をより低温にした
いという要求が高まってきたことから開発されたろう付
け法であり、ろう付け温度を低温にすることにより、ろ
う付け時間の低減、熱量の低減、ろう付け炉のコスト低
減、ろう付炉の耐久性の向上等種々の利点が生まれる。
現在開発されている低温でろう付けするろう材として
は、融点500℃以下なら、例えば純Zn、Zn−0〜
28wt%Al、Zn−Al系、Zn−Cd系、Sn−Z
n系、Sn−Pb系等がある。但しろう付後の熱交換器
の耐食性を考慮すると、Zn−Al系のろう材が最も有
力である。すなわち、本発明は、上記ろう付け法に適
し、ろう付け後の熱伝導性と強度が優れ、薄肉化が可能
なフィン材およびその製造方法についてなされたもので
あり、請求項1記載の発明は、Zr0.03〜0.30
wt%を含有し、さらにZn0.3〜2.0wt%、In
0.03〜0.3wt%、Sn0.03〜0.3wt%のう
ちの1種または2種以上含有し、残部がAlと不可避的
不純物で、該不可避的不純物の合計が0.6wt%以下か
らなることを特徴とする低温ろう付け用高熱伝導アルミ
ニウム合金犠牲フィン材であり、請求項2記載の発明
は、Zr0.03〜0.30wt%を含有し、さらにZn
0.3〜2.0wt%、In0.03〜0.3wt%、Sn
0.03〜0.3wt%のうちの1種または2種以上含有
し、残部がAlと不可避的不純物で、該不可避的不純物
の合計が0.6wt%以下からなるAl合金鋳塊より圧延
にてフィン材を製造するに当たり、すべての製造工程に
おいて520℃を超える温度に加熱することなく、最終
の冷間圧延率を20〜80%とすることを特徴とする低
温ろう付け用高熱伝導アルミニウム合金犠牲フィン材の
製造方法であり、請求項3記載の発明は、Zr0.03
〜0.30wt%を含有し、さらにZn0.3〜2.0wt
%、In0.03〜0.3wt%、Sn0.03〜0.3
wt%のうちの1種または2種以上含有し、残部がAlと
不可避的不純物で、該不可避的不純物の合計が0.6wt
%以上からなるAl合金鋳塊より圧延にてフィン材を製
造するに当たり、最終の冷間圧延率を20%以上とし、
最終フィン材の板厚で300℃〜420℃にて析出処理
を行うことを特徴とする低温ろう付け用高熱伝導アルミ
ニウム合金犠牲フィン材の製造方法である。
【0004】
【作用】まず、本発明フィン材の合金組成について説明
する。本発明のフィン材はZr0.03〜0.30wt%
を含有し、さらにZn0.3〜2.0wt%、In0.0
3〜0.3wt%、Sn0.03〜0.3wt%のうちの1
種または2種以上含有し、残部がAlと不可避的不純物
で、該不可避的不純物の合計が0.6wt%以下からなる
フィン材である。Zrは合金中に非常に微細な分散粒子
および固溶Zrとして存在し、500℃以下のろう付け
加熱中にフィン材に再結晶が生じることでフィンが軟化
することを防止する。すなわち、分散粒子は亜結晶粒を
微細かつ安定化させ、固溶Zrは転位をピン止めする。
このような作用により500℃以下のろう付け加熱であ
ればろう付け後も、高強度を示す。Zrは0.03wt%
未満では上記作用が不十分であり、0.30wt%を超え
て添加すると合金の鋳造時に割れが生じ、フィン材を製
造することができなくなる。したがって、Zrの含有量
は0.03〜0.30wt%と定める。Zn、In、Sn
はフィン材の電位を卑にし、フィン材に犠牲効果を付与
し、熱交換器の耐食性を高める働きを有する。その量
が、Zn0.3wt%未満、In0.03wt%未満、Sn
0.03wt%未満では犠牲効果が十分でなく、Znは
2.0wt%を超えて、Inは0.3wt%を超えて、Sn
0.3wt%を超えて添加しても効果は変わらず、逆にフ
ィン材としての成形性・熱伝導性が低下する。したがっ
て、Zn0.3〜2.0wt%、In0.03〜0.3wt
%、Sn0.03〜0.3wt%のうちの1種または2種
以上含有するように定める。以上が本発明合金フィン材
の添加元素についてであるが、残部はAlと不可避的不
純物であり不可避的不純物としてはSi、Fe、Mn、
Ti、Cr等があるが、そのような不可避的不純物が過
剰に存在した場合、フィンの熱伝導性が低下するため、
不可避的不純物の合計を0.6wt%以下と定める。
する。本発明のフィン材はZr0.03〜0.30wt%
を含有し、さらにZn0.3〜2.0wt%、In0.0
3〜0.3wt%、Sn0.03〜0.3wt%のうちの1
種または2種以上含有し、残部がAlと不可避的不純物
で、該不可避的不純物の合計が0.6wt%以下からなる
フィン材である。Zrは合金中に非常に微細な分散粒子
および固溶Zrとして存在し、500℃以下のろう付け
加熱中にフィン材に再結晶が生じることでフィンが軟化
することを防止する。すなわち、分散粒子は亜結晶粒を
微細かつ安定化させ、固溶Zrは転位をピン止めする。
このような作用により500℃以下のろう付け加熱であ
ればろう付け後も、高強度を示す。Zrは0.03wt%
未満では上記作用が不十分であり、0.30wt%を超え
て添加すると合金の鋳造時に割れが生じ、フィン材を製
造することができなくなる。したがって、Zrの含有量
は0.03〜0.30wt%と定める。Zn、In、Sn
はフィン材の電位を卑にし、フィン材に犠牲効果を付与
し、熱交換器の耐食性を高める働きを有する。その量
が、Zn0.3wt%未満、In0.03wt%未満、Sn
0.03wt%未満では犠牲効果が十分でなく、Znは
2.0wt%を超えて、Inは0.3wt%を超えて、Sn
0.3wt%を超えて添加しても効果は変わらず、逆にフ
ィン材としての成形性・熱伝導性が低下する。したがっ
て、Zn0.3〜2.0wt%、In0.03〜0.3wt
%、Sn0.03〜0.3wt%のうちの1種または2種
以上含有するように定める。以上が本発明合金フィン材
の添加元素についてであるが、残部はAlと不可避的不
純物であり不可避的不純物としてはSi、Fe、Mn、
Ti、Cr等があるが、そのような不可避的不純物が過
剰に存在した場合、フィンの熱伝導性が低下するため、
不可避的不純物の合計を0.6wt%以下と定める。
【0005】次に、本発明合金フィン材の製造方法につ
いて説明する。まず、第1の製造方法は、調質記号H1
nタイプのフィンの製造方法であり、上記組成のAl合
金鋳塊を均質化処理、熱間圧延、冷間圧延・焼鈍する工
程で製造されるが、その間のすべての製造工程において
520℃を超える温度に加熱することなく、最終の冷間
圧延率を20〜80%とすることを特徴とする。このフ
ィン材の製造方法は、Zrを含有した析出相粒子を微細
かつ密に分布させ、ろう付け加熱時の再結晶の進行を防
止し、軟化を防ぐことに特徴がある。均質化処理、熱間
圧延、冷間圧延・焼鈍の工程で520℃を超える温度に
加熱が行われると析出粒子が粗大化し、ろう付け加熱時
に軟化が生じやすくなる。また、最終の冷間圧延率が、
20%未満であると加工硬化量が十分でなく強度が向上
せず、80%を超えると再結晶の駆動力が増加するため
ろう付け加熱時に軟化が生じる。なお、本発明の工程は
以上を満たせばよく、鋳塊を通常の水冷鋳造法で作製す
る鋳塊を用いればよく、その後の均質化処理は520℃
以下の温度で行うか、行わずに鋳塊を熱間圧延するため
の加熱処理のみとし、熱間圧延は常法により行えばよ
い。得られた熱間圧延コイルは冷間圧延を行い、フィン
材とするが、途中で焼鈍を行い、調質を調整する。焼鈍
は2回以上行っても差しつかえない。本発明の第2の製
造方法は、上記組成のAl合金鋳塊を均質化処理、熱間
圧延、冷間圧延・焼鈍する工程で製造されるが、フィン
材の板厚にいたる最終の冷間圧延率を20%以上にし、
最終フィン材の板厚で300℃〜420℃にて析出処理
を行うことを特徴とするものである。この製造方法は調
質記号H2nタイプのフィンを製造するためのものであ
り、その特徴は最終の析出処理により、亜結晶粒界上に
第2相粒子を析出させ、亜結晶粒を安定化させることに
ある。このように安定化した亜結晶粒を有するフィン材
を500℃以下でろう付け加熱した場合、亜結晶粒界は
粒子によりピン止めされているため軟化が生じず、ろう
付け後も高強度である。ここで析出処理温度が300℃
未満では十分に析出が生じず、安定化の効果がなく、4
20℃を超えると析出相が粗大化し、亜結晶粒界をピン
止めする作用が減じる。従って、析出処理の温度は30
0℃〜420℃と定める。なお、保持時間は0.5h〜
6h程度であればよい。ここで、析出処理を行う前に冷
間圧延を行うのは、析出処理の加熱時に圧延により導入
された転位により亜結晶粒を形成させ、この亜結晶粒上
に析出を生じさせるためである。しかし、その冷間圧延
率が20%未満では導入される転位量が少ないため、亜
結晶粒が析出処理時にすみやかに形成されず、析出粒子
が亜結晶粒界上に生じないため強度向上効果を減じる。
また、最終のフィン材板厚で析出処理を行い、それ以後
冷間圧延を行わないが、これは析出処理後に冷間圧延を
行った場合、冷間圧延により新たに転位が導入され、ろ
う付け加熱時に新たに亜結晶が形成され、粒子が有効に
ピン止め作用をしなくなるためである。本発明の第2の
製造方法は以上を満たせばよく、鋳塊を通常の水冷鋳造
法で作製する鋳塊を用いればよい。その後の均質化処理
は、400℃〜600℃の温度で行うか、行わずに鋳塊
を熱間圧延するための加熱処理のみとし、熱間圧延は常
法により行えばよい。得られた熱間圧延コイルは冷間圧
延を行い、フィン材板厚とするが、途中で焼鈍を行って
も差しつかえない。以上が本発明合金フィン材の製造方
法であるが、熱交換器として組み立てる場合、低融点の
ろう材を被覆した熱交換器用管材と組み合わせて用いる
のが最も容易である。この場合、ろうの被覆は溶射法、
溶融めっき法、電気めっき法、蒸着法等の方法によって
もなされるのが普通である。なお、本発明フィンの板厚
は120μm以下である。
いて説明する。まず、第1の製造方法は、調質記号H1
nタイプのフィンの製造方法であり、上記組成のAl合
金鋳塊を均質化処理、熱間圧延、冷間圧延・焼鈍する工
程で製造されるが、その間のすべての製造工程において
520℃を超える温度に加熱することなく、最終の冷間
圧延率を20〜80%とすることを特徴とする。このフ
ィン材の製造方法は、Zrを含有した析出相粒子を微細
かつ密に分布させ、ろう付け加熱時の再結晶の進行を防
止し、軟化を防ぐことに特徴がある。均質化処理、熱間
圧延、冷間圧延・焼鈍の工程で520℃を超える温度に
加熱が行われると析出粒子が粗大化し、ろう付け加熱時
に軟化が生じやすくなる。また、最終の冷間圧延率が、
20%未満であると加工硬化量が十分でなく強度が向上
せず、80%を超えると再結晶の駆動力が増加するため
ろう付け加熱時に軟化が生じる。なお、本発明の工程は
以上を満たせばよく、鋳塊を通常の水冷鋳造法で作製す
る鋳塊を用いればよく、その後の均質化処理は520℃
以下の温度で行うか、行わずに鋳塊を熱間圧延するため
の加熱処理のみとし、熱間圧延は常法により行えばよ
い。得られた熱間圧延コイルは冷間圧延を行い、フィン
材とするが、途中で焼鈍を行い、調質を調整する。焼鈍
は2回以上行っても差しつかえない。本発明の第2の製
造方法は、上記組成のAl合金鋳塊を均質化処理、熱間
圧延、冷間圧延・焼鈍する工程で製造されるが、フィン
材の板厚にいたる最終の冷間圧延率を20%以上にし、
最終フィン材の板厚で300℃〜420℃にて析出処理
を行うことを特徴とするものである。この製造方法は調
質記号H2nタイプのフィンを製造するためのものであ
り、その特徴は最終の析出処理により、亜結晶粒界上に
第2相粒子を析出させ、亜結晶粒を安定化させることに
ある。このように安定化した亜結晶粒を有するフィン材
を500℃以下でろう付け加熱した場合、亜結晶粒界は
粒子によりピン止めされているため軟化が生じず、ろう
付け後も高強度である。ここで析出処理温度が300℃
未満では十分に析出が生じず、安定化の効果がなく、4
20℃を超えると析出相が粗大化し、亜結晶粒界をピン
止めする作用が減じる。従って、析出処理の温度は30
0℃〜420℃と定める。なお、保持時間は0.5h〜
6h程度であればよい。ここで、析出処理を行う前に冷
間圧延を行うのは、析出処理の加熱時に圧延により導入
された転位により亜結晶粒を形成させ、この亜結晶粒上
に析出を生じさせるためである。しかし、その冷間圧延
率が20%未満では導入される転位量が少ないため、亜
結晶粒が析出処理時にすみやかに形成されず、析出粒子
が亜結晶粒界上に生じないため強度向上効果を減じる。
また、最終のフィン材板厚で析出処理を行い、それ以後
冷間圧延を行わないが、これは析出処理後に冷間圧延を
行った場合、冷間圧延により新たに転位が導入され、ろ
う付け加熱時に新たに亜結晶が形成され、粒子が有効に
ピン止め作用をしなくなるためである。本発明の第2の
製造方法は以上を満たせばよく、鋳塊を通常の水冷鋳造
法で作製する鋳塊を用いればよい。その後の均質化処理
は、400℃〜600℃の温度で行うか、行わずに鋳塊
を熱間圧延するための加熱処理のみとし、熱間圧延は常
法により行えばよい。得られた熱間圧延コイルは冷間圧
延を行い、フィン材板厚とするが、途中で焼鈍を行って
も差しつかえない。以上が本発明合金フィン材の製造方
法であるが、熱交換器として組み立てる場合、低融点の
ろう材を被覆した熱交換器用管材と組み合わせて用いる
のが最も容易である。この場合、ろうの被覆は溶射法、
溶融めっき法、電気めっき法、蒸着法等の方法によって
もなされるのが普通である。なお、本発明フィンの板厚
は120μm以下である。
【0006】
【実施例】以下に実施例により本発明を具体的に説明す
る。 〔実施例1〕表1に示す組成で水冷鋳造により厚さ40
0mmに鋳造した合金鋳塊より表2の製造方法記号Aに示
す製造方法でアルミニウム合金フィン材(板厚100μ
m)を作製した。得られたフィン材を以下のチューブ材
およびヘッダー材と組合せ図1に示すラジエーターを組
み立てた。JISA3003合金を芯材とし、片面にJ
ISA7072合金を10%の割合でクラッドした板厚
0.4mmおよび1.2mmのコイル状板材を通常の熱間圧
着法により製造した。このコイル状板材を使用し、溶融
めっきにより、Zn−11wt%Al(融点425℃)ろ
う材をJISA7072クラッド層と反対面に、板厚
0.4mmのコイル状板材には20μmの厚さでめっき
し、1.2mmのコイル状板材には80μmの厚さにめっ
きした。板厚0.4mmのコイル状板材では、電縫管のサ
イズに合わせスリッターして幅35.0mmの条材にし
た。この条材を電縫1製造装置を用い、外面をめっき層
として幅16.0mm、厚さ2.2mmの通液管用の電縫管
に加工した。また板厚1.2mmのコイル状板材では、幅
60mmにスリッターしてヘッダー用の条材とした。組み
立てられたラジエーターは脱脂後AlF3 とCsFを基
本組成とした弗化物系フラックスの10%濃度液を塗布
し、温度450℃に保持した露点−40℃の窒素ガス雰
囲気の炉中に挿入してろう付けを行った。また、同時に
フィン材を加熱し、ろう付け加熱後のフィン材の引張強
さと導電率を測定した。ここで、導電率は熱伝導性の指
標であり、フィンの導電率が10%IACS向上すると
熱交換器の熱効率は2%程度向上する。なお比較の従来
法としては、芯材をJISA3003合金としJISA
7072合金とJISA4343合金とを熱間圧着した
同一構成のブレージングシートを用い、同様のラジエー
ターを組立て、AlF3 とKFを基本組成とした弗化物
系フラックスの10%濃度液を塗布し、温度600℃で
上記と同様の炉中でろう付けした。また、同時にフィン
材を加熱し、ろう付け加熱後のフィン材の引張強さと導
電率を測定した。これらの結果を表3に示す。またろう
付け後の接合状況を調査し、さらに、ラジエーターをJ
ISZ2371に基づく塩水噴霧試験を1000時間実
施した。電縫チューブ材に生じた孔食を従来材同等を
○、従来材より劣るものを×として判定した。これらの
結果を表3に合わせて示す。
る。 〔実施例1〕表1に示す組成で水冷鋳造により厚さ40
0mmに鋳造した合金鋳塊より表2の製造方法記号Aに示
す製造方法でアルミニウム合金フィン材(板厚100μ
m)を作製した。得られたフィン材を以下のチューブ材
およびヘッダー材と組合せ図1に示すラジエーターを組
み立てた。JISA3003合金を芯材とし、片面にJ
ISA7072合金を10%の割合でクラッドした板厚
0.4mmおよび1.2mmのコイル状板材を通常の熱間圧
着法により製造した。このコイル状板材を使用し、溶融
めっきにより、Zn−11wt%Al(融点425℃)ろ
う材をJISA7072クラッド層と反対面に、板厚
0.4mmのコイル状板材には20μmの厚さでめっき
し、1.2mmのコイル状板材には80μmの厚さにめっ
きした。板厚0.4mmのコイル状板材では、電縫管のサ
イズに合わせスリッターして幅35.0mmの条材にし
た。この条材を電縫1製造装置を用い、外面をめっき層
として幅16.0mm、厚さ2.2mmの通液管用の電縫管
に加工した。また板厚1.2mmのコイル状板材では、幅
60mmにスリッターしてヘッダー用の条材とした。組み
立てられたラジエーターは脱脂後AlF3 とCsFを基
本組成とした弗化物系フラックスの10%濃度液を塗布
し、温度450℃に保持した露点−40℃の窒素ガス雰
囲気の炉中に挿入してろう付けを行った。また、同時に
フィン材を加熱し、ろう付け加熱後のフィン材の引張強
さと導電率を測定した。ここで、導電率は熱伝導性の指
標であり、フィンの導電率が10%IACS向上すると
熱交換器の熱効率は2%程度向上する。なお比較の従来
法としては、芯材をJISA3003合金としJISA
7072合金とJISA4343合金とを熱間圧着した
同一構成のブレージングシートを用い、同様のラジエー
ターを組立て、AlF3 とKFを基本組成とした弗化物
系フラックスの10%濃度液を塗布し、温度600℃で
上記と同様の炉中でろう付けした。また、同時にフィン
材を加熱し、ろう付け加熱後のフィン材の引張強さと導
電率を測定した。これらの結果を表3に示す。またろう
付け後の接合状況を調査し、さらに、ラジエーターをJ
ISZ2371に基づく塩水噴霧試験を1000時間実
施した。電縫チューブ材に生じた孔食を従来材同等を
○、従来材より劣るものを×として判定した。これらの
結果を表3に合わせて示す。
【0007】
【表1】
【0008】
【表2】
【0009】
【表3】
【0010】表3から明らかなように本発明材試料No.
1〜7は従来材試料No.11と比較し接合状況、耐食性
(塩水噴霧試験結果)は同等であり、引張強さ、導電率
は格段に優れている。これに対し、Zn、In、Snの
いずれも添加されていない比較材No.8は耐食性が悪
く、Zrの添加量が本発明の範囲より少ない比較材No.
9は引張強さが小さい。また不可避的不純物の量が本発
明の範囲より多い比較材No.10は導電率が低いことが
判る。
1〜7は従来材試料No.11と比較し接合状況、耐食性
(塩水噴霧試験結果)は同等であり、引張強さ、導電率
は格段に優れている。これに対し、Zn、In、Snの
いずれも添加されていない比較材No.8は耐食性が悪
く、Zrの添加量が本発明の範囲より少ない比較材No.
9は引張強さが小さい。また不可避的不純物の量が本発
明の範囲より多い比較材No.10は導電率が低いことが
判る。
【0011】〔実施例2〕表1の合金No.1に示す組成
で水冷鋳造により厚さ400mmに鋳造した鋳塊より表2
に示す各製造方法でアルミニウム合金フィン材(板厚1
00μm)を作製した。得られたフィン材を用いて実施
例1と同様にラジエーターを組立て、実施例1と同様な
方法で各特性を調べた。その結果を表4に示す。
で水冷鋳造により厚さ400mmに鋳造した鋳塊より表2
に示す各製造方法でアルミニウム合金フィン材(板厚1
00μm)を作製した。得られたフィン材を用いて実施
例1と同様にラジエーターを組立て、実施例1と同様な
方法で各特性を調べた。その結果を表4に示す。
【0012】
【表4】
【0013】表4から明らかなように本発明製造方法に
よって製造した本発明材試料No.1、12〜14は従来
材試料No.11に比較して引張強さ、導電率が格段に優
れている。これに対し本発明製造方法の範囲から外れた
製造方法によって製造した比較材試料No.15、16は
引張強さが従来材よりは若干優れているが、本発明材よ
りは劣る。
よって製造した本発明材試料No.1、12〜14は従来
材試料No.11に比較して引張強さ、導電率が格段に優
れている。これに対し本発明製造方法の範囲から外れた
製造方法によって製造した比較材試料No.15、16は
引張強さが従来材よりは若干優れているが、本発明材よ
りは劣る。
【0014】
【発明の効果】以上のように本発明のフィン材は500
℃以下の低温でろう付けを行った場合、ろう付け性を損
なうことがなく、高強度で犠牲効果を有しており、また
熱伝導率もよく、工業上顕著な効果を奏するものであ
る。
℃以下の低温でろう付けを行った場合、ろう付け性を損
なうことがなく、高強度で犠牲効果を有しており、また
熱伝導率もよく、工業上顕著な効果を奏するものであ
る。
【図1】ラジエーターを示す一部断面の斜視図である。
1 偏平チューブ 2 フィン 3 ヘッダー 4 タンク
Claims (3)
- 【請求項1】 Zr0.03〜0.30wt%を含有し、
さらにZn0.3〜2.0wt%、In0.03〜0.3
wt%、Sn0.03〜0.3wt%のうちの1種または2
種以上含有し、残部がAlと不可避的不純物で該不可避
的不純物の合計が0.6wt%以下からなることを特徴と
する低温ろう付け用高熱伝導アルミニウム合金犠牲フィ
ン材。 - 【請求項2】 Zr0.03〜0.30wt%を含有し、
さらにZn0.3〜2.0wt%、In0.03〜0.3
wt%、Sn0.03〜0.3wt%のうちを1種または2
種以上含有し、残部がAlと不可避的不純物で、該不可
避的不純物の合計が0.6wt%以下からなるAl合金鋳
塊より圧延にてフィン材を製造するに当たり、すべての
製造工程において520℃を超える温度に加熱すること
なく、最終の冷間圧延率を20〜80%とすることを特
徴とする低温ろう付け用高熱伝導アルミニウム合金犠牲
フィン材の製造方法。 - 【請求項3】 Zr0.03〜0.30wt%を含有し、
さらにZn0.3〜2.0wt%、In0.03〜0.3
wt%、Sn0.03〜0.3wt%のうちの1種または2
種以上含有し、残部がAlと不可避的不純物で、該不可
避的不純物の合計が、0.6wt%以下からなるAl合金
鋳塊より圧延にてフィン材を製造するに当たり、最終の
冷間圧延率を20%以上とし、最終フィン材の板厚で3
00℃〜420℃にて析出処理を行うことを特徴とする
低温ろう付け用高熱伝導アルミニウム合金犠牲フィン材
の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22510491A JPH0543973A (ja) | 1991-08-09 | 1991-08-09 | 低温ろう付け用高熱伝導アルミニウム合金犠牲フイン材とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22510491A JPH0543973A (ja) | 1991-08-09 | 1991-08-09 | 低温ろう付け用高熱伝導アルミニウム合金犠牲フイン材とその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0543973A true JPH0543973A (ja) | 1993-02-23 |
Family
ID=16824048
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP22510491A Pending JPH0543973A (ja) | 1991-08-09 | 1991-08-09 | 低温ろう付け用高熱伝導アルミニウム合金犠牲フイン材とその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0543973A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN104264015A (zh) * | 2014-10-21 | 2015-01-07 | 东北轻合金有限责任公司 | 一种高强防锈铝合金扁锭的制造方法 |
-
1991
- 1991-08-09 JP JP22510491A patent/JPH0543973A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN104264015A (zh) * | 2014-10-21 | 2015-01-07 | 东北轻合金有限责任公司 | 一种高强防锈铝合金扁锭的制造方法 |
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