JPH0543974A - 焼付硬化性及びプレス成形性に優れたアルミニウム合金板及びその製造方法 - Google Patents

焼付硬化性及びプレス成形性に優れたアルミニウム合金板及びその製造方法

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JPH0543974A
JPH0543974A JP20581891A JP20581891A JPH0543974A JP H0543974 A JPH0543974 A JP H0543974A JP 20581891 A JP20581891 A JP 20581891A JP 20581891 A JP20581891 A JP 20581891A JP H0543974 A JPH0543974 A JP H0543974A
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JP20581891A
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Inventor
Takeshi Fujita
毅 藤田
Aoshi Tsuyama
青史 津山
Yutaka Tsuchida
裕 土田
Naotake Yoshihara
直武 吉原
Shinji Mitao
真司 三田尾
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】重量%で、Mgを0.4 〜1.5 %、Siを0.24〜
1.6 %、Cuを0.12〜1.5 %、Znを1.0 %以下、Ti
を0.005 〜0.15%、Feを0.25%以下の範囲で含有し、
かつSi及びMgが Si ≧0.6 Mg(%)の関係を満た
し、残部がAl及び不可避的不純物からなり、結晶粒の
平均アスペクト比H/Lが0.7以上であり、かつ平均
粒径が20μm以上であるアルミニウム合金板。上記組成
のアルミニウム合金鋳塊に対して450 〜580 ℃の温度で
均質化処理を施した後、この鋳塊を熱間圧延及び冷間圧
延して所望の板厚とし、480 〜580 ℃の範囲内の温度ま
で3℃/秒以上の加熱速度で加熱して120 秒間以下保持
し、100 ℃まで2℃/秒以上の冷却速度で冷却する上記
合金板の製造方法。 【効果】プレス成形性及び低温焼付による硬化性が優れ
た、自動車ボディ−シ−ト用として好適なアルミニウム
合金板及びその製造方法が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、プレス成形用アルミ
ニウム合金板及びその製造方法に関し、特に、焼付硬化
性及びプレス成形性に優れ、自動車車体等に好適なアル
ミニウム合金板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より自動車ボディ−シ−ト等の成形
加工用板材として表面処理冷間圧延鋼板が多用されてい
るが、近年、自動車の燃費向上のための軽量化の要望が
高まっており、その要望を満たすべく自動車ボディ−シ
−ト等にアルミニウム合金板が使用され始めてきてい
る。
【0003】自動車ボディ−シ−ト用アルミニウム合金
としては、5182に代表される非熱処理型のAl−M
g系合金と、熱処理型のAl−Cu系、Al−Mg−S
i系に分けられる。非熱処理型のAl−Mg系合金とし
ては、CuやZnを微量添加し、熱処理して用いること
を前提としたものが開発されている(特開昭57−12
0648、特開昭53−103914等)。
【0004】しかし、これらは熱処理型のAl合金より
やや成形性が優れてはいるものの、従来の表面処理冷間
圧延鋼板よりも劣り、さらには塗装焼付工程により強度
の上昇が得られない。また、熱処理型であるAl−Cu
系の2036、Al−Mg−Si系の6009、601
0、6011では成形性が劣り、さらには欧米における
200℃での焼付けに対して省エネルギの観点から進め
られた日本国内で主流の170℃以下の温度で30分間
たらず保持する低温短時間の焼付けでは強度が上昇せ
ず、2000系においては逆に低下するという問題もあ
った。このように、従来のアルミニウム合金では、自動
車ボディシートに要求される特性、特に成形性と焼付硬
化性が十分に満足されていないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明はかかる事情
に鑑みてなされたものであって、自動車車体用等として
十分なプレス成形性を有し、低温かつ短時間の焼付にお
いても焼付硬化性が良好なアルミニウム合金板及びその
製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】本願発明者等
は、上記目的を達成するために種々検討を重ねた結果、
化学成分組成を適切に調整し、製造条件を適正化するこ
とにより、熱処理後の伸びが30%以上で、かつ170
℃で20分間といった低温・短時間の焼付処理において
も焼付後の降伏強度を焼付前よりも4kgf /mm2 以上硬
化することを見出し、本発明を完成するに至った。すな
わち、本発明は、プレス成形性の向上と塗装焼付後の耐
デント性の向上を図るべく、材料特性としての破断伸び
と、低温・短時間焼付後の降伏強度との両特性を改善し
たものである。
【0007】特に、化学成分組成については、塗装焼付
け後における高強度化の観点から、Al−Mg−Si系
合金にCuを適量添加して結晶粒を等軸粗大粒として焼
付け前の降伏強度を低くし、焼付けによる降伏強度の上
昇分を増加させるため再結晶粒抑制元素を低減したもの
である。
【0008】すなわち、この発明に係る焼付硬化性及び
プレス成形性に優れたアルミニウム合金板は、重量%
で、Mgを0.4〜1.5%、Siを0.24〜1.6
%、Cuを0.12〜1.5%、Znを1.0%以下、
Tiを0.005〜0.15%、Feを0.25%以下
の範囲で含有し、かつSi及びMgがSi≧0.6Mg
(%)の関係を満たし、残部がAl及び不可避的不純物
からなり、結晶粒における圧延方向の軸長をL、Lに対
して垂直の板厚方向の軸長をHとした場合に、その平均
アスペクト比H/Lが0.7以上であり、かつ平均粒径
が20μm以上であることを特徴とする。また、この組
成に対し、0.15%以下のMn、0.1%以下のC
r、0.1%以下のZr、0.1%以下のV、及び0.
0002〜0.05%のBのうち1種又は2種以上をさ
らに含んでいてもよい。
【0009】また、この発明に係る焼付硬化性及びプレ
ス成形性に優れたアルミニウム合金板の製造方法は、上
記組成のアルミニウム合金鋳塊に対して450〜580
℃の範囲内の温度で1段又は多段の均質化処理を施した
後、この鋳塊を熱間圧延及び冷間圧延することにより所
望の板厚とし、次いで480〜580℃の範囲内の温度
まで3℃/秒以上の加熱速度で加熱してその温度で0〜
120秒間保持し、その後100℃まで2℃/秒以上の
冷却速度で冷却することを特徴とする。これにより、平
均アスペクト比H/Lが0.7以上、平均結晶粒径が2
0μm以上の結晶粒の上記アルミニウム合金板が得られ
る。
【0010】この場合に、熱間圧延と冷間圧延との間、
又は冷間圧延と冷間圧延との間、又はその両方で、32
0〜580℃の範囲内の温度における中間焼鈍処理を1
回又は2回以上実施することが好ましい。以下、この発
明について詳細に説明する。なお、以下の説明において
%表示は重量%を表わす。先ず、この発明に係るアルミ
ニウム合金の成分組成の限定理由について説明する。
【0011】Mg: Mgは本発明に係る合金における
必須の基本成分であり、Siと共にMg2 Siなる化合
物を形成し、強度の向上に寄与する。しかし、Mgが
0.4%未満では十分な強度が得られず、逆に1.5%
を超えると伸びが低下する。従って、Mgの含有量を
0.4〜1.5%の範囲に規定する。
【0012】Si: SiはMgと同様に、本発明に係
る合金における必須の基本成分であり、Mgと共にMg
2 Siなる化合物を形成し、強度の向上に寄与する。し
かし、Siが1.6%を超えると成形性に悪影響を及ぼ
す粗大な晶出物が生成されやすくなり、0.24%未満
では強度が不十分である。従って、Siの含有量を0.
24〜1.6%の範囲に規定する。また、Si≧0.6
Mg(%)であればプレス性の向上に有効である。従っ
て、Si≧0.6Mg(%)を満たす範囲にSiを規定
する。
【0013】Fe: Feは不可避的不純物として通常
アルミニウム合金に含有されるものであり、含有量が
0.25%を超えるとAlとの共存により成形性に悪影
響を及ぼす粗大な晶出物が生成されやすく、また、Si
と結び付いて析出硬化として有用なSiの量を低下させ
る。従って、Feの含有量を0.25%以下に規定す
る。
【0014】Cu: Cuは強度及び成形性を向上さ
せ、さらにベ−キングによる硬化に寄与する成分であ
る。しかし、その含有量が0.12%未満ではその効果
が十分に得られず、逆に1.5%を超えると成形性及び
耐食性を劣化させる。従って、Cu含有量を0.12〜
1.5%の範囲に規定する。
【0015】Ti: Tiは微量添加により鋳塊の結晶
粒を微細化して加工性等を改善する効果を有する。しか
しながら、これらを過剰に添加すると粗大な晶出物を生
成し、成形性を劣化させる。従って、Tiの含有量を
0.005〜0.15%の範囲に規定する。
【0016】Zn: Znは強度の向上に寄与する元素
であるが、1.0%を超えると延性及びプレス成形性を
劣化させる。従って、Znの含有量を1.0%以下に規
定する。
【0017】本発明においては、以上の必須元素の他
に、必要に応じて、Mn,Cr,Zr,V及びBのうち
1種または2種以上を適量添加してもよい。これらの元
素は再結晶抑制元素であるから、異常粒成長を抑制する
目的で適量添加してもよい。しかし、これらの合金成分
は、再結晶粒の等軸化に対し負の効果があり成形性を低
下させるため、これらの含有量は従来のアルミニウム合
金よりも少ない範囲に規定する必要がある。従って、こ
れらを添加する場合には、Mn,Cr、Zr、V、Bの
含有量を夫々0.15%以下、0.10%以下、0.1
0%以下、0.10%以下、0.0002〜0.05%
に規定する。
【0018】上記元素の他、通常のアルミニウム合金と
同様、不可避的不純物が含有されるが、その量は本発明
の効果が損なわれない範囲であれば許容される。例え
ば、Be、Na,K等は、それぞれ0.001%以下程
度なら含有していても、特性上の支障はない。次に、組
織について説明する。
【0019】アルミニウム合金の成形性は、結晶粒径及
び結晶粒形状に大きく依存している。平均粒径が20μ
m未満で、なおかつ、結晶粒の平均アスペクト比H/L
(L:圧延方向の結晶粒軸長、H:Lに対し垂直の板厚
方向軸長)が0.7未満では成形性が十分でなく、また
プレス模様が現出し表面性状も劣化するため、平均粒径
は20μm以上、結晶粒の平均アスペクト比は0.7以
上であることが必要である。次に、この発明の合金の製
造条件について説明する。
【0020】上記範囲に成分・組成が規定されたアルミ
ニウム合金を常法により溶解・鋳造し、その鋳塊に対し
て450〜580℃の範囲内の温度で1段又は多段の均
質化熱処理を施す。このような均質化処理を施すことに
より、鋳造時に晶出した共晶化合物の拡散固溶を促進
し、局部的ミクロ偏析を軽減する。また、この処理によ
り、最終製品の結晶粒の異常粒成長を抑制し、均一化を
図るうえで重要な役割を果たすMn,Cr,Zr,Vの
化合物を微細に析出させることができる。しかし、この
処理の温度が450℃未満の場合には上述したような効
果が不十分であり、一方580℃を超えると共晶融解が
生じる。従って、均質化処理の温度を450〜580℃
の範囲とした。なお、この温度範囲内での保持時間が1
時間未満では上述の効果が十分に得られず、72時間を
超える長時間の加熱はその効果が飽和してしまうため、
この均質化処理の保持時間は1〜72時間が望ましい。
【0021】次いで、このような均質化処理が施された
鋳塊に対し、常法に従って所定の板厚を得るために熱間
圧延及び冷間圧延を行う。また、歪矯正又は表面粗度調
整のため5%以下のスキンパス圧延を実施してもよい。
【0022】圧延終了後、このような圧延板材に対し、
480〜580℃の範囲内の温度に3℃/秒以上の加熱
速度で加熱して、その温度に達して後即座に、又は12
0秒間以下の期間保持した後、100℃まで2℃/秒以
上の冷却速度で急速冷却するといった条件の熱処理を施
す。この処理により組織が均一化し、結晶粒の平均粒径
が20μm以上、平均アスペクト比が0.7以下に調整
され、さらに加工歪が除去され、結果としてプレス成形
性を向上させることができる。また、この熱処理は、焼
付硬化に対する寄与が大きいMg2 Si等の金属間化合
物の溶体化を図り、焼付硬化性の向上を達成するもので
ある。この場合に、加熱温度が480℃未満では、上述
のような効果を十分に得ることができない。また、加熱
温度が580℃を超えたり、加熱速度が遅すぎたり、保
持時間が長すぎると、結晶粒の一部が異常粒成長を起こ
してしまう。さらに、100℃までの冷却速度が2℃/
秒未満では、冷却中に上述の化合物が粗大に析出し、プ
レス成形性及び焼付硬化性の点で望ましくない。従っ
て、上述のように条件が規定される。
【0023】このような工程に加えて、上述の熱間圧延
と冷間圧延との間、又は冷間圧延と冷間圧延との間、又
はその両方で、1回又は2回以上の中間焼鈍を施すこと
が望ましい。この中間焼鈍を施すことにより、冷間圧延
において強圧下する際のエッジ割れを防止することがで
き、また、再結晶核として機能するMg化合物が析出し
て組織が均一化し、結果として成形性を向上させること
ができる。しかし、この際の温度が320℃未満ではそ
の効果が十分ではなく、また580℃を超えると共晶融
解が生じる。従って、中間焼鈍は320〜580℃の範
囲で行う。なお、この中間焼鈍は必須のプロセスではな
く、省プロセスの観点からはこの中間焼鈍を省略しても
構わない。
【0024】このようにして得られたアルミニウム合金
板は、焼付硬化性及びプレス成形性に優れ、破断伸びが
30%以上となり、また低温焼付による硬化性にも優れ
ている。従って、このようなアルミニウム合金板は自動
車ボディ−シ−ト用として好適である。
【0025】
【実施例】以下、この発明の実施例について説明する。 (実施例1)
【0026】表1、表2に示すような成分・組成を有す
る合金を溶解−連続鋳造し、得られた鋳塊を面削した
後、520℃で8時間の均質化処理を実施し、次いで鋳
片を460℃に加熱し、板厚4mmまで熱間圧延を行い、
室温に冷却した後、圧延率75%の冷間圧延を行って厚
さ1mmの板材とした。なお、熱間圧延の仕上り温度は2
80℃であった。この厚さ1mmの板材を550℃まで1
0℃/秒の速度で加熱し、60秒保持後、100℃まで
20℃/秒の冷却速度で強制空冷を行った。
【0027】このようにして製造した板材を室温で30
日間放置後、所定形状に切出し、引張試験(JIS5
号,引張方向:圧延方向)及びコニカルカップ試験(J
ISZ2249:試験工具17型)を実施し、さらに平
均結晶粒径、結晶粒の平均アスペクト比H/Lを測定し
た。なお、コニカルカップ試験はプレス成形のシミュレ
−トとして行い、張出しと深絞りとの複合成形性をCC
V(mm)により評価した(CCVが小さいほど成形性に
優れている)。また、結晶粒形状はGa処理によりミク
ロ組織を現出し、サンプル数50として切断法により求
めた。さらに、プレス成形後の塗装焼付をシミュレ−ト
するために、170℃で30分間の熱処理(焼付に対
応)を行い、その後もう一度上述した熱処理後の試験と
同一条件で引張試験を行った。
【0028】これらの試験結果を表3、4に示す。な
お、「焼付硬化」の欄は、焼付シミュレ−ト後の降伏強
度から、最終熱処理後の降伏強度を引いた値を示してい
る。また、コニカルカップ試験後の表面性状も併記し
た。
【0029】なお、表1の合金番号1〜16は本発明の
組成範囲内の実施例であり、表2の合金番号17〜33
はその範囲から外れる比較例である。なお、合金番号3
1〜33は従来からボディ−シ−ト用に用いられている
合金であり、夫々、2036、5182、6010に相
当するものである。
【0030】表3から明らかなように、実施例である合
金番号1〜16は、伸びが30%以上、平均粒径が20
μm以上、平均アスペクト比が0.7以上で、CCVも
良好で優れた成形性が得られることが確認された。ま
た、焼付硬化も降伏強度で4kgf /mm2 以上と高い値を
有し、優れた成形性と低温焼付硬化性とを有しているこ
とが確認された。
【0031】これに対して、表2に示す比較例の合金番
号17〜33は、表4から明らかなように、平均粒径が
20μm以上、平均アスペクト比が0.7以上のもので
あっても、成形性及び焼付硬化性のうち双方又は一方が
実施例よりも劣っていた。例えば焼付硬化に寄与する成
分であるMg、Si、Cuのいずれかの含有量が低い合
金番号17,18,20は、焼付硬化性が低く、2kgf
/mm2 程度であった。逆に、Si,Cuの含有量が多い
合金番号19,21は成形性が低かった。また、Mn,
Cr,Zr,V,Ti−B,Feの量が本発明の範囲よ
りも多い合金番号23,24,25,26,27,2
8,29は伸びが低く、さらに平均結晶粒径が20μm
以下で、結晶粒の平均アスペクト比が0.7以下である
ため成形性に劣り、またフロ−マ−クが生じたため表面
性状も悪かった。
【0032】なお、図1にCCV特性と結晶粒の平均ア
スペクト比との関係を示すが、この図から、平均アスペ
クト比が本発明の範囲外である0.7以下の場合(合金
番号29,30)にCCV特性が悪く、成形性に劣るこ
とが明らかである。
【0033】合金番号22はTi−Bの量が本発明の範
囲よりも少ないものであるが、伸びの値が不十分であっ
た。さらに従来の合金番号31〜33についても焼付硬
化性及び成形性の両方とも劣っていることが確認され
た。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】 (実施例2)
【0038】次に、表1に示した合金のうち、合金番号
2の組成を有する鋳塊を使用し、表5に示す製造条件で
合金板材を製造した。なお、表5に特に記載されていな
い処理については実施例1の条件を採用した(圧延条件
等)。なお、表3中記号A〜Eは本発明に係る製造方法
の範囲内の実施例であり、記号F〜Mはその範囲から外
れる比較例である。このようにして製造した板材につい
て実施例1と同様の評価試験を行った。その結果も表5
に併記する。表5から明らかなように、本発明の条件を
満足しない比較例は伸び及び成形性、あるいは焼付硬化
性が不十分であることが確認された。
【0039】例えば、比較例のF,G,Lのように中間
焼鈍温度あるいは熱処理温度が本発明の範囲から外れる
と、成形性、焼付硬化性に劣り、比較例Kのように溶体
化焼き入れ条件の冷却速度が小さいと、焼付硬化性に劣
ることが確認された。また比較例Mは溶体化焼入の加熱
保持温度が低く、平均粒径が20μm未満でかつ平均ア
スペクト比が0.7未満であり、伸びも低いため成形性
に劣り、表面性状も肌荒れのため悪く、さらに十分な焼
付硬化が得られないことが確認された。溶体化焼入れの
加熱保持温度が高い比較例Iは、共晶融解等を生じて強
度が低下し、また、溶体化焼入れの加熱保持時間が長い
比較例Jの場合には、異常粒成長を生じ、フロ−マ−ク
が現れ、成形性も劣っていることが確認された。溶体化
焼入れの加熱速度が小さい比較例Hの場合には、伸びが
低い傾向にあることが確認された。
【0040】
【表5】
【0041】
【発明の効果】この発明によれば、伸び、プレス成形
性、及び低温・短時間の塗装焼付の際の焼付硬化能が従
来のアルミニウム合金板よりも優れており、プレス成形
性と塗装焼付後の耐デント性が要求される自動車ボディ
−シ−ト用等として好適なアルミニウム合金板及びその
製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】結晶粒の平均アスペクト比とCCV特性との関
係を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉原 直武 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 三田尾 真司 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、Mgを0.4〜1.5%、S
    iを0.24〜1.6%、Cuを0.12〜1.5%、
    Znを1.0%以下、Tiを0.005〜0.15%、
    Feを0.25%以下の範囲で含有し、かつSi及びM
    gがSi≧0.6Mg(%)の関係を満たし、残部がA
    l及び不可避的不純物からなり、結晶粒における圧延方
    向の軸長をL、Lに対して垂直の板厚方向の軸長をHと
    した場合に、その平均アスペクト比H/Lが0.7以上
    であり、かつ平均粒径が20μm以上であることを特徴
    とする焼付硬化性及びプレス成形性に優れたアルミニウ
    ム合金板。
  2. 【請求項2】 重量%で、0.15%以下のMn、0.
    1%以下のCr、0.1%以下のZr、0.1%以下の
    V、及び0.0002〜0.05%のBのうち1種又は
    2種以上をさらに含んでいることを特徴とする請求項1
    に記載の焼付硬化性及びプレス成形性に優れたアルミニ
    ウム合金板。
  3. 【請求項3】 重量%で、Mgを0.4〜1.5%、S
    iを0.24〜1.6%、Cuを0.12〜1.5%、
    Znを1.0%以下、Tiを0.005〜0.15%、
    Feを0.25%以下の範囲で含有し、かつSi及びM
    gがSi≧0.6Mg(%)の関係を満たし、残部がA
    l及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金の鋳塊
    に対し、450〜580℃の範囲内の温度で1段又は多
    段の均質化処理を施した後、この鋳塊を熱間圧延及び冷
    間圧延することにより所望の板厚とし、次いで480〜
    580℃の範囲内の温度まで3℃/秒以上の加熱速度で
    加熱してその温度で0〜120秒間保持し、その後10
    0℃まで2℃/秒以上の冷却速度で冷却することを特徴
    とする焼付硬化性及びプレス成形性に優れたアルミニウ
    ム合金板の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記アルミニウム合金の鋳塊は、重量%
    で、0.15%以下のMn、0.1%以下のCr、0.
    1%以下のZr、0.1%以下のV、及び0.0002
    〜0.05%のBのうち1種又は2種以上をさらに含ん
    でいることを特徴とする請求項3に記載の焼付硬化性及
    びプレス成形性に優れたアルミニウム合金板の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 熱間圧延と冷間圧延との間、又は冷間圧
    延と冷間圧延との間、又はその両方で、320〜580
    ℃の範囲内の温度における中間焼鈍処理を1回又は2回
    以上実施することを特徴とする請求項3又は4に記載の
    焼付硬化性及びプレス成形性に優れたアルミニウム合金
    板の製造方法。
JP20581891A 1991-08-16 1991-08-16 焼付硬化性及びプレス成形性に優れたアルミニウム合金板及びその製造方法 Pending JPH0543974A (ja)

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