JPH0544402B2 - - Google Patents

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JPH0544402B2
JPH0544402B2 JP63221871A JP22187188A JPH0544402B2 JP H0544402 B2 JPH0544402 B2 JP H0544402B2 JP 63221871 A JP63221871 A JP 63221871A JP 22187188 A JP22187188 A JP 22187188A JP H0544402 B2 JPH0544402 B2 JP H0544402B2
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aln
powder
aln powder
polyamide resin
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Junko Ito
Hiroyuki Myamoto
Hiroshi Ishii
Kenji Izumi
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Inax Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明は表面被覆された窒化アルミニウム
(AlN)粉体及びその製造方法に係り、特にAlN
粉体の水分や酸素に対する安定性を改善するため
に、その表面に被膜を形成したAlN粉体及びそ
の製造方法に関する。 [従来の技術] AlN粉体は、大気中で熱力学的に極めて不安
定であり、特にその微粉体は容易に酸素や水分と
反応する。例えば、AlN粉体は、30℃、80%相
対湿度雰囲気下で40日程度保持すると、以下に示
す反応によりBayerite、Boehmite等の水酸化ア
ルミニウム(Al(OH)3)へと変化してしまう。 AlN+3H2O→Al(OH)3+NH3 このため、AlN粉体を保存する場合には、乾
燥後、容器に完全密封するか、N2又はNH3ガス
雰囲気下で保管する必要があり、管理が困難であ
る。仮に貯蔵時にAl(OH)3等への分解が実質的
に防止できたとしても、焼結体製造時の焼成前の
諸工程において分解不純物が発生することは避け
られない。即ち、水を媒質としてAlN粉体のス
ラリーを調製すると、AlNに一部生成したAl
(OH)3が混入するため、このようなスラリーを
成形、焼結した場合、焼成中にAl(OH)3がα−
アルミナ(Al2O3)に変化し、得られる焼結体中
のAl2O3が増加する。このため、熱伝導率等の焼
結体の特性を著しく損なう結果となる。このよう
なことから、従来においては、水系スラリーとす
ることができず、有機溶媒及び成形用バインダー
を用いて成形しているため、処理コストが高くつ
くという欠点があつた。 そこで、AlN粉体の安定化のために、粉体表
面に被覆膜を形成する提案がなされており、最近
では、AlN粉体表面に疎水性被膜を形成した後、
親水性被膜を形成したもの、具体的には第1次の
表面処理としてAlN粉体の表面を、無機、有機
の表面処理剤で覆い、水との反応性を抑制した
後、第2次の表面処理として、この第1次処理粉
体を、水を媒質とした界面活性剤中で処理し、水
に対する分散性を向上させたAlN粉体が提案さ
れている(特開昭62−207770号)。 [発明が解決しようとする課題] しかしながら、特開昭62−207770号に開示され
るAlN粉体では 被膜の耐熱性が乏しい(200℃に耐えること
ができない)。 被膜の機械的強度、耐薬品性、耐久性が十分
でない。 、より、ミルやスプレードライヤを用い
てミリングする場合等に被膜が破損してAlN
の水和が起こり易い。 本発明は上記従来の問題点を解決し、AlN粉
体に、耐熱性に優れ機械的強度が高く、著しく耐
久性に優れた、耐水保護被膜を形成し、AlN粉
体の水系での処理、成形を可能とし、もつて高特
性AlN焼結体を低コストで製造することができ
る、表面被覆されたAlN粉体及びその製造方法
を提供することを目的とする。 [課題を解決するための手段] 請求項1の表面被覆されたAlN粉体は、粒子
表面ポリアミド樹脂で被覆されたことを特徴とす
る。 請求項2のAlN粉体の製造方法は、請求項1
のAlN粉体を製造するにあたり、疎水処理され
たAlN粉体の粒子表面に界面重合法によりポリ
アミド樹脂被膜を生成させることを特徴とする。 請求項3のAlN粉体の製造方法は、請求項2
の方法を実施するにあたり、カツプリング剤によ
り疎水処理されたAlN粉体を二塩基酸又はその
誘導体の溶液に分散させた後、このAlN粉体分
散液にジアミン類又はジアミン誘導体を添加し
て、AlN粉体の粒子表面で重合反応させること
によりポリアミド樹脂被膜を生成させることを特
徴とする。 以下に本発明を図面を参照して詳細に説明す
る。 第1図及び第2図は本発明のAlN粉体の一例
を示す模式的断面図である。図示の如く、本発明
の表面被覆されたAlN粉体は、AlN粉体粒子2
の表面に好ましくはカツプリング剤層3等の疎水
処理剤層を介してポリアミド樹脂被膜4が形成さ
れたものであり、製造条件等により、カツプリン
グ剤層3に直接ポリアミド樹脂被膜4が形成され
たAlN粉体1B(第2図)あるいは、カツプリン
グ剤層3との間に、被膜形成時の残留モノマー及
び有機溶媒5を包含してポリアミド樹脂被膜4が
形成されたAlN粉体1A(第1図)などがある。 本発明において、AlN粉体粒子の直径や形成
される被膜の厚さ等には特に制限はないが、一般
には直径0.1〜10μm程度、特に0.5〜3μm程度の
AlN粉体粒子に、約1013〜1015個/cm2程度のカツ
プリング剤層及び厚さ0.01〜0.2μm、特に0.02〜
0.1μm程度のポリアミド樹脂被膜を形成したもの
が好適である。 なお、本発明において、カツプリング剤層等を
形成せずに、即ち、AlN粉体をカツプリング剤
等により疎水性処理を施すことなく、ポリアミド
樹脂被膜を形成したものとしても良い。しかしな
がら、AlN粉体の表面は親水性であるため、後
述の如くポリアミド樹脂被膜を界面重合法により
製造するに際し、AlN粉体の混合溶媒に対する
濡れ性が悪く、AlN粉対の分散性が悪いことか
ら、形成される被膜も不均一なものとなり易い。
従つて、本発明のAlN粉体は、カツプリング剤
等の疎水性層を介してポリアミド樹脂被膜を形成
したものであることが好ましい。 次に、請求項2の表面被覆されたAlN粉体の
製造方法について説明する。 請求項2の方法においては、まずAlN粉体を
疎水処理する。疎水処理を行なうには原料AlN
粉体の適当量を採取し、これにアセトン等の非水
溶媒を加えて混練した後、カツプリング剤等の疎
水処理剤を加え、混練、乾燥し、必要に応じて粉
砕する。この場合、AlN粉体に対する溶媒の使
用量はAlN100gに対して100〜200ml程度、ま
た、AlN粉体に対するカツプリング剤の使用量
はAlN粉体100gに対して1.0〜2.0ml程度とする
のが好ましい。なお、本発明において、カツプリ
ング剤としては具体的には、KBM1003(信越化
学工業(株)製、ビニルトリメトキシシラン)、
KR44(味の素(株)製、イソプロピルトリ(N−ア
ミノエチル−アミノエチル)チタネート)、AL−
M(味の素(株)製、アセトアルコキシアルミニウム
ジイソプロピレート)等を用いることができる。 このようにしてAlN粉体の疎水性処理を施し
た後は、AlN粉体粒子表面に界面重合法により
ポリアミド樹脂被膜を生成させる。具体的には次
の〜に挙げる反応をAlN粉体粒子表面で起
こさせることにより、ポリアミド樹脂被膜を生成
させる。なお、本発明において、ポリアミド樹脂
被膜の形成方法は何ら〜の方法に限定される
ものではない。 ジアミン類又はジアミン誘導体と二塩基酸又
は二塩基酸誘導体の重縮合反応 ジニトリル又はジアミドとホルムアミドとの
反応 ジイソシアナートと二塩基酸との重付加反応 アミノ酸又はその誘導体の自己縮合 ラクタムの開環重合 次に上記〜の方法のうち、の方法、即ち
請求項3の方法について説明する。 請求項3の方法においては、疎水処理した
AlN粉体を二塩基酸又はその誘導体の溶液に分
散させた後、このAlN粉体分散液にジアミン類
又はジアミン誘導体を添加して、AlN粉体の粒
子表面で重合反応させる。 具体的には次のような方法で行なう。 まず、1,8−オクタンジカルボニルクロリド
等の二塩基酸又はその誘導体を、シクロヘキサ
ン/クロロホルム=3:1の混合溶媒等の有機溶
媒に、0.2mol/程度溶解する(溶液)。別
に、1,6−ジアミノヘキサン等のジアミン類又
はその誘導体を水(蒸留水)に0.04mol/程度
溶解する(溶液)。疎水処理したAlN粉体を溶
液に加えて撹拌し十分に分散させる(分散液
)。AlN粉体の添加量は溶液10mlに対して10
〜20g程度とするのが好ましい。次に、この分散
液に、界面活性剤の水溶液(2〜10体積%程
度)を加えて乳化させる。この場合、界面活性剤
溶液の量は乳化が起こる程度で良く、その添加量
を適宜調整することにより乳化液を調製する(乳
化液)。一般には、界面活性剤の量がAlN粉体
15gに対して2〜4ml程度となるように界面活性
剤溶液を添加する。 次に乳化液を撹拌しながら、これに前記溶液
を加えて重合反応を起こさせる。この場合、溶
液は、乳化液中の、1,8−オクタンジカル
ボニルクロリド等の二塩基酸又はその誘導体と重
合反応を起こすに十分な量の1,6−ジアミノヘ
キサン等のジアミン類又はその誘導体が添加され
るようにその添加量を適宜調製する。 このようにして界面重合法によりAlN粉体粒
子の表面にポリアミド樹脂被膜を形成させた後、
シクロヘキサン/クロロホルム=3:1(体積比)
からなる混合溶媒等の有機溶媒を加えて反応終了
させる。 なお、上記界面重合法において、二塩基酸又は
その誘導体としては、1,8−オクタジカルボニ
ルクロリドの他、1,4−ブタンジカルボン酸、
1,7−ヘプタンジカルボン酸、1,5−ペンタ
ンジカルボン酸、1,6−ヘキサンジカルボン酸
及びその塩化物等を用いることができる。 また、ジアミン類又はジアミン誘導体としては
1,6−ジアミノヘキサンの他、1,7−ジアミ
ノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9
−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、エ
チレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラ
メチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン及び
その誘導体等を用いることができる。 [作用] ポリアミド樹脂によれば耐水性、耐熱性に優
れ、しかも機械的強度も著しく高い被膜が形成さ
れる。 特に、請求項2の方法によりとりわけ請求項3
の方法により、疎水処理したAlN粉体表面に界
面重合法によりポリアミド樹脂被膜を形成するこ
とにより、被膜の密着性が良く、しかもその膜厚
も薄く均一で、粒子が小さくほぼ単粒子毎の被覆
がなされた高特性AlN粉体が得られる。 [実施例] 以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより
具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えな
い限り、以下の実施例に限定されるものではな
い。 なお、以下の実施例及び比較例において、用い
た試薬は下記の通りである。 使用試薬 1,8−オクタンジカルボニルクロリド:塩
化セバコイル(和光純薬(株)製) ClCO(CH28COCl=239.1 1,6−ジアミノヘキサン(ヘキサメチレン
ジアミン)(和光純薬(株)製) NH2(CH26NH2=116.21 クロロホルム(和光純薬(株)製) CHCl3=119 シクロヘキサン(和光純薬(株)製) C6H12=84.2 界面活性剤 エマルゲンA−60((株)花王製) (ポリオキシエチレン誘導体、HLB=12.8) カツプリング剤 KBM1003(信越化学工業(株)製) CH2CHSi(OCH33=148.2 また、原料のAlN粉体としては、次の又は
を、焼結助剤としては次のを用いた。 TOYALNITE、F (東洋アルミニウム(株)製) 高純度窒化アルミニウム、F (徳山ソーダ(株)製) Y2O3 (信越化学工業(株)製) 実施例1、比較例1 AlN粉体の疎水処理 AlN粉体(徳山ソーダ(株)製、高純度窒化アル
ミニウム、F)25gにアセトン50mlを加え、ガラ
ス乳鉢にて混練した後、カツプリング剤0.25ml
(1.0%(体積−溶媒/重量−AlN))を添加し、
更に5分間混練し、次いで10分間乾燥後粉砕し
た。 ポリアミド被膜の形成 塩化セバコイル25gをシクロヘキサン/クロロ
ホルム=3:1(体積比)の混合溶媒500mlに溶解
して、0.2Mの溶液を調製した(溶液)。 別に、1,6−ジアミノヘキサン2.32gを蒸留
水500mlに溶解して、0.04Mの溶液を調製した
(溶液)。上述の方法で疎水処理したAlN粉体
(実施例1)及び疎水処理をしていないAlN粉体
(比較例1)15gをそれぞれ溶液に加えて良く
撹拌し、十分に分散させた(分散液)。次にこ
の分散液を、界面活性剤1.0mlを蒸留水50mlに
加えて激しく撹拌して得られた液に加えて乳化さ
せた(乳化液)。次いで、この乳化液を撹拌
しながら、これに前記溶液を加えて重合反応を
生起させ、AlN粉体表面にポリアミド樹脂の被
膜を形成させた。最後に、前記混合溶媒を加えて
反応を終了させた。 ポリアミド樹脂被膜の確認 実施例1及び比較例1で得られたスラリーか
ら、それぞれ粉体粒子を取り出し、光学顕微鏡に
て被膜形成の様子を調べた。各々の光学顕微鏡写
真を第3図a〜c(実施例1)及び第4図a〜c
(比較例1)に示す。 第3図a〜cより、実施例1で得られたもの
は、原料のAlN粉体が疎水処理により溶媒との
馴染み(濡れ性)が向上され分散性が高められて
いることから、形成された被膜は膜厚が薄く均一
で、しかも粒子の粒径も小さく、ほぼ単粒子毎に
被膜形成がなされていることが確認された。 一方、第4図a〜cより、比較例1で得られた
ものは、原料のAlN粉体が親水性で溶媒との馴
染みが悪く、分散性が低いことから、形成された
被膜も不均一で、また粒子の粒径の大きいものが
存在し、粒子集合体に被膜が形成されているもの
があることが確認された。 各種性能試験 80℃、24時間大気中乾燥 実施例1で得られたスラリーを少量ビーカー
に採り、80℃で24時間エアバス中にて乾燥し、
Al(OH)3の生成状況をX線回折(CuKα、以下
同様。)により調べた。 また、未処理のAlN粉体の水溶液について
も同様の処理を施し、AlN(OH)3の生成状況
をX線回折により調べた。 結果を第5図に示す。 この結果から明らかなように、未処理AlN
ではAl(OH)3(Bayerite=BY)が生成してい
るのに対し、実施例1で得られた表面被覆
AlNにはAl(OH)3のピークは全く検出されな
かつた。 200℃急熱乾燥 実施例1で得られたスラリーをそのまま200
℃に加熱したホツトプレート上で急激に乾燥さ
せ、Al(OH)3の生成状況をX線回折により調
べた。 また、未処理のAlN粉体の水溶液について
も同様の処理を施し、Al(OH)3の生成状況を
X線回折により調べた。 結果を第6図に示す。 この結果から明らかなように、未処理AlN
ではAl(OH)3(Bayerite=BY、Boehmite=
BO)が生成しているのに対し、実施例1で得
られた表面被覆AlNにはAl(OH)3のピークは
全く検出されなかつた。 ミリング処理 実施例1で得られた表面被覆AlN粉体を200
℃で急熱乾燥させた後、アルミナポツト(粉
体:50g、水:50g、5mmφの玉石:150g)
にて24時間ミリングした後、上記と同様の
200℃急熱乾燥処理を行ない、Al(OH)3の生成
状況をX線回折により調べた。 また、未処理のAlN粉体についても同様の
処理を施し、Al(OH)3の生成状況をX線回折
により調べた。 結果を第7図に示す。 この結果から明らかなように、未処理AlN
ではAlNの全てがAl(OH)3(Bayerite=BY)
に変化してしまつているのに対し、実施例1で
得られた表面被覆AlNにはAl(OH)3のピーク
は全く検出されなかつた。 焼成 200℃乾燥程度では、結晶性の低い水酸化ア
ルミニウムのX線のピークは検出されないた
め、1850℃で焼成(窒素雰囲気中)し、コラン
ダムの生成状況からAl(OH)3の有無を調べて
みる。即ち、実施例1で得られたスラリーに前
記の200℃急熱乾燥処理を行なつた後、1850
℃で、N2雰囲気中にて焼成し、コランダムの
生成状況をX線回折により調べ、焼成前のもの
と比較した。 結果を第8図に示す。 第8図により次のことが明らかである。焼成
後のAlNは結晶性が良くなつたためにAlNの
ピークが大きくなり、また2θ=25(deg.)以下
のブロードなピーク(ポリアミドと推定され
る。)が消失している。焼成前のAlNに非晶質
Al(OH)3が存在するならば、焼成後のAlNに
α−Al2O3のピークが現れるはずであるが、焼
成後のAlNにはコランダム、水酸化アルミニ
ウムのピークは共に検出されなかつた。従つ
て、焼成前のAlNの2θ=25(deg.)以下のブロ
ードのピークの中には非晶質Al(OH)3のピー
クは含まれておらず、Al(OH)3は存在しない
ことが明らかである。 比較例 2 (特開昭62−207770号) 実施例1において疎水処理して得られたAlN
粉体を特開昭62−207770号記載の方法に従つてオ
レイン酸ナトリウムで処理した。 得られたAlN粉体を、アルミナポツト(粉
体:50g、水:50g、5mmφの玉石:150g)で
72時間ミリング処理した後、実施例1のと同様
の200℃急熱乾燥処理を行ない、Al(OH)3の生成
状況をX線回折により調べた。 また、実施例1で得られた表面被覆AlN粉体
についても同様の処理を行ない、Al(OH)3の生
成状況をX線回折により調べた。 結果を第9図に示す。 第9図より、比較例2のAlN粉体は機械的強
度が低く、ミリング処理により改質被膜が破壊す
るため、AlNが全てAl(OH)3(Bayerite=BY、
Gibbsite=GI)に変わつていることが認められ
る。これに対し、実施例1で得られた表面被覆
AlNではAl(OH)3は生成しておらず、本発明の
AlNは機械的強度に優れ、耐久性が著しく高い。 実施例 2 TOYALNITE、Fに焼結助剤としてY2O3を5
重量%加え、アセトン中、72時間ボールミル(ア
ルミナポツト)で混合した後200℃で急熱乾燥し
た。 得られたAlN−Y2O3粉体を原料として、実施
例1と同様の方法で疎水処理及びポリアミド被膜
の形成を行なつた。 得られた表面被覆AlN粉体を、耐水性の評価
のために水中にて1時間撹拌した後、200℃で急
熱乾燥した。次いで、粉体を10mmφの成形型を用
いてプレス成形し、窒素雰囲気中、1850℃で2時
間焼成した。 得られた焼結体について、真空理工社製「レー
ザーフラツシユ熱定数測定装置(TC−3000」を
用いて熱伝導率を測定した。 結果を第1表に示す。 実施例 3 AlN粉体として、徳山ソーダ(株)製高純度AlN、
Fを用いたこと以外は、実施例1と同様にして焼
結体を得、その熱伝導率を測定した。 結果を第1表に示す。 比較例 3 TOYALNITE、Fに焼結助剤としてY2O3を5
重量%加え、アセトン中、72時間ボールミル(ア
ルミナポツト)で混合した後200℃で急熱乾燥し
た。 得られたAlN−Y2O3粉体に成形用バインダー
を4重量%添加(ブタノール中)した後、実施例
1と同様にして成形、焼成を行ない、得られた焼
結体の熱伝導率を測定した。 結果を第1表に示す。 比較例 4 AlN粉体として、徳山ソーダ(株)製高純度AlN、
Fを用いたこと以外は、比較例3と同様にして焼
結体を得、その熱伝導率を測定した。 結果を第1表に示す。
【表】 第1表より明らかなように、実施例2、3の焼
結体は原料粉体に水中での処理を施しているにも
かかわらず、水中での処理を行なつていない比較
例3、4の焼結体に比べ高い熱伝導率が得られて
いる。 比較例 5 次の原料を用い、下記の〜の手順に従つて
AlN粉体の表面改質を行なつた。なお、この方
法は前記特開昭62−207770号の方法である。 [原料] AlN粉体 高純度窒化アルミニウムTYF(徳山ソ
ーダ)平均粒径1.8μm 焼結助剤 Y2O3(信越化学工業) カツプリング剤 KBM 1003(信越化学工業) オレイン酸ナトリウム C17H33COONa 成型用バインダー 信越ポバール(信越化学工
業) [手順] ナイロンポツトに、AlN粉体190g、Y2O3
体9.5g、ブタノール380ml、カツプリング剤
1.9mlを投入し、ユニバーサルミル台にて1日
混合する。 該スラリーをドラフト内にてホツトプレート
を用いて乾燥する。(設定温度200℃) 処理粉体をアルミナポツトに移しオレイン酸
ナトリウム(10wt%)水溶液を処理粉100gに
対して固形分で10gになるように添加し、20分
程度撹はんする。 と同じ手順で乾燥処理を行う。 このようにして表面改質された比較例5の
AlN粉体と、実施例1で得られたAlN粉体及び
未処理のAlN粉体(この比較例5で用いた徳山
ソーダTYF)について、赤外線吸収スペクトル、
各種溶媒に対する分散嗜好性、及び焼結体の特性
の測定を行なつた。なお、乾燥した各粉体及びそ
れらの焼結体(1850℃×2Hr、N2雰囲気)の電
子顕微鏡(SEM)写真の撮影も行なつた。 (イ) 各粉体のSEM写真は第10図a〜cに示す
通りである。なお、実施例1の粉体はポリアミ
ドにより結合されて2次粒子となつているが、
ミリングにより容易に1次粒子になる。 (ロ) 分散嗜好性の測定結果は次の第2表の通りで
ある。
【表】 (ハ) 赤外線吸収スペクトルの測定結果は第10図
に示す通りである(KBr錠剤法)。 (ニ) 焼結体のSEM写真(図示略)より、実施例
1は未処理粉体とほぼ同等の緻密な焼結体とな
つているが、比較例5は粒成長が著しいことが
認められた。なお、未処理粉体は非水溶媒(ブ
タノール)を用いて成形したが、実施例1及び
比較例5は水を用いて成形した。このように、
実施例1は水を用いても水分反応を生起させる
ことなく緻密に焼結できる。 (ホ) 焼結体の特性は次の第3表の通りである。
【表】 第3表の通り、実施例1の粉体の焼結体は未処
理粉体の焼結体と共に、比較例5の粉体の焼結体
よりも相当に高い熱伝導率を有している。 [発明の効果] 以上詳述した通り、本発明の表面被覆された
AlN粉体の表面被膜は耐水性に優れるだけでな
く、耐熱性、機械的強度にも著しく優れる。この
ため、AlN粉体粒子を十分に保護することがで
きるので、AlN粉体の水系での処理、成形が可
能となり、しかも加熱処理やミリング処理等にも
高い耐久性を示す。 従つて、本発明の表面被覆されたAlN粉末に
よれば、水系処理、加熱処理、ミリング処理等の
処理工程において保護被膜が破壊されることがな
いため、これらの処理工程でAlN粉体がAl
(OH)3に変化するのが防止され、Al2O3の生成の
ない、熱伝導率が高く、諸特性に優れたAlN焼
結体を得ることが可能とされる。 しかして、このような本発明の表面被覆された
AlN粉体は、請求項2の方法により、特に請求
項3の方法により効率的に製造することができ、
高特性ポリアミド樹脂被膜を高い密着性にて
AlN粉体粒子表面に形成することが可能とされ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は本発明の表面被覆された
AlN粉体の一例を示す模式的な断面図である。
第3図a〜c及び第4図a〜cは各々実施例1及
び比較例1で得られたAlN粉体の粒子構造を示
す光学顕微鏡写真である。第5図、第6図、第7
図及び第8図は各々実施例1における測定結果を
示すX線回折線図である。第9図は比較例2の
AlN粉体と実施例1のAlN粉体との特性を比較
するX線回折線図である。第10図はAlN粉体
の乾燥状態における粒子構造を示す電子顕微鏡写
真である。第11図はAlN粉体の赤外線吸収ス
ペクトルである。 1A,1B……表面被覆されたAlN粉体、2
……AlN粉体粒子、3……カツプリング剤層、
4……ポリアミド樹脂被膜。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 粒子表面がポリアミド樹脂で被覆された
    AlN粉体。 2 疎水処理されたAlN粉体の粒子表面に界面
    重合法によりポリアミド樹脂被膜を生成させるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の
    AlN粉体の製造方法。 3 カツプリング剤により疎水処理されたAlN
    粉体を二塩基酸又はその誘導体の溶液に分散され
    た後、このAlN粉体分散液にジアミン又はジア
    ミン誘導体を添加して、AlN粉体の粒子表面で
    重合反応させることによりポリアミド樹脂被膜を
    生成させることを特徴とする特許請求の範囲第2
    項に記載のAlN粉体の製造方法。
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