JPH0544762B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPH0544762B2 JPH0544762B2 JP61089649A JP8964986A JPH0544762B2 JP H0544762 B2 JPH0544762 B2 JP H0544762B2 JP 61089649 A JP61089649 A JP 61089649A JP 8964986 A JP8964986 A JP 8964986A JP H0544762 B2 JPH0544762 B2 JP H0544762B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- dielectric constant
- composition
- dielectric
- insulation resistance
- temperature
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
- Inorganic Insulating Materials (AREA)
Description
〔発明の技術分野〕
本発明は高誘電率磁器組成物に係り、特にPb
(Zn1/3Nb2/3)O3を主体とした誘電率温度係数
(T.C.C)が小さく信頼性に優れた高誘電率磁器
組成物に関する。 〔発明の技術的背景とその問題点〕 従来、誘電率が3000を越えるような高誘電率磁
器材料としては、チタン酸バリウム(BaTiO3)
系材料が主体として用いられている。今日ではこ
の材料をもちいて、誘電体厚み20〜30μm、積層
数20〜80側の積層セラミツクコンデンサ(MLC)
が実用化されている。しかしながら、この材料を
もちいて積層セラミツクコンデンサを作成した場
合には種々の問題点が現れてきている。誘電体厚
みの薄層化に伴い、誘電体厚みあたりに対する電
圧が増加し誘電体のDCバイアス依存性、すなわ
ち定格電圧が印加された時の実効容量の大幅な低
下がそのひとつである。例えば定格25V、1.0μF
のF特性MLOにおいては誘電率を10000、誘電体
厚みを25μmとすると定格電圧の印加時には約70
%の容量の低下があら得られる容量は0.3μFにす
ぎない。更に誘電率温度係数(T.C.C)を考慮す
ると定格電圧の印加時に最低でも1.0μFの容量を
必要とする回路では3.3μF以上のMLCを使用しな
くてはならないことになる。 また誘電体厚みの薄層化においてはその大きな
結晶粒子径が問題となる。通常の固相反応による
BaTiO3の結晶粒子系は4〜10μmである。大容
量化をはかるため誘電体厚みを20μm以下にする
と層間の粒子数が少なくなり耐電圧の低下の原因
となる。さらに、チタン酸バリウム系材料の焼成
温度は1300〜1400℃と高温であり同時焼成される
内部電極材料は必然性にパラジウムPdや白金Pt
などの高温で酸化されない高価な貴金属材料を用
いなければならず、コスト高の原因となる。この
チタン酸バリウム系材料の問題点を解決すべく鉛
を含む複合ペロブスカイト化合物の研究が広く行
なわれている。例えば、鉄ニオブ酸鉛Pb(Fe1/2
Nb1/2)O3を主体としたもの(特開昭57−57204
号)、マグネシウムニオブ酸鉛Pb(Mg1/3Nb2/3)
O3を主体としたもの(特開昭55−5758号)マグ
ネシウムタングステン酸鉛Pb(Mg1/2W1/2)O3を
主体としたもの(特開昭52−21699号)等が知ら
れている。鉄ニオブ酸鉛を主体としたものは結晶
粒子径及び絶縁抵抗の焼成温度による変化が大き
く、85℃以上における絶縁抵抗の低下が大きく高
温での信頼性に問題があるマグネシウムニオブ酸
鉛は主体としたものは焼成温度が比較的に高く、
ペロブスカイト単一相を得にくいという問題点が
ある。またマグネシウムタングステン酸鉛を主体
としたものは絶縁抵抗が大きいと誘電率が小さく
誘電率が大きいと絶縁抵抗が小さいという問題点
があつた。更にこれ等の材料を用いて作成した積
層セラミツクコンデンサの耐湿負荷テストの結果
はチタン酸バリウムを用いたものと比較すると不
十分であつた。 〔発明の目的〕 本発明は以上の点を考慮してなされたもので誘
電率が大きく、かつその温度係数が小さく1100℃
以下の低温で焼成でき、積層セラミツクコンデン
サとしたときの耐湿負荷テストに優れた高誘電率
磁器組成物を提供することを目的とする。 〔発明の概要〕 本発明は、一般式 xPb(Zn1/3Nb2/3)O3−yPb(Mg1/3Nb2/3)O3−
zPbTiO3で表したとき、それぞれの成分を頂点
とする三元図の a (x=0.50、y=0.00、z=0.50) b (x=1.00、y=0.00、z=0.00) c (x=0.20、y=0.80、z=0.00) d (x=0.05、y=0.90、z=0.05) で示される各点を結ぶ線内の組成のPbの一部を
1〜35mol%のBa及びSrの少なくとも一種で置
換したことを特徴とした高誘電率磁器組成物に対
して重量比で0.01〜1.0重亮量%の酸化銀Ag2O、
酸化パラジウムPdO及び酸化白銀PtOの少なくと
も一種を含むことを特徴とした高誘電率磁器組成
物である。従来から誘電体材料として各種の複合
ペロブスカイト化合物が検討されているが、亜鉛
ニオブ酸鉛は磁器としてはペロブスカイト構造を
取りにくく、誘電体材料としては適さないと考え
られていた(NEC Research &
Development No.29 April 1973 p.15〜21参照)。
本発明者等の研究によれば亜鉛ニオブ酸鉛の鉛の
一部をバリウム又はストロンチウムで適量置換す
ることにより磁器で安定なペロブスカイト構造を
形成できることが分かつた。更にこのような磁器
組成物は、非常に高い誘電率及び絶縁抵抗を示
し、かつ、その温度特性も極めて良好であること
がわかつた。更に研究を進めた結果、この亜鉛ニ
オブ酸鉛にマグネシウムニオブ酸鉛及びチタン酸
鉛とを組合せることにより、更に高い誘電率と絶
縁抵抗を合せ持つ高誘電率磁器組成物が得られる
ことを見出したのである。この材料に重量比で
0.01〜1.0重量%の酸化銀Ag2O、酸化パラジウム
PdO及び酸化白金PtOの少なくとも一種を含むこ
とにより積層セラミツクコンデンサの耐湿負荷テ
ストの結果を大幅に向上できることを見出した。 以下に本発明の組成物の組成範囲について説明
する。Me=Ba,Srは上記した一般式のペロブス
カイト構造を形成するための必要な元素であり、
1mol%以下だと、パイロクロア構造が混在し高
い誘電了率及び高い絶縁抵抗を示さない。35mol
%以上では誘電率が1000程度以下と小さくなつて
しまつたり、焼成温度が1100℃以上と高くなつた
りしてしまう。よつて、Me成分の置換量は、
(Pb1-aMea)と表したとき0.01≦a≦0.35とする。 誘電体材料においては常温における容量を高く
するため、誘電率が最大になるキユリー温度が常
温付近(0〜30℃)にくるようにする。本発明の
Me成分は上述したようにペロブスカイト構造を
形成するための必須成分であるが、また、本発明
磁器組成物のキユリー温度を下げるシフターの働
きがある。さらに、絶縁抵抗を著しく増加させ、
機械的強度も向上させる。 Me成分によるPbの置換量はキユリー温度等を
考慮して適当に選定することが可能であるが、亜
鉛ニオブ酸鉛及びチタン酸鉛の多い領域(x>
0.5、z>0)では10mol%以上が好ましく、マ
グネシウムニオブ酸鉛の多い領域(y>0.6、z
<0.05)では1mol%以上で充分その置換の効果
を発揮する。 第1図に本発明磁器組成物の組成範囲を示す。
線分adの外側では焼成温度が1100℃以上と高く
なつてしまい、また絶縁抵抗も低下し高い信頼性
を得ることができない。 また線分cdの外側ではキユリー温度がもとも
と常温付近にあるため、Me成分による置換でキ
ユリー温度が大幅に低温側に移動して、常温にお
ける誘電率が大幅に低下してしまう。また、添加
物である酸化銀Ag2O、酸化パラジジウムPdO及
び酸化白金PtOの少なくとも一種を0.01重量%か
ら1重量%としたのは0.01重量%未満では積層セ
ラミツクコンデンサとしたときの耐湿負荷テスト
の結果を大幅に向上できる効果がほとんど期待で
きず1重量%以上では誘電率が大幅に低下するた
めである。 つぎに、本発明の組成物の製造方法について説
明する。出発原料としてPb,Ba,Sr,Zn,Nb,
Ti,Mg,Pd,Ptの酸化物もしくは焼成により酸
化物になる炭酸塩、しゆう酸塩等の塩類、水酸化
物、有機化合物などを所定の割合で秤量し、充分
混合した後に仮焼する。この仮焼は700〜850℃程
度で行う。余り仮焼温が低いと焼結密度が低下
し、また、あまり高いとやはり焼結密度が低下
し、絶縁抵抗が低下する。 つぎに仮焼物を粉砕し原料粉末を製造する。平
均粒径は0.5〜2μm程度が好ましく、あまり大き
いと焼結密度が低下し、小さいと成型性が低下す
る。このような原料粉末を用い所望の形状に成型
した後、焼成することにより、高誘電率磁器を得
る。本発明の組成物を用いることにより焼成は
1100℃以下、950〜1080℃程度と比較的低温で行
うことができる。 積層タイプの素子を製造する場合は、前述の原
料粉末にバインダー、溶剤等を加えスラリー化し
て、グリーンシートを形成し、このグリーンシー
ト上に内部電極を印刷した後、所定の枚数を積
層、圧着し焼成することにより製造する。このと
き、本発明の誘電体材料は低温で焼成できるた
め、内部電極材料として例えば銀主体の安価で抵
抗率の低い材料を用いることができる。 また、このように低温で焼成が可能であること
から、回路基板上等に印刷・焼成する厚膜誘電体
ペーストの材料としても有効である。 このような本発明磁器組成物は、従来まで鉛ペ
ロブスカイト複合化合物の欠点であつた積層セラ
ミツクコンデンサとしたときの耐湿負荷テストに
優れ、高い絶縁抵抗、低い誘電損失、DCバイア
ス特性が良好である。またCR値も大きく、特に
高温でも充分な値を有し、高温での信頼性に優れ
ている。 T.C.Cの小さいことは本発明の大きな特徴であ
り、これは、K≧10000のごとくの大きな誘電率
の場合、特に顕著である。このように誘電率の大
きい場合には、(誘電率)/(温度変化率の絶対
値)の大きいことが要求される。本発明ではこの
点に関しても非常に優れている。 さらに、誘電率バイアス電界依存性も従来のチ
タン酸鉛系の材料と比較して優れており、誘電率
の変化率が4kV/mmでも10%以下程度の材料を得
ることもできる。したがつて、高圧用の材料とし
て有効である。また誘電損失が小さく、交流用、
高周波用としても有効である。 さらに、前述のごとくT.C.C.が小さいため、電
歪素子へ応用した場合でも変位量の温度変化の小
さい素子を得ることができる。 さらに、焼成時のグレインサイズも1〜3μm
と均一化されるため耐圧性にも優れている。 以上電気的特性について述べたが、機械的強度
も充分に優れたものである。 〔発明の効果〕 以上説明したように本発明によれば、重量比で
0.01〜1.0重量%の酸化銀Ag2O、酸化パラジウム
PdO及び酸化白金PtOの少なくとも一種を含むこ
とにより積層セラミツクコンデンサとしたときの
耐湿負荷テストに優れ、高い絶縁抵抗、低い誘電
損失、優れたT.C.C.及びDCバイアス特性が良好
である高誘電率磁器組成物を得ることができる。
特に、このような各種特性に優れた磁器組成物は
低温焼成で得ることができるため、低コストの積
層セラミツクコンデンサ、積層型セラミツク変位
発生素子等の積層タイプセラミツク素子への応用
に適している。 〔発明の実施例〕 以下に本発明の実施例を説明する。 Pb,Ba,Sr,Zn,Nb,Ti,Mg,Ag,Pd,
Ptの酸化物などの出発原料をボールミルなどで
混合し、700〜850℃で仮焼する。ついでこの仮焼
体をボールミルなどで粉砕し乾燥の後、バインダ
ーを加え造粒し、プレスして直径17mm、厚さ約2
mmの円板状素体を形成した。混合、粉砕用のボー
ルは、不純純の混入を防止するため部分安定化ジ
ルコニアボール等の硬度が大きく、かつ靭性の高
いボールを用いることが好ましい。 この素体を空気中980〜1080℃、2時間の条件
で焼結し、両主面に銀電極を焼付け各特性を測定
した。誘電損失、容量は、1KHz、1Vrms、25℃
の条件でのデジタルLCRメータによる測定値で
り、この値から誘電率を算出した。また、絶縁抵
抗は、1000Vの電圧を2分間印加した後、絶縁抵
抗計を用いて測定した値から算出した。なお、
T.C.C.は、25℃の値を基準とし、−25℃、85℃、
での変化率で表した。容量抵抗積は、25℃および
125℃での(誘電率)×(絶縁抵抗)×(真空の誘電
率)から求めた。絶縁抵抗の測定は、空気中の湿
気の効果を除くためシリコーンオイル中で行つ
た。その結果を第1表に示す。
(Zn1/3Nb2/3)O3を主体とした誘電率温度係数
(T.C.C)が小さく信頼性に優れた高誘電率磁器
組成物に関する。 〔発明の技術的背景とその問題点〕 従来、誘電率が3000を越えるような高誘電率磁
器材料としては、チタン酸バリウム(BaTiO3)
系材料が主体として用いられている。今日ではこ
の材料をもちいて、誘電体厚み20〜30μm、積層
数20〜80側の積層セラミツクコンデンサ(MLC)
が実用化されている。しかしながら、この材料を
もちいて積層セラミツクコンデンサを作成した場
合には種々の問題点が現れてきている。誘電体厚
みの薄層化に伴い、誘電体厚みあたりに対する電
圧が増加し誘電体のDCバイアス依存性、すなわ
ち定格電圧が印加された時の実効容量の大幅な低
下がそのひとつである。例えば定格25V、1.0μF
のF特性MLOにおいては誘電率を10000、誘電体
厚みを25μmとすると定格電圧の印加時には約70
%の容量の低下があら得られる容量は0.3μFにす
ぎない。更に誘電率温度係数(T.C.C)を考慮す
ると定格電圧の印加時に最低でも1.0μFの容量を
必要とする回路では3.3μF以上のMLCを使用しな
くてはならないことになる。 また誘電体厚みの薄層化においてはその大きな
結晶粒子径が問題となる。通常の固相反応による
BaTiO3の結晶粒子系は4〜10μmである。大容
量化をはかるため誘電体厚みを20μm以下にする
と層間の粒子数が少なくなり耐電圧の低下の原因
となる。さらに、チタン酸バリウム系材料の焼成
温度は1300〜1400℃と高温であり同時焼成される
内部電極材料は必然性にパラジウムPdや白金Pt
などの高温で酸化されない高価な貴金属材料を用
いなければならず、コスト高の原因となる。この
チタン酸バリウム系材料の問題点を解決すべく鉛
を含む複合ペロブスカイト化合物の研究が広く行
なわれている。例えば、鉄ニオブ酸鉛Pb(Fe1/2
Nb1/2)O3を主体としたもの(特開昭57−57204
号)、マグネシウムニオブ酸鉛Pb(Mg1/3Nb2/3)
O3を主体としたもの(特開昭55−5758号)マグ
ネシウムタングステン酸鉛Pb(Mg1/2W1/2)O3を
主体としたもの(特開昭52−21699号)等が知ら
れている。鉄ニオブ酸鉛を主体としたものは結晶
粒子径及び絶縁抵抗の焼成温度による変化が大き
く、85℃以上における絶縁抵抗の低下が大きく高
温での信頼性に問題があるマグネシウムニオブ酸
鉛は主体としたものは焼成温度が比較的に高く、
ペロブスカイト単一相を得にくいという問題点が
ある。またマグネシウムタングステン酸鉛を主体
としたものは絶縁抵抗が大きいと誘電率が小さく
誘電率が大きいと絶縁抵抗が小さいという問題点
があつた。更にこれ等の材料を用いて作成した積
層セラミツクコンデンサの耐湿負荷テストの結果
はチタン酸バリウムを用いたものと比較すると不
十分であつた。 〔発明の目的〕 本発明は以上の点を考慮してなされたもので誘
電率が大きく、かつその温度係数が小さく1100℃
以下の低温で焼成でき、積層セラミツクコンデン
サとしたときの耐湿負荷テストに優れた高誘電率
磁器組成物を提供することを目的とする。 〔発明の概要〕 本発明は、一般式 xPb(Zn1/3Nb2/3)O3−yPb(Mg1/3Nb2/3)O3−
zPbTiO3で表したとき、それぞれの成分を頂点
とする三元図の a (x=0.50、y=0.00、z=0.50) b (x=1.00、y=0.00、z=0.00) c (x=0.20、y=0.80、z=0.00) d (x=0.05、y=0.90、z=0.05) で示される各点を結ぶ線内の組成のPbの一部を
1〜35mol%のBa及びSrの少なくとも一種で置
換したことを特徴とした高誘電率磁器組成物に対
して重量比で0.01〜1.0重亮量%の酸化銀Ag2O、
酸化パラジウムPdO及び酸化白銀PtOの少なくと
も一種を含むことを特徴とした高誘電率磁器組成
物である。従来から誘電体材料として各種の複合
ペロブスカイト化合物が検討されているが、亜鉛
ニオブ酸鉛は磁器としてはペロブスカイト構造を
取りにくく、誘電体材料としては適さないと考え
られていた(NEC Research &
Development No.29 April 1973 p.15〜21参照)。
本発明者等の研究によれば亜鉛ニオブ酸鉛の鉛の
一部をバリウム又はストロンチウムで適量置換す
ることにより磁器で安定なペロブスカイト構造を
形成できることが分かつた。更にこのような磁器
組成物は、非常に高い誘電率及び絶縁抵抗を示
し、かつ、その温度特性も極めて良好であること
がわかつた。更に研究を進めた結果、この亜鉛ニ
オブ酸鉛にマグネシウムニオブ酸鉛及びチタン酸
鉛とを組合せることにより、更に高い誘電率と絶
縁抵抗を合せ持つ高誘電率磁器組成物が得られる
ことを見出したのである。この材料に重量比で
0.01〜1.0重量%の酸化銀Ag2O、酸化パラジウム
PdO及び酸化白金PtOの少なくとも一種を含むこ
とにより積層セラミツクコンデンサの耐湿負荷テ
ストの結果を大幅に向上できることを見出した。 以下に本発明の組成物の組成範囲について説明
する。Me=Ba,Srは上記した一般式のペロブス
カイト構造を形成するための必要な元素であり、
1mol%以下だと、パイロクロア構造が混在し高
い誘電了率及び高い絶縁抵抗を示さない。35mol
%以上では誘電率が1000程度以下と小さくなつて
しまつたり、焼成温度が1100℃以上と高くなつた
りしてしまう。よつて、Me成分の置換量は、
(Pb1-aMea)と表したとき0.01≦a≦0.35とする。 誘電体材料においては常温における容量を高く
するため、誘電率が最大になるキユリー温度が常
温付近(0〜30℃)にくるようにする。本発明の
Me成分は上述したようにペロブスカイト構造を
形成するための必須成分であるが、また、本発明
磁器組成物のキユリー温度を下げるシフターの働
きがある。さらに、絶縁抵抗を著しく増加させ、
機械的強度も向上させる。 Me成分によるPbの置換量はキユリー温度等を
考慮して適当に選定することが可能であるが、亜
鉛ニオブ酸鉛及びチタン酸鉛の多い領域(x>
0.5、z>0)では10mol%以上が好ましく、マ
グネシウムニオブ酸鉛の多い領域(y>0.6、z
<0.05)では1mol%以上で充分その置換の効果
を発揮する。 第1図に本発明磁器組成物の組成範囲を示す。
線分adの外側では焼成温度が1100℃以上と高く
なつてしまい、また絶縁抵抗も低下し高い信頼性
を得ることができない。 また線分cdの外側ではキユリー温度がもとも
と常温付近にあるため、Me成分による置換でキ
ユリー温度が大幅に低温側に移動して、常温にお
ける誘電率が大幅に低下してしまう。また、添加
物である酸化銀Ag2O、酸化パラジジウムPdO及
び酸化白金PtOの少なくとも一種を0.01重量%か
ら1重量%としたのは0.01重量%未満では積層セ
ラミツクコンデンサとしたときの耐湿負荷テスト
の結果を大幅に向上できる効果がほとんど期待で
きず1重量%以上では誘電率が大幅に低下するた
めである。 つぎに、本発明の組成物の製造方法について説
明する。出発原料としてPb,Ba,Sr,Zn,Nb,
Ti,Mg,Pd,Ptの酸化物もしくは焼成により酸
化物になる炭酸塩、しゆう酸塩等の塩類、水酸化
物、有機化合物などを所定の割合で秤量し、充分
混合した後に仮焼する。この仮焼は700〜850℃程
度で行う。余り仮焼温が低いと焼結密度が低下
し、また、あまり高いとやはり焼結密度が低下
し、絶縁抵抗が低下する。 つぎに仮焼物を粉砕し原料粉末を製造する。平
均粒径は0.5〜2μm程度が好ましく、あまり大き
いと焼結密度が低下し、小さいと成型性が低下す
る。このような原料粉末を用い所望の形状に成型
した後、焼成することにより、高誘電率磁器を得
る。本発明の組成物を用いることにより焼成は
1100℃以下、950〜1080℃程度と比較的低温で行
うことができる。 積層タイプの素子を製造する場合は、前述の原
料粉末にバインダー、溶剤等を加えスラリー化し
て、グリーンシートを形成し、このグリーンシー
ト上に内部電極を印刷した後、所定の枚数を積
層、圧着し焼成することにより製造する。このと
き、本発明の誘電体材料は低温で焼成できるた
め、内部電極材料として例えば銀主体の安価で抵
抗率の低い材料を用いることができる。 また、このように低温で焼成が可能であること
から、回路基板上等に印刷・焼成する厚膜誘電体
ペーストの材料としても有効である。 このような本発明磁器組成物は、従来まで鉛ペ
ロブスカイト複合化合物の欠点であつた積層セラ
ミツクコンデンサとしたときの耐湿負荷テストに
優れ、高い絶縁抵抗、低い誘電損失、DCバイア
ス特性が良好である。またCR値も大きく、特に
高温でも充分な値を有し、高温での信頼性に優れ
ている。 T.C.Cの小さいことは本発明の大きな特徴であ
り、これは、K≧10000のごとくの大きな誘電率
の場合、特に顕著である。このように誘電率の大
きい場合には、(誘電率)/(温度変化率の絶対
値)の大きいことが要求される。本発明ではこの
点に関しても非常に優れている。 さらに、誘電率バイアス電界依存性も従来のチ
タン酸鉛系の材料と比較して優れており、誘電率
の変化率が4kV/mmでも10%以下程度の材料を得
ることもできる。したがつて、高圧用の材料とし
て有効である。また誘電損失が小さく、交流用、
高周波用としても有効である。 さらに、前述のごとくT.C.C.が小さいため、電
歪素子へ応用した場合でも変位量の温度変化の小
さい素子を得ることができる。 さらに、焼成時のグレインサイズも1〜3μm
と均一化されるため耐圧性にも優れている。 以上電気的特性について述べたが、機械的強度
も充分に優れたものである。 〔発明の効果〕 以上説明したように本発明によれば、重量比で
0.01〜1.0重量%の酸化銀Ag2O、酸化パラジウム
PdO及び酸化白金PtOの少なくとも一種を含むこ
とにより積層セラミツクコンデンサとしたときの
耐湿負荷テストに優れ、高い絶縁抵抗、低い誘電
損失、優れたT.C.C.及びDCバイアス特性が良好
である高誘電率磁器組成物を得ることができる。
特に、このような各種特性に優れた磁器組成物は
低温焼成で得ることができるため、低コストの積
層セラミツクコンデンサ、積層型セラミツク変位
発生素子等の積層タイプセラミツク素子への応用
に適している。 〔発明の実施例〕 以下に本発明の実施例を説明する。 Pb,Ba,Sr,Zn,Nb,Ti,Mg,Ag,Pd,
Ptの酸化物などの出発原料をボールミルなどで
混合し、700〜850℃で仮焼する。ついでこの仮焼
体をボールミルなどで粉砕し乾燥の後、バインダ
ーを加え造粒し、プレスして直径17mm、厚さ約2
mmの円板状素体を形成した。混合、粉砕用のボー
ルは、不純純の混入を防止するため部分安定化ジ
ルコニアボール等の硬度が大きく、かつ靭性の高
いボールを用いることが好ましい。 この素体を空気中980〜1080℃、2時間の条件
で焼結し、両主面に銀電極を焼付け各特性を測定
した。誘電損失、容量は、1KHz、1Vrms、25℃
の条件でのデジタルLCRメータによる測定値で
り、この値から誘電率を算出した。また、絶縁抵
抗は、1000Vの電圧を2分間印加した後、絶縁抵
抗計を用いて測定した値から算出した。なお、
T.C.C.は、25℃の値を基準とし、−25℃、85℃、
での変化率で表した。容量抵抗積は、25℃および
125℃での(誘電率)×(絶縁抵抗)×(真空の誘電
率)から求めた。絶縁抵抗の測定は、空気中の湿
気の効果を除くためシリコーンオイル中で行つ
た。その結果を第1表に示す。
【表】
積層セラミツクコンデンサは以下の方法で作成
した。まず、このような組成を有する仮焼粉にバ
インダー、有機溶剤を加えてスラリー化した後ド
クターブレード型キヤスターを用いて45μmのグ
リーンシートを作成した。このグリーンシート上
に70Ag/30Pdの電極ペーストを所定のパターン
で印刷し、このような電極パーンを有するシート
を20層積層圧着した。その後、所定の形状に切断
し、脱脂を行い1040℃2hの条件で焼成を行つた。
焼結後、外部電極としてAgペーストを焼付け、
積層セラミツクコンデンサを製造した。第2図は
上記の手段によつて得た積層セラミツクコンデン
サを示すもので、第2表は、第1表に示す実施例
4の組成物を用い第2図に示すように構成した積
層セラミツクコンデンサの電気的特性を示すもの
である。第2図中1は誘電体、2は内部電極、3
は外部電極である。
した。まず、このような組成を有する仮焼粉にバ
インダー、有機溶剤を加えてスラリー化した後ド
クターブレード型キヤスターを用いて45μmのグ
リーンシートを作成した。このグリーンシート上
に70Ag/30Pdの電極ペーストを所定のパターン
で印刷し、このような電極パーンを有するシート
を20層積層圧着した。その後、所定の形状に切断
し、脱脂を行い1040℃2hの条件で焼成を行つた。
焼結後、外部電極としてAgペーストを焼付け、
積層セラミツクコンデンサを製造した。第2図は
上記の手段によつて得た積層セラミツクコンデン
サを示すもので、第2表は、第1表に示す実施例
4の組成物を用い第2図に示すように構成した積
層セラミツクコンデンサの電気的特性を示すもの
である。第2図中1は誘電体、2は内部電極、3
は外部電極である。
【表】
第3表に実施例1、2、4および参考例1、3
の組成を用いて作成した積層セラミツクコンデン
サにおける絶縁抵抗(ΩF)の耐湿負荷テストの
結果を示す。
の組成を用いて作成した積層セラミツクコンデン
サにおける絶縁抵抗(ΩF)の耐湿負荷テストの
結果を示す。
【表】
試験条件は40℃、95%RH、50V印加、2000時
間で行つた。数量は各ロツト100個である。判定
は試験後に500Ω以下となつたものを不良とした。
第3表から明らかであるように、添加物の含まれ
ない材料を用いた積層セラミツクコンデンサでは
試験後の絶縁抵抗が低下するものが5〜6/100
個見られるのに対して、本発明による酸化物の
Ag,Pd,Ptの少なくとも一種を0.01〜1wt%含
む材料を用いて作成した積層セラミツクコンデン
サは耐湿負荷テストにおける絶縁抵抗の低下が全
く見られない。 このように、本発明による高誘電率磁器組成物
は、各種特性に優れており、特に積層セラミツク
コンデンサ用の材料として有効である。 なお、上記説明では添加物であるAg,Pd,Pt
を酸化物の形態で添加したが、金属粉末および塩
化物、硝酸化物として加えても同等の特性が得ら
れ、これ等の方法も本発明の範囲に含まれること
は明らかである。
間で行つた。数量は各ロツト100個である。判定
は試験後に500Ω以下となつたものを不良とした。
第3表から明らかであるように、添加物の含まれ
ない材料を用いた積層セラミツクコンデンサでは
試験後の絶縁抵抗が低下するものが5〜6/100
個見られるのに対して、本発明による酸化物の
Ag,Pd,Ptの少なくとも一種を0.01〜1wt%含
む材料を用いて作成した積層セラミツクコンデン
サは耐湿負荷テストにおける絶縁抵抗の低下が全
く見られない。 このように、本発明による高誘電率磁器組成物
は、各種特性に優れており、特に積層セラミツク
コンデンサ用の材料として有効である。 なお、上記説明では添加物であるAg,Pd,Pt
を酸化物の形態で添加したが、金属粉末および塩
化物、硝酸化物として加えても同等の特性が得ら
れ、これ等の方法も本発明の範囲に含まれること
は明らかである。
第1図は、本発明の組成範囲を示す組成図、第
2図は、積層セラミツクコンデンサの一部切欠断
面斜視図である。 1……誘電体、2……内部電極、3……外部電
極。
2図は、積層セラミツクコンデンサの一部切欠断
面斜視図である。 1……誘電体、2……内部電極、3……外部電
極。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 一般式 xPb(Zn1/3Nb2/3)O3 −yPb(Mg1/3Nb2/3)O3−zPbTiO3 で表したとき、それぞれの成分を頂点とする三元
図の a (x=0.50、y=0.00、z=0.50) b (x=1.00、y=0.00、z=0.00) c (x=0.20、y=0.80、z=0.00) d (x=0.05、y=0.90、z=0.05) で示される各点を結ぶ線内の組成のPbの一部を
1〜35mol%のBa及びSrの少なくとも一種で置
換したことを特徴とした高誘電率磁器組成物に対
して重量比で0.01〜1.0重量%の酸化銀Ag2O、酸
化パラジウムPdO及び酸化白金PtOの少なくとも
一種を含むことを特徴とした高誘電率磁器組成
物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61089649A JPS62254305A (ja) | 1986-04-17 | 1986-04-17 | 高誘電率磁器組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61089649A JPS62254305A (ja) | 1986-04-17 | 1986-04-17 | 高誘電率磁器組成物 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS62254305A JPS62254305A (ja) | 1987-11-06 |
| JPH0544762B2 true JPH0544762B2 (ja) | 1993-07-07 |
Family
ID=13976613
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP61089649A Granted JPS62254305A (ja) | 1986-04-17 | 1986-04-17 | 高誘電率磁器組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS62254305A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2004026789A1 (ja) * | 2002-09-18 | 2004-04-01 | Tdk Corporation | 圧電磁器組成物、圧電素子及びこれらの製造方法 |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007230839A (ja) * | 2006-03-02 | 2007-09-13 | Tdk Corp | 圧電磁器組成物、積層型圧電素子及びその製造方法 |
-
1986
- 1986-04-17 JP JP61089649A patent/JPS62254305A/ja active Granted
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2004026789A1 (ja) * | 2002-09-18 | 2004-04-01 | Tdk Corporation | 圧電磁器組成物、圧電素子及びこれらの製造方法 |
| JPWO2004026789A1 (ja) * | 2002-09-18 | 2006-01-26 | Tdk株式会社 | 圧電磁器組成物、圧電素子及びこれらの製造方法 |
| JP4670348B2 (ja) * | 2002-09-18 | 2011-04-13 | Tdk株式会社 | 圧電磁器組成物、圧電素子及びこれらの製造方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS62254305A (ja) | 1987-11-06 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP3046436B2 (ja) | セラミックコンデンサ | |
| KR100201201B1 (ko) | 모놀리딕 세라믹 커패시터 | |
| JPS61250905A (ja) | 誘電体磁器組成物及びその製造法 | |
| JP3634930B2 (ja) | 誘電体磁器組成物 | |
| JP2001278659A (ja) | 誘電体磁器組成物とそれを用いた磁器コンデンサ及びその製造方法 | |
| JP2915217B2 (ja) | 誘電体磁器及び磁器コンデンサ | |
| JPH0544763B2 (ja) | ||
| JP3087644B2 (ja) | 誘電体磁器組成物 | |
| JPH0544762B2 (ja) | ||
| JP2660010B2 (ja) | 高誘電率磁器組成物及びセラミックコンデンサ | |
| KR890004286B1 (ko) | 고유전율(高誘電率) 자기 조성물 | |
| JP2958826B2 (ja) | 誘電体磁器組成物 | |
| JPH0715855B2 (ja) | セラミックコンデンサ | |
| JP3250932B2 (ja) | 非還元性誘電体磁器組成物 | |
| JPS61251563A (ja) | 高誘電率磁器組成物 | |
| JP2872513B2 (ja) | 誘電体磁器及び磁器コンデンサ | |
| JP2023117901A (ja) | 誘電体磁器組成物および単板型コンデンサ | |
| JP2926827B2 (ja) | 誘電体磁器組成物 | |
| JP3401145B2 (ja) | 誘電体磁器組成物 | |
| JP3438334B2 (ja) | 非還元性誘電体磁器組成物 | |
| JPH0478577B2 (ja) | ||
| JPH054354B2 (ja) | ||
| JPH088137A (ja) | 積層セラミックコンデンサ | |
| JPH10139539A (ja) | 誘電体磁器組成物 | |
| JP2023117898A (ja) | 誘電体磁器組成物 |