JPH0547523B2 - - Google Patents

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JPH0547523B2
JPH0547523B2 JP63194669A JP19466988A JPH0547523B2 JP H0547523 B2 JPH0547523 B2 JP H0547523B2 JP 63194669 A JP63194669 A JP 63194669A JP 19466988 A JP19466988 A JP 19466988A JP H0547523 B2 JPH0547523 B2 JP H0547523B2
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emulsion
fluorocarbon
fluorocarbon emulsion
mannitol
tocopherol
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Emu Rongu Junia Deibitsuto
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ARAIANSU PHARM CORP
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、「臭素化ペルフルオロカーボンエマ
ルジヨンおよびその製造方法」なる名称の昭和62
年1月14日出願の昭和62年特許願第005201号(特
開平1−139256号)に関連するものである。 〔産業上の利用分野〕 本発明は、フルオロカーボンエマルジヨン、特
に滅菌可能で、安定な高濃度フルオロカーボンエ
マルジヨンに関するものである。 これは、カルシウム沈殿を選択的に生じさせ
ず、インビボおよびインビトロでの赤血球損傷を
少なくし、貧血作用を低下させ、しかも、粘性を
下げるとともに、酸化程度、もしくは特にエマル
ジヨン成分および接触体組織の遊離基損傷の割合
を減少させる。 〔従来の技術〕 従来、乳化フルオロカーボンを、血液代用物中
の酸素運搬物、即ちキヤリヤーとして、またX
線、超音波、磁気共鳴による影像法に対するコン
トラスト増強剤として使用する試みがなされてき
たが、ある問題にぶつかつている。純度、無毒
性、化学的および生物学的不活性、ならびな排泄
性が、不可欠の要件であるということである。 乳化フルオロカーボンは、好ましくは、熱によ
る滅菌が可能であり、望ましくは流体の状態での
長期にわたる粒度及び作用的安定性を有している
ことが必要であり、しかも、工業化ができ、また
脈管内注射を行なつた場合、有効にかつ十分長い
時間血液中に存続するとともに、十分はやい速度
で体外へ排泄されることが必要である。 静脈注射に使用するため、粒子の大きさが小さ
いことが大切である。 しかし、従来は、血液代用物を、1ケ月もしく
はそれ以上の長期にわたり保存すると、特に熱に
よる滅菌後、エマルジヨン中のフルオロカーボン
粒子が合体して凝塊をつくり、大きな粒子になつ
てしまつた。 課題に係わる一般的議論、およびフルオロカー
ボン血液代用物におけるこれらの目的を達成する
に際しての努力、および問題の検討に関しては、
「アーテイフイシヤル・オーガンズ」(Artificial
Organs)、34〜56ページに掲載のジーン・ジー・
リース(Jean G.Riess)による「第2世代血液
代用物に対するペルフルオロ製剤の選定に係わる
判定基準評価:構造/性質関係の分析」を参照さ
れたい。 大きい粒子のものを静脈注射に用いると、それ
らが、肺、肝臓、脾臓、その他の臓器に集まり易
く、かつ大きくし成長し、作用を失なわせてしま
う。 他方、フルオロカーボンをコントラストに増強
剤として使用する場合、腫瘍部やその他の領域に
集めるため、フルオロカーボンの粒子が或る程度
大きいものであることも必要である。 また、身体の非静脈系、例えば髄液の小室や空
洞に用いる場合には、粒子が、ある程度大きくて
も問題にならない。 従来、脈管内注射により投与されたフルオロカ
ーボンエマルジヨンが、肝臓のような他の臓器と
は対照的に、脾臓に不釣合い的に蓄積されていた
ことが観察されている。このように脾臓に集中す
ると、時として、一過性の脾機能亢進症を発症さ
せる。この状態は、一過性貧血がもたらす脾臓の
拡張化、および過度活性化を特徴としている。 以上指摘した特性を有するほかに、大部分の身
体器官において、より均一な分布状態が得られる
フルオロカーボンエマルジヨンが、望まれる。 グリセロールは、通常、フルオロカーボンエマ
ルジヨンに対する優れた浸透圧調整剤であるが、
濃度が高くなると、赤血球を溶かしてしまうこと
が観察されている。 グリセロールは、明らかに赤血球を膨張させ、
かつ損傷させ、ヘモグロビンの溶出を促すため、
赤血球を破壊してしまう。そのほかの添加剤、特
に糖質も、同じ赤血球の破壊作用を有している。 エマルジヨンにおけるこのような溶血性物質の
量を制限したり、取り除くことが、従来強く望ま
れてきた。 レシチンや、他のリン脂質が、脈管系におい
て、酸化を受けやすいことも、知られている。 レシチン・リン脂質のこの種の酸化は、貯蔵容
器か、あるいは袋詰め式のフルオロカーボンエマ
ルジヨンのレシチン・リン脂質乳化剤成分に関し
ても見られる。リン脂質乳化剤、または酸化が禁
物とされている他の酸化性成分を含む効果的でか
つ安定した無毒性のフルオロカーボンエマルジヨ
ンが望まれている。 高濃度のフルオロカーボンエマルジヨンが割合
多く望まれるが、それらはどうしても、粘度が高
くなる傾向をもつている。エマルジヨンは、グル
コースや類似の糖質のような栄養分を含ませるこ
とも望まれている。しかし、グルコースは、フル
オロエマルジヨンに粘性を増させることが知られ
ている。 包装をし易くさせ、注射適性をもたせ、かつ血
管の閉塞を回避させうる、粘性が低く流動性に富
んだフルオロカーボンエマルジヨンが望まれてい
る。 油脂に可溶で、かつフルオロカーボンに可溶な
薬剤を、血管、腹腔、口部、呼吸器、脳脊髄、お
よび人体組織を含む他の動物体内組織を通し、ま
たこの種の薬剤を体外的に皮膚を通して投与する
ために使用される賦形剤(ベヒクル)が望まれて
いる。 本明細書におけ「組織」なる用語は、血液を含
めて用いることにする。 また、カルシウムを含み、またそれを移送する
が、カルシウムを沈殿させる成分を有しないエマ
ルジヨンが望まれている。 しかし、多くの緩衝液は、リン酸塩や炭酸塩か
らなり、過剰のカルシウム沈殿物を生成させるた
め、治療用に利用しうるカルシウムの量を低下さ
せるばかりでなく、組織内にカルシウム化合物を
堆積させ危険を招く。 〔発明の目的〕 本発明の目的は、上で述べた要求および他の諸
要求を満足した、安定かつ無毒性の効果的改良型
フルオロカーボンエマルジヨンを提供することで
ある。 〔発明の要約及び作用効果〕 本発明の第1の発明によれば、水相と、有効量
の乳化剤及びフルオロカーボンとを結合させて、
前記フルオロカーボンに対して50W/V%から
125W/V%までの混合物を生成する段階と、前
記混合物を乳化装置に通して、十分に大きな流量
と、少なくとも281Kg/cm2の圧力を受け、安定な
加熱滅菌性水相中フルオロカーボンエマルジヨン
を生成する段階とにより調製され、生体に適合可
能であつて、界面活性のない脂肪分や油分を含ま
ず、また熱による滅菌に続く非凍結状態下で、粒
子の大きさに安定性のあるフルオロカーボンエマ
ルジヨンが提供される。 第1の発明によるフルオロカーボンエマルジヨ
ンは、水分と乳化剤とフルオロカーボンよりなる
混合物が、フルオロカーボンに対して50W/V%
〜125W/V%の高濃度で含んでおり、油分なし
に安定性のあることを特徴としている。これは、
エマルジヨンに対する高圧と、高流速の下に、液
流を衝突させることにより達成される。好適な圧
力としては、約281Kg/cm2(4000psi)以上、好適
な流速としては約457m/s(1500フイート/秒)
以上であるとよい。 本発明の第2の発明によれば、保存に安定で、
熱により滅菌可能なフルオロカーボンエマルジヨ
ンであつて、連続水成相と、不連続フルオロカー
ボン相と、有効量の乳化剤とを含み、前記エマル
ジヨン中の前記フルオロカーボン相の濃度が
75W/V%から125W/V%であり、前記エマル
ジヨンが、熱による滅菌に続く非凍結状態の保存
の間に粒子の大きさに安定性のあるフルオロカー
ボンエマルジヨンが提供される。 この発明においては、フルオロカーボン相の濃
度が75W/V%〜125W/V%のような高濃度で
ありながら、安定性にすぐれており、これはキヤ
ビテイ中で高速及び高圧の下に乳化段階において
衝突を繰り返すことにより達成される。衝突は4
回〜6回繰り返すとよく、圧力は703Kg/cm2
(10000psi)以上であるとよい。 以上の作用を理論的に説明すると、エマルジヨ
ンの安定性は、乳化剤とフルオロカーボンを適当
に混合して、両者の分子を密集させて小さな粒子
を形成することにより達成される。微細粒子のエ
マルジヨンは従来の技術において公知であるが、
これらにおいてはフルオロカーボンが低濃度であ
るか、あるいは高濃度である場合には安定剤を含
んでいなくてはならない。フルオロカーボンエマ
ルジヨンはオストワルド熟成(Ostward
ripening)と呼ばれる作用を受け、大きな粒子が
小さな粒子を魅き付け凝集する。大きな粒子が多
数存在すると、カスケード効果によりエマルジヨ
ンは壊れたり2相に分離する。 本発明のエマルジヨンにおいては、小さなフル
オロカーボン粒子と乳化剤が合体することにより
大きな粒子の形成を妨害するので、粒子の大きさ
における安定性が長時間持続する。滅菌の際の加
熱と加圧に対しても安定性が損なわれることはな
い。 本明細書において使用する定義その他に関して
は、ここでも完全に記述してはあるが、なお、前
記の昭和62年特許願第005201号明細書(特開平1
−139526号)に記載のすべての定義その他を参照
するものである。 本明細書において、エマルジヨンの連続相は、
エマルジヨンの水相と呼ぶこととする。例えば、
「W/V」なる用語を用いる。これは、100mlに対
するグラム数を表わすものである。 エマルジヨンにおけるフルオロカーボンは、例
えば1−ブロモセプタデカフルオルオクタン
(C8F17Br、ペルフルオルオクチルブロミドと呼
ぶこともあり、PFOBと略称される。)、1−ブロ
モペンタデカフルオロセプタン(C7F15Br)およ
び1−ブロモトリデカフルオロヘキサン
(C6F13Br、ペルフルオロヘキシルブロミドとし
て知られており、PFHBと略称する。)のような
一臭素化ペルフルオロカーボン、C4F3CH−
CHC4F9(F−44E)、i−C3F7CH−CHC6F13(F
−i36E)、C6F13CH=CHC6F13(F−66E)、F−
アダマンタン(FA)、F−1、3−ジメチルアダ
マンタン(FDMA)、F−デクリン(FDC)、F
−4−メチルオクタヒドロキノリジジン
(FMOQ)、F−4−メチルデカヒドロキノリン
(FHQ)、F−4−シクロヘキシルピロリジン
(FCHP)、F−2−ブチルテトラヒドロフラン
(FC−75)、(CF32CFO(CF2CF22OCF(CF32
(CF32CFO(CF2CF23OCF(CF32、(CF32CFO
(CF2CF22F、(CF32CFO(CF2CF23F、
(C6F132O、ならびにF[CF(CF3)CF2O]
CHFCF3からなつている。 このエマルジヨンは、乳化剤として、リン脂
質、アニオン界面活性剤、フルオロ界面活性剤、
またはそれらの組合わせ物を含んでいる。 浸透圧濃度は、浸透度と無関係に存在する利点
を有する6価のアルコールのような浸透圧調整剤
によつて維持される。例えば、マンニトールやソ
ルビトールである。ソルビトールは、粘性を調整
したり、粒子の膜構造を安定させたりするために
も使用される。 そのほかの浸透圧調整剤として、グルコース、
マンノース、およびフラクトースからなる或る種
の糖質類が使用される。それらは同時に栄養分と
なる。 浸透圧濃度は、カルシウムを沈降させないイミ
ダゾール、またはトリス(ヒドロキシメチル)ア
ミノメタンから選択される緩衝剤によつても影響
される。 緩衝剤は、塩化ナトリウム、重炭酸ナトリウ
ム、塩化マグネシウム、第一リン酸カリウム、第
二リン酸カリウム、塩化カルシウム、硫酸マグネ
シウム、第一リン酸ナトリウム、および第二リン
酸ナトリウムのような緩衝剤が選ばれる。 生物学的適合性を考慮し、これらの浸透圧調整
剤を組合わせることにより、インビボ及びインビ
トロでの赤血球破壊を減らしたり、粘性を下げた
り、酸化速度を低下させたり、栄養効果を持たせ
たり、酸性度即ちPHを調整することが可能であ
る。 トコフエロール、マンニトール、アスコルビル
パルミタート、およびイミダゾールを加えること
により、インビトロでのエマルジヨン成分の酸化
度を更に低下させることができる。 これらはまた、インビボで同じ作用を有し、エ
マルジヨンが与えられた体組織、もしくは器官の
酸化程度を低下させることができるものと信じら
れている。 緩衝剤は、PHを予め決められた値に維持させ、
かつ浸透圧により浸透圧濃度を維持させることが
できる。緩衝剤は、非カルシウム沈降性緩衝剤で
あるイミダゾール、トリス(ヒドロキシメチル)
アミノメタン、並びにその他の緩衝剤、例えば重
炭酸ナトリウム、第一リン酸カリウム、第二リン
酸カリウム、第一リン酸ナトリウムおよび第二リ
ン酸ナトリウムを含みうる。 トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンは、
THAMと呼ばれたり、あるいはアメリカ合衆国
ミズーリ州セントルイスに所在するシグマ・ケミ
カル・カンパニー(Sigma Chemical
Campany)の「Trizma」(商標)のようないく
つかの商標名をもつている。 フルオロカーボンエマルジヨンは、前記の昭和
62年特許願第005201号明細書に記載されているよ
うに、第1段階として、浸透圧調整剤、緩衝剤、
必要に応じての電解液、乳化剤、および必要に応
じての酸化防止剤を加えてなる水相即ち連続相賦
形剤(ベヒクル)を混合して調製される。 エマルジヨンが均質になるように、フルオロカ
ーボンをベヒクル中に静かに混ぜ合わせる。次
に、エマルジヨンを分離流に分け、それを、高圧
下の容器中で、高速にて激しく互いに衝突させ
る。 エマルジヨンを過してから、包装し、滅菌を
行ない、更に貯蔵用の処理を施こす。 〔実施例〕 以下、本発明を、好適実施例に基づき説明する
ことにより、本発明は、より良く理解できるであ
ろう。 フルオロカーボンエマルジヨンは、連続相、す
なわち水性相及び不連続相よりなる、不連続相
は、乳化剤を有するフルオロカーボンよりなる。
浸透圧濃度とPHを維持するには、通常、不連続相
の中には浸透剤と生物学的PH緩衝剤が含まれる。 乳化剤は、通常、不連続相の周囲に層を形成
し、連続相の中に懸濁するフルオロカーボンの粒
子を形成する。 前述の特許出願で説明したように、レシチン
は、頻繁に乳化剤として使用される。フツ素化界
面活性剤、フルオロ界面活性剤及び陰イオン界面
活性剤のような乳化剤も効果的に使用することが
できる。 安定的なエマルジヨンを提供するフルオロ界面
活性剤は、ジエイ・ジー・リース(J.G.Riess)
等による「新しいペルフルオロアルキル化・ポリ
ヒドロキシル化界面活性剤のインビボ使用用のフ
ルオロカーボン及び界面活性剤の計画、合成及び
評価(“Design、Synthesis and Evaluation of
Fluorocarbons and Surfactants for In Vivo
Applications New Perfluoroalkylated
Polyhydroxylated Surfactants”)の中で説明さ
れたトリペルフルオロアルキルコラート
[C7F15C(=O)O]3、ペルフルオロアルキルコ
レスタノール[C7F15C(=O)O]、ペルフルオ
ロアルキルオキシメチルコラート、MXO−10及
びフツ素化・ポリヒドロキシル化界面活性剤を含
む。 そこで説明したフルオロ界面活性剤は、親フツ
素末端、炭化水素長鎖化剤、エーテル、エステル
もしくはアミドよりなる結合単位及び親水先端を
含む。親フツ素末端は、例えば、C3(CF2)nを
含む。 ここで、nは4〜10である。XMO−10は、式
C3F70(CF23C(=O)NH(CH23N(=O)
(CH32を有するフツ素化界面活性剤である。 フルオロ界面活性剤を無毒化するには、フツ素
化界面活性剤、及び過フツ化炭化水素が、癌腫
症、胚子奇形発生もしくは胎児毒性が起こる前
に、過フツ化炭化水素及びフツ素化界面活性剤が
体もしくは器官から排出されるような排出率を有
しなければならない。 安定した無毒性の生物学的適合エマルジヨンを
提供する適切な陰イオン界面活性剤は、ポリオキ
シエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体であ
る。 通常の人体組織の浸透圧濃度は、約290〜300ミ
リオスモルである。浸透圧濃度をこの水準に維持
するのは、エマルジヨンを注入しうる血管を配置
するための赤血球及び内皮細胞のような細胞の損
傷を防止するのにとつて重要である。 浸透圧濃度が290ミリオスモル以下になり、200
ミリオスモルまで低下すると、水分が細胞内にに
浸入し、細胞が膨張し、破裂することもある。浸
透圧濃度が約700ミリオスモル程度になると、細
胞は水分を失ない、収縮してしまう。 高浸透圧の薬の注射は、痛みがあり、かつ熱を
もつており、更に血管の凝血及び閉塞を起こすお
それがある。 これらの問題は、投与の前にエマルジヨンの浸
透圧濃度を制御することによつて防止することが
できる。 浸透圧濃度の低い過フツ化炭化水素エマルジヨ
ンは、特に、冷凍及び解凍を繰り返すような貯蔵
寿命の研究に重点を置く場合、不連続の粒子の隔
合が不安定になりやすい。通常、浸透圧濃度が約
650ミリオスモル以上の場合、過フツ化炭化水素
エマルジヨン粒子は凝結する。それによつて、エ
マルジヨンの凝結及び分離が行なわれる。 しかし、過フツ化炭化水素エマルジヨンを形成
する際には、300〜450ミリオスモルの範囲の高浸
透圧濃度は、(1)凍結を防ぎ、安定性を向上させ、
(2)浸透圧調整剤が後述のように、特に、治療上及
び別の効果を有する場合、浸透圧調整剤及び別の
活性剤の量を調節するのに都合がよい。 本発明の好適実施例においては、エマルジヨン
にマンニトールが添加される。 マンニトールは、浸透圧濃度を維持し、赤血球
の損傷を低下させ、粘性を低下させ、エマルジヨ
ンに酸化防止効果を提供し、かつ過フツ過炭化水
素の粒子を安定させるための手段を提供する。 マンニトールは、このような効果があるので、
人体組織に大量に注入することができる。マンニ
トールを浸透圧調整剤として使用すると、エマル
ジヨンの安定度は、240〜650ミリオスモル、すな
わち0.25〜1.5W/V%の所望の範囲に維持され
る。 人体組織は、酸化防止効果、エマルジヨン安定
効果、粘性の低下及び赤血球保護効果を高めるた
めに、もつと多くのマンニトールを注入すること
ができる。 また、マンニトールは、動物の体内に適用され
たときに、主要な器官に過フツ化炭化水素エマル
ジヨン粒子を分配するのに貢献する。マンニトー
ルは、器官の毒性を低下させ、エマルジヨンを使
用した時に貧血作用を防止するのに効果がある。 マンニトールは、もつと保護力のある膜を形成
するために、レシチン、もしくはエマルジヨンの
中の過フツ化炭化水素粒子の別の乳化剤の膜と結
合するか、あるいは相互に作用する。レシチンに
とつて、この相互作用は、膜の中で抵抗力のある
強力な細胞障壁構造となる。マンニトールは、後
述のように、過フツ化炭化水素エマルジヨンの粒
子の寸法の安定性には悪影響を及ばさない。 また、マンニトールは、もつと強力で抵抗力の
ある細胞障壁を、赤血球の類似のレシチン膜障壁
の中に形成するのを補助する。それによつて、ヘ
モグロビンを流出させる赤血球の損傷を防止す
る。インビボ及びインビトロ実験におけるエマル
ジヨンに添加されたマンニトールによつて、赤血
球の損傷は減少した。 グリセロールを浸透圧調整剤として使用した
が、グリセロールは、赤血球壁を容易に通過す
る。それによつて、赤血球が膨張し、ヘモグロビ
ンが流出する。 ヘモグロビンの流出によつて、赤血球幻影が発
生し、酸素が供給できなくなる。酸素が供給でき
なくなると、過フツ化炭化水素エマルジヨンの大
量投与によつて、瞬間的な貧血が起こる。 マンニトールは、赤血球の損傷が問題となるグ
リセロールに対する浸透圧調整剤であるのが望ま
しい。 マンニトールは、エマルジヨンの連続相の中に
浸透圧を形成し、かつ本発明の浸透圧調整剤であ
るのが望ましい。マンニトールは、グルコース、
グリセロール及び生理的食塩水のような別の浸透
圧調整剤とは異なり、赤血球には浸透しないの
で、赤血球が膨張して損傷することはない。赤血
球が膨張し損傷を受けると、赤血球からヘモグロ
ビンが流出し、貧血を起こしてしまう。 過フツ化炭化水素エマルジヨンの中でマンニト
ールを使用すると、ペルフルオロカーボンエマル
ジヨンを大量に投与した動物に不連続に発生する
瞬間的な貧血作用が押さえられる。 極めて望ましく、かつ長期に亘つて観察される
貧血作用の防止は、マンニトールによつて、人体
の器官に過フツ化炭化水素エマルジヨンが均等に
分配され、かつ赤血球の損傷が低下することによ
つて達成される。この貧血作用の低下は、後述の
実施例及びからわかるように、若いスプレー
グ・ドーリー(Sprague Dawley)ラツトで観察
された。 実施例 100W/V%のペルフルオルオクチルブロミド
のエマルジヨン2g/Kg体重を、22匹のスプレー
グ・ドーリー・ラツトに静脈注射で投与した。10
匹のラツトには、0.6W/V%のマンニトールを
有するエマルジヨンを、残りの12匹のラツトに
は、マンニトールは含有しないが、生理的食塩水
を含有し、同等の浸透圧を提供するエマルジヨン
を投与した。更に、別の10匹の対照ラツトに、2
ml/Kg体重の投与の中で生理的食塩水の偽薬投与
を行なつた。 エマルジヨンは、6W/V%のレシチンと
0.0252W/V%のTHAMを含んでいた。エマル
ジヨンは、前述の特許出願で教示された方法及び
手順によつて調製された。 マンニトールを含むエマルジヨンを投与された
複数のラツトの2週間後の赤血球の中のヘモグロ
ビンの平均量(g/dl)は、対照ラツトの97%で
あつた。 マンニトールを含まない複数のラツトの2週間
後の赤血球の中のヘモグロビンの平均量は、対照
ラツトのそれの91%であつた。ヘモグロビンは、
血液中の赤血球に溶血を起こさせて、流出した量
を測定した。 実施例 実施例で使用したのと同種のラツトを、次の
テストにおいても使用し、実施例で説明したよ
うに、ラツトにエマルジヨン10g/Kg体重を、静
脈注射で注入した。 マンニトールを含むエマルジヨンを投与された
複数のラツトのヘモグロビンの2週間後の平均量
は、対照ラツトの87%であつた。 マンニトールを含まないエマルジヨンを投与さ
れた複数のラツトの2週間後のヘモグロビンの平
均量は、対照ラツトの70%であつた。 従つて、マンニトールは、過フツ化炭化水素エ
マルジヨンを大量に投与されたラツトの場合で
も、貧血作用を低下させるのに効果があることが
わかつた。 貧血作用の低下に対するもつと重要な影響は、
マンニトールを、浸透圧調製剤及び別の浸透圧調
製剤に対するエマルジヨン安定剤として使用する
ことから生じる人体の主要器官に対する分配が不
等になることである。 過フツ化炭化水素エマルジヨンは、脾臓には肝
臓のような器官より10〜15倍以上蓄積される。過
フツ化炭化水素エマルジヨンの粒子の脾臓への大
量の蓄積は、粒子を吸収し、脾臓の中に捕捉する
マクロフアージによつて行なわれる。 このような大量の蓄積は、効果的な造影にとつ
ては不要であり、脾機能亢進症をひき起こすこと
もあり、脾臓が増大し、活動し過ぎると貧血を起
こすおそれがある。 マンニトールを浸透圧調製剤として使用する
と、この大量の蓄積は、後述の実施例からわか
るように、約40%減少する。従つて、脾機能亢進
症及び貧血の危険性は著しく減少する。この均等
な分配は、次の実験からわかる。 実施例 1g/Kg体重よりなる0.6W/V%のマンニト
ールを有する100W/V%ペルフルオルオクチル
ブロミドエマルジヨンを、若いスプレーグ・ドー
リー・ラツトに静脈注射で注入し、脾臓の中のペ
ルフルオルオクチルブロミドの濃度を、24時間後
に測定した。濃度は、30.1±1.5mg/g脾臓組織
であつた。マンニトールを含まないほぼ100%の
エマルジヨンは、かつては57.6±2.345mg/g脾
臓組織であつた。 脾臓のような器官では、エマルジヨンを有する
同一のマンニトールを使用すると、ペルフルオル
オクチルブロミドの濃度は、わずかに上昇した。 マンニトールを有するエマルジヨンを投与され
たラツトの場合、濃度は、5.6±0.14mg/gm.
肝臓組織であり、マンニトールを含まない典型的
な100%エマルジヨンでは、4.605±0.533mg/g
m.肝臓組織であつた。 貧血は、マンニトールが過フツ化炭化水素エマ
ルジヨンと結合するときに、除去しなければ、か
なり低下する。 マンニトールは、身体組織及び貯蔵エマルジヨ
ンの中の遊離基と相互作用する酸化防止剤であ
る。マンニトールは、エマルジヨンの粘性を低下
させる。 マンニトールによつて、高濃度の過フツ化炭化
水素エマルジヨン及びグルコース、もしくは別の
栄養素を添加された過フツ化炭化水素の粘性が低
下した。グルコースは、エマルジヨンに粘性を提
供したが、マンニトールをエマルジヨンに加える
と、グルコースなしのエマルジヨンより粘性が弱
くなつた。 エマルジヨンの酸化防止特性は、次の実施例
の実験の結果からわかるように、α−トコフエロ
ールアセテートのようなトコフエロールを加える
ことによつて、大幅に向上する。 実施例 過フツ化炭化水素は、マンニトールもトコフエ
ロールもなしで(表1のバツチ)、トコフエロ
ールはないがマンニトールで(表1のバツチ)、
マンニトールはないがトコフエロールで(表1の
バツチ)、及びマンニトールとトコフエロール
で(表1のバツチ)調製された。 バツチでは、0.6W/V%のマンニトールが
エマルジヨンに加えられた。バツチでは、
0.05W/V%のα−トコフエロールアセテートが
加えられた。バツチは、0.6W/V%のマンニ
トール及び0.05W/V%のα−トコフエロールア
セテートを含んでいた。 エマルジヨンは、乳化剤として、4.5W/V%
のレシチン、実験及び貯蔵前のPHを7.6に維持す
るための緩衡剤としての0.0252W/V%の
THAM、浸透圧濃度用の0.2W/V%のグルコー
ス、0.025W/V%の塩化カルシウム(CaCl)、
0.005W/V%の硫酸マグネシウム(MgSO4)、
及びエマルジヨンを形成するのに十分な量の水
(H2O)を有する100W/V%のペルフルオルオ
クチルブロミドエマルジヨンであつた。 すべてのエマルジヨンは、調製時に酸素で飽和
された。酸素飽和は、エマルジヨンの調製中に
100%酸素を注入して行なわれた。また、100%酸
素が充填されたヘツドスペースを有する30mlのび
んの中に20mlのエマルジヨンを注入した。つい
で、びんを密閉した。 ついで、酸素飽和されたエマルジヨンを、オー
トクレーブで121℃で8分間殺菌した。 酸素の分圧(pO2)、二酸化炭素の分圧
(pCO2)及び水素イオン濃度(PH)を10日後及び
30日後に測定した。測定中の大気圧は、741mmHg
〜746mmHgの間を変動した。測定は、38℃で行な
つた。 その結果を表1に示す。第1列に、酸素の分圧
(pO2)、第2列に、二酸化炭素(pCO2)の分圧、
第3列に、PHの数値を示す。 0.05g/mlのエマルジヨンの濃度のα−トコフ
エロールアセテートを使用した。マンニトール
は、0.6g/mlのエマルジヨンであつた。読みは、
エマルジヨンを調製して、10日及び30日経過して
から測定した。エマルジヨンは、10℃で貯蔵し
た。測定単位は、PH以外は、すべてmmHgである。
【表】 エマルジヨンに水を満たしたので、全大気圧
741〜746mmHgの約47mmHgが、H20蒸気に費いや
された。 マンニトール、トコフエロールもしくは別の効
果的な酸化防止剤を含まないエマルジヨンは、酸
素含有量が減少し、酸性度と共にCO2含有量が増
加する。 マンニトール、トコフエロールもしくは両方を
加えても、有害な作用は発生しない。 マンニトール及びトコフエロールを共に使用す
ると、エマルジヨンは、10日後には酸素で過飽和
状態となる。マンニトール、又はトコフエロール
を加えたエマルジヨンの酸素の飽和は、10日及び
30日の時点では最大飽和状態に近い。 前述のように、マンニトールは、エマルジヨン
の粒度寸法のばらつきの原因とはならない。マン
ニトールは、過フツ化炭化水素粒子を保護し、か
つ粒子が凝結しないように、レシチン膜と相互作
用することによつて、粒度寸法のばらつきを防い
でいる。 また、グルコースは、浸透圧調整剤として有効
であり、フルオロカーボンのエマルジヨンによく
適用しうることが分かつた。グルコースを浸透圧
調整剤として用いた場合、エマルジヨンの粒径特
性は減じないということも分かつた。 その他の糖、例えば、マンノースおよび果糖も
有効な浸透圧調整剤であるが、エネルギーの産出
を目的として、体細胞の新陳代謝で作り出され
る。グルコースは、エマルジヨン中に栄養素とし
て存在させるのが望ましいことが多い。 グルコースは、マンニトールと同様に、フルオ
ロカーボンの粒子の膜を保護あるいは安定させる
ために、フルオロカーボンの粒子のレシチン膜と
相互作用するか、または結合すると考えられる。
この保護作用は、冷凍に対して特に有効であるこ
とから、解凍周期を利用して、貯蔵寿命の研究が
促進された。 そのような研究では、−20℃まで5回急速冷凍
し、その度に、室温で解凍したが、粒径の平均値
は、概ね同じであることが分かつた。 最も一般的な緩衝剤には、普通、リン酸化合物
が含まれる。しかし、付加的な電解質として、ま
た、心臓や脳室系に散布する場合に、特にそうで
あるように、栄養素として、カルシウム化合物を
エマルジヨンに加えるのが望ましいことが多い。
カルシウムは、例えば、心筋の収縮に必須のもの
である。 しかし、塩化カルシウム(CaCl)などのカル
シウム化合物は、リン酸緩衝剤、および炭酸緩衝
剤と反応してカルシウム沈澱物を生成してしま
う。そのような沈澱物の量が多くなり過ぎると、
脈管を塞いでしまうので、脈管系や他のいくつか
の器官系にとつて有害である。 本明細書では、「非カルシウム沈降性」の語は、
カルシウム沈澱を全く生じないか、または、沈澱
の量を、体内で好ましくない、有害な反応を引き
起こさないように、少量に抑えてある混合物また
は溶液という意味で用いる。 フルオロカーボンエマルジヨンの水素イオン濃
度(PH)は、エマルジヨンの安定度、および生物
学的耐性に関連している。酸性のPHは、粒子の電
気陰性度を引き下げ、その結果、凝集や沈降が促
進される。アルカリ性のPHは、電気陰性度を高く
することによつて、エマルジヨンを安定させる傾
向がある。 アルカリ性エマルジヨンは、PHが8.2またはそ
れ以下のものであれば、冠動脈に注入しても、問
題なく許容される。しかし、PHが7.0以下になる
と、エマルジヨンは、心筋の収縮性を減少させ
て、心室細動を引き起こす。冠動脈内での使用の
場合、PHは7.0〜7.8でなければならない。PHが4.0
〜8.4のエマルジヨンは、静脈内および使用の目
的に応じて、大腿動脈などの他の動脈内で用いる
ことができる。 THAMと呼ばれることもあるトリス(ヒドロ
キシメチル)アミノメタンは、フルオロカーボン
エマルジヨンのPHを予め定めたレベルに維持する
ために有効な緩衝剤である。THAMも、非カル
シウム沈降性である。(つまり、THAMは、カ
ルシウム塩を沈澱させない)。 イミダゾールもまた、フルオロカーボンエマル
ジヨンに用いることのできる非常に有効な緩衝剤
であることが分かつた。イミダゾールも非カルシ
ウム沈降性を示した。 THAMおよびイミダゾールは共に、エマルジ
ヨンの浸透圧調整に影響を与える。THAMある
いはイミダゾールは、エマルジヨンのアルカリ度
を高くするので、通常は、PHの変化が所望のレベ
ルを超えることなく浸透圧調整力を維持するた
め、別の浸透圧調整剤と一緒に使用する。 カルシウム沈澱が望ましくない場合、または少
量のカルシウム沈澱であれば許容できる場合、リ
ン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウ
ム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウ
ム、重炭酸ナトリウム、ならびにこれらを組合わ
せたものを含む、リン酸および炭酸緩衝剤が適当
である。 ここで述べる浸透圧調整剤および緩衝剤は、無
害かつ有効な、あるいはそのいずれかである数種
類の安定したフルオロカーボンエマルジヨンを調
製する上で有効である。 安定したエマルジヨンを得るには、エマルジヨ
ン中のフルオロカーボンとして、1−ブロモセプ
タデカフルオロクタン(C8F17Br、別名ペルフル
オロクチルブロミド(PFOB))、1−ブロモペン
タデカフルオロセプタン(C7F15Br、および1−
ブロモトリデカフルオロヘキサン(C6F13Br、別
名ペルフルオロヘキシルブロミド(PFHB)など
の一臭素化したペルフルオロカーボンを用いるこ
とができる。 その他の安定したフルオロカーボンエマルジヨ
ンには、C4F9CH−CHC4F9(またはF−44E)、
i−C3F7CH−CHC6F13(またはF−i36E)、
C6F13CH=CHC6F13(またはF−66E)、C10F18
(またはF−デクリン)、F−アダマンタン(また
はFA)、F−メチルアダマンタン(または
FMA)、F−1、3−ジメチルアダマンタン(ま
たはFDMA)、F−デクリン(またはFDC)、F
−4−メチルオクタヒドロキノリジジン(または
FMOQ)、F−4−メチルデカヒドロキノリン
(またはFHQ)、F−4−シクロヘキシルピロリ
ジン、(またはFCHP)、F−2−ブチルテトラヒ
ドロフラン(またはFC−75)などが含まれる。 本発明に基づき調製した場合に、小さな粒径お
よび長い貯蔵寿命を達成しうる安定したフルオロ
カーボンエマルジヨンを付け加えると、例えば
(CF32CFO(CF2CF22OCF(CF32、(CF32CFO
(CF2CF23OCF(CF32、(CF32CFO
(CF2CF22F、(CF32CFO(CF2CF23F、
(C6F132OならびにF[CF(CF3)CF2O]
2CHFCF3が含まれる。 本発明が、前記したようなフルオロカーボンエ
マルジヨンの安定度とどのように関連するかは、
次に述べる実施例により理解しやすくなると思
う。 実施例 F−44E、すなわちC4F9CH−CHC4F9のエマ
ルジヨンを調製するため、まず水相を用意した。
水相は、2.08W/V%のマンニトールと、
18.75W/V%のレシチンと、0.104W/V%のα
−トコフエノールアセテートとを含む水溶液とし
て作つた。 次に、前記の水相を、0.0515W/V%の
THAMで緩衝し、エマルジヨンが次の試験段階
に適するように、最終的にPHを約7.8に調整した。
終点のPHを約7.8とするため、緩衝剤を添加した
後の初期PHは約8.2にした。この緩衝した水溶液
は、賦形剤(ベヒクル)と呼ばれることがある。
ベヒクルは、単独で用いられるか、または他のも
のと混合して用いられる。 次に、フルオロカーボンF−44Eを、エマルジ
ヨン中のF−44Eが86.1W/V%に達するまで、
一定の滴下速度でベヒクル、すなわち水相中に滴
下した。滴定の結果得たエマルジヨンの成分比
は、9W/V%のレシチン、1W/V%のマンニト
ール、0.05W/V%のトコフエロール、
0.0247W/V%のTHAM、および100W/V%の
F−44Eであつた。 次に、前記混合液を、多数の分割した副路を備
える流路に通した。液流は、向きを変えて、約
281Kg/cm2(4000psi)、あるいはそれ以上に加圧
した容器内に設けた相互作用シート内で、約457
m/s(1500フイート/秒)以上の速さで衝突さ
せ、かつ容器を囲むチヤンバの周囲に設けた、温
度を5℃〜8℃に保つたアイスバスで氷冷した。
このフロー操作は、6回くり返した。 次にエマルジヨンを、オートクレーブで、8分
間、121℃で圧熱減菌した。粒度分布は、米国カ
リフオルニア州アナハイムに所在するパシフイツ
ク・サイエンテイフイツク・カンパニー
(Pacific Scientific Co.)の製造によるニコンプ
(Nicomp)半微量粒径分析器で分析した。この
分析器は、光電走査方式によつて、様々な粒径の
粒子の相対数を測定するものである。 エマルジヨン中のフルオロカーボンの粒子は、
初期の加熱段階の後では、188.1nmの粒径特性を
示した。 次に、エマルジヨンを、−20℃まで冷凍した後、
室温で解凍するという操作を3回くり返した。3
回目の解凍後に測定したフルオロカーボンの平均
粒径は193.8nmであつた。 次に、エマルジヨンを、121℃で60分間圧熱す
る操作を3回くり返した。その後、平均粒径を測
定したところ、601.2nmの粒径特性が分析され
た。 実施例 F−デクリン、すなわちC10F16のエマルジヨン
を調製するため、まず水相を用意した。水相は、
浸透圧調整剤としての2.08W/V%のマンニトー
ルと、18.75W/V%のレシチンと、0.104W/V
%のα−トコフエロールアセテートとを含む水溶
液として作つた。 次に、前記水相を0.0515W/V%のTHAMで
緩衝し、エマルジヨンが次の試験段階に適するよ
うに、最終的にPHを約7.8にに調整した。終点の
PHを約7.8とするため、緩衝剤を添加した後の初
期PHは約8.2にした。この緩衝した、水溶液は、
賦形剤(ベヒクル)と呼ばれることがある。賦形
剤は単独で用いられるか、または他のものと混合
して用いられる。 次に、フルオロカーボンF−デクリンを、エマ
ルジヨン中のF−デクリンが99.53W/V%に達
するまで、賦形剤すなわち水相中に、一定の滴下
速度で滴下した。滴定の結果得たエマルジヨンの
成分比は、9W/V%のレシチン、1W/V%のマ
ンニトール、0.05W/V%のトコフエロール、
0.0247W/V%のTHAM、ならびに100W/V%
のF−デクリンであつた。 次に、前記混合液を、多数の分割した副路を備
える流路に通した。液流は、向きを変えさせて、
約281Kg/cm2(4000psi)、あるいはそれ以上に加
圧した容器内に設けた相互作用シート内で、約
457m/s(1500フイート/秒)以上の速度で互い
に衝突させ、かつ、実施例の場合と同様のアイ
スバスで氷冷した。このフロー操作を6回くり返
した。 次に、エマルジヨンを、オートクレーブで、
121℃で8分間圧熱滅菌した。粒度分布の分析は、
実施例で用いたのと同様のニコンプ半微量粒径
分析器で行なつた。最初の圧熱処理をした後の、
エマルジヨン中のフルオロカーボンの平均粒径は
125.7nmであつた。 次にエマルジヨンを、−20℃まで冷凍した後、
室温で解凍するという操作を3回くり返した。3
回目の解凍後に分析したフルオロカーボンの平均
粒径は145.1nmであつた。 次に、エマルジヨンを121℃で60分間圧熱する
操作を3回くり返した。この操作後分析して得た
フルオロカーボンの平均粒径は86.9nmであつた。 一般に、エマルジヨンをフローさせて衝突させ
る操作は、4回くり返すのがよいが、場合に応じ
て、エマルジヨンの安定度を最大にするには、前
記操作を5〜6回くり返すのがよいということが
分かつた。時には、フローの衝突で生じた熱で、
レシチンが加水分解される傾向が見られることが
ある。 この加水分解を減少あるいは無くすには、内部
でフローの衝突を行わせる容器を、約5〜10℃の
アイスバスで氷冷すればよい。 しかし、非感熱性の乳化剤を用いる場合は、フ
ローを衝突させる空胴を冷却したり、あるいは他
の方法でその熱を取り除く必要はない。フツ素化
した界面活性剤の多くは非感熱性である。そのよ
うな界面活性剤には、例えば、トリペルフルオロ
アルキルコレートおよびペルフルオロアルキルコ
レスタノールが含まれる。 フルオロカーボンエマルジヨンは、身体の各部
や、組織また器官に、治療用の補助剤や薬品を投
与する上で効果的に用いることができる。エマル
ジヨンのフルオロカーボンの不連続相を形成する
粒子は、フルオロカーボンと、それを包む膜との
2つの主成分とで構成されている。 フルオロカーボンの不連続相は、安定化させる
と、治療用補助剤あるいは薬品、すなわちこれら
補助剤あるいは薬品を含む溶液を、フルオロカー
ボン相の中に輸送し、かつ粒子膜と、補助剤ある
いは薬品を複合させるという少なくとも2つの作
用が可能になる。 フルオロカーホンに溶解しうる治療薬および補
助剤には、ジアゼパン、シクロスポリン、リフア
ンピン、クリンダマイシン、イソフルレーン、ハ
ロタン、ならびにエンフルレーンが含まれる。 また、フルオロカーボンに溶解しないが、例え
ば、レシチン膜を複合する治療薬および補助剤に
は、マンニトール、トコフエロール、ストレプト
キナーゼ、デキサメタン、プロスタグランジン
E、インターロイキン、ゲンタマイシン、なら
びにセフオキシチンが含まれる。 抗生物質は、フルオロカーボンエマルジヨンに
添加した場合、経皮的に投与することができる。 ストレプトキナーゼ、およびその他の酵素を含
む血栓崩壊(Thrombolytic)剤を、フルオロカ
ーボンエマルジヨンで輸送させて、投与した。 フルオロカーボンの表面張力、すなわち乳化剤
としてレシチンまたはフルオロ界面活性剤を添加
したフルオロカーボンエマルジヨンの表面張力を
低くすると、エマルジヨンは、毛管および脈管、
ならびに体内のその他の細い管系に浸透しうる有
効な湿潤性の流体となると考えられる。 そのようなフルオロカーボンエマルジヨンで、
血栓崩壊剤がどのように輸送されるかを、次の実
施例で説明する。 実施例 40W/V%ペルフルオロクチルブロミドのエマ
ルジヨンの調製は、実施例で用いたのと同様の
方法で行なつた。得られたエマルジヨンの成分比
は、乳化剤としてのレシチンが6W/V%、デキ
サメタソンが0.01W/V%トコフエノールが
0.01W/V%グリセロールが1.5W/V%、なら
びに緩衝剤として、リン酸二水素ナトリウムが
0.012W/V%およびリン酸水素二ナトリウムが
0.0563W/V%であつた。 エマルジヨンは、前記方法ならびに冒頭で引用
した特願昭62−005201明細書に記載した方法と同
じ要領で調製し、かつベヒクルを用意する段階で
デキサメタソンを加えた。ストレプトキナーゼ
は、フロー衝突の段階の前に加えた。フローによ
る衝突の操作は、3回くり返した。 次に、エマルジヨンを、人の血液を凝血させた
試験管に注入した。20分以内に、80〜90%の凝血
が溶解した。ストレプトキナーゼは、フルオロカ
ーボンエマルジヨンが存在しなくとも、それだけ
で、概ね同様の程度で凝血を溶解する。従つて、
フルオロカーボンエマルジヨンは、ストレプトキ
ナーゼの溶血作用を阻止することはなかつた。 以上、本発明および好適な実施例に関し、商
品、組成、ならびに調製方法について詳しく述べ
たが、それは特定の実施例に限つて説明したもの
である。 本発明の属する技術分野における通常の知識を
有する物であれば、その他の付加的な実施例も把
握できるであろう。この明細書中で説明した実施
例は、そのような付加的な実施例とともに、本発
明の請求の範囲内に含まれるものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 水相と、有効量の乳化剤及びフルオロカーボ
    ンとを結合させて、前記フルオロカーボンに対し
    て50W/V%から125W/V%までの混合物を生
    成する段階と、前記混合物を乳化装置に通して、
    十分に大きな流量と、少なくとも281Kg/cm2の圧
    力を受け、安定な加熱滅菌性水相中フルオロカー
    ボンエマルジヨンを生成する段階とにより調製さ
    れ、生体に適合可能であつて、界面活性のない脂
    肪分や油分を含まず、また熱による滅菌に続く非
    凍結状態下で、粒子の大きさに安定性のあるフル
    オロカーボンエマルジヨン。 2 エマルジヨンの浸透圧を調整し、維持する有
    効量の浸透圧調整剤を更に含む請求項1記載のフ
    ルオロカーボンエマルジヨン。 3 熱により滅菌がなされている請求項1記載の
    フルオロカーボンエマルジヨン。 4 保存に安定で、熱により滅菌可能なフルオロ
    カーボンエマルジヨンであつて、連続水成相と、
    不連続フルオロカーボン相と、有効量の乳化剤と
    を含み、前記エマルジヨン中の前記フルオロカー
    ボン相の濃度が75W/V%から125W/V%であ
    り、前記エマルジヨンが、熱による滅菌に続く非
    凍結状態の保存の間に粒子の大きさに安定性のあ
    るフルオロカーボンエマルジヨン。 5 エマルジヨン中のフルオロカーボン相の濃度
    が、少なくとも約80W/V%である請求項4のフ
    ルオロカーボンエマルジヨン。 6 エマルジヨン中のフルオロカーボン相の濃度
    が、少なくとも約100W/V%である請求項4の
    フルオロカーボンエマルジヨン。 7 乳化剤がリン脂質である請求項1記載のフル
    オロカーボンエマルジヨン。 8 リン脂質がレシチンである請求項7記載のフ
    ルオロカーボンエマルジヨン。 9 乳化剤がアニオン界面活性剤である請求項1
    記載のフルオロカーボンエマルジヨン。 10 フルオロカーボンが一臭素化ベルフルオロ
    カーボンである請求項1記載のフルオロカーボン
    エマルジヨン。 11 一臭素化ベルフルオロカーボンが1−ブロ
    モセプタデカフルオロオクタンである請求項10
    記載のフルオロカーボンエマルジヨン。 12 一臭素化ベルフルオロカーボンが1−ブロ
    モトリデカフルオロヘキサンである請求項10記
    載のフルオロカーボンエマルジヨン。 13 一臭素化ベルフルオロカーボンが、1−ブ
    ロモペンタデカフルオロセブタンである請求項1
    0記載のフルオロカーボンエマルジヨン。 14 フルオロカーボンがC4F9CH−CHC4F9
    ある請求項1記載のフルオロカーボンエマルジヨ
    ン。 15 フルオロカーボンがF−デカリンである請
    求項1記載のフルオロカーボンエマルジヨン。 16 乳化剤が、生体に適合しうるフツ素化界面
    活性剤である請求項1記載のフルオロカーボンエ
    マルジヨン。 17 フルオロカーボンエマルジヨンとフツ素化
    界面活性剤が、癌症を生じる前に、動物体内若し
    くは器官から除去されるに十分な除去率を有する
    請求項16記載のフルオロカーボンエマルジヨ
    ン。 18 フルオロカーボンエマルジヨンとフツ素化
    界面活性剤が、胚子奇形発生を生じる前に、動物
    の体内若しくは器官から除去されるに十分な除去
    率を有する請求項16記載のフルオロカーボンエ
    マルジヨン。 19 フルオロカーボンエマルジヨンとフツ素化
    界面活性剤が、胚毒症を生じる前に、動物の体内
    若しくは器官から除去されるに十分な除去率を有
    する請求項16記載のフルオロカーボンエマルジ
    ヨン。 20 フツ素化界面活性剤がフツ素化ポリヒドロ
    キシル化界面活性剤である請求項16記載のフル
    オロカーボンエマルジヨン。 21 イミダゾール、トリス(ヒドロキシメチ
    ル)アミノメタン及びそれらの組合わせよりなる
    群から選択された緩衝剤を更に含む請求項1記載
    のフルオロカーボンエマルジヨン。 22 緩衝剤を選択するための群が、更に、重炭
    酸ナトリウム、第一リン酸ナトリウム、第二リン
    酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシ
    ウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、第一リン
    酸カリウム、第二リン酸カリウム及びそれらの組
    合わせであつて、カルシウムを沈殿させないもの
    を含む請求項21記載のフルオロカーボンエマル
    ジヨン。 23 エマルジヨンのPHが、殺菌後、静脈内使用
    の前に、ほぼ4.0からほぼ8.4迄に維持される請求
    項21記載のフルオロカーボンエマルジヨン。 24 エマルジヨンのPHが、冠状動脈内で使用さ
    れる前に、ほぼ7.0からほぼ7.8の間に維持される
    請求項21記載のフルオロカーボンエマルジヨ
    ン。 25 緩衝剤がイミダゾールである請求項21記
    載のフルオロカーボンエマルジヨン。 26 酸化防止剤を含む請求項1記載のフルオロ
    カーボンエマルジヨン。 27 酸化防止剤がマンニトールである請求項2
    6記載のフルオロカーボンエマルジヨン。 28 酸化防止剤がトコフエロールである請求項
    26記載のフルオロカーボンエマルジヨン。 29 酸化防止剤が、マンニトールとトコフエロ
    ールよりなる請求項26記載のフルオロカーボン
    エマルジヨン。 30 トコフエロールが酢酸α−トコフエロール
    である請求項28記載のフルオロカーボンエマル
    ジヨン。 31 エマルジヨン成分の酸化を減少させるため
    の酸化防止剤が、アスコルビルパルミタート、マ
    ンニトール、トコフエロール、イミダゾール及び
    それらの組合わせよりなる群から選択された有効
    量の酸化防止剤を含む請求項26記載のフルオロ
    カーボンエマルジヨン。 32 動物の体と器官の組織の酸化を減少させる
    ための酸化防止剤が、アスコルビルパルミター
    ト、マンニトール、トコフエロール、イミダゾー
    ル及びそれらの組合せよりなる群から選択された
    有効量の酸化防止剤を含む請求項26記載のフル
    オロカーボンエマルジヨン。 33 動物の体と器官の組織に使用され、エマル
    ジヨンの酸化を減少させるために有効な量のマン
    ニトールとトコフエロールを更に含む請求項1記
    載のフルオロカーボンエマルジヨン。 34 動物の体と器官の組織に使用され、動物の
    体と臓器の組織内の酸化を減少させるための有効
    量のマンニトールとトコフエロールを含む請求項
    1記載のフルオロカーボンエマルジヨン。 35 動物の体と器官の組織に使用され、エマル
    ジヨン内の酸化を減少させるための有効量のマン
    ニトールを含む請求項1記載のフルオロカーボン
    エマルジヨン。 36 動物の体と器官に使用され、動物の体と器
    官の組織内の酸化を減少させるための有効量のマ
    ンニトールを含む請求項1記載のフルオロカーボ
    ンエマルジヨン。 37 動物の体と器官の組織内の酸化を減少させ
    るために使用され、酸化防止剤を選択するための
    群が、更にアスコルビン酸、その塩及び錯体、並
    びにそれらの組合せであつて、カルシウムを沈殿
    させないものを含む請求項31記載のフルオロカ
    ーボンエマルジヨン。 38 エマルジヨン中にフルオロカーボンが、
    80W/V%と125W/V%の間で含まれる請求項
    1記載のフルオロカーボンエマルジヨン。 39 エマルジヨンの浸透圧濃度が、ほぼ240ミ
    リオスモルと650ミリオスモルの間に維持される
    請求項2記載のフルオロカーボンエマルジヨン。 40 エマルジヨンの浸透圧濃度が、ほぼ300ミ
    リオスモルと450ミリオスモルの間に維持される
    請求項2記載のフルオロカーボンエマルジヨン。 41 浸透圧が、少くとも部分的にヘキサヒドリ
    ツクアルコールにより維持される請求項39若し
    くは40記載のフルオロカーボンエマルジヨン。 42 ヘキサヒドリツクアルコールが、マンニト
    ールとソルビトールよりなる群から選択される請
    求項41記載のフルオロカーボンエマルジヨン。 43 ヘキサヒドリツクアルコールがマンニトー
    ルであり、約0.25W/V%から約1.5W/V%で
    存在する請求項42記載のフルオロカーボンエマ
    ルジヨン。 44 浸透圧が少くとも部分的に糖類により維持
    される請求項39若しくは40記載のフルオロカ
    ーボンエマルジヨン。 45 糖類が、グルコース、フラクトース及びそ
    れらの組合わせよりなる群から選択されたもので
    ある請求項44記載のフルオロカーボンエマルジ
    ヨン。 46 浸透圧が、少くとも部分的に緩衝剤により
    維持される請求項39若しくは40記載のフルオ
    ロカーボンエマルジヨン。 47 浸透圧が、少くとも部分的に塩化物若しく
    は硫酸塩により維持される請求項39若しくは4
    0記載のフルオロカーボンエマルジヨン。
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