JPH0549450A - 生肉片類の接着方法 - Google Patents

生肉片類の接着方法

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JPH0549450A
JPH0549450A JP3228539A JP22853991A JPH0549450A JP H0549450 A JPH0549450 A JP H0549450A JP 3228539 A JP3228539 A JP 3228539A JP 22853991 A JP22853991 A JP 22853991A JP H0549450 A JPH0549450 A JP H0549450A
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meat
fibrinogen
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JP3228539A
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Haruo Negishi
岸 晴 夫 根
Sumio Yoshikawa
川 純 夫 吉
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Meiji Dairies Corp
Original Assignee
Meiji Milk Products Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 アルカリ処理した大豆タンパク質、フィブリ
ノーゲン及び酸性ピロリン酸カルシウムからなる接着剤
を用いて生肉片を接着し、大きな肉塊を再構成する。 【効果】 従来挽肉にする程度の用途しかなかった小さ
な生肉片を大型化することができ、また不定形肉を定形
化することができ、生産性、歩留まりの向上とともに資
源の有効利用がはかられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生肉片類を接着して、
一定形状にする方法及び接着して得られた肉類に関する
ものである。一般に、牛肉の加工工程において副次的に
様々の形態の小肉片を生ずるが、これらの小肉片は利用
価値が低く、挽肉等にしか利用されない。本発明はこれ
らの小肉片を有効利用するため、小肉片同志を接着して
大きな肉塊に再構成するための生肉片類の接着方法及び
接着して得られた肉類に関するものである。生肉の段階
で接着できれば、小肉片の大型化、不定形肉の定形化が
可能になり、生産性、歩留まり、並びに資源の有効利用
のために資するところが大である。
【0002】
【従来の技術】従来、生肉片類を接着させる方法は種々
試みられ、大別すると接着部を強アルカリ性にして接着
させる方法と微酸性の肉pH付近で接着させる方法とが
ある。前者の例としては、タンパク材や多糖類を強いア
ルカリ剤(水酸化カルシウム、酸化カルシウム、卵殻焼
成粉など)と混合して、生肉表面に付着させた後、生肉
片相互を接着させる方法(特公昭47−14905、同
52−12789、同58−32858、同63−50
65など);生肉にコンニャクマンナンを加えた後、水
酸化カルシウム溶液に浸漬し、加圧接着してブロック状
肉とする方法(特開昭55−13031);D−ソルビ
ットと水酸化カルシウムとの錯体を結着剤として生肉片
を結着させる方法(特公昭64−11273);血清粉
末にアルカリ土類金属の水酸化物、又は酸化物、あるい
は骨粉、貝殻粉末よりなるアルカリ剤を少量混合した粉
体を結着剤とする生肉片の結着方法(特開昭61−26
5070)などがある。
【0003】一方、後者の肉pH付近(微酸性)での接
着法の例としては、本発明者らの開発に係わる、食品用
タンパク質をスクシニル化したものを粉末とし、これに
酸性ピロリン酸カルシウムを混合したものを接着剤と
し、これを予め塩化カルシウムで表面処理をした生肉片
に付着させた後、生肉片同志を接着させる方法(特開平
1−124366);及びアルカリ処理を行った大豆タ
ンパク質に酸性ピロリン酸カルシウムを混合したものを
接着剤とし、これを予め塩化カルシウムで表面処理をし
た生肉片に付着させた後、生肉片同志を接着させる方法
(特開平1−132354);動物タンパク質からミオ
シン区タンパク質を回収し、結着剤とする肉塊結着法
(特公昭51−24582);無塩凍結乾燥粉末すり身
あるいは動物筋肉タンパク質の粉末と食塩とを生肉片類
に併用添加する肉類の結着法(特公昭55−3034
5、特公昭58−50703);ミルクカゼインとカル
シウム塩・グルコノデルタラクトンの混合粉末を肉塊類
に添加し、形成したカゼインの凝固ゲルを利用する肉類
の結着法(特公昭54−984);アルギン酸塩及び石
灰化合物の混合粉末を結着剤とする肉塊結着法(特公昭
47−22258);アルギン酸塩、カルシウム塩、グ
ルコノデルタラクトン及びナトリウムエリソルベートの
混合粉末を結着剤とする結着肉の製造法(特公昭62−
502238)等が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術におい
て、アルカリ剤を使用した接着剤が最もポピュラーで実
用化されているが、これらアルカリ剤使用の接着剤は、
pH10〜12という強力なアルカリ剤の作用で生肉表
面の筋肉タンパク質を溶解し接着するので、接着生肉表
面並びに接着剤の浸透した部分の生肉のpHが6以上、
多くの場合7〜9にも達する。一般に生肉のpHは5.
3〜5.9の範囲内にあり、pHが6以上のものは異
常、時には腐敗とみなされる。この場合、異臭の発生、
変色を伴い、栄養成分も変化し、製品に与える損害は大
きく、また強アルカリであるので、取り扱い上も危険で
あり、とうてい良好で安全な生肉接着剤と言い難いもの
である。
【0005】また、リン酸三カルシウムを使用するもの
や、すり身、アルギン酸カルシウム、カゼインを使用す
るものは、強アルカリ剤を使用するものに較べれば、条
件的に温和なものであるが、接着力が弱く、生肉用とし
て実用化することは困難である。しかもアルギン酸カル
シウム、カゼインによる接着は、加熱によりさらに接着
力が弱められるという欠点がある。
【0006】このような事情に鑑み、本発明者らは、先
に、スクシニル化処理食品用タンパク質と酸性ピロリン
酸カルシウムとを組み合わせた接着剤組成物による生肉
片の接着方法(特開平1−124366)、及びアルカ
リ処理大豆タンパク質と酸性ピロリン酸カルシウムとを
組み合わせた接着剤組成物による生肉片の接着方法(特
開平1−132354)を開発したのである。これらの
方法はアルカリ性下で起こる生肉の品質低下を避けると
同時に、従来報告されている非アルカリ性下での接着方
法で得られる接着力よりも強度を増すことを目的として
発明されたものである。これらの発明は、肉pH付近と
いう理想的な温和な条件で肉片同志を非加熱下で接着さ
せ、その後の加熱によって、さらに接着強度が強化さ
れ、食味性も良好である等の優れた点を多々有してい
る。しかしながら、これらの方法によっても、原料肉の
品質が悪いと、十分な接着強度が得られず、満足すべき
ものではなく、産業上の利用に際しては、なお解決すべ
き問題があった。
【0007】すなわち本発明者らの開発した上記技術
は、接着の対象となる肉表面を予め塩化カルシウムで処
理することによって、肉表面に塩溶性肉タンパク質を抽
出させ、この塩溶性タンパク質とスクシニル化処理食品
用タンパク質又はアルカリ処理大豆タンパク質とが肉中
の遊離水分の存在下で酸性ピロリン酸カルシウムの作用
により凝固反応を起こすことによって接着させるもので
ある。しかしながら、接着強度は原料肉で異なり、種々
の原料肉の中には接着性の低下を来すものがあることが
分かった。そこで、原料肉に起因する接着性低下の原因
について鋭意検討した結果、原料肉の品質が悪いと塩化
カルシウムによる塩溶性タンパク質の抽出性が低下し、
そのため肉タンパク質と接着剤との相互作用が弱めら
れ、接着性が悪くなることが分かった。これを防止する
ために、肉の塩溶性タンパク質の抽出性を高める手段に
ついて種々検討した結果、界面活性剤を併用すると不良
肉の塩溶性タンパク質の量を高めることができ、接着力
は向上した。しかし、それでも未だ接着強度が不十分な
ため、次に接着剤にアルギン酸ナトリウムとピロリン酸
ナトリウムの併用を試みたところ、従来よりも顕著に接
着強度を増すことができ、この方式による生肉片の接着
方法についても、本発明者らは特許出願を行ったところ
である(特願平3−65707号)。
【0008】しかしながら、本発明者らの発明に係る上
記接着方法によっても、接着時の状況によっては接着強
度が不十分な場合があることが分かった。一般に、接着
現象は非常に複雑であり接着強度の低下の原因を特定化
することは困難であるが、工業的に利用した場合、接着
不良の製品につながり品質的に好ましくない。このよう
な状態から、本発明者らは従来の接着方式に満足する事
なく、更に接着強度を高め、常に安定した接着力が得ら
れるような接着方式について、その後も尚、検討を継続
してきた。しかしながら、成功するには至らなかった。
【0009】そこで発想の大転換を行い、食品以外の工
業技術分野に着目し、多数の業界の中から生肉の接着と
は全く関係のないプラスチック業界に敢えて着目した。
そして、接着剤を介した生肉片同志の接着機構につい
て、プラスチックの接着理論の適用を改めて考えてみ
た。即ち、生肉片同志の接着の場合も、プラスチック類
同志の接着理論と同様に、接着界面に働く力として、接
着剤と生肉との化学的相互作用(分子間力と化学結合)
と機械的相互作用(アンカー効果とフッキング効果)の
二つ(三刀基郷:日本接着協会誌、23(2)、14−
22、1987)が存在するのではないかと考えたので
ある。すなわち、本発明者らによる接着とは、肉タンパ
ク質と大豆タンパク質・酸性ピロリン酸カルシウムの粉
体混合物である接着剤との相互作用である。先の理論に
従えば、表面処理によって溶解した肉表面の塩溶性タン
パク質と接着剤との相互作用によって、肉片同志の接着
が起こり、その強度は肉と接着剤成分との間で形成され
る共融ゲルの強度と共融ゲルを介して起こる肉との相互
作用の強さによると考えられる。接着強度を上げるため
には、接着剤と生肉との化学的相互作用を高めること
と、その結果得られる接着面のゲルを強化し、機械的相
互作用を増すことが重要である。
【0010】本発明者らはこのような観点から、先の出
願に係る発明では、原料肉の塩溶性タンパク質の抽出性
を高める処置をして、接着面の肉と接着剤との相互作用
を大きくすると共に、接着部の共融ゲルの強度を増すこ
とを目的として、接着剤にアルギン酸ナトリウムとピロ
リン酸ナトリウムの併用を試みたところ、従来よりも顕
著に接着強度を増すことができた。このようなことか
ら、更に接着強度を上げるためには共融ゲルを強化する
ことが重要であると考え、非加熱下でのゲル強度を高め
る添加物について種々検討したところ、これまでに検討
した接着剤の組成の中に、新たにフィブリノーゲンを添
加すると、著しく接着強度が増すことを発見し、本発明
を完成に至った。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためになされたものであるが、特に、本発明者ら
は、普通の生肉pH付近の穏やかな環境下での生肉片同
志の接着に際し、従来の接着剤では原料肉の品質によっ
ては接着強度が弱い場合があり、産業上の利用に際して
依然問題を残していたので、従来のものよりも更に接着
力を強化する方法を中心として各方面から鋭意検討し
た。その結果、大豆タンパク質をアルカリ処理したもの
を粉末とし、これにフィブリノーゲンと酸性ピロリン酸
カルシウムを混合し、混合物を生肉片に付着せしめたと
きに、生肉片のpHが5.0〜6.0の範囲にあるよう
に混合比率を決めた混合物を調製し、この接着剤の混合
粉末の中に、更にピロリン酸ナトリウムとL−アスコル
ビン酸ナトリウムを混合すること、並びに原料肉の表面
処理剤として塩化カルシウムと必要に応じて界面活性剤
を含む混合溶液を用いることによって、従来の接着方法
の欠点を改良することに成功した。即ち、通常の生肉の
pH付近で接着するため、既存のアルカリ剤を使用した
接着剤のように接着部のpHが異常に高くなることによ
って生じる種々の品質上の欠点が見られず、食品として
安全な生肉用の接着剤を完成するに至った。
【0012】以下に、本発明の内容について更に詳細に
説明する。先ずはじめに、本発明において生肉片接着剤
作製のための接着基材として用いる大豆タンパク質は、
大豆タンパク質溶液をアルカリ処理したものを使用す
る。大豆タンパク質のアルカリ処理は、既に本発明者ら
が特開平1−132354に記載した方法に準じ行う。
即ち、適当濃度に溶解した濃縮又は分離大豆タンパク質
溶液を水酸化ナトリウム又はカリウムでpH10〜13
に調整し、反応温度を20〜40℃として、4〜6時間
保持後、pHを塩酸で6.0〜7.5にまで戻し中和す
る。これを噴霧乾燥、凍結乾燥などにより粉末とする。
これらの処理pH、温度、時間及び最終調整pHを組み
合わせた範囲内でアルカリ処理した大豆タンパク質であ
れば、いずれの条件においても接着性が良いタンパク材
を得ることができる。次に、本発明品において最も重要
な働きをするフィブリノーゲンの作用と特性について述
べると、本接着剤による接着の原理は、血液の凝固因子
であるフィブリノーゲンの特性を応用したものである。
即ち、血液の凝固は、フィブリノーゲンがカルシウムイ
オンとトロンビンの酵素作用によりフィブリンに限定分
解され、その分解フィブリンが分子会合し、ゲル化して
起こる事が明らかにされている。本接着剤を使用した場
合もこの反応と同様に、接着部において、接着剤に添加
されたフィブリノーゲンと筋肉タンパク質並びに他の接
着剤との間に相互作用が起こり、同時にフィブリノーゲ
ンがフィブリンに変換してゲル化し、従来の接着剤より
も接着部で強く硬化する結果、接着強度を増すのであろ
うと考えられる。
【0013】フィブリノーゲンは、一般的な血液成分分
画法に従って調製されるが、広くは凍結融解による沈殿
法(この方法で得られたフィブリノーゲン画分はクリオ
プレシピテートと呼ばれる、以下、クリオプレシピテー
トと略)と8%エチルアルコール沈殿法(この方法で得
られたフィブリノーゲン画分はCohn分画1と呼ばれ
る、以下、Cohn分画1と略す)が簡便で優れた方法
である。これらの方法による具体的なフィブリノーゲン
の調製例について以下に述べる。
【0014】〔調製例1〕クリオプレシピテートによる
フィブリノーゲン調製法:屠殺直後の牛肉から、10k
gの血液を採取し、直ちに4%クエン酸ナトリウムを添
加し、血液の凝固を防止した。これを4,000rpm
で20分間遠心分離後、ガーゼを2重にしてろ過して血
球部分を除去後、このろ液を蒸留水にたいして透析し、
血しょう部分を7kg得た。これを−35℃で急速凍結
後、5℃の冷蔵庫内で徐々に融解したものを上記と同条
件で遠心分離し、沈殿部を回収した。この沈殿部がフィ
ブリノーゲンを含むクリオプレシピテートで、これを凍
結乾燥してフィブリノーゲン粉末(クリオ・フィブリノ
ーゲンと略す)20gを得た。
【0015】〔調製例2〕Cohn分画1によるフィブ
リノーゲン調製法:調製例1と同様な手順で血しょう部
分7kgを調製した。これを氷冷下で十分に冷却しなが
ら、エチルアルコールを徐々に加え、最終濃度を8%と
する。この液を4,000rpmで20分間遠心分離
後、沈殿部を回収した。この沈殿部がフィブリノーゲン
を含むCohn分画1で、これを凍結乾燥してフィブリ
ノーゲン粉末(Cohn・フィブリノーゲンと略す)7
0gを得た。
【0016】次に、酸性ピロリン酸カルシウムの作用に
ついて説明する。酸性ピロリン酸カルシウムは水に溶け
難いが、懸濁液のpHは2.4〜2.5と低いため、接
着面で徐々に溶解し、接着面のpHをpH5.0〜6.
0の範囲に調整する作用を有する。更に、接着部におい
て、カルシウムイオンを遊離するため、上記の大豆タン
パク質とフィブリノーゲンとの混合物並びにこの混合物
と表面処理により生成した被着肉表面の塩溶性タンパク
質との反応物に作用し、接着部を硬化させるための凝固
剤としても作用する。また遊離したカルシウムイオンは
後述のピロリン酸ナトリウムとの反応性も高いため、こ
のような反応によっても接着強度を高めているものと考
えられる。
【0017】ピロリン酸ナトリウムは生肉表面の塩溶性
タンパク質量を増し、かつ接着部のpHを中性付近に調
整する目的で使用する。即ち、ピロリン酸ナトリウムは
塩化ナトリウム、塩化カルシウムなどの塩類よりも肉タ
ンパク質に対する溶解作用が強く、生肉表面の塩溶性タ
ンパク質の抽出性を高める作用があり、同時に接着部の
pHを5.0〜6.0の範囲内に調整する作用も併有す
る。更に、ピロリン酸ナトリウムより遊離したピロリン
酸イオンは、前述の酸性ピロリン酸カルシウム並びに後
述する表面処理剤中に含まれている塩化カルシウムから
遊離したカルシウムイオンと強い結合を起こし、その結
果、接着強度を高める作用もあると考えられる。
【0018】これらの混合物の中に、L−アスコルビン
酸ナトリウムなどの還元性のある物質を、接着部の褐変
化による変色防止の目的で添加する。還元性物質として
は、L−アスコルビン酸ナトリウムのほか、トコフェロ
ールなどの還元性物質ないし抗酸化性物質が天然物、合
成品を問わず各種使用できる。
【0019】これら接着剤の組成は、基本的にはアルカ
リ処理大豆タンパク質とフィブリノーゲンとの混合物を
接着基材とし、これを接着剤中に少なくとも50%以上
含み、かつフィブリノーゲンが接着剤中に少なくとも5
%以上含まれることを特徴とする。この場合、大豆タン
パク質の代わりに全てフィブリノーゲンに置き換え、接
着基材として使用しても十分な接着強度が得られるが、
コスト面を考慮すると、大豆タンパク質を主体にして、
フィブリノーゲンの使用量を減らした方が好ましいこと
は言うまでもない。更にこの中に酸性ピロリン酸カルシ
ウムを3〜20部、ピロリン酸ナトリウムを5〜30
部、及び還元性物質(L−アスコルビン酸ナトリウム)
を1〜10部混合したもので、望ましくはアルカリ処理
大豆タンパク質を55〜75部、フィブリノーゲンを1
0〜30部、酸性ピロリン酸カルシウムを4〜10部、
ピロリン酸ナトリウムを8〜15部、及び還元性物質
(L−アスコルビン酸ナトリウム)を3〜6部混合し、
接着剤を調製する。
【0020】本発明を実施するには、予め塩化カルシウ
ムで表面処理した生肉表面に、上記によって調製した新
規接着剤を付着せしめ、次いで生肉片同志を圧着せしめ
れば良い。具体的に本接着剤を用いて生肉片を接着する
には、予め塩化カルシウムで表面処理した2枚もしくは
2枚以上の生肉片の片側、又は、両側に本接着剤粉末を
被着せしめ、接着面に空隙を生じないように圧着し、3
0分以上、常温、冷蔵下に置くことにより、接着が完了
する。接着は強固であって、従来の接着方法よりも格段
に接着強度は増しており、本発明の所期の目的は十分に
達成される。更に、塩化カルシウムの中に界面活性剤と
してHLB(親水性親油性バランス)が10以上好まし
くは13以上のショ糖脂肪酸エステル類(ショ糖ステア
リン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖
オレイン酸エステル、ショ糖ラウリン酸エステルなど)
を単体又は二種以上のものを混合し、表面処理剤として
使用すると、更に接着力を強化することが出来る。
【0021】本表面処理剤において、塩化カルシウムに
対する界面活性剤の混合割合としては、塩化カルシウム
50〜95部に対して、界面活性剤を5〜50部添加す
ることを特徴とするが、望ましくは、塩化カルシウム6
5〜85部に対して、界面活性剤を15〜35部添加す
るのが良い。このように調製した表面処理剤による生肉
片の表面処理方法としては、例えば次に記載した方法に
従って行うのが良い。即ち、上述の表面処理剤を少量
の水と混ぜペーストにして、生肉片表面に添加し表面処
理する方法。上述の表面処理剤の1.0〜6.0%溶
液に浸せきして処理する方法、及び1.0〜10%の
表面処理剤溶液を刷毛などで肉表面に塗布してする方法
がある。表面処理の時間は10〜60分間で、溶液状態
の方が処理時間を短縮できる。
【0022】以上述べた表面処理剤と接着剤により生肉
片を接着するには、先に述べた塩化カルシウムのみから
なる表面処理剤の場合と同様に行えば良い。先づ、2枚
もしくは2枚以上の生肉片の表面を本表面処理剤で処理
後、生肉片の片側、又は両側に本接着剤粉末を被着せし
め、接着面に空隙を生じさせないように圧着し、30分
以上、常温、又は冷蔵下に置くことにより、接着が完了
する。このようにして接着した接着肉の接着力は非常に
強く、接着肉のpHは5.0〜6.0、好ましくは5.
3〜5.8の範囲であり、変色・異味・異臭の発生もな
く、塩化カルシウム単独使用の場合よりも優れていた。
接着剤の被着量は、被着面の状態や面積により異なる
が、通常、被接着肉100部に対して0.1〜10部程
度で十分である。
【0023】本発明による接着剤は、牛肉、豚肉、鶏肉
のみならず、ターキー肉、マトン、うさぎ肉等の全ての
生肉に適用できる。
【0024】以下、本発明の実施例を示す。
【0025】〔実施例1〕接着用生肉片として牛肉、豚
肉、鶏肉の20×50×120mm程度の大きさのもの
を、それぞれ2枚ずつ用意した。
【0026】濃縮大豆タンパク質(フジピュリナプロテ
ィン(株)製)の6%溶液を作製し、5N−NaOHで
pH10に調整し、反応温度を40℃として、6時間保
持後、pHを5N−HClでpH7.5にまで戻した。
この溶液を凍結乾燥し、固形物を粉砕してタンパク基材
とした。フィブリノーゲンは前述の調製例1で述べた方
法で調製したクリオ・フィブリノーゲンを使用した。こ
れらを用いてタンパク基材67部に、クリオ・フィブリ
ノーゲン15部、酸性ピロリン酸カルシウム5部、ピロ
リン酸ナトリウム9部、及びL−アスコルビン酸ナトリ
ウム4部を混合したものを接着剤とした。次に、5%塩
化カルシウム溶液を表面処理液として調製し、予め用意
した上記各種の生肉片を、この液の中に30分間浸せき
して表面処理を行い、取り出してペーパータオルで過剰
の付着液をふき取った夫々の生肉片の接着面に予め調製
した前述の接着剤粉末を付着し、2枚を重ね合わせた。
これを50×50×120mmの小型のリティナーに詰
め、冷蔵庫内で3時間放置し接着した。各生肉片は十分
に接着しており、接着面のpHは夫々5.5、5.7、
5.6で接着面の変色もなく良好であった。この接着生
肉片をスライスしてホットプレートで調理した結果、生
肉片同志は一層強く結合し、試食の結果、味・香りとも
本来の肉と全く変わりなかった。
【0027】〔実施例2〕分離大豆タンパク質(フジピ
ュリナプロティン(株)製)の4%溶液を作製し、5N
−NaOHでpH13に調整し、反応温度を20℃とし
て5時間保持後、pHを5N−HClでpH6.5まで
戻し、実施例1と同様に乾燥・粉砕処理してタンパク基
材とし、全く同様な組成で接着剤の混合粉末を調製し
た。フィブリノーゲンは前述の調製例2で述べた方法で
調製したCohn・フィブリノーゲンを使用した。接着
剤はタンパク基材59部に、フィブリノーゲン20部、
酸性ピロリン酸カルシウム7部、ピロリン酸ナトリウム
10部、及びL−アスコルビン酸ナトリウム4部を混合
したものを調製し、使用した。次に、10%の表面処理
液(塩化カルシウム85部とショ糖パルミチン酸エステ
ル、又はショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖オレイン
酸エステル、ショ糖ラウリン酸エステル15部の混合
物)を調製し、実施例1で使用したのと同じ各種生肉片
の表面に、上記表面処理液を刷毛で塗布した。塗布した
肉表面の水分蒸発を防止するためにポリエチレンフィル
ムなどのシートで覆い、30分間放置して表面処理を行
った。この生肉表面に予め調製した上記組成の接着剤
を、実施例1と全く同じ手順で付着させ、リティナーに
詰め接着肉を作製した。何れの界面活性剤を用いて生肉
片の表面処理を行った場合も、各生肉片は十分に接着し
ており、接着面のpHも正常で、変色もなく良好であっ
た。また、この接着生肉片をスライスして加熱調理した
場合も、本来の肉と変わりなく良好な食味であった。
【0028】〔実施例3〕実施例2と同じ大豆タンパク
質溶液を、5N−NaOHでpH11に調整し、反応温
度を30℃として4時間保持後、pHを5N−HClで
pH6.0まで戻し、実施例1、2と同様に乾燥・粉砕
処理してタンパク基材とし、次の組成の接着剤の混合粉
末を調製した。フィブリノーゲンは前述の調製例1で述
べた方法で調製したクリオ・フィブリノーゲンを使用し
た。タンパク基材62部、フィブリノーゲン15部、酸
性ピロリン酸カルシウム7部、ピロリン酸ナトリウム1
2部、及びL−アスコルビン酸ナトリウム4部とし調製
した。次に、表面処理液として、塩化カルシウム75部
とショ糖ラウリン酸エステル25部の混合物の3%溶液
を調製し、実施例1と同様に、各種生肉片の表面処理を
行った。これら生肉表面に予め調製した上記組成の接着
剤を、実施例1と全く同じ手順で付着させ、リティナー
に詰め接着肉を作製した。各生肉片は十分に接着してお
り、接着面のpHも正常で、変色もなく良好であった。
また、この接着生肉片をスライスして加熱調理した場合
も、本来の肉と変わりなく良好な食味であった。
【0029】〔実施例4〕実施例2と同じ大豆タンパク
質溶液を、5N−KOHでpH12に調整し、反応温度
を20℃として5時間保持後、pHを5N−HClでp
H7.0に戻した溶液を今まで述べた実施例と同様に処
理して得たタンパク基材47部にフィブリノーゲン30
部、酸性ピロリン酸カルシウム5部、ピロリン酸ナトリ
ウム13部、L−アスコルビン酸ナトリウム5部を混合
し、接着剤を調製した。ただし、フィブリノーゲンはC
ohn・フィブリノーゲンを使用した。次に、実施例3
と同じ方法で各種生肉片の表面処理を行い、上記組成の
接着剤を、実施例1と同様に付着させ接着肉を作製した
ところ、接着力は十分あり、pHの異常、変色も見られ
ず、調理したものの風味も良好であった。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば次の効果が得られる。即
ち、(1)通常の生肉のpH(5.5〜5.9)の範囲
内で、生肉の品質(組織、色調、香味)を損ねる事な
く、生肉片を強固に接着することができる。(2)生肉
の接着面が変色せず、調理後の味も変化せず、栄養素の
破壊もない。(3)温和な条件で処理できるので、取り
扱いが容易、かつ安全である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大豆タンパク質をアルカリ処理したもの
    を粉末とし、これにフィブリノーゲンと酸性ピロリン酸
    カルシウムを混合し、混合物を生肉片に付着せしめたと
    き、生肉片の表面pHが5.0〜6.0の範囲内にある
    ように混合比率を決めて接着剤とし、この接着剤を生肉
    片の表面にまぶして、2枚もしくは2枚以上の生肉片を
    圧着し、常温又は冷蔵下で接着させることを特徴とする
    生肉片類の接着方法。
  2. 【請求項2】 被接着用生肉片を予め塩化カルシウムと
    必要に応じて界面活性剤を含む混合溶液で表面処理した
    ものを用いることを特徴とする請求項1の生肉片の接着
    方法。
  3. 【請求項3】 接着剤の混合粉末として、請求項1で述
    べた物質を必須成分とする他、更にピロリン酸ナトリウ
    ム、並びに還元性物質を混合したものを接着剤とするこ
    とを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載の生肉片
    類の接着方法。
  4. 【請求項4】 大豆タンパク質のアルカリ処理は、大豆
    タンパク質溶液を水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム
    でpH10〜13に調整し、反応温度を20〜40℃と
    して4〜6時間保持後、pHを微酸性から微アルカリ性
    に戻すことからなることを特徴とする請求項1〜請求項
    3のいずれか1項に記載の生肉片の接着方法。
  5. 【請求項5】 接着剤の組成として請求項4に記載した
    大豆タンパク質とフィブリノーゲンの混合物またはフィ
    ブリノーゲン単体を主成分とし、これを接着剤中に少な
    くとも50%以上含み、しかもフィブリノーゲンを接着
    剤中に少なくとも5%以上含むことを特徴とし、更にこ
    の中に酸性ピロリン酸カルシウムを3〜20部、ピロリ
    ン酸ナトリウムを5〜30部、及び還元性物質を1〜1
    0部混合して調製することを特徴とする請求項1〜請求
    項4のいずれか1項に記載の生肉片の接着方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記
    載の接着方法によって生肉片を接着してなる肉。
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