JPH055000A - 経口寛容誘導能を有する低アレルゲン性 酵素分解ペプチド組成物 - Google Patents
経口寛容誘導能を有する低アレルゲン性 酵素分解ペプチド組成物Info
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- JPH055000A JPH055000A JP3181681A JP18168191A JPH055000A JP H055000 A JPH055000 A JP H055000A JP 3181681 A JP3181681 A JP 3181681A JP 18168191 A JP18168191 A JP 18168191A JP H055000 A JPH055000 A JP H055000A
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- A23V2250/54—Proteins
- A23V2250/542—Animal Protein
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- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 牛乳由来の蛋白質を蛋白加水分解酵素で処理
し、分子量を1万以下とした経口寛容誘導能を有する低
アレルゲン性酵素分解ペプチド組成物を製造する。 【効果】 本ペプチド組成物はアレルギー低減化食品と
してあるいは経口寛容誘導剤として有用である。
し、分子量を1万以下とした経口寛容誘導能を有する低
アレルゲン性酵素分解ペプチド組成物を製造する。 【効果】 本ペプチド組成物はアレルギー低減化食品と
してあるいは経口寛容誘導剤として有用である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、乳蛋白質を蛋白加水分
解酵素で処理して得られる低アレルゲン性酵素分解ペプ
チド組成物及びその用途に関するものである。
解酵素で処理して得られる低アレルゲン性酵素分解ペプ
チド組成物及びその用途に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に蛋白質やペプチドの抗原性はその
分子量と密接な関係があることが知られている。酵素分
解はこうした蛋白質やペプチドを低分子化して抗原性を
低下させる最も効果的な方法の1つである。実際、牛乳
アレルギーの原因物質と考えられているカゼインや乳清
蛋白質に対しても酵素分解による低アレルゲン化の試み
がなされており、分解ペプチドの分子量と抗原性および
免疫原性の関係などが報告されている(Takase,
M.et al.,Jpn.Dairy Food S
ic.,33,A5(1984);Otani,H.e
t al.,Milchwissenschaft,4
5,217(1990);Asselm,J.et a
l.,J.Food Sci.,53,1208(19
88))。しかし、抗原性および免疫原性に関するこれ
らの検討はすべて酵素分解ペプチドの未分解蛋白質抗原
に対する抗体とのin vitroでの反応性あるいは
非経口投与によるin vivo抗体産生能の結果に基
づいて行われており、経口投与時に特有な生体の免疫応
答(免疫寛容あるいは経口寛容)が全く考慮されていな
かった。
分子量と密接な関係があることが知られている。酵素分
解はこうした蛋白質やペプチドを低分子化して抗原性を
低下させる最も効果的な方法の1つである。実際、牛乳
アレルギーの原因物質と考えられているカゼインや乳清
蛋白質に対しても酵素分解による低アレルゲン化の試み
がなされており、分解ペプチドの分子量と抗原性および
免疫原性の関係などが報告されている(Takase,
M.et al.,Jpn.Dairy Food S
ic.,33,A5(1984);Otani,H.e
t al.,Milchwissenschaft,4
5,217(1990);Asselm,J.et a
l.,J.Food Sci.,53,1208(19
88))。しかし、抗原性および免疫原性に関するこれ
らの検討はすべて酵素分解ペプチドの未分解蛋白質抗原
に対する抗体とのin vitroでの反応性あるいは
非経口投与によるin vivo抗体産生能の結果に基
づいて行われており、経口投与時に特有な生体の免疫応
答(免疫寛容あるいは経口寛容)が全く考慮されていな
かった。
【0003】すなわち、これまでの乳蛋白質の低アレル
ゲン化酵素分解ペプチド組成物は、乳蛋白質抗原の非経
口投与での抗体産生能あるいはin vitroでの抗
体結合能を低下させることのみを考慮して開発されたも
のであった。乳蛋白質が経口投与された場合に生体内で
誘導されうる抗原特異的な抗体産生抑制機構(抗原特異
的抑制T細胞の誘導など)をアレルギー低減化食品の開
発に積極的に活用するための検討はこれまで全く行われ
ていない。ましてや、経口寛容誘導剤の開発についての
検討に至っては全く何も行われていないのが現状であ
る。
ゲン化酵素分解ペプチド組成物は、乳蛋白質抗原の非経
口投与での抗体産生能あるいはin vitroでの抗
体結合能を低下させることのみを考慮して開発されたも
のであった。乳蛋白質が経口投与された場合に生体内で
誘導されうる抗原特異的な抗体産生抑制機構(抗原特異
的抑制T細胞の誘導など)をアレルギー低減化食品の開
発に積極的に活用するための検討はこれまで全く行われ
ていない。ましてや、経口寛容誘導剤の開発についての
検討に至っては全く何も行われていないのが現状であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これまでの乳蛋白質の
低アレルゲン化方法は、抗原性をなくすために低分子量
のペプチドにまで酵素分解することであった。しかし、
極端に低分子化するとしばしば苦味ペプチドを生じ、風
味が損われる上に、未分解の乳蛋白質が本来有している
と考えられる生体の経口寛容誘導能が消失することが予
想される。実際、あらかじめ生体に投与して免疫寛容を
誘起できるような蛋白質の酵素分解ペプチドは、非経口
投与の場合は例(特開昭49−13324)があるもの
の、経口投与では全く知られていない。
低アレルゲン化方法は、抗原性をなくすために低分子量
のペプチドにまで酵素分解することであった。しかし、
極端に低分子化するとしばしば苦味ペプチドを生じ、風
味が損われる上に、未分解の乳蛋白質が本来有している
と考えられる生体の経口寛容誘導能が消失することが予
想される。実際、あらかじめ生体に投与して免疫寛容を
誘起できるような蛋白質の酵素分解ペプチドは、非経口
投与の場合は例(特開昭49−13324)があるもの
の、経口投与では全く知られていない。
【0005】したがって本発明が解決しようとする課題
は、抗原性が低下し且つ風味にはすぐれ、更に経口寛容
誘導能を備えた酵素分解ペプチド組成物を新たに開発す
ることである。
は、抗原性が低下し且つ風味にはすぐれ、更に経口寛容
誘導能を備えた酵素分解ペプチド組成物を新たに開発す
ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に各方面から検討の結果、本発明者らは牛乳由来の蛋白
質を蛋白加水分解酵素で処理し、分子量が1万以下のペ
プチドとすることにより、抗原性が低く、かつ経口寛容
誘導能を有する風味良好な低アレルゲン性酵素分解ペプ
チド組成物ができることを見いだし、本発明を完成する
に至った。以下、本発明について詳しく説明する。
に各方面から検討の結果、本発明者らは牛乳由来の蛋白
質を蛋白加水分解酵素で処理し、分子量が1万以下のペ
プチドとすることにより、抗原性が低く、かつ経口寛容
誘導能を有する風味良好な低アレルゲン性酵素分解ペプ
チド組成物ができることを見いだし、本発明を完成する
に至った。以下、本発明について詳しく説明する。
【0007】本発明に係るペプチド組成物の原料として
は、蛋白質を使用するが、それにはβ−ラクトグロブリ
ン、α−ラクトアルブミン等の乳清蛋白質、カゼインそ
の他の牛乳由来の蛋白質を各成分に分離しあるいは分離
することなく使用する。これら蛋白質は精製したものが
好都合であるが、最終製品を食品ないし経口投与薬剤等
として使用する場合には必らずしも純品にまで精製する
必要はない。
は、蛋白質を使用するが、それにはβ−ラクトグロブリ
ン、α−ラクトアルブミン等の乳清蛋白質、カゼインそ
の他の牛乳由来の蛋白質を各成分に分離しあるいは分離
することなく使用する。これら蛋白質は精製したものが
好都合であるが、最終製品を食品ないし経口投与薬剤等
として使用する場合には必らずしも純品にまで精製する
必要はない。
【0008】本発明においては、上記した牛乳由来の蛋
白質を、必要あれば2種以上混合し、蛋白加水分解酵素
で処理し、分子量2万以下好ましくは1万以下の低分子
ペプチド化する。
白質を、必要あれば2種以上混合し、蛋白加水分解酵素
で処理し、分子量2万以下好ましくは1万以下の低分子
ペプチド化する。
【0009】蛋白加水分解酵素としては、ペプチド結合
を加水分解する酵素を広く指し、プロテアーゼ、プロテ
イナーゼ、エンドペプチダーゼ等を広く包含するもので
あり、植物起源、動物起源、微生物起源の各酵素が適宜
使用できる。
を加水分解する酵素を広く指し、プロテアーゼ、プロテ
イナーゼ、エンドペプチダーゼ等を広く包含するもので
あり、植物起源、動物起源、微生物起源の各酵素が適宜
使用できる。
【0010】植物起源の蛋白加水分解酵素としては、パ
パイン、ブロメリン、フィシン等が挙げられ、動物起源
の酵素としては、トリプシン、キモトリプシン、カリク
レイン、パンクレアチン等が挙げられ、とくにトリプシ
ン、α−キモトリプシンが好ましく、単用ないし2種以
上併用できる。微生物起源の酵素としては、アスペルギ
ルス属菌(例えばAspergillus Dryza
e IFO30105等)、枯草菌(例えばBacil
lus subtilis IFO13722等)、放
線菌(例えばStreptomyces griseu
s IFO13304等)等が生産する蛋白加水分解酵
素が単用ないし2種以上併用できる。
パイン、ブロメリン、フィシン等が挙げられ、動物起源
の酵素としては、トリプシン、キモトリプシン、カリク
レイン、パンクレアチン等が挙げられ、とくにトリプシ
ン、α−キモトリプシンが好ましく、単用ないし2種以
上併用できる。微生物起源の酵素としては、アスペルギ
ルス属菌(例えばAspergillus Dryza
e IFO30105等)、枯草菌(例えばBacil
lus subtilis IFO13722等)、放
線菌(例えばStreptomyces griseu
s IFO13304等)等が生産する蛋白加水分解酵
素が単用ないし2種以上併用できる。
【0011】本発明を実施するには、蛋白質の加水分解
処理の常法にしたがって実施すればよく、牛乳由来の蛋
白質を基質としてこれに蛋白加水分解酵素を加えて所定
のpH、温度で必要時間インキューベートすればよい。
例えば、牛乳蛋白質水溶液にトリプシン、α−キモトリ
プシン、アスペルギルス属糸状菌由来の蛋白加水分解酵
素、枯草菌由来の蛋白加水分解酵素又は放線菌由来の蛋
白加水分解酵素を加えpH6〜9、温度30〜40℃、
30分〜24時間の範囲において処理する。次に分子量
1万の限外ろ過膜、UF膜など分子ふるい効果を有する
膜を用いて、分子量1万以下の分解ペプチドのみを回収
する。そして更に必要あれば、得られたペプチドを常法
にしたがって精製してもよい。
処理の常法にしたがって実施すればよく、牛乳由来の蛋
白質を基質としてこれに蛋白加水分解酵素を加えて所定
のpH、温度で必要時間インキューベートすればよい。
例えば、牛乳蛋白質水溶液にトリプシン、α−キモトリ
プシン、アスペルギルス属糸状菌由来の蛋白加水分解酵
素、枯草菌由来の蛋白加水分解酵素又は放線菌由来の蛋
白加水分解酵素を加えpH6〜9、温度30〜40℃、
30分〜24時間の範囲において処理する。次に分子量
1万の限外ろ過膜、UF膜など分子ふるい効果を有する
膜を用いて、分子量1万以下の分解ペプチドのみを回収
する。そして更に必要あれば、得られたペプチドを常法
にしたがって精製してもよい。
【0012】このようにして得られた分解ペプチド組成
物は、低アレルゲン性であり、一方経口寛容誘導能は未
分解の乳蛋白質とほぼ同様にすぐれており、他方低分子
化ペプチドには常に付随している苦味成分が除去されて
風味食感にすぐれているため、新しいアレルギー低減化
食品素材として、単独又は他の食品とともに自由に使用
することができる。
物は、低アレルゲン性であり、一方経口寛容誘導能は未
分解の乳蛋白質とほぼ同様にすぐれており、他方低分子
化ペプチドには常に付随している苦味成分が除去されて
風味食感にすぐれているため、新しいアレルギー低減化
食品素材として、単独又は他の食品とともに自由に使用
することができる。
【0013】また本発明に係る分解ペプチド組成物は、
後記する実施例からも明らかなように経口寛容誘導能に
きわめてすぐれているので、常用される佐薬を用いてあ
るいは用いることなく単独で錠剤、顆粒剤、カプセル
剤、粉剤、液剤等所望する剤型に製剤化して経口投与用
医薬として、経口寛容誘導及び/又はそのための補助的
処置のために使用することができる。本発明に係る分解
ペプチド組成物は、本来食品として用いることができる
ものであるので安全性に問題はなく、しかも経口的に投
与するので安全性については全く問題はないし、その用
量も適宜でよい。以下、本発明の実施例について述べ
る。
後記する実施例からも明らかなように経口寛容誘導能に
きわめてすぐれているので、常用される佐薬を用いてあ
るいは用いることなく単独で錠剤、顆粒剤、カプセル
剤、粉剤、液剤等所望する剤型に製剤化して経口投与用
医薬として、経口寛容誘導及び/又はそのための補助的
処置のために使用することができる。本発明に係る分解
ペプチド組成物は、本来食品として用いることができる
ものであるので安全性に問題はなく、しかも経口的に投
与するので安全性については全く問題はないし、その用
量も適宜でよい。以下、本発明の実施例について述べ
る。
【0014】[実施例1]乳清蛋白質の1つであるβ−
ラクトグロブリン(以下、β−LGと略)を大友らの方
法(日本食品工業学会誌,35,755(1988))
で牛乳ホエーから回収した。このβ−LGの0.5重量
%水溶液500lを調製し、これを1N水酸化ナトリウ
ムにてpH8.0とした。これにウシトリプシン(Si
gma社、T−8003)2.5×104BAEE u
nit/gβ−LGを添加し、pH8.0、37℃で攪
拌しつつ1時間酵素反応を行った。反応終了後、β−L
G酵素分解液を分画分子量1万の限外ろ過膜を使用した
ろ過装置にかけ、分子量1万以下のβ−LGの部分ペプ
チドを含む画分を得た。
ラクトグロブリン(以下、β−LGと略)を大友らの方
法(日本食品工業学会誌,35,755(1988))
で牛乳ホエーから回収した。このβ−LGの0.5重量
%水溶液500lを調製し、これを1N水酸化ナトリウ
ムにてpH8.0とした。これにウシトリプシン(Si
gma社、T−8003)2.5×104BAEE u
nit/gβ−LGを添加し、pH8.0、37℃で攪
拌しつつ1時間酵素反応を行った。反応終了後、β−L
G酵素分解液を分画分子量1万の限外ろ過膜を使用した
ろ過装置にかけ、分子量1万以下のβ−LGの部分ペプ
チドを含む画分を得た。
【0015】この画分を凍結乾燥した試料のSDS電気
泳動パターンを図1で示される第1図に、抗原性を図2
〜図6で示される第2図に示した。なお、抗原性はKa
minogawaらが調製した5種類の抗β−LGモノ
クローナル抗体(Agric.Biol.Chem.,
51,797(1987))との反応性を競合法のEL
ISA法(酵素免疫測定法(第2版),p30,医学書
院)で検討した。その結果から明らかなように、β−L
GのN末端側8−26あるいは15−26に特異性を示
すモノクローナル抗体(21B3、31A4)は、若干
これらのペプチドと反応したけれども(図2、3で示さ
れる第2図A、第2図B)、未変性β−LGの立体構造
を認識するが変性したβ−LGとは反応しないモノクロ
ーナル抗体(61C1、61B4、62A6)とは全く
反応せず(図4、5、6で示される第2図C、第2図
D、第2図E)、これらの点からして、分解物中ではβ
−LGは完全に分解されていることが立証された。
泳動パターンを図1で示される第1図に、抗原性を図2
〜図6で示される第2図に示した。なお、抗原性はKa
minogawaらが調製した5種類の抗β−LGモノ
クローナル抗体(Agric.Biol.Chem.,
51,797(1987))との反応性を競合法のEL
ISA法(酵素免疫測定法(第2版),p30,医学書
院)で検討した。その結果から明らかなように、β−L
GのN末端側8−26あるいは15−26に特異性を示
すモノクローナル抗体(21B3、31A4)は、若干
これらのペプチドと反応したけれども(図2、3で示さ
れる第2図A、第2図B)、未変性β−LGの立体構造
を認識するが変性したβ−LGとは反応しないモノクロ
ーナル抗体(61C1、61B4、62A6)とは全く
反応せず(図4、5、6で示される第2図C、第2図
D、第2図E)、これらの点からして、分解物中ではβ
−LGは完全に分解されていることが立証された。
【0016】図1および図2〜6より、試料中には未分
解のβ−LGはなく、その抗原性は減少していることが
わかる。また官能検査の結果、このβ−LG酵素分解ペ
プチド組成物に苦味を訴えた人は15名中0名であっ
た。
解のβ−LGはなく、その抗原性は減少していることが
わかる。また官能検査の結果、このβ−LG酵素分解ペ
プチド組成物に苦味を訴えた人は15名中0名であっ
た。
【0017】[実施例2]実施例1で調製した試料のβ
−LG酵素分解ペプチド組成物を蛋白質源とする固型飼
料を作製し、マウス(C3H/He,6W、雌性)を飼
育した(一群5匹、飼料組成はAIN−76に準拠)。
飼育開始後3週間目に未分解のβ−LG100μgをフ
ロイントの完全アジュバントとともに各マウスに腹腔免
疫した。さらに2週間後、未分解のβ−LG100μg
をフロイントの不完全アジュバントとともに各マウスに
腹腔免疫した。2次免疫して10日目に各マウスの血清
を尾静脈から採取し、血清中のβ−LGに対する抗体量
をELISA法で測定した。抗体産生の抑制に関するポ
ジティブコントロールは実施例1の試料作製の原料とし
た未分解β−LGを蛋白質源とする固型飼料で飼育した
マウスに上記と同様の処理をして得た血清である。一
方、ネガティブコントロールは、乳由来の蛋白質を全く
含まないMF飼料(オリエンタル酵母社製)で飼育した
マウスに上記と同様の処理をして得た血清である。
−LG酵素分解ペプチド組成物を蛋白質源とする固型飼
料を作製し、マウス(C3H/He,6W、雌性)を飼
育した(一群5匹、飼料組成はAIN−76に準拠)。
飼育開始後3週間目に未分解のβ−LG100μgをフ
ロイントの完全アジュバントとともに各マウスに腹腔免
疫した。さらに2週間後、未分解のβ−LG100μg
をフロイントの不完全アジュバントとともに各マウスに
腹腔免疫した。2次免疫して10日目に各マウスの血清
を尾静脈から採取し、血清中のβ−LGに対する抗体量
をELISA法で測定した。抗体産生の抑制に関するポ
ジティブコントロールは実施例1の試料作製の原料とし
た未分解β−LGを蛋白質源とする固型飼料で飼育した
マウスに上記と同様の処理をして得た血清である。一
方、ネガティブコントロールは、乳由来の蛋白質を全く
含まないMF飼料(オリエンタル酵母社製)で飼育した
マウスに上記と同様の処理をして得た血清である。
【0018】上記の実験結果を図7で示される第3図に
示した。これによると、β−LG酵素分解ペプチド組成
物を投与したマウスでも未分解のβ−LGを投与したマ
ウスとほぼ同等な強さの経口寛容が誘導され、β−LG
特異抗体の産生が抑制されていることがわかる。
示した。これによると、β−LG酵素分解ペプチド組成
物を投与したマウスでも未分解のβ−LGを投与したマ
ウスとほぼ同等な強さの経口寛容が誘導され、β−LG
特異抗体の産生が抑制されていることがわかる。
【0019】[実施例3]カゼイン(Sigma社)を
水に溶解して1.0重量%の水溶液100lを調製し、
これを1N水酸化ナトリウムにてpH8.0とした。こ
れにウシトリプシン(Sigma社、T−8003)
5.0×104BAEE unit/gカゼインを添加
し、pH8.0、37℃で攪拌しつつ24時間酵素反応
を行った。反応終了後、カゼイン酵素分解液を凍結乾燥
し、カゼイン酵素分解ペプチド組成物を得た。このカゼ
イン酵素分解ペプチド組成物は図8で示される第4図に
示したように、HPLCゲル濾過クロマトの結果、分子
量1万以下のペプチドから成るものであった。
水に溶解して1.0重量%の水溶液100lを調製し、
これを1N水酸化ナトリウムにてpH8.0とした。こ
れにウシトリプシン(Sigma社、T−8003)
5.0×104BAEE unit/gカゼインを添加
し、pH8.0、37℃で攪拌しつつ24時間酵素反応
を行った。反応終了後、カゼイン酵素分解液を凍結乾燥
し、カゼイン酵素分解ペプチド組成物を得た。このカゼ
イン酵素分解ペプチド組成物は図8で示される第4図に
示したように、HPLCゲル濾過クロマトの結果、分子
量1万以下のペプチドから成るものであった。
【0020】上記カゼイン酵素分解組成物が全蛋白質の
10%を占める固型飼料を作製し、マウス(C3H/H
e,6w,雌性)を飼育した(1群、5匹、飼料組成は
AIN−76に準拠)。飼育開始後、4週間目に未分解
のカゼイン100μgをフロイントの完全アジュバント
とともに各マウスに腹腔免疫した。さらに2週間後、未
分解のカゼイン100μgをフロイントの不完全アジュ
バントとともに各マウスに腹腔免疫した。2次免疫して
10日目に各マウスの血清を尾静脈から採取し、血清中
のカゼイン(αs1−カゼイン)に対する抗体量をEL
ISA法で測定した。実施例2と同様、ポジティブコン
トロールは未分解のカゼインが全蛋白質の10%を占め
る固型飼料で飼育したマウスの血清、ネガティブコント
ロールはMF飼料で飼育したマウスの血清である。
10%を占める固型飼料を作製し、マウス(C3H/H
e,6w,雌性)を飼育した(1群、5匹、飼料組成は
AIN−76に準拠)。飼育開始後、4週間目に未分解
のカゼイン100μgをフロイントの完全アジュバント
とともに各マウスに腹腔免疫した。さらに2週間後、未
分解のカゼイン100μgをフロイントの不完全アジュ
バントとともに各マウスに腹腔免疫した。2次免疫して
10日目に各マウスの血清を尾静脈から採取し、血清中
のカゼイン(αs1−カゼイン)に対する抗体量をEL
ISA法で測定した。実施例2と同様、ポジティブコン
トロールは未分解のカゼインが全蛋白質の10%を占め
る固型飼料で飼育したマウスの血清、ネガティブコント
ロールはMF飼料で飼育したマウスの血清である。
【0021】その結果、表1に示したように、カゼイン
酵素分解ペプチド組成物を投与したマウスでも未分解の
カゼインを投与したマウスと同等な強さの経口寛容が誘
導され、カゼイン特異抗体の産生が抑制されていること
がわかる。
酵素分解ペプチド組成物を投与したマウスでも未分解の
カゼインを投与したマウスと同等な強さの経口寛容が誘
導され、カゼイン特異抗体の産生が抑制されていること
がわかる。
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】乳幼児に見られる食物アレルギーの原因
の1つとして、食物蛋白質の一部が消化酵素の分解を受
けずに腸管から吸収され、生体免疫系を刺激することが
指摘されている。この点に関して、本発明の酵素分解ペ
プチド組成物は、その分子量が1万以下であるので、も
との未分解の乳蛋白質の有する抗原性は低減される。一
方、本酵素分解ペプチド組成物は、経口寛容誘導能につ
いては未分解の乳蛋白質とほぼ同等であるので、生体の
有する潜在的なアレルギー防御機構を十分活性化でき
る。さらに、本酵素分解ペプチド組成物の酵素分解に伴
う風味の劣化は極めて少ない。
の1つとして、食物蛋白質の一部が消化酵素の分解を受
けずに腸管から吸収され、生体免疫系を刺激することが
指摘されている。この点に関して、本発明の酵素分解ペ
プチド組成物は、その分子量が1万以下であるので、も
との未分解の乳蛋白質の有する抗原性は低減される。一
方、本酵素分解ペプチド組成物は、経口寛容誘導能につ
いては未分解の乳蛋白質とほぼ同等であるので、生体の
有する潜在的なアレルギー防御機構を十分活性化でき
る。さらに、本酵素分解ペプチド組成物の酵素分解に伴
う風味の劣化は極めて少ない。
【0024】したがって、本発明のペプチド組成物は新
しいアレルギー低減化食品素材として極めて有用であ
る。
しいアレルギー低減化食品素材として極めて有用であ
る。
【図1】市販蛋白分解酵素(トリプシン)によるβ−L
Gの分解後のSDS電気泳動図(ドデシル硫酸ナトリウ
ム ポリアクリルアミドゲル電気泳動図)である。
Gの分解後のSDS電気泳動図(ドデシル硫酸ナトリウ
ム ポリアクリルアミドゲル電気泳動図)である。
【図2】β−LG酵素分解ペプチド組成物のβ−LGモ
ノクローナル抗体(21B3)との反応性を競合ELI
SA法(イライザ法)で検討した図面(第2図A)であ
る。
ノクローナル抗体(21B3)との反応性を競合ELI
SA法(イライザ法)で検討した図面(第2図A)であ
る。
【図3】同じくβ−LGモノクローナル抗体(31A
4)との反応性を示した図面(第2図B)である。
4)との反応性を示した図面(第2図B)である。
【図4】同じくβ−LGモノクローナル抗体(61C
1)との反応性を示した図面(第2図C)である。
1)との反応性を示した図面(第2図C)である。
【図5】同じくβ−LGモノクローナル抗体(61B
4)との反応性を示した図面(第2図D)である。
4)との反応性を示した図面(第2図D)である。
【図6】同じくβ−LGモノクローナル抗体(62A
6)との反応性を示した図面(第2図E)である。
6)との反応性を示した図面(第2図E)である。
【図7】β−LG酵素分解ペプチド組成物の経口寛容誘
導能を抗β−LG抗体価の上昇から調査した図面であ
る。
導能を抗β−LG抗体価の上昇から調査した図面であ
る。
【図8】カゼイン酵素分解ペプチド組成物をHPLC
(高速液体クロマトグラフィー)にかけた図である。
(高速液体クロマトグラフィー)にかけた図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高 橋 毅 東京都東村山市廻田町2−21−35 (72)発明者 上 野 川 修 一 埼玉県春日部市増田新田400−8
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 牛乳由来の蛋白質を蛋白加水分解酵素で
処理し、分子量を10,000以下としてなることを特
徴とする経口寛容誘導能を有する低アレルゲン性酵素分
解ペプチド組成物。 【請求項2】 牛乳由来の蛋白質がカゼインまたは乳清
蛋白質であることを特徴とする請求項1の経口寛容誘導
能を有する低アレルゲン性酵素分解ペプチド組成物。 【請求項3】 蛋白加水分解酵素が動物、植物及び/又
は微生物由来の酵素であることを特徴とする請求項1の
経口寛容誘導能を有する低アレルゲン性酵素分解ペプチ
ド組成物。 【請求項4】 蛋白加水分解酵素が、トリプシン及び/
又はα−キモトリプシンであることを特徴とする請求項
3の経口寛容誘導能を有する低アレルゲン性酵素分解ペ
プチド組成物。 【請求項5】 蛋白分解酵素が、アスペルギルス属糸状
菌、バチルス属枯草菌及び/又は放線菌由来の酵素であ
ることを特徴とする請求項3の経口寛容誘導能を有する
低アレルゲン性酵素分解ペプチド組成物。 【請求項6】 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記
載のペプチド組成物を有効成分としてなることを特徴と
する経口寛容誘導剤。
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|---|---|---|---|
| JP3181681A JP3071877B2 (ja) | 1991-06-27 | 1991-06-27 | 経口寛容誘導能を有する低アレルゲン性酵素分解ペプチド組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3181681A JP3071877B2 (ja) | 1991-06-27 | 1991-06-27 | 経口寛容誘導能を有する低アレルゲン性酵素分解ペプチド組成物 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH055000A true JPH055000A (ja) | 1993-01-14 |
| JP3071877B2 JP3071877B2 (ja) | 2000-07-31 |
Family
ID=16105018
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3181681A Expired - Fee Related JP3071877B2 (ja) | 1991-06-27 | 1991-06-27 | 経口寛容誘導能を有する低アレルゲン性酵素分解ペプチド組成物 |
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| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3071877B2 (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0629350A1 (en) * | 1993-06-16 | 1994-12-21 | Sandoz Nutrition Ltd. | Milk protein hydrolysates |
| EP0788800A1 (en) | 1996-01-22 | 1997-08-13 | Meiji Milk Products Company Limited | Method and kit for inducing immunological tolerance |
| JP2008529960A (ja) * | 2003-06-23 | 2008-08-07 | バイオテック トゥールス ソシエテ アノニム | エピトープ組成物 |
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| JP2011173800A (ja) * | 2010-02-23 | 2011-09-08 | Bean Stalk Snow Co Ltd | 経口免疫寛容を誘導するペプチド組成物およびその調製方法 |
| JP2015523378A (ja) * | 2012-07-13 | 2015-08-13 | フリーズランド ブランズ ビー.ブイ. | 乳タンパク質に対するアレルギーの予防及び経口寛容の誘導に使用するための低アレルゲン性架橋タンパク質 |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2018079762A1 (ja) | 2016-10-31 | 2018-05-03 | 株式会社明治 | 風味の優れたホエイタンパク質加水分解物の製造方法 |
-
1991
- 1991-06-27 JP JP3181681A patent/JP3071877B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| US5951984A (en) * | 1996-01-22 | 1999-09-14 | Meiji Milk Products Company, Limited | Method for inducing immunological tolerance, immunological tolerance inducing food kit, and immunological tolerance inducer kit |
| US6221354B1 (en) | 1996-01-22 | 2001-04-24 | Meiji Milk Products Company, Limited | Immunological tolerance inducer kit |
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