JPH0551685A - 水素吸蔵合金および水素吸蔵電極 - Google Patents
水素吸蔵合金および水素吸蔵電極Info
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- JPH0551685A JPH0551685A JP3261408A JP26140891A JPH0551685A JP H0551685 A JPH0551685 A JP H0551685A JP 3261408 A JP3261408 A JP 3261408A JP 26140891 A JP26140891 A JP 26140891A JP H0551685 A JPH0551685 A JP H0551685A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
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- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 水素吸蔵合金に要求される諸条件を満たすこ
とができるとともに、水素吸蔵量が小さくヒステリシス
が比較的大きいという従来合金の欠点を解消することの
できる希土類系水素吸蔵合金を提供すること、および高
温下でも容量減少しない優れた高温特性を示す水素吸蔵
電極を提供することにある。 【構成】 本発明の希土類系水素吸蔵合金は、原子数比
による示性式が、LnNix Aly Coz Bu Mv (Lnは、希土
類金属、又はこれらの混合物であり、Mは、Fe、Cr、C
u、Nb、VおよびZrのうちから選ばれる少なくとも1種
の元素であり、x、y、z、u、vは、3.0 ≦x≦5.0
、0<y<0.9 、 0.1≦z≦1.5 、0.01≦u≦0.4 、
0≦v≦1.5 、 4.0≦x+y+z+u+v≦6.0 であ
る)であることを特徴とする。また、ニッケル水素電池
の負極として使われる本発明の水素吸蔵電極は、上記の
合金で構成されている。
とができるとともに、水素吸蔵量が小さくヒステリシス
が比較的大きいという従来合金の欠点を解消することの
できる希土類系水素吸蔵合金を提供すること、および高
温下でも容量減少しない優れた高温特性を示す水素吸蔵
電極を提供することにある。 【構成】 本発明の希土類系水素吸蔵合金は、原子数比
による示性式が、LnNix Aly Coz Bu Mv (Lnは、希土
類金属、又はこれらの混合物であり、Mは、Fe、Cr、C
u、Nb、VおよびZrのうちから選ばれる少なくとも1種
の元素であり、x、y、z、u、vは、3.0 ≦x≦5.0
、0<y<0.9 、 0.1≦z≦1.5 、0.01≦u≦0.4 、
0≦v≦1.5 、 4.0≦x+y+z+u+v≦6.0 であ
る)であることを特徴とする。また、ニッケル水素電池
の負極として使われる本発明の水素吸蔵電極は、上記の
合金で構成されている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水素を可逆的に吸蔵放
出する水素吸蔵合金に関し、特に、ヒートポンプや水素
ゲッター、水素貯蔵材料等に用いることができる希土類
系水素吸蔵合金と、この合金を用いたニッケル水素電池
の負極として好適に用いられる水素吸蔵電極とに関する
ものである。
出する水素吸蔵合金に関し、特に、ヒートポンプや水素
ゲッター、水素貯蔵材料等に用いることができる希土類
系水素吸蔵合金と、この合金を用いたニッケル水素電池
の負極として好適に用いられる水素吸蔵電極とに関する
ものである。
【0002】水素は、資源的に豊富であり、また、燃焼
しても水が生成するだけで、生態系のバランスを崩した
り、地球環境を汚染するようなことがないことから、2
1世紀のクリーンエネルギー源として最近注目を浴びて
いる。この意味において水素は、今後、自動車エンジン
用燃料等の2次エネルギーなどとして主体的な役割を果
たすものとして期待されている。そして、この水素を吸
蔵放出する合金によれば、例えば、150気圧の市販の
ボンベの約20%以下の容量でも従来と同じ重量の水素
を貯蔵することができ、しかも安全性、取扱いの点でも
優れている。とりわけ、この水素吸蔵合金が、ニッケル
水素電池の負極として使われる場合には、ビデオカメ
ラ、ブックタイプパソコン等の携帯用電子機器に用いら
れている従来のニッケルカドミウム電池に比べて、高容
量で無公害の蓄電池として有効であると期待されてい
る。
しても水が生成するだけで、生態系のバランスを崩した
り、地球環境を汚染するようなことがないことから、2
1世紀のクリーンエネルギー源として最近注目を浴びて
いる。この意味において水素は、今後、自動車エンジン
用燃料等の2次エネルギーなどとして主体的な役割を果
たすものとして期待されている。そして、この水素を吸
蔵放出する合金によれば、例えば、150気圧の市販の
ボンベの約20%以下の容量でも従来と同じ重量の水素
を貯蔵することができ、しかも安全性、取扱いの点でも
優れている。とりわけ、この水素吸蔵合金が、ニッケル
水素電池の負極として使われる場合には、ビデオカメ
ラ、ブックタイプパソコン等の携帯用電子機器に用いら
れている従来のニッケルカドミウム電池に比べて、高容
量で無公害の蓄電池として有効であると期待されてい
る。
【0003】
【従来の技術】一般に、水素吸蔵合金に要求される条件
としては、資源的に豊富であり、材料が安価であるこ
と、水素吸蔵量が大きいこと、使用温度下において
適切な平衡水素吸蔵圧・放出(解離)圧を有し、吸蔵圧
と放出圧との差であるヒステリシスが小さいこと、およ
び例えばニッケル水素電池ならば酸素やアルカリ電解液
(KOH水溶液)に対して耐食性があること、水素吸
蔵・放出反応が可逆的であり、その速度が大きいこと、
等が挙げられる。
としては、資源的に豊富であり、材料が安価であるこ
と、水素吸蔵量が大きいこと、使用温度下において
適切な平衡水素吸蔵圧・放出(解離)圧を有し、吸蔵圧
と放出圧との差であるヒステリシスが小さいこと、およ
び例えばニッケル水素電池ならば酸素やアルカリ電解液
(KOH水溶液)に対して耐食性があること、水素吸
蔵・放出反応が可逆的であり、その速度が大きいこと、
等が挙げられる。
【0004】このような要請に応えられるものとして開
発された水素吸蔵合金の1種に、Mm(ミッシュメタ
ル)Ni5 2元系水素吸蔵合金があり、この合金は、80
〜90気圧の高圧と高温真空下での多数回の活性化操作
を必要とし、長時間を要するという問題があった。な
お、この活性化操作とは、合金粒子表面の酸化膜を破壊
し、吸着不純ガス分子を排除して、水素を吸蔵させるた
めの操作である。
発された水素吸蔵合金の1種に、Mm(ミッシュメタ
ル)Ni5 2元系水素吸蔵合金があり、この合金は、80
〜90気圧の高圧と高温真空下での多数回の活性化操作
を必要とし、長時間を要するという問題があった。な
お、この活性化操作とは、合金粒子表面の酸化膜を破壊
し、吸着不純ガス分子を排除して、水素を吸蔵させるた
めの操作である。
【0005】このような問題点に対して従来、特公昭5
8−3921号公報に開示されているようなMmNi5-x
Alx-y Coy (xは 0.1〜2 、yは0.01〜1.99) 合金が提
案されている。
8−3921号公報に開示されているようなMmNi5-x
Alx-y Coy (xは 0.1〜2 、yは0.01〜1.99) 合金が提
案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この既
知水素吸蔵合金の場合、その代表組成であるMmNi3.7
Al0.5 Co0.8 についてみると、常温での平衡水素吸蔵圧
・放出圧が1気圧に近く、しかも水素圧があまり変化す
ることなく水素吸蔵が進む範囲, すなわち平衡水素圧水
素組成等温線図(PCT線図)上のプラトーが平坦では
あるけれども水素吸蔵量が小さく、さらにヒステリシス
も比較的大きいという欠点があった。それ故に、ヒート
ポンプやニッケル水素電池等として利用するには、エネ
ルギー容量が小さく、かつエネルギー損失も比較的大き
いために、実用に適しなかった。
知水素吸蔵合金の場合、その代表組成であるMmNi3.7
Al0.5 Co0.8 についてみると、常温での平衡水素吸蔵圧
・放出圧が1気圧に近く、しかも水素圧があまり変化す
ることなく水素吸蔵が進む範囲, すなわち平衡水素圧水
素組成等温線図(PCT線図)上のプラトーが平坦では
あるけれども水素吸蔵量が小さく、さらにヒステリシス
も比較的大きいという欠点があった。それ故に、ヒート
ポンプやニッケル水素電池等として利用するには、エネ
ルギー容量が小さく、かつエネルギー損失も比較的大き
いために、実用に適しなかった。
【0007】とくに、このニッケル水素電池を、ニッケ
ルカドミウム電池に代わる新しい二次電池として考えた
場合、従来のニッケルカドミウム電池に比べてエネルギ
ー密度が高く、無公害製品であるという特長があるが、
一方では、ポータブル機器に使われた場合の高温特性に
問題を残していた。すなわち、最近のポータブル機器に
ついては、小型化, 多機能化, 消費電流の増大などによ
り、電池の使用環境が高温になることが多いが、この
点、水素吸蔵合金というのは温度依存性が高く、とくに
高温になると吸蔵容量の減少を招くという問題点があっ
た。
ルカドミウム電池に代わる新しい二次電池として考えた
場合、従来のニッケルカドミウム電池に比べてエネルギ
ー密度が高く、無公害製品であるという特長があるが、
一方では、ポータブル機器に使われた場合の高温特性に
問題を残していた。すなわち、最近のポータブル機器に
ついては、小型化, 多機能化, 消費電流の増大などによ
り、電池の使用環境が高温になることが多いが、この
点、水素吸蔵合金というのは温度依存性が高く、とくに
高温になると吸蔵容量の減少を招くという問題点があっ
た。
【0008】
【発明の目的】本発明の目的は、既知水素吸蔵合金のも
つ上述した欠点、ならびにこの合金をニッケル水素電池
の負極として適用するときに起こる問題点のいずれをも
解消し、水素吸蔵量が大きく、ヒステリシスが小さい上
に、高温下でも容量減少を起こすことがない希土類系水
素吸蔵合金と、この合金を用いた水素吸蔵電極とを提供
することにある。
つ上述した欠点、ならびにこの合金をニッケル水素電池
の負極として適用するときに起こる問題点のいずれをも
解消し、水素吸蔵量が大きく、ヒステリシスが小さい上
に、高温下でも容量減少を起こすことがない希土類系水
素吸蔵合金と、この合金を用いた水素吸蔵電極とを提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上掲の目的実現に向け鋭
意研究した結果、本発明者らは、上述した既知水素吸蔵
合金:MmNi5-x Alx-y Coy の一部を、BやFe, Cr, C
u, Nb, V, Zrなどで置換すると、水素吸蔵量が飛躍的
に大きくなり、ヒステリシスが小さくなり、また、電極
としての高温特性に優れたものが得られる他、さらに上
述した〜の条件を具備するものになるとの知見を得
て本発明を完成した。
意研究した結果、本発明者らは、上述した既知水素吸蔵
合金:MmNi5-x Alx-y Coy の一部を、BやFe, Cr, C
u, Nb, V, Zrなどで置換すると、水素吸蔵量が飛躍的
に大きくなり、ヒステリシスが小さくなり、また、電極
としての高温特性に優れたものが得られる他、さらに上
述した〜の条件を具備するものになるとの知見を得
て本発明を完成した。
【0010】すなわち、本発明の水素吸蔵合金は、原子
数比による示性式が、LnNix Aly Coz Bu Mv (Lnは、
希土類金属、又はこれらの混合物、Mは、Fe、Cr、Cu、
Nb、VおよびZrのうちから選ばれる少なくとも1種の元
素である。x、y、z、u、vは、3.0 ≦x≦5.0 、0
<y<0.9 、0.1 ≦z≦1.5 、0.01≦u≦0.4 、0≦v
≦1.5 、 4.0≦x+y+z+u+v≦6.0 である)で表
わされるものである。
数比による示性式が、LnNix Aly Coz Bu Mv (Lnは、
希土類金属、又はこれらの混合物、Mは、Fe、Cr、Cu、
Nb、VおよびZrのうちから選ばれる少なくとも1種の元
素である。x、y、z、u、vは、3.0 ≦x≦5.0 、0
<y<0.9 、0.1 ≦z≦1.5 、0.01≦u≦0.4 、0≦v
≦1.5 、 4.0≦x+y+z+u+v≦6.0 である)で表
わされるものである。
【0011】また、本発明の水素吸蔵電極は、原子数比
による示性式が、LnNix Aly Coz Bu Mv (Lnは、希土
類金属、又はこれらの混合物であり、x、y、z、u、
vは、3.0 ≦x≦5.0 、0 <y<0.9 、 0.1≦z≦1.5
、0.01≦u≦0.4 、0 ≦v≦1.5 、 4.0≦x+y+z
+u+v≦6.0 である)で表わされる水素吸蔵合金を電
極主体として用いたことを特徴とするものである。
による示性式が、LnNix Aly Coz Bu Mv (Lnは、希土
類金属、又はこれらの混合物であり、x、y、z、u、
vは、3.0 ≦x≦5.0 、0 <y<0.9 、 0.1≦z≦1.5
、0.01≦u≦0.4 、0 ≦v≦1.5 、 4.0≦x+y+z
+u+v≦6.0 である)で表わされる水素吸蔵合金を電
極主体として用いたことを特徴とするものである。
【0012】なお、本発明において、上記の合金組成の
うち、Lnは、希土類金属とその混合物であるが、特に後
者の代表的な混合物としてはミッシュメタルが用いられ
る。本発明において用いられるこのミッシュメタルは、
La 25〜35重量%、 Ce 40〜52重量%、 Pr 1〜15重量
%、 Nd 4 〜17重量%、Sm+Gd1〜7重量%、Fe 0.1〜
5重量%、Si 0.1〜1重量%、Mg 0.1〜2重量%、Al
0.1〜1重量%等からなる組成のものが好適である。
うち、Lnは、希土類金属とその混合物であるが、特に後
者の代表的な混合物としてはミッシュメタルが用いられ
る。本発明において用いられるこのミッシュメタルは、
La 25〜35重量%、 Ce 40〜52重量%、 Pr 1〜15重量
%、 Nd 4 〜17重量%、Sm+Gd1〜7重量%、Fe 0.1〜
5重量%、Si 0.1〜1重量%、Mg 0.1〜2重量%、Al
0.1〜1重量%等からなる組成のものが好適である。
【0013】
【作用】本発明の希土類系水素吸蔵合金は、原子数比に
よる示性式がLnNix Aly Coz Bu Mv からなるものであ
る。以下に、この構成元素に付記したサフィックスx、
y、z、uおよびvによる組成範囲の限定理由につき説
明する。
よる示性式がLnNix Aly Coz Bu Mv からなるものであ
る。以下に、この構成元素に付記したサフィックスx、
y、z、uおよびvによる組成範囲の限定理由につき説
明する。
【0014】Nix :3.0 ≦x≦5.0 について、Niの原子
数比が 5.0超では、合金の平衡水素吸蔵圧・放出圧( 平
衡水素圧) が上昇して、ヒステリシスが大きくなる。そ
して、Lnの原子数比1に対してNiその他の元素の合計が
擬2元系金属間化合物の化学量論比である5をかなり超
過して過剰となり、水素吸蔵量が減り、活性化も困難と
なる。一方、Niの原子数比が 3.0未満では、耐酸化性、
とくにアルカリ電解液に対する合金の抵抗が低下して特
性が劣化する。また、平衡水素圧が小さくなり過ぎて吸
蔵水素の放出が困難となる。そのために、水素放出を高
温加熱と減圧処理とによって行わなければならなくな
る。
数比が 5.0超では、合金の平衡水素吸蔵圧・放出圧( 平
衡水素圧) が上昇して、ヒステリシスが大きくなる。そ
して、Lnの原子数比1に対してNiその他の元素の合計が
擬2元系金属間化合物の化学量論比である5をかなり超
過して過剰となり、水素吸蔵量が減り、活性化も困難と
なる。一方、Niの原子数比が 3.0未満では、耐酸化性、
とくにアルカリ電解液に対する合金の抵抗が低下して特
性が劣化する。また、平衡水素圧が小さくなり過ぎて吸
蔵水素の放出が困難となる。そのために、水素放出を高
温加熱と減圧処理とによって行わなければならなくな
る。
【0015】Aly :0<y<0.9 について このAlは、アルカリ水溶液中で溶出して合金の劣化を早
める作用があるが、このAlの多少は、合金の結晶格子を
増減させ、それに伴って平衡水素圧を低下・上昇させる
ことにより、平衡圧の調整機能を有する。それに加え
て、このAlは、空気中では合金表面にAl2O3 の保護皮膜
を形成して耐酸化性を増大させる。従って、Alは、少な
くとも若干量の含有が必要である。従って、このAlは、
含有量が零では合金の平衡水素圧が高くなり過ぎて水素
吸蔵量が小さくなり、また耐酸化性に劣ってくる。一
方、このAlは、 0.9以上では合金の平衡水素圧が低くな
りすぎて、水素吸蔵・放出が困難になる。
める作用があるが、このAlの多少は、合金の結晶格子を
増減させ、それに伴って平衡水素圧を低下・上昇させる
ことにより、平衡圧の調整機能を有する。それに加え
て、このAlは、空気中では合金表面にAl2O3 の保護皮膜
を形成して耐酸化性を増大させる。従って、Alは、少な
くとも若干量の含有が必要である。従って、このAlは、
含有量が零では合金の平衡水素圧が高くなり過ぎて水素
吸蔵量が小さくなり、また耐酸化性に劣ってくる。一
方、このAlは、 0.9以上では合金の平衡水素圧が低くな
りすぎて、水素吸蔵・放出が困難になる。
【0016】Coz : 0.1≦z≦1.5 Coは、耐酸化性を向上させるとともに、アルカリ電解液
中での繰返し放・充電において一部溶出イオン化し、充
電時にそれが還元されて金属Coとして合金表面に析出
し、導電性ネットワークを形成して合金の耐食性を向上
させる作用がある。そこで、このCoが原子数比で 1.5超
では、水素吸蔵量が小さくなり、その吸蔵・放出速度も
小さくなる。一方、このzが0.1 未満では、耐酸化性や
アルカリ水溶液に対する耐食性に欠けてくる。
中での繰返し放・充電において一部溶出イオン化し、充
電時にそれが還元されて金属Coとして合金表面に析出
し、導電性ネットワークを形成して合金の耐食性を向上
させる作用がある。そこで、このCoが原子数比で 1.5超
では、水素吸蔵量が小さくなり、その吸蔵・放出速度も
小さくなる。一方、このzが0.1 未満では、耐酸化性や
アルカリ水溶液に対する耐食性に欠けてくる。
【0017】Bu :0.01≦u≦0.4 について Bは原子半径が小さいため、他の元素と置換えるとセル
容積を小さくして平衡水素圧を高める。しかし、少量で
は、水素吸蔵量を増し、ヒステリシスを小さくする。そ
して、添加量が少量であれば、Ni, Coや殆どの遷移金
属、希土類金属とホウ化物を形成してベース合金に固溶
し、合金(合金は単相を保っている)の特性を変える作
用がある。このBの含有量が原子数比で0.01未満では、
水素吸蔵量が小さくなり、ヒステリシスも増加する。一
方、この含有量が 0.4を超えると、合金の結晶格子セル
容量が小さくなり過ぎて、平衡水素圧が高くなり、水素
吸蔵量が減ってくる。
容積を小さくして平衡水素圧を高める。しかし、少量で
は、水素吸蔵量を増し、ヒステリシスを小さくする。そ
して、添加量が少量であれば、Ni, Coや殆どの遷移金
属、希土類金属とホウ化物を形成してベース合金に固溶
し、合金(合金は単相を保っている)の特性を変える作
用がある。このBの含有量が原子数比で0.01未満では、
水素吸蔵量が小さくなり、ヒステリシスも増加する。一
方、この含有量が 0.4を超えると、合金の結晶格子セル
容量が小さくなり過ぎて、平衡水素圧が高くなり、水素
吸蔵量が減ってくる。
【0018】Mv :0≦v≦1.5 について Mは、Fe, Cu, Cr, Nb, VおよびZrのうちから選ばれる
1種以上の元素であり、アルカリ水溶液に強く、水素吸
蔵量の増加に有効で、さらにはPCT線図上のプラトー
の傾斜が水平になり、ヒステリシスを小さくする作用が
ある。また、水素吸蔵・放出速度を大きくする。従っ
て、これらの元素は少なくともいずれか1種を含有させ
ないとその効果がなくなる。しかし、これらの元素の含
有量が 1.5を超えると、水素吸蔵量を減少させる。
1種以上の元素であり、アルカリ水溶液に強く、水素吸
蔵量の増加に有効で、さらにはPCT線図上のプラトー
の傾斜が水平になり、ヒステリシスを小さくする作用が
ある。また、水素吸蔵・放出速度を大きくする。従っ
て、これらの元素は少なくともいずれか1種を含有させ
ないとその効果がなくなる。しかし、これらの元素の含
有量が 1.5を超えると、水素吸蔵量を減少させる。
【0019】4.0≦x+y+z+u+v≦6.0 について なお、本発明合金組成において、 4.0≦x+y+z+u
+v≦6.0の条件を満たさないような少ないNi量では、
耐酸化性、アルカリ水溶液耐食性が悪くなる傾向があ
る。しかも、x+y+z+u+vが6.0 超では、Lnに
対するその他の元素の合計量がAB5 型金属間化合物の
化学量論比5より大きくなり、水素吸蔵量が減少してい
く。一方、(x+y+z+u+v)が4.0 未満では、水
素が結合して安定な水素化物が形成し、その分の水素は
容易に放出( 解離) されなくなり、水素吸蔵量が減って
くる。
+v≦6.0の条件を満たさないような少ないNi量では、
耐酸化性、アルカリ水溶液耐食性が悪くなる傾向があ
る。しかも、x+y+z+u+vが6.0 超では、Lnに
対するその他の元素の合計量がAB5 型金属間化合物の
化学量論比5より大きくなり、水素吸蔵量が減少してい
く。一方、(x+y+z+u+v)が4.0 未満では、水
素が結合して安定な水素化物が形成し、その分の水素は
容易に放出( 解離) されなくなり、水素吸蔵量が減って
くる。
【0020】上記の成分組成の条件を満足する本発明水
素吸蔵合金、例えば、MmNi3.7 Al0.6 Co0.6 B
0.1 は、温度40℃、水素圧10気圧での水素吸蔵量は121
ml/g、プラトーの平衡水素吸蔵圧は1.48気圧、その放
出圧は1.09気圧、ヒステリシスは0.39気圧である。これ
は、上記の従来合金の代表例であるMmNi3.7 Al0.6 Co
0.7 と比較すると、この従来合金の水素吸蔵特性は、温
度40℃、水素圧10気圧において水素をNTP(0℃、1
気圧)換算で108 ml/g吸蔵し、プラトーの平衡水素吸
蔵圧は1.76気圧、その放出圧は1.09気圧、ヒステリシス
は0.67気圧であるから、この従来合金に比較すると、本
発明合金の場合、水素吸蔵量は12%増加し、ヒステリシ
スは42%減少している。
素吸蔵合金、例えば、MmNi3.7 Al0.6 Co0.6 B
0.1 は、温度40℃、水素圧10気圧での水素吸蔵量は121
ml/g、プラトーの平衡水素吸蔵圧は1.48気圧、その放
出圧は1.09気圧、ヒステリシスは0.39気圧である。これ
は、上記の従来合金の代表例であるMmNi3.7 Al0.6 Co
0.7 と比較すると、この従来合金の水素吸蔵特性は、温
度40℃、水素圧10気圧において水素をNTP(0℃、1
気圧)換算で108 ml/g吸蔵し、プラトーの平衡水素吸
蔵圧は1.76気圧、その放出圧は1.09気圧、ヒステリシス
は0.67気圧であるから、この従来合金に比較すると、本
発明合金の場合、水素吸蔵量は12%増加し、ヒステリシ
スは42%減少している。
【0021】次に、上述した成分組成の水素吸蔵合金
を、ニッケル水素電池用水素吸蔵電極として用いるとき
の好適な組成について説明する。
を、ニッケル水素電池用水素吸蔵電極として用いるとき
の好適な組成について説明する。
【0022】上述したように、水素吸蔵電極の課題であ
る高温下での容量減少について検討したところ、これは
充電効率の低下に起因していることが明らかになった。
すなわち、発明者らがこれまで解明したところによる
と、水素吸蔵合金の充電時の反応は、大別すると、H2
OからH原子を引き抜き金属水素化物(MH)を形成す
るいわゆる充電反応と、いわゆる、水の電気分解に相
当するH2 分子生成(水素ガス発生)反応に分けるこ
とができる。このうち放電反応に寄与できるのはの反
応であり、は副反応に相当し、と全体に占める
の割合が高いほど、充電効率が高い。従って、実際の充
電反応においては、 H2 O + M + e- → MH + OH- … H2 O + e- → 1/2 H2(g)+ OH- … 上記, の反応が競合しにくく、十分大きな過電圧を
有することが好ましい。つまり、よりも貴な電位で起
こるの反応をより貴にシフトできれば充電効率を向上
させることができる。ここでの反応は希土類系水素吸
蔵合金における主成分がNiであるため、合金組成を多少
変化させても反応電位を大きくシフトさせることはでき
ない。ところが、の反応は合金組成を変化させること
でMHを形成する速度も変化するため、反応の過電圧も
変化し、結果的に貴にシフトさせることができる。
る高温下での容量減少について検討したところ、これは
充電効率の低下に起因していることが明らかになった。
すなわち、発明者らがこれまで解明したところによる
と、水素吸蔵合金の充電時の反応は、大別すると、H2
OからH原子を引き抜き金属水素化物(MH)を形成す
るいわゆる充電反応と、いわゆる、水の電気分解に相
当するH2 分子生成(水素ガス発生)反応に分けるこ
とができる。このうち放電反応に寄与できるのはの反
応であり、は副反応に相当し、と全体に占める
の割合が高いほど、充電効率が高い。従って、実際の充
電反応においては、 H2 O + M + e- → MH + OH- … H2 O + e- → 1/2 H2(g)+ OH- … 上記, の反応が競合しにくく、十分大きな過電圧を
有することが好ましい。つまり、よりも貴な電位で起
こるの反応をより貴にシフトできれば充電効率を向上
させることができる。ここでの反応は希土類系水素吸
蔵合金における主成分がNiであるため、合金組成を多少
変化させても反応電位を大きくシフトさせることはでき
ない。ところが、の反応は合金組成を変化させること
でMHを形成する速度も変化するため、反応の過電圧も
変化し、結果的に貴にシフトさせることができる。
【0023】本発明の水素吸蔵電極は、このような観点
に立ち、種々の合金組成を検討した結果、MmNiAlCoB
Mで示される合金は、これら2つの反応が十分大きな過
電圧を有することを見出して開発したものである。これ
により高温下での充電においても高い充電効率を示し、
高温下での容量減少を抑制することができるのである。
に立ち、種々の合金組成を検討した結果、MmNiAlCoB
Mで示される合金は、これら2つの反応が十分大きな過
電圧を有することを見出して開発したものである。これ
により高温下での充電においても高い充電効率を示し、
高温下での容量減少を抑制することができるのである。
【0024】また、このような合金組成中のCoは、電極
のサイクル寿命を向上させる作用も有する。さて、一般
に、電極の劣化は、合金の腐食に伴う腐食生成物が合金
粒子間に介在することで、粒子間の導電性が低下し放電
深度が浅くなるためであることが知られている。これに
対し、かかる合金組成中のCoは、腐食に伴い溶出するも
のの、このCoの酸化還元電位は水素吸蔵電極の充放電領
域と重なるため、溶出したCo(II)錯イオンは析出・還元
され、合金粒子間にCo金属の導電性ネットワークを形成
するようになる。これにより腐食が進行しても深い放電
が可能になる。
のサイクル寿命を向上させる作用も有する。さて、一般
に、電極の劣化は、合金の腐食に伴う腐食生成物が合金
粒子間に介在することで、粒子間の導電性が低下し放電
深度が浅くなるためであることが知られている。これに
対し、かかる合金組成中のCoは、腐食に伴い溶出するも
のの、このCoの酸化還元電位は水素吸蔵電極の充放電領
域と重なるため、溶出したCo(II)錯イオンは析出・還元
され、合金粒子間にCo金属の導電性ネットワークを形成
するようになる。これにより腐食が進行しても深い放電
が可能になる。
【0025】また、このCoが存在すると、合金の腐食形
態が変化することも明らかになった。すなわち、この作
用は、合金組成中のCoであっても、Coを含まない合金粉
末にCo粉末を混合した場合でも見られることから、溶出
したCo(II)錯イオンまたは析出物の作用に基づくものと
考えられる。これにより合金の腐食の進行自体も抑制さ
れることが判った。さらに、このCoは、合金組成中に含
まれると前述のような長寿命化の作用を持つ反面、空気
中の酸素と反応し合金表面に緻密な皮膜を形成する。こ
れにより作成した電極は、数サイクルの活性化充電が必
要であった。このため、合金粉末を酸やアルカリでエッ
チング処理して、この皮膜を除去したり、電極製造工程
全てを不活性雰囲気にする必要があった。
態が変化することも明らかになった。すなわち、この作
用は、合金組成中のCoであっても、Coを含まない合金粉
末にCo粉末を混合した場合でも見られることから、溶出
したCo(II)錯イオンまたは析出物の作用に基づくものと
考えられる。これにより合金の腐食の進行自体も抑制さ
れることが判った。さらに、このCoは、合金組成中に含
まれると前述のような長寿命化の作用を持つ反面、空気
中の酸素と反応し合金表面に緻密な皮膜を形成する。こ
れにより作成した電極は、数サイクルの活性化充電が必
要であった。このため、合金粉末を酸やアルカリでエッ
チング処理して、この皮膜を除去したり、電極製造工程
全てを不活性雰囲気にする必要があった。
【0026】ところが、本発明合金の上記成分組成例で
は、これらの工程を一切必要とせず、直ちに安定した電
極特性が得られることも明らかとなった。この理由につ
いてはまだ明確にはなっていないが、組成中のBやNi,
Fe, Cr, V,Zr等は卑な元素であるため、電解液と容易
に反応してCoの皮膜を破壊しているのではないかと考え
られる。
は、これらの工程を一切必要とせず、直ちに安定した電
極特性が得られることも明らかとなった。この理由につ
いてはまだ明確にはなっていないが、組成中のBやNi,
Fe, Cr, V,Zr等は卑な元素であるため、電解液と容易
に反応してCoの皮膜を破壊しているのではないかと考え
られる。
【0027】以上説明したように、上記本発明水素吸蔵
合金を用いた水素吸蔵電極では、優れた高温特性、長期
のサイクル寿命、速やかな電極活性化が同時に得られ
る。なお、この水素吸蔵電極における各元素の組成範囲
は、上述した合金組成の範囲と同一につき説明を省略す
る。
合金を用いた水素吸蔵電極では、優れた高温特性、長期
のサイクル寿命、速やかな電極活性化が同時に得られ
る。なお、この水素吸蔵電極における各元素の組成範囲
は、上述した合金組成の範囲と同一につき説明を省略す
る。
【0028】
実施例−1:水素吸蔵合金 Mm(ミッシュメタル)、Ni, Al, Co, B,Fe, Cr,Cu,
Nb, VおよびZr等を所定量秤量し、これを真空アーク
溶解炉の銅製るつぼに入れ、炉内を99.99 %アルゴン雰
囲気とした後、約2000℃に加熱して溶融し、表1および
表2に示す試料No. 1−a〜17−aの28種類の組成のボ
タン状合金塊をそれぞれ約40g作成した。そして粒径50
μm前後に粉砕した。
Nb, VおよびZr等を所定量秤量し、これを真空アーク
溶解炉の銅製るつぼに入れ、炉内を99.99 %アルゴン雰
囲気とした後、約2000℃に加熱して溶融し、表1および
表2に示す試料No. 1−a〜17−aの28種類の組成のボ
タン状合金塊をそれぞれ約40g作成した。そして粒径50
μm前後に粉砕した。
【0029】次に、この粉砕試料を15g精秤して水素吸
蔵特性を測定した。この測定は、ジーベルツ式測定系の
ステンレス鋼製の水素吸蔵・放出反応器に封入し、この
反応器をロータリーポンプにより室温〜 150℃の温度下
で真空吸引して脱ガスし、そして室温において、この反
応器に純度99.9999 %の水素を導入して30気圧に加圧を
行った。その結果、試料は、いずれも室温で直ちに水素
吸蔵反応を生起した。そこで、充分に水素を吸蔵させた
後、再び真空吸引した。試料の活性化は、1回のロータ
リーポンプによる真空脱気、水素加圧吸蔵・放出で略完
全に行うことができた。
蔵特性を測定した。この測定は、ジーベルツ式測定系の
ステンレス鋼製の水素吸蔵・放出反応器に封入し、この
反応器をロータリーポンプにより室温〜 150℃の温度下
で真空吸引して脱ガスし、そして室温において、この反
応器に純度99.9999 %の水素を導入して30気圧に加圧を
行った。その結果、試料は、いずれも室温で直ちに水素
吸蔵反応を生起した。そこで、充分に水素を吸蔵させた
後、再び真空吸引した。試料の活性化は、1回のロータ
リーポンプによる真空脱気、水素加圧吸蔵・放出で略完
全に行うことができた。
【0030】次に、この反応器を40℃に維持した恒温槽
に浸漬し、純度99.9999 %の水素を導入して1〜30気圧
に加圧し、導入水素量と圧力変化を測定し、その後、P
CT線図から水素圧( 絶対)10 気圧における水素吸蔵量
および吸蔵圧と放出圧との差、すなわちヒステリシスを
求めた。その結果を表1および表2に併せて示す。な
お、表中、各試料No.におけるa、b、cは、aが本発
明合金、bとcが、特公昭58−39217 号公報に記載の合
金またはその他の従来合金であることを示す。元素Bと
置換する相手元素が異なると水素吸蔵特性が異なってく
るので、置換する相手元素も変えるように配慮した。ま
た、ヒステリシスの値は、吸蔵圧が高ければ大きくな
り、吸蔵圧は試料毎に異なるので、ヒステリシスを比較
できるように、この分野で一般に使用されているヒステ
リシスファクター[Hf=ln(吸蔵圧/放出圧)]を
ここでも採用した。例として、No. 3−aおよびNo. 8
−aの40℃におけるPCT線図をそれぞれ図1、図2に
示す。
に浸漬し、純度99.9999 %の水素を導入して1〜30気圧
に加圧し、導入水素量と圧力変化を測定し、その後、P
CT線図から水素圧( 絶対)10 気圧における水素吸蔵量
および吸蔵圧と放出圧との差、すなわちヒステリシスを
求めた。その結果を表1および表2に併せて示す。な
お、表中、各試料No.におけるa、b、cは、aが本発
明合金、bとcが、特公昭58−39217 号公報に記載の合
金またはその他の従来合金であることを示す。元素Bと
置換する相手元素が異なると水素吸蔵特性が異なってく
るので、置換する相手元素も変えるように配慮した。ま
た、ヒステリシスの値は、吸蔵圧が高ければ大きくな
り、吸蔵圧は試料毎に異なるので、ヒステリシスを比較
できるように、この分野で一般に使用されているヒステ
リシスファクター[Hf=ln(吸蔵圧/放出圧)]を
ここでも採用した。例として、No. 3−aおよびNo. 8
−aの40℃におけるPCT線図をそれぞれ図1、図2に
示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】表1および表2、図1および図2から明ら
かなように、本発明合金は、従来合金に比して、水素吸
蔵量は水素圧10気圧点で 4.4〜4.5 %大きく、ヒステリ
シスはヒステリシスファクターとして「14%大きい」か
ら「65%小さい」までの範囲に分布するが、試料17種類
中の14種類が「小さい」側にある。
かなように、本発明合金は、従来合金に比して、水素吸
蔵量は水素圧10気圧点で 4.4〜4.5 %大きく、ヒステリ
シスはヒステリシスファクターとして「14%大きい」か
ら「65%小さい」までの範囲に分布するが、試料17種類
中の14種類が「小さい」側にある。
【0034】本発明合金の各試料とも、ニッケル水素電
池電解液(30KOH水溶液)70℃に100 時間浸漬する腐
食試験を行なった。SEMおよびTEM観察により、合
金粒の表面にはウィスカー状物の発生は認められなかっ
た。また、腐食試験後の40℃における水素吸蔵特性の測
定では、水素吸蔵量の低下は 0.5%未満に止まった。
池電解液(30KOH水溶液)70℃に100 時間浸漬する腐
食試験を行なった。SEMおよびTEM観察により、合
金粒の表面にはウィスカー状物の発生は認められなかっ
た。また、腐食試験後の40℃における水素吸蔵特性の測
定では、水素吸蔵量の低下は 0.5%未満に止まった。
【0035】因みに、従来合金MmNi3.7 Al0.5 Cu0.8
の比較平衡腐食試験では、SEM観察により合金粒表面
にウィスカー状物の生成があり、それが略純粋のミッシ
ュメタルからなっていることがTEM分析により確認さ
れた。腐食試験後の水素吸蔵量の低下は6%であった。
の比較平衡腐食試験では、SEM観察により合金粒表面
にウィスカー状物の生成があり、それが略純粋のミッシ
ュメタルからなっていることがTEM分析により確認さ
れた。腐食試験後の水素吸蔵量の低下は6%であった。
【0036】実施例2:水素吸蔵電極 目的組成となるように秤量した成分組成をるつぼに投入
したのち高周波溶解炉にて溶解し、本発明合金組成であ
るMmNi3.7 Al0.5 Co0.6 B0.1 Nb0.1 合金、および比
較例であるMmNi3.7 Al0.5 Cu0.8 合金を得た。これら
はいずれも不活性雰囲気中で機械粉砕し、水素吸蔵合金
粉末試料とした。得られた粉末にPVA(ポリビニルア
ルコール)水溶液を加えペースト状にし、ニッケル繊維
基板に充填、乾燥後プレスして水素吸蔵電極とした。
したのち高周波溶解炉にて溶解し、本発明合金組成であ
るMmNi3.7 Al0.5 Co0.6 B0.1 Nb0.1 合金、および比
較例であるMmNi3.7 Al0.5 Cu0.8 合金を得た。これら
はいずれも不活性雰囲気中で機械粉砕し、水素吸蔵合金
粉末試料とした。得られた粉末にPVA(ポリビニルア
ルコール)水溶液を加えペースト状にし、ニッケル繊維
基板に充填、乾燥後プレスして水素吸蔵電極とした。
【0037】この電極を作用極とし、Hg/HgO電極
を参照極とし、比重1.28の水酸化カリウム水溶液を電解
液とした開放形電解液過剰セルを構成し、45℃における
上述した反応と反応の電位差ηを測定したものを表
3に、また、この時の放電容量減少を表4に示す。本発
明組成を用いた電極は、充電電位と水素ガス発生電位と
の電位差(η)が大きいため、充電効率が高く、高温下
でも容量減少が見られないことがわかる。
を参照極とし、比重1.28の水酸化カリウム水溶液を電解
液とした開放形電解液過剰セルを構成し、45℃における
上述した反応と反応の電位差ηを測定したものを表
3に、また、この時の放電容量減少を表4に示す。本発
明組成を用いた電極は、充電電位と水素ガス発生電位と
の電位差(η)が大きいため、充電効率が高く、高温下
でも容量減少が見られないことがわかる。
【0038】
【0039】次に、これらの電極を負極とし、周知の高
密度カドミレス水酸化ニッケル粉末を活物質としたペー
スト式ニッケル極を正極とし、ポリアミド不織布を介し
て捲回した公称容量1100mAh、AAサイズ密閉形電池
を構成した。この電池の高温下での放電容量減少を比較
したものが表5である。充電効率の高い本発明組成を用
いた電池では、高温下でも容量減少せず、優れた高温特
性を示すことがわかる。なお、この実施例では、電極基
板にニッケル繊維基板を用いたが、これに限定されるこ
となくパンチングメタルやエキスバンドメタル、発泡ニ
ッケルなどでもよい。
密度カドミレス水酸化ニッケル粉末を活物質としたペー
スト式ニッケル極を正極とし、ポリアミド不織布を介し
て捲回した公称容量1100mAh、AAサイズ密閉形電池
を構成した。この電池の高温下での放電容量減少を比較
したものが表5である。充電効率の高い本発明組成を用
いた電池では、高温下でも容量減少せず、優れた高温特
性を示すことがわかる。なお、この実施例では、電極基
板にニッケル繊維基板を用いたが、これに限定されるこ
となくパンチングメタルやエキスバンドメタル、発泡ニ
ッケルなどでもよい。
【0040】
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明の希土類系水
素吸蔵合金によれば、つぎのような効果を有する。 (a) 従来の合金に比して水素吸蔵量が大きく、また、水
素吸蔵・放出の速度も速い。従って、水素吸蔵・放出の
熱エネルギー、機械エネルギー、電気エネルギー等への
変換利用において、より一層大きなエネルギー量を効率
良く得ることができる。 (b) 水素の吸蔵圧と放出圧との差すなわちヒステリシス
が従来の合金に比して小さいので、水素吸蔵能力、反応
熱、電気化学的エネルギーを、エネルギー損失少なく有
効に取り出すことができる。 (c) 水分、酸素等の不純物を含有する水素の吸蔵・放出
を繰返しても、材料の劣化は実質的には殆ど生じない。
従って、不純物を含有する水素でも密度高く吸蔵するこ
とができる。 (d) アルカリ性電解液、例えばニッケル水素電池の電解
液に対する耐食性が大きい。従って、腐食による性能低
下を防止できる。 (e) 活性化は、常温での真空脱気および常温での10気圧
の水素加圧1回で終了する。従って、容易に活性化する
ことができる。 (f) 本発明組成を用いた電極は、高温下でも充電効率が
高く、優れた高温特性を示す。
素吸蔵合金によれば、つぎのような効果を有する。 (a) 従来の合金に比して水素吸蔵量が大きく、また、水
素吸蔵・放出の速度も速い。従って、水素吸蔵・放出の
熱エネルギー、機械エネルギー、電気エネルギー等への
変換利用において、より一層大きなエネルギー量を効率
良く得ることができる。 (b) 水素の吸蔵圧と放出圧との差すなわちヒステリシス
が従来の合金に比して小さいので、水素吸蔵能力、反応
熱、電気化学的エネルギーを、エネルギー損失少なく有
効に取り出すことができる。 (c) 水分、酸素等の不純物を含有する水素の吸蔵・放出
を繰返しても、材料の劣化は実質的には殆ど生じない。
従って、不純物を含有する水素でも密度高く吸蔵するこ
とができる。 (d) アルカリ性電解液、例えばニッケル水素電池の電解
液に対する耐食性が大きい。従って、腐食による性能低
下を防止できる。 (e) 活性化は、常温での真空脱気および常温での10気圧
の水素加圧1回で終了する。従って、容易に活性化する
ことができる。 (f) 本発明組成を用いた電極は、高温下でも充電効率が
高く、優れた高温特性を示す。
【0042】以上説明したように本発明の希土類系水素
吸蔵合金は、従来の合金に比して優れた特性を有し、水
素吸蔵合金に要求される諸条件を悉く具備しているの
で、ニッケル水素電池の負極、ヒートポンプ、水素ゲッ
ター、水素貯蔵材等に有効に用いることができる。
吸蔵合金は、従来の合金に比して優れた特性を有し、水
素吸蔵合金に要求される諸条件を悉く具備しているの
で、ニッケル水素電池の負極、ヒートポンプ、水素ゲッ
ター、水素貯蔵材等に有効に用いることができる。
【図1】本発明の希土類系水素吸蔵合金の一実施例のP
CT線図である。
CT線図である。
【図2】本発明の希土類系水素吸蔵合金の別の実施例の
PCT線図である。
PCT線図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 峠 竹弥 東京都中央区京橋一丁目5番8号 日本冶 金工業株式会社内 (72)発明者 長谷川 圭一 大阪府高槻市城西町6番6号 湯浅電池株 式会社内 (72)発明者 森 宏之 大阪府高槻市城西町6番6号 湯浅電池株 式会社内 (72)発明者 綿田 正治 大阪府高槻市城西町6番6号 湯浅電池株 式会社内 (72)発明者 押谷 政彦 大阪府高槻市城西町6番6号 湯浅電池株 式会社内 (72)発明者 向井 澄子 大阪府高槻市城西町6番6号 湯浅電池株 式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】 原子数比による示性式が、LnNix Aly Co
z Bu Mv (Lnは、希土類金属、又はこれらの混合物、
Mは、Fe、Cr、Cu、Nb、VおよびZrのうちから選ばれる
少なくとも1種の元素である。x、y、z、u、vは、
3.0 ≦x≦5.0 、0<y<0.9 、 0.1≦z≦1.5 、0.01
≦u≦0.4 、0≦v≦1.5 、 4.0≦x+y+z+u+v
≦6.0 である)で表わされる水素吸蔵合金。 - 【請求項2】 原子数比による示性式が、LnNix Aly Co
z Bu Mv (Lnは、希土類金属、又はこれらの混合物で
あり、x、y、z、u、vは、3.0 ≦x≦5.0 、0<y
<0.9 、 0.1≦z≦1.5 、0.01≦u≦0.4 、 0≦v≦1.
5 、 4.0≦x+y+z+u+v≦6.0 である)で表わさ
れる水素吸蔵合金を電極主体とすることを特徴とする水
素吸蔵電極。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3261408A JPH0551685A (ja) | 1991-06-10 | 1991-09-13 | 水素吸蔵合金および水素吸蔵電極 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3-137564 | 1991-06-10 | ||
| JP13756491 | 1991-06-10 | ||
| JP3261408A JPH0551685A (ja) | 1991-06-10 | 1991-09-13 | 水素吸蔵合金および水素吸蔵電極 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0551685A true JPH0551685A (ja) | 1993-03-02 |
Family
ID=26470821
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3261408A Pending JPH0551685A (ja) | 1991-06-10 | 1991-09-13 | 水素吸蔵合金および水素吸蔵電極 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0551685A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN1047876C (zh) * | 1994-11-19 | 1999-12-29 | 陈有孝 | 镍氢化物蓄电池用储氢合金电极 |
| JP2015171281A (ja) * | 2014-03-10 | 2015-09-28 | 東光電機工業株式会社 | 太陽追尾装置及び太陽光利用システム |
-
1991
- 1991-09-13 JP JP3261408A patent/JPH0551685A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN1047876C (zh) * | 1994-11-19 | 1999-12-29 | 陈有孝 | 镍氢化物蓄电池用储氢合金电极 |
| JP2015171281A (ja) * | 2014-03-10 | 2015-09-28 | 東光電機工業株式会社 | 太陽追尾装置及び太陽光利用システム |
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