JPH055208A - ポリエステル繊維の製造方法 - Google Patents
ポリエステル繊維の製造方法Info
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- JPH055208A JPH055208A JP15176691A JP15176691A JPH055208A JP H055208 A JPH055208 A JP H055208A JP 15176691 A JP15176691 A JP 15176691A JP 15176691 A JP15176691 A JP 15176691A JP H055208 A JPH055208 A JP H055208A
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- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
- Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】超高速溶融紡糸方法によるポリエステル繊維の
製造方法。 【構成】 ポリエステルを構成する主たるジカルボン酸
成分がテレフタル酸であって、全ジカルボン酸成分の2
〜20モル%が炭素数8以上の脂肪族ジカルボン酸成分
であり、主たるジオール成分がエチレングリコールであ
るポリエステルを溶融紡糸し、冷却固化した後、給油し
た糸条を第1ゴデットローラで5000m/分以上で引
取り、該第1ゴデットローラと加熱した第2ゴデットロ
ーラとの間で延伸・熱処理することを特徴とするポリエ
ステル繊維の製造方法。 【効果】従来の直接紡糸延伸方法では達成し得なかった
巻取速度および引取速度の高速化が可能となり生産性を
向上できると共に、優れた物性を有するポリエステル繊
維を製造し提供することができる。
製造方法。 【構成】 ポリエステルを構成する主たるジカルボン酸
成分がテレフタル酸であって、全ジカルボン酸成分の2
〜20モル%が炭素数8以上の脂肪族ジカルボン酸成分
であり、主たるジオール成分がエチレングリコールであ
るポリエステルを溶融紡糸し、冷却固化した後、給油し
た糸条を第1ゴデットローラで5000m/分以上で引
取り、該第1ゴデットローラと加熱した第2ゴデットロ
ーラとの間で延伸・熱処理することを特徴とするポリエ
ステル繊維の製造方法。 【効果】従来の直接紡糸延伸方法では達成し得なかった
巻取速度および引取速度の高速化が可能となり生産性を
向上できると共に、優れた物性を有するポリエステル繊
維を製造し提供することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリエステル繊維の製造
方法に関し、さらに詳しくは直接紡糸延伸方法により生
産性良く、優れた物性を有するポリエステル繊維を製造
する方法に関する。
方法に関し、さらに詳しくは直接紡糸延伸方法により生
産性良く、優れた物性を有するポリエステル繊維を製造
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル繊維、特にポリエチレンテ
レフタレート繊維は、耐熱性、耐薬品性および機械的特
性などに優れているので、衣料用途や産業用途に広く利
用されている。
レフタレート繊維は、耐熱性、耐薬品性および機械的特
性などに優れているので、衣料用途や産業用途に広く利
用されている。
【0003】通常の衣料用ポリエステル繊維は、溶融し
たポリエステルを紡糸ノズルから繊維状に押し出し、1
000〜3500m/分の引取速度で巻き取り、次いで
延伸、熱セットなどを行なうことによって製造されてい
る。さらに生産性を向上させるために、溶融紡糸した後
一旦巻き取ることなく直接延伸する直接紡糸延伸方法が
従来より知られている。具体的には、特開昭59−36
717号公報、特開昭60−134019号公報、特開
昭60−134022号公報など提案されている直接紡
糸延伸方法によりポリエステル繊維を製造する方法が知
られている。
たポリエステルを紡糸ノズルから繊維状に押し出し、1
000〜3500m/分の引取速度で巻き取り、次いで
延伸、熱セットなどを行なうことによって製造されてい
る。さらに生産性を向上させるために、溶融紡糸した後
一旦巻き取ることなく直接延伸する直接紡糸延伸方法が
従来より知られている。具体的には、特開昭59−36
717号公報、特開昭60−134019号公報、特開
昭60−134022号公報など提案されている直接紡
糸延伸方法によりポリエステル繊維を製造する方法が知
られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ポリエステル繊維の製
造プロセスにおいて、生産性はパッケージを巻き取る速
度(巻取速度)に比例して向上すると考えてよいが、従
来の方法において巻取速度を増加させようとしても、第
1ゴデットローラで引き取られた後の繊維の残留伸度に
より、第1ゴデットローラと第2ゴデットローラ間の延
伸倍率が決まってしまうので、巻取速度の増加には限界
があった。本発明の目的は、直接紡糸延伸方法において
従来の方法では達成し得なかった巻取速度の高速化が可
能であり、高い生産性でポリエステル繊維を製造できる
と共に、得られる繊維の強度および伸度特性が優れたポ
リエステル繊維を製造する方法を提供することにある。
造プロセスにおいて、生産性はパッケージを巻き取る速
度(巻取速度)に比例して向上すると考えてよいが、従
来の方法において巻取速度を増加させようとしても、第
1ゴデットローラで引き取られた後の繊維の残留伸度に
より、第1ゴデットローラと第2ゴデットローラ間の延
伸倍率が決まってしまうので、巻取速度の増加には限界
があった。本発明の目的は、直接紡糸延伸方法において
従来の方法では達成し得なかった巻取速度の高速化が可
能であり、高い生産性でポリエステル繊維を製造できる
と共に、得られる繊維の強度および伸度特性が優れたポ
リエステル繊維を製造する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、主たる
ジカルボン酸成分がテレフタル酸であって、全ジカルボ
ン酸成分の2〜20モル%が炭素数8以上の脂肪族ジカ
ルボン酸成分であり、主たるジオール成分がエチレング
リコールであるポリエステルを溶融紡糸し、冷却固化し
た後、給油した糸条を第1ゴデットローラで5000m
/分以上で引取り、該第1ゴデットローラと、加熱した
第2ゴデットローラとの間で延伸・熱処理することを特
徴とするポリエステル繊維の製造方法によって達成でき
る。
ジカルボン酸成分がテレフタル酸であって、全ジカルボ
ン酸成分の2〜20モル%が炭素数8以上の脂肪族ジカ
ルボン酸成分であり、主たるジオール成分がエチレング
リコールであるポリエステルを溶融紡糸し、冷却固化し
た後、給油した糸条を第1ゴデットローラで5000m
/分以上で引取り、該第1ゴデットローラと、加熱した
第2ゴデットローラとの間で延伸・熱処理することを特
徴とするポリエステル繊維の製造方法によって達成でき
る。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
ポリエステルは、全ジカルボン酸成分の2〜20モル%
が炭素数8以上の脂肪族ジカルボン酸成分で構成される
共重合ポリエチレンテレフタレートである。本発明にお
ける炭素数8以上の脂肪族ジカルボン酸成分は、その2
個のカルボキシル基間に、カルボキシル基を構成する炭
素原子を含めて8個以上の炭素原子がある脂肪族ジカル
ボン酸成分である。具体例として、スベリン酸(炭素数
=8)、アゼライン酸(炭素数=9)、セバシン酸(炭
素数=10)、ドデカン二酸(炭素数=12)、ブラシ
ル酸(炭素数=13)、エイコサン二酸(炭素数=2
0)、ダイマー酸(炭素数=36など)などの脂肪族ジ
カルボン酸成分を挙げることができる。より機械的物性
に優れた繊維が得られることから、炭素数が8〜36の
脂肪族ジカルボン酸成分であることが好ましく、炭素数
が8〜22の脂肪族ジカルボン酸成分であることがより
好適であり、炭素数が8〜16の脂肪族ジカルボン酸成
分であることがさらに好適である。上記した脂肪族ジカ
ルボン酸成分は複数種の化合物を組み合わせて使用して
も良い。また、本発明において、上記した脂肪族ジカル
ボン酸成分量は、ポリエステルを構成する全ジカルボン
酸成分の2〜20モル%であり、6〜13モル%である
ことが好適である。2モル%未満では生産性向上効果が
小さくなり、20モル%を越えると得られる繊維の融点
が低くなるので耐熱性が低下した繊維となるので実用上
好ましくない。
ポリエステルは、全ジカルボン酸成分の2〜20モル%
が炭素数8以上の脂肪族ジカルボン酸成分で構成される
共重合ポリエチレンテレフタレートである。本発明にお
ける炭素数8以上の脂肪族ジカルボン酸成分は、その2
個のカルボキシル基間に、カルボキシル基を構成する炭
素原子を含めて8個以上の炭素原子がある脂肪族ジカル
ボン酸成分である。具体例として、スベリン酸(炭素数
=8)、アゼライン酸(炭素数=9)、セバシン酸(炭
素数=10)、ドデカン二酸(炭素数=12)、ブラシ
ル酸(炭素数=13)、エイコサン二酸(炭素数=2
0)、ダイマー酸(炭素数=36など)などの脂肪族ジ
カルボン酸成分を挙げることができる。より機械的物性
に優れた繊維が得られることから、炭素数が8〜36の
脂肪族ジカルボン酸成分であることが好ましく、炭素数
が8〜22の脂肪族ジカルボン酸成分であることがより
好適であり、炭素数が8〜16の脂肪族ジカルボン酸成
分であることがさらに好適である。上記した脂肪族ジカ
ルボン酸成分は複数種の化合物を組み合わせて使用して
も良い。また、本発明において、上記した脂肪族ジカル
ボン酸成分量は、ポリエステルを構成する全ジカルボン
酸成分の2〜20モル%であり、6〜13モル%である
ことが好適である。2モル%未満では生産性向上効果が
小さくなり、20モル%を越えると得られる繊維の融点
が低くなるので耐熱性が低下した繊維となるので実用上
好ましくない。
【0007】本発明に使用するポリエステルは、前記範
囲の脂肪族ジカルボン酸を共重合した共重合ポリエチレ
ンテレフタレートであるが、7モル%以内の範囲で、か
つ脂肪族ジカルボン酸の添加量(モル分率)を越えない
範囲の他のジカルボン酸及び又はジオールを含有するこ
とができる。さらに、各種の添加剤、たとえば、艶消
剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収
剤、結晶核剤、螢光増白剤などを必要に応じて共重合ま
たは混合していても良い。
囲の脂肪族ジカルボン酸を共重合した共重合ポリエチレ
ンテレフタレートであるが、7モル%以内の範囲で、か
つ脂肪族ジカルボン酸の添加量(モル分率)を越えない
範囲の他のジカルボン酸及び又はジオールを含有するこ
とができる。さらに、各種の添加剤、たとえば、艶消
剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収
剤、結晶核剤、螢光増白剤などを必要に応じて共重合ま
たは混合していても良い。
【0008】本発明のポリエステルの製造は、通常のポ
リエチレンテレフタレートの製造工程において、たとえ
ば、重縮合反応が完結する以前の任意の段階で、炭素数
8以上の脂肪族ジカルボン酸成分を、ジカルボン酸ある
いはジカルボン酸の低級アルキルエステルとして、上記
の反応系に添加し共重合することによって製造できる。
その際、炭素数8以上の脂肪族ジカルボン酸成分は、粉
末状、あるいはエチレングリコールなどの適当な溶剤に
分散、溶解、または加熱処理してから添加してもよい。
リエチレンテレフタレートの製造工程において、たとえ
ば、重縮合反応が完結する以前の任意の段階で、炭素数
8以上の脂肪族ジカルボン酸成分を、ジカルボン酸ある
いはジカルボン酸の低級アルキルエステルとして、上記
の反応系に添加し共重合することによって製造できる。
その際、炭素数8以上の脂肪族ジカルボン酸成分は、粉
末状、あるいはエチレングリコールなどの適当な溶剤に
分散、溶解、または加熱処理してから添加してもよい。
【0009】こうして得られたポリエステルを直接紡糸
延伸方法によって繊維に形成する方法を次に説明する。
図1は本発明の実施様態の一例を示すものである。前記
した本発明のポリエステルを溶融して口金1より吐出さ
せた糸条2を冷却装置3により冷却固化後、給油装置4
により糸条を集束させつつ所定の油剤を糸条に付与す
る。そして、セパレートローラ5′を有する第1ゴデッ
トローラ5で5000m/分以上で引取り、引き続いて
セパレートローラ6′を有する第2ゴデットローラ6に
導き、第1ゴデットローラと第2ゴデットローラとの間
で両ローラ間の周速差で延伸し、ワインダー7により巻
き取る。本発明において、第1ゴデットローラは500
0m/分以上とすることにより、非常に高い生産性で繊
維を製造することができる。巻取速度を高速化するため
には、第1ゴデットローラ速度も高速であればあるほど
よく、さらには同じ第1ゴデットローラ速度(引取速
度)においては第1ゴデットローラと第2ゴデットロー
ラ間の延伸倍率が高い程、巻取速度を高速化することが
できる。また、第1ゴデットローラは5000m/分以
上とすることにより、配向結晶化が起こり繊維構造が形
成されるようになるので、高速紡糸繊維に特有のソフト
な風合い、良好な染色性などをもつ繊維を得ることがで
きる。
延伸方法によって繊維に形成する方法を次に説明する。
図1は本発明の実施様態の一例を示すものである。前記
した本発明のポリエステルを溶融して口金1より吐出さ
せた糸条2を冷却装置3により冷却固化後、給油装置4
により糸条を集束させつつ所定の油剤を糸条に付与す
る。そして、セパレートローラ5′を有する第1ゴデッ
トローラ5で5000m/分以上で引取り、引き続いて
セパレートローラ6′を有する第2ゴデットローラ6に
導き、第1ゴデットローラと第2ゴデットローラとの間
で両ローラ間の周速差で延伸し、ワインダー7により巻
き取る。本発明において、第1ゴデットローラは500
0m/分以上とすることにより、非常に高い生産性で繊
維を製造することができる。巻取速度を高速化するため
には、第1ゴデットローラ速度も高速であればあるほど
よく、さらには同じ第1ゴデットローラ速度(引取速
度)においては第1ゴデットローラと第2ゴデットロー
ラ間の延伸倍率が高い程、巻取速度を高速化することが
できる。また、第1ゴデットローラは5000m/分以
上とすることにより、配向結晶化が起こり繊維構造が形
成されるようになるので、高速紡糸繊維に特有のソフト
な風合い、良好な染色性などをもつ繊維を得ることがで
きる。
【0010】第2ゴデットローラは周速度が第1ゴデッ
トローラより高くなるように設定しまた加熱すること
で、延伸を行ないつつ熱処理を行なう。より具体的に
は、ローラ表面温度は本発明のポリエステルのガラス転
移温度Tgより高く、融点Tmより50℃低い温度以下
に加熱し熱処理を行なうことが好ましい。表面温度を本
発明のポリエステルのガラス転移温度Tgより高くする
ことにより、ポリエステル分子鎖セグメントの運動が起
こるため、第2ゴデットローラでの熱処理が十分に効率
良く行なわれるようになる。また、融点Tmより50℃
低い温度以下とすることにより、ローラへの糸条の融着
を起こすことがなく製糸性は良好となる。この面から、
ローラ表面温度を(Tg+20)℃以上、(Tm−7
0)℃以下の温度に加熱し熱処理を行なうことはさらに
好ましい。第2ゴデットローラの速度及び加熱温度は、
所望の伸度、収縮率になるように上記の範囲において適
宜設定すれば良い。
トローラより高くなるように設定しまた加熱すること
で、延伸を行ないつつ熱処理を行なう。より具体的に
は、ローラ表面温度は本発明のポリエステルのガラス転
移温度Tgより高く、融点Tmより50℃低い温度以下
に加熱し熱処理を行なうことが好ましい。表面温度を本
発明のポリエステルのガラス転移温度Tgより高くする
ことにより、ポリエステル分子鎖セグメントの運動が起
こるため、第2ゴデットローラでの熱処理が十分に効率
良く行なわれるようになる。また、融点Tmより50℃
低い温度以下とすることにより、ローラへの糸条の融着
を起こすことがなく製糸性は良好となる。この面から、
ローラ表面温度を(Tg+20)℃以上、(Tm−7
0)℃以下の温度に加熱し熱処理を行なうことはさらに
好ましい。第2ゴデットローラの速度及び加熱温度は、
所望の伸度、収縮率になるように上記の範囲において適
宜設定すれば良い。
【0011】本発明の方法においては、1ゴデットロー
ラを5000m/分以上の高速引取りを採用しても、1
ゴデットローラ後の繊維の残留伸度は従来の方法では得
られなかった高い伸度を有するため、延伸倍率を従来よ
り高くすることができ巻取速度の高速化が達成される。
本発明の方法により巻取速度が高速化されることによっ
て、時間当たりの生産性が向上し、本発明の共重合成分
を共重合していないポリエチレンテレフタレートを用い
た従来の方法よりも高い生産性でポリエステル繊維を製
造することができるのである。
ラを5000m/分以上の高速引取りを採用しても、1
ゴデットローラ後の繊維の残留伸度は従来の方法では得
られなかった高い伸度を有するため、延伸倍率を従来よ
り高くすることができ巻取速度の高速化が達成される。
本発明の方法により巻取速度が高速化されることによっ
て、時間当たりの生産性が向上し、本発明の共重合成分
を共重合していないポリエチレンテレフタレートを用い
た従来の方法よりも高い生産性でポリエステル繊維を製
造することができるのである。
【0012】本発明のポリエステルは炭素数が8以上で
あるメチレン基含量の高い脂肪族ジカルボン酸成分を比
較的多量共重合し、通常のポリエチレンテレフタレート
よりもポリエステルの単位体積当りに含まれる芳香族環
濃度が小さくなるように設計されている。そのため、分
子鎖の柔軟性が増加すると共にポリエステル分子鎖間の
相互作用が小さくなり、紡糸過程における分子鎖の配向
が、本発明の共重合成分を共重合していないポリエチレ
ンテレフタレートに対して進みにくく、配向結晶化現象
が本発明の共重合成分を共重合していないポリエチレン
テレフタレートより高速における領域で起こるためであ
ると考えられる。その結果、本発明のポリエステルによ
り得られる第1ゴデットローラ後の繊維の残留伸度は従
来のポリエステルに比較して大きいので、従来の方法に
比べ巻取速度の増加が可能となり、生産性の向上が達成
できると考えられる。共重合成分としては、電子相互作
用の低い脂肪族鎖からなる脂肪族ジカルボン酸が必須で
あり、芳香族環あるいは極性基を有する共重合成分から
は本発明の効果は得られないと考えられる。
あるメチレン基含量の高い脂肪族ジカルボン酸成分を比
較的多量共重合し、通常のポリエチレンテレフタレート
よりもポリエステルの単位体積当りに含まれる芳香族環
濃度が小さくなるように設計されている。そのため、分
子鎖の柔軟性が増加すると共にポリエステル分子鎖間の
相互作用が小さくなり、紡糸過程における分子鎖の配向
が、本発明の共重合成分を共重合していないポリエチレ
ンテレフタレートに対して進みにくく、配向結晶化現象
が本発明の共重合成分を共重合していないポリエチレン
テレフタレートより高速における領域で起こるためであ
ると考えられる。その結果、本発明のポリエステルによ
り得られる第1ゴデットローラ後の繊維の残留伸度は従
来のポリエステルに比較して大きいので、従来の方法に
比べ巻取速度の増加が可能となり、生産性の向上が達成
できると考えられる。共重合成分としては、電子相互作
用の低い脂肪族鎖からなる脂肪族ジカルボン酸が必須で
あり、芳香族環あるいは極性基を有する共重合成分から
は本発明の効果は得られないと考えられる。
【0013】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
る。実施例中の各特性値は次の方法にしたがって求め
た。 (A)固有粘度 オルトクロロフェノール溶液とし、25℃で測定した。 (B)ガラス転移温度(Tg)、融点(Tm) パーキン・エルマー社製DSC−4型を用いて昇温速度
10℃/分で測定した。 (C)繊維の強度、伸度 オリエンテック社製テンシロン引張試験機を用いて、試
料長200mm、引張り速度200mm/分で荷重伸長曲線
を測定し求めた。 (D)繊維の沸収 下記式から求めた。 ΔSw= (L0 − L1 )/L0 × 100 (%)………(1) ここで、L0 は周長1mのかせ取り機に10回巻いて得
たかせに0.1g/d の荷重をかけつつ測定した原長、ま
たL1 は原長(L0 )を測定した後、沸騰水中で15分
間処理し、風乾後0.1g/d の荷重をかけて測定した試
料長である。
る。実施例中の各特性値は次の方法にしたがって求め
た。 (A)固有粘度 オルトクロロフェノール溶液とし、25℃で測定した。 (B)ガラス転移温度(Tg)、融点(Tm) パーキン・エルマー社製DSC−4型を用いて昇温速度
10℃/分で測定した。 (C)繊維の強度、伸度 オリエンテック社製テンシロン引張試験機を用いて、試
料長200mm、引張り速度200mm/分で荷重伸長曲線
を測定し求めた。 (D)繊維の沸収 下記式から求めた。 ΔSw= (L0 − L1 )/L0 × 100 (%)………(1) ここで、L0 は周長1mのかせ取り機に10回巻いて得
たかせに0.1g/d の荷重をかけつつ測定した原長、ま
たL1 は原長(L0 )を測定した後、沸騰水中で15分
間処理し、風乾後0.1g/d の荷重をかけて測定した試
料長である。
【0014】(E)生産性増加率 直接紡糸延伸方法において、巻き取って得られる繊維の
伸度が35%程度となるような第2ゴデットローラ速度
(巻取速度におよそ相当する)を、同じ第1ゴデットロ
ーラ速度(引取速度)で比較し、次式に示したとおり、
共重合していない通常のポリエチレンテレフタレートに
対する共重合したポリエステルの比を、生産性増加率と
して求めた。 生産性増加率=(共重合したポリエステルを製糸した時
の第2ゴデットローラ速度)/(共重合していない通常
のポリエチレンテレフタレートを製糸した時の第2ゴデ
ットローラ速度)………(2) 参考例 本発明の効果を示すための比較対照として、本発明のポ
リエステルではない通常のポリエチレンテレフタレート
を用いて製糸した結果を参考例として示す。テレフタル
酸166重量部とエチレングリコール75重量部からの
通常のエステル化反応によって得た低重合体に、着色防
止剤として正リン酸85%水溶液を0.03重量部、重
縮合触媒として三酸化アンチモンを0.06重量部、調
色剤として酢酸コバルト4水塩を0.06重量部添加し
て重縮合反応を行ない、表1のポリエチレンテレフタレ
ート(PET:ポリマA)を得た。このポリマAを30
0℃で溶融し、直径0.3mmφの孔24個を有する口金
から押し出し、冷却し、糸条に油剤を1.0重量%付与
した後、表2のとおりの紡糸条件に第1ゴデットローラ
(1GD)、第2ゴデットローラ(2GD)の速度、温
度を設定して溶融紡糸し、表2に示した50デニール/
24フィラメントのポリエステル繊維を得た。得られた
繊維の各特性値を表2に併記した。
伸度が35%程度となるような第2ゴデットローラ速度
(巻取速度におよそ相当する)を、同じ第1ゴデットロ
ーラ速度(引取速度)で比較し、次式に示したとおり、
共重合していない通常のポリエチレンテレフタレートに
対する共重合したポリエステルの比を、生産性増加率と
して求めた。 生産性増加率=(共重合したポリエステルを製糸した時
の第2ゴデットローラ速度)/(共重合していない通常
のポリエチレンテレフタレートを製糸した時の第2ゴデ
ットローラ速度)………(2) 参考例 本発明の効果を示すための比較対照として、本発明のポ
リエステルではない通常のポリエチレンテレフタレート
を用いて製糸した結果を参考例として示す。テレフタル
酸166重量部とエチレングリコール75重量部からの
通常のエステル化反応によって得た低重合体に、着色防
止剤として正リン酸85%水溶液を0.03重量部、重
縮合触媒として三酸化アンチモンを0.06重量部、調
色剤として酢酸コバルト4水塩を0.06重量部添加し
て重縮合反応を行ない、表1のポリエチレンテレフタレ
ート(PET:ポリマA)を得た。このポリマAを30
0℃で溶融し、直径0.3mmφの孔24個を有する口金
から押し出し、冷却し、糸条に油剤を1.0重量%付与
した後、表2のとおりの紡糸条件に第1ゴデットローラ
(1GD)、第2ゴデットローラ(2GD)の速度、温
度を設定して溶融紡糸し、表2に示した50デニール/
24フィラメントのポリエステル繊維を得た。得られた
繊維の各特性値を表2に併記した。
【0015】表2の紡糸条件中、1GDに対するそれぞ
れの2GDの速度、即ち延伸倍率は、延伸後巻き取って
得られる繊維の伸度が35%程度になるように設定した
ものである。このように通常のポリエチレンテレフタレ
ートでは、1GDの引取速度が高速になるに従い、延伸
倍率が低下し、巻取速度の高速化に限界があることがわ
かる。後に示す実施例、比較例中に記載の生産性増加率
は、本参考例の紡糸条件の2GD速度を基準とし、
(2)式より算出したものである。
れの2GDの速度、即ち延伸倍率は、延伸後巻き取って
得られる繊維の伸度が35%程度になるように設定した
ものである。このように通常のポリエチレンテレフタレ
ートでは、1GDの引取速度が高速になるに従い、延伸
倍率が低下し、巻取速度の高速化に限界があることがわ
かる。後に示す実施例、比較例中に記載の生産性増加率
は、本参考例の紡糸条件の2GD速度を基準とし、
(2)式より算出したものである。
【0016】実施例1および比較例1〜2 テレフタル酸150重量部、セバシン酸20重量部(全
ジカルボン酸に対して10モル%)、およびエチレング
リコール75重量部から通常のエステル化反応によって
得た低重合体に、着色防止剤として正リン酸85%水溶
液を0.03重量部、重縮合触媒として三酸化アンチモ
ンを0.06重量部、調色剤として酢酸コバルト4水塩
を0.06重量部添加して重縮合反応を行ない、表1の
ポリマDの共重合ポリエステルを得た。このポリマを2
80℃で溶融し、参考例と同様な方法により表2の紡糸
条件で1GD速度を変更して溶融紡糸し、50デニール
/24フィラメントの各ポリエステル繊維を得た(実施
例1−1〜1−3)。得られた繊維の各特性値および生
産性増加率を表2に併記した。
ジカルボン酸に対して10モル%)、およびエチレング
リコール75重量部から通常のエステル化反応によって
得た低重合体に、着色防止剤として正リン酸85%水溶
液を0.03重量部、重縮合触媒として三酸化アンチモ
ンを0.06重量部、調色剤として酢酸コバルト4水塩
を0.06重量部添加して重縮合反応を行ない、表1の
ポリマDの共重合ポリエステルを得た。このポリマを2
80℃で溶融し、参考例と同様な方法により表2の紡糸
条件で1GD速度を変更して溶融紡糸し、50デニール
/24フィラメントの各ポリエステル繊維を得た(実施
例1−1〜1−3)。得られた繊維の各特性値および生
産性増加率を表2に併記した。
【0017】また、比較例として本発明のポリエステル
でなく通常のポリエチレンテレフタレート(ポリマA)
を用いて実施例1−2と同じ紡糸条件で製糸した場合
(比較例1)、本発明のポリエステル(ポリマD)を用
いて第1ゴデットローラ速度(引取速度)を5000m
/分未満とした場合(比較例2)を示した。
でなく通常のポリエチレンテレフタレート(ポリマA)
を用いて実施例1−2と同じ紡糸条件で製糸した場合
(比較例1)、本発明のポリエステル(ポリマD)を用
いて第1ゴデットローラ速度(引取速度)を5000m
/分未満とした場合(比較例2)を示した。
【0018】本発明のポリマを使用した実施例では、参
考例と同じ引取速度で比較すると、より高い2GD速度
で強度、伸度特性の良好な繊維を得ることができ、生産
性増加率は1.1を越え、生産性が向上していることが
わかる。また、引取速度7000m/分においても本発
明のポリエステル繊維の強度は低下せず良好な繊維が得
られた。本発明のポリエステルを使用しないで2GD速
度を高速化し、生産性向上を図った場合には、比較例1
に示したように、得られる繊維の伸度は15%しかなく
紡糸工程、後工程において糸切れを頻発するし、またソ
フトな風合いが損なわれるため好ましくない。
考例と同じ引取速度で比較すると、より高い2GD速度
で強度、伸度特性の良好な繊維を得ることができ、生産
性増加率は1.1を越え、生産性が向上していることが
わかる。また、引取速度7000m/分においても本発
明のポリエステル繊維の強度は低下せず良好な繊維が得
られた。本発明のポリエステルを使用しないで2GD速
度を高速化し、生産性向上を図った場合には、比較例1
に示したように、得られる繊維の伸度は15%しかなく
紡糸工程、後工程において糸切れを頻発するし、またソ
フトな風合いが損なわれるため好ましくない。
【0019】本発明のポリマDを使用した場合でも、比
較例2に示した様に1GD速度(引取速度)が5000
m/分未満の3000m/分では、2GD速度は620
0m/分までにとどまり、生産性の向上は望めない。
較例2に示した様に1GD速度(引取速度)が5000
m/分未満の3000m/分では、2GD速度は620
0m/分までにとどまり、生産性の向上は望めない。
【0020】実施例2〜4および比較例3〜5 共重合成分および共重合量を変更し表1に示した種々の
共重合ポリエステル(ポリマB、C、E、F、G、H)
を前記と同様の方法で得た。得られた共重合ポリエステ
ルの固有粘度、融点およびTgの値を表1に示した。こ
れらのポリマを(融点+45)℃で溶融し、参考例と同
様の溶融紡糸方法により、表2の紡糸条件で、50デニ
ール/24フィラメントのポリエステル繊維を得た。得
られた各繊維の特性値および生産性増加率を表2に併記
した。表2から明らかなように、本発明の共重合ポリエ
ステルであるポリマC、E、Fから得られた繊維は、生
産性増加率が1より大きく、かつ実用上十分な繊維物性
を有していることがわかる。一方、表2に示したように
共重合成分が2モル%未満であるポリマB、本発明と異
なった共重合成分を含んだ共重合ポリマG、Hは、生産
性増加が1.02以下と極めて小さい。
共重合ポリエステル(ポリマB、C、E、F、G、H)
を前記と同様の方法で得た。得られた共重合ポリエステ
ルの固有粘度、融点およびTgの値を表1に示した。こ
れらのポリマを(融点+45)℃で溶融し、参考例と同
様の溶融紡糸方法により、表2の紡糸条件で、50デニ
ール/24フィラメントのポリエステル繊維を得た。得
られた各繊維の特性値および生産性増加率を表2に併記
した。表2から明らかなように、本発明の共重合ポリエ
ステルであるポリマC、E、Fから得られた繊維は、生
産性増加率が1より大きく、かつ実用上十分な繊維物性
を有していることがわかる。一方、表2に示したように
共重合成分が2モル%未満であるポリマB、本発明と異
なった共重合成分を含んだ共重合ポリマG、Hは、生産
性増加が1.02以下と極めて小さい。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【発明の効果】本発明の方法によれば、従来の直接紡糸
延伸方法では達成し得なかった巻取速度及び引取速度の
高速化が可能となり、ポリエステル繊維の生産性を向上
できると共に、優れた物性を有するポリエステル繊維を
製造し提供することができ、その効果は産業上大きいも
のである。
延伸方法では達成し得なかった巻取速度及び引取速度の
高速化が可能となり、ポリエステル繊維の生産性を向上
できると共に、優れた物性を有するポリエステル繊維を
製造し提供することができ、その効果は産業上大きいも
のである。
【図1】本発明のポリエステル繊維の製造方法を説明す
るための概略図である。
るための概略図である。
1:口金 2:糸条 3:冷却装置 4:給油装置 5:第1ゴデットローラ 6:第2ゴデットローラ 7:ワインダー
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 主たるジカルボン酸成分がテレフタル酸
であって、全ジカルボン酸成分の2〜20モル%が炭素
数8以上の脂肪族ジカルボン酸成分であり、主たるジオ
ール成分がエチレングリコールであるポリエステルを溶
融紡糸し、冷却固化した後、給油した糸条を第1ゴデッ
トローラで5000m/分以上で引取り、該第1ゴデッ
トローラと、加熱した第2ゴデットローラとの間で延伸
・熱処理することを特徴とするポリエステル繊維の製造
方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15176691A JPH055208A (ja) | 1991-06-24 | 1991-06-24 | ポリエステル繊維の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15176691A JPH055208A (ja) | 1991-06-24 | 1991-06-24 | ポリエステル繊維の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH055208A true JPH055208A (ja) | 1993-01-14 |
Family
ID=15525828
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP15176691A Pending JPH055208A (ja) | 1991-06-24 | 1991-06-24 | ポリエステル繊維の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH055208A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR101457308B1 (ko) * | 2013-11-18 | 2014-11-06 | 도레이첨단소재 주식회사 | 하이멀티사 원사 및 그 제조방법 |
| WO2015029316A1 (ja) | 2013-09-02 | 2015-03-05 | 国立大学法人東京工業大学 | ポリエステル繊維 |
-
1991
- 1991-06-24 JP JP15176691A patent/JPH055208A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2015029316A1 (ja) | 2013-09-02 | 2015-03-05 | 国立大学法人東京工業大学 | ポリエステル繊維 |
| US9732443B2 (en) | 2013-09-02 | 2017-08-15 | Tokyo Institute Of Technology | Polyester fiber |
| KR101457308B1 (ko) * | 2013-11-18 | 2014-11-06 | 도레이첨단소재 주식회사 | 하이멀티사 원사 및 그 제조방법 |
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