JPH0552220A - クラツチ装置 - Google Patents

クラツチ装置

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Publication number
JPH0552220A
JPH0552220A JP21116791A JP21116791A JPH0552220A JP H0552220 A JPH0552220 A JP H0552220A JP 21116791 A JP21116791 A JP 21116791A JP 21116791 A JP21116791 A JP 21116791A JP H0552220 A JPH0552220 A JP H0552220A
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JP
Japan
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bearing
sintered
rotary shaft
clutch device
impregnated
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JP21116791A
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Inventor
Shuji Matsumoto
修二 松本
Tsutomu Morioka
勉 森岡
Kunpei Kobayashi
薫平 小林
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、軸受と回転軸との摺動面にお
ける油切れによる騒音発生がなく、耐摩耗性および耐久
性が優れたクラッチ装置を提供することにある。 【構成】本発明に係るクラッチ装置は、一直線上に配置
した一対の回転軸1,3間を断続することにより一方の
回転軸1から他方の回転軸3への動力の伝達を断続し、
上記断続操作時に、一方の回転軸1の端部に一体に設け
た軸受10に、他方の回転軸3の端部が摺動自在に入出
するクラッチ装置において、Snを15〜40wt%、C
を0.5〜4wt%、残部Cuおよび不可避的不純物であ
る組成を有し、粉末粒子が相互に融着した焼結体から成
り、焼結体の焼結孔に対向する粉末粒子の表面部にSn
拡散層を形成するとともに、上記焼結孔内に潤滑油を含
浸させた焼結含油軸受で上記軸受10を構成する一方、
上記軸受10に入出する回転軸3を、硬さが40HRC
上ありCrを含有するるFe系合金で形成したことを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はクラッチ装置に係り、特
に潤滑性および保油性に優れた軸受を備え、この軸受に
間欠的に摺動する回転軸の摩耗および摺動に伴う騒音発
生が少ないクラッチ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】駆動軸と従動軸とを結合自在に配設し、
駆動軸側からの動力を断続的に従動軸側に伝達させるた
めのクラッチ装置が、自動車や工作機械の動力系に使用
されている。
【0003】図5および図6は自動車のエンジンからの
動力を、トランスミッション側の回転軸に断続自在に伝
達するために配設されたクラッチ装置の使用例を説明す
る断面図である。このクラッチ装置は、エンジン側のク
ランクシャフト1に一体に形成されたフライホイール2
と、トランスミッション側のクラッチシャフト3に一体
に形成された円板状のクラッチディスク4と、運転者5
によるクラッチペダル6の踏込みまたは解放動作によっ
て、油圧回路7およびダイヤフラム型スプリング8を介
して、クラッチディスク4をフライホイール2の摺動面
から解放し、または摺動面に押圧するプレッシャプレー
ト9とを備える。またフライホイール2の中心部には、
ギアシフトに伴って軸方向に移動するクラッチシャフト
3の端部を受け入れ摺動自在に支持する焼結含油軸受と
してのパイロットブッシュ10が圧入されている。
【0004】図5に示すように、クラッチペダル6を踏
み込むことにより、クラッチスプリング8によってフラ
イホイール2に押し付けられていたクラッチディスク4
が摺動面から離れ、クラッチシャフト3はエンジンの回
転力から解放される。このときクラッチシャフト3の端
部はパイロットブッシュ10から抜けた状態になってい
る。
【0005】一方、図6に示すようにクラッチペダル6
を解放するとプレッシャプレート9がクラッチスプリン
グ8によってエンジン側に付勢され、クラッチディスク
4はフライホイール2に押し付けられ、両者間の摩擦力
を介してクランクシャフト1の回転力がクラッチシャフ
ト3に伝達される。こうしてクラッチが接続される際に
クラッチシャフト3の、図6において左側の端部がパイ
ロットブッシュ10内に嵌入される。このときクランク
シャフト1とクラッチシャフト3との相対的な回転数の
差(最高7500〜8000rpm)を生じるためパイ
ロットブッシュ10とクラッチシャフト3とは高速で摺
接する。またクラッチディスク4がフライホイール2の
摺動面に、滑ることなく完全に圧接した時点で、パイロ
ットブッシュ10およびクラッチシャフト3の回転数が
同じになり、両者は摺動しない。このようにパイロット
ブッシュ10とクラッチシャフト3とは、クラッチ切替
操作毎に間欠的に摺動するが、パイロットブッシュ10
内部に含浸された潤滑油が摺動面に滲み出してくるた
め、両部材間の摩耗が防止される。なお、クラッチ装置
の摺動面に潤滑油が飛散して、クラッチ機能を喪失する
ことを防止するため、軸受としてのパイロットブッシュ
は焼結含油軸受として構成されている。
【0006】従来この種の焼結含油軸受としては、Sn
を8〜11wt%、Cを3%以下、残部実質的に銅から
成る組成を有するインゴットから削り出して調製した切
削粉を焼結した後に、潤滑油を含浸させて形成したもの
が使用される他、青銅粉末または銅(Cu)粉、すず
(Sn)粉、鉛(Pb)粉等の金属粉末に、黒鉛(C)
粉を配合して圧縮成形後、焼結して得た多孔質体(焼結
体)に潤滑油を含浸させたもの等が使用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の焼結含油軸受としてのパイロットブッシュを使用し
たクラッチ装置においては、パイロットブッシュを構成
する焼結体に形成される焼結孔の寸法が小さいため、潤
滑油の保油性が乏しく、特にパイロットブッシュのよう
に間欠的に摺動する軸受材として使用される場合には、
油切れを起こし易く、クラッチ切替時にギア鳴り等の異
常音を発生せしめ、摺動部が短期間に摩耗してしまうお
それがあった。
【0008】すなわち、運転中に常に摺動している軸受
材および回転軸の場合には、回転開始直後において摺動
界面に摩擦熱が発生し、軸受の金属と潤滑油との膨張差
により、潤滑油が徐々に摺動界面に滲み出し油膜を形成
できる。
【0009】一方、軸受と回転軸とが間欠的に高速度で
摺動する、いわゆる摩擦板式のクラッチ装置において
は、クラッチ切換時に油切れを起こす可能性が高かっ
た。
【0010】本発明者らの知見によれば、上記問題点を
解決するためには、軸受を構成する焼結体の焼結孔の寸
法を拡大して、摺動部表面に常に潤滑油を浮かせた状態
となるように、軸受基材である焼結体を形成する必要で
あることが確認されている。
【0011】しかしながら、単に粗い原料粉末を使用し
て焼結孔を大きくすることは焼結密度の低下につなが
り、機械的な衝撃力を受け易い軸受としての強度が不足
し、特に上記パイロットブッシュのような円筒形状の軸
受では圧環強度が大幅に低下し、クラッチ装置全体とし
ての耐久性も低下してしまう問題点があった。
【0012】本発明は上記の問題点を解決するためにな
されたものであり、機械的強度を損うことなく、焼結孔
を大きく確保することが可能であり、保油性が優れ、耐
摩耗性が高い焼結含油軸受を装着することにより、より
耐久性に優れたクラッチ装置を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段と作用】本発明者らは上記
目的を達成するため、種々の材料組成から成る軸受用焼
結体を種々の方法によって製作し、その特性を比較検討
した。その結果、粗大なSn原料粉末を所定量添加した
原料粉末を焼成したときに高強度を有し、焼結孔が大き
な焼結含油軸受が得られ、その結果、回転軸の摩耗が少
なく、耐久性が向上したクラッチ装置が得られた知見に
基づいて本願発明を完成した。
【0014】すなわち本願発明に係るクラッチ装置は、
一直線上に配置した一対の回転軸間を断続することによ
り一方の回転軸から他方の回転軸への動力の伝達を断続
し、上記断続操作時に、一方の回転軸の端部に一体に設
けた軸受に、他方の回転軸の端部が摺動自在に入出する
クラッチ装置において、Snを15〜40wt%、Cを
0.5〜4wt%、残部Cuおよび不可避的不純物であ
る組成を有し、粉末粒子が相互に融着した焼結体から成
り、焼結体の焼結孔に対向する粉末粒子の表面部にSn
拡散層を形成するとともに、上記焼結孔内に潤滑油を含
浸させた焼結含油軸受で上記軸受を構成する一方、上記
軸受に入出する回転軸を、硬さが40HRC以上ありCrを
含有するFe系合金で形成したことを特徴とする。
【0015】また軸受用焼結体を構成する上記Sn,C
成分の残部である銅(Cu)の一部を、Pb,Niおよ
び金属硫化物の少なくとも1種で置換することにより軸
受の潤滑性および強度をより改善することもできる。こ
の場合、Pbの含有量は0.5〜3wt%が適量であ
り、Niおよび金属硫化物の含有量はそれぞれ1〜10
wt%が適量である。
【0016】さらに軸受を構成する焼結体の全焼結孔に
対して、内径が40μm以上である焼結孔の割合が5%
以上に設定することにより、潤滑性を高めることができ
る。
【0017】以下本発明に係るクラッチ装置に使用され
る軸受の組成等の限定理由を述べる。
【0018】Snは軸受の主成分である銅と合金化して
軸受の摺動特性を向上させる元素である上に、特に粒径
が40μm以上の粗大なSn粉末を、原料粉末の状態で
他の原料粉末混合体中に添加することにより孔径が40
μm以上の焼結孔を形成するために必要な元素である。
Snの含有量は原料粉末全体に対して15〜40wt%
が適当であり、特に後述する軸受用焼結体の製法におい
て、孔径が大きな焼結孔を形成するために、粗大なSn
粉末の含有量は5〜30wt%の範囲に設定される。含
有量が5wt%未満では孔径の大きな焼結孔の形成割合
が少なく、一方、含有量が30wt%を超える場合は、
空孔の割合が大きくなり、焼結体の強度(軸受としての
圧環強度)が低下してしまう。
【0019】Cは、軸受の焼結体基地の強度を高め、ま
た基地中に固体潤滑材として分散し、摺動面の潤滑性を
高めて摺動材のかじりを防止し、初期摺動特性を改善す
るために0.5〜4wt%含有する。C含有量が0.5
wt%未満の場合には摺動特性の改善効果が充分ではな
く、一方、含有量が4wt%を超える場合には、脆化し
成形性が低下し、高密度かつ高強度の焼結体が得られに
くい。
【0020】Cuは軸受の焼結体基地を構成する主成分
であり、焼結体の強度を向上させるために60〜85w
t%含有する。含有量が60wt%未満であると充分な
強度が得られない一方、含有量が85wt%を超える場
合には摺動特性が低下してしまう。
【0021】Pbは軸受の潤滑特性の向上に効果があ
り、上記Sn,Cの他にCuの一部を置換する形で0.
5〜3wt%含有することにより、さらに焼結体の潤滑
性を高めることができる。含有量が0.5wt%未満の
場合は、その潤滑特性向上の効果が少なく、含有量が3
wt%を超えると基地強度が低下してしまう。
【0022】またNiは軸受の焼結体基地の強度向上に
有効な元素であり、1〜10wt%の範囲で、Cuの一
部を置換して添加してもよい。含有量が1wt%未満の
場合は、強度改善効果が充分ではなく、一方、含有量が
10wt%を超えると焼結孔の拡大粗大化を阻害して、
軸受としての潤滑性を低下させてしまう。
【0023】金属硫化物は、軸受の初期摺動特性の改善
に有効であり、1〜10wt%の範囲で含有する。含有
量が1wt%未満の場合には改善効果が充分ではなく、
一方、10wt%を超える過大な含有量の場合には、軸
受強度の低下を招いてしまう。
【0024】上記諸特性を発揮する焼結含油軸受は、下
記の工程によって製造される。すなわち、まずアトマイ
ズ法によって調製した銅粉または青銅粉末と、平均粒径
が40μm以上のSn粉末を5〜30wt%と黒鉛粉末
と、Sn粉末、Pb粉末、Ni粉末、金属硫化物、成形
用固体潤滑材を所定量ずつ添加して混合し、固体潤滑材
を除く組成としてSnを15〜40wt%、Cを0.5
〜4wt%、残部Cuおよび不可避的不純物となる組成
を有する原料混合体を調製する。
【0025】次にこの原料混合体を、成形圧200〜4
00MPaで加圧成形して所定形状の成形体を形成し、
この成形体を、水素または非酸化雰囲気において温度3
00〜600℃で30〜120分脱脂し、しかる後に水
素または非酸化雰囲気において温度700〜800℃に
おいて40〜120分間焼成することにより、孔径が大
きな焼結孔を有する焼結体が形成される。
【0026】ここで孔径が大きな焼結孔が形成される様
子を図1および図2によって説明する。すなわち図2に
示すように粉末粒子1間に粗大なSn粉末2が混入して
いる成形体を焼成すべく加熱昇温すると、焼結温度以下
の昇温過程において、比較的に低融点のSn粉末が溶融
し、隣接する粉末粒子1の表面に固着する一方、Snの
一部が粉末粒子1の表面から内部に拡散し、図1に示す
ように、各粉末粒子1の表面部に、周辺よりはSnリッ
チなSn拡散層3が形成される。その結果、粗大なSn
粉末2が充填されていた組織空間に孔径が大きな焼結孔
4が形成される。そして最終工程として、得られた焼結
体に減圧下において潤滑油を含浸させることにより、焼
結含油軸受が製造される。
【0027】ここで自動車用クラッチのパイロットブッ
シュのように、間欠的に摺動する軸受を構成する焼結体
の場合には、焼結孔4の孔径は、潤滑油を摺動面に常に
浮かせる状態に保持するために、40μm以上とするこ
とが望ましい。また全焼結孔に対する40μm以上の孔
径を有する焼結孔の割合は5%以上とすることが望まし
い。
【0028】上記焼結孔4の孔径およびその生成割合
は、粉末粒子とともに添加するSn粉末の平均粒径およ
びSn粉末の添加量を適宜変更することによって調整す
ることができる。具体的には孔径が40μm以上の焼結
孔4を5%以上の割合で生成させるためには、平均粒径
が40μm以上の粗大なSn粉末を5wt%以上添加
し、焼結温度以下の昇温過程において、Sn粉末を溶融
させることが必要である。
【0029】また焼結体の密度は6.8〜7.3g/cm
3 の範囲が好ましく、この範囲において、孔径が40μ
m以上の焼結孔の全焼結孔に対する割合が5%以上にな
り、潤滑性が優れた焼結体が得られるとともに、焼結孔
を拡大したにも拘らず、圧環強度が100N/mm2 以上
の軸受を形成することが可能になる。
【0030】一方、上記焼結含油軸受に入出し、間欠的
に摺動する回転軸としては、Crを含有するFe系合金
であり、硬さが40HRC以上の合金材で形成するとよ
い。合金材の例としては、汎用のSCr材やSCM材が
良い。1wt%程度以下の微量のCrを添加することに
より、回転軸の硬さを40HRCに高めることが可能であ
り、回転軸の耐摩耗性を高めることができる。
【0031】上記材料で形成された回転軸は、前記組成
を有する焼結含油軸受との相性が優れており、摩耗量や
かじりが少なく摺動特性が優れた組合せとなる。こうし
て前記組成を有する焼結含油軸受と、上記回転軸とを組
み合せて本発明のクラッチ装置が形成される。
【0032】そして本発明に係るクラッチ装置において
は、軸受を形成する焼結体の焼結孔が一般の焼結含油軸
受材と比較して、強度を損うことなく大きく設定するこ
とができ、多量の潤滑油を貯溜することができる。した
がって、クラッチ切換時に間欠的に摺動を開始する瞬間
においても、軸受と回転軸との摺動界面に潤滑油膜が存
在することとなり、油切れによる異常音の発生を解消す
ることができる。
【0033】以上説明の通り本発明に係るクラッチ装置
においては、軸受を構成する焼結体の焼結孔に対向する
粉末粒子の表面部にSn拡散層が形成され、このSn拡
散層に囲まれた部分に孔径が大きな焼結孔を形成してい
るため、潤滑油の保持特性が優れ、クラッチ切換時にお
いても、摺動界面に潤滑油膜が形成される。その結果、
油切れによる異常音の発生がなく、摺動部の摩耗が少な
い耐久性に優れたクラッチ装置を提供できる。
【0034】
【実施例】次に本発明に係るクラッチ装置の一実施例に
ついて、図5に示す自動車用のクラッチ装置に適用した
場合を例にとり、従来の装置と比較して説明する。
【0035】実施例1〜6および比較例1に係るクラッ
チ装置に使用する焼結含油軸受を以下の手順で調製し
た。
【0036】実施例1として粒径150μm以下の青銅
(Cu−10%Sn−1%Pb)粉末を88.5wt%
と、平均粒径40μmのSn粉末を10wt%、粒径1
00μm以下の黒鉛粉末を1.5wt%と、金型成形用
固体潤滑剤を1wt%添加し混合粉末を調製した。
【0037】実施例2として粒径150μm以下の青銅
(Cu−10%Sn)粉末を88.5wt%と、平均粒
径40μmのSn粉末を10wt%、粒径100μm以
下の黒鉛粉末を1.5wt%と、金型成形用固体潤滑剤
を1wt%添加し混合粉末を調製した。
【0038】実施例3として粒径150μm以下の青銅
(Cu−10%Sn)粉末を83wt%と、平均粒径4
0μmのSn粉末を10wt%、Ni粉末を5wt%、
粒径100μm以下の黒鉛粉末を1.5wt%と、金型
成形用固体潤滑剤を1wt%添加し混合粉末を調製し
た。
【0039】実施例4として粒径150μm以下の青銅
(Cu−10%Sn)粉末を83.5wt%と、平均粒
径40μmのSn粉末を10wt%、金属硫化物粉末を
5wt%、粒径100μm以下の黒鉛粉末を1.5wt
%と、金型成形用固体潤滑剤を1wt%添加し混合粉末
を調製した。
【0040】実施例5として粒径150μm以下の青銅
(Cu−10%Sn−1%Pb)粉末を83.5wt%
と、平均粒径40μmのSn粉末を10wt%、Ni粉
末を5wt%、粒径100μm以下の黒鉛粉末を1.5
wt%と、金型成形用固体潤滑剤を1wt%添加し混合
粉末を調製した。
【0041】実施例6として粒径150μm以下の青銅
(Cu−10%Sn)粉末を83.5wt%と、平均粒
径40μmのSn粉末を10wt%、金属硫化物粉末を
5wt%、粒径100μm以下の黒鉛粉末を1.5wt
%と、金型成形用固体潤滑剤を1wt%添加し混合粉末
を調製した。
【0042】一方比較例1として、粗大なSn粉末を添
加せずに、青銅(Cu−10%Sn−1%Pb)粉末を
98.5wt%と、粒径100μm以下の黒鉛粉末を
1.5wt%と、金型成形用固体潤滑剤を1wt%添加
して、従来汎用の混合粉末を調製した。
【0043】こうして調製した実施例1〜6および比較
例1の各混合粉末を成形圧200〜400MPaで加圧
して、外径20mm、内径16mm、高さ17mmの寸法を有
し、成形密度が6.3〜6.5g/cm3 の成形体を得
た。そして各成形体を水素ガス雰囲気において温度30
0〜600℃で30分間〜2時間加熱することにより脱
脂した。
【0044】次に脱脂した各成形体を減圧した水素ガス
雰囲気において温度700〜800℃で40分間〜2時
間焼結し徐冷した。そしてサイジング工程において、内
外径の寸法精度を所定値に調整した結果、密度が6.8
〜7.3g/cm3 の焼結体を得た。そして得られた各焼
結体に減圧条件下で潤滑油を含浸せしめ、焼結含油軸受
とした。各軸受の含油率は18vol %であった。
【0045】こうして調製した各焼結含油軸受の潤滑性
および保油特性を評価するために、高温度条件下におけ
る脱油試験を下記要領で実施した。試験条件としては、
環境温度を200℃に設定した炉内に各試料の軸受を配
置し、実験開始時から所定時間間隔で、各軸受内に保持
される潤滑油の残存率を経時的に測定した。その試験結
果を図3に示す。
【0046】図3に示す結果から明らかなように実施例
1〜6に係る軸受はいずれも潤滑性保油性に優れてお
り、自動車用のクラッチ装置のパイロットブッシュとし
て使用した場合に、ギヤ鳴り等の異常音を発生する限界
の油残存率(20Vol%)に達するまでの時間が、比較
例1に係る軸受と比較して、20%程度長くなり潤滑性
能が大幅に改善されることが実証された。
【0047】さらに、各実施例1〜6および比較例1に
係るクラッチ装置で使用する軸受の耐摩耗特性を評価す
るために、図4に示すアムスラー式耐摩耗試験機を使用
して、各軸受より切り出した試験片5に、周速23m/
min で250Nの荷重を付加した回転ドラム6を2時間
に亘って押圧し、各試験片5の最大摩耗深さを摩耗量と
して測定する耐摩耗試験を実施した。
【0048】また各焼結体の金属組織を検鏡して、孔径
が40μm以上の焼結孔の割合を測定するとともに、各
軸受としての圧環強度を測定し、下記表1に示す結果を
得た。
【0049】
【表1】
【0050】表1に示す結果から明らかなように本実施
例1〜6に係るクラッチ装置に使用した焼結含油軸受に
よれば、比較例1に示す従来のクラッチ装置の軸受と比
較して、圧環強度を大きく損うことなく、耐摩耗性を2
0%程度向上させることができた。なお、軸受の焼結体
組成にNiを含有させた実施例3,5の軸受は他の実施
例1,2,4,6と比較して圧環強度を150N/mm2
することが可能となり、強度および耐摩耗性をともに改
善でき、クラッチ装置の耐久性を向上させることが判明
した。
【0051】また上記実施例1〜6に係る焼結含油軸受
を、図5に示す自動車用クラッチ装置のパイロットブッ
シュ10としてクランクシャフト側に実装する一方、パ
イロットブッシュ10に入出するクランクシャフト3が
SCr鋼(硬度45HRC)で形成されたクラッチ装置を
搭載した自動車を長期間運転し、各クラッチ装置の性能
を調査したが、走行中に異常音が発生した例は皆無であ
った。
【0052】上記実施例においては、自動車用クラッチ
装置に本発明を適用した例で示しているが、本発明の適
用対象は自動車用クラッチ装置に限定されず、例えば工
作機械や建設機械用のクラッチ装置等についても同様に
適用することができる。
【0053】
【発明の効果】以上説明の通り本発明に係るクラッチ装
置によれば、軸受を構成する焼結体の焼結孔に対向する
粉末粒子の表面部にSn拡散層が形成され、このSn拡
散層に囲まれた部分に孔径が大きな焼結孔を形成するこ
とができるため、潤滑性および保油性に優れた焼結含油
軸受を形成することができ、間欠的に摺動する軸受と回
転軸との摺動界面に常に潤滑油膜が存在することとな
る。したがって、油切れによる異常音の発生がなく、耐
久性に優れたクラッチ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るクラッチ装置に使用される焼結含
油軸受の基地組織の一部を模式的に示す断面図。
【図2】焼結前の基地組織の一部を模式的に示す断面
図。
【図3】各実施例に係るクラッチ装置に使用した焼結含
油軸受の油残存率の経時変化を従来例と比較して示すグ
ラフ。
【図4】軸受材料の耐摩耗試験要領を示す図。
【図5】焼結含油軸受を使用した自動車用クラッチ装置
において動力を切断した状態を示す断面図。
【図6】焼結含油軸受を使用した自動車用クラッチ装置
において動力を伝達している状態を示す断面図。
【符号の説明】
1 粉末粒子 2 Sn粉末 3 Sn拡散層 4 焼結孔 5 試験片 6 回転ドラム

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一直線上に配置した一対の回転軸間を断
    続することにより一方の回転軸から他方の回転軸への動
    力の伝達を断続し、上記断続操作時に、一方の回転軸の
    端部に一体に設けた軸受に、他方の回転軸の端部が摺動
    自在に入出するクラッチ装置において、Snを15〜4
    0wt%、Cを0.5〜4wt%、残部Cuおよび不可
    避的不純物である組成を有し、粉末粒子が相互に融着し
    た焼結体から成り、焼結体の焼結孔に対向する粉末粒子
    の表面部にSn拡散層を形成するとともに、上記焼結孔
    内に潤滑油を含浸させた焼結含油軸受で上記軸受を構成
    する一方、上記軸受に入出する回転軸を、硬さが40H
    RC以上ありCrを含有するFe系合金で形成したことを
    特徴とするクラッチ装置。
  2. 【請求項2】 一直線上に配置した一対の回転軸間を断
    続することにより一方の回転軸から他方の回転軸への動
    力の伝達を断続し、上記断続操作時に、一方の回転軸の
    端部に一体に設けた軸受に、他方の回転軸の端部が摺動
    自在に入出するクラッチ装置において、Snを15〜4
    0wt%、Cを0.5〜4wt%、Pbを0.5〜3w
    t%、残部Cuおよび不可避的不純物である組成を有
    し、粉末粒子が相互に融着した焼結体から成り、焼結体
    の焼結孔に対向する粉末粒子の表面部にSn拡散層を形
    成するとともに、上記焼結孔内に潤滑油を含浸させた焼
    結含油軸受で上記軸受を構成する一方、上記軸受に入出
    する回転軸を、硬さが40HRC以上ありCrを含有する
    Fe系合金で形成したことを特徴とするクラッチ装置。
  3. 【請求項3】 一直線上に配置した一対の回転軸間を断
    続することにより一方の回転軸から他方の回転軸への動
    力の伝達を断続し、上記断続操作時に、一方の回転軸の
    端部に一体に設けた軸受に、他方の回転軸の端部が摺動
    自在に入出するクラッチ装置において、Snを15〜4
    0wt%、Cを0.5〜4wt%、Niを1〜10wt
    %、残部Cuおよび不可避的不純物である組成を有し、
    粉末粒子が相互に融着した焼結体から成り、焼結体の焼
    結孔に対向する粉末粒子の表面部にSn拡散層を形成す
    るとともに、上記焼結孔内に潤滑油を含浸させた焼結含
    油軸受で上記軸受を構成する一方、上記軸受に入出する
    回転軸を、硬さが40HRC以上ありCrを含有するFe
    系合金で形成したことを特徴とするクラッチ装置。
  4. 【請求項4】 一直線上に配置した一対の回転軸間を断
    続することにより一方の回転軸から他方の回転軸への動
    力の伝達を断続し、上記断続操作時に、一方の回転軸の
    端部に一体に設けた軸受に、他方の回転軸の端部が摺動
    自在に入出するクラッチ装置において、Snを15〜4
    0wt%、Cを0.5〜4wt%、金属硫化物を1〜1
    0wt%、残部Cuおよび不可避的不純物である組成を
    有し、粉末粒子が相互に融着した焼結体から成り、焼結
    体の焼結孔に対向する粉末粒子の表面部にSn拡散層を
    形成するとともに、上記焼結孔内に潤滑油を含浸させた
    焼結含油軸受で上記軸受を構成する一方、上記軸受に入
    出する回転軸を、硬さが40HRC以上ありCrを含有す
    るFe系合金で形成したことを特徴とするクラッチ装
    置。
  5. 【請求項5】 軸受を構成する焼結体の全焼結孔に対し
    て、内径が40μm以上である焼結孔の割合が5%以上
    である請求項1〜4のいずれかに記載のクラッチ装置。
  6. 【請求項6】 焼結含油軸受の圧環強度を100N/mm
    2 以上に設定したことを特徴とする請求項1〜5のいず
    れかに記載のクラッチ装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000230556A (ja) * 1999-02-09 2000-08-22 Nippon Kagaku Yakin Co Ltd 軸 受
WO2016206259A1 (zh) * 2015-06-23 2016-12-29 海安县鹰球粉末冶金有限公司 粉末冶金超低噪音长寿命含油轴承的制造方法

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