JPH0555570B2 - - Google Patents
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- JPH0555570B2 JPH0555570B2 JP61004690A JP469086A JPH0555570B2 JP H0555570 B2 JPH0555570 B2 JP H0555570B2 JP 61004690 A JP61004690 A JP 61004690A JP 469086 A JP469086 A JP 469086A JP H0555570 B2 JPH0555570 B2 JP H0555570B2
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- Heat Treatment Of Steel (AREA)
- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明は高延性高強度複合組織鋼板の製造法に
係り、特に引張強さが80Kgf/mm2以上の高強度を
有し、しかも極めて優れた延性と表面性状を有す
る複合組織鋼板の製造法に関する。 (従来の技術及び解決しようとする問題点) 自動車等の構造材として用いられる薄鋼板は加
工性、溶接性その他多様な特性を必要とするもの
であるが、近年、燃費や安全性のために鋼板の高
強度化が強く要求されている。すなわち、この強
度化は引張強さTSが60〜70Kgf/mm2までを主体
とするものであるが、更に、TS≧80Kgf/mm2の
ような高強度の鋼板が要求されることも多い。 ところで、このようにTS=80〜140Kgf/mm2の
グレードで加工性の高い高強度鋼板としては、こ
れまでにフエライトとマルテンサイトの2相、或
いはベーナイトとマルテンサイトの2相から成る
複合組織鋼板が開発されている。しかしながら、
近年における社会的ニーズはその多様性が益々増
大しつつあり、該複合組織鋼板も加工性などにお
いて必ずしも満足し得るものでない。特に、自動
車用鋼板のように多量生産品の素材としては、安
価であることが必須条件であり、加えて強度−延
性バランスのみならず、溶接性等その他の諸性質
間の釣合いも十分考慮されねばならない。 このような観点から、近時、フエライト+残留
オーステナイト+マルテンサイト(一部ベーナイ
トを含む)から成る高加工性の高強度複合組織鋼
板が開示されているが(特開昭60−43430号)、強
度−延性バランス向上のため必須なオーステナイ
トの安定化のためにCが多量に含有している。こ
のため、特に自動車用鋼板として必要な特性であ
る点溶接性及び表面性状が良くないという問題点
がある。 本発明は、上記従来技術の有する問題点を解決
するためになされたものであつて、引張強さが80
Kgf/mm2以上の高強度を有し、しかも、極めて優
れた延性及び表面性状を有する複合組織鋼板を経
済的に、かつ、適確に製造することができる方法
を提供することを目的とするものである。 (問題点を解決するための手段) 上記目的を達成するため、本発明者等は、従来
法による高C含有の複合組織鋼板の製造法につい
て鋼組成、熱延条件、焼鈍条件等々の再検討並び
に考察を試みた。 高強度でしかも従来法による以上の高延性を有
する複合組織鋼板を得ようとすると、従来、たか
だか数%しか含有しなかつた残留オーステナイト
体積率を適正にコントロールする必要がある。こ
れはオーステナイトの加工誘起変態に伴う高n値
化によるもので、期待する高延性を得るためには
10%以上含有させる必要がある。 一方、オーステナイト安定化元素として、C、
Mn、Niなどが一般に良く知られており、その効
果がもつとも大きいのはCである。C量の増加に
つれてオーステナイトが安定化し、特に恒温変態
を行つた時にオーステナイトが残留する。このよ
うに、高C鋼を用い、オーステナイト域、若しく
はフエライト+マルテンサイトの2相域に再加熱
後、適正な熱履歴を付与することにより、極めて
高延性の高強度鋼板が得られる。 しかしながら、前述の如く高C化は自動車用鋼
板として必須な特性である表面性状を悪化させ
る。そこで、本発明者等は、成分組成面での規制
によつて高C鋼板の表面性状を改善し得る方策に
ついて実験研究を重ねた結果、Si及びMnの同時
規制により可能であることが判明した。すなわ
ち、0.8%以上のSiを含有させると共にSi/Mnを
0.5〜1.0の範囲内に規制するならば、該高C鋼板
の酸化皮膜厚が大幅に低減されることが判つた。
このようなSi、Mnの規制による表面性状改善の
理由は必ずしも詳らかではないが、熱延コイルの
段階より生じているC、Si、MnやPの表面濃化
の状態が異なつているためと推定される。 次に、熱延条件及び焼鈍条件についても実験研
究を重ねた結果、上記の如く高CでSi及びMnを
同時規制した該複合組織薄鋼板においては、残留
オーステナイト体積率が同一であつても加工変形
に対する安定度によつて延性に差を生じるが、 (a) 熱延に際して、650℃以上で巻取る。 (b) 連続焼鈍に際して、ソーキング後の冷却条件
を適切にコントロールする、すなわち、まず30
℃/sec以下の冷却速度(C1)で600℃〜Ar1変
態点(Tq)まで徐冷し、次いで30℃/sec以上
の冷却速度(C2)で350〜450℃の温度まで急
冷する。 ことにより、適当な安定度を持つた残留オーステ
ナイトが多量に得られる。すなわち、本発明等
は、延性に対して都合の良い残留オーステナイト
の量と安定度が組織中にベーナイトを15%以上含
有させることにより達成されることを明らかに
し、更に、上記の2条件が350〜450℃×1〜
5min保持時、ベーナイトを15%以上生成するの
に必須であることを見い出した。これらの理由は
必ずしも明確ではないが、 (a) 熱延鋼板中の炭化物が球状化されるため、フ
エライト+オーステナイトの2相域に再加熱さ
れた時、これを核にオーステナイト化し、その
相中のC、Mn等の濃化程度が高いため、 (b) 冷却中のフエライト変態、ベーナイト変態が
適正にコントロールされるため、 と考えられる。 以上の諸知見に基づき、更に強度−延性バラン
ス等の面をも加味し、詳細に規制すべき条件(成
分、熱延条件、焼鈍条件)を検討の末、本発明を
なしたものである。 すなわち、本発明に係る表面性状の良好な高延
性高強度複合組織鋼板の製造法は、重量割合で、
C:0.15〜0.45%、Si:0.8%以上1.5%未満及び
Mn:1.0〜2.5%で、かつ、Si/Mn:0.5〜1.0で
あり、更に必要に応じてP:0.02〜0.20%、V:
0.05〜0.40%及びB:0.0005〜0.01%のうちの1
種又は2種以上を含み、また更にS≦0.005%、
solAl:0.01〜0.06%を含有し、残部が鉄及び不可
避的不純物からなる鋼スラブにつき、Ar3変態温
度以上で熱間圧延を終了し、650℃以上の温度で
巻取り、次いで、その後の連続焼鈍において、オ
ーステナイト+フエライトの2相域に4分間以下
加熱保持した後、350〜450℃の温度範囲に1〜5
分間保持するために急冷するに際して、まず、30
℃/sec以下の冷却速度で上記保持温度から600℃
〜Ar1変態点まで徐冷し、次いで30℃/sec以上
の冷却速度で350〜450℃の温度まで急冷すること
により、体積率でベーナイトが15%以上で残部が
フエライト、残留オーステナイト及びマルテンサ
イトからなる複合組織を得ることを特徴とするも
のである。 以下に本発明を実施例に基づいて詳細に説明す
る。 まず、本発明法の対象とする鋼の成分並びにそ
の範囲の限定理由を示す。 C:Cは鋼の強化には不可欠な元素であり、また
後述の如く熱延条件及び焼鈍条件を適正にコン
トロールするに際し、オーステナイトを安定化
させて、熱処理後、オーステナイトを体積率で
10%以上残留させるためには最低0.15%は必要
である。 一方、0.45%を超えると、残留オーステナイ
ト体積率が増大して強度−延性バランスを向上
させるが、点溶接性及び本発明の主たる狙いで
ある表面性状が、Si、Mn量を適正に規制して
も劣化するので、上限として0.45%を設定し
た。 Si:Siはフエライト・フオーマー元素であるた
め、それ自体にはオーステナイトを安定化する
働きはない。しかし、オーステナイト+フエラ
イトの2相域保持中若しくはオーステナイト域
やオーステナイト+フエライトの2相域からの
冷却中に生成するフエライトを純化するため、
必然的に、未変態オーステナイトへのCの濃縮
を促進する効果を通じてオーステナイトの安定
化に寄与する。また、本発明では、Siは更に重
要な観点から規制するものである。すなわち、
Si量が少ない場合には表面性状を満足するC量
の上限は0.2%であるが、Siを0.8%以上、更に
Si/Mnで0.5〜1.0の範囲で含有せしめると、
Cの上限を0.45%まで上昇せしめられ、延いて
は強度−延性バランスが良好となる。このよう
な観点から、Si量の下限は0.8%とし、一方、
1.5%以上ではこれらの効果が飽和し、また、
スケール性状が劣化するので、1.5%未満とす
る。 Mn:Mnはオーステナイト生成元素として重要
であり、良好な強度−延性バランスを得る観点
から、10%以上の残留オーステナイト体積率を
保有せしめるためには最低1.0%以上が必要で
ある。 また、2.5%以上含有すると点溶接性が悪化
するので、これを上限とした。なお、上記Si及
びMnの規制範囲を図示すれば第1図のとうり
である。 S:Sは加工性を劣化させるので、可及的に少な
い方が望ましい。特に本発明の対象とする鋼で
は凝固時のSの分配係数が小さいので、硫化物
系介在物量が通常鋼より多くなる。このため、
Sは更に低レベルに規制する必要があり、
0.005%以下とする。 solAl:solAlは鋼の脱酸剤として有効なものであ
るが、その含有量が0.01未満では脱酸の効果が
期待できなくなる。他方、0.06%を超えて含有
させても脱酸の効果が飽和して、それ以上の効
果が期待できなくなることから、0.01〜0.06%
と限定した。 なお、以上の各成分は本発明が対象とする鋼の
規制すべき必須成分であるが、以下に示すP、B
及びVは強度−延性バランスを更に向上させるた
めに、必要に応じて1種又は2種以上を含有せし
めることができる。 P:PはSiと同様、フエライト・フオーマー元素
であり、未変態オーステナイトへのCの濃縮を
促進する効果を通じてオーステナイトを更に安
定化する。従つて、Pは通常レベルであつても
強度−延性バランス等の特性上何等問題ない
が、必要に応じて0.02%以上Pを含有せしめる
と、更に良好な強度−延性バランスが得られ
る。一方、0.2%を超えると、その効果が飽和
するばかりか、粒界偏析によつて却つて鋼を脆
化させるので、0.2%を上限とする。 B:Bは焼入性を向上させる元素で、Crなどの
高価な元素を添加せずに所望の組織を得るうえ
で有利である。すなわち、Bを0.0005%以上含
有させると、生成するマルテンサイトの硬度を
高め、少ないマルテンサイト体積率で必要な強
度が得られるため、延性を高めるフエライト及
びオーステナイト体積率を増加せしめることが
可能である。その下限はその効果を発揮させ得
る量から、また上限はその効果が飽和に達し、
経済的でなくなる量から、0.0005〜0.01%と限
定した。 V:Vは元来、析出強化元素であり、点溶接時の
熱影響部の硬度低下を防止して点溶接性を改善
する。また、Vを0.05%以上添加すると、オー
ステナイトを安定化して強度−延性バランスを
改善する。このような観点からその量が規制さ
れ、0.05〜0.4%とする。 以上に示した化学成分を有する鋼は、造塊又は
連鋳後、Ar3変態点以上の温度で熱間圧延を終了
し、650℃以上、好ましくは650〜700℃で巻取る。
特に巻取温度を650℃以上とすることが熱延鋼板
中の炭化物を球状化し、以降の連続焼鈍時に多量
の残留オーステナイトを安定して得るうえで必要
である。 次いで実施する連続焼鈍においては、まず、オ
ーステナイト+フエライトの2相域(T1)に4
分間以下保持するが、これにより球状化された炭
化物を核にオーステナイト化し、オーステナイト
相中のC、Mn等の濃化程度が高められる。その
後の冷却態様としては、上記保持温度から30℃/
sec以下の冷却速度(C1)で600℃〜Ar1変態点
(Tq)まで徐冷し、次いで30℃/sec以上の冷却
速度(C2)で350〜450℃の温度(T2)まで急冷
して1〜5分間保持する。この焼鈍条件は、前述
の熱延条件と相俟つて、フエライト変態、ベーナ
イト変態を適正にコントロールし、組織中に15%
以上のベーナイトが含有し、延性に好都合な残留
オーステナイトの量及び安定度が確保されるのを
保証するものである。 (実施例) 第1表に示すような化学成分を有する14種の供
試鋼を溶製した。供試鋼B、E、F、G、J、
L、M及びNは本発明の範囲を満たすものであ
り、他は比較鋼である。 各鋼は熱延巻取温度650〜700℃で熱間圧延し、
更に、冷間圧延により板厚1.0mmの供試材とした。
次いで、第2表のF2の条件(本発明範囲)で連
続焼鈍した後にゲージ長さ50mmのJIS5号引張試験
片を準備して引張試験を行つた。また、組織の適
否を判定するため組織観察並びにベーナイト及び
オーステナイトの体積分率を測定した。結果は第
1表のとうりである。 第1表から明らかなように、供試鋼B、E、
F、G、J、L、M及びNの本発明対象鋼はTS
が80Kgf/mm2以上と高強度であると共に、TS×
Elも2300以上と優れたTS−Elバランスを有して
いるばかりでなく、焼鈍後の酸化皮膜が薄く、表
面性状が比較鋼に比べて格段に優れている。これ
に対して、比較鋼は、TS−Elバランスが特に劣
悪という訳ではないが(供試鋼Cは良好)、本発
明で意図する表面性状が良くない。 また、上記の供試鋼Fを用い、第2表に示すよ
うな条件のもとで熱間圧延及び連続焼鈍を行つ
た。供試鋼F2、F3、F6及びF7が本発明の範囲内
の条件であり、他は範囲外である。結果は第2表
のとうりである。なお、同表中のT1、C1、Tq、
C2、T2は各々第2図に示す連続焼鈍サイクルの
条件を示している。 第2表により明らかなように、本発明例の供試
鋼F2、F3、F6及びF7はいずれも複合組織に体積
率で15%以上のベーナイト(と同じく10%以上の
オーステナイト)を含み、TS×Elで2300以上と
優れたTS−Elバランスを有している。これに対
して、比較例の供試鋼は中間温度保持中にベーナ
イト変態が進行せず、残部オーステナイトへのC
の移行が十分に行われず、最終オーステナイト量
も少ない。このため、所望の性質が得られない。 なお、上記実施例では熱間圧延の後に冷間圧延
を行つた場合について示したが、冷間圧延を行わ
なくても同様の効果が得られる。
係り、特に引張強さが80Kgf/mm2以上の高強度を
有し、しかも極めて優れた延性と表面性状を有す
る複合組織鋼板の製造法に関する。 (従来の技術及び解決しようとする問題点) 自動車等の構造材として用いられる薄鋼板は加
工性、溶接性その他多様な特性を必要とするもの
であるが、近年、燃費や安全性のために鋼板の高
強度化が強く要求されている。すなわち、この強
度化は引張強さTSが60〜70Kgf/mm2までを主体
とするものであるが、更に、TS≧80Kgf/mm2の
ような高強度の鋼板が要求されることも多い。 ところで、このようにTS=80〜140Kgf/mm2の
グレードで加工性の高い高強度鋼板としては、こ
れまでにフエライトとマルテンサイトの2相、或
いはベーナイトとマルテンサイトの2相から成る
複合組織鋼板が開発されている。しかしながら、
近年における社会的ニーズはその多様性が益々増
大しつつあり、該複合組織鋼板も加工性などにお
いて必ずしも満足し得るものでない。特に、自動
車用鋼板のように多量生産品の素材としては、安
価であることが必須条件であり、加えて強度−延
性バランスのみならず、溶接性等その他の諸性質
間の釣合いも十分考慮されねばならない。 このような観点から、近時、フエライト+残留
オーステナイト+マルテンサイト(一部ベーナイ
トを含む)から成る高加工性の高強度複合組織鋼
板が開示されているが(特開昭60−43430号)、強
度−延性バランス向上のため必須なオーステナイ
トの安定化のためにCが多量に含有している。こ
のため、特に自動車用鋼板として必要な特性であ
る点溶接性及び表面性状が良くないという問題点
がある。 本発明は、上記従来技術の有する問題点を解決
するためになされたものであつて、引張強さが80
Kgf/mm2以上の高強度を有し、しかも、極めて優
れた延性及び表面性状を有する複合組織鋼板を経
済的に、かつ、適確に製造することができる方法
を提供することを目的とするものである。 (問題点を解決するための手段) 上記目的を達成するため、本発明者等は、従来
法による高C含有の複合組織鋼板の製造法につい
て鋼組成、熱延条件、焼鈍条件等々の再検討並び
に考察を試みた。 高強度でしかも従来法による以上の高延性を有
する複合組織鋼板を得ようとすると、従来、たか
だか数%しか含有しなかつた残留オーステナイト
体積率を適正にコントロールする必要がある。こ
れはオーステナイトの加工誘起変態に伴う高n値
化によるもので、期待する高延性を得るためには
10%以上含有させる必要がある。 一方、オーステナイト安定化元素として、C、
Mn、Niなどが一般に良く知られており、その効
果がもつとも大きいのはCである。C量の増加に
つれてオーステナイトが安定化し、特に恒温変態
を行つた時にオーステナイトが残留する。このよ
うに、高C鋼を用い、オーステナイト域、若しく
はフエライト+マルテンサイトの2相域に再加熱
後、適正な熱履歴を付与することにより、極めて
高延性の高強度鋼板が得られる。 しかしながら、前述の如く高C化は自動車用鋼
板として必須な特性である表面性状を悪化させ
る。そこで、本発明者等は、成分組成面での規制
によつて高C鋼板の表面性状を改善し得る方策に
ついて実験研究を重ねた結果、Si及びMnの同時
規制により可能であることが判明した。すなわ
ち、0.8%以上のSiを含有させると共にSi/Mnを
0.5〜1.0の範囲内に規制するならば、該高C鋼板
の酸化皮膜厚が大幅に低減されることが判つた。
このようなSi、Mnの規制による表面性状改善の
理由は必ずしも詳らかではないが、熱延コイルの
段階より生じているC、Si、MnやPの表面濃化
の状態が異なつているためと推定される。 次に、熱延条件及び焼鈍条件についても実験研
究を重ねた結果、上記の如く高CでSi及びMnを
同時規制した該複合組織薄鋼板においては、残留
オーステナイト体積率が同一であつても加工変形
に対する安定度によつて延性に差を生じるが、 (a) 熱延に際して、650℃以上で巻取る。 (b) 連続焼鈍に際して、ソーキング後の冷却条件
を適切にコントロールする、すなわち、まず30
℃/sec以下の冷却速度(C1)で600℃〜Ar1変
態点(Tq)まで徐冷し、次いで30℃/sec以上
の冷却速度(C2)で350〜450℃の温度まで急
冷する。 ことにより、適当な安定度を持つた残留オーステ
ナイトが多量に得られる。すなわち、本発明等
は、延性に対して都合の良い残留オーステナイト
の量と安定度が組織中にベーナイトを15%以上含
有させることにより達成されることを明らかに
し、更に、上記の2条件が350〜450℃×1〜
5min保持時、ベーナイトを15%以上生成するの
に必須であることを見い出した。これらの理由は
必ずしも明確ではないが、 (a) 熱延鋼板中の炭化物が球状化されるため、フ
エライト+オーステナイトの2相域に再加熱さ
れた時、これを核にオーステナイト化し、その
相中のC、Mn等の濃化程度が高いため、 (b) 冷却中のフエライト変態、ベーナイト変態が
適正にコントロールされるため、 と考えられる。 以上の諸知見に基づき、更に強度−延性バラン
ス等の面をも加味し、詳細に規制すべき条件(成
分、熱延条件、焼鈍条件)を検討の末、本発明を
なしたものである。 すなわち、本発明に係る表面性状の良好な高延
性高強度複合組織鋼板の製造法は、重量割合で、
C:0.15〜0.45%、Si:0.8%以上1.5%未満及び
Mn:1.0〜2.5%で、かつ、Si/Mn:0.5〜1.0で
あり、更に必要に応じてP:0.02〜0.20%、V:
0.05〜0.40%及びB:0.0005〜0.01%のうちの1
種又は2種以上を含み、また更にS≦0.005%、
solAl:0.01〜0.06%を含有し、残部が鉄及び不可
避的不純物からなる鋼スラブにつき、Ar3変態温
度以上で熱間圧延を終了し、650℃以上の温度で
巻取り、次いで、その後の連続焼鈍において、オ
ーステナイト+フエライトの2相域に4分間以下
加熱保持した後、350〜450℃の温度範囲に1〜5
分間保持するために急冷するに際して、まず、30
℃/sec以下の冷却速度で上記保持温度から600℃
〜Ar1変態点まで徐冷し、次いで30℃/sec以上
の冷却速度で350〜450℃の温度まで急冷すること
により、体積率でベーナイトが15%以上で残部が
フエライト、残留オーステナイト及びマルテンサ
イトからなる複合組織を得ることを特徴とするも
のである。 以下に本発明を実施例に基づいて詳細に説明す
る。 まず、本発明法の対象とする鋼の成分並びにそ
の範囲の限定理由を示す。 C:Cは鋼の強化には不可欠な元素であり、また
後述の如く熱延条件及び焼鈍条件を適正にコン
トロールするに際し、オーステナイトを安定化
させて、熱処理後、オーステナイトを体積率で
10%以上残留させるためには最低0.15%は必要
である。 一方、0.45%を超えると、残留オーステナイ
ト体積率が増大して強度−延性バランスを向上
させるが、点溶接性及び本発明の主たる狙いで
ある表面性状が、Si、Mn量を適正に規制して
も劣化するので、上限として0.45%を設定し
た。 Si:Siはフエライト・フオーマー元素であるた
め、それ自体にはオーステナイトを安定化する
働きはない。しかし、オーステナイト+フエラ
イトの2相域保持中若しくはオーステナイト域
やオーステナイト+フエライトの2相域からの
冷却中に生成するフエライトを純化するため、
必然的に、未変態オーステナイトへのCの濃縮
を促進する効果を通じてオーステナイトの安定
化に寄与する。また、本発明では、Siは更に重
要な観点から規制するものである。すなわち、
Si量が少ない場合には表面性状を満足するC量
の上限は0.2%であるが、Siを0.8%以上、更に
Si/Mnで0.5〜1.0の範囲で含有せしめると、
Cの上限を0.45%まで上昇せしめられ、延いて
は強度−延性バランスが良好となる。このよう
な観点から、Si量の下限は0.8%とし、一方、
1.5%以上ではこれらの効果が飽和し、また、
スケール性状が劣化するので、1.5%未満とす
る。 Mn:Mnはオーステナイト生成元素として重要
であり、良好な強度−延性バランスを得る観点
から、10%以上の残留オーステナイト体積率を
保有せしめるためには最低1.0%以上が必要で
ある。 また、2.5%以上含有すると点溶接性が悪化
するので、これを上限とした。なお、上記Si及
びMnの規制範囲を図示すれば第1図のとうり
である。 S:Sは加工性を劣化させるので、可及的に少な
い方が望ましい。特に本発明の対象とする鋼で
は凝固時のSの分配係数が小さいので、硫化物
系介在物量が通常鋼より多くなる。このため、
Sは更に低レベルに規制する必要があり、
0.005%以下とする。 solAl:solAlは鋼の脱酸剤として有効なものであ
るが、その含有量が0.01未満では脱酸の効果が
期待できなくなる。他方、0.06%を超えて含有
させても脱酸の効果が飽和して、それ以上の効
果が期待できなくなることから、0.01〜0.06%
と限定した。 なお、以上の各成分は本発明が対象とする鋼の
規制すべき必須成分であるが、以下に示すP、B
及びVは強度−延性バランスを更に向上させるた
めに、必要に応じて1種又は2種以上を含有せし
めることができる。 P:PはSiと同様、フエライト・フオーマー元素
であり、未変態オーステナイトへのCの濃縮を
促進する効果を通じてオーステナイトを更に安
定化する。従つて、Pは通常レベルであつても
強度−延性バランス等の特性上何等問題ない
が、必要に応じて0.02%以上Pを含有せしめる
と、更に良好な強度−延性バランスが得られ
る。一方、0.2%を超えると、その効果が飽和
するばかりか、粒界偏析によつて却つて鋼を脆
化させるので、0.2%を上限とする。 B:Bは焼入性を向上させる元素で、Crなどの
高価な元素を添加せずに所望の組織を得るうえ
で有利である。すなわち、Bを0.0005%以上含
有させると、生成するマルテンサイトの硬度を
高め、少ないマルテンサイト体積率で必要な強
度が得られるため、延性を高めるフエライト及
びオーステナイト体積率を増加せしめることが
可能である。その下限はその効果を発揮させ得
る量から、また上限はその効果が飽和に達し、
経済的でなくなる量から、0.0005〜0.01%と限
定した。 V:Vは元来、析出強化元素であり、点溶接時の
熱影響部の硬度低下を防止して点溶接性を改善
する。また、Vを0.05%以上添加すると、オー
ステナイトを安定化して強度−延性バランスを
改善する。このような観点からその量が規制さ
れ、0.05〜0.4%とする。 以上に示した化学成分を有する鋼は、造塊又は
連鋳後、Ar3変態点以上の温度で熱間圧延を終了
し、650℃以上、好ましくは650〜700℃で巻取る。
特に巻取温度を650℃以上とすることが熱延鋼板
中の炭化物を球状化し、以降の連続焼鈍時に多量
の残留オーステナイトを安定して得るうえで必要
である。 次いで実施する連続焼鈍においては、まず、オ
ーステナイト+フエライトの2相域(T1)に4
分間以下保持するが、これにより球状化された炭
化物を核にオーステナイト化し、オーステナイト
相中のC、Mn等の濃化程度が高められる。その
後の冷却態様としては、上記保持温度から30℃/
sec以下の冷却速度(C1)で600℃〜Ar1変態点
(Tq)まで徐冷し、次いで30℃/sec以上の冷却
速度(C2)で350〜450℃の温度(T2)まで急冷
して1〜5分間保持する。この焼鈍条件は、前述
の熱延条件と相俟つて、フエライト変態、ベーナ
イト変態を適正にコントロールし、組織中に15%
以上のベーナイトが含有し、延性に好都合な残留
オーステナイトの量及び安定度が確保されるのを
保証するものである。 (実施例) 第1表に示すような化学成分を有する14種の供
試鋼を溶製した。供試鋼B、E、F、G、J、
L、M及びNは本発明の範囲を満たすものであ
り、他は比較鋼である。 各鋼は熱延巻取温度650〜700℃で熱間圧延し、
更に、冷間圧延により板厚1.0mmの供試材とした。
次いで、第2表のF2の条件(本発明範囲)で連
続焼鈍した後にゲージ長さ50mmのJIS5号引張試験
片を準備して引張試験を行つた。また、組織の適
否を判定するため組織観察並びにベーナイト及び
オーステナイトの体積分率を測定した。結果は第
1表のとうりである。 第1表から明らかなように、供試鋼B、E、
F、G、J、L、M及びNの本発明対象鋼はTS
が80Kgf/mm2以上と高強度であると共に、TS×
Elも2300以上と優れたTS−Elバランスを有して
いるばかりでなく、焼鈍後の酸化皮膜が薄く、表
面性状が比較鋼に比べて格段に優れている。これ
に対して、比較鋼は、TS−Elバランスが特に劣
悪という訳ではないが(供試鋼Cは良好)、本発
明で意図する表面性状が良くない。 また、上記の供試鋼Fを用い、第2表に示すよ
うな条件のもとで熱間圧延及び連続焼鈍を行つ
た。供試鋼F2、F3、F6及びF7が本発明の範囲内
の条件であり、他は範囲外である。結果は第2表
のとうりである。なお、同表中のT1、C1、Tq、
C2、T2は各々第2図に示す連続焼鈍サイクルの
条件を示している。 第2表により明らかなように、本発明例の供試
鋼F2、F3、F6及びF7はいずれも複合組織に体積
率で15%以上のベーナイト(と同じく10%以上の
オーステナイト)を含み、TS×Elで2300以上と
優れたTS−Elバランスを有している。これに対
して、比較例の供試鋼は中間温度保持中にベーナ
イト変態が進行せず、残部オーステナイトへのC
の移行が十分に行われず、最終オーステナイト量
も少ない。このため、所望の性質が得られない。 なお、上記実施例では熱間圧延の後に冷間圧延
を行つた場合について示したが、冷間圧延を行わ
なくても同様の効果が得られる。
【表】
【表】
*** 第2図参照
(発明の効果) 以上詳述したように、従来の高延性高強度複合
組織鋼板が高C化で表面性状が良くないのに対
し、本発明によれば、特に0.8%以上のSiでSi/
Mnを0.5〜1.0の範囲に規制した特定組成の鋼と
し、これに対して熱延及び連続焼鈍を特定条件下
で実施してベーナイトが15%以上含む複合組織を
得るものであるから、高延性とバランスよく80Kg
f/mm2以上の高強度を有し、しかも表面性状も優
れた複合組織鋼板を適確、かつ、安価に製造する
ことが可能となり、特に自動車用鋼板の製造に好
適である。
(発明の効果) 以上詳述したように、従来の高延性高強度複合
組織鋼板が高C化で表面性状が良くないのに対
し、本発明によれば、特に0.8%以上のSiでSi/
Mnを0.5〜1.0の範囲に規制した特定組成の鋼と
し、これに対して熱延及び連続焼鈍を特定条件下
で実施してベーナイトが15%以上含む複合組織を
得るものであるから、高延性とバランスよく80Kg
f/mm2以上の高強度を有し、しかも表面性状も優
れた複合組織鋼板を適確、かつ、安価に製造する
ことが可能となり、特に自動車用鋼板の製造に好
適である。
第1図は本発明法を適用する鋼におけるSi量と
Mn量の関係を示す図、第2図は本発明の一実施
例における連続焼鈍のヒートサイクルの条件を示
す図である。
Mn量の関係を示す図、第2図は本発明の一実施
例における連続焼鈍のヒートサイクルの条件を示
す図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 重量割合で、C:0.15〜0.45%、Si:0.8%以
上1.5%未満及びMn:1.0〜2.5%で、かつ、Si/
Mn:0.5〜1.0であり、 更にS≦0.005%、solAl:0.01〜0.06%を含有
し、残部が鉄及び不可避的不純物からなる鋼スラ
ブにつき、Ar3変態温度以上で熱間圧延を終了
し、650℃以上の温度で巻取り、次いで、その後
の連続焼鈍において、オーステナイト+フエライ
トの2相域に4分間以下加熱保持した後、350〜
450℃の温度範囲に1〜5分間保持するために急
冷するに際して、まず、30℃/sec以下の冷却速
度で上記保持温度から600℃〜Ar1変態点まで徐
冷し、次いで、30℃/sec以上の冷却速度で350〜
450℃の温度まで急冷することにより、体積率で
ベーナイトが15%以上で残部がフエライト、残留
オーステナイト及びマルテンサイトからなる複合
組織を得ることを特徴とする表面性状の良好な高
延性高強度複合組織鋼板の製造法。 2 重量割合で、C:0.15〜0.45%、Si:0.8%以
上1.5%未満及びMn:1.0〜2.5%で、かつ、Si/
Mn:0.5〜1.0であり、更にP:0.02〜0.20%、
V:0.05〜0.40%及びB:0.0005〜0.01%のうち
の1種又は2種以上を含み、また更にS≦0.005
%、solAl:0.01〜0.06%を含有し、残部が鉄及び
不可避的不純物からなる鋼スラブにつき、Ar3変
態温度以上で熱間圧延を終了し、650℃以上の温
度で巻取り、次いで、その後の連続焼鈍におい
て、オーステナイト+フエライトの2相域に4分
間以下加熱保持した後、350〜450℃の温度範囲に
1〜5分間保持するために急冷するに際して、ま
ず、30℃/sec以下の冷却速度で上記保持温度か
ら600℃〜Ar1変態点まで徐冷し、次いで、30
℃/sec以上の冷却速度で350〜450℃の温度まで
急冷することにより、体積率でベーナイトが15%
以上で残部がフエライト、残留オーステナイト及
びマルテンサイトからなる複合組織を得ることを
特徴とする表面性状の良好な高延性高強度複合組
織鋼板の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP469086A JPS62164827A (ja) | 1986-01-13 | 1986-01-13 | 表面性状の良好な高延性高強度複合組織鋼板の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP469086A JPS62164827A (ja) | 1986-01-13 | 1986-01-13 | 表面性状の良好な高延性高強度複合組織鋼板の製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS62164827A JPS62164827A (ja) | 1987-07-21 |
| JPH0555570B2 true JPH0555570B2 (ja) | 1993-08-17 |
Family
ID=11590883
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP469086A Granted JPS62164827A (ja) | 1986-01-13 | 1986-01-13 | 表面性状の良好な高延性高強度複合組織鋼板の製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS62164827A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH01242721A (ja) * | 1988-03-24 | 1989-09-27 | Nippon Steel Corp | 延性に優れた高張力薄鋼板の製造方法 |
| JP2805112B2 (ja) * | 1991-05-17 | 1998-09-30 | 株式会社神戸製鋼所 | 延性、加工性に優れた高強度熱延鋼板の製造方法 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS61157625A (ja) * | 1984-12-29 | 1986-07-17 | Nippon Steel Corp | 高強度鋼板の製造方法 |
-
1986
- 1986-01-13 JP JP469086A patent/JPS62164827A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS62164827A (ja) | 1987-07-21 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |