JPH06128688A - 疲労特性に優れた熱延鋼板およびその製造方法 - Google Patents
疲労特性に優れた熱延鋼板およびその製造方法Info
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- JPH06128688A JPH06128688A JP30624592A JP30624592A JPH06128688A JP H06128688 A JPH06128688 A JP H06128688A JP 30624592 A JP30624592 A JP 30624592A JP 30624592 A JP30624592 A JP 30624592A JP H06128688 A JPH06128688 A JP H06128688A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 優れた疲労強度をもち、繰り返し荷重を受け
る機械構造用に適する熱延鋼板を提供する。 【構成】 重量で、C:0.02〜0.08%、Si :
1.5〜2.5%、Mn :0.5〜2.0%、P:0.005
〜0.06%、sol. Al:0.01〜0.10%、S:
0.015%以下、Cr :0.2〜1.0%とMn :02
〜1.0%の1種または2種、NbとTi の1種または2
種を合計で0.1%以下、残部が鉄および不可避不純物
から成り、かつマルテンサイトを体積率で5〜15%有
し、残部が実質的にフェライトである複合金属組織をも
ち、フェライトのビッカース硬さ(HV)/熱延鋼板の
引張強度(MPa)の値が0.27以上であり、疲労特
性に優れ、引張強度が500〜800MPaである熱延
鋼板。
る機械構造用に適する熱延鋼板を提供する。 【構成】 重量で、C:0.02〜0.08%、Si :
1.5〜2.5%、Mn :0.5〜2.0%、P:0.005
〜0.06%、sol. Al:0.01〜0.10%、S:
0.015%以下、Cr :0.2〜1.0%とMn :02
〜1.0%の1種または2種、NbとTi の1種または2
種を合計で0.1%以下、残部が鉄および不可避不純物
から成り、かつマルテンサイトを体積率で5〜15%有
し、残部が実質的にフェライトである複合金属組織をも
ち、フェライトのビッカース硬さ(HV)/熱延鋼板の
引張強度(MPa)の値が0.27以上であり、疲労特
性に優れ、引張強度が500〜800MPaである熱延
鋼板。
Description
【産業上の利用分野】本発明は、従来材に比べて極めて
優れた疲労強度を有し、それによって、自動車用ホィー
ルのように繰り返し荷重を受ける機械構造用として有用
な熱延鋼板およびその製造方法に関する。
優れた疲労強度を有し、それによって、自動車用ホィー
ルのように繰り返し荷重を受ける機械構造用として有用
な熱延鋼板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱延鋼板を素材とする製品で疲労強度が
問題となるものは非常に多く、その一例として自動車用
ホィールがあげられる。ホィールの耐久性を高めるに
は,(1)ホィールの形状の最適化,(2)材料の高疲労
強度化、が必要である。最適なホィール形状の設計はす
でにいろいろと行われておりもはや改善の余地はない。
したがって、上記の目的を達成するには、材料面からの
アプローチが必要である。
問題となるものは非常に多く、その一例として自動車用
ホィールがあげられる。ホィールの耐久性を高めるに
は,(1)ホィールの形状の最適化,(2)材料の高疲労
強度化、が必要である。最適なホィール形状の設計はす
でにいろいろと行われておりもはや改善の余地はない。
したがって、上記の目的を達成するには、材料面からの
アプローチが必要である。
【0003】機械構造用熱延鋼板に要求される性質とし
ては、高い疲労強度のほかに、優れた成形性・加工性が
ある。一般に疲労強度は材料の引張強度と対応してお
り、疲労強度を上げるためには引張強度を上げればよ
い。しかしながら引張強度を高くすると材料の成形性・
加工性が低下する。高強度鋼で加工性の改善を図ったも
のとして例えば特開昭55−38980号公報の方法が
ある。該方法はフェライト−マルテンサイトの複合組織
鋼板とすることで、高強度化による延性の劣化を防ぐも
のである。しかしながら該方法により製造された鋼板の
疲労強度は未だ不十分であった。
ては、高い疲労強度のほかに、優れた成形性・加工性が
ある。一般に疲労強度は材料の引張強度と対応してお
り、疲労強度を上げるためには引張強度を上げればよ
い。しかしながら引張強度を高くすると材料の成形性・
加工性が低下する。高強度鋼で加工性の改善を図ったも
のとして例えば特開昭55−38980号公報の方法が
ある。該方法はフェライト−マルテンサイトの複合組織
鋼板とすることで、高強度化による延性の劣化を防ぐも
のである。しかしながら該方法により製造された鋼板の
疲労強度は未だ不十分であった。
【0004】引張強度の低い素材をホイールに成形後、
熱処理を行い引張強度および疲労強度を高める方法とし
て例えば特開平2−66116号公報の方法がある。該
方法は炭素を極低量に抑え、かつ銅を含有させた鋼板を
プレス成形後熱処理を施し、銅の析出強化により疲労強
度の向上を図ったものである。しかしながら該方法では
熱処理を必要とするため高コストとなり、用途が限定さ
れる。
熱処理を行い引張強度および疲労強度を高める方法とし
て例えば特開平2−66116号公報の方法がある。該
方法は炭素を極低量に抑え、かつ銅を含有させた鋼板を
プレス成形後熱処理を施し、銅の析出強化により疲労強
度の向上を図ったものである。しかしながら該方法では
熱処理を必要とするため高コストとなり、用途が限定さ
れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明が解決しよう
とする課題は、製品の形状を変えることなく、素材鋼板
の性質を変えることによって製品の疲労強度を高めるこ
とである。すなわち素材熱延鋼板の組成とその鋼板の圧
延、熱処理の組合せの最適条件を見い出して、製品の疲
労強度を高めることであり、その際コストおよび時間の
かかる付加的な工程は追加しないことを前提とする。
とする課題は、製品の形状を変えることなく、素材鋼板
の性質を変えることによって製品の疲労強度を高めるこ
とである。すなわち素材熱延鋼板の組成とその鋼板の圧
延、熱処理の組合せの最適条件を見い出して、製品の疲
労強度を高めることであり、その際コストおよび時間の
かかる付加的な工程は追加しないことを前提とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】一般に延性は引張強度に
反比例して低下する。したがって加工性を低下させずに
疲労強度を上昇させるには、耐久比(疲労強度/引張強
度)を上げれば良い。耐久比は化学成分および組織形態
により変化する。
反比例して低下する。したがって加工性を低下させずに
疲労強度を上昇させるには、耐久比(疲労強度/引張強
度)を上げれば良い。耐久比は化学成分および組織形態
により変化する。
【0007】そこで本発明の完成に先立ち、金属組織が
フェライト−パーライト(F−P)あるいはフェライト
−マルンサイト(F−M)を有し,異なる強化機構(固
溶強化、析出強化、転位強化、細粒強化、第2相体積率
増加による強化)により強化した500〜800MPa
級の熱延鋼板の疲労試験を行った結果,F−P,F−Mい
ずれの熱延鋼板においても,固溶強化あるいは析出強化
により耐久比が著しく上昇することが判明した。また転
位強化、細粒強化、第2相体積率増加による強化では、
引張強度は高くなるものの、疲労強度はほとんど上昇し
ないことも判明した。したがってC含有量を下げてパー
ライトあるいはマルテンサイト量を少なくするとともに
軟質のフェライト相を固溶強化,析出強化するのが有効
である。
フェライト−パーライト(F−P)あるいはフェライト
−マルンサイト(F−M)を有し,異なる強化機構(固
溶強化、析出強化、転位強化、細粒強化、第2相体積率
増加による強化)により強化した500〜800MPa
級の熱延鋼板の疲労試験を行った結果,F−P,F−Mい
ずれの熱延鋼板においても,固溶強化あるいは析出強化
により耐久比が著しく上昇することが判明した。また転
位強化、細粒強化、第2相体積率増加による強化では、
引張強度は高くなるものの、疲労強度はほとんど上昇し
ないことも判明した。したがってC含有量を下げてパー
ライトあるいはマルテンサイト量を少なくするとともに
軟質のフェライト相を固溶強化,析出強化するのが有効
である。
【0008】本発明者らはさらに実験を重ねた結果、金
属組織を実質的にフェライト−マルテンサイト組織とす
ることで高い延性が確保され、またマルテンサイト量を
制御し、かつフェライトのピッカース硬さと熱延鋼板の
引張強度の比を制御すると高い耐久比を有する熱延鋼板
が製造されることを見い出した。なお、金属組織は5〜
15%のマルテンサイト以外はすべてフェライトである
のが好ましいが、合計の体積率が10%以下であれば、
セメンタイト、パーライトおよびベイナイトが混入して
も構わない。
属組織を実質的にフェライト−マルテンサイト組織とす
ることで高い延性が確保され、またマルテンサイト量を
制御し、かつフェライトのピッカース硬さと熱延鋼板の
引張強度の比を制御すると高い耐久比を有する熱延鋼板
が製造されることを見い出した。なお、金属組織は5〜
15%のマルテンサイト以外はすべてフェライトである
のが好ましいが、合計の体積率が10%以下であれば、
セメンタイト、パーライトおよびベイナイトが混入して
も構わない。
【0009】本発明は上記のような知見に基づいてなさ
れたものであって、本発明の要旨は以下のとおりであ
る。 (1)重量で、C:0.02〜0.08%、Si:1.5〜
2.5%、Mn:0.5〜2.0%、P:0.005〜0.0
6%、sol.Al:0.01〜0.10%、S:0.015
%以下、Cr :0.2〜1.0%とMo :0.2〜1.0%
の1種または2種、NbとTi の1種または2種を合計
で0.1%以下、残部が鉄および不可避不純物から成
り、かつマルテンサイトを体積率で5〜15%、残部が
実質的にフェライトから成る複合金属組織をもち、フェ
ライトのビッカース硬さ(HV)/熱延鋼板の引張強度
(MPa)の値が0.27以上であり、疲労特性に優
れ、引張強度が500〜800MPaである熱延鋼板。
れたものであって、本発明の要旨は以下のとおりであ
る。 (1)重量で、C:0.02〜0.08%、Si:1.5〜
2.5%、Mn:0.5〜2.0%、P:0.005〜0.0
6%、sol.Al:0.01〜0.10%、S:0.015
%以下、Cr :0.2〜1.0%とMo :0.2〜1.0%
の1種または2種、NbとTi の1種または2種を合計
で0.1%以下、残部が鉄および不可避不純物から成
り、かつマルテンサイトを体積率で5〜15%、残部が
実質的にフェライトから成る複合金属組織をもち、フェ
ライトのビッカース硬さ(HV)/熱延鋼板の引張強度
(MPa)の値が0.27以上であり、疲労特性に優
れ、引張強度が500〜800MPaである熱延鋼板。
【0010】(2)重量で、C:0.02〜0.08%、
Si :1.5〜2.5%、Mn :0.5〜2.0%、P:
0.005〜0.06%、sol. Al:0.01〜0.10
%、S:0.015%以下、Cr :0.2〜1.0%とMo
:0.2〜1.0%の1種または2種、NbとTi の1種
または2種を合計で0.1%以下、残部が鉄および不可
避不純物から成る鋼片を、鋳造直後あるいは1100℃
以上に再加熱した後、熱間圧延を実施し、最終パス出側
温度が“Ar3−50℃”の温度で熱間圧延を終了し、引
き続き1〜50℃/sの冷却速度で400〜600℃ま
で冷却後巻取り、マルテンサイトを体積率で5〜15
%、残部が実質的にフェライトから成る複合金属組織を
もち、フェライトのビッカース硬さ(HV)/熱延鋼板
の引張強度(MPa)の値が0.27以上であり、疲労
特性に優れ、引張強度が500〜800MPaである熱
延鋼板の製造方法。
Si :1.5〜2.5%、Mn :0.5〜2.0%、P:
0.005〜0.06%、sol. Al:0.01〜0.10
%、S:0.015%以下、Cr :0.2〜1.0%とMo
:0.2〜1.0%の1種または2種、NbとTi の1種
または2種を合計で0.1%以下、残部が鉄および不可
避不純物から成る鋼片を、鋳造直後あるいは1100℃
以上に再加熱した後、熱間圧延を実施し、最終パス出側
温度が“Ar3−50℃”の温度で熱間圧延を終了し、引
き続き1〜50℃/sの冷却速度で400〜600℃ま
で冷却後巻取り、マルテンサイトを体積率で5〜15
%、残部が実質的にフェライトから成る複合金属組織を
もち、フェライトのビッカース硬さ(HV)/熱延鋼板
の引張強度(MPa)の値が0.27以上であり、疲労
特性に優れ、引張強度が500〜800MPaである熱
延鋼板の製造方法。
【0011】
【作 用】本発明の熱延鋼板の化学成分について以下に
説明する。Cは高張力鋼として必要な強度を確保するた
め、またマルテンサイトを生成させるために0.02%
以上の含有量が必要である。しかしながら0.08%を
超えて含有させてもマルテンサイト量が増加することに
より引張強度が上昇するものの疲労強度の上昇量は小さ
く、その結果、耐久比が低下する。好ましいマルテンサ
イト量は5〜15%であり、そのためC量は0.02〜
0.08%と定めた。
説明する。Cは高張力鋼として必要な強度を確保するた
め、またマルテンサイトを生成させるために0.02%
以上の含有量が必要である。しかしながら0.08%を
超えて含有させてもマルテンサイト量が増加することに
より引張強度が上昇するものの疲労強度の上昇量は小さ
く、その結果、耐久比が低下する。好ましいマルテンサ
イト量は5〜15%であり、そのためC量は0.02〜
0.08%と定めた。
【0012】Siは固溶強化元素であり、疲労き裂の発
生する軟質のフェライト相を強化するのに効果的な合金
元素である。フェライト相強化の結果、そのビッカース
硬さを高めることになる。十分な強度を得るためには
1.5%以上の添加が必要であるが,過度の添加は溶接性
と表面性状を損なうため,その上限を2.5%とした。
生する軟質のフェライト相を強化するのに効果的な合金
元素である。フェライト相強化の結果、そのビッカース
硬さを高めることになる。十分な強度を得るためには
1.5%以上の添加が必要であるが,過度の添加は溶接性
と表面性状を損なうため,その上限を2.5%とした。
【0013】Mn は強度を確保することの他に、パーラ
イト変態を抑制してマルテンサイトを得るために不可欠
である。一方2.0%を越えると溶接性が劣化し、また
フェライトが十分に生成せず加工性劣化を招くので好ま
しくない。したがってMn 量は0.5〜2.0%とした。
好ましくは1.0〜2.0%である。
イト変態を抑制してマルテンサイトを得るために不可欠
である。一方2.0%を越えると溶接性が劣化し、また
フェライトが十分に生成せず加工性劣化を招くので好ま
しくない。したがってMn 量は0.5〜2.0%とした。
好ましくは1.0〜2.0%である。
【0014】Cr 、Mo は強度を確保することの他に、
ポリゴナルフェライトの生成を阻害せず、かつパーライ
ト変態を抑制してマルテンサイトを得るための不可欠で
ある。そのためCr:0.2%以上、Mo:0.2%以上と
定めた。一方それぞれ1.0%を越えると溶接性が劣化
し、かつ焼入性が上がるためマルテンサイト量が増加す
る。そのため、Cr量は0.2〜1.0%、Mo量は0.2
〜1.0%と定めた。
ポリゴナルフェライトの生成を阻害せず、かつパーライ
ト変態を抑制してマルテンサイトを得るための不可欠で
ある。そのためCr:0.2%以上、Mo:0.2%以上と
定めた。一方それぞれ1.0%を越えると溶接性が劣化
し、かつ焼入性が上がるためマルテンサイト量が増加す
る。そのため、Cr量は0.2〜1.0%、Mo量は0.2
〜1.0%と定めた。
【0015】Pは固溶強化により、鋼板の強化に有効で
あるが、多すぎると加工性、靱性が劣化してしまう。し
たがってその含有量を0.005〜0.06%と定めた。
あるが、多すぎると加工性、靱性が劣化してしまう。し
たがってその含有量を0.005〜0.06%と定めた。
【0016】Alは脱酸材として添加されるが、過度の
添加はアルミナ系介在物量を多くし加工性を低下させ
る。したがってsol. Al 含有量で0.01〜0.10%と
定めた。SはMn と結合して介在物を形成するのででき
るだけ少ない方がよい。0.015%は許容上限値であ
る。
添加はアルミナ系介在物量を多くし加工性を低下させ
る。したがってsol. Al 含有量で0.01〜0.10%と
定めた。SはMn と結合して介在物を形成するのででき
るだけ少ない方がよい。0.015%は許容上限値であ
る。
【0017】Ti 、Nb はいずれも析出強化元素であ
り、疲労き裂の発生する軟質のフェライト相を強化する
のに効果的な合金元素である。しかしながら両者合計で
0.1%を超えて含有させてもその効果が飽和してしま
い経済的ではない。したがってその含有量を0.1%以
下と定めた。なお、さらに加工性を改善するため、介在
物の球状化を目的にCa、Zr、希土類元素を添加しても
構わない。
り、疲労き裂の発生する軟質のフェライト相を強化する
のに効果的な合金元素である。しかしながら両者合計で
0.1%を超えて含有させてもその効果が飽和してしま
い経済的ではない。したがってその含有量を0.1%以
下と定めた。なお、さらに加工性を改善するため、介在
物の球状化を目的にCa、Zr、希土類元素を添加しても
構わない。
【0018】つぎに、本願の製造方法の発明の構成条件
について説明する。熱間圧延を行う際、鋳造後直接ある
いは1100℃以上に再加熱する。これは不純物を完全
に固溶させ偏析するのを防ぐためである。また熱間圧延
の最終パス出側温度を、“Ar3−50℃”の温度未満と
するとフェライト相に多くの転位が導入される。転位強
化は引張強度を高めるものの、疲労強度の上昇にあまり
有効でなく、そのため耐久比が低下する。したがって最
終パス出側温度は“Ar3−50℃”の温度以上と定め
た。
について説明する。熱間圧延を行う際、鋳造後直接ある
いは1100℃以上に再加熱する。これは不純物を完全
に固溶させ偏析するのを防ぐためである。また熱間圧延
の最終パス出側温度を、“Ar3−50℃”の温度未満と
するとフェライト相に多くの転位が導入される。転位強
化は引張強度を高めるものの、疲労強度の上昇にあまり
有効でなく、そのため耐久比が低下する。したがって最
終パス出側温度は“Ar3−50℃”の温度以上と定め
た。
【0019】さらに熱延後は400〜600℃まで1〜
50℃/sの冷却速度で冷却後速やかに巻取りが実施さ
れる。600℃まで1〜50℃/sで冷却することでパ
ーライトの生成を抑制することができる。1℃/s未満
の冷却速度ではパーライトが生成してしまい、また50
℃/sを越える冷却速度では巻取り温度の制御が難し
く、またフェライト生成量が不十分となり、いずれも所
望の金属組織が得られない。また巻取り後の冷却過程で
未変態オーステナイトがマルテンサイトに変態する。マ
ルテンサイト体積率上昇にともない引張強度は単調に上
昇するが、疲労強度はある値で飽和あるいは最大とな
り、耐久比は単調には増加しない。そこで疲労強度に及
ぼすマルテンサイト体積率Vf(M)の影響、フェライ
ト相硬さHv(F)の影響を明らかにするため、巻取り
温度を変化させることによりVf(M)およびHv
(F)を変化させ疲労試験に供した。
50℃/sの冷却速度で冷却後速やかに巻取りが実施さ
れる。600℃まで1〜50℃/sで冷却することでパ
ーライトの生成を抑制することができる。1℃/s未満
の冷却速度ではパーライトが生成してしまい、また50
℃/sを越える冷却速度では巻取り温度の制御が難し
く、またフェライト生成量が不十分となり、いずれも所
望の金属組織が得られない。また巻取り後の冷却過程で
未変態オーステナイトがマルテンサイトに変態する。マ
ルテンサイト体積率上昇にともない引張強度は単調に上
昇するが、疲労強度はある値で飽和あるいは最大とな
り、耐久比は単調には増加しない。そこで疲労強度に及
ぼすマルテンサイト体積率Vf(M)の影響、フェライ
ト相硬さHv(F)の影響を明らかにするため、巻取り
温度を変化させることによりVf(M)およびHv
(F)を変化させ疲労試験に供した。
【0020】表1に示す3種類の化学組成を有する鋼片
を1150℃に再加熱後、最終パスの出側温度を880
℃で熱間圧延を終了し、熱延後10℃/sで300〜7
00℃まで冷却後速やかに巻取り、6mm厚の熱延鋼板を
製造し疲労試験に供した。また引張強度はJIS5号引
張試験片を採取し調査した。疲労試験は平行部4φの軸
力試験片を用い繰り返し速度20Hz荷重制御完全両振り
で実施した。なお疲労限度は破断繰返し数107 となる
応力振幅と定義した。またフェライトのビッカース硬さ
は荷重5gfで測定した。
を1150℃に再加熱後、最終パスの出側温度を880
℃で熱間圧延を終了し、熱延後10℃/sで300〜7
00℃まで冷却後速やかに巻取り、6mm厚の熱延鋼板を
製造し疲労試験に供した。また引張強度はJIS5号引
張試験片を採取し調査した。疲労試験は平行部4φの軸
力試験片を用い繰り返し速度20Hz荷重制御完全両振り
で実施した。なお疲労限度は破断繰返し数107 となる
応力振幅と定義した。またフェライトのビッカース硬さ
は荷重5gfで測定した。
【0021】
【表1】
【0022】図1に各熱延鋼板のフェライト硬さHv
(F)、引張強度TSに及ぼす冷却停止温度(巻取り温
度)の影響を、図2には疲労限度および耐久比に及ぼす
Vf(M)、Hv(F)/TSの影響を示す。なおAと
Bで巻取り温度によるHv(F)の変化が異なるのは、
Aで600℃近傍の徐冷でTiCとして析出するためで
ある。高い耐久比(0.52以上)を得るためにはVf
(M)を5〜15%かつHv/TSを0.27以上にすれ
ばよく、そのためには巻取り温度を400〜600℃に
すればよいことがわかる。なおより好ましくはTi なし
の場合巻取り温度を450〜550℃とするのがよく、
Ti 添加の場合は、巻取り温度を500〜600℃とす
るのがよい。
(F)、引張強度TSに及ぼす冷却停止温度(巻取り温
度)の影響を、図2には疲労限度および耐久比に及ぼす
Vf(M)、Hv(F)/TSの影響を示す。なおAと
Bで巻取り温度によるHv(F)の変化が異なるのは、
Aで600℃近傍の徐冷でTiCとして析出するためで
ある。高い耐久比(0.52以上)を得るためにはVf
(M)を5〜15%かつHv/TSを0.27以上にすれ
ばよく、そのためには巻取り温度を400〜600℃に
すればよいことがわかる。なおより好ましくはTi なし
の場合巻取り温度を450〜550℃とするのがよく、
Ti 添加の場合は、巻取り温度を500〜600℃とす
るのがよい。
【0023】
【実施例】表2に示す化学組成の鋼を50kg真空溶解炉
で溶製後、熱間鍛造により60mm厚のスラブを製造し、
同表で示す熱延、冷却条件を実施した後、速やかに巻取
って6mm厚の熱延鋼板とした。得られた鋼板からJIS
5号引張試験片を採取し、機械的性質及び疲労強度を調
べた。機械的性質及び疲労強度試験の結果を表3に示
す。疲労試験は平行部4φの軸力試験片を用いた繰返し
速度20Hz荷重制御完全両振りで実施した。なお、疲労
限度は破断繰返し数107 となる応力振幅と定義した。
このように、本発明の方法で製造された熱延鋼板は高い
疲労限度を示すことが分かる。なお、本実施例によって
本発明の特許請求範囲が制限されるものではないことは
当業者にとって自明の事項である。
で溶製後、熱間鍛造により60mm厚のスラブを製造し、
同表で示す熱延、冷却条件を実施した後、速やかに巻取
って6mm厚の熱延鋼板とした。得られた鋼板からJIS
5号引張試験片を採取し、機械的性質及び疲労強度を調
べた。機械的性質及び疲労強度試験の結果を表3に示
す。疲労試験は平行部4φの軸力試験片を用いた繰返し
速度20Hz荷重制御完全両振りで実施した。なお、疲労
限度は破断繰返し数107 となる応力振幅と定義した。
このように、本発明の方法で製造された熱延鋼板は高い
疲労限度を示すことが分かる。なお、本実施例によって
本発明の特許請求範囲が制限されるものではないことは
当業者にとって自明の事項である。
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】試験番号(以後Noと略)1〜9はいずれも
特許請求の範囲を満たしており、耐久比はいずれも0.5
3以上となる。No.10はCが不足しており、引張強度
TSが500MPaに達していない。No.11 はCが過
剰であるためフェライト相の硬さのかわりにTSが高く
耐久比は低い。No.12はSi が低すぎるためフェライ
ト相硬さHv(F)が小さくそれゆえHv(F)/TS
が低く、耐久比は低い。
特許請求の範囲を満たしており、耐久比はいずれも0.5
3以上となる。No.10はCが不足しており、引張強度
TSが500MPaに達していない。No.11 はCが過
剰であるためフェライト相の硬さのかわりにTSが高く
耐久比は低い。No.12はSi が低すぎるためフェライ
ト相硬さHv(F)が小さくそれゆえHv(F)/TS
が低く、耐久比は低い。
【0027】No.13はSi が過多である。疲労限度はN
o.1〜9に比べて低くはないが、溶接性と表面性状を
著しく損なうため3%の添加は無駄である。No.14は
MnがNo.15 はCrが、No.16はMoが過多であり、その
ためマルテンサイト体積率Vf(M) が高くなりすぎT
Sが高くなる割にフェライト相は強化は強化されないた
め耐久比は低い。No.17は最終熱間圧延温度がAr3点
(約910℃)より70℃低くフェライト相のみならず
マルテンサイト相も転位強化されているためTSが非常
に高くなり、耐久比は低い。
o.1〜9に比べて低くはないが、溶接性と表面性状を
著しく損なうため3%の添加は無駄である。No.14は
MnがNo.15 はCrが、No.16はMoが過多であり、その
ためマルテンサイト体積率Vf(M) が高くなりすぎT
Sが高くなる割にフェライト相は強化は強化されないた
め耐久比は低い。No.17は最終熱間圧延温度がAr3点
(約910℃)より70℃低くフェライト相のみならず
マルテンサイト相も転位強化されているためTSが非常
に高くなり、耐久比は低い。
【0028】No.18は最終熱間圧延後の冷却速度が低
いためフェライト−マルテンサイト組織とならずTSが
不足している。No.19は巻取り温度が高すぎるためフ
ェライト−マルテンサイト組織とならずTSが不足して
いる。No.20 は巻取り温度が低すぎるためTSが高くな
りすぎそれゆえHv(F)/TSが低く,耐久比は低
い。なお、冷却速度50℃/sで冷却するためには水中
へずぶ焼入れする必要があるが本請求範囲内での巻取り
温度に達したときの冷却停止が難しく、実用上極めて困
難である。
いためフェライト−マルテンサイト組織とならずTSが
不足している。No.19は巻取り温度が高すぎるためフ
ェライト−マルテンサイト組織とならずTSが不足して
いる。No.20 は巻取り温度が低すぎるためTSが高くな
りすぎそれゆえHv(F)/TSが低く,耐久比は低
い。なお、冷却速度50℃/sで冷却するためには水中
へずぶ焼入れする必要があるが本請求範囲内での巻取り
温度に達したときの冷却停止が難しく、実用上極めて困
難である。
【0029】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明により製造
された熱延鋼板は、高い耐久比を有するため、ホイール
などの自動車足廻りなどの部品に最適で、かかる効果を
有する本発明の意義は極めて著しい。
された熱延鋼板は、高い耐久比を有するため、ホイール
などの自動車足廻りなどの部品に最適で、かかる効果を
有する本発明の意義は極めて著しい。
【図1】本発明の熱延鋼板の製造方法における巻取り温
度とフェライト相硬さHv(F)および引張強度TSの
関係を示すグラフである。
度とフェライト相硬さHv(F)および引張強度TSの
関係を示すグラフである。
【図2】本発明の熱延鋼板の製造方法における巻取り温
度とHv(F)/TS、マルテンサイト体積率、疲労限
度、耐久比の関係を示すグラフである。
度とHv(F)/TS、マルテンサイト体積率、疲労限
度、耐久比の関係を示すグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量で、C:0.02〜0.08%、Si
:1.5〜2.5%、Mn : 0.5〜2.0%、P:0.0
05〜0.06%、sol.Al:0.01〜0.10%、
S:0.015%以下、Cr :0.2〜1.0%とMo :
0.2〜1.0%の1種または2種、NbとTi の1種ま
たは2種を合計で0.1%以下、残部が鉄および不可避
不純物から成り、かつマルテンサイトを体積率で5〜1
5%、残部が実質的にフェライトから成る複合金属組織
をもち、フェライトのビッカース硬さ(HV)/熱延鋼
板の引張強度(MPa)の値が0.27以上であり、疲
労特性に優れ、引張強度が500〜800MPaである
熱延鋼板。 - 【請求項2】 重量で、C:0.02〜0.08%、Si
:1.5〜2.5%、Mn :0.5〜2.0%、P:0.0
05〜0.06%、sol. Al:0.01〜0.10%、
S:0.015%以下、Cr :0.2〜1.0%とMo :
0.2〜1.0%の1種または2種、Nb とTi の1種ま
たは2種を合計で0.1%以下、残部が鉄および不可避
不純物から成る鋼片を、鋳造直後あるいは1100℃以
上に再加熱した後、熱間圧延を実施し、最終パス出側温
度が“Ar3−50℃”の温度以上で熱間圧延を終了し、
引き続き1〜50℃/sの冷却速度で400〜600℃
まで冷却後巻取り、マルテンサイトを体積率で5〜15
%、残部が実質的にフェライトから成る複合金属組織を
もち、フェライトのビッカース硬さ(HV)/熱延鋼板
の引張強度(MPa)の値が0.27以上であり、疲労特
性に優れ、引張強度が500〜800MPaである熱延
鋼板の製造方法。 【0001】
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30624592A JPH06128688A (ja) | 1992-10-20 | 1992-10-20 | 疲労特性に優れた熱延鋼板およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30624592A JPH06128688A (ja) | 1992-10-20 | 1992-10-20 | 疲労特性に優れた熱延鋼板およびその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06128688A true JPH06128688A (ja) | 1994-05-10 |
Family
ID=17954753
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP30624592A Pending JPH06128688A (ja) | 1992-10-20 | 1992-10-20 | 疲労特性に優れた熱延鋼板およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06128688A (ja) |
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1992
- 1992-10-20 JP JP30624592A patent/JPH06128688A/ja active Pending
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