JPH055889B2 - - Google Patents
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- JPH055889B2 JPH055889B2 JP61037212A JP3721286A JPH055889B2 JP H055889 B2 JPH055889 B2 JP H055889B2 JP 61037212 A JP61037212 A JP 61037212A JP 3721286 A JP3721286 A JP 3721286A JP H055889 B2 JPH055889 B2 JP H055889B2
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Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は、耐摩耗性だけでなく優れた耐食性を
有するMo−Ni系複硼化物を主体とする硬質相
と、該硬質相を結合するNi基の結合相よりなる
高耐食性硬質焼結合金に関する。 〔従来の技術〕 近年耐摩耗材料に対する要求は、機械装置の高
精度化、高能率化ならびにエネルギーコストの低
減と相まつて厳しいものとなつてきている。耐摩
耗材料として従来より用いられているものには、
WC基超硬金合、TiCあるいはTiCN基サーメツ
ト、Al2O3等の酸化物系あるいは非酸化物系セラ
ミツクス、マルテンサイト系ステンレス、高速度
鋼等がある。さらに耐摩耗性を有する被覆として
自溶性合金、ステライト等の溶射あるいは肉盛り
が考えられる。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら最近の産業の発展の結果、耐摩耗
材料の使用される環境は多岐にわたり、単なる耐
摩耗性だけでなく耐食性を合わせ持つた材料の開
発が望まれている。例えば、弗素樹脂を射出成形
する場合、弗素水素酸を含む環境で利用される射
出成形機部品、隙間腐食を生じる環境下で用いら
れる材料、あるいはH2Sや硫酸等の無機酸を含む
溶液下で用いられるポンプのメカニカルシール等
である。 前記耐摩耗材料の中で、超硬合金、サーメツト
は、耐摩耗性には優れるものの腐食環境下での使
用には問題がある。酸化物あるいは非酸化物系セ
ラミツクスは、耐摩耗性、耐食性には優れるもの
の強度、靭性が低い。高速度鋼は、腐食環境下で
の使用は不可能に近く、マルテンサイト系ステン
レスは、高腐食環境下の使用ばかりでなく耐摩耗
性にも問題がある。溶射等は、ポアの生成を避け
ることができず腐食環境下で使用した場合、極部
腐食を生じ易い。高腐食環境下で用いられる耐食
材料としては超合金があるが、これは耐摩耗材料
とは言い難い。 例えば、超硬合金WC−7%、ステンレス鋼
SUS304、SUS440Cを、前記弗素樹脂の射出成形
を想定した40℃、1%弗化水素酸中で20時間浸漬
した場合の腐食減量は、WC−7%Coで4〜5
mg/cm2、SUS304で5〜10mg/cm2、SUS440Cにい
たつては、数百mg/cm2と大きな値を示す。 以上のように耐摩耗性が優れた材料は、腐食性
が不十分であり、腐食性を有するものは強度が十
分でない等耐摩耗性、腐食性ならびに強度をあわ
せ持つた材料はみあたらないのが現状である。 本発明の目的は、耐摩耗性、機械的特性、およ
び腐食性にも優れ、高腐食環境下の使用に耐える
耐摩耗材料を提供することにある。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明の高腐食性硬質焼結合金(以下本硬質焼
結合金と略す)は、Mo−Ni系の複硼化物を主体
とする硬質相35〜95%と、該硬質相を結合する
Ni基の結合相よりなり、該硬質焼結合金中のB
含有量は3〜7.5%、Mo含有量はMo/B原子比
で0.75〜1.25、残部がNiおよび不可避的不純物よ
りなる。 本発明者らは、耐食性に優れた耐摩耗材料を
種々検討する過程において、Mo−Ni系の複硼化
物が、高い硬度だけでなく優れた耐食性を有する
ことを見い出し、該複硼化物とNi基の合金を組
み合わせることにより、耐摩、耐食性に優れた本
硬質焼結合金が得られた。 本硬質焼結合金のX線回折による調査の結果、
硬質相となる硼化物としては、Mo2NiB2複硼化
物と考えられる相の他、組成によつては若干の
MoあるいはNiの硼化物が検出された。 Mo−Ni−B系の相関係についてはいくつかの
報告があるが、研究者によつて相異点が認められ
いまだ確立されていないのが現状である。しか
し、いずれの研究者もMo2NiB2複硼化物の存在
は確認している。したがつて、本発明でいうMo
−Ni系の複硼化物とは、Mo2NiB2あるいはこれ
に近い組成のMo−Ni系複硼化物を指すものと
し、これらの複硼化物全体をMoXNiYBZ(1.5≦X
≦2.5、0.75≦Y≦1.25、1.5≦Z≦2.5)と表すこ
ととする。ここで、X、Y、Zの範囲を前記のよ
うにしたのは、X、Y、Zが前記範囲をはずれる
と硬質相の構造がMo2NiB2あるいはそれに類似
した構造からずれ、強度の低下を招くためであ
る。 本硬質焼結合金の耐摩耗性は、主として硬度、
つまり硬質相の量に依存する。硬質相の量が35%
未満になると、本硬質焼結合金の硬度は、ロツク
ウエルAスケールで75以下となり、耐摩耗性が不
足する。一方、硬質相の量が95%を越えると硬度
は高くなるものの、強度の低下が著しい。よつて
本硬質焼結合金中の硬質相の割合は、35〜95%と
する。 Bは、本硬質焼結合金中の硬質相となる硼化物
を形成するために必要不可欠な元素であり、B含
有量が3%未満になると、硬質相の割合が35%を
きることになる。一方0.5%を越えると、硬質相
の量は95%を越え、強度の低下を来す。よつて本
硬質焼結合金中のB含有量は、3〜7.5%とする。 Moは、B同様硬質相となる複硼化物の形成に
必要な元素である。本硬質焼結合金中の硬質相
は、Mo2NiB2あるはそれに近いMoXNiYBZなる複
硼化物と推察されることから、該複硼化物を形成
させるためには、Mo含有量はMo/B原子比で
1になるようにすることが好ましい。しかしなが
ら、種々実験を行つたところ、Mo/B原子比が
1からずれても0.75〜1.25の範囲内にあれば、機
械的特性の劣化は比較的少ないことが判明した。
Mo/B原子比が1よりずれた場合には、MoX
NiYBZなる複硼化物のほかに、Moあるいは、Ni
の硼化物が形成される場合もあるが、Mo/B原
子比が0.75〜1.25の範囲内にあれば、これらの硼
化物の特性に与える影響は少ない。したがつて、
本硬質焼結合金のMo含有量はMo/B原子比で
0.75〜1.25、すなわち20〜83.2%とする。 本硬質焼結合金中に含まれる不可避的不純物元
素の主なものは、Si、Al、Mn、Mg、P、S、
N、O、Cであり、これら不純物元素の含有量は
極力少ないにこしたことはないが、これら不純物
元素の合計が2%以下であれば、特性の劣下は比
較的少ない。よつて本硬質焼結合金中に含まれる
不可避的不純物元素の量は、不純物元素含有量の
合計で2%以下とする。 本硬質焼結合金にCrを添加した場合、Crは硬
質相だけでなく結合相にも固溶し、本硬質焼結合
金の耐食性だけでなく、耐熱性ならびに耐酸化性
を向上させる働きを持つ。Cr添加量が0.2%未満
では、耐食性等の向上は認められず、35%を越え
ると添加量ほど耐食性の向上は認められなくなる
ばかりでなく、靭性の低下が著しくなる。よつて
本硬質焼結合金にCrの添加する場合の添加量は、
0.2〜35%、好ましくは1〜30%とする。 添加されたCrは、硬質相中において、MoXNiY
BZ複硼化物中のMoおよびNiと置換すると推察さ
れる。この場合、置換量はCr添加量によつて変
化すると考えられるが、CrがMoおよびNiとモル
濃度で各々50%以上置換すると、MoXNiYBZ複硼
化物の結晶構造が、Mo2NiB2あるいはそれに近
い構造からずれ、機械的特性の劣化を招くと推酸
されることから、CrによるMoXNiYBZ複硼化物中
のMoおよびNiの置換量は、最大50%、好ましく
は35%までとする。 Zr、V、Wは、硼化物形成元素であり、これ
らの元素を本硬質焼結合金に添加した場合、硬質
相中に固溶するとともに、一部は硼化物を形成
し、硬度の上昇をもたらすばかりでなく、結合相
中にも固溶し液相焼結時の結晶粒の粗大化を抑制
する働き持つ。これらの元素は、少量の添加で効
果を示すが、0.2%未満では効果が表れない。一
方、20%を越えて添加しても、添加量ほどの特性
の向上は認められないだけでなく、全般にこれら
の元素は高価であるため、コストの上昇を招く。
これらの元素は、各々単独で添加できるだけでな
く、2種以上の元素の複合添加をすることも可能
である。よつて、これらの元素の添加量は、Zr、
V、Wの内の1種以上の元素の合計で0.2〜20%
とする。 Cuは、主として結合相中に固溶し、本硬質焼
結合金の耐食性ならびに熱伝導性の改善に効果を
示す元素である。添加量が0.2%未満では上記効
果は認められず、20%を越えると、硬度、抗折力
当、機械的特性の劣下が著しくなる。よつてCu
の添加量は、0.2〜20%とする。 CuとZr、VおよびWは、複合添加した場合も、
各元素の添加効果を有する。よつて、Zr、V、
W、Cuを複合添加する場合の添加量は、添加し
た元素の合計で0.2〜20%とする。 本硬質焼結合金は、水またはガスアトマイズ法
等により製造されたNi−B粉末、またはNi−B
合金粉末、あるいはニツケルボロン粉末、Ni、
Mo、Cr、Zr、V、W等のボライド粉末もしくは
B単体粉末と、Ni、Mo、Cr、Zr、V、W、Cu
等の単体金属粉末もしくはこれらの元素の内、2
種以上含む合金粉末を、振動ボールミル等により
有機溶媒中で湿式混合粉砕後、乾燥、造粒、成形
を行い、該成形体を、真空、還元性ガスあるいは
不活性ガス等の非酸化性雰囲気中で液相焼結を行
うことにより製造される。本硬質焼結合金の硬質
相となるMoXNiYBZ複硼化物は、前記原料粉末が
焼結中に反応して形成されるが、あらかじ別の炉
でNi−B粉末、B単体粉末等と、Ni、Moあるい
はCr等の粉末を反応させることにより、MoXNiY
BZ等の複硼化物を製造し、この複硼化物粉末に、
結合相となるNi等を配合し、原料粉末として用
いてもさしつかえない。液相焼結は、1000〜1400
℃で5〜90分行われる。焼結温度が1000℃未満だ
と液相量が不足し、焼結が充分進行しない。一
方、1400℃を越えると焼結は進行するものの、結
晶粒が粗大化し強度が低下する。焼結時間は、5
分未満だと充分な緻密化が進行せず、90分を越え
ると結晶粒の粗大化が生じる。よつて、本硬質焼
結合金の焼結は、1000〜1400℃で5〜90分間行
う。なお、本硬質焼結合金は、普通焼結法だけで
なく、ホツトプレス法、熱間静水圧プレス法、通
電焼結法等、他の焼結方法によつても製造可能で
ある。 〔実施例〕 本発明の実施例1〜11および比較例1〜3を、
第1〜4表により説明する。 原料粉として、第1表に示す合金粉末、化合物
粉末、および第2表に示す純金属粉末を用い、こ
れらの粉末を、第4表に示す化学組成になるよう
有するMo−Ni系複硼化物を主体とする硬質相
と、該硬質相を結合するNi基の結合相よりなる
高耐食性硬質焼結合金に関する。 〔従来の技術〕 近年耐摩耗材料に対する要求は、機械装置の高
精度化、高能率化ならびにエネルギーコストの低
減と相まつて厳しいものとなつてきている。耐摩
耗材料として従来より用いられているものには、
WC基超硬金合、TiCあるいはTiCN基サーメツ
ト、Al2O3等の酸化物系あるいは非酸化物系セラ
ミツクス、マルテンサイト系ステンレス、高速度
鋼等がある。さらに耐摩耗性を有する被覆として
自溶性合金、ステライト等の溶射あるいは肉盛り
が考えられる。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら最近の産業の発展の結果、耐摩耗
材料の使用される環境は多岐にわたり、単なる耐
摩耗性だけでなく耐食性を合わせ持つた材料の開
発が望まれている。例えば、弗素樹脂を射出成形
する場合、弗素水素酸を含む環境で利用される射
出成形機部品、隙間腐食を生じる環境下で用いら
れる材料、あるいはH2Sや硫酸等の無機酸を含む
溶液下で用いられるポンプのメカニカルシール等
である。 前記耐摩耗材料の中で、超硬合金、サーメツト
は、耐摩耗性には優れるものの腐食環境下での使
用には問題がある。酸化物あるいは非酸化物系セ
ラミツクスは、耐摩耗性、耐食性には優れるもの
の強度、靭性が低い。高速度鋼は、腐食環境下で
の使用は不可能に近く、マルテンサイト系ステン
レスは、高腐食環境下の使用ばかりでなく耐摩耗
性にも問題がある。溶射等は、ポアの生成を避け
ることができず腐食環境下で使用した場合、極部
腐食を生じ易い。高腐食環境下で用いられる耐食
材料としては超合金があるが、これは耐摩耗材料
とは言い難い。 例えば、超硬合金WC−7%、ステンレス鋼
SUS304、SUS440Cを、前記弗素樹脂の射出成形
を想定した40℃、1%弗化水素酸中で20時間浸漬
した場合の腐食減量は、WC−7%Coで4〜5
mg/cm2、SUS304で5〜10mg/cm2、SUS440Cにい
たつては、数百mg/cm2と大きな値を示す。 以上のように耐摩耗性が優れた材料は、腐食性
が不十分であり、腐食性を有するものは強度が十
分でない等耐摩耗性、腐食性ならびに強度をあわ
せ持つた材料はみあたらないのが現状である。 本発明の目的は、耐摩耗性、機械的特性、およ
び腐食性にも優れ、高腐食環境下の使用に耐える
耐摩耗材料を提供することにある。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明の高腐食性硬質焼結合金(以下本硬質焼
結合金と略す)は、Mo−Ni系の複硼化物を主体
とする硬質相35〜95%と、該硬質相を結合する
Ni基の結合相よりなり、該硬質焼結合金中のB
含有量は3〜7.5%、Mo含有量はMo/B原子比
で0.75〜1.25、残部がNiおよび不可避的不純物よ
りなる。 本発明者らは、耐食性に優れた耐摩耗材料を
種々検討する過程において、Mo−Ni系の複硼化
物が、高い硬度だけでなく優れた耐食性を有する
ことを見い出し、該複硼化物とNi基の合金を組
み合わせることにより、耐摩、耐食性に優れた本
硬質焼結合金が得られた。 本硬質焼結合金のX線回折による調査の結果、
硬質相となる硼化物としては、Mo2NiB2複硼化
物と考えられる相の他、組成によつては若干の
MoあるいはNiの硼化物が検出された。 Mo−Ni−B系の相関係についてはいくつかの
報告があるが、研究者によつて相異点が認められ
いまだ確立されていないのが現状である。しか
し、いずれの研究者もMo2NiB2複硼化物の存在
は確認している。したがつて、本発明でいうMo
−Ni系の複硼化物とは、Mo2NiB2あるいはこれ
に近い組成のMo−Ni系複硼化物を指すものと
し、これらの複硼化物全体をMoXNiYBZ(1.5≦X
≦2.5、0.75≦Y≦1.25、1.5≦Z≦2.5)と表すこ
ととする。ここで、X、Y、Zの範囲を前記のよ
うにしたのは、X、Y、Zが前記範囲をはずれる
と硬質相の構造がMo2NiB2あるいはそれに類似
した構造からずれ、強度の低下を招くためであ
る。 本硬質焼結合金の耐摩耗性は、主として硬度、
つまり硬質相の量に依存する。硬質相の量が35%
未満になると、本硬質焼結合金の硬度は、ロツク
ウエルAスケールで75以下となり、耐摩耗性が不
足する。一方、硬質相の量が95%を越えると硬度
は高くなるものの、強度の低下が著しい。よつて
本硬質焼結合金中の硬質相の割合は、35〜95%と
する。 Bは、本硬質焼結合金中の硬質相となる硼化物
を形成するために必要不可欠な元素であり、B含
有量が3%未満になると、硬質相の割合が35%を
きることになる。一方0.5%を越えると、硬質相
の量は95%を越え、強度の低下を来す。よつて本
硬質焼結合金中のB含有量は、3〜7.5%とする。 Moは、B同様硬質相となる複硼化物の形成に
必要な元素である。本硬質焼結合金中の硬質相
は、Mo2NiB2あるはそれに近いMoXNiYBZなる複
硼化物と推察されることから、該複硼化物を形成
させるためには、Mo含有量はMo/B原子比で
1になるようにすることが好ましい。しかしなが
ら、種々実験を行つたところ、Mo/B原子比が
1からずれても0.75〜1.25の範囲内にあれば、機
械的特性の劣化は比較的少ないことが判明した。
Mo/B原子比が1よりずれた場合には、MoX
NiYBZなる複硼化物のほかに、Moあるいは、Ni
の硼化物が形成される場合もあるが、Mo/B原
子比が0.75〜1.25の範囲内にあれば、これらの硼
化物の特性に与える影響は少ない。したがつて、
本硬質焼結合金のMo含有量はMo/B原子比で
0.75〜1.25、すなわち20〜83.2%とする。 本硬質焼結合金中に含まれる不可避的不純物元
素の主なものは、Si、Al、Mn、Mg、P、S、
N、O、Cであり、これら不純物元素の含有量は
極力少ないにこしたことはないが、これら不純物
元素の合計が2%以下であれば、特性の劣下は比
較的少ない。よつて本硬質焼結合金中に含まれる
不可避的不純物元素の量は、不純物元素含有量の
合計で2%以下とする。 本硬質焼結合金にCrを添加した場合、Crは硬
質相だけでなく結合相にも固溶し、本硬質焼結合
金の耐食性だけでなく、耐熱性ならびに耐酸化性
を向上させる働きを持つ。Cr添加量が0.2%未満
では、耐食性等の向上は認められず、35%を越え
ると添加量ほど耐食性の向上は認められなくなる
ばかりでなく、靭性の低下が著しくなる。よつて
本硬質焼結合金にCrの添加する場合の添加量は、
0.2〜35%、好ましくは1〜30%とする。 添加されたCrは、硬質相中において、MoXNiY
BZ複硼化物中のMoおよびNiと置換すると推察さ
れる。この場合、置換量はCr添加量によつて変
化すると考えられるが、CrがMoおよびNiとモル
濃度で各々50%以上置換すると、MoXNiYBZ複硼
化物の結晶構造が、Mo2NiB2あるいはそれに近
い構造からずれ、機械的特性の劣化を招くと推酸
されることから、CrによるMoXNiYBZ複硼化物中
のMoおよびNiの置換量は、最大50%、好ましく
は35%までとする。 Zr、V、Wは、硼化物形成元素であり、これ
らの元素を本硬質焼結合金に添加した場合、硬質
相中に固溶するとともに、一部は硼化物を形成
し、硬度の上昇をもたらすばかりでなく、結合相
中にも固溶し液相焼結時の結晶粒の粗大化を抑制
する働き持つ。これらの元素は、少量の添加で効
果を示すが、0.2%未満では効果が表れない。一
方、20%を越えて添加しても、添加量ほどの特性
の向上は認められないだけでなく、全般にこれら
の元素は高価であるため、コストの上昇を招く。
これらの元素は、各々単独で添加できるだけでな
く、2種以上の元素の複合添加をすることも可能
である。よつて、これらの元素の添加量は、Zr、
V、Wの内の1種以上の元素の合計で0.2〜20%
とする。 Cuは、主として結合相中に固溶し、本硬質焼
結合金の耐食性ならびに熱伝導性の改善に効果を
示す元素である。添加量が0.2%未満では上記効
果は認められず、20%を越えると、硬度、抗折力
当、機械的特性の劣下が著しくなる。よつてCu
の添加量は、0.2〜20%とする。 CuとZr、VおよびWは、複合添加した場合も、
各元素の添加効果を有する。よつて、Zr、V、
W、Cuを複合添加する場合の添加量は、添加し
た元素の合計で0.2〜20%とする。 本硬質焼結合金は、水またはガスアトマイズ法
等により製造されたNi−B粉末、またはNi−B
合金粉末、あるいはニツケルボロン粉末、Ni、
Mo、Cr、Zr、V、W等のボライド粉末もしくは
B単体粉末と、Ni、Mo、Cr、Zr、V、W、Cu
等の単体金属粉末もしくはこれらの元素の内、2
種以上含む合金粉末を、振動ボールミル等により
有機溶媒中で湿式混合粉砕後、乾燥、造粒、成形
を行い、該成形体を、真空、還元性ガスあるいは
不活性ガス等の非酸化性雰囲気中で液相焼結を行
うことにより製造される。本硬質焼結合金の硬質
相となるMoXNiYBZ複硼化物は、前記原料粉末が
焼結中に反応して形成されるが、あらかじ別の炉
でNi−B粉末、B単体粉末等と、Ni、Moあるい
はCr等の粉末を反応させることにより、MoXNiY
BZ等の複硼化物を製造し、この複硼化物粉末に、
結合相となるNi等を配合し、原料粉末として用
いてもさしつかえない。液相焼結は、1000〜1400
℃で5〜90分行われる。焼結温度が1000℃未満だ
と液相量が不足し、焼結が充分進行しない。一
方、1400℃を越えると焼結は進行するものの、結
晶粒が粗大化し強度が低下する。焼結時間は、5
分未満だと充分な緻密化が進行せず、90分を越え
ると結晶粒の粗大化が生じる。よつて、本硬質焼
結合金の焼結は、1000〜1400℃で5〜90分間行
う。なお、本硬質焼結合金は、普通焼結法だけで
なく、ホツトプレス法、熱間静水圧プレス法、通
電焼結法等、他の焼結方法によつても製造可能で
ある。 〔実施例〕 本発明の実施例1〜11および比較例1〜3を、
第1〜4表により説明する。 原料粉として、第1表に示す合金粉末、化合物
粉末、および第2表に示す純金属粉末を用い、こ
れらの粉末を、第4表に示す化学組成になるよう
【表】
【表】
【表】
【表】
以上のように、本発明の高耐食性硬質焼結合金
は、耐摩耗材料として十分な機械的特性だけでな
く、優れた耐食性を有する。したがつて、化学工
業等の高腐食環境下において使用可能な耐摩耗材
料が得られる。
は、耐摩耗材料として十分な機械的特性だけでな
く、優れた耐食性を有する。したがつて、化学工
業等の高腐食環境下において使用可能な耐摩耗材
料が得られる。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 MoXNiYBZ(1.5≦X≦2.5、0.75≦Y≦1.25、
1.5≦Z≦2.5)なる式で表せる複硼化物を主体と
する硬質相35〜95重量%(以下%は重量%を表
す)と、該硬質相を結合するNi基の結合相より
なる高耐食性硬質焼結合金において、B含有量が
3〜7.5%、Mo含有量が、Mo/B原子比で0.75
〜1.25、残部がNiおよび不可避的不純物よりなる
高耐食性硬質焼結合金。 2 合金中に含まれる複数の不可避的不純物の合
計が、2%以下である特許請求の範囲第1項記載
の高耐食性硬質焼結合金。 3 MoXNiYBZ(1.5≦X≦2.5、0.75≦Y≦1.25、
1.5≦Z≦2.5)なる式で表せる複硼化物を主体と
する硬質相35〜95重量%と、該硬質相を結合する
Ni基の結合相よりなる高耐食性硬質焼結合金に
おいて、B含有量が3〜7.5%、Mo含有量が、
Mo/B原子比で0.75〜1.25、Cr含有量が0.2〜35
%、残部がNiおよび不可避的不純物よりなる高
耐食性硬質焼結合金。 4 合金中に含まれる複数の不可避的不純物の合
計が、2%以下である特許請求の範囲第3項記載
の高耐食性硬質焼結合金。 5 MoXNiYBZ(1.5≦X≦2.5、0.75≦Y≦1.25、
1.5≦Z≦2.5)なる式で表せる複硼化物を主体と
する硬質相35〜95%と、該硬質相を結合するNi
基の結合相よりなる高耐食性硬質焼結合金におい
て、B含有量が3〜7.5%、Mo含有量が、Mo/
B原子比で0.75〜1.25、Cr含有量が0.2〜35%であ
り、かつW含有量およびCu含有量がいずれか一
方または両者の合計で0.2〜20%、残部がNiおよ
び不可避的不純物よりなる高耐食性硬質焼結合
金。 6 Wの一部または全部を、ZrおよびVの一種
または2種で置換した、特許請求の範囲第5項記
載の高耐食性硬質焼結合金。 7 合金中に含まれる複数の不可避的不純物の合
計が、2%以下である特許請求の範囲第5項記載
の高耐食性硬質焼結合金。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3721286A JPS62196353A (ja) | 1986-02-24 | 1986-02-24 | 高耐食性硬質焼結合金 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3721286A JPS62196353A (ja) | 1986-02-24 | 1986-02-24 | 高耐食性硬質焼結合金 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS62196353A JPS62196353A (ja) | 1987-08-29 |
| JPH055889B2 true JPH055889B2 (ja) | 1993-01-25 |
Family
ID=12491284
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3721286A Granted JPS62196353A (ja) | 1986-02-24 | 1986-02-24 | 高耐食性硬質焼結合金 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS62196353A (ja) |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| JP2564857B2 (ja) * | 1987-11-17 | 1996-12-18 | 旭硝子株式会社 | ニツケル・モルブデン複硼化物焼結体 |
| JPH0762201B2 (ja) * | 1988-03-24 | 1995-07-05 | 株式会社神戸製鋼所 | 特に耐食性に優れた耐摩耗粉末焼結合金 |
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Family Cites Families (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5658944A (en) * | 1979-10-15 | 1981-05-22 | Seiko Instr & Electronics Ltd | Wrist watch case |
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| JPS5945971A (ja) * | 1982-09-09 | 1984-03-15 | 東洋鋼鈑株式会社 | 硼化物系超硬質材料 |
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| JPS60165340A (ja) * | 1984-02-09 | 1985-08-28 | Toshiba Tungaloy Co Ltd | 選択的に部分改質した焼結合金 |
-
1986
- 1986-02-24 JP JP3721286A patent/JPS62196353A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS62196353A (ja) | 1987-08-29 |
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