JPH055915B2 - - Google Patents

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JPH055915B2
JPH055915B2 JP32731488A JP32731488A JPH055915B2 JP H055915 B2 JPH055915 B2 JP H055915B2 JP 32731488 A JP32731488 A JP 32731488A JP 32731488 A JP32731488 A JP 32731488A JP H055915 B2 JPH055915 B2 JP H055915B2
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JP
Japan
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zinc
plating layer
steel sheet
corrosion resistance
silicone oil
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JP32731488A
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Akyoshi Okado
Masaki Abe
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JFE Engineering Corp
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Nippon Kokan Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] この発明は、その表面に分散亜鉛めつき層また
は分散亜鉛合金めつき層を有する、耐食性および
塗料密着性に優れた亜鉛系電気めつき鋼板に関す
るものである。 [従来の技術] 亜鉛系電気めつき鋼板(亜鉛合金系電気めつき
鋼板を含む。以下同じ。)の耐食性を更に向上さ
せるために、亜鉛または亜鉛合金からなる亜鉛系
めつき層中に、SiO2、TiO2、Al2O3等の酸化物
粒子を分散させることによつて、めつき層の耐食
性を改善する試みが、近年盛んに行なわれてい
る。 例えば、特開昭54−146228号公報には、2〜
15wt.%の量のシリカ粒子が分散している亜鉛系
めつき層をその少なくとも1つの表面上に有す
る、亜鉛−シリカ複合電気めつき鋼板が開示され
ている(以下、「先行技術1」と云う)。先行技術
1には、上記亜鉛−シリカ複合電気めつき鋼板
が、従来の純亜鉛めつき鋼板の約1.5〜3倍の耐
食性を示す旨が述べられている。 特開昭61−143597号公報には、0.13〜1.8wt.%
の量のシリカ粒子が分散している亜鉛系めつき層
をその少なくとも1つの表面上に有する、亜鉛−
シリカ複合電気めつき鋼板が開示されている(以
下、「先行技術2」という)。先行技術2には、上
記亜鉛−シリカ複合電気めつき鋼板が、従来の亜
鉛電気めつき鋼板の約4〜8倍の耐食性を示し、
更に、めつき層の表面をシランカツプリング剤に
よつて処理すれば、従来の亜鉛電気めつき鋼板の
約20倍以上の耐食性を示す旨が述べられている。 特開昭60−141898号公報には、SiO2、TiO2
ZnO2、Nb2O3、TO2O3、Al2O3等の酸化物粒子
の1種以上が分散している、亜鉛−ニツケル、亜
鉛−鉄または亜鉛−コバルトからなる亜鉛合金め
つき層を、その少なくとも1つの表面上に有す
る、亜鉛合金−酸化物複合電気めつき鋼板が開示
されている(以下、「先行技術3」という)。先行
技術3には、上述した亜鉛合金めつき層のうち
で、Zn−10wt.%Ni−10wt.%SiO2からなる亜鉛
合金めつき層を有する亜鉛合金−酸化物複合電気
めつき鋼板の耐食性が最も高く、この複合電気め
つき鋼板は、Zn−13wt.%Niからなる亜鉛合金め
つき層を有する従来の亜鉛合金電気めつき鋼板の
約2倍の耐食性を示す旨が述べられている。 一方、特開昭63−11697号公報(以下、「先行技
術4」という)、および、特開昭63−62895号公報
(以下、「先行技術5」という)には、水溶性有機
高分子を含有する亜鉛電気めつき浴および亜鉛合
金電気めつき浴が開示されている。先行技術4お
よび5には、上述しためつき浴を使用して製造さ
れた、高分子が分散している亜鉛めつき層を有す
る亜鉛−高分子複合電気めつき鋼板、および、高
分子が分散している亜鉛合金めつき層を有する亜
鉛合金−高分子複合電気めつき鋼板が、それぞれ
従来の亜鉛電気めつき鋼板および亜鉛合金電気め
つき鋼板に比べて、耐食性および特に塗料密着性
に優れている旨が述べられている。 [発明が解決しようとする課題] 上述した先行技術1〜5に開示されているよう
に、亜鉛または亜鉛合金からなる亜鉛系めつき層
中に、種々の酸化物粒子または高分子を分散させ
ることによつて、亜鉛系電気めつき鋼板の耐食性
を更に向上させることができる。 しかしながら、先行技術1〜3に記載されてい
るように、亜鉛系めつき層中に酸化物粒子を均一
に分散させることは、容易ではない。その理由
は、酸化物粒子は、亜鉛系電気めつき浴中で負に
帯電するため、電気めつき時に陰極となる被めつ
き鋼板の表面上に析出しにくい傾向があるからで
ある。このために、先行技術1に記載されている
ように、僅かに数wt.%の酸化物粒子をめつき層
中に分散させるために、50〜200g/の高濃度
で酸化物粒子を含有する亜鉛系電気めつき浴を使
用しなければならない。しかしながら、亜鉛系電
気めつき浴中の酸化物粒子の濃度が高いと、酸化
物粒子の凝集や沈殿が生じ、亜鉛系電気めつき浴
の安定性が低下する。また、電気めつき時に、亜
鉛系電気めつき浴の電気抵抗が不必要に高くな
り、そのため、電流効率が悪化し、そして、電力
消費量が増大する。 更に、先行技術1〜3によつて形成された亜鉛
系複合めつき層または亜鉛合金系複合めつき層に
おいては、酸化物の共析状態およびその分布が不
均一であり、且つ、酸化物は、腐食性イオンを遠
ざける作用を有していないため、その耐食性が不
安定である。従つて、先行技術1〜3において
は、形成された亜鉛系複合めつき層または亜鉛合
金系複合めつき層の性能を確保するために、安全
を見積もつて、より多くの酸化物を共析させなけ
ればならない。この結果、スポツト溶接時におけ
る連続打点性(1組の電極で、前記電極が損傷す
ることなく連続的にスポツト溶接を行ない得る打
点数)によつて評価される溶接性および化成処理
性が悪化し、期待通りの品質を有する亜鉛系複合
めつき層または亜鉛合金系複合めつき層が得られ
ない。 また、先行技術1〜3のめつき鋼板の場合に
は、その表面に塗料を塗装した場合の塗料密着性
が不良である。 先行技術4または5によつて、被めつき鋼板の
表面上に高分子分散亜鉛系めつき層を形成する場
合は、亜鉛系めつき浴中の高分子濃度は、0.5〜
20g/で十分であり、先行技術1〜3の場合に
おける亜鉛系めつき浴中の酸化物濃度よりも薄く
て済む。従つて、電気めつき浴の安定性および電
気抵抗の面から、先行技術1〜3よりも有利であ
り且つ塗料密着性も良好である。しかしながら、
電気めつき浴中に分散している高分子は、水溶性
であり、腐食性イオンを遠ざける作用を有してい
ないため、先行技術1〜3と同様にその耐食性が
不安定である。従つて、安定した耐食性を得るた
めには、先行技術5に記載されているように、電
気めつき層を例えば亜鉛−ニツケルのように合金
化することが不可欠であり、このために製造コス
トの増大を招く。 従つて、この発明の目的は、耐食性および塗料
密着性が共に安定して高く、且つ、連続打点性に
よつて評価される溶接性および化成処理性が劣化
することのない亜鉛系複合めつき層または亜鉛合
金系複合めつき層を、その少なくとも1つの表面
上に有する亜鉛系電気めつき鋼板を提供すること
にある。 [課題を解決するための手段] 本発明者等は、上述した観点から、亜鉛系めつ
き層の耐食性を効率良く安定して高め、且つ、塗
料密着性に優れた亜鉛系電気めつき鋼板を開発す
べく鋭意研究を重ねた。その結果、亜鉛系めつき
層中に、シリコーンオイルおよび水溶性有機高分
子の少量を共に分散させると、連続打点性によつ
て評価される溶接性および化成処理性を阻害する
ことなく、めつき層の耐食性および塗料密着性を
共に安定して著しく高め得ることを知見した。 この発明は、上述した知見に基いてなされたも
のであつて、所定の付着量の亜鉛めつき層を、そ
の少なくとも1つの表面上に有する亜鉛系電気め
つき鋼板において、前記めつき層は、シリコーン
オイル:0.1〜20wt.%、水溶性有機高分子:0.1〜
20wt.%および、残り:亜鉛および不可避的不純
物からなつており、そして、前記付着量は、鋼板
の片面当り5〜100g/m2であること、および、
必要に応じて、前記めつき層は、2〜80wt.%の
鉄、2〜25wt.%のニツケル、0.1〜5wt.%のコバ
ルト、15〜65wt.%のマンガンのいずれか1つ、
または、鉄、ニツケル、コバルトおよびマンガン
のうちの少なくとも2つの成分を合計で2〜
80wt.%の量で、更に含有していることに特徴を
有するものである。 この発明において使用されるシリコーンオイル
は、 の構造式で表わされる化合物である。なお、メチ
ル基の一部を他の基で置換することもできる。 この発明において使用するシリコーンオイル
は、消泡剤、離型剤、撥水剤等として市販されて
いるもののうち、エマルジヨンタイプまたは自己
乳化タイプのものを使用することが好ましい。 この発明において使用される水溶性有機高分子
としては、例えば、フエノールフオルムアルデヒ
ド樹脂(ノボラツク樹脂)、フエノール−フルフ
ラール樹脂、レゾルシン−フオルムアルデヒド樹
脂等のフエノール樹脂およびこれらの誘導体スル
フオン酸塩等が使用される。 亜鉛系めつき層中に、シリコーンオイルおよび
水溶性有機高分子を共に分散させると、めつき層
の耐食性および塗料密着性が、安定して著しく高
められる理由は明らかではないが、次のように推
定される。 (a) 鋼板の腐食は、多くの場合各種の水溶液中の
イオンにより発生する。本発明においては、亜
鉛系複合めつき層中にシリコーンオイルが分散
しているため、シリコーンオイルが有する強い
撥水性によつて、前記水溶液がはじかれ、亜鉛
とイオンとの接触が妨げられる。従つて、腐食
速度が著しく遅くなる。 (b) シリコーンオイルおよび水溶性有機高分子
は、めつき層中に単純に存在するものではな
く、亜鉛とメチル基とシリコンとが強い親和力
で結びついて存在する。従つて、めつき層は、
腐食環境下にあつても、その表面に化学的に安
定な腐食生成物の被膜を形成し、これが以後の
腐食に対する優れたバリヤーとして働くので、
めつき層の耐食性が一段と向上する。 (c) 水溶性有機高分子中には、塗料と親和性のよ
い官能基が含まれているので、この官能基が塗
料との密着性を高める。 この発明において、めつき層中のシリコーンオ
イルおよび水溶性有機高分子の含有量は、各々
0.1〜20wt.%の範囲内とすべきである。シリコー
ンオイルの含有量が0.1wt.%未満では、めつき層
の耐食性向上が不十分であり、そして、水溶性有
機高分子の含有量が0.1wt.%未満では、めつき層
の塗料密着性向上が不十分である。一方、シリコ
ーンオイルおよび水溶性有機高分子の各々の含有
量が20wt.%を超えると、めつき層の加工性が著
しく劣化する。 この発明において、シリコーンオイルおよび水
溶性有機高分子が共に分散している亜鉛系複合め
つき層の、鋼板の表面上への付着量は、鋼板の片
面当り、5〜100g/m2とすべきである。めつき
層の付着量が5g/m2未満では、めつき層の耐食
性の向上が不充分であり、一方、100g/m2を超
えると、めつき層の加工性が劣化し且つ不経済に
なる。 この発明において、上述したシリコーンオイル
および水溶性有機高分子が共に分散しているめつ
き層の金属成分としては、亜鉛のみを含有させる
ほか、必要に応じて、鉄、ニツケル、コバルトお
よびマンガンの少なくとも1つの成分を含有させ
ることができる。以下に各種金属成分の複合めつ
き層の構成について述べる。 (a) 亜鉛を金属成分とする複合めつき層: シリコーンオイル:0.1〜20wt.%、 水溶性有機高分子:0.1〜20wt.%、および、 残り:亜鉛および不可避的不純物。 (b) 亜鉛−鉄合金を金属成分とする複合めつき
層: シリコーンオイル:0.1〜20wt.%、 水溶性有機高分子:0.1〜20wt.%、 鉄:2〜80wt.%、および、 残り:亜鉛および不可避的不純物。 亜鉛のほかに鉄をめつき層中に含有させると、
めつき層の塗装性および塗装後の耐食性を向上さ
せる効果がある。めつき層中の鉄の含有量が2wt.
%未満では、上述した効果は不充分であり、一
方、wt.%を超えると、めつき層の加工性および
耐食性が共に劣化する。従つて、亜鉛のほかに鉄
をめつき層中に含有させる場合、鉄の含有量は2
〜80wt.%の範囲内とすべきである。 (c) 亜鉛−ニツケル合金を金属成分とする複合め
つき層: シリコーンオイル:0.1〜20wt.%、 水溶性有機高分子:0.1〜20wt.%、 ニツケル:2〜25wt.%、および、 残り:亜鉛および不可避的不純物。 亜鉛のほかにニツケルをめつき層中に含有させ
ると、めつき層の耐食性を更に向上させる効果が
ある。めつき層中のニツケル含有量が2wt.%未満
では、上述した効果は不充分であり、一方、
25wt.%を超えると、めつき層の加工性が劣化し、
また、高価なニツケルを多量に含有させることに
より不経済となる。従つて、亜鉛のほかにニツケ
ルをめつき層中に含有させる場合、ニツケルの含
有量は2〜25wt.%の範囲内とすべきである。 (d) 亜鉛−コバルト合金を金属成分とする複合め
つき層: シリコーンオイル:0.1〜20wt.%、 水溶性有機高分子:0.1〜20wt.%、 コバルト:0.1〜5wt.%、および、 残り:亜鉛およい不可避的不純物。 亜鉛のほかにコバルトをめつき層中に含有させ
ると、めつき層の耐食性を更に向上させる効果が
ある。めつき層中のコバルト含有量が0.1wt.%未
満では、上述した効果は不充分であり、一方、
5wt.%を超えると、めつき層の耐食性が逆に劣化
する。従つて、亜鉛のほかにコバルトをめつき層
中に含有させる場合、コバルトの含有量は、0.1
〜5wt.%の範囲内とすべきである。 (e) 亜鉛−マンガン合金を金属成分とする複合め
つき層: シリコーンオイル:0.1〜20wt.%、 水溶性有機高分子:0.1〜20wt.%、 マンガン:15〜65wt.%、および、 残り、亜鉛および不可避的不純物。 亜鉛のほかにマンガンをめつき層中に含有させ
ると、めつき層の耐食性を更に向上させる効果が
ある。めつき層中のマンガン含有量が15wt.%未
満では、上述した効果は不充分であり、一方、
65wt.%を超えると、めつき時における電解効率
が低下して不経済となる。従つて、亜鉛のほかに
マンガンをめつき層中に含有させる場合、マンガ
ンの含有量は、15〜65wt.%の範囲内とすべきで
ある。 (f) 亜鉛−鉄、ニツケル、コバルト、マンガン多
元合金を金属成分とする複合めつき層: シリコーンオイル:0.1〜20wt.%、 水溶性有機高分子:0.1〜20wt.%、 鉄、ニツケル、コバルト、マンガンの少なく
とも2つの成分:2〜80wt.%、および、 残り:亜鉛および不可避的不純物。 亜鉛のほかに、鉄、ニツケル、コバルト、マン
ガンの少なくとも2つの成分をめつき層中に含有
させると、めつき層の耐食性を更に向上させる効
果がある。鉄、ニツケル、コバルト、マンガンの
少なくとも2つの成分の含有量が2wt.%未満で
は、上述した効果は不充分であり、一方、80wt.
%を超えると、めつき層の加工性が劣化する。従
つて、亜鉛のほかに、鉄、ニツケル、コバルト、
マンガンの少なくとも2つの成分をめつき層中に
含有させる場合、その含有量は、2〜80wt.%の
範囲内とすべきである。 この発明においては、シリコーンオイルおよび
水溶性有機高分子が分散している亜鉛系めつき層
をその表面に形成すべき鋼板は、冷延鋼板、酸洗
済みの熱延鋼板のように表面処理の施されていな
い鋼板でもよく、従来の亜鉛めつき鋼板、また
は、亜鉛のほかに、鉄、ニツケル、コバルトおよ
びマンガンのうちの少なくとも1つの成分を含有
するめつき層を有する従来の亜鉛合金めつき鋼板
でもよい。 従来の亜鉛めつき鋼板または亜鉛合金めつき鋼
板を使用する場合、そのめつき層の付着量は、特
に規定しないが、製造コストおよびめつき層の加
工性の点から、めつき層の付着量は、片面当り、
10〜60g/m2の範囲内が好ましい。 更に、従来の亜鉛合金めつき鋼板を使用する場
合、亜鉛のほかにめつき層中に含有させる、鉄、
ニツケル、コバルトおよびマンガンの量は、特に
規定しない。しかしながら、めつき層の耐食性お
よび加工性を考慮すると、亜鉛のほかに鉄を含有
させる場合、鉄の含有量は2〜35wt.%の範囲内
が、亜鉛のほかにニツケルを含有させる場合、ニ
ツケルの含有量は2〜20wt.%の範囲内が、亜鉛
のほかにコバルトを含有させる場合、コバルトの
含有量は0.1〜5wt.%の範囲内が、そして、亜鉛
のほかにマンガンを含有させる場合、マンガンの
含有量は15〜65wt.%の範囲内が、それぞれ好ま
しい。また、亜鉛のほかに鉄、ニツケル、コバル
トおよびマンガンのうちの少なくとも2つの成分
を含有させる場合、その含有量は2〜35wt.%の
範囲内が好ましい。 第1図は、この発明の亜鉛系電気めつき鋼板に
おけるシリコーンオイルおよび水溶性有機高分子
が分散しているめつき層中における、亜鉛、ケイ
素、酸素、炭素および鉄の各元素の量を、公知の
イオンマイクロ分析器によつて分析した代表的結
果を示すグラフである。第1図において、縦軸
は、めつき層のスパツタリングによつて発生した
各元素の二次イオン強度(カウント数)を示す。
そして、横軸は、めつき層のスパツタリングの時
間(分)を示す。各元素の二次イオン強度は、め
つき層の各深さにおける、各元素の量に対応して
いる。スパツタリング時間は、めつき層表面から
の深さに対応している。 シリコーンオイルは、Si、C、O(およびH)
からなつているので、第1図に示すように、めつ
き層中に、シリコーンオイル即ちSi、CおよびO
が均一に分散して存在していることがわかる。な
お、第1図において、Feは下地鋼板の鉄分を示
し、Znはめつき層中の亜鉛分を示す。 次に、この発明を、実施例により説明する。 実施例 1 亜鉛または亜鉛合金を電気めつきするための従
来の硫酸電気めつき浴を基本浴として使用し、こ
の基本浴に、シリコーンオイルエマルジヨンおよ
び水溶性有機高分子としてのフエノールフオルム
アルデヒド樹脂を、各々その濃度が0.05〜20g/
となるように添加し、PHが1〜6の範囲内の亜
鉛系電気めつき浴を調製した。このように調製さ
れた亜鉛系電気めつき浴を使用し、亜鉛板を陽極
とし、そして、表面処理が施されていない鋼板を
陰極として、亜鉛電気めつきにより、上記鋼板の
表面上に、シリコーンオイルおよび水溶性高分子
が分散している亜鉛系めつき層を形成し、かくし
て、本発明電気めつき鋼板(以下、本発明鋼板と
いう)No.3、6、9、12および14を得た。 比較のために、上述した基本浴を使用し、表面
処理が施されていない鋼板に、亜鉛・亜鉛合金−
シリカからなる分散めつき層が形成された比較用
電気めつき鋼板(以下、比較用鋼板という)No.
1、5、11、および、亜鉛・亜鉛合金−高分子か
らなる分散めつき層が形成された比較用鋼板No.
2、8を調製した。 これらの本発明鋼板および比較用鋼板No.1〜14
の亜鉛系めつき層の構成、成分組成およびめつき
量を第1表に示す。また、これらの本発明鋼板お
よび比較用鋼板No.1〜14に対して行なつた、塩水
噴霧試験による裸耐食性、および、塗装後のエリ
クセン押し出し試験による塗料密着性の調査結果
を、第1表に併せて示す。なお、裸耐食性は、連
続800時間塩水噴霧試験を行なつたときの赤錆発
生までの時間によつて示した。また、塗料密着性
は、下記によつて評価した。 ◎……良好 ○……普通 ×……不良 第1表に示すように、シリコーンオイルおよび
高分子が分散していないZn−SiO2複合めつき層
を有する比較用鋼板No.1は、塗料密着性は普通で
あるが裸耐食性は40時間であり、そして、Zn−
高分子複合めつき層を有する比較用鋼板No.2は、
塗料密着性は良好であるが裸耐食性は35時間であ
【表】 つた。これに対してZn−シリコーンオイル−高
分子複合めつき層を有する本発明鋼板No.3は、裸
耐食性が450時間であり且つ塗料密着性も良好で
あつた。 シリコーンオイルおよび高分子が分散していな
いZe−Fe複合めつき層を有する比較用鋼板No.4
およびZn−Fe−SiO2複合めつき層を有する比較
用鋼板No.5は、塗料密着性は普通であるが裸耐食
性はそれぞれ40時間、60時間であつた。これに対
してZn−Fe−シリコーンオイル−高分子複合め
つき層を有する本発明鋼板No.6は、裸耐食性が
600時間であり且つ塗料密着性も良好であつた。 シリコーンオイルおよび高分子が分散していな
いZn−Ni複合めつき層を有する比較用鋼板No.7
は、裸耐食性は400時間で且つ塗料密着性は不良
であり、そして、Zn−Ni−高分子複合めつき層
を有する比較用鋼板No.8は、塗料密着性は良好で
あつたが裸耐食性は450時間であつた。これに対
してZn−Ni−シリコーンオイル−高分子複合め
つき層を有する本発明鋼板No.9は、裸耐食性が
800時間以上であり且つ塗料密着性も良好であつ
た。 シリコーンオイルおよび高分子が分散していな
いZn−Co複合めつき層を有する比較用鋼板No.10
は、塗料密着性は普通であるが裸耐食性は80時間
であり、そして、Zn−Co−SiO2複合めつき層を
有する比較用鋼板No.11は、裸耐食性が160時間で
且つ塗料密着性も不良であつた。これに対して、
Zn−Co−シリコーンオイル−高分子複合めつき
層を有する本発明鋼板No.12は、裸耐食性が700時
間であり且つ塗料密着性も良好であつた。 シリコーンオイルおよび高分子が分散していな
いZn−Mn複合めつき層を有する比較用鋼板No.13
は、裸耐食性は400時間であるが塗料密着性は不
良であつた。これに対して、Zn−Mn−シリコー
ンオイル−高分子複合めつき層を有する本発明鋼
板No.14は、裸耐食性が800時間以上であり且つ塗
料密着性も良好であつた。 実施例 2 実施例1におけると同様にして調製された亜鉛
電気めつき浴を使用し亜鉛板を陽極とし、そし
て、従来の亜鉛めつき鋼板または亜鉛合金めつき
鋼板を陰極として、亜鉛電気めつきにより、上記
鋼板の表面上に、シリコーンオイルおよび高分子
が均一に分散している亜鉛系めつき層を上層とし
て形成し、かくして本発明鋼板No.15〜24を得た。 これらの本発明鋼板No.15〜24の上層を形成する
亜鉛系めつき層の成分組成およびめつき量、なら
びに、使用された表面処理鋼板の種類を、第2表
に示す。また、これらの本発明鋼板No.15〜24に対
して行なつた最大1000時間の塩水噴霧試験におけ
る、赤錆発生までの時間を裸耐食性として、第2
表に併せて示す。 第2表に示すように、本発明鋼板No.15〜24にお
いては、亜鉛めつき鋼板または亜鉛合金めつき鋼
板等の表面処理が施された鋼板の表面上に、上層
として、シリコーンオイルおよび高分子が均一に
分散している亜鉛系めつき層が形成されているの
で、何れも高い裸耐食性を有している。また、
【表】
【表】 第2表には示していないが、塗料密着性も良好で
ある。 実施例 3 実施例1に示した比較用鋼板No.1、本発明鋼板
No.3、および、従来の亜鉛電気めつき鋼板並びに
従来の溶融亜鉛めつき鋼板の各々の亜鉛系めつき
層に対し、ドロービード試験機による剥離試験を
行なつた。上述した試験において、鋼板のめつき
層に加えられた、ドロービード試験機の雄ダイス
加重は500Kg、そして、鋼板の引抜き速度は200
mm/分であつた。 また、ドロービード試験機による剥離試験を行
なつた後のめつき層に対し、更にセロハンテープ
による剥離試験を行なつた。これらの試験結果を
第3表に示す。
【表】
【表】 第3表に示すように、本発明鋼板においては、
ドロービード試験機による剥離試験での、めつき
層の剥離量が、従来鋼板および比較用鋼板のどれ
よりも少なく、且つ、セロハンテープによる剥離
試験でのめつき層の剥離が、従来の亜鉛電気めつ
き鋼板におけると同様に発生せず、従来の亜鉛電
気めつき鋼板におけると同程度に加工性が良好で
ある。 [発明の効果] 以上述べたように、この発明によれば、次のよ
うな工業上優れた効果がもたられる。 (a) 亜鉛系めつき層中に、シリコーンオイルが均
一に分散しているので、分散めつき層の均一性
およびシリコーンオイルが有する撥水性等によ
り、従来の亜鉛系めつき鋼板に比べ、耐食性が
著しく安定して優れている。 (b) めつき層中に存在する高分子と塗料の親和性
により、従来の亜鉛系複合めつき鋼板に比べ、
塗料密着性が優れている。 (c) めつき浴中のシリコーンオイルおよび水溶性
有機高分子濃度は、0.05〜20g/であれば充
分で、従来の酸化物粒子を分散させる場合より
も低濃度で済む。従つて、めつき浴の安定性や
電流効率を劣化させることはなく、且つ、めつ
き層の連続打点性によつて評価される溶接性お
よび化成処理性が良好である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の亜鉛系電気めつき鋼板の
めつき層中における亜鉛、ケイ素、酸素、炭素お
よび鉄の各元素の深さ方向分布を、イオンマイク
ロ分析器によつて分析した結果を示すグラフであ
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 所定の付着量の亜鉛めつき層を、その少なく
    とも1つの表面上に有する亜鉛系電気めつき鋼板
    において、 前記めつき層は、 シリコーンオイル:0.1〜20wt.%、 水溶性有機高分子:0.1〜20wt.%、および、 残り、亜鉛および不可避的不純物 からなつており、そして、前記付着量は、鋼板の
    片面当り、5〜100g/m2であることを特徴とす
    る、耐食性および塗料密着性に優れた亜鉛系電気
    めつき鋼板。 2 前記めつき層は、下記からなる群、 鉄:2〜80wt.%、 ニツケル:2〜25wt.%、 コバルト:0.1〜5wt.%、および、 マンガン:15〜65wt.%、 から選んだいずれか1つの成分を更に含有してい
    る、請求項1に記載の耐食性および塗料密着性に
    優れた亜鉛系電気めつき鋼板。 3 前記めつき層は、鉄、ニツケル、コバルトお
    よびマンガンからなる群から選んだ少なくとも2
    つの成分を、合計で2〜80wt.%の量で、更に含
    有している、請求項1に記載の耐食性および塗料
    密着性に優れた亜鉛系電気めつき鋼板。 4 前記鋼板は、表面処理が施されていない鋼
    板、亜鉛めつき鋼板、または、鉄、ニツケル、コ
    バルトおよびマンガンのうちの少なくとも1つを
    含有する亜鉛合金めつき鋼板である、請求項1か
    ら3の何れか1つに記載の耐食性および塗料密着
    性に優れた亜鉛系電気めつき鋼板。
JP32731488A 1988-12-24 1988-12-24 耐食性および塗料密着性に優れた亜鉛系電気めつき鋼板 Granted JPH02173297A (ja)

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