JPH0559523A - 部品の部分窒化焼入、部分浸炭焼入方法 - Google Patents

部品の部分窒化焼入、部分浸炭焼入方法

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JPH0559523A
JPH0559523A JP24051491A JP24051491A JPH0559523A JP H0559523 A JPH0559523 A JP H0559523A JP 24051491 A JP24051491 A JP 24051491A JP 24051491 A JP24051491 A JP 24051491A JP H0559523 A JPH0559523 A JP H0559523A
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雅博 原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 防窒化剤あるいは防浸炭剤を用いることな
く、所望の部分のみに部分窒化焼入または部分浸炭焼入
を行なう。 【構成】 図はドリリングタッピンねじ1先端部を部分
窒化焼入を行なうものである。容器4の下部に取り付け
られる保持板3にねじ1が挿入できる穴が設けられてお
り、この穴にねじ1が吊下されている。ねじ1の下部
は、処理液2に浸漬され、窒化処理される。容器4内に
は、ガス流入管5から、流入圧力調整用レギュレータ6
を介して圧力空気が導入され、保持板3の穴とねじ1と
の隙間から流出して、処理液2から出た部分を覆うか
ら、処理液2の液面から発生するガス等により窒化され
ることがなく、浸漬部分の表面のみに窒化処理膜が形成
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、部品の部分窒化焼入ま
たは部分浸炭焼入方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】部品、例えば、ドリリングタッピンねじ
の先端部近傍のみを窒化焼入または浸炭焼入を行なうよ
うな、部分窒化焼入方法または部分浸炭焼入方法におい
ては、焼入を必要としない部分に防窒化剤、防浸炭剤を
塗布して焼入をする方法、あるいは、部品全体を窒化焼
入または浸炭焼入をした後、焼入の不必要部分に形成さ
れた窒化焼入層または浸炭焼入層を、薬品により溶解し
て除去する方法が知られている。
【0003】上述したドリリングタッピンねじは、ねじ
込むだけで、下穴を開け、ねじ切り、ねじ止めを行なう
ことができるので、作業時間を極めて短いものとできる
ので、自動車製造、建築をはじめ、その利用分野は急速
に拡大している。耐食性が要求される分野では、オース
テナイト系ステンレス鋼を用いたドリリングタッピンね
じが知られている。頭部、ねじ部およびドリル部をオー
ステナイト系ステンレス鋼で一体成形したものでは、耐
食性に優れているが、オーステナイト系ステンレス鋼の
硬度が低いために、ドリル部の穿孔性能が劣り、厚板鋼
板には使用できない。したがって、ドリリングタッピン
ねじにおいては、ドリル部およびその近傍のねじ部のみ
を部分窒化焼入または部分浸炭焼入法により硬度を上げ
るようにすることが考えられる。部分窒化焼入または部
分浸炭焼入によれば、頭部および締め付けに関与する部
分は、表面もオーステナイト系ステンレス鋼のままであ
るから、耐食性が高いという特徴を確保できるものであ
る。
【0004】このように、部品の一部のみに対して、窒
化焼入または浸炭焼入を行なう方法として、上述したよ
うに、焼入を必要としない部分に防窒化剤、防浸炭剤を
塗布して焼入をする方法においては、防窒化剤、防浸炭
剤を焼入を不必要とする部分にむらなく塗布しなければ
ならないといいう問題がある。また、防窒化剤、防浸炭
剤を塗布した後、所定の温度で焼付、乾燥を必要とし、
その後に窒化焼入または浸炭焼入を行ない、さらに、防
窒化剤、防浸炭剤を除去しなければならず、複雑な処理
工程を必要とし、これらの処理設備も必要であるという
問題がある。
【0005】部品全体を窒化焼入及び浸炭焼入をした
後、焼入の不必要な部分に形成された焼入層を薬品によ
り溶解してしまう方法は、焼入層が溶解されてしまうた
めに、部品の寸法変化が生じ、部品が機能低下を起こし
てしまうなどの問題がある。
【0006】ドリリングタッピンねじでいえば、全体を
窒化処理した後に、頭部と頭部近傍のねじ部分の窒化層
を除去したものは、頭部においては、窒化層を溶かすこ
とにより形状が変化し、特に、十字穴付きねじ等の場合
は、締付作業の際に工具が空転してしまったり、ねじが
工具より脱落してしまうという問題がある。頭部近傍の
ねじ部分においては、窒化層の除去により、その部分の
ねじの外径が小さくなり、締付時にめねじが破壊されて
しまうなどの問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みてなされたもので、防窒化剤あるいは防浸炭剤
を用いることなく、また、焼入後に不要な焼入層を除去
することもなく、簡単な方法により部分窒化焼入または
部分浸炭焼入を行なうことができる部品の部分窒化焼
入、部分浸炭焼入方法を提供することを目的とするもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、部品の部分窒
化焼入、部分浸炭焼入方法において、部品の一部を処理
液に浸漬し、他の部分を空気または化学的に安定なガス
により覆うことを特徴とするものである。
【0009】
【作用】焼入を不必要とする部分を空気又は化学的に安
定なガスにより覆うことにより処理液の液面から発生す
るガスによる窒化または浸炭を防ぎ、所望の部分のみに
窒化焼入または浸炭焼入を行うことが出来る。
【0010】
【実施例】図1は、本発明をドリリングタッピンねじの
部分窒化焼入に適用した一実施例の概略構成図である。
図中、1はオーステナイト系ステンレス鋼製のドリリン
グタッピンねじ、2は処理液、3は保持板、4は容器、
5はガス流入管、6は流入圧力調整用レギュレータ、7
は大気放出管、8は流出圧力調整用レギュレータであ
る。保持板3には、ドリリングタッピンねじ1のねじ部
の外径にほぼ等しい穴が設けられており、この穴にドリ
リングタッピンねじ1が吊下され、容器に気密にねじ止
め等により固定されている。容器4の下部に取り付けら
れた保持板3に吊下されたドリリングタッピンねじ1の
下部が、処理液2に浸漬され、浸漬された部分が窒化処
理される。容器4内には、ガス流入管5から、流入圧力
調整用レギュレータ6を介して圧力空気が導入されてい
る。それにより容器4内の圧力は、容器外の圧力より、
例えば、1kg/cm2 高い所定の空気圧に保たれる。
流出圧力調整用レギュレータ8を介して、容器4内の空
気圧を大気放出管7から放出するようにして圧力を調整
してもよい。容器4内の圧力が高いことにより、窒化処
理の際に、容器4内に導入された空気が、保持板3の穴
とドリリングタッピンねじ1との隙間から流出して、ド
リリングタッピンねじ1の処理液2に浸漬されていない
部分を覆うから、その部分が処理液2の液面から発生す
るガス等により窒化されることがなく、浸漬部分の表面
のみに窒化処理膜が形成される。
【0011】保持板3とドリリングタッピンねじ1の頭
部の下面との間から空気を流出しやすくし、また、流出
抵抗を均一化するために、保持板3におけるドリリング
タッピンねじ1の頭部と接する部分の上面に細かい突起
や条溝を設けておくとよい。
【0012】なお、ガス流入管5から導入するガスは、
窒化処理に対して、化学的に安定なガスであればよく、
He,Ne,Ar,Kr,Xe,Rn等の不活性ガス
や、CO2 ,N2 等の適宜のガスを用いることができ
る。
【0013】保持板3において、ドリリングタッピンね
じを吊下する穴は、図2(A)に示すように、例えば、
円形の穴3aのように、ドリリングタッピンねじを個々
に挿入できる穴を設けてもよく、あるいは、図2(B)
に示すように、スリット状の開口3bを設けるようにし
てもよい。図1においては、2列の穴を配置したが、1
列または3列以上でもよく、スリット状の保持穴として
もよい。
【0014】図3(A)は、容器の他の実施例である。
この実施例では、底板を4a,4bの二重構造にして蓋
体4cと底板4aとの間の空間部Aを密閉し、底板4a
と4bとの間の空間部Bに図示しない導入管から圧力空
気を導入したものである。空間部Bからドリリングタッ
ピンねじ1の頭部との隙間を通って空間部Aに流入する
空気は、空間部Aの圧力を高め、圧力平衡がなされた後
は、空間部Bから空間部Aへの流入はない。したがっ
て、供給された圧力空気は、空間部Bの開口をノズルと
して、ドリリングタッピンねじ1に空気流を吹き付け、
その周囲をとりまいて下方へ流出させて、ドリリングタ
ッピンねじ1の周囲を空気流で覆うことができる。
【0015】図3(B)に示すように、底板4aに穴4
dを開け、圧力平衡を取りやすくするようにしてもよ
い。穴4dを設けた場合には、圧力空気を空間部Aに導
入するようにしてもよい。
【0016】図4は、窒化処理されたドリリングタッピ
ンねじの一例の側面図、図5は断面図である。図中、1
1は頭部、12はねじ部、13はドリル部であり、A部
は、窒化膜が形成されていない部分、B部は、窒化膜が
形成された部分である。ドリル部13は、窒化処理が施
されているため、表面の硬度が高くなっており、穿孔性
能が良い。ドリル部13より連なるねじ部12の先端の
数山も窒化処理が施されているため、表面の硬度は同様
に高くなっている。したがって、ドリル部13で穿孔さ
れた孔に、ねじ立てが容易にできる。この表面の硬度
は、ヴィッカース硬度で400以上、深さ40μ以上が
必要である。硬度および深さが上述した値に達しない
と、オーステナイト系ステンレス鋼材は素材の硬さが低
いので、ドリル部での穿孔時およびねじ部でのねじ立て
時に、性能が低下し、厚板の場合などには、穿孔やねじ
立てが不能となることがある。また、頭部11および頭
部近傍のねじ部は、窒化処理がされていないため、オー
ステナイト系ステンレス鋼材の性質をそのまま有してお
り、耐食性が良い。なお、窒化膜が形成された部分B
は、窒化によって僅かな寸法膨張が見られるが、問題と
なる程度ではなく、完全ネジ山部においても、A部分に
属する径と、B部分に属する径とは実質的に等しいた
め、締付作業時での問題や、締結時でのめねじ破壊もな
く安定した締結のできるドリリングタッピンねじとな
る。
【0017】なお、上述した実施例は、部品としてドリ
リングタッピンねじについて、説明したが、他の形状の
部品であっても、部分窒化焼入または部分浸炭焼入が処
理液に浸漬でき、他の部分が処理液外に露出できるもの
であれば、本発明を適用できることは明らかである。気
体による非処理部の隔離は、適当な保持構造や、ノズル
等を用いて適宜に設計することが可能である。
【0018】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、部品の処理液に浸漬されない部分を気体によ
り覆うことができるから、防窒化剤あるいは防浸炭剤を
用いることなく、所望の部分のみに部分窒化焼入または
部分浸炭焼入を行なうことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をドリリングタッピンねじの部分窒化焼
入に適用した一実施例の原理図である。
【図2】図1における保持板の説明図である。
【図3】容器の他の実施例の断面図である。
【図4】本発明により製造されたドリリングタッピンね
じの側面図である。
【図5】図4のドリリングタッピンねじの縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1 ドリリングタッピンねじ 2 処理液 3 保持板 4 容器 4a 底板 5 ガス流入管 6 流入圧力調整用レギュレータ 7 大気放出管 8 流出圧力調整用レギュレータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16B 25/10 A 7127−3J

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 部品の部分窒化焼入、部分浸炭焼入方法
    において、部品の一部を処理液に浸漬し、他の部分を空
    気または化学的に安定なガスにより覆うことを特徴とす
    る部品の部分窒化焼入、部分浸炭焼入方法。
JP3240514A 1991-08-27 1991-08-27 部品の部分窒化焼入、部分浸炭焼入方法 Expired - Fee Related JP3050964B2 (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001158955A (ja) * 1999-12-03 2001-06-12 Nippon Techno:Kk 浸硫焼入処理、浸硫浸炭処理および浸硫浸炭窒化処理方法
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JP2007046088A (ja) * 2005-08-09 2007-02-22 Yuki Koshuha:Kk 浸窒焼入品及びその製造方法
CN103614688A (zh) * 2013-11-20 2014-03-05 青岛德盛机械制造有限公司 一种渗碳淬火曲柄螺纹及其加工方法和保护套
TWI464272B (ja) * 2012-04-24 2014-12-11
JP2016023344A (ja) * 2014-07-23 2016-02-08 トヨタ自動車株式会社 鋼材の製造方法

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