JPH0561297B2 - - Google Patents
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- JPH0561297B2 JPH0561297B2 JP10562588A JP10562588A JPH0561297B2 JP H0561297 B2 JPH0561297 B2 JP H0561297B2 JP 10562588 A JP10562588 A JP 10562588A JP 10562588 A JP10562588 A JP 10562588A JP H0561297 B2 JPH0561297 B2 JP H0561297B2
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Description
産業用の利用分野
本発明は、汎用高分子成形表面に塩基性モノマ
ーからの重合体を効率的に形成させる表面改質方
法に関するものであり、この方法により新たな塩
基性の機能表面層が成形できるので分離膜、吸着
材、生体適合材料、酵素固定化材料等の作製手段
として利用することができる。 従来の技術 グロー放電プラズマ処理により表面選択的に高
分子を活性化ののち、モノマーを反応させるプラ
ズマグラフト重合については今日よく知られ、さ
まざまなモノマー種と高分子基材との組み合わせ
で反応が検討されている。この方法は、プラズマ
プロセスにおける表面特異性を利用したものであ
り、従つて高分子基体のバルクとしての特性を最
大限生かした形でグラフト重合層による機能化を
図ることができるところに特徴がある。類似のプ
ロセスで、例えば放射線グラフト重合等の場合に
は放射線の浸透力が大きいために高分子の内部ま
でグラフト重合層が形成され、それに伴いバルク
としての性質も大いに影響を受けることになる。 このプラズマグラフト重合は、プラズマ処理と
モノマーによるグラフト重合という2つのプロセ
スを経るために、それぞれの段階でさまざまのや
り方が可能であり、それに従つて反応性も異なつ
てくる。 例えば、モノマーは気体状態でも反応させるこ
ともできるし、また一定濃度の溶液としても反応
させることもできる。グラフト重合は一般には同
じ系内で脱気真空条件下に行うのが効率は高い
が、チツ素、アルゴンガス等不活性ガスの雰囲気
下にも可能である。さらに、プラズマ処理した高
分子基体をあらかじめ酸素、あるいは空気に接触
させ、過酸化物を形成させてこれを熱分解したオ
キシラジカルを経由してグラフト重合を行うこと
もできる。 このプラズマグラフト重合によつて得られた材
料は、先に述べたような特徴のために各種分野へ
の応用が図られており、例えば以下のような例が
ある。 アクリル酸プラズマグラフト重合処理によるポ
リエステルの親水性と防汚性の改善(テキスタイ
ル インダストリイ誌、第91頁、1975年)、同じ
くアクリル酸によるプラズマグラフト重合処理の
のち、ナトリウムイオン化によるポリエステルの
吸湿性と制電性の改善(繊維学会誌、第43巻、第
722頁、1987年)、フツ素系置換アクリル酸エステ
ル化物によるプラズマグラフト重合処理ポリエス
テル染色物の深色化加工(高分子論文集、第38
巻、第615頁、1983年)、アクリル酸等親水性モノ
マーによるプラズマグラフト重合処理による重金
属吸着材(日本化学会誌、第831頁、1983年)、ピ
ニルピリジンのグラフト重合後、塩酸4級イオン
化処理物によるアニオン系界面活性剤の吸着材
(ジヤーナル オブ アプライド ポリマー、サ
イエンス誌、第27巻、第1735頁、1982年)、親水
性モノマーのプラズマグラフト重合処理による透
水化膜(特開昭第59−160504号)、アクリル酸プ
ラズマグラフト重合処理多孔膜による水−アルコ
ール分離膜(特願昭60−269951号、ジヤーナル
オブ アプライド ポリマー、サイエンス誌、第
34巻、第1159頁、1987年)、メタクリル酸プラズ
マグラフト重合処理多孔膜による水−アルコール
分離膜(インダストリアル、エンジニアリング
ケミカル リサーチ誌、第26巻、第1287頁、1987
年)、等。 このように、プラズマグラフト重合はその特徴
を生かしたさまざまの応用分野で新材料開発のた
めの有力な手段として期待が高まつている。 発明が解決しようとする課題 しかしながら、プラズマグラフト重合において
はモノマーによる反応性の差が大きく、ビニルピ
リジンのような塩基性モノマーは一般に重合性が
小さい、塩基性モノマーからの重合素材は、生体
適合材料、分離膜材料、等の機能性材料として期
待が大きいにもかかわらず、重合性が乏しいため
にその応用は極めて制限されていた。応用の拡大
を図るためには、重合性を上げることが不可欠の
課題であつた。 課題を解決するための手段 本発明者らは、この課題を克服すべく種々検討
の結果本発明に至つた。すなわち、高分子基体表
面にプラズマ処理を施したのち、先ずアクリル
酸、又はメタクリル酸をグラフト重合させ、あら
かじめ酸性の層を形成させておき、これに塩基性
モノマーを反応させることにより、塩基性グラフ
ト重合層が効率的に形成できることを見出した。 すなわち、本発明は高分子基体表面に塩基性モ
ノマーからのプラズマグラフト重合層を効率的に
形成させる表面改質方法を提供するものである。 本発明に適用される高分子基体としては、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ
塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフツ化ビ
ニリデン、ポリ−4−フツ化エチレン、ポリエス
テル、ナイロン、ポリブタジエン、天然ゴム、ポ
リアクリロニトリル、セルロースを挙げることが
できる。 また、これら高分子基体のプラズマによる前処
理方法は特に決定されるものではなく、放電プラ
ズマの発生方法としては、数KHz〜数十KHzの
オーデイオ波、13.56MHzのラジオ波、さらに波
長の短いGHzオーダーのマイクロ波を利用する
ことができるが、放電の安定的な発生の面からは
ラジオ波の利用が好適である。 プラズマガス源としては、高分子基体を損傷さ
せることのない気体であればいずれでも差し支え
ないが、特にヘルウム、アルゴン等の希ガス、チ
ツ素、あるいは高分子基体から生成する残留無機
ガスが適当である。 プラズマ処理条件としては、一般には0.01〜
1.0トールのガス圧の下、5〜100ワツトのパワー
で5秒〜10分間が用いられ得るが、0.02〜0.2ト
ール、5〜20ワツト、10秒〜2分間の条件がより
好適である。 塩基性モノマーのグラフト重合の前処理として
のアクリル酸、メタクリル酸のグラフト重合量と
しては0.01〜1.0mg/cm2が適当である。 本発明に適用される塩基性ビニルモノマーとし
ては、4−、3−および2−ビニルピリジン、N
−ビニルピロリドン,2−ビニルイミダゾール、
N−メチル−2−ビニルイミダゾール、N−ビニ
ルイミダゾール、メタクリル酸−2−ジメチルア
ミノエチルを挙げることができる。 次に、プラズマグラフト重合について簡単に述
べる。この方法は前述のとおり、(1) プラズマ処
理による活性化前処理、(2)ビニルモノマーによる
グラフト重合の2つの段階を経て行われる。 まず、プラズマ処理による高分子の表面活性化
については良く知られてるとおりであり、例え
ば、J.R.ホーラン、A.T.ベル編著「プラズマ化学
の技術と応用」、ワイリー、ニユーヨーク,1974
年、等の著書や総説に詳しい。 放電プラズマ中に生成するラジカルやイオン等
の高エネルギー活性種は、高分子表面の極く薄い
層で反応し、高分子鎖を構成するC−C結合、C
−H結合に開裂を生じさせ、高分子ラジカルが形
成される。これより引き続きラジカル同志の再結
合や脱離反応を経て架橋や不飽和結合が生成す
る。あるいは酸素等の活性ガスとの反応によつて
極性基が新たに導入される。 一方、以上の副次的な反応に与ることのなかつ
た高分子ラジカルは、ビニル系モノマーを接触さ
せることによつてグラフト重合を開始することが
できる。すなわち、グラフト重合開始点として利
用することができる。 このようなプラズマグラフト重合は公知であ
り、その応用についても繊維や高分子膜の改質を
目的としての検討がなされている(例えば、繊維
と工業、第41巻、、第388頁、1985年、等参照)。 また、グラフト重合性の改善等を目的としてさ
まざまの工夫が試みられている。例えば、共グラ
フト重合が挙げられる。例えば2−アクリルアミ
ド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸やメタ
クリル酸−2−ジメチルアミノエチルは単独では
グラフト重合しないが、アクリル酸やアクリルア
ミドとともに混合水溶液として反応させると高い
効率でグラフト重合する(日本化学会誌、第831
頁、1983年)。 本発明は、塩基性モノマーをグラフト重合させ
る際に高分子基体表面にあらかじめ酸性の層を設
けておき、この上に反応させるものであるが、こ
の方法は塩基性モノマーのグラフト重合効率促進
の上で有効である。これは塩基性モノマーが酸性
のグラフト基盤表面と相互作用して反応性が向上
しているものである。 モノマーのホモ重合においては、類似の挙動は
良く知られるところである。すなわち、ある種の
モノマーのラジカル重合において、それと反対の
性質の高分子を添加してやると重合の加速を促す
ことができる(大津著、「ラジカル重合(1)素反応
論」第100頁、1955年,等)。例えば、4−ビニル
ピリジンはポリアクリル酸、ポリスチレンスルホ
ン酸、ポリエチレンスルホン酸を添加することに
よつて直ちに重合し、4級化した重合体を与え
る。一方、逆にアクリル酸、メタクリル酸のラジ
カル重合系にポリ(N−ビニル−2−ピロリド
ン)、ポリエチレンイミン等の塩基性高分子を加
えると重合速度の加速が認められる。これは酸−
塩基間で錯体を形成し、モノマーが配列して速や
かにラジカル重合が進むようになるためとされて
いる。 これと同じ作用が働いて、本発明の方法による
グラフト重合においても重合性が促進されている
ものと考えられる。すなわち、あらかじめ形成さ
れた酸性グラフト重合層に対して塩基性モノマー
が酸−塩基相互作用によつて吸着され易く、しか
も表面層にはラジカル活性が維持されているので
ブロツク的にグラフト重合が進み、グラフト重合
性は酸−塩基相互作用による分だけ促進される。 発明の効果 本発明の表面改質方法によれば、高分子基体表
面に効率良く塩基性モノマーからのグラフト重合
体を形成することができるので、分離膜、吸着材
料、イオン交換膜、酸素固定化材料、吸湿・吸水
材料等のような一定量以上の層を設けた表面改質
機能材料の作成法として用いることができる。 次に本発明を実施例によつてさらに詳細に説明
する。 実施例 1 6センチメートル四方に切り取つたポリプロピ
レン多孔フイルム(セルガード2500)を、内径30
mm、長さ240mmの反応管の内壁に装着し、0.02ト
ールまで真空排気してこの残留ガスをプラズマ源
として用い、プラズマ処理を行つた。プラズマ処
理は13.56MHzのラジオ波で誘導結合方式で励気
する方法で放電を発生させて行つた。まず、10ワ
ツトの出力下、60秒間のプラズマ照射処理のの
ち、あらかじめ脱気処理しておいたアクリル酸を
気相で導入し、室温で2時間反応させた。反応
後、脱気して未反応のアクリル酸を除去し、これ
に改めて脱気4−ビニルピリジンを導入し、8時
間反応させた。十分な真空排気と水洗により非グ
ラフト化物を除去したのち、重量測定の結果、全
体で0.825mg/cm2の重量増加が認められた。なお、
アクリル酸のみの2時間のグラフト重合量は0.48
mg/cm2であつたので、正味0.345mg/cm2の4−ビ
ニルピリジンがグラフト重合したことになる。 比較例 1 実施例1と同様の方法でポリプロピレンフイル
ムを処理したのち、4−ビニルピリジンを単独で
8時間反応させたときのグラフト重合量は0.081
mg/cm2であつた。 実施例 2 実施例1と同様の方法で、まずメタクリル酸を
グラフト重合させたのち、4−ビニルピリジンを
グラフト重合させることにより、正味0.225mg/
cm2の付加体が得られた。 実施例 3 実施例1と同じ方法でポリプロピレンフイルム
をプラズマ処理ののち、アクリル酸をグラフト重
合させ、引き続き脱気したメタクリル酸−2−ジ
メチルアミノエチルの5%水溶液を加え、60℃に
て2時間反応させた。セルガード2400、2500で、
それぞれ0.106mg/cm2、0.097mg/cm2のグラフト重
合付加体が得られた。 実施例 4 実施例3と同様の方法であらかじめアクリル酸
を用いて処理ののち、メタクリル酸−2−ジメチ
ルアミノエチルの10%水溶液を加え、60℃にて2
時間反応させた。セルガード2400、2500で、それ
ぞれ0.094mg/cm2、0.150mg/cm2のグラフト重合付
加体が得られた。 実施例 5 実施例3と同様の方法であらかじめメタクリル
酸を用いて処理ののち、メタクリル酸−2−ジメ
チルアミノエチルの5%水溶液を加え、60℃にて
2時間反応させた。セルガード2400、2500で、そ
れぞれ0.061mg/cm2、0.058mg/cm2のグラフト重合
付加体が得られた。 応用例 1 実施例1で得られたアクリル酸グラフト重合層
の上にポリ(4−ビニルピリジン)の重合層を設
けた多孔膜を用い、パーベーパレーシヨンの方法
により水−エタノール分離について検討を加え
た。40℃における結果は次のとおりであり、水の
選択分離性を示した。
ーからの重合体を効率的に形成させる表面改質方
法に関するものであり、この方法により新たな塩
基性の機能表面層が成形できるので分離膜、吸着
材、生体適合材料、酵素固定化材料等の作製手段
として利用することができる。 従来の技術 グロー放電プラズマ処理により表面選択的に高
分子を活性化ののち、モノマーを反応させるプラ
ズマグラフト重合については今日よく知られ、さ
まざまなモノマー種と高分子基材との組み合わせ
で反応が検討されている。この方法は、プラズマ
プロセスにおける表面特異性を利用したものであ
り、従つて高分子基体のバルクとしての特性を最
大限生かした形でグラフト重合層による機能化を
図ることができるところに特徴がある。類似のプ
ロセスで、例えば放射線グラフト重合等の場合に
は放射線の浸透力が大きいために高分子の内部ま
でグラフト重合層が形成され、それに伴いバルク
としての性質も大いに影響を受けることになる。 このプラズマグラフト重合は、プラズマ処理と
モノマーによるグラフト重合という2つのプロセ
スを経るために、それぞれの段階でさまざまのや
り方が可能であり、それに従つて反応性も異なつ
てくる。 例えば、モノマーは気体状態でも反応させるこ
ともできるし、また一定濃度の溶液としても反応
させることもできる。グラフト重合は一般には同
じ系内で脱気真空条件下に行うのが効率は高い
が、チツ素、アルゴンガス等不活性ガスの雰囲気
下にも可能である。さらに、プラズマ処理した高
分子基体をあらかじめ酸素、あるいは空気に接触
させ、過酸化物を形成させてこれを熱分解したオ
キシラジカルを経由してグラフト重合を行うこと
もできる。 このプラズマグラフト重合によつて得られた材
料は、先に述べたような特徴のために各種分野へ
の応用が図られており、例えば以下のような例が
ある。 アクリル酸プラズマグラフト重合処理によるポ
リエステルの親水性と防汚性の改善(テキスタイ
ル インダストリイ誌、第91頁、1975年)、同じ
くアクリル酸によるプラズマグラフト重合処理の
のち、ナトリウムイオン化によるポリエステルの
吸湿性と制電性の改善(繊維学会誌、第43巻、第
722頁、1987年)、フツ素系置換アクリル酸エステ
ル化物によるプラズマグラフト重合処理ポリエス
テル染色物の深色化加工(高分子論文集、第38
巻、第615頁、1983年)、アクリル酸等親水性モノ
マーによるプラズマグラフト重合処理による重金
属吸着材(日本化学会誌、第831頁、1983年)、ピ
ニルピリジンのグラフト重合後、塩酸4級イオン
化処理物によるアニオン系界面活性剤の吸着材
(ジヤーナル オブ アプライド ポリマー、サ
イエンス誌、第27巻、第1735頁、1982年)、親水
性モノマーのプラズマグラフト重合処理による透
水化膜(特開昭第59−160504号)、アクリル酸プ
ラズマグラフト重合処理多孔膜による水−アルコ
ール分離膜(特願昭60−269951号、ジヤーナル
オブ アプライド ポリマー、サイエンス誌、第
34巻、第1159頁、1987年)、メタクリル酸プラズ
マグラフト重合処理多孔膜による水−アルコール
分離膜(インダストリアル、エンジニアリング
ケミカル リサーチ誌、第26巻、第1287頁、1987
年)、等。 このように、プラズマグラフト重合はその特徴
を生かしたさまざまの応用分野で新材料開発のた
めの有力な手段として期待が高まつている。 発明が解決しようとする課題 しかしながら、プラズマグラフト重合において
はモノマーによる反応性の差が大きく、ビニルピ
リジンのような塩基性モノマーは一般に重合性が
小さい、塩基性モノマーからの重合素材は、生体
適合材料、分離膜材料、等の機能性材料として期
待が大きいにもかかわらず、重合性が乏しいため
にその応用は極めて制限されていた。応用の拡大
を図るためには、重合性を上げることが不可欠の
課題であつた。 課題を解決するための手段 本発明者らは、この課題を克服すべく種々検討
の結果本発明に至つた。すなわち、高分子基体表
面にプラズマ処理を施したのち、先ずアクリル
酸、又はメタクリル酸をグラフト重合させ、あら
かじめ酸性の層を形成させておき、これに塩基性
モノマーを反応させることにより、塩基性グラフ
ト重合層が効率的に形成できることを見出した。 すなわち、本発明は高分子基体表面に塩基性モ
ノマーからのプラズマグラフト重合層を効率的に
形成させる表面改質方法を提供するものである。 本発明に適用される高分子基体としては、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ
塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフツ化ビ
ニリデン、ポリ−4−フツ化エチレン、ポリエス
テル、ナイロン、ポリブタジエン、天然ゴム、ポ
リアクリロニトリル、セルロースを挙げることが
できる。 また、これら高分子基体のプラズマによる前処
理方法は特に決定されるものではなく、放電プラ
ズマの発生方法としては、数KHz〜数十KHzの
オーデイオ波、13.56MHzのラジオ波、さらに波
長の短いGHzオーダーのマイクロ波を利用する
ことができるが、放電の安定的な発生の面からは
ラジオ波の利用が好適である。 プラズマガス源としては、高分子基体を損傷さ
せることのない気体であればいずれでも差し支え
ないが、特にヘルウム、アルゴン等の希ガス、チ
ツ素、あるいは高分子基体から生成する残留無機
ガスが適当である。 プラズマ処理条件としては、一般には0.01〜
1.0トールのガス圧の下、5〜100ワツトのパワー
で5秒〜10分間が用いられ得るが、0.02〜0.2ト
ール、5〜20ワツト、10秒〜2分間の条件がより
好適である。 塩基性モノマーのグラフト重合の前処理として
のアクリル酸、メタクリル酸のグラフト重合量と
しては0.01〜1.0mg/cm2が適当である。 本発明に適用される塩基性ビニルモノマーとし
ては、4−、3−および2−ビニルピリジン、N
−ビニルピロリドン,2−ビニルイミダゾール、
N−メチル−2−ビニルイミダゾール、N−ビニ
ルイミダゾール、メタクリル酸−2−ジメチルア
ミノエチルを挙げることができる。 次に、プラズマグラフト重合について簡単に述
べる。この方法は前述のとおり、(1) プラズマ処
理による活性化前処理、(2)ビニルモノマーによる
グラフト重合の2つの段階を経て行われる。 まず、プラズマ処理による高分子の表面活性化
については良く知られてるとおりであり、例え
ば、J.R.ホーラン、A.T.ベル編著「プラズマ化学
の技術と応用」、ワイリー、ニユーヨーク,1974
年、等の著書や総説に詳しい。 放電プラズマ中に生成するラジカルやイオン等
の高エネルギー活性種は、高分子表面の極く薄い
層で反応し、高分子鎖を構成するC−C結合、C
−H結合に開裂を生じさせ、高分子ラジカルが形
成される。これより引き続きラジカル同志の再結
合や脱離反応を経て架橋や不飽和結合が生成す
る。あるいは酸素等の活性ガスとの反応によつて
極性基が新たに導入される。 一方、以上の副次的な反応に与ることのなかつ
た高分子ラジカルは、ビニル系モノマーを接触さ
せることによつてグラフト重合を開始することが
できる。すなわち、グラフト重合開始点として利
用することができる。 このようなプラズマグラフト重合は公知であ
り、その応用についても繊維や高分子膜の改質を
目的としての検討がなされている(例えば、繊維
と工業、第41巻、、第388頁、1985年、等参照)。 また、グラフト重合性の改善等を目的としてさ
まざまの工夫が試みられている。例えば、共グラ
フト重合が挙げられる。例えば2−アクリルアミ
ド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸やメタ
クリル酸−2−ジメチルアミノエチルは単独では
グラフト重合しないが、アクリル酸やアクリルア
ミドとともに混合水溶液として反応させると高い
効率でグラフト重合する(日本化学会誌、第831
頁、1983年)。 本発明は、塩基性モノマーをグラフト重合させ
る際に高分子基体表面にあらかじめ酸性の層を設
けておき、この上に反応させるものであるが、こ
の方法は塩基性モノマーのグラフト重合効率促進
の上で有効である。これは塩基性モノマーが酸性
のグラフト基盤表面と相互作用して反応性が向上
しているものである。 モノマーのホモ重合においては、類似の挙動は
良く知られるところである。すなわち、ある種の
モノマーのラジカル重合において、それと反対の
性質の高分子を添加してやると重合の加速を促す
ことができる(大津著、「ラジカル重合(1)素反応
論」第100頁、1955年,等)。例えば、4−ビニル
ピリジンはポリアクリル酸、ポリスチレンスルホ
ン酸、ポリエチレンスルホン酸を添加することに
よつて直ちに重合し、4級化した重合体を与え
る。一方、逆にアクリル酸、メタクリル酸のラジ
カル重合系にポリ(N−ビニル−2−ピロリド
ン)、ポリエチレンイミン等の塩基性高分子を加
えると重合速度の加速が認められる。これは酸−
塩基間で錯体を形成し、モノマーが配列して速や
かにラジカル重合が進むようになるためとされて
いる。 これと同じ作用が働いて、本発明の方法による
グラフト重合においても重合性が促進されている
ものと考えられる。すなわち、あらかじめ形成さ
れた酸性グラフト重合層に対して塩基性モノマー
が酸−塩基相互作用によつて吸着され易く、しか
も表面層にはラジカル活性が維持されているので
ブロツク的にグラフト重合が進み、グラフト重合
性は酸−塩基相互作用による分だけ促進される。 発明の効果 本発明の表面改質方法によれば、高分子基体表
面に効率良く塩基性モノマーからのグラフト重合
体を形成することができるので、分離膜、吸着材
料、イオン交換膜、酸素固定化材料、吸湿・吸水
材料等のような一定量以上の層を設けた表面改質
機能材料の作成法として用いることができる。 次に本発明を実施例によつてさらに詳細に説明
する。 実施例 1 6センチメートル四方に切り取つたポリプロピ
レン多孔フイルム(セルガード2500)を、内径30
mm、長さ240mmの反応管の内壁に装着し、0.02ト
ールまで真空排気してこの残留ガスをプラズマ源
として用い、プラズマ処理を行つた。プラズマ処
理は13.56MHzのラジオ波で誘導結合方式で励気
する方法で放電を発生させて行つた。まず、10ワ
ツトの出力下、60秒間のプラズマ照射処理のの
ち、あらかじめ脱気処理しておいたアクリル酸を
気相で導入し、室温で2時間反応させた。反応
後、脱気して未反応のアクリル酸を除去し、これ
に改めて脱気4−ビニルピリジンを導入し、8時
間反応させた。十分な真空排気と水洗により非グ
ラフト化物を除去したのち、重量測定の結果、全
体で0.825mg/cm2の重量増加が認められた。なお、
アクリル酸のみの2時間のグラフト重合量は0.48
mg/cm2であつたので、正味0.345mg/cm2の4−ビ
ニルピリジンがグラフト重合したことになる。 比較例 1 実施例1と同様の方法でポリプロピレンフイル
ムを処理したのち、4−ビニルピリジンを単独で
8時間反応させたときのグラフト重合量は0.081
mg/cm2であつた。 実施例 2 実施例1と同様の方法で、まずメタクリル酸を
グラフト重合させたのち、4−ビニルピリジンを
グラフト重合させることにより、正味0.225mg/
cm2の付加体が得られた。 実施例 3 実施例1と同じ方法でポリプロピレンフイルム
をプラズマ処理ののち、アクリル酸をグラフト重
合させ、引き続き脱気したメタクリル酸−2−ジ
メチルアミノエチルの5%水溶液を加え、60℃に
て2時間反応させた。セルガード2400、2500で、
それぞれ0.106mg/cm2、0.097mg/cm2のグラフト重
合付加体が得られた。 実施例 4 実施例3と同様の方法であらかじめアクリル酸
を用いて処理ののち、メタクリル酸−2−ジメチ
ルアミノエチルの10%水溶液を加え、60℃にて2
時間反応させた。セルガード2400、2500で、それ
ぞれ0.094mg/cm2、0.150mg/cm2のグラフト重合付
加体が得られた。 実施例 5 実施例3と同様の方法であらかじめメタクリル
酸を用いて処理ののち、メタクリル酸−2−ジメ
チルアミノエチルの5%水溶液を加え、60℃にて
2時間反応させた。セルガード2400、2500で、そ
れぞれ0.061mg/cm2、0.058mg/cm2のグラフト重合
付加体が得られた。 応用例 1 実施例1で得られたアクリル酸グラフト重合層
の上にポリ(4−ビニルピリジン)の重合層を設
けた多孔膜を用い、パーベーパレーシヨンの方法
により水−エタノール分離について検討を加え
た。40℃における結果は次のとおりであり、水の
選択分離性を示した。
【表】
応用例 2
応用例1のフイルムを、2%塩酸水溶液を用い
て室温にて20分間処理ののち、応用例1と同様の
方法にて水−エタノール分離について検討を加え
た。40℃にておける結果は次のとおりであつた。
て室温にて20分間処理ののち、応用例1と同様の
方法にて水−エタノール分離について検討を加え
た。40℃にておける結果は次のとおりであつた。
【表】
酸処理により、選択分離性は幾分低下したが、
透過速度が著しく増加している。
透過速度が著しく増加している。
Claims (1)
- 1 高分子基体表面にプラズマ処理を施したの
ち、先ずアクリル酸、又はメタクリル酸をグラフ
ト重合させ、次いで塩基性モノマーをグラフト重
合させることを特徴とする表面改質方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10562588A JPH01275639A (ja) | 1988-04-28 | 1988-04-28 | 表面改質方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10562588A JPH01275639A (ja) | 1988-04-28 | 1988-04-28 | 表面改質方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH01275639A JPH01275639A (ja) | 1989-11-06 |
| JPH0561297B2 true JPH0561297B2 (ja) | 1993-09-06 |
Family
ID=14412671
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10562588A Granted JPH01275639A (ja) | 1988-04-28 | 1988-04-28 | 表面改質方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH01275639A (ja) |
Families Citing this family (11)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE69119688T2 (de) * | 1990-10-10 | 1997-01-16 | Minnesota Mining & Mfg | Pfropfcopolymere und Pfropfcopolymer-/Protein- Zusammensetzungen |
| FR2677368B1 (fr) * | 1991-06-10 | 1994-09-30 | Inst Textile De France | Procede de greffage comportant un traitement electrique sous atmosphere d'azote. |
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| AUPR404801A0 (en) * | 2001-03-28 | 2001-04-26 | Polymerat Pty Ltd | A method of polymerization |
| US8273403B2 (en) | 2002-05-10 | 2012-09-25 | Bio-Layer Pty Ltd. | Generation of surface coating diversity |
| EP1700244A4 (en) | 2003-12-12 | 2009-07-08 | Bio Layer Pty Ltd | PROCESS FOR THE PREPARATION OF SURFACES |
| WO2006002472A1 (en) | 2004-07-02 | 2006-01-12 | Bio-Layer Pty Ltd | Use of metal complexes |
| JP5763564B2 (ja) * | 2012-02-01 | 2015-08-12 | 住友ゴム工業株式会社 | 表面改質方法及び表面改質弾性体 |
| CN102921319B (zh) * | 2012-11-09 | 2015-02-25 | 杭州水处理技术研究开发中心有限公司 | 一种中空纤维扩散渗析酸回收膜的制备方法 |
| CN107602901B (zh) * | 2017-08-25 | 2020-11-20 | 中国科学院理化技术研究所杭州研究院 | 高密度接枝酸基催化细菌裂解的抗生物被膜材料及其制备方法和应用 |
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-
1988
- 1988-04-28 JP JP10562588A patent/JPH01275639A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH01275639A (ja) | 1989-11-06 |
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| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| EXPY | Cancellation because of completion of term |