JPH0562301B2 - - Google Patents
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- JPH0562301B2 JPH0562301B2 JP63018481A JP1848188A JPH0562301B2 JP H0562301 B2 JPH0562301 B2 JP H0562301B2 JP 63018481 A JP63018481 A JP 63018481A JP 1848188 A JP1848188 A JP 1848188A JP H0562301 B2 JPH0562301 B2 JP H0562301B2
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Description
価を測定する方法および測定用キツトに関するも
のである。 「従来の技術」 血清又は血漿等の性物学的液体中の抗DNA抗
体の測定は、全身性紅斑狼瘡(SLE:Systemic
Lupus Erythematosus)の診断に極めて重要な
検査となつている。この抗DNA抗体には、(1)二
本鎖DNAにのみ反応する抗体、(2)二本鎖及び一
本鎖DNAに反応する抗体、(3)一本鎖DNAにのみ
反応する抗体が知られている。これらのうち、(1)
及び(2)の抗体はSLE患者の血中に特異的に見ら
れ、診断上重要であるが、(3)の抗体は他の疾患
(慢性関節リウマチ、シエーグレン症候群等)で
も出現する為、診断の有用性は低い。二本鎖
DNAを抗原とすると、(1)及び(2)の抗体が反応し、
一本鎖DNAを抗原とすると、(2)及び(3)の抗体が
反応する。この為SLEに対し、特異性の高い診断
を行う為には、純粋な二本鎖DNAを抗原とした
抗DNA抗体測定系が重要である。 このような抗DNA抗体価の測定法としては、
赤血球凝集反応法、放射免疫測定法(RIA法)、
酵素免疫測定法(EIA法)がある。 赤血球凝集反応法は、RIA法、EIA法に比べ、
安価なために広く用いられているが、感度、定量
性に欠けるという欠点がある。これに対し、RIA
法、EIA法は感度と定量性がよく、SLE患者の重
篤度または回復度とよく相関するために臨床上極
めて有効である。 その中で、Farr法といわれる標識DNAを用い
た方法は最も高感度で精度の良い手法として現在
広く普及している。Farr法では、DNAを放射能
で標識したDNAトレーサーと患者検体中の抗
DNA抗体を反応させた後、終濃度が50%飽和と
なるように硫安(硫酸アンモニウム)水溶液を加
えて混和後、遠心分離し、イムノグロブリンを沈
澱させ、イムノグロブリンと結合して沈澱した放
射能(DNA量)より抗体価を算出する。これは、
50%飽和硫安水溶液中でDNAが沈澱せず、抗体
と結合したDNAは沈澱する、という原理に基づ
いている。 「発明が解決しようとする課題」 これまで行われてきた抗DNA抗体測定系には
下記の問題点があつた。 (イ) 測定系内の抗原分子数の管理 (ロ) 抗二本鎖DNA抗体測定系への一本鎖DNAの
混入 (ハ) 抗体価と抗原結合量の直線性、 これらの点について、それぞれ従来技術を説明
する。 〔従来技術〕 (イ) 測定系内の抗原分子数の管理について、 これまでの抗DNA抗体測定系においては、
その抗原として牛胸腺DNA(特開昭58−56694
号公報)、ヒト培養細胞DNA(Pincusら、The
New England Journal of Medicine.(1969)
281 P701)、Crithidia属のネツトワークDNA
を精製したもの(特開昭60−78349号公報)ま
た、牛胸腺DNAを超音波で切断したもの(特
開昭57−42632号公報)が用いられてきた。こ
れらのDNAは全て不均一な長さ(分子量)の
DNA分子より構成されている。この不均一性
(どういう長さのDNAがどういう割合で入つて
いるか)は、調製したロツトにより異なる為、
このようなDNAのモル濃度を管理する事は事
実上不可能である。 抗体の測定系において、系内の抗原の量は測
定値にとつて非常に重要である。特にFarr法
のように、抗体価を結合抗原量から求める測定
系では、その抗原量はモル濃度によつて常に一
定に管理されなければならない。通常の抗体測
定系、例えばリウマチ因子(変性IgGに対する
抗体)の測定系では、抗原が一定の分子量を持
つ為、抗原を重量濃度で管理すれば、同時にモ
ル濃度による管理が可能である。これに対し、
上述の不均一なDNA(分子量が広い分布をもつ
て存在しているDNA)のような抗原の場合は、
重量濃度とモル濃度が一定の関係を示さない。 本願発明者は、従来の抗DNA抗体の測定法
が、測定系内の抗原量がモル数として一定に管
理されていないところに、測定の精度を悪化さ
せている大きな原因があることに気付いたので
ある。 (ロ) 一本鎖DNAの混入について 既に述べたように、一本鎖DNAに対する抗
体はSLE以外の疾患でも出現する為、抗二本鎖
DNA抗体の測定系では、一本鎖DNAの混入が
できるだけ少ない二本鎖DNAを抗原として用
いなければならない。このような目的の為に、
特開昭57−42632号公報ではS1ヌクレアーゼ処
理、特開昭58−56694号公報ではS1ヌクレアー
ゼ処理後ハイドロキシアパタイトによる精製を
行つている。S1ヌクレアーゼは一本鎖DNAを
特異的に分解する酵素として知られているが、
実際には二本鎖DNAの分子中に一本鎖DNA切
断(Nick)を入れてしまう。(宍戸ら、蛋白質
核酸酵素、30、p981(1985))このようなNick
を持つた二本鎖DNAは、保存中に分解して一
本鎖DNAを生ずる可能性があり、このような
抗原の不安定性については既に指摘されてい
る。(東条ら、日本臨床1985秋季増刊(下)、
p197)また、S1ヌクレアーゼ処理した二本鎖
DNAは末端に若干の一本鎖DNA部分を含んで
いる事も知られており(宍戸ら、前掲)S1ヌ
クレアーゼ処理は、二本鎖DNAの純度、安定
性といつた点で必ずしも完全とはいえない。 また、ハイドロキシアパタイトによる精製
は、完全な二本鎖DNA分子と完全な一本鎖
DNA分子の分離には適するが、二本鎖DNAの
末端あるいは中央部等に若干の一本鎖DNA部
分を含むような分子を、完全な二本鎖DNAか
ら分離する事は困難である。 さらに重大な問題は、不均一な分子量を持つ
DNA分子を抗原としている場合、一本鎖DNA
の混入量を評価する事が極めて難しいという事
である。不均一な二本鎖DNAと、それに由来
する一本鎖DNA又は一部に一本鎖部分を持つ
二本鎖DNAは、電気泳動、ゲルろ過、超遠心、
ハイドロキシアパタイトカラムといつた通常の
DNAの分析に用いられる手法では分離分析で
きない。従つて、従来法では一本鎖DNAを除
く処理をした後、部分的に一本鎖部分を持つ二
本鎖DNAと、完全な二本鎖DNAの区別は不可
能であつた。この為、一本鎖DNAの抗原への
混入あるいは保存中に一本鎖DNAが生ずる可
能性が常に指摘されており(東条ら、前掲)そ
れを否定する明確な反論はなされていない。 (ハ) 抗体価と抗原結合量の直線性について Farr法に於いては、抗体価と抗原結合量の
直線性についても従来法では問題があつた。前
述した様にFarr法は抗DNA抗体の量を抗体に
結合した抗原の量(放射能)より算出する手法
である。従つて抗体価を正確に求めるには抗原
と抗体が1対1の比で結合する事が最も理想的
で、その様な状態で結合抗原分子数と結合抗体
分子数が等しくなる。抗DNA抗体の測定系で
は抗原DNAに対して抗体が十分に少ない場合
は抗原と抗体が1対1で結合するが、抗体が高
濃度になると、一つの抗原に複数の抗体が結合
するようになる。このような状態では、抗
DNA抗体量が増加しても、結合抗原量はさほ
ど増加せず、抗体価と抗原結合量の直線性が悪
くなる。これはいわゆる“標準曲線が寝る”と
いう状態であり、測定精度を悪化させる大きな
原因となつている。本願発明者は、これは抗原
に用いるDNAの長さが長すぎる為、一つの抗
原に複数の抗体が結合する確率が高くなること
に起因しているということに気付いたのであ
る。 従来、Farr法に於けるDNAの長さは、抗体
の結合量に影響し(Aarden et al.、Journal
of Immunological Methods、10 39−48
(1976))、「抗体の検出感度は分子量、すなわち
鎖の長さに比例することが認められる。(東条
毅、臨床免疫 12(10) 776−773(1980))」と理
解され、DNAの長さはある一定以上が必要と
考えられていた。従つてこれまで抗体価と抗原
結合量の直線性という観点から、DNA分子の
長さを考慮した例はない。 「課題を解決するための手段」 上記従来の課題に対し、本願発明者らは鋭意研
究を重ねたところ、DNAトレーサーとして、プ
ラスミドDNA等の二本鎖環状DNAを制限酵素で
切断して得られる直線状二本鎖DNAを標識して
成るDNAトレーサーを用いることにより、前述
の各問題点に対し、辻のような効果を奏すること
を見出した。 (イ) 抗原のモル濃度による管理 前述したように特異抗体の測定系に於いて
は、その測定系内の抗原量がモル濃度で管理さ
れなければならない。この事を解決するために
は、抗原を製造する際に、常に抗原の単位重量
中に含まれる抗原分子数を一定にコントロール
できなければならない。この目的の為、本願発
明者は遺伝子組換え型又は天然型プラスミド
DNA等の二本鎖環状DNAを制限酵素で切断し
たものを用いた。この方法によれば、抗原
DNAの単位重量あたりの抗原分子数を常に一
定なものとする事ができる。例えば、実施例1
では、1442bpと989bpの長さを持つDNAの
1:1の混合物が得られる。 一定分子量のDNAを調製する方法として高
分子DNAを超音波や酵素により切断した後、
電気泳動、ゲルろ過又は超遠心等を用いた分子
量分画も理論的には考えられる。しかし、これ
らの手法では、最も理想的な状態で分離して得
られたDNA分子でも、ある程度の分子量の分
布をもつており、本発明で用いるDNAのよう
な単位重量中に常に一定分子数を含むものには
なり得ない。さらに、これらの分子量分画法で
は極く少量の抗原DNAしか分画できず、手法
も煩雑であつて、測定キツトの商業スケールで
の製造という点では極めて困難な手法である。
従つて、単位重量中常に一定の分子数を含む
DNAの製造方法としては、組換え型又は天然
型プラスミド等の二本鎖環状DNAを材料とし
て用いるのが最もよい。 (ロ) 一本鎖DNAの混入 一般鎖DNAの混入を最小にする方法として
も組換え型又は天然型のプラスミドDNA等の
二本鎖環状DNA(二本鎖閉環状DNA)は最適
である。二本鎖閉環状DNA(ccc−DNA)は最
初から一本鎖DNAを全く含まない分子である。
ccc−DNAは、染色体又はccc−DNAの分解に
由来する直線状DNAとは浮遊密度等の物理的
性質が大きく異なる為、CsCl密度勾配超遠心、
電気泳動、ゲルろ過等の遺伝子組換えでよく用
いられる手法で精製すれば、極めて高純度の二
本鎖環状DNAとして得る事が可能である。ま
たこれを材料として実施例にあげたBan、
Cfr、Avaのような制限酵素で切断すると、
末端に最大で4baseの一本鎖部分が生じる。こ
のような短い一本鎖DNA部分は後述する実施
例で用いているクレノー酵素等により、簡単に
完全な二本鎖DNAへと修復できる。 さらに、このようなDNA分子の利用により、
一本鎖DNAあるいは他のDNA分子の混入量の
管理が極めて明確になる。組換え型又は天然型
プラスミド等の二本鎖環状DNAは、電気泳動、
超遠心、ゲルろ過等の物理的手法によつて他の
DNAと簡単にしかも明確に分別分析できる。
また、電気泳動では、二本鎖環状DNAそのも
ののみならず、それを制限酵素で切断した断片
もその他のDNAと区別できる。従つてDNAを
標識後、電気泳動を行い、DNAのバンドの放
射能等を測定することにより、目的とする
DNAトレーサー以外のDNA(一本鎖DNAもこ
の中に含まれる)の混入度を正確に管理する事
が可能となる。 以上のように、遺伝子組換え型又は天然型プ
ラスミド等の二本鎖環状DNAに由来する一定
の長さのDNAを用いる事により、抗二本鎖
DNA測定系における一本鎖DNAの混入という
問題が克服される事を見出した。 (ハ) 抗体価と抗原結合量の直線性 前記したように抗原として長いDNA分子を
用いると、一つの抗原に複数の抗体が結合する
確率が高くなり、これが従来法で抗体価と抗原
結合量の直線性を悪くし、ひいては測定の精度
を落とす原因となる。 本願発明者は、組換え型又は天然型プラスミ
ド等の二本鎖環状DNAを制限酵素で切断すれ
ば、任意で一定の長さのDNAが得られる事に
注目し、様々な長さのDNA抗原を用いて、抗
体価と結合抗原量の直線性を検討した。その結
果、DNA抗原はその長さが十分に短いと、抗
原と抗体が1対1で結合する確率が高くなる
(すなわち、良好な直線性を示す領域が長くな
る)事が判明した。 後述する実施例3、4、5、6及び比較例1、
2、3に、0.1〜6.6kbpの125I−DNAを用いた
Farr法の標準曲線例を示し、さらにDNA分子の
長さと抗原結合率(B/T)との関係をより明確
にするために各標準曲線のデータを表3に示し
た。この表3は、0U/mlから50U/mlまでの抗
原結合率の増加率(X)と50U/mlから100U/mlま
での抗原結合率の増加率(Y)を比較したもので、
Y/Xが小さい程、標準曲線の直線性が悪い、す
なわち標準曲線が寝る状態になる。 この表3において、例えばDNAトレーサーの
長さが3.2kbpでは50〜100U/mlの結合率の増加
分は0〜50U/mlの増加分の64%である。これは
抗原結合率から抗体価を読み取る時、0〜50U/
mlの領域に比べ、50〜100U/mlの領域での抗原
結合率と測定変動による抗体価の変動は1/0.64
倍大きくなることを意味している。例えば、0〜
50U/mlでの測定の変動係数(CV値)が平均5
%であるとすると、50〜100U/mlでは平均7.8%
となる。これに対し、DNAの長さが4.4〜6.6kbp
では、50〜100U/mlの変動(誤差)が0〜
50U/mlの3倍程度となる。通常のRIAの変動係
数を5〜10%とすると、3.2kbpの長さDNAを用
いた測定系では、50〜100mlでの測定が7.8〜15.6
%と推定され、測定精度の許容範囲内であるが、
4.4〜6.6kbpでは、それが15〜30%となり、もは
や測定精度の許容範囲を超えるものと考えられ
る。また、Y/Xをトレーサーの長さに対してプ
ロツトすると、第12図のようになり、4.4kbp以
上では標準曲線の直線性が急激に悪化することが
わかる。 従つてDNAの長さが3.2kbp以下であれば、良
好な「抗体価と抗原結合量の直線性」が得られる
ことになる。 理論的には、DNAの長さは、抗DNA抗体が結
合できる長さであれば、短い程良好な直線性を示
すことになる。しかしながら、二本鎖DNAは、
長さが短くなるほど、一本鎖DNAに解離する傾
向が強くなる。また、0.1kbp以下な長さの二本鎖
DNAを、一本鎖DNAを含まず大量に製造するこ
とは極めて困難である。従つて本発明では、理想
的なDNAトレーサーとして、0.1〜3.2kbpの長さ
のDNAトレーサーを採用した。 以上述べた様に、本発明は、抗原とするDNA
トレーサーとして、二本鎖環状DNAを制限酵素
で切断して得られる0.1〜3.2kbpの長さを有する
直線状二本鎖DNAを標識して成るDNAトレーサ
ーを用いることを、課題解決の手段とした。 本発明に於いては、まず、組換え型又は天然型
プラスミドDNA等の二本鎖環状DNAを含む生物
を選択する。 このような生物としては大腸菌
(Escherichiacoli)、Bacillus subtilis、
Pseudomonas putidaのような細菌、
Saccharomyces cereviciae等の酵母が利用可能
である。ここでは大腸菌のプラスミドを例にとり
説明する。プラスミドをもつ大腸菌を適当な培地
で培養し、菌体を遠心、ろ過等の方法で集める。
次に菌体を、リゾチームのような溶菌酵素、ドデ
シル硫酸ナトリウムのような界面活性剤、フエノ
ールのようなタンパク変性剤等によつて溶菌し、
フエノール抽出等により除タンパクを行い、核酸
を抽出する。この核酸はDNAとRNAを含むの
で、RNA分解酵素でRNAを分解し粗DNA画分
を得る。この粗DNA画分は、プラスミドDNAお
よび染色体由来DNA及びプラスミド由来の断片
化したDNAを含むので、CsCl平衡密度勾配超遠
心、ゲルろ過、ハイドロキシアパタイトカラム、
電気泳動等の方法でccc−DNA(プラスミド
DNA)を分離する。このようにして得られたccc
−DNAは極めて高純度の二本鎖DNAであり、こ
のことはアガロースゲル電気泳動や、ゲルろ過等
を利用したHPLC等で確認できる。 続いて、このccc−DNAを適当な制限酵素で切
断し、0.1〜3.2kbpのDNA断片を生ぜしめる。こ
の時の制限酵素は、EcoR 、Hind 、
BamH 、Ban 等のあらゆる制限酵素が利
用可能であるが、目的の長さのDNA断片を生じ
るように慎重に選ぶ必要がある。得られたDNA
断片はin vitroで標識する。従来は125I−シチヂ
ン、14C−チミジン、3H−チミジン等をヒト培養細
胞や大腸菌細胞等にとり込ませ、DNAを標識す
るいわゆるin vivo標識法がよく用いられていた。
このin vivo標識法も本発明に応用可能であるが、
in vitro標識法は標識しない抗原の大量の在庫が
可能である為、製造の手間が大巾に省略され、ま
た、抗原ロツト間の誤差という問題も少なくでき
ること、更には放射能を取り扱う作業時間が短縮
されること等、in vivo標識法に比べて様々な利
点がある。 DNAのin vitroの標識法としては、所謂「ニ
ツクトランスレーシヨン法」に代表されるDNA
分子の中ほどに標識する方法と、DNA末端のみ
に標識する方法とがある。このうちニツクトラン
スレーシヨン法は、最も比活性の高いDNAが得
られる良い標識法であり、通常最もよく用いられ
る。しかし、この標識法では、DNA分子の中ほ
どに一本鎖切断(いわゆるニツク)を入れる結果
となり、二本鎖DNAの安定性が悪化してしまう。
これに対し、末端のみに標識する方法は、DNA
分子にニツク等のキズをつける事がない為、二本
鎖DNAが最も安定した状態で標識される。この
ような末端標識法としてはポリヌクレオチドキナ
ーゼを用いる方法、DNAポリメラーゼ・ラージ
フラグメント(クレノー酵素)を用いる方法、
T4−DNAポリメラーゼを用いる方法、ターミナ
ルオキシトランスフエラーゼ(TdT)を用いる
方法が可能である。 標識は、125I、14C、3H、32P等の放射性物質、パー
オキシダーゼ、アルカリ性フオスフアターゼ、β
−ガラクトシダーゼ等の酵素、蛍光物質、化学的
発光物質で標識されたデオキシリボヌクレオチド
リン酸等を用いて行い得る。又はビオチン化デオ
キシリボヌクレオチドリン酸などを用い、放射性
物質、酵素、蛍光物質、化学的発光物質で標識し
たアビジンを用いて間接的に標識する事も可能で
ある。 測定は標識されたDNAトレーサーと患者検体
中の抗DNA抗体を適当な緩衝液中で反応させる。
反応後、抗体と結合したトレーサー(結合トレー
サー)と抗体結合しなかつたトレーサー(遊離ト
レーサー)を分離する。Farr法においては、終
農度50%飽和の硫安水溶液により結合トレーサー
のみを沈澱させるが、ポリエチレングリコール
(PEG)法、抗ヒトイムノグロブリン抗体等を用
いた2抗体法、あるいはPEC法と2抗体法を組
み合せた方法によつて結合トレーサーのみを沈澱
させる事も可能である。又、ゲルろ過等のカラ
ム、超遠心、電気泳動等の結合トレーサーと遊離
トレーサーを分離できる全ての方法が利用可能で
ある。 測定系の標準物質としては、通常は高濃度の抗
DNA抗体を持つ患者血清又は血漿を希釈して用
いているが、二本鎖DNAに対する特異抗体は
SLE患者のみに見られるものであつて、他の動物
より得ることはできず、倫理的にも、また安定供
給の面からも問題があつた。従つてこのような患
者の血清又は血漿の他にも、上記の結合トレーサ
ーと遊離トレーサーの分離法が利用できるもので
あれば、あらゆるDNA結合性のタンパクが標準
物質として利用可能である。このようなタンパク
としては、ヒストン、アグルーチニン、リゾチー
ム、リボヌクレアーゼA、トリプシン、キモトリ
プシン、チトクロームC等、塩基性タンパクが考
えられるが、塩基性タンパクであれば、これらに
限られる訳ではない。これらのタンパクは、ヒト
以外の生物から容易、かつ純粋に得ることができ
るため、標識物質のロツト間誤差を小さくするこ
とができ、供給も安定化することが可能となる。 次に実施例を用いて、具体的に説明する。 実施例 1 () 試薬の調製 (i) DNAトレーサーの作製 プラスミドpNDPC1を持つE coli
K12 JM109株をLB培地(1%トリプト
ン、0.5%酵母エキス、0.5%NaCl)で培養
し、通常の方法でプラスミドを精製する。
pNDPC1の制限酵素地図は、第1図に示
すようである。すなわち、この地図に示す
ように、プラスミドpNDPC1は、pUC18
(Yanisch Perron、C.et al.、Gene 33:
103(1985))が部分的にCfrにより切断さ
れ、その後、そのままT4−DNAリガーゼ
により結合されてなるものである。この場
合の選択マーカはApRおよびIac-であつ
た。 pNDPCIをI10mM Tris・HCl(PH8.5)、
7mM MgCl2、20mM NaCl、7mM
2メルカプトエタノール、0.01%牛血清
アルブミン]を含む水溶液中で、制限酵素
Cfrにより切断する。 このDNA断片を、[50mM Tris・HCl
(PH7.2)、10mM MgSO4、1mMジチオ
スレイトール、500μg/ml牛血清アルブ
ミン、1mMdGTP]を含む水溶液中に溶
解し、125I−dCTPとDNAポリメラーゼ
・ラージフラグメント(クレノー酵素)
を加え、標識を行う。 この反応液をセフアデツクスG25カラム
により標識DNAを未反応125I−dCTPから
分離する。これを[50mMホウ酸ナトリウ
ム、15mM EDTA、0.01%NaN3]を含
む水溶液に終濃度0.1μCi/mlとなるように
溶解する。これをトレーサー溶液とする。 (ii) 標準溶液の作製 Ip moleのDNAに結合するタンパク量を
1000Uと定義した。 牛胸腺ヒストンを[50mMリン酸カリウム
(PH7.4)、0.15M NaCl]を含む水溶液に、
それぞれ0、3、10、30、60、100U/mlと
なるように溶解した。 (iii) 硫酸アンモニウム水溶液の作製 硫酸アンモニウム390gを1の蒸留水に
溶解する。 () 測定操作 (i) 試験管に標準溶液または血清(サンプル)
を20μ入れる。 (ii) トレーサー溶液を200μ加え、37℃2時
間保温する。 (iii) 硫酸アンモニウム溶液を1ml加え、よく混
和する。 (iv) 1500℃、15分遠心し、上澄みを吸引除去す
る。 (v) 井戸型シンチレーシヨンカウンターを用い
て、各試験管の放射能を測定する。 (vi) 標準曲線を作製し、血清(サンプル)の抗
DNA抗体価を読み取る。第2図は、このよ
うにして得た抗DNA抗体価の標準曲線であ
る。 実際に本測定法で測定した値と、従来の抗
DNA抗体価測定用キツト(アマーシヤム社製
の抗DNA抗体価測定用キツト)で測定した値
を表1に示す。 【表】 実施例 2 () 試薬の調製 (i) DNAトレーサーの作製 前記実施例1の()の(i)と同様とした。 (ii) 標準溶液の作製 赤血球凝集反応法で抗DNA抗体価+++
+の患者の血清をそれぞれ0、6、12、45、
87、178U/mlとなるように馬血清にて希釈
し、標準溶液とした。 (iii) 硫酸アンモニウム水溶液の作製 硫酸アンモニウム390gを1の蒸留水に
溶解する(前記実施例1と同様)。 () 測定操作 標準溶液を前記(ii)の血清とする以外は実施例
1と同様にした。 第3図は、この時の標準曲線を示す。 このようにして実際に本測定法で測定した値
と、従来の抗DNA抗体価測定用キツト(アマ
ーシヤム社製の抗DNA抗体価測定用キツト)
で測定した値を前記同様に表1に示した。 実施例 3 この実施例は、1.1kbpと1.2kbpのDNA断片を
125Iにより標識して、これをトレーサーとし、
SLE患者血清を標準物質とした例である。 () 試薬の調整 (i) DNAトレーサーの作製 前記実施例1で用いたプラスミド
pNDPCIを[10mM Tris・HCl、7m
MMgCl2、7mM 2−メルカプトエタノ
ール、0.1%牛血清アルブミン(PH8.0)]
を含む水溶液中で、制限酵素Banにより
切断する。この切断により、pNDPC1は、
1.1kbp、1.2kbpの2本のDNA断片となる。 これらのDNA断片を、それぞれ[50m
M Tris・HCl(PH7.2)、10mM MgSO4、
1mMジチオスレイトール、500μg/ml
牛血清アルブミン、1mM dGTP、1m
M dATP、1mM dTTP)PH7.2)]を
含む水溶液中に溶解し、125I−dCTPと
DNAポリメラーゼ・ラージフラグメン
ト(クレノー酵素)を加え、標識を行う。 これらの反応液をセフアデツクスG25カ
ラムにより標識DNAを未反応125I−dCTP
から分離する。これを[50mMホウ酸ナト
リウム、15mM EDTA、0.01%NaN3]
を含む水溶液に終濃度0.2μCi/mlとなるよ
うに溶解する。これらをトレーサー溶液と
する。 (ii) 標準溶液の作製 抗DNA抗体価600U/mlのSLE患者血清を
馬血清に、それぞれ0、5、10、25、50、
100U/mlとなるように溶解した。 (iii) 硫酸アンモニウム水溶液の作製 硫酸アンモニウム390gを1の蒸留水に
溶解する。 () 測定操作 (i) 試験管に標準溶液または血清(サンプル)
を25μ入れる。 (ii) トレーサー溶液を200μ加え、37℃2時
間保温する。 (iii) 硫酸アンモニウム溶液を1ml加え、よく混
和する。 (iv) 1500G、15分遠心し、上澄みを吸引除去す
る。 (v) 井戸型シンチレーシヨンカウンターを用い
て、各試験管の放射能を測定する。 (vi) 標準曲線を作製し、血清(サンプル)の抗
DNA抗体価を読み取る。 第4図は、このようにして得た抗DNA抗体
価の標準曲線である。図に見るように、抗
DNA抗体価と抗原結合率(B/T)の直線性
が良好であつた。 実施例 4 この実施例は、141、313、315、368、475、
1307、1444bpのDNA断片を125Iにより標識して、
これをトレーサーとし、SLE患者血清を標準物質
とした例である。 () 試験調整 (i) DNAトレーサーの作製 プラスミドpBR322(Sanger.F.et al、
J、Mol.Biol.125 225−246.(1978))を
[10mM Tris・HCl、10mM MgCl2、
100mM NaCl、10mM 2−メルカプト
エタノール(PH7.3)]を含む水溶液中で、
制限酵素TthHB8Iにより切断する。この
切断によりDNAは、141、313、315、368、
475、1307、1444bpの7本の断片となる。 これらのDNA断片を、[50mM Tris・
HCl(PH7.2)、10mM MgSO4、1mMジ
チオスレイトール、500μg/ml牛血清ア
ルブミン、1mM dGTP、1mM
dATP、1mM dTTP(PH7.2)]を含む
水溶液中に溶解し、125I−dCTPとDNAポ
リメラーゼI・ラージフラグメント(クレ
ノー酵素)を加え、標識を行う。 これらの反応液をセフアデツクスG25カ
ラムにより標識DNAを未反応125I−dCTP
から分離する。これを[50mMホウ酸ナト
リウム、15mM EDTA、0.01%NaN3]
を含む水溶液に終濃度0.1μCi/mlとなるよ
うに溶解する。これをトレーサー溶液とす
る。 (ii) 標準溶液の作製 抗DNA抗体価600U/mlのSLE患者血清を
馬血清に、それぞれ0、5、10、25、50、
100U/mlとなるように溶解した。 (iii) 硫酸アンモニウム水溶液の作製 硫酸アンモニウム390gを1の蒸留水に
溶解する。 () 測定操作 (i) 試験管に標準溶液または血清(サンプル)
を25μ入れる。 (ii) トレーサー溶液を200μ加え、37℃2時
間保温する。 (iii) 硫酸アンモニウム溶液を1ml加え、よく混
和する。 (iv) 1500G、15分遠心し、上澄みを吸引除去す
る。 (v) 井戸型シンチレーシヨンカウンターを用い
て、各試験管の放射能を測定する。 (vi) 標準曲線を作製し、血清(サンプル)の抗
DNA抗体価を読み取る。第5図は、このよ
うにして得た抗DNA抗体価の標準曲線であ
る。図に見るように、抗DNA抗体価と抗原
結合率(B/T)の直線性が良好であつた。 実施例 5 この実施例は、2.2kbpのDNA断片を125Iにより
標識して、これをトレーサーとし、SLE患者血清
を標準物質とした例である。 前記実施例4で用いたプラスミドpBR322を
[10mM Tris・HCl、7mM MgCl2、7mM
2−メルカプトエタノール(PH7.3)]を含む水
溶液中で、制限酵素PstIとAvaIにより切断する。
この切断によりプラスミドは2.2kbpの2本の
DNA断片となる。このDNA断片を用いる他は、
前記実施例3と同様に操作して標準曲線を作製
し、血清(サンプル)の抗DNA抗体価を読み取
る。第6図は、このようにして得た抗DNA抗体
価の標準曲線である。図に見るように、抗DNA
抗体価と抗原結合率(B/T)の直線性が良好で
あつた。 実施例 6 この実施例は、3.2kbpのDNA断片を125Iにより
標識して、これをトレーサーとし、SLE患者血清
を標準物質とした例である。 プラスミドpUC118(Vieira、J.et al.、Method
in Enzymology、153 3−11(1987))を[10m
M Tris・HCl、7mM MgCl2、60mM
NaCl(PH7.5)]を含む水溶液中で、制限酵素
Hindにより切断する。この切断によりプラス
ミドpUC118は、3.2kbpの1本のDNA断片とな
る。このDNA断片を用いる他は前記実施例3と
同様に操作して標準曲線を作製し、血清(サンプ
ル)の抗DNA抗体価を読み取る。 第7図は、このようにして得た抗DNA抗体価
の標準曲線である。図に見るように、抗DNA抗
体価と抗原結合率(B/T)の直線性が良好であ
つた。 実施例 7 この実施例では、補体CIqの影響を調べた。 正常者の血清における補体の影響を検討した。
10例の正常者の血清を、 そのまま(補体が活性を持つた状態) 56℃30分処理による非働化後(補体が失活し
た状態)、のそれぞれでDNAトレーサー への結合を調べた。DNAトレーサーは、(a)前記
実施例3で用いたトレーサー(二本鎖DNAトレ
ーサー、dsDNA)、(b)前記実施例3のトレーサー
を95℃1分間処理した後、氷中で急冷することに
より作製した一本鎖DNAトレーサー(ssDNA)、
の2種類を用いた。 各トレーサーDNAへの結合率(B/T)は、
(50%飽和硫安沈澱中のカウント)/(全カウン
ト)で表した。これを表2に示した。この表の
B/T値は、(Mean±SD)値であり、単位は%
である。 表から明らかなように、本発明の二本鎖DNA
(dsDNA)では、補体失活(非働化)の効果は全
く見られず、このトレーサーを用いた測定法が
CIq等の補体の影響を受けないことがわかる。 一方、一本鎖DNA(ssDNA)では、非働化前
後で結合率な大きな差が見られ、血清検体中の補
体成分が測定に影響していることが明確に示され
ている。 【表】 実施例 8 この実施例では、健常者およびSLEを含む種々
の疾患の患者の計213例を前記実施例3に述べた
方法により測定した。その結果を第8図に示す。 健常者140例の測定により、正常者を6U/ml以
下に設定したところ、活動期SLEでは96.4%(27
例/28例中)、非活動期SLEでは62.5%(30例/
48例中)、その他の膠原病では4.4%(2例/46例
中)が陽性であつた。 比較例 1 この比較例は4.4kbpのDNA断片を125Iにより標
識してこれをトレーサーとし、SLE患者血清を標
準物質とした例である。 () 試薬の調製 前記実施例4で用いたプラスミドpBR322
を〔10mM Tris・HCl、7mM MgCl2、
60mM NaCl(PH7.5)〕を含む水溶液中で、
制御酵素Hindにより切断する。この切断
により、pBR322は4.4kbpの1本のDNA断
片となる。 このDNA断片を、[50mM Tris・HCl
(PH7.2)、10mM MgSO4、1mMジチオス
レイトール、500μg/ml牛血清アルブミン、
1mM dGTP、1mM dATP、1mM
dTTP(PH7.2)]を含む水溶液中に溶解し、
125I−dCTPとDNAポリメラーゼI・ラージ
フラグメント(クレノー酵素)を加え、標識
を行う。 この反応液をセフアデツクスG25カラムに
より標識DNAを未反応125I−dCTPから分離
する。これを[50mMホウ酸ナトリウム、15
mM EDTA、0.01%NaN3]を含む水溶液
に終濃度0.1μCi/mlとなるように溶解する。
これをトレーサー溶液とする。 (ii) 標準溶液の作製 抗DNA抗体価600U/mlのSLE患者血清
を馬血清に、それぞれ0、5、10、25、
50、100U/mlとなるように溶解した。 (iii) 硫酸アンモニウム水溶液の作製 硫酸アンモニウム390gを1の蒸留水
に溶解する。 () 測定操作 (i) 試験管に標準溶液または血清(サンプル)
を25μ入れる。 (ii) トレーサー溶液を200μ加え、37℃2時
間保温する。 (iii) 硫酸アンモニウム溶液を1ml加え、よく混
和する。 (iv) 1500G、15分遠心し、上澄みを吸引除去す
る。 (v) 井戸型シンチレーシヨンカウンターを用い
て、各試験管の放射能を測定する。 (vi) 標準曲線を作製し、血清(サンプル)の抗
DNA抗体価を読み取る。 第9図は、このようにして得た抗DNA抗体
価の標準曲線である。図に見るように、抗
DNA抗体価50U/ml以上の領域で標準曲線が
なだらかとなり、直線性が悪くなつている。 比較例 2 この比較例は、5.4kbpのDNA断片を125Iにより
標識して、これをトレーサーとし、SLE患者血清
を標準物質とした例である。 大腸菌のバクテリオフアージ由来のレプリカテ
イブフオームφx174・RF・DNA(Sanger、F.et
al、.J.Mol.Biol.125 225−246、(1978))を[10
mM Tris・HCl(PH8.5)、7mM MgCl2、7
mM 2−メルカプトエタノール(PH7.3)]を含
む水溶液中で、制限酵素Avaにより切断する。
この切断によりDNAは5.4kbpの断片となる。こ
のDNA断片を用い、前記比較例1と同様の操作
を行つた。 第10図は、このようにして得た抗DNA抗体
価の標準曲線である。図に見るように、抗DNA
抗体価50U/ml以上の領域で標準曲線がなだらか
となり、直線性が悪くなつている。 比較例 3 この比較例は、天然に存在するプラスミド
DNAから調製した6.6kbpのDNA断片を125Iによ
り標識して、これをトレーサーとし、SLE患者の
血清を標準物質とした例である。 大腸菌由来 ColEl、DNA(Chan P.T.et al、
J.Bid.Chem.260 8925−8935、(1985))を[10
mM Tris・HCl、7mM MgCl2、10mM
NaCl、7mM 2−メルカプトエタノール(PH
7.3)]を含む水溶液中で、制限酵素Avaにより
切断する。この切断によりDNAは、6.6kbpの断
片となる。 このDNA断片を用い、前記比較例1と同様の
操作を行つた。 第11図は、このようにして得た抗DNA抗体
価の標準曲線である。図に見るように、抗DNA
抗体価50U/ml以上の領域で標準曲線がなだらか
となり、直線性が悪くなつている。前記実施例
3、4、5、6と、比較例1、2、3でそれぞれ
得られた結果を、以下の表3にまとめた。この表
3は、通常の臨床検査に用いられている0〜
100U/mlの範囲での抗DNA抗体価と抗原結合率
(B/T)の直線性を比較するためのもので、0
〜50U/mlの結合率の増加(=X)と、50〜
100U/mlの結合率の増加(=Y)とを比較した
ものである。 【表】 表3から分かるように、この表3において、例
えばDNAトレーサーの長さが3.2kbpでは50〜
100U/mlの結合率の増加分は0〜50U/mlの増
加分の64%である。これは抗原結合率から抗体価
を読み取る時、0〜50U/mlの領域に比べ、50〜
100U/mlの領域での抗原結合率の測定変動によ
る抗体価の変動は1/0.64倍大きくなることを意
味している。例えば、0〜50U/mlでの測定の変
動係数(CV値)が平均5%であるとすると、50
〜100U/mlでは平均7.8%となる。これに対し、
DNAの長さが4.4〜6.6kbpでは、50〜100U/ml
の変動(誤差)が0〜50U/mlの3倍程度とな
る。通常のRIAの変動係数を5〜10%とすると、
3.2kbpの長さのDNAを用いた測定系では、50〜
100U/mlでの測定が測定7.8〜15.6%と推定され、
測定精度の許容範囲内であるが、4.4〜6.6kbpで
は、それが15〜30%となり、もはや測定精度の許
容範囲を超えるものと考えられる。また、表3に
示すデータ中の(Y/X)をDNAトレーサーの
長さ(kbp)に対してプロツトすると、第12図
のようになる。この図から明らかなように、
DNAトレーサーの長さが4.4kbp以上では標準曲
線の直線性が急激に悪化する。 従つてDNAの長さが3.2kbp以下であれば、良
好な「抗体価と抗原結合量の直線性」が得られる
ことがわかる。 「発明の効果」 以上説明したように、本願発明に係る生物学的
液体中の抗DNA抗体価の測定法および測定用キ
ツトによれば、試薬の安定供給が容易で、測定誤
差が少なく、正確な測定が可能となる。
pNDPC1の制限酵素地図を示すもので、第2図
は本発明の第1の実施例で得た抗DNA抗体の標
準曲線、第3図は本発明の第2の実施例で得た抗
DNA抗体の標準曲線、第4図は本発明の第3の
実施例で得た抗DNA抗体の標準曲線、第5図は
本発明の第4の実施例で得た抗DNA抗体の標準
曲線、第6図は本発明の第5の実施例で得た抗
DNA抗体の標準曲線、第7図は本発明の第6の
実施例で得た抗DNA抗体の標準曲線、第8図は
本発明の臨床的効果を確認するために行つた第8
の実施例の結果を示すもので、各種疾患における
抗DNA抗体価をプロツトしたグラフ、第9図は
比較例1で得たDNA抗体の標準曲線、第10図
は比較例2で得た抗DNA抗体の標準曲線、第1
1図は比較例3で得た抗DNA抗体の標準曲線、
第12図は表3に示すデータ中の(Y/X)を
DNAの長さ(kbp)に対してプロツトしたグラ
フである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 抗原とするDNAトレーサーと、このDNAト
レーサーに対して結合し得る標準物質とを用い、
免疫学的方法により生物学的液体中の抗DNA抗
体価を測定する測定法であつて、 前記DNAトレーサーとして、二本鎖環状DNA
を制限酵素で切断して得られる0.1kbp〜3.2kbpの
長さを有する直線状二本鎖DNAを標識して成る
DNAトレーサーを用いることを特徴とする生物
学的液体中の抗DNA抗体価の測定法。 2 前記二本鎖環状DNAが、細菌または酵母に
由来し、遺伝子組換法によつて調製された二本鎖
環状DNAである請求項1に記載の生物学的液体
中の抗DNA抗体価の測定法。 3 前記二本鎖環状DNAが、細菌または酵母に
由来し、天然に存在する二本鎖環状DNAである
請求項1に記載の生物学的液体中の抗DNA抗体
価の測定法。 4 前記DNAトレーサーの標識を放射性物質、
酵素、蛍光物質、化学的発光物質などの標識物質
で行なうことを特徴とする請求項1に記載の生物
学的液体中の抗DNA抗体価の測定法。 5 前記DNAトレーサーを標識する際にDNAポ
リメラーゼ・ラージフラグメント(クレノー酵
素)、ポリヌクレオチドキナーゼ、T4−DNAポ
リメラーゼ、ターミナルデオキシトランスフエラ
ーゼ等の酵素を用い、DNA分子の末端のみを標
識することを特徴とする請求項1に記載の生物学
的液体中の抗DNA抗体価の測定法。 6 前記標準物質として、ヒストン、アグルーチ
ニン、リゾチーム、リボヌクレアーゼ、トリプシ
ン、キモトリプシン、チトクロームC等の塩基性
タンパクを用いることを特徴とする請求項1に記
載の生物学的液体中の抗DNA抗体価の測定法。 7 抗原とするDNAトレーサーと、このDNAト
レーサーに対して結合し得る標準物質とを有し、
免疫学的方法により生物学的液体中の抗DNA抗
体価を測定するための測定用キツトであつて、 前記DNAトレーサーとして、二本鎖環状DNA
を制限酵素で切断して得られる0.1kbp〜3.2kbpの
長さを有する直線状二本鎖DNAを標識して成る
DNAトレーサーを用いたことを特徴とする生物
学的液体中の抗DNA抗体価の測定用キツト。 8 前記二本鎖環状DNAが、細菌または酵母に
由来し、遺伝子組換法によつて調製された二本鎖
環状DNAである請求項7に記載の生物学的液体
中の抗DNA抗体価の測定用キツト。 9 前記二本鎖環状DNAが、細菌または酵母に
由来し、天然に存在する二本鎖環状DNAである
請求項7に記載の生物学的液体中の抗DNA抗体
価の測定用キツト。 10 前記DNAトレーサーの標識を放射性物質、
酵素、蛍光物質、化学的発光物質などの標識物質
で行なつたことを特徴とする請求項7に記載の生
物学的液体中の抗DNA抗体価の測定用キツト。 11 前記DNAトレーサーを標識する際にDNA
ポリメラーゼ・ラージフラグメント(クレノー酵
素)、ポリヌクレオチドキナーゼ、T4−DNAポ
リメラーゼ、ターミナルデオキシトランスフエラ
ーゼ等の酵素を用い、DNA分子の末端のみを標
識したことを特徴とする請求項7に記載の生物学
的液体中の抗DNA抗体価の測定用キツト。 12 前記標準物質として、ヒストン、アグルー
チニン、リゾチーム、リボヌクレアーゼ、トリプ
シン、キモトリプシン、チトクロームC等の塩基
性タンパクを用いたことを特徴とする請求項7に
記載の生物学的液体中の抗DNA抗体価の測定用
キツト。
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| JP8818481A JPH0192660A (ja) | 1987-01-30 | 1988-01-28 | 生物学的液体中の抗dna抗体価の測定法および測定用キット |
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