JPH0577792B2 - - Google Patents
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- JPH0577792B2 JPH0577792B2 JP59178770A JP17877084A JPH0577792B2 JP H0577792 B2 JPH0577792 B2 JP H0577792B2 JP 59178770 A JP59178770 A JP 59178770A JP 17877084 A JP17877084 A JP 17877084A JP H0577792 B2 JPH0577792 B2 JP H0577792B2
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- Japan
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- yarn
- resin
- elongation
- hot
- tatami
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- Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
- Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
Description
(イ) 産業上の利用分野
本発明は、ポリビニルアルコール系合成繊維を
少なくとも50%含む、低伸度で、かつ低クリープ
率の糸条の製造方法に関するものである。 (ロ) 従来の技術 従来から、低伸度で、低クリープ率の糸条とし
ては、天然繊維の麻糸がよく知られており、畳表
用経糸、カーペツトのパツキングクロス、縫糸等
の産業資材の用途に広く用いられており、特に畳
表用経糸分野では、高級品の主流をなしている。 畳表用経糸が低伸度で、かつ低クリープ率であ
ることを必要とする理由は、畳表の整型性にあ
る。即ち高級畳表では、藺草を240〜280本/10cm
の密度で打込んでおり、製織時の経糸張力を2〜
3Kgにしなければ、それだけの本数は打込めな
い。そして製織後、張力を戻した畳表には、業界
で俗にいう、「行みだれ」(畳の目が整わない)、
「しかみ」、「たるみ」、「波うち」(畳表の藺草が均
一でない)などの現象が発生する場合がある。こ
れらの現象の発生は、その大部分が経糸物性と関
連しており、麻糸では発生し難く、一方伸度の高
い合成繊維では多発し、製織時の張力を極端に低
下させれば防止できるものの、その反面藺草の打
込み本数が低下し、高級な製品が得られない。又
製織後において、畳表として経糸に一定の緊張状
態が保たれるが、縫糸が低伸度の糸条であつても
クリープ率が大きい場合は、時間の経過と共に、
いわゆるクリープにより、徐々に塑性変形、即ち
塑性的伸びが生じ、畳表として上記と同様の「行
みだれ」等の現象が発生して外観をそこねること
になる。従つて、畳表用経糸としては、低伸度
で、低クリープ率であることが必要であり、低い
程好ましく、その物性値として引張強力8Kg以
上、切断伸度8%以下、引張応力8Kg時の伸度
3.5%以下、及びクリープ率(6Kg荷重1時間放
置後の伸度)4.5%以下であることが必要である。 ところで麻糸は、上記のごとく、低伸度で低ク
リープ率ではあるものの、高価で、強力が低く、
さらに糸条の太さ斑が大きく、又糸条表面が硬い
などの欠点を有し、経糸整経時あるいは製織時に
切断したり、又藺草切れを発生させて、生産性並
びに品質低下の原因となることが多い。そのた
め、一般的に安価で、高強力のものが得られやす
い、合成繊維の低伸度かつ低クリープ率の糸条の
出現が望まれている。しかし合成繊維では、糸条
の強度、太さ斑の問題は解決できても、低伸度で
低クリープ率の糸条を得るには大きな難点があ
る。即ち、一般に合成繊維は、熱延伸を施せばあ
る程度伸度とクリープ率は低下することが知られ
ているが、高分子物質の特性として、熱延伸での
急激な塑性変形は時間の経過とともに変化し、元
に戻る傾向があり、従つて目標の伸度を得るため
に必要な延伸率以上に熱延伸し熱固定しなければ
ならず、極めて低い伸度を得ようとすれば、必然
的に過度の熱延伸を行うこととなり、目標の伸度
のものを得るまでに破断してしまうことになる。 このため、ポリビニルアルコール系合成繊維よ
りなる糸条に、パラフイン等の樹脂を含浸した
後、延伸及び熱処理して、畳糸を得る方法が知ら
れている(特公昭35−15091号公報)。即ち、糸条
を延伸した後、そのままの状態を維持するよう
に、換言すれば低伸度の糸条となるように、樹脂
で固定してなる畳糸が知られている。しかし、こ
の糸条は、樹脂による固定が不十分で、前述した
ように畳表用経糸としての物性値を満足するもの
ではない。 また、ポリビニルアルコール系合成繊維よりな
る糸条の形態安定性を向上させるため、繊維素反
応型樹脂によつて、糸条を固定する方法も知られ
ている(特公昭42−24557号公報)。しかし、この
方法によつて得られる糸条もまた、前述した畳表
用経糸としての物性値を十分に満足するものでは
ない。 (ハ) 発明が解決しようとする問題点 そこで、本発明は、ポリビニルアルコール系合
成繊維を含有する糸条に、熱延伸を施すと共に、
繊維素反応型樹脂と硼酸又は硼砂よりなる架橋媒
介剤とを併用した樹脂で、糸条を固定することに
より、前述した畳表用経糸としての物性値を満足
する糸条が得られることを見出し、本発明に到達
したのである。なお、繊維素反応型樹脂と硼酸又
は硼砂を併用すると、ポリビニルアルコール系合
成繊維を含有する糸条の固定が良好となる理由は
定かではないが、ポリビニルアルコール分子−硼
酸又は硼砂−繊維素反応型樹脂という結合形態に
なつて、樹脂とポリビニルアルコール分子との結
合が強固になるからであると考えられる。従つ
て、ポリビニルアルコール分子−繊維素反応型樹
脂という結合形態であると、樹脂とポリビニルア
ルコール分子との結合が不十分で、ポリビニルア
ルコール系合成繊維を含有する糸条の固定が不良
となるのである。 (ニ) 問題点を解決するための手段及び作用 本発明は、ポリビニルアルコール系合成繊維を
少なくとも50%含む糸条を、切断伸度が8%以下
となるごとく、熱延伸する際又は熱延伸した後、
繊維素反応型樹脂と硼酸又は硼砂よりなる架橋媒
介剤を含む樹脂液により処理することを特徴とす
る低伸度糸条の製造方法である。 即ち、本発明の特徴とするところは、切断伸度
が8%以下の低伸度で、しかも低クリープ率の糸
条を得るため、(i)ビニロン繊維を少なくとも50%
含む糸条を、切断伸度が8%以下となるごとく熱
延伸を行うこと、次に(ii)前記熱延伸の際、又は熱
延伸後、糸条を繊維素反応型樹脂と硼酸又は硼砂
よりなる架橋媒介剤からなる樹脂液で処理するこ
とである。 本発明において、上記のごとく、糸条の素材繊
維の少なくとも50%をビニロン繊維とすることに
より、熱延伸によつて容易に低伸度の糸条が得ら
れ、又前記ビニロン繊維分子中の反応性に富む
OH基の存在により、繊維素反応型樹脂と反応し
て延伸効果が固定され、しかも樹脂液中に加えら
れた硼酸又は硼砂よりなる架橋媒介剤が、ビニロ
ン繊維と前記繊維素反応型樹脂との間に介在して
両者間を橋かけして一体化し、延伸糸条の延伸効
果の固定をより強固にすることができるものと推
定され、過度の熱延伸を行うことなく、容易に低
伸度で、しかも低クリープ率の糸条が得られるの
である。 本発明では、上述のごとく、ビニロン繊維を少
なくとも50%含む糸条を用いる。ビニロン繊維
は、ポリビニルアルコールを水に溶解し、紡糸口
金から凝固浴中に紡糸して製造されるが、凝固浴
として、(i)飽和芒硝浴を使用したもの、(ii)苛性ソ
ーダを使用したもの、(iii)上記(i)、(ii)の混合浴を使
用したもの、(iv)ポリビニルアルコール水溶液に硼
酸を添加し、アルカリ性芒硝浴中で紡糸したも
の、等のいずれでもよく、又(v)ポリビニルアルコ
ール水溶液を紡糸口金を通して空気中へ紡出し、
熱風中で脱水凝固させる、いわゆる乾式紡糸した
ものも利用することができる。これらのビニロン
繊維は、未アセタール化のもの、及びアセタール
化処理されたもののいずれでもよいが、未アセタ
ール化ビニロン繊維の方が延伸性、反応性の点か
ら、より好ましい。 ビニロン繊維はフイラメント糸又は紡績糸とし
て用いる。フイラメント糸の場合、マルチフイラ
メント送糸を用い、又ポリエステル系合成繊維、
ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフイ
ン系合成繊維などの他の合成繊維フイラメントを
50%未満混紡してもよい。紡績糸の場合、トウ紡
積糸及びカツト紡積糸のいずれでもよく、又他種
繊維を50%未満混撚してもよい。混紡する繊維と
しては、綿、レーヨン繊維等が効果的であるが、
上記の各種合成繊維も用いることができる。 本発明では、上記ビニロン繊維を50%以上含む
糸条を切断伸度が8%以下となるごとく熱延伸を
行う。熱延伸率は、延伸後の糸条の切断伸度が、
上記のごとく8%以下となる範囲で適宜選択すれ
ばよく、糸質にもよるが1〜30%の範囲が適当で
あり、通常3〜15%程度で十分である。熱延伸温
度は100℃〜300℃間で適宜選択できるが、高温の
方がより低伸度の糸条を得やすく、通常150℃〜
250℃で実施する。熱延伸後熱固定を行つてもよ
いが必ずしも必要ではなく、樹脂液処理で効果的
に固定することができる。 次に、本発明においては、上記の熱延伸によ
り、糸条を与えられる繊維分子の配列状態を固定
して、低伸度を保持し、クリープ率を低下させる
ため、熱延伸に際し、又は熱延伸後に糸条を樹脂
液で処理する。用いる樹脂は、繊維素反応型で、
尿素系、メラミン系、グリオキザール系、トリア
ジン系、ウロン系及びこれらの変性型等である。
又これらの樹脂を混合して用いてもよい。ビニロ
ン繊維は、上記の繊維素反応型樹脂と反応性を有
し、これらの樹脂だけで、ある程度繊維分子間の
架橋剤として機能するものの、本発明の目的とす
る熱延伸効果の固定のためには、なお不十分であ
り、架橋媒介剤を添加使用する必要がある。架橋
媒介剤は、ビニロン繊維と繊維素反応型樹脂との
間に介在して両者間を橋かけ反応するものと考え
られ、樹脂液の安定性及び処理糸条の着色等の関
係から、硼酸又は硼砂を用いる。 樹脂液組成は、繊維素反応型樹脂濃度0.5〜20
重量%で、硼酸又は硼砂よりなる架橋媒介剤は1
〜50重量%/樹脂の範囲が好ましく、1重量%/
樹脂未満では効果が不十分であり、又50重量%/
樹脂より多く用いても効果は変わらず、不経済で
あり、通常5〜30重量%/樹脂が好ましい。樹脂
液にはさらに必要量の触媒を添加し、又PHを5〜
9の範囲で、樹脂液の安定性、反応性等を勘案し
て適宜調節することが望ましい。 樹脂液による処理は、熱延伸前の糸条、又は熱
延伸後の糸条を樹脂液に浸漬し、絞つて付着量を
調整する。付着量は、固形分として0.5〜20重量
%/糸条の範囲でよく、1〜10重量%/糸条が最
も効率的である。樹脂液を付与した後、熱延伸前
の糸条の場合は、続いて通常の条件の熱延伸、即
ち上記のごとく100℃〜300℃で、1〜30%の延伸
を20〜90秒間で行い、熱延伸と樹脂処理における
キユアリングを同時に行うことができ、又熱延伸
後の糸条の場合は、予備乾燥した後、又は予備乾
燥も兼ねて、100℃〜200℃で20〜180秒間キユア
リングを行う。これらの一連の処理は緊張状態で
行う。 上記樹脂液処理を行つた糸条は、オイリング処
理することにより、平滑性、防温性を付与するこ
とができ、糸条の温度変化による影響を防止する
ことができる。この場合オイリング剤としては、
鉱物油、植物油、動物油のいずれでも用いられる
が、平滑性及び紡温性を考慮すると、鉱物油系の
シリコーンオイルが好ましく、オイリング剤の付
着量は1〜20重量%/糸条の範囲で適宜決定すれ
ばよい。又畳表用経糸及びカーペツトのパッキン
グクロス等に用いる場合には、必要に応じて防虫
剤、防黴剤等をオイリング剤と同様に処理するこ
とができる。 (ホ) 実施例 実施例 1 常法により芒硝浴紡糸した、1.1dの未アセター
ル化ビニロン繊維トウをバーロツク紡績し、1.5
番手の紡績糸を得た。糸条物性は、強力18Kg、伸
度11%であつた。この糸条を230℃で8%熱延伸
し、樹脂液〔メラミン系樹脂SR・M−3(住友化
学工業〓)40g/、樹脂触媒SR・ACX10重量
%/樹脂に、(A)硼酸5g/、(B)硼酸10g/を
それぞれ添加した水溶液(PH:8.0)〕に浸漬し、
絞つて付着量を調整し、100℃熱風中で20秒間予
備乾燥し、続いて200℃で45秒間キユアリングし
た。各処理は全て緊張状態で行つた。 比較例1として、樹脂液中へ硼酸を添加しない
ほかは、上記実施例と全て同様に処理した。又比
較例2として、上記実施例の樹脂液に代えてポリ
酢酸ビニル系エマルジヨン:ボンコート2830(大
日本インキ化学工業〓)を用いるほかは全く同様
に処理した。 各糸条の経日による伸度変化を測定し、処理後
3日目の各種物性を測定した。経日による伸度変
化を第1図に、各種物性値を第1表にそれぞれ示
した。 物性はJIS L−1067に準じて測定し、クリープ
率は6Kg荷重とした。又樹脂付着量はJIS L−
1047に準じて測定した。 第1表及び第1図に示すとおり、樹脂液中へ架
橋媒介剤である硼酸を添加して得られる糸条は、
経日による伸度変化が小さく、伸度の固定効果が
大きく、クリープ率も低い。繊維素反応型樹脂の
メラミン系樹脂のみの比較例1の糸条は、ポリ酢
酸ビニルエマルジヨンで処理した比較例2の
少なくとも50%含む、低伸度で、かつ低クリープ
率の糸条の製造方法に関するものである。 (ロ) 従来の技術 従来から、低伸度で、低クリープ率の糸条とし
ては、天然繊維の麻糸がよく知られており、畳表
用経糸、カーペツトのパツキングクロス、縫糸等
の産業資材の用途に広く用いられており、特に畳
表用経糸分野では、高級品の主流をなしている。 畳表用経糸が低伸度で、かつ低クリープ率であ
ることを必要とする理由は、畳表の整型性にあ
る。即ち高級畳表では、藺草を240〜280本/10cm
の密度で打込んでおり、製織時の経糸張力を2〜
3Kgにしなければ、それだけの本数は打込めな
い。そして製織後、張力を戻した畳表には、業界
で俗にいう、「行みだれ」(畳の目が整わない)、
「しかみ」、「たるみ」、「波うち」(畳表の藺草が均
一でない)などの現象が発生する場合がある。こ
れらの現象の発生は、その大部分が経糸物性と関
連しており、麻糸では発生し難く、一方伸度の高
い合成繊維では多発し、製織時の張力を極端に低
下させれば防止できるものの、その反面藺草の打
込み本数が低下し、高級な製品が得られない。又
製織後において、畳表として経糸に一定の緊張状
態が保たれるが、縫糸が低伸度の糸条であつても
クリープ率が大きい場合は、時間の経過と共に、
いわゆるクリープにより、徐々に塑性変形、即ち
塑性的伸びが生じ、畳表として上記と同様の「行
みだれ」等の現象が発生して外観をそこねること
になる。従つて、畳表用経糸としては、低伸度
で、低クリープ率であることが必要であり、低い
程好ましく、その物性値として引張強力8Kg以
上、切断伸度8%以下、引張応力8Kg時の伸度
3.5%以下、及びクリープ率(6Kg荷重1時間放
置後の伸度)4.5%以下であることが必要である。 ところで麻糸は、上記のごとく、低伸度で低ク
リープ率ではあるものの、高価で、強力が低く、
さらに糸条の太さ斑が大きく、又糸条表面が硬い
などの欠点を有し、経糸整経時あるいは製織時に
切断したり、又藺草切れを発生させて、生産性並
びに品質低下の原因となることが多い。そのた
め、一般的に安価で、高強力のものが得られやす
い、合成繊維の低伸度かつ低クリープ率の糸条の
出現が望まれている。しかし合成繊維では、糸条
の強度、太さ斑の問題は解決できても、低伸度で
低クリープ率の糸条を得るには大きな難点があ
る。即ち、一般に合成繊維は、熱延伸を施せばあ
る程度伸度とクリープ率は低下することが知られ
ているが、高分子物質の特性として、熱延伸での
急激な塑性変形は時間の経過とともに変化し、元
に戻る傾向があり、従つて目標の伸度を得るため
に必要な延伸率以上に熱延伸し熱固定しなければ
ならず、極めて低い伸度を得ようとすれば、必然
的に過度の熱延伸を行うこととなり、目標の伸度
のものを得るまでに破断してしまうことになる。 このため、ポリビニルアルコール系合成繊維よ
りなる糸条に、パラフイン等の樹脂を含浸した
後、延伸及び熱処理して、畳糸を得る方法が知ら
れている(特公昭35−15091号公報)。即ち、糸条
を延伸した後、そのままの状態を維持するよう
に、換言すれば低伸度の糸条となるように、樹脂
で固定してなる畳糸が知られている。しかし、こ
の糸条は、樹脂による固定が不十分で、前述した
ように畳表用経糸としての物性値を満足するもの
ではない。 また、ポリビニルアルコール系合成繊維よりな
る糸条の形態安定性を向上させるため、繊維素反
応型樹脂によつて、糸条を固定する方法も知られ
ている(特公昭42−24557号公報)。しかし、この
方法によつて得られる糸条もまた、前述した畳表
用経糸としての物性値を十分に満足するものでは
ない。 (ハ) 発明が解決しようとする問題点 そこで、本発明は、ポリビニルアルコール系合
成繊維を含有する糸条に、熱延伸を施すと共に、
繊維素反応型樹脂と硼酸又は硼砂よりなる架橋媒
介剤とを併用した樹脂で、糸条を固定することに
より、前述した畳表用経糸としての物性値を満足
する糸条が得られることを見出し、本発明に到達
したのである。なお、繊維素反応型樹脂と硼酸又
は硼砂を併用すると、ポリビニルアルコール系合
成繊維を含有する糸条の固定が良好となる理由は
定かではないが、ポリビニルアルコール分子−硼
酸又は硼砂−繊維素反応型樹脂という結合形態に
なつて、樹脂とポリビニルアルコール分子との結
合が強固になるからであると考えられる。従つ
て、ポリビニルアルコール分子−繊維素反応型樹
脂という結合形態であると、樹脂とポリビニルア
ルコール分子との結合が不十分で、ポリビニルア
ルコール系合成繊維を含有する糸条の固定が不良
となるのである。 (ニ) 問題点を解決するための手段及び作用 本発明は、ポリビニルアルコール系合成繊維を
少なくとも50%含む糸条を、切断伸度が8%以下
となるごとく、熱延伸する際又は熱延伸した後、
繊維素反応型樹脂と硼酸又は硼砂よりなる架橋媒
介剤を含む樹脂液により処理することを特徴とす
る低伸度糸条の製造方法である。 即ち、本発明の特徴とするところは、切断伸度
が8%以下の低伸度で、しかも低クリープ率の糸
条を得るため、(i)ビニロン繊維を少なくとも50%
含む糸条を、切断伸度が8%以下となるごとく熱
延伸を行うこと、次に(ii)前記熱延伸の際、又は熱
延伸後、糸条を繊維素反応型樹脂と硼酸又は硼砂
よりなる架橋媒介剤からなる樹脂液で処理するこ
とである。 本発明において、上記のごとく、糸条の素材繊
維の少なくとも50%をビニロン繊維とすることに
より、熱延伸によつて容易に低伸度の糸条が得ら
れ、又前記ビニロン繊維分子中の反応性に富む
OH基の存在により、繊維素反応型樹脂と反応し
て延伸効果が固定され、しかも樹脂液中に加えら
れた硼酸又は硼砂よりなる架橋媒介剤が、ビニロ
ン繊維と前記繊維素反応型樹脂との間に介在して
両者間を橋かけして一体化し、延伸糸条の延伸効
果の固定をより強固にすることができるものと推
定され、過度の熱延伸を行うことなく、容易に低
伸度で、しかも低クリープ率の糸条が得られるの
である。 本発明では、上述のごとく、ビニロン繊維を少
なくとも50%含む糸条を用いる。ビニロン繊維
は、ポリビニルアルコールを水に溶解し、紡糸口
金から凝固浴中に紡糸して製造されるが、凝固浴
として、(i)飽和芒硝浴を使用したもの、(ii)苛性ソ
ーダを使用したもの、(iii)上記(i)、(ii)の混合浴を使
用したもの、(iv)ポリビニルアルコール水溶液に硼
酸を添加し、アルカリ性芒硝浴中で紡糸したも
の、等のいずれでもよく、又(v)ポリビニルアルコ
ール水溶液を紡糸口金を通して空気中へ紡出し、
熱風中で脱水凝固させる、いわゆる乾式紡糸した
ものも利用することができる。これらのビニロン
繊維は、未アセタール化のもの、及びアセタール
化処理されたもののいずれでもよいが、未アセタ
ール化ビニロン繊維の方が延伸性、反応性の点か
ら、より好ましい。 ビニロン繊維はフイラメント糸又は紡績糸とし
て用いる。フイラメント糸の場合、マルチフイラ
メント送糸を用い、又ポリエステル系合成繊維、
ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフイ
ン系合成繊維などの他の合成繊維フイラメントを
50%未満混紡してもよい。紡績糸の場合、トウ紡
積糸及びカツト紡積糸のいずれでもよく、又他種
繊維を50%未満混撚してもよい。混紡する繊維と
しては、綿、レーヨン繊維等が効果的であるが、
上記の各種合成繊維も用いることができる。 本発明では、上記ビニロン繊維を50%以上含む
糸条を切断伸度が8%以下となるごとく熱延伸を
行う。熱延伸率は、延伸後の糸条の切断伸度が、
上記のごとく8%以下となる範囲で適宜選択すれ
ばよく、糸質にもよるが1〜30%の範囲が適当で
あり、通常3〜15%程度で十分である。熱延伸温
度は100℃〜300℃間で適宜選択できるが、高温の
方がより低伸度の糸条を得やすく、通常150℃〜
250℃で実施する。熱延伸後熱固定を行つてもよ
いが必ずしも必要ではなく、樹脂液処理で効果的
に固定することができる。 次に、本発明においては、上記の熱延伸によ
り、糸条を与えられる繊維分子の配列状態を固定
して、低伸度を保持し、クリープ率を低下させる
ため、熱延伸に際し、又は熱延伸後に糸条を樹脂
液で処理する。用いる樹脂は、繊維素反応型で、
尿素系、メラミン系、グリオキザール系、トリア
ジン系、ウロン系及びこれらの変性型等である。
又これらの樹脂を混合して用いてもよい。ビニロ
ン繊維は、上記の繊維素反応型樹脂と反応性を有
し、これらの樹脂だけで、ある程度繊維分子間の
架橋剤として機能するものの、本発明の目的とす
る熱延伸効果の固定のためには、なお不十分であ
り、架橋媒介剤を添加使用する必要がある。架橋
媒介剤は、ビニロン繊維と繊維素反応型樹脂との
間に介在して両者間を橋かけ反応するものと考え
られ、樹脂液の安定性及び処理糸条の着色等の関
係から、硼酸又は硼砂を用いる。 樹脂液組成は、繊維素反応型樹脂濃度0.5〜20
重量%で、硼酸又は硼砂よりなる架橋媒介剤は1
〜50重量%/樹脂の範囲が好ましく、1重量%/
樹脂未満では効果が不十分であり、又50重量%/
樹脂より多く用いても効果は変わらず、不経済で
あり、通常5〜30重量%/樹脂が好ましい。樹脂
液にはさらに必要量の触媒を添加し、又PHを5〜
9の範囲で、樹脂液の安定性、反応性等を勘案し
て適宜調節することが望ましい。 樹脂液による処理は、熱延伸前の糸条、又は熱
延伸後の糸条を樹脂液に浸漬し、絞つて付着量を
調整する。付着量は、固形分として0.5〜20重量
%/糸条の範囲でよく、1〜10重量%/糸条が最
も効率的である。樹脂液を付与した後、熱延伸前
の糸条の場合は、続いて通常の条件の熱延伸、即
ち上記のごとく100℃〜300℃で、1〜30%の延伸
を20〜90秒間で行い、熱延伸と樹脂処理における
キユアリングを同時に行うことができ、又熱延伸
後の糸条の場合は、予備乾燥した後、又は予備乾
燥も兼ねて、100℃〜200℃で20〜180秒間キユア
リングを行う。これらの一連の処理は緊張状態で
行う。 上記樹脂液処理を行つた糸条は、オイリング処
理することにより、平滑性、防温性を付与するこ
とができ、糸条の温度変化による影響を防止する
ことができる。この場合オイリング剤としては、
鉱物油、植物油、動物油のいずれでも用いられる
が、平滑性及び紡温性を考慮すると、鉱物油系の
シリコーンオイルが好ましく、オイリング剤の付
着量は1〜20重量%/糸条の範囲で適宜決定すれ
ばよい。又畳表用経糸及びカーペツトのパッキン
グクロス等に用いる場合には、必要に応じて防虫
剤、防黴剤等をオイリング剤と同様に処理するこ
とができる。 (ホ) 実施例 実施例 1 常法により芒硝浴紡糸した、1.1dの未アセター
ル化ビニロン繊維トウをバーロツク紡績し、1.5
番手の紡績糸を得た。糸条物性は、強力18Kg、伸
度11%であつた。この糸条を230℃で8%熱延伸
し、樹脂液〔メラミン系樹脂SR・M−3(住友化
学工業〓)40g/、樹脂触媒SR・ACX10重量
%/樹脂に、(A)硼酸5g/、(B)硼酸10g/を
それぞれ添加した水溶液(PH:8.0)〕に浸漬し、
絞つて付着量を調整し、100℃熱風中で20秒間予
備乾燥し、続いて200℃で45秒間キユアリングし
た。各処理は全て緊張状態で行つた。 比較例1として、樹脂液中へ硼酸を添加しない
ほかは、上記実施例と全て同様に処理した。又比
較例2として、上記実施例の樹脂液に代えてポリ
酢酸ビニル系エマルジヨン:ボンコート2830(大
日本インキ化学工業〓)を用いるほかは全く同様
に処理した。 各糸条の経日による伸度変化を測定し、処理後
3日目の各種物性を測定した。経日による伸度変
化を第1図に、各種物性値を第1表にそれぞれ示
した。 物性はJIS L−1067に準じて測定し、クリープ
率は6Kg荷重とした。又樹脂付着量はJIS L−
1047に準じて測定した。 第1表及び第1図に示すとおり、樹脂液中へ架
橋媒介剤である硼酸を添加して得られる糸条は、
経日による伸度変化が小さく、伸度の固定効果が
大きく、クリープ率も低い。繊維素反応型樹脂の
メラミン系樹脂のみの比較例1の糸条は、ポリ酢
酸ビニルエマルジヨンで処理した比較例2の
【表】
糸条に比べて、伸度の経日変化、クリープ率共に
低いものの、硼酸よりなる架橋媒介剤を用いた本
発明の実施例の糸条に比べて、可なり大きく、本
発明における繊維素反応型樹脂と硼酸よりなる架
橋媒介剤の併用による効果は、極めて顕著であ
る。 実施例 2 常法により芒硝浴紡糸した5dの未アセタール
化ビニロン繊維トウをパーロツク紡績し、得られ
た1.2番手の糸条(強力22.1Kg、伸度12.0%)を、
230℃で10%熱延伸し、次いで硼酸10g/を含
む樹脂液(PH:8.0)に浸漬し、ローラ絞りによ
り付着量を調整した後、180℃で90秒間乾燥キユ
アリングした。樹脂として、(C)尿素ホルマリン系
樹脂ベツカミンN117T(大日本インキ化学工業
〓)50g/、及び(D)グリオキザール系樹脂
SR・MS−11(住友化学工業〓)50g/を用い、
それぞれ触媒SRACX10重量%/樹脂を添加し
た。 比較例3として、熱延伸率を0%とするほかは
上記実施例の(C)と全く同様に処理し、又比較例4
として樹脂を含まず、硼酸10g/のみとした処
理液を用いるほかは上記実施例と全く同様に処理
した。各糸条の物性測定を実施例1と同様に行
い、第2表に示す結果を得た。 又、上記実施例の(C)の糸条と比較例3の糸条を
畳表用経糸として用いて製織した。製織時の張力
は、両者共2.5Kgとし、藺草は280本/10cmの密度
で打込んだ。その結果本発明による糸条は、畳表
の整型上何等問題なく、外観のすぐれた高級畳表
が得られたが、比較例3の糸条を用いた場合は、
得られた畳表に「しかみ」及び「たる
低いものの、硼酸よりなる架橋媒介剤を用いた本
発明の実施例の糸条に比べて、可なり大きく、本
発明における繊維素反応型樹脂と硼酸よりなる架
橋媒介剤の併用による効果は、極めて顕著であ
る。 実施例 2 常法により芒硝浴紡糸した5dの未アセタール
化ビニロン繊維トウをパーロツク紡績し、得られ
た1.2番手の糸条(強力22.1Kg、伸度12.0%)を、
230℃で10%熱延伸し、次いで硼酸10g/を含
む樹脂液(PH:8.0)に浸漬し、ローラ絞りによ
り付着量を調整した後、180℃で90秒間乾燥キユ
アリングした。樹脂として、(C)尿素ホルマリン系
樹脂ベツカミンN117T(大日本インキ化学工業
〓)50g/、及び(D)グリオキザール系樹脂
SR・MS−11(住友化学工業〓)50g/を用い、
それぞれ触媒SRACX10重量%/樹脂を添加し
た。 比較例3として、熱延伸率を0%とするほかは
上記実施例の(C)と全く同様に処理し、又比較例4
として樹脂を含まず、硼酸10g/のみとした処
理液を用いるほかは上記実施例と全く同様に処理
した。各糸条の物性測定を実施例1と同様に行
い、第2表に示す結果を得た。 又、上記実施例の(C)の糸条と比較例3の糸条を
畳表用経糸として用いて製織した。製織時の張力
は、両者共2.5Kgとし、藺草は280本/10cmの密度
で打込んだ。その結果本発明による糸条は、畳表
の整型上何等問題なく、外観のすぐれた高級畳表
が得られたが、比較例3の糸条を用いた場合は、
得られた畳表に「しかみ」及び「たる
【表】
【表】
み」が発生した。
実施例 3
原糸として、(E)芒硝浴紡糸の3dの未アセター
ル化ビニロン繊維トウをパーロツク紡績した1.2
番手の糸条、及び(F)硼酸添加ポリビニルアルコー
ル水溶液をアルカリ性芒硝浴中に紡糸した3dの
未アセタール化ビニロン繊維トウをパーロツク紡
績し、得られた1.5番手の糸条を用い、それぞれ
糸条に弱い張力を掛けて樹脂液〔尿素メラミン系
樹脂SR・ULN(住友化学工業〓)50g/、触
媒5g/、硼酸10g/、PH:8.0〕に浸漬し、
ローラ絞りで付着量を調整した後、240℃で8%
熱延伸を行つた。次いでシリコーンオイル(粘度
250cp)をローラタツチで付着させて巻取つた。
得られた糸条について、物性測定を実施例1と同
様に行つた。又寸法安定性(20℃、RH65%の室
内で、基長1m、荷重0.03g/dとして水を含浸
させ、24時間放置後の長さの変化率を求める。)
も測定した。参考例として、麻糸(麻番手1.5番)
の物性も測定した。それらの結果を第3表に示
す。 第3表の記載から明らかなごとく、本発明によ
り得られた糸条は、麻糸に比べて強力が圧倒的に
すぐれており、さらに伸度、クリープ率、寸法安
定性のいずれにおいても、同等又はそれ以上の物
性を有している。 (ヘ) 発明の効果 本発明により、従来合成繊維で見られない、低
伸度で、かつ延クリープ率の糸条が容易に得ら
れ、該糸条は、畳表用経糸として用いれば、1〜
1.5番手程度の通常の太さであつても、製織の際
の張力を3Kg以上とすることができ、しかも藺草
の打込みも280本/10cm以上にすることが可能で
あつて、畳表の整型性も極めて良好であり、麻糸
をはるかに上廻る性能を発揮し、そのほかカーペ
ツトパツキングクロス用、縫糸用等としても極め
て有用である。
ル化ビニロン繊維トウをパーロツク紡績した1.2
番手の糸条、及び(F)硼酸添加ポリビニルアルコー
ル水溶液をアルカリ性芒硝浴中に紡糸した3dの
未アセタール化ビニロン繊維トウをパーロツク紡
績し、得られた1.5番手の糸条を用い、それぞれ
糸条に弱い張力を掛けて樹脂液〔尿素メラミン系
樹脂SR・ULN(住友化学工業〓)50g/、触
媒5g/、硼酸10g/、PH:8.0〕に浸漬し、
ローラ絞りで付着量を調整した後、240℃で8%
熱延伸を行つた。次いでシリコーンオイル(粘度
250cp)をローラタツチで付着させて巻取つた。
得られた糸条について、物性測定を実施例1と同
様に行つた。又寸法安定性(20℃、RH65%の室
内で、基長1m、荷重0.03g/dとして水を含浸
させ、24時間放置後の長さの変化率を求める。)
も測定した。参考例として、麻糸(麻番手1.5番)
の物性も測定した。それらの結果を第3表に示
す。 第3表の記載から明らかなごとく、本発明によ
り得られた糸条は、麻糸に比べて強力が圧倒的に
すぐれており、さらに伸度、クリープ率、寸法安
定性のいずれにおいても、同等又はそれ以上の物
性を有している。 (ヘ) 発明の効果 本発明により、従来合成繊維で見られない、低
伸度で、かつ延クリープ率の糸条が容易に得ら
れ、該糸条は、畳表用経糸として用いれば、1〜
1.5番手程度の通常の太さであつても、製織の際
の張力を3Kg以上とすることができ、しかも藺草
の打込みも280本/10cm以上にすることが可能で
あつて、畳表の整型性も極めて良好であり、麻糸
をはるかに上廻る性能を発揮し、そのほかカーペ
ツトパツキングクロス用、縫糸用等としても極め
て有用である。
第1図は、本発明により得られる糸条の経日に
よる伸度の変化を示すグラフである。
よる伸度の変化を示すグラフである。
Claims (1)
- 1 ポリビニルアルコール系合成繊維を少なくと
も50%含む糸条を、切断伸度が8%以下となるご
とく、熱延伸する際又は熱延伸した後、繊維素反
応型樹脂と硼酸又は硼砂よりなる架橋媒介剤を含
む樹脂液により処理することを特徴とする低伸度
糸条の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17877084A JPS6155267A (ja) | 1984-08-27 | 1984-08-27 | 低伸度糸条の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17877084A JPS6155267A (ja) | 1984-08-27 | 1984-08-27 | 低伸度糸条の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6155267A JPS6155267A (ja) | 1986-03-19 |
| JPH0577792B2 true JPH0577792B2 (ja) | 1993-10-27 |
Family
ID=16054314
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP17877084A Granted JPS6155267A (ja) | 1984-08-27 | 1984-08-27 | 低伸度糸条の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6155267A (ja) |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS4949252U (ja) * | 1972-08-15 | 1974-04-30 |
-
1984
- 1984-08-27 JP JP17877084A patent/JPS6155267A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6155267A (ja) | 1986-03-19 |
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