JPH0578574B2 - - Google Patents
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- JPH0578574B2 JPH0578574B2 JP16569284A JP16569284A JPH0578574B2 JP H0578574 B2 JPH0578574 B2 JP H0578574B2 JP 16569284 A JP16569284 A JP 16569284A JP 16569284 A JP16569284 A JP 16569284A JP H0578574 B2 JPH0578574 B2 JP H0578574B2
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- Japan
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- polyhydroquinone
- formula
- acid
- polymer
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は、実質的に、式
【式】をく
り返し単位とするポリハイドロキノンおよびその
製造方法に関するものである。 一般に、式
製造方法に関するものである。 一般に、式
【式】(R,R′は、直鎖
もしくは分枝したアルキル基またはシクロアルキ
ル基であつていてもよい。またこれらのアルキル
基は、O,Sなどのヘテロ原子で中断していても
よい。R,R′は同一でも異つていてもよい)を
くり返し単位とするポリジアルコキシフエニレン
類は、主鎖が芳香環のみよりなりたつポリパラフ
エニレン(
ル基であつていてもよい。またこれらのアルキル
基は、O,Sなどのヘテロ原子で中断していても
よい。R,R′は同一でも異つていてもよい)を
くり返し単位とするポリジアルコキシフエニレン
類は、主鎖が芳香環のみよりなりたつポリパラフ
エニレン(
高分子化合物を酸化あるいは還元試薬として用
いる試みは、成書(“酸化還元樹脂”講談社刊、
1976年など)に記されているように多くの研究例
があるが、代表的なものはポリビニルヒドロキノ
ンとその類縁物であれ、いずれも酸化還元に関与
する単位(ヒドロキノン骨格など)の間にアルキ
レン基などが存在し、各単位間が電子的に弧立し
ているため、電子的相互作用による相乗効果が期
待できない。これに対し、本発明によるポリハイ
ドロキノンは、高分子の主鎖が全共役系に形づく
つていることから、きわめて効率のよい還元性樹
脂ということができる。 このポリハイドロキノンの製造の試みは、既に
RおよびR′がメチル基であるポリジメトキシフ
エニレンをリン酸、五酸化リン、フエノール、ヨ
カ化カリウムの混合物中で加熱することにより、
脱メチル化する方法〔Vysokomal soyed A15
No.7 1459(1973)〕あるいはベンゾキノンやハ
イドロキノンを直接重合する方法(USSR.
Pat.376411、同435250、同440387、同443045、同
598911、同658668)などが報告されているが、い
ずれも以下の点で純粋にハイドロキノンのみをく
り返し単位としている高分子化合物とは考えられ
ない。また、ポリマーでありながらメタノールに
溶解しうるなどの点から、重合度も低く、真に有
用なポリマーとは考えにくいものである。 すなわち、(1)上記論文記載のポリマーは、元素
分析値(C;64.32〜65.10%、H;6.06〜6.17%)
がハイドロキノンのみからなることを仮定して得
られる計算値(C6H4O2として、C;66.67%、
H;3.73%)とは大きく異なる。(2)原料となるポ
リジメトキシフエニレンは、元素分析値(C;
67.21〜68.43%、H;4.82〜5.68%)において計
算値(C;70.57%、H;5.92%)に比べ、炭素
および水素の含量が低い値を示し、芳香環の水素
原子がポリジメトキシフエニレンの合成時に使用
される塩化アルミニウムまたは塩化第二銅中の塩
素原子によつてかなり置換されているものと考え
られる。(3)さらに軟化点の低いことや、メタノー
ルへの可溶性などの点で、分子量も低いものと考
えられる。 一連のUSSR Patに記載されるベンゾキノン、
ハイドロキノンを直接重合させることによつて得
られるポリマーについても同様の否定的事柄が指
摘でき、低い軟化点やメタノールへの可溶性によ
つて、分子量が低いことが考えられる。 これらの点は、原料となるポリマー(ポリジメ
トキシフエニレン)をあらかじめ高分子量化させ
ていないこと、あるいは、重合反応性の乏しい原
料(ベンゾキノン、ハイドロキノン)を反応させ
ることに由来するものであつて、従来の技術で
は、分子量の大きい有用なポリマーを与えること
は、不可能である。また、既に本発明者らは、高
分子量化したポリ(ジメトキシフエニレン)を開
発し、これに関する特許出願もなされているが
(特願昭56−144026号、同57−29163号、同58−
173248号等)、ここで得られたポリマーを原料と
した場合には、前出の論文記載の方法および類似
の手段によつて完全に脱メチル化することは不可
能であつた。これは、原料ポリマーが高分子量で
あることによつて反応性が低いことによるものと
理解される。 〔発明が解決しようとする問題点〕 以上記したように、全共役系高分子でありなが
ら酸化還元能力を有する真に有用なポリマーは、
本発明以前には見出されておらず、本発明者らは
鋭意研究の結果、新規な高分子化合物として、く
り返し単位がハイドロキノンのみからなるポリハ
イドロキノンおよびその製造方法を提示すること
に成功したものである。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明に示すポリハイドロキノンは、従来の方
法と異なり容易に、酸により除去しうるイソプロ
ピル基を有するポリ(ジイソプロポキシフエニレ
ン)より製造されることに特徴がある。このポリ
マー中にふくまれる酸素−二級炭素の結合は、対
応する酸素−一級炭素結合に比べ、中間体の二級
カルボニウムイオンが一級カルボニウムイオンよ
り100倍以上も安定なことから、格段に切断が容
易である。すなわち、一級炭素−酸素結合切断に
は、強酸との長時間加熱反応が必要であるのに対
し、二級炭素−酸素結合の切断は希酸との短時間
で達成されることが知られている。この傾向は、
ポリマー中においても同様で、二級炭素−酸素結
合の切断は、低分子化合物よりも強い条件が必要
とされるが、比較的容易に達成される。これに対
し、ポリマー中の一級炭素−酸素結合は、ポリマ
ーの重合度にも依存するが、高重合度ポリマーに
おいては、完全に切断することは、ポリマー主鎖
の損傷なしには不可能であり、ポリ(ジアルコキ
シフエニレン)においては、既に記したような低
重合度オリゴマーの場合にのみ可能である。 イソプロピル基を除去する方法は、成書(例え
ばProtective Groups in Organic Chemistry
Plenum press.(1973))などに記されている有機
化学におけるエーテル結合の切断に有効な方法が
適用されるが、例示するならば、プロトン酸ある
いはルイス酸の使用があげられる。プロトン酸と
しては、硫酸、塩酸、硝酸、臭化水素酸、沃化水
素酸、リン酸などの鉱酸類、蟻酸、酢酸などの有
機カルボン酸類、メタンスルホン酸、パラトルエ
ンスルホン酸などの有機スルホン酸類およびトリ
フルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、
トリクロロ酢酸、モノクロロ酢酸などの有機酸類
のハロゲン置換体あるいはクロル硫酸、フルオロ
硫酸などのハロゲン化硫酸といつた強酸類をその
ままで、または混合して、あるいは水、アルコー
ル、ハロゲン化炭化水素、炭化水素類を溶媒とし
て室温あるいは加熱条件下で作用させることによ
つて、保護基を除去することがあげられる。ま
た、イソプロピル基を除去するのにルイス酸を使
用する方法としては、アリールアルキルエーテル
からのアルキル基の除去と同様に、塩化アルミニ
ウム、塩化亜鉛、塩化第二鉄、ハロゲン化ホウ素
などのルイス酸類を直接あるいは媒質中で反応さ
せることも有効である。これらの種々の脱アルキ
ル化試剤は目的に応じて使用することが可能であ
るが、原料ポリマーとなるポリ(ジイソプロポキ
シフエニレン)の溶解力が乏しい条件では、反応
を完全に進行させるためには、より高温とより長
時間を必要とするため、好ましくは、濃硫酸中に
おける室温による分解あるいはトリフルオロ酢酸
あるいは臭化水素を溶解した酢酸などの中におけ
る加熱条件による分解あるいはトリフルオロ酢酸
中微量の濃硫酸による室温または加熱条件におけ
る分解などが適当である。 これらの方法によつて、ポリ(ジイソプロポキ
シフエニレン)のイソプロピル基は、ほぼ定量的
に分離することが可能であり、反応液を冷水中に
投入することより、ポリハイドロキノンを単離す
ることができる。この方法を実施するに当つて原
料となるポリマーであるポリ(ジイソプロポキシ
フエニレン)は、本発明者の発明に係る先特許出
願昭58−51322号明細書に詳述されている如く、
1,4−ジブロム−2,5−ジイソプロポキシベ
ンゼンから、グリニヤールカツプリングによつて
重合される。この重合過程は、ポリ(ジメトキシ
フエニレン)の酸化的カチオン重合の場合と異な
り、系が塩基性であることから、イソプロピル基
の脱離あるいは、芳香核上のハロゲン化などがお
こらないことから、イソプロピル基が完全に保存
された状態で十分に高重合度化することが可能で
あることが特徴である。得られるポリ(ジイソプ
ロポキシフエニレン)は、熱テトラヒドロフラン
に可溶であり、そのテトラヒドロフラン溶液をゲ
ルパーミエイシヨンクロマトグラフイー(GPC)
によつて分析すると、その分子量は850程度(重
合度約4)から49000程度(重合度約250)または
それ以上の間に分布している。しかし、重合度
250を越えると溶媒に不溶性のため、この方法で
は分子量測定が行えず、高分子量物の存在を知る
だけに止まる。原料に採用するポリ(ジイソプロ
ポキシフエニレン)は、この意味で繰返し単位が
5〜250であるが、それ以上のものを採用するこ
とも可能である。 この様な原料を用いて得られたポリハイドロキ
ノンは、アルコール類、水などのプロトン性溶媒
あるいは、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセ
トアミド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチル
ホスホトリアミドなどの非プロトン性溶媒あるい
はヘキサン、トルエンなどの炭化水素類、テトラ
ヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトンな
どのエーテル類、ケトン類の溶媒に対して難溶で
あり、ケルパーミエイシヨンクロマトグラフイー
(GPC)や、極限粘度法、光散乱法などによつて
その平均分子量を決定することは難しい。従つて
直接的な測定値としての分子量は示し得ないが、
加水分解(脱イソプロピル化反応)の条件を考慮
すれば、主鎖の炭素−酸素結合の切断がおこつて
いるとは考えられず、原料のポリ(ジイソプロポ
キシフエニレン)と同じ5から250の間のくり返
し単位数を有するものと断定できる。 本発明に係るポリハイドロキノンは、溶媒に対
する溶解性においては上記の如く、良溶媒が未だ
発見されないほどであるが、とりわけメタノール
をはじめとし、水、アセトン、n−ヘキサン、ト
ルエンに不溶であることは、前記USSR、
Pat.598911、同485129等に記載されたポリマーが
メタノール、エタノール、DMF、THF、アルカ
リ性の水に可溶で、アセトン、ニトロメタン、ジ
オキサン等の一部可溶である点において明白に相
違している。 また本発明に係るポリハイドロキノンは、その
赤外線吸収スペクトルを測定すると第1図に示す
如きものである。 特性吸収 C=C:1620、1510、1410cm-1 C−H:810、870cm-1 C−OH:3400、1350、1210cm-1 これに対し、前記USSR.Pat.376411に記載され
たポリマーは、その明細書に添付された赤外線吸
収スペクトル図を第1図と同スケールに書き直す
と第2図に示す如きものである。 特性吸収 C=C:1610、1485、1375cm-1 C−H:815cm-1 C−OH:3370、1200cm-1 >C=O :1665、1720cm-1 両者を対比すると、本発明のポリハイドロキノ
ンは>C=Oの吸収を持たず、>C=Oの吸収を
持つことによつてC−OHが一部酸化されて>C
=Oに変つていると考えられるUSSR.Pat.376411
のポリマーとは明白に相違している。 〔発明の効果〕 本発明に係るポリハイドロキノンは、その構造
からも理解されるように、単量体のハイドロキノ
ンと同様強力な還元性を有することがあきらかと
なつた。しかもこのポリハイドロキノンは、溶媒
に対して不溶であることにより、不均一系での還
元剤として利用可能であるから、いわゆる還元性
樹脂として使用が可能である。従つて溶媒可溶な
単量体ハイドロキノンを還元剤として使用した場
合に比較して、反応後に系内に残存する未反応の
還元剤や酸化生成物の除去が容易な点ですぐれて
いる。さらに、ポリマー分子全体にわたるπ電子
共役系の存在は、ポリマーが溶媒に不溶であり、
不均一系での使用が強いられることにもかかわら
ず、良好な還元効率に寄与するものである。 〔実施例〕 以下、参考例および実施例によつて本発明をさ
らに具体的に説明する。 参考例 原料となるポリ(ジイソプロポキシフエニレ
ン)の合成 1,4−ジブロモ−2,5−ジイソプロポキシ
ベンゼン7.036gとマグネシウム0.4864gを窒素
雰囲気下、無水テトラヒドロフラン25ml中で混合
し、還流下で反応させる。金属マグネシウムが消
失し、グリニヤール試薬の生成が完了したら10mg
のジクロロ(2,2′−ビピリジル)ニツケル
()(〔NiCl2(bpy);bpy=2,2′−ビピリジン)
を加え8時間還流する。反応液を一度室温に冷却
後、メタノール30mlを加え、得られた沈澱物を
過によつて集める。水、メタノール、1規定塩酸
でくりかえし洗浄し、真空下で乾燥する。収量
1.27g(収率33%)。 得られた高分子はテトラヒドロフランに可溶
で、室温では微かに溶解する。このテトラヒドロ
フラン溶液をGPC(ゲルパーミエイシヨンクロマ
トグラフイー)によつて分析すると、分子量850
(重合度4)程度から46000(重合度240)の間に分
布し、ポリスチレン換算値として重量平均分子量
(W)は7600、数平均分子量(N)は3700を示
した。 元素分析量は、C;72.7%H;8.3%Br;2.1%
を示し、
いる試みは、成書(“酸化還元樹脂”講談社刊、
1976年など)に記されているように多くの研究例
があるが、代表的なものはポリビニルヒドロキノ
ンとその類縁物であれ、いずれも酸化還元に関与
する単位(ヒドロキノン骨格など)の間にアルキ
レン基などが存在し、各単位間が電子的に弧立し
ているため、電子的相互作用による相乗効果が期
待できない。これに対し、本発明によるポリハイ
ドロキノンは、高分子の主鎖が全共役系に形づく
つていることから、きわめて効率のよい還元性樹
脂ということができる。 このポリハイドロキノンの製造の試みは、既に
RおよびR′がメチル基であるポリジメトキシフ
エニレンをリン酸、五酸化リン、フエノール、ヨ
カ化カリウムの混合物中で加熱することにより、
脱メチル化する方法〔Vysokomal soyed A15
No.7 1459(1973)〕あるいはベンゾキノンやハ
イドロキノンを直接重合する方法(USSR.
Pat.376411、同435250、同440387、同443045、同
598911、同658668)などが報告されているが、い
ずれも以下の点で純粋にハイドロキノンのみをく
り返し単位としている高分子化合物とは考えられ
ない。また、ポリマーでありながらメタノールに
溶解しうるなどの点から、重合度も低く、真に有
用なポリマーとは考えにくいものである。 すなわち、(1)上記論文記載のポリマーは、元素
分析値(C;64.32〜65.10%、H;6.06〜6.17%)
がハイドロキノンのみからなることを仮定して得
られる計算値(C6H4O2として、C;66.67%、
H;3.73%)とは大きく異なる。(2)原料となるポ
リジメトキシフエニレンは、元素分析値(C;
67.21〜68.43%、H;4.82〜5.68%)において計
算値(C;70.57%、H;5.92%)に比べ、炭素
および水素の含量が低い値を示し、芳香環の水素
原子がポリジメトキシフエニレンの合成時に使用
される塩化アルミニウムまたは塩化第二銅中の塩
素原子によつてかなり置換されているものと考え
られる。(3)さらに軟化点の低いことや、メタノー
ルへの可溶性などの点で、分子量も低いものと考
えられる。 一連のUSSR Patに記載されるベンゾキノン、
ハイドロキノンを直接重合させることによつて得
られるポリマーについても同様の否定的事柄が指
摘でき、低い軟化点やメタノールへの可溶性によ
つて、分子量が低いことが考えられる。 これらの点は、原料となるポリマー(ポリジメ
トキシフエニレン)をあらかじめ高分子量化させ
ていないこと、あるいは、重合反応性の乏しい原
料(ベンゾキノン、ハイドロキノン)を反応させ
ることに由来するものであつて、従来の技術で
は、分子量の大きい有用なポリマーを与えること
は、不可能である。また、既に本発明者らは、高
分子量化したポリ(ジメトキシフエニレン)を開
発し、これに関する特許出願もなされているが
(特願昭56−144026号、同57−29163号、同58−
173248号等)、ここで得られたポリマーを原料と
した場合には、前出の論文記載の方法および類似
の手段によつて完全に脱メチル化することは不可
能であつた。これは、原料ポリマーが高分子量で
あることによつて反応性が低いことによるものと
理解される。 〔発明が解決しようとする問題点〕 以上記したように、全共役系高分子でありなが
ら酸化還元能力を有する真に有用なポリマーは、
本発明以前には見出されておらず、本発明者らは
鋭意研究の結果、新規な高分子化合物として、く
り返し単位がハイドロキノンのみからなるポリハ
イドロキノンおよびその製造方法を提示すること
に成功したものである。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明に示すポリハイドロキノンは、従来の方
法と異なり容易に、酸により除去しうるイソプロ
ピル基を有するポリ(ジイソプロポキシフエニレ
ン)より製造されることに特徴がある。このポリ
マー中にふくまれる酸素−二級炭素の結合は、対
応する酸素−一級炭素結合に比べ、中間体の二級
カルボニウムイオンが一級カルボニウムイオンよ
り100倍以上も安定なことから、格段に切断が容
易である。すなわち、一級炭素−酸素結合切断に
は、強酸との長時間加熱反応が必要であるのに対
し、二級炭素−酸素結合の切断は希酸との短時間
で達成されることが知られている。この傾向は、
ポリマー中においても同様で、二級炭素−酸素結
合の切断は、低分子化合物よりも強い条件が必要
とされるが、比較的容易に達成される。これに対
し、ポリマー中の一級炭素−酸素結合は、ポリマ
ーの重合度にも依存するが、高重合度ポリマーに
おいては、完全に切断することは、ポリマー主鎖
の損傷なしには不可能であり、ポリ(ジアルコキ
シフエニレン)においては、既に記したような低
重合度オリゴマーの場合にのみ可能である。 イソプロピル基を除去する方法は、成書(例え
ばProtective Groups in Organic Chemistry
Plenum press.(1973))などに記されている有機
化学におけるエーテル結合の切断に有効な方法が
適用されるが、例示するならば、プロトン酸ある
いはルイス酸の使用があげられる。プロトン酸と
しては、硫酸、塩酸、硝酸、臭化水素酸、沃化水
素酸、リン酸などの鉱酸類、蟻酸、酢酸などの有
機カルボン酸類、メタンスルホン酸、パラトルエ
ンスルホン酸などの有機スルホン酸類およびトリ
フルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、
トリクロロ酢酸、モノクロロ酢酸などの有機酸類
のハロゲン置換体あるいはクロル硫酸、フルオロ
硫酸などのハロゲン化硫酸といつた強酸類をその
ままで、または混合して、あるいは水、アルコー
ル、ハロゲン化炭化水素、炭化水素類を溶媒とし
て室温あるいは加熱条件下で作用させることによ
つて、保護基を除去することがあげられる。ま
た、イソプロピル基を除去するのにルイス酸を使
用する方法としては、アリールアルキルエーテル
からのアルキル基の除去と同様に、塩化アルミニ
ウム、塩化亜鉛、塩化第二鉄、ハロゲン化ホウ素
などのルイス酸類を直接あるいは媒質中で反応さ
せることも有効である。これらの種々の脱アルキ
ル化試剤は目的に応じて使用することが可能であ
るが、原料ポリマーとなるポリ(ジイソプロポキ
シフエニレン)の溶解力が乏しい条件では、反応
を完全に進行させるためには、より高温とより長
時間を必要とするため、好ましくは、濃硫酸中に
おける室温による分解あるいはトリフルオロ酢酸
あるいは臭化水素を溶解した酢酸などの中におけ
る加熱条件による分解あるいはトリフルオロ酢酸
中微量の濃硫酸による室温または加熱条件におけ
る分解などが適当である。 これらの方法によつて、ポリ(ジイソプロポキ
シフエニレン)のイソプロピル基は、ほぼ定量的
に分離することが可能であり、反応液を冷水中に
投入することより、ポリハイドロキノンを単離す
ることができる。この方法を実施するに当つて原
料となるポリマーであるポリ(ジイソプロポキシ
フエニレン)は、本発明者の発明に係る先特許出
願昭58−51322号明細書に詳述されている如く、
1,4−ジブロム−2,5−ジイソプロポキシベ
ンゼンから、グリニヤールカツプリングによつて
重合される。この重合過程は、ポリ(ジメトキシ
フエニレン)の酸化的カチオン重合の場合と異な
り、系が塩基性であることから、イソプロピル基
の脱離あるいは、芳香核上のハロゲン化などがお
こらないことから、イソプロピル基が完全に保存
された状態で十分に高重合度化することが可能で
あることが特徴である。得られるポリ(ジイソプ
ロポキシフエニレン)は、熱テトラヒドロフラン
に可溶であり、そのテトラヒドロフラン溶液をゲ
ルパーミエイシヨンクロマトグラフイー(GPC)
によつて分析すると、その分子量は850程度(重
合度約4)から49000程度(重合度約250)または
それ以上の間に分布している。しかし、重合度
250を越えると溶媒に不溶性のため、この方法で
は分子量測定が行えず、高分子量物の存在を知る
だけに止まる。原料に採用するポリ(ジイソプロ
ポキシフエニレン)は、この意味で繰返し単位が
5〜250であるが、それ以上のものを採用するこ
とも可能である。 この様な原料を用いて得られたポリハイドロキ
ノンは、アルコール類、水などのプロトン性溶媒
あるいは、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセ
トアミド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチル
ホスホトリアミドなどの非プロトン性溶媒あるい
はヘキサン、トルエンなどの炭化水素類、テトラ
ヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトンな
どのエーテル類、ケトン類の溶媒に対して難溶で
あり、ケルパーミエイシヨンクロマトグラフイー
(GPC)や、極限粘度法、光散乱法などによつて
その平均分子量を決定することは難しい。従つて
直接的な測定値としての分子量は示し得ないが、
加水分解(脱イソプロピル化反応)の条件を考慮
すれば、主鎖の炭素−酸素結合の切断がおこつて
いるとは考えられず、原料のポリ(ジイソプロポ
キシフエニレン)と同じ5から250の間のくり返
し単位数を有するものと断定できる。 本発明に係るポリハイドロキノンは、溶媒に対
する溶解性においては上記の如く、良溶媒が未だ
発見されないほどであるが、とりわけメタノール
をはじめとし、水、アセトン、n−ヘキサン、ト
ルエンに不溶であることは、前記USSR、
Pat.598911、同485129等に記載されたポリマーが
メタノール、エタノール、DMF、THF、アルカ
リ性の水に可溶で、アセトン、ニトロメタン、ジ
オキサン等の一部可溶である点において明白に相
違している。 また本発明に係るポリハイドロキノンは、その
赤外線吸収スペクトルを測定すると第1図に示す
如きものである。 特性吸収 C=C:1620、1510、1410cm-1 C−H:810、870cm-1 C−OH:3400、1350、1210cm-1 これに対し、前記USSR.Pat.376411に記載され
たポリマーは、その明細書に添付された赤外線吸
収スペクトル図を第1図と同スケールに書き直す
と第2図に示す如きものである。 特性吸収 C=C:1610、1485、1375cm-1 C−H:815cm-1 C−OH:3370、1200cm-1 >C=O :1665、1720cm-1 両者を対比すると、本発明のポリハイドロキノ
ンは>C=Oの吸収を持たず、>C=Oの吸収を
持つことによつてC−OHが一部酸化されて>C
=Oに変つていると考えられるUSSR.Pat.376411
のポリマーとは明白に相違している。 〔発明の効果〕 本発明に係るポリハイドロキノンは、その構造
からも理解されるように、単量体のハイドロキノ
ンと同様強力な還元性を有することがあきらかと
なつた。しかもこのポリハイドロキノンは、溶媒
に対して不溶であることにより、不均一系での還
元剤として利用可能であるから、いわゆる還元性
樹脂として使用が可能である。従つて溶媒可溶な
単量体ハイドロキノンを還元剤として使用した場
合に比較して、反応後に系内に残存する未反応の
還元剤や酸化生成物の除去が容易な点ですぐれて
いる。さらに、ポリマー分子全体にわたるπ電子
共役系の存在は、ポリマーが溶媒に不溶であり、
不均一系での使用が強いられることにもかかわら
ず、良好な還元効率に寄与するものである。 〔実施例〕 以下、参考例および実施例によつて本発明をさ
らに具体的に説明する。 参考例 原料となるポリ(ジイソプロポキシフエニレ
ン)の合成 1,4−ジブロモ−2,5−ジイソプロポキシ
ベンゼン7.036gとマグネシウム0.4864gを窒素
雰囲気下、無水テトラヒドロフラン25ml中で混合
し、還流下で反応させる。金属マグネシウムが消
失し、グリニヤール試薬の生成が完了したら10mg
のジクロロ(2,2′−ビピリジル)ニツケル
()(〔NiCl2(bpy);bpy=2,2′−ビピリジン)
を加え8時間還流する。反応液を一度室温に冷却
後、メタノール30mlを加え、得られた沈澱物を
過によつて集める。水、メタノール、1規定塩酸
でくりかえし洗浄し、真空下で乾燥する。収量
1.27g(収率33%)。 得られた高分子はテトラヒドロフランに可溶
で、室温では微かに溶解する。このテトラヒドロ
フラン溶液をGPC(ゲルパーミエイシヨンクロマ
トグラフイー)によつて分析すると、分子量850
(重合度4)程度から46000(重合度240)の間に分
布し、ポリスチレン換算値として重量平均分子量
(W)は7600、数平均分子量(N)は3700を示
した。 元素分析量は、C;72.7%H;8.3%Br;2.1%
を示し、
【式】を仮定した
ときの計算値のC;74.97%、H;8.39%とはや
や異なりをみせるものの、重合度19で、臭素が残
つたもの(
や異なりをみせるものの、重合度19で、臭素が残
つたもの(
【式】;n=
19)を仮定した時の計算値C:73.34%、H;
8.23%、Br;2.14%(N=3729)とかなり良い
一致を示した。 実施例 1 参考例に示されるポリ(ジイソプロポキシフエ
ニレン)(W=7600、N)=3700;GPCによる
ポリスチレン換算値)2.00gを50mlのトリフルオ
ロ酢酸に溶解し、2滴の濃硫酸を加えたのち、窒
素気流下で2時間加熱還流下におく。この間濃紫
色溶液は、茶褐色の粘稠な液に変化し、つづいて
不溶物の析出がみとめられる。反応終了後、室温
まで冷却後200mlの冷水にあけ不溶物を単離し、
水、メタノールでくかえし洗浄し、減圧下で乾燥
し褐色のポリハイドロキノン1.05gを得る(収率
93.3%)。 元素分析値は、構造
8.23%、Br;2.14%(N=3729)とかなり良い
一致を示した。 実施例 1 参考例に示されるポリ(ジイソプロポキシフエ
ニレン)(W=7600、N)=3700;GPCによる
ポリスチレン換算値)2.00gを50mlのトリフルオ
ロ酢酸に溶解し、2滴の濃硫酸を加えたのち、窒
素気流下で2時間加熱還流下におく。この間濃紫
色溶液は、茶褐色の粘稠な液に変化し、つづいて
不溶物の析出がみとめられる。反応終了後、室温
まで冷却後200mlの冷水にあけ不溶物を単離し、
水、メタノールでくかえし洗浄し、減圧下で乾燥
し褐色のポリハイドロキノン1.05gを得る(収率
93.3%)。 元素分析値は、構造
【式】を仮
定して得られる計算値の炭素64.14%、水素3.64
%、臭素3.74%に対して、実測値として炭素64.2
%、水素3.5%、臭素3.7%を得た。 このポリハイドロキノンの赤外吸収スペクトル
を第1図に示す。 実施例 2 ポリ(ジイソプロポキシフエニレン)(W=
7600、N=3700;GPCによるポリスチレン換算
値)2.00gを50mlの濃硫酸に溶解し、室温で5時
間かくはんする。反応液を冷水300mlに投入した
後、実施例1と同様にして、ポリハイドロキノン
0.97gを得る(収率86.3%)。ポリハイドロキノ
ンの赤外吸収スペクトルは実施例1で得られたも
のと一致した。 実施例 3 実施例1で得られたポリハイドロキノン1.08g
と硝酸第二セリウムアンモニウム13.16gを水100
ml中で混合かくはんし、室温で2時間反応させ
る。反応後不溶物を過し、残渣は水でよく洗浄
する。反応液と洗浄をあわせ、硫酸第一鉄溶液
により、O−フエナンスロリンを指示薬として、
未反応の第二セリウムイオンを逆滴定により定量
したところ、ポリハイドロキノンの還元当量は、
1g当量が52.8と判定された。
%、臭素3.74%に対して、実測値として炭素64.2
%、水素3.5%、臭素3.7%を得た。 このポリハイドロキノンの赤外吸収スペクトル
を第1図に示す。 実施例 2 ポリ(ジイソプロポキシフエニレン)(W=
7600、N=3700;GPCによるポリスチレン換算
値)2.00gを50mlの濃硫酸に溶解し、室温で5時
間かくはんする。反応液を冷水300mlに投入した
後、実施例1と同様にして、ポリハイドロキノン
0.97gを得る(収率86.3%)。ポリハイドロキノ
ンの赤外吸収スペクトルは実施例1で得られたも
のと一致した。 実施例 3 実施例1で得られたポリハイドロキノン1.08g
と硝酸第二セリウムアンモニウム13.16gを水100
ml中で混合かくはんし、室温で2時間反応させ
る。反応後不溶物を過し、残渣は水でよく洗浄
する。反応液と洗浄をあわせ、硫酸第一鉄溶液
により、O−フエナンスロリンを指示薬として、
未反応の第二セリウムイオンを逆滴定により定量
したところ、ポリハイドロキノンの還元当量は、
1g当量が52.8と判定された。
図面は、赤外線吸収スペクトル図であり、第1
図は実施例1で得られたポリハイドロキノンを臭
化カリウム錠剤法によつて測定したものであり、
第2図は、USSR.Pat.346411に示されたものを第
1図と同スケールに書き直して示したものであ
る。
図は実施例1で得られたポリハイドロキノンを臭
化カリウム錠剤法によつて測定したものであり、
第2図は、USSR.Pat.346411に示されたものを第
1図と同スケールに書き直して示したものであ
る。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 式【式】で示される繰返し単位か らなり、かつその数が5〜250であるポリハイド
ロキノン。 2 メタノール不溶性であり、かつその赤外線吸
収スペクトルがC=Oに基づく特性吸収を持た
ないものである特許請求の範囲第1項記載のポリ
ハイドロキノン。 3 式【式】で示される繰返 し単位からなり、かつその数が5〜250であるポ
リ(ジイソプロポキシフエニレン)を強酸と反応
させて脱イソプロピル化反応を行うことにより得
られたものである特許請求の範囲第1または2項
記載のポリハイドロキノン。 4 式【式】で示される繰返し単位か らなり、かつその数が5〜250であるポリ(ジイ
ソプロポキシフエニレン)を、強酸またはルイス
酸と反応させて脱イソプロピル化反応を行うこと
を特徴とする、式【式】で示 される繰返し単位からなり、かつその数が5〜
250であるポリハイドロキノンの製造方法。 5 強酸が濃硫酸またはトリフルオロ酢酸である
特許請求の範囲第4項記載の方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16569284A JPS6144920A (ja) | 1984-08-09 | 1984-08-09 | ポリハイドロキノンおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16569284A JPS6144920A (ja) | 1984-08-09 | 1984-08-09 | ポリハイドロキノンおよびその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6144920A JPS6144920A (ja) | 1986-03-04 |
| JPH0578574B2 true JPH0578574B2 (ja) | 1993-10-29 |
Family
ID=15817227
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP16569284A Granted JPS6144920A (ja) | 1984-08-09 | 1984-08-09 | ポリハイドロキノンおよびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6144920A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2022158335A1 (ja) * | 2021-01-19 | 2022-07-28 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 重合体、組成物、重合体の製造方法、膜形成用組成物、レジスト組成物、レジストパターン形成方法、感放射線性組成物、リソグラフィー用下層膜形成用組成物、リソグラフィー用下層膜の製造方法、回路パターン形成方法、光学部材形成用組成物 |
-
1984
- 1984-08-09 JP JP16569284A patent/JPS6144920A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6144920A (ja) | 1986-03-04 |
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