JPH0586393A - 水性放電加工液 - Google Patents

水性放電加工液

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JPH0586393A
JPH0586393A JP25160191A JP25160191A JPH0586393A JP H0586393 A JPH0586393 A JP H0586393A JP 25160191 A JP25160191 A JP 25160191A JP 25160191 A JP25160191 A JP 25160191A JP H0586393 A JPH0586393 A JP H0586393A
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JP
Japan
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water
molecular weight
polymer
discharge machining
soluble
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JP25160191A
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English (en)
Inventor
Nobuyuki Takahashi
橋 信 之 高
Makoto Sugai
井 誠 菅
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Sodick Co Ltd
Original Assignee
Sodick Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 下記(a)〜(d)の特徴を有する水溶性低
級アルキレンオキサイド重合体を水に7/3〜3/7
(水/水溶性低重合体)の容積比で含んでなる、水性放
電加工液。 (a) 重合体の繰返し単位の分子量が44以下である
場合には、重合体が4量体の分子量から水に溶解性を有
しうる分子量までの範囲の分子量のものであること。 (b) 重合体の繰返し単位の分子量が44を越える場
合には、重合体が2量体の分子量から水に溶解性を有し
うる分子量までの範囲のものであること。 (c) 重合体の分子量分布が広いこと。 (d) 重合体の分子量分布に連続性があること。 【効果】 電極消耗率約0.7%未満という低水準で放
電加工を水性放電加工液を用いて実現することができ、
加工速度も速くなる。また、廉価である。また、3価の
アルコールなどを併用することにより、加工速度もより
速くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、約0.7%以下の電極
消耗率を実現することができ、しかも、価格の面からも
工業的実施で容易に用いることができる水性放電加工液
に関する。
【0002】
【従来の技術】放電加工法は、電極(銅、グラファイト
など)と導電性の被加工物との間を絶縁性媒体で満た
し、電極と被加工物間の媒体中で断続放電して、被加工
物を高精度に加工(形彫、穴堀りあるいは切断など)す
る方法であって、金属加工の分野に広く使用されている
方法である。絶縁性媒体には水性放電加工液と油性放電
加工液とがあり、水性放電加工液は加工速度が速くて生
産性が高く、被加工物の表面温度が数千度になる放電加
工を無人工場で連続運転して行っても火災発生の危険性
がないという利点を有するが、電極消耗率が大きい(1
%以上よりも相当に大きい)ということのために、電極
消耗率が1%未満(電極消耗率が零%になるものもあ
る)となる油性放電加工液が工業的実施において全んど
の場合に用いられている。
【0003】すなわち、放電加工液における電極消耗率
は、それが直接に被加工物の加工精度に影響を与えると
ころから、高加工精度が必要な放電加工(特に形彫、穴
堀り)では、電極消耗率が1%未満であることが絶対条
件になっており、加工速度が遅く、火災発生の危険性が
あっても電極消耗率が低いということで油性放電加工液
が全んどの場合に用いられている。そのために、水性放
電加工液の電極消耗率を低くするためのくつかの提案が
行われており、水溶性脂肪族エーテル化合物を添加して
電極消耗率を1%未満の水準に達するようにしたものが
ある(特開昭62ー236623号公報参照)。しか
し、電極消耗率が1%未満でも、1%より僅かに低い程
度のものにすぎず、しかも水溶性脂肪族エーテル化合物
が高価な特殊合成品であるので、それを添加することは
水性放電加工液の価格を高騰させることになり、工業的
実施では採用するのが困難なものが多く、ごく限られた
場合のみに使用されていた。また、水より分子量の大き
な物質を添加して水性放電加工液自体の分子量を大きく
し、添加物質の電荷と加工用電源の通電極性を反対にし
て通電するようにして電極消耗率を低くするという提案
もあるが(特公昭59ー4253号公報参照)、電極消
耗率の最少限が約3%の程度のものである。さらに、水
より分子量の大きな物質(必要があれば防錆剤も)を添
加して水性放電加工液の比抵抗を5×10〜5×10
にして電極消耗率を低くするという提案もあるが(特
開昭54ー36694号公報)、これも電極消耗率の最
少限が約3%の程度のものである。なお、それら提案に
おいて、水より分子量の大きな物質を添加しているの
は、ケロシン(分子量200〜300)の油性放電加工
液の電極消耗率が低いところから、水性放電加工液の分
子量も大きくすることにより電極消耗率を低下できると
考えたことによる。そして、添加物質は、水溶性で、水
より分子量が大きければよいということで、エチレング
リコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジエチ
レングリコール、ポリエチレングリコールなどが用いら
れている(特公昭59ー4253号公報第2頁第2欄下
段〜第3欄上段および特開昭54ー36694号公報第
2頁右上欄参照)。以上述べたように、電極消耗率が低
くて廉価の水性放電加工液が、実質的に存在しないの
で、工業的実施において高加工精度の放電加工を水性放
電加工液により行うことができないという問題点があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、電極消耗率
が約0.7%未満と著しく低く、しかも加工速度が速く
て廉価である水性放電加工液、すなわち、高精度の放電
加工の工業的実施においても用いることができる水性放
電加工液を得ること、を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による水性放電加
工液は、下記(a)〜(d)の特徴を有する水溶性低級
アルキレンオキサイド重合体を水に7/3〜3/7(水
/水溶性低重合体)の容積比で含んでなるものであるこ
と、を特徴とする。 (a) 重合体の繰返し単位の分子量が44以下である
場合には、重合体が4量体の分子量から水に溶解性を有
しうる分子量までの範囲の分子量のものであること。 (b) 重合体の繰返し単位の分子量が44を越える場
合には、重合体が2量体の分子量から水に溶解性を有し
うる分子量までの範囲のものであること。 (c) 重合体の分子量分布が広いこと。 (d) 重合体の分子量分布に連続性があること。 また、本発明による他の水性放電加工液は、低級水溶性
アルキレンオキサイド重合体と二価アルコール(ただ
し、エチレングリコールを除く)または(および)三価
アルコールとを容積比で7/3〜1/9(水/水溶性低
重合体と多価アルコールの合計量)で水に含んでなるも
のであること、を特徴とする。
【0006】〔発明の具体的説明〕本発明者が、先の提
案(特公昭59ー4253号公報など)において電極消
耗率を低下させるために添加された、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコールおよびトリエチレングリコー
ルの電極消耗率への影響を検討した結果、水性放電加工
液の電極消耗率は、予想に反して約4%〜6%台の著し
く高い値になり、水より分子量の大きい水溶性物質の添
加が必ずしも電極消耗率の低下に寄与するものでないこ
とを見出だした。そして、水性放電加工液の電極消耗率
の低下が、特定種類の重合体の特定の性質を利用するこ
とにより実現できることが本発明者により見出だされ
た。すなわち、重合体は、種々の分子量からなる混合物
(いわゆる多分散性のもの)であるが、特定種類の水溶
性を有する重合体(水溶性低級アルキレンオキサイド重
合体)の多分散性に由来する特性、分子量分布の連続性
などの特性、が水性放電加工液の電極消耗率を0.7%
未満に低下させる条件となることが本発明者により見出
だされた。さらに、多分散性に由来する特定の性質を有
する水溶性を有する重合体と特定の多価アルコールとを
併用すると、水性放電加工液の流動性が改善されて、加
工速度がより向上し、しかも、電極消耗率が容易に0.
7%未満に低下することが本発明者により見出だされ
た。
【0007】<水溶性低級アルキレンオキサイド重合体
>本発明で用いる水溶性低級アルキレンオキサイド重合
体(以下必要に応じて水溶性重合体ということがある)
は、低級アルキレンオキサイドの重合体であって、その
分子中に水溶性基を有するものである。ここで、重合体
は、単独重合体または共重合体、あるいは単独重合体と
共重合体の混合物であってもよい。また、水溶性重合体
は、低級アルキレンオキサイドの単独重合体または共重
合体である場合が本発明による効果を最も享受すること
ができる。しかし、低級アルキレンオキサイド以外の少
量の共単量体との共重合体であってもよい。低級アルキ
レンオキサイドとしては、好ましいのは、炭素数1〜6
程度のものである。本発明で用いる水溶性重合体は、下
記(イ)〜(ニ)の条件を満たすもので、主として合成
によるものである。なお、低級アルキレンオキサイド重
合体は、二量体以上のもので、好ましくは分子量一万未
満のものである。すなわち、二量体から重合体としてい
る。水溶性低級アルキレンオキサイド重合体が有する水
溶性基は、その種類について特に制約がない。水溶性基
としては、例えば、水酸基、エーテル基、アミノ基、ア
ミド基などの水との強い相互作用を持つ基があるが、水
酸基または(および)エーテル基を有する水溶性低級ア
ルキレンオキサイド重合体の使用が代表的である。本発
明で用いる代表的な水溶性重合体は、例えば、ジプロピ
レングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピ
レングリコール、エチレンオキサイドとプロピレンオキ
サイドとの共重合体、ポリエチレングリコールの誘導
体、ポリプロピレングリコールの誘導体などである。な
お、このうちのポリプロピレングリコールは、安定した
弧光を得ることができないので使用することができない
とされていたものであるが(特公昭41ー16480号
公報参照)、以下に述べる重合体の多分散性に由来する
特性を利用する場合は、それを添加することにより加工
速度の向上および電極消耗率の低下の効果を生じ、た弧
光が不安定にならないことが本発明において見出だされ
た。上記以外の水溶性重合体としては、例えば、ポリオ
キシエチレンアクリレート、ポリオキシメチレンメタア
クリレート、βーヒドロキシエチレンメタクリレートお
よびペンタエリスリトールモノメタアクリレートなどが
ある。水溶性低級アルキレンオキサイド重合体は、同一
種類のものを使用しでもよく、異なる種類のものを組み
合わせて使用してもよい。
【0008】(イ)水溶性重合体は、繰返し単位の分子
量が44以下のものでは、4量体の分子量以上の分子量
のものを用いることができる。すなわち、繰返し単位の
分子量が44以下の水溶性重合体では、4量体から用い
ることができる。これは、水溶性重合体がポリエチレン
グリコール(HO−(CHCHO)−H)の場合
には、分子量150のもの、すなわち、トリエチレング
リコール、をベース液(水)に添加すると水性放電加工
液の電極消耗率が急激に大きくなることが本発明で見出
だされたからである。このことから、繰返し単位の分子
量が44以下の水溶性低級アルキレンオキサイド重合体
では、4量体以上の重合体を用いることができる。ただ
し、4量体より分子量が小さいもの、すなわち2量体あ
るいは(および)3量体、が少量含まれていても本発明
の利益を享受するうえで支障がない。それは、2量体あ
るいは(および)3量体の量が少ないと、それらの電極
消耗率を急激に大きくするという機能が、4量体以上の
水溶性低級アルキレンオキサイド重合体の電極消耗率を
低下させるという機能に負けて働らかなくなるからであ
る。一方、繰返し単位の分子量が、ポリエチレングリコ
ールのそれを越える(すなわち、繰返し単位の分子量が
44を越える)ポリプロピレングリコールの場合は、2
量体から添加することができる。ただし、ポリプロピレ
ングリコールにプロピレングリコールが混入していても
電極消耗率に悪影響を及ぼさず、むしろ好ましい場合が
ある。したがって、繰返し単位の分子量が44を越える
水溶性低級アルキレンオキサイド重合体の場合は、重合
体としては2量体のものから用いることができ、しか
も、プロピレングリコールをも添加することができる。
【0009】(ロ)水溶性低級アルキレンオキサイド重
合体の分子量の上限は、水性放電加工液のベース液
(水)に溶解性を有する分子量のものである。水溶性重
合体は、添加量の多少にかかわらず、分子量が大きくな
って所定の限度を越えると、ベース液(水)に溶解しな
くって結晶が析出し、放電加工に使用することができな
くなるからである。例えば、分子量2,500程度のポ
リエチレングリコールを一部でもベース液(水)に混入
すると、分子量が大きすぎるために、微結晶が析出し、
ベース液(水)全体が白濁して放電加工に使用すること
ができなくなる。水溶性重合体の上限の分子量は、重合
体の種類によって異なってくるが、ポリエチレングリコ
ール(HO−(CHCHO)−H)では、分子量
2,500程度のもの(繰返し単位(CHCHO)
数を約57前後含むもの)までを添加することができ
る。したがって、本発明で用いる水溶性重合体は、その
種類が異なっても、上限の分子量としては、繰返し単位
数を約57前後含むものを用いることができる。ただ
し、水溶性重合体の種類が異なると、水溶性重合体を溶
解した水性放電加工液の粘性など異なってくる。ポリプ
ロピレングリコールの場合は、繰返し単位数を約10程
度までのものを添加することが、放電加工を行うのに適
している。
【0010】(ハ)水溶性重合体は、分子量分布が広い
ものであることが必要である。分子量分布が広いという
ことは、水溶性低重合体の通常の市販品の単一のグレー
ドが有する分子量分布よりも一般に広いという意味であ
る。 例えば、表1のポリエチレングリコールの各グレ
ードの分子量分布の広がりは、平均分子量が大きくなる
に従って、大きくなるという重合体共通の特徴を示す
が、平均分子量600のグレードの分子量分布よりも少
なくとも広いことが水性放電加工液の電極消耗率を1%
未満に低下させるのに必要となることが見出だされた。
しかも、特に分子量分布が広いほど、電極消耗率が低
下する傾向がある。そして、表1の平均分子量600の
分子量分布の最少分子量(300)の繰返し単位数は約
6で、最大分子量(1200)の繰返し単位数は約27
であるので、ポリエチレングリコールでは、繰返し単位
数の差が少なくと21(最大分子量の繰返し単位数と最
少分子量の繰返し単位数の差)を越えるように分子量分
布が広がっていることが必要である。ポリエチレングリ
コール以外の水溶性重合体でもこの程度の分子量分布の
広がりがあればよい。
【0011】(ニ)水溶性重合体は、「分子量分布に連
続性があること」が必要である。「分子量分布に連続性
がある」とは、分子量分布に不連続な部分がないことを
意味し、具体的には、異なる分子量分布を有する複数の
水溶性低重合体を併用する場合は、それらの分子量分布
が連続するように重なっていなければならないことを意
味する。水溶性重合体は、多分散性のものであるので、
市販の水溶性重合体のグレードも、グレード毎に平均分
子量が異なる(すなわち、対応する分子量分布が異な
る)ものになっている。そして、市販の水溶性重合体の
単一のグレードのものを水性放電加工液のベース液に添
加しても、分子量分布が狭いために電極消耗率が低下し
ないことがあるのを見出だされたのである。しかも、平
均分子量が異なる複数のグレードを併用した場合、すな
わち、異なる分子量分布のものを併用した場合、水溶性
重合体混合物の分子量分布は、複数の分子量分布が合成
されたものになるが、その合成された分子量分布に連続
性がないと、電極消耗率が低下しないことも見出だされ
たのである。これを、下記表1の平均分子量と分子量分
布を有する市販のポリエチレングリコールについて説明
する。なお、表1中の平均分子量(数平均分子量)は、
ポリエチレングリコールの水酸基価をJISK1557
の方法により測定し、それから分子量に換算したもので
ある。分子量分布の数値は、分子量分布を構成する分子
量の最少値と最大値を示したものである。また、各平均
分子量のポリエチレングリコールが、各グレードとして
市販されているものである。
【0012】 表1 平均分子量 300 400 600 1000 1540分子量分布 100〜750 200 〜900 300〜1200 500〜1800 800〜2300
【0013】本発明においては、表1のポリエチレング
リコールのグレードの2種類〜4種類を連続性のある分
子量分布になるように混合している。例えば、平均分子
量300と平均分子量600と平均分子量1540のグ
レードの混合、平均分子量400と平均分子量1000
のグレードの混合、平均分子量400と平均分子量15
40のグレードの混合などである。種類の異なる水溶性
重合体を混合する場合も同様である。なお、水溶性重合
体の単一のグレード(単一のグレードでは分子量分布は
連続性がある)が、広い分子量分布を有するものであれ
ば、平均分子量の異なる複数のグレードを混合して用い
る必要がない。
【0014】<水溶性重合体と多価アルコールとの併用
>本発明で見出だした水溶性重合体を含む水性放電加工
液では、水の含有量が少ない方が、水性放電加工液の循
環再使用工程で使用するイオン交換樹脂の寿命が長くな
ることが、本発明者により見出だされた。しかし、水性
放電加工液の水の含有量を少なくするということは、水
溶性重合体を増量することになって、加工液の流動性を
悪化させることになる。そこで、水溶性重合体の含有量
の一部をエチレングリコール、ジエチレングリコール、
プロピレングリコールなどの流動性の良いものに置き換
えることを検討した。しかし、エチレングリコールある
いはジエチレングリコールを添加した水溶性低重合体の
水溶液の加工速度および電極消耗率は、共に悪くなり、
これに反して、プロピレングリコールを添加した水溶性
重合体の水溶液が、極めて優れた放電性能を発揮するこ
とを見出だした。
【0015】すなわち、水溶性重合体の水溶液の粘度を
低くして流動性を改善するということでは粘性の小さい
エチレングリコールが適していると予想されたのが、そ
れに反して、プロピレングリコールを溶解した水性放電
加工液が、流動性に優れて、しかも、水溶性重合体によ
る電極消耗率の低下および加工速度の向上の効果が、よ
り増大することが見出だされた。そして、プロピレング
リコール以外の2価アルコール(エチレングリコールを
除く)および3価アルコールを水溶性重合体の水溶液に
添加してもそれに近い傾向があることを見出だした。
【0016】ただし、水溶性重合体の水溶液の加工速度
および電極消耗率を最も著しく改善するのは、プロピレ
ングリコールを添加した場合である。なお、ここで、2
価アルコールとは、その水酸基が結合している炭化水素
が、複数の炭化水素の繰返し結合を有しないものであ
る。すなわち、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、ジプロピレングリコールなどは2価アルコー
ルから除かれる。すなわち、本明細書では、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレング
リコールは、水溶性低級アルキレンオキサイド重合体に
含むものとしている。2価アルコールとしては、水酸基
が結合している炭化水素が炭素数3のグリコール(すな
わち、プロピレングリコール)以外のものでは、炭化水
素が炭素数4〜6のグリコールを使用することができ
る。
【0017】また、3価アルコールの水酸基が結合して
いる炭化水素についても同様である。 なお、先に従来
技術として述べたようにエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、グリセリンなどを水性放電加工液の分子
量を大きくするために添加することは公知である。ま
た、ポリエチレングリコール水溶液の加工液の提案にお
いて、溶液が過度に粘性になることを防止するために低
分子量の材料を添加すること、および電極の摩耗を低減
するために必要数の炭素原子を備えた飽和脂肪族アルコ
ールあるいは不飽和脂肪族アルコールまたはエチレング
リコールを添加することも公知である(特公昭41ー1
6480号公報参照)。しかし、本発明で用いる水溶性
重合体の水溶液に添加した場合には、エチレングリコー
ルおよびジエチレングリコールに対してプロピレングリ
コールが反対の挙動(電極消耗率の低下および加工速度
の向上への寄与)を示すことが、本発明で見出だされ
た。
【0018】そして、プロピレングリコールを添加する
ことにより水溶性低級アルキレンオキサイド重合体の水
への溶解量を大きくすることができる。すなわち、水溶
性低級アルキレンオキサイド重合体の水溶液にプロピレ
ングリコールを添加すると、同じ量の水溶性低級アルキ
レンオキサイド重合体の水溶液よりも粘性が小さくなる
ので水溶性重合体の溶解量を多くすることができること
が見出だされた。さらに、加工液の粘性を小さくするこ
とによる種々の利益も併せて得られる。その種々の利益
には、例えば加工液が電極と被加工物との極間を流動し
易くなり放電加工を効率よく行うことができる、加工槽
から放電を終えた加工液を抜き出して濾過その他の清浄
化処理を行うのが容易になるなどがある。
【0019】<水性放電加工液>水性放電加工液のベー
ス液は、水(特にイオン交換樹脂により処理された純
水)である。ただし、放電加工に適するように加工効率
を改善する物質などが純水に添加して水性放電加工液の
ベース液を調製することもしばしば行われる。本発明に
おいて、水溶性重合体を用いる場合は、水溶性重合体と
水との比率は、容積比で7/3〜3/7(水/水溶性重
合体)、好ましくは6/4〜4/6、特に好ましくは1
/1あるいは1/1前後、である。また、本発明におい
て、水溶性重合体と2価アルコール(ただし、エチレン
グリコールを除く)または(および)三価アルコールと
を併用する場合は、水溶性重合体と水の比率は、容積比
で7/3〜1/9(水/水溶性重合体)、好ましくは6
/4〜3/7、である。2価アルコールまたは(およ
び)3価アルコールは、10〜80重量%(2価アルコ
ールまたは(および)3価アルコールと水溶性重合体の
合計量基準)、好ましくは10〜50重量%、の比率で
用いることができる。
【0020】<水性放電加工液の使用>本発明による水
性放電加工液は、放電加工において加工液を濾過のみに
より清浄にして循環再使用する場合でも、または、加工
液を濾過およびイオン交換樹脂による処理により清浄に
して循環再使用する場合でも使用することができる。し
かし、高加工効率の放電加工を長時間行うには、本発明
による水性放電加工液を濾過およびイオン交換樹脂によ
る処理により加工液を清浄にして循環再使用する放電加
工に使用することが好ましい。
【0021】
【実施例】
【0022】水溶性重合体 下記の表2は、実施例で使用した水性放電加工液の調製
に用いた水溶性重合体を示したものである。表2で使用
しているポリエチレングリコールは、表1に記載したも
のと同じものである。なお、表2中のPEG300は、
平均分子量300のポリエチレングリコールを示し、そ
の数値が異なる場合は、異なる数値の平均分子量を有す
るものであることを示す。また、表2中のEOーPO共
重合体200は、エチレンオキサイドープロピレンオキ
サイド共重合体で平均分子量200のものを示す。%は
容積%である。水性放電加工液は、表2の水溶性低重合
体を所定の割合で水で溶解して水溶液を作り、イオン交
換樹脂を通して比抵抗値3×105 Ω・cmなるように
調製したものを使用した。調製した水性放電加工液の組
成を表5に示す。
【0023】 表2 番号 水溶性重合体 Aー1 PEG300 PEG600 PEG1540 50% 30% 20% Aー2 PEG400 PEG1000 70% 30% Aー3 PEG400 PEG1540 80% 20% Aー4 ジプロピレングリコール PEG400 PEG1540 50% 30% 20% Aー5 ジプロピレングリコール PEG1540 70% 20% Aー6 EOーPO共重合体200 PEG1540 以上のAー1〜Aー6の水溶性重合体は、分子量分布が広いものである。 Bー1 PEG300 100% Bー2 PEG400 100% Bー3 PEG600 100% 以上のBー1〜Bー3の水溶性重合体は、分子量分布が狭いものである。なお 、PEG1000以上は固体のため単体では不適当であった。 Cー1 エチレングリコール 100% Cー2 ジエチレングリコール 100% Cー3 トリエチレングリコール 100% 以上のCー1〜Cー3の水溶性重合体は、少分子量のものである。
【0024】実験装置 下記の表3は、実験装置の諸元を示したものである。 表3 放電加工機 ソディク H 3 被加工物 SKDー61 加工電極 グラファイト EDー2 50×50mm角
【0025】放電条件 下記の表4は、放電加工における放電条件を示したもの
である。 表4 電流 90A(ショート時) τon 320μsτoff 32μs
【0026】実験方法 放電加工装置は、図1の一部切欠き斜視図に図示したよ
うに、加工槽(1)内には加工電極(2)が設けられ、
それに被加工物(3)が載置されており、上方より加工
電極(4)が制御されて下降し、試料(水性放電加工
液)(5)で覆われた被加工物(3)表面との間で放電
し、被加工物(3)表面に最終的に深さ10mmの孔
(6)を彫る。試料(水性放電加工液)(5)は、連続
的に加工槽(1)から取り出されて濾過装置に濾過され
て清浄にされ、貯蔵タンクに貯溜後に冷却装置(図示せ
ず)を経由して加工槽(1)に戻されて、再度放電加工
に使用される。すなわち、通常の水性放電加工液の一般
的な使用方法により放電加工を行った。
【0027】実験結果 以下の表5は、電極消耗率および加工速度について得ら
れた結果を示したものである。表中の〔Aー1〕〜〔C
ー3〕は、表2に示したものである。 表5 番号 加工液 電極消耗率% 加工速度mm3 /min 1 〔Aー1〕20% 水80% 2.56 3.86 2 〔Aー1〕30% 水70% 1.23 4.55 3 〔Aー1〕40% 水60% 0.69 5.00 4 〔Aー1〕50% 水50% 0.66 5.25 5 〔Aー1〕60% 水40% 0.58 4.76 6 〔Aー1〕70% 水30% 0.54 4.42 7 〔Aー2〕50% 水50% 0.70 5.44 8 〔Aー3〕50% 水50% 0.72 5.39 9 〔Aー4〕50% 水50% 0.68 5.31 10 〔Aー5〕50% 水50% 0.75 4.99 11 〔Aー6〕50% 水50% 0.72 4.94 12 〔Bー1〕50% 水50% 1.22 3.54 13 〔Bー2〕50% 水50% 1.39 3.43 14 〔Bー3〕50% 水50% 1.33 3.48 15 〔Cー1〕50% 水50% 8.98 2.64 16 〔Cー2〕50% 水50% 6.82 2.8717 〔Cー3〕50% 水50% 4.77 3.21
【0028】表5の実験結果によれば、番号1〜6の実
験は、水溶性重合体として同じもの〔Aー1〕を用い、
番号順に〔Aー1〕を増量して実験したものである。電
極消耗率および加工速度は、〔Aー1〕が50%の場合
に共に優れていた。〔Aー1〕が20%の場合は、電極
消耗率および加工速度が共に劣ることが明らかになっ
た。 したがって、〔Aー1〕が20%以下では使用で
きないことが明らかになった。また、〔Aー1〕が70
%の場合は、電極消耗率の著しい低下が認められるが、
加工速度が若干低くなる。加工速度が低くなる原因は、
加工液の粘性が高くなったために、加工液が放電の極間
に入り難くなったためである。しかし、プロピレングリ
コール(分子量76.1)のような低粘性の液を加えて
加工液の粘性を小さくすると、そのような問題も解消さ
れて水溶性低重合体添加による効果(電極消耗率の著し
い低下および加工速度の向上)がより向上することが見
出だされた。そして、プロピレングリコールを加えて粘
性を小さくした場合は、水に対して90%程度までポリ
エチレングリコールなど添加しうることが明らかになっ
た。番号4、7、8、9、10、11は、いずれも水溶
性重合体が50%の加工液を用いた実験であるが、水溶
性重合体量の分子量分布が広いので、極めて良好な結果
を示している。一方、番号12、13、14の実験で
も、水溶性重合体が50%の水溶液を用いているが、水
溶性重合体の分子量分布が狭いので、電極消耗率が大き
くなって、加工速度も遅くなっている。また、番号1
5、16、17の実験でも、水溶性重合体が50%の水
溶液を用いているが、水溶性重合体の分子量が小さいの
で、電極消耗率が大きくなって、加工速度も遅くなって
いる。
【0029】
【発明の効果】本発明の水性放電加工液により、従来の
水性放電加工液で実現できなかった電極消耗率約0.7
%未満という低水準で放電加工を水性放電加工液を用い
て実現することができ、加工速度も速くなる。また、本
発明で用いる水溶性重合体は、廉価なものであるので水
性放電加工液も廉価となり、工業的実施においても広く
用いるこができる。すなわち、本発明により水性放電加
工液を用いて高精度の放電加工を工業的に行えるように
なる。また、2価または(および)3価のアルコールを
添加した水性放電加工液では、その粘性が低下した状態
で電極消耗率約0.7%未満の低水準をより容易に実現
することができ、加工速度もより速くなって、水性放電
加工液の粘性低下に伴う放電加工上の様々な利益を享受
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】加工槽の一部切欠き斜視図である。
【符号の説明】
1 加工槽 2 加工電極 3 被加工物 4 加工電極 5 試料 6 孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 40:16 40:20 Z 8217−4H

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(a)〜(d)の特徴を有する水溶性
    低級アルキレンオキサイド重合体を水に7/3〜3/7
    (水/水溶性低重合体)の容積比で含んでなる、水性放
    電加工液。 (a) 重合体の繰返し単位の分子量が44以下である
    場合には、重合体が4量体の分子量から水に溶解性を有
    しうる分子量までの範囲の分子量のものであること。 (b) 重合体の繰返し単位の分子量が44を越える場
    合には、重合体が2量体の分子量から水に溶解性を有し
    うる分子量までの範囲のものであること。 (c) 重合体の分子量分布が広いこと。 (d) 重合体の分子量分布に連続性があること。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の水溶性低級アルキレンオ
    キサイド重合体と2価アルコール(ただし、エチレング
    リコールを除く)または(および)3価アルコールとを
    容積比で7/3〜1/9(水/水溶性低重合体と2価ア
    ルコールまたは(および)3価アルコールとの合計量)
    で水に含んでなる、水性放電加工液。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8178670B2 (en) 2008-01-07 2012-05-15 Biomarin Pharmaceutical Inc. Method of synthesizing tetrahydrobiopterin
CN111534359A (zh) * 2020-04-27 2020-08-14 北京工业大学 一种基于elid磨削的砂轮在位电火花精密修形用加工液

Cited By (3)

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US8178670B2 (en) 2008-01-07 2012-05-15 Biomarin Pharmaceutical Inc. Method of synthesizing tetrahydrobiopterin
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CN111534359B (zh) * 2020-04-27 2022-09-23 北京工业大学 一种基于elid磨削的砂轮在位电火花精密修形用加工液

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