JPH0589450A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH0589450A
JPH0589450A JP24809791A JP24809791A JPH0589450A JP H0589450 A JPH0589450 A JP H0589450A JP 24809791 A JP24809791 A JP 24809791A JP 24809791 A JP24809791 A JP 24809791A JP H0589450 A JPH0589450 A JP H0589450A
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Kazunobu Chiba
一信 千葉
Kenichi Sato
研一 佐藤
Yuichi Arizaka
裕一 蟻坂
Yukari Yamada
ゆかり 山田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 良好な耐久性を確保しつつ、電磁変換特性の
向上を図る。 【構成】 非磁性支持体1上に真空蒸着法により複数の
磁性薄膜2,3からなる磁性層を形成するための蒸着時
に、得られる磁性薄膜2(又は1磁性薄膜3)の表面を
還元性ガスを含む不活性ガスでボンバード処理して、上
記磁性薄膜2(又は1磁性薄膜3)の表面に形成された
酸化層の膜厚を極薄くしたり、或いはこの酸化層を除去
したりする。このようなボンバード処理に使用される不
活性ガスとしては、特に限定されないが、例えばArガ
ス等が一般的に使用される。また、この不活性ガスに導
入される還元性ガスとしては、例えばH2 ガス、アセチ
レン等が挙げられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非磁性支持体上に多層
構造からなる磁性層を有する強磁性金属薄膜型の磁気記
録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】金属あるいはCo−Ni等の合金の連続
膜を磁性層とする、所謂強磁性金属薄膜型の磁気記録媒
体は、保磁力、角形比等に優れ、短波長域における電磁
変換特性に優れるばかりでなく、磁性層の薄膜化が可能
であるために記録減磁や再生時の厚み損失が著しく小さ
いことや、磁性層中に非磁性材料である結合剤等を混入
する必要がないために磁性材料の充填密度を高くできる
こと等、数々の利点を有している。
【0003】この強磁性金属薄膜型の磁気記録媒体は、
一般に真空蒸着法により製造されており、例えば冷却キ
ャンの外周面に沿って所定の方向に移動走行される非磁
性支持体に対して、蒸発せしめられた磁性材料を斜め方
向から被着させる、所謂斜め蒸着法が実用化されてい
る。
【0004】このような斜め蒸着法により磁気記録媒体
の磁性層を形成する際には、蒸着時に非磁性支持体の表
面に酸素ガスを導入することにより、得られる磁性膜の
磁気特性の向上を図ることが行われている。
【0005】ところで、この強磁性金属薄膜型の磁気記
録媒体における電磁変換特性は、一般に残留磁束密度B
r や飽和磁化σs 、保磁力HC に比例することが知られ
ている。従って、例えば磁性層としてCo80Ni20(数
値は重量%を表す。)の組成を有する磁性薄膜を使用し
た蒸着テープでは、Niの添加量を減少させたり、或い
は上述のように非磁性支持体の表面に導入される酸素ガ
スの導入量を少なくして、得られる磁性膜表面の酸化物
量を減少させたりすることにより、残留磁束密度Br
増大させ、電磁変換特性の向上を図ることができると考
えられる。
【0006】ところが、図3に示すように、蒸着時に非
磁性支持体の表面に導入される酸素ガス流量を少なくす
ると、スチル時間が低下する傾向にあり、耐久性が劣化
するという問題が生じる。またこの時、図4に示すよう
に、上記酸素ガス流量の減少に伴って、得られる磁性膜
の出力特性は向上するものの、C/N特性が著しく劣化
してしまう。
【0007】この問題の解決策として、一般的には、非
磁性支持体上に複数の磁性薄膜を積層形成して磁性層を
多層化する方法が採用されている。この方法によれば、
良好な耐久性及びC/N特性を確保しつつ、残留磁束密
度Br や保磁力HC の向上を図ることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述のような多層膜か
らなる磁性層を有する磁気記録媒体は、例えば上述のよ
うな斜め蒸着を繰り返し行うことによって製造すること
ができるが、この場合、蒸着時に非磁性支持体の表面に
対して低入射角側から酸素ガスの導入を行うと、各磁性
薄膜の表面に酸化層(当該磁性薄膜の10%程度の膜
厚)が形成されてしまうことがある。このため、上述の
ように磁性薄膜を積層させると、各磁性薄膜間には中間
酸化層が介在する。
【0009】しかしながら、このように磁性薄膜間に中
間酸化層が介在していると、各磁性薄膜間の磁気的な結
合を弱めることができるが、この酸化層の膜厚が厚すぎ
ると、逆にエネルギー積が減少し、電磁変換特性が劣化
する虞れが生じる。
【0010】また、これら複数の磁性薄膜から構成され
てなる磁性層の表面、即ち前記磁性薄膜のうち最も上層
に存在する磁性薄膜の表面に形成された酸化層は、耐久
性の向上を図る上では有効に機能するものの、その膜厚
が厚くなると、スペーシングロスを発生する原因となっ
てしまう。従って、このような多層構造を有する磁気記
録媒体においては、耐久性と電磁変換特性のバランスを
保つことが重要な課題とされる。
【0011】そこで本発明は、上述の従来の実情に鑑み
て提案されたものであり、耐久性及び電磁変換特性に優
れた磁気記録媒体を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述の目
的を達成せんものと鋭意研究の結果、真空蒸着法により
形成される磁性薄膜の表面をボンバード処理して、この
磁性薄膜の表面に形成された酸化層の膜厚を極薄くした
り、或いはこの酸化層を除去したりすることにより、良
好な耐久性及び電磁変換特性が得られることを見出し、
本発明を完成するに到った。
【0013】即ち、本発明は、非磁性支持体上に真空蒸
着法により複数の磁性薄膜が積層形成されてなる磁気記
録媒体において、上記磁性薄膜の表面が還元性ガスを含
む不活性ガスでボンバード処理されてなることを特徴と
するものである。
【0014】本発明の磁気記録媒体において、磁性層は
複数の磁性薄膜からなる多層構造を有してなる。この磁
性層を構成する磁性薄膜の構成材料としては、一般的に
使用されている磁性材料であれば何れでも良いが、特に
金属磁性材料が好ましい。この場合、金属磁性材料とし
ては、通常この種の磁気記録媒体で使用されるものが何
れも使用可能であり、具体的に例示すれば、Fe、C
o、Ni等の磁性金属や、Fe−Co、Co−Ni、F
e−Co−Ni、Fe−Co−Cr、Co−Ni−C
r、Fe−Co−Ni−Cr等が挙げられる。
【0015】本発明では、これら磁性材料からなる上記
磁性薄膜を形成する方法として、真空蒸着法が用いら
れ、典型的に斜め蒸着が行われる。斜め蒸着とは、蒸発
源から蒸発せしめられた上記磁性材料の蒸気流を、冷却
キャンの外周面に沿って所定の方向に移動走行される非
磁性支持体の表面の法線方向に対して所定の入射角をな
す方向から入射させて、上記非磁性支持体上に蒸着させ
る方法であり、この斜め蒸着を繰り返し行うことによ
り、上述のような多層構造を有する磁性層が得られる。
【0016】このような蒸着に際して、上記磁性薄膜中
に酸素を取り込むことにより磁気特性の向上を図るため
に、蒸着時に非磁性支持体の表面に酸素ガスが導入され
る。このため、得られる磁性薄膜の表面には酸化層が形
成され、この磁性薄膜上に更に磁性薄膜を積層形成する
と、各磁性薄膜間には中間酸化層が介在してしまう。こ
のように、各磁性薄膜間に中間酸化層が介在している
と、磁性層の残留磁束密度Br が低下する。
【0017】これに対して、本発明では、蒸着時に上記
磁性薄膜の表面を還元性ガスを含む不活性ガスでボンバ
ード処理する。これにより、上記酸化層の膜厚を薄くさ
れるか、或いは除去される。
【0018】実際に、上記酸化層の膜厚は、数10Å程
度の極僅かで良く、例えば蒸着時に100Å程度の膜厚
に形成された酸化層をボンバード処理によりその膜厚が
20Å程度となるように薄膜化させれば、磁性層の残留
磁束密度Brを向上させることができるとともに、積層
された磁性薄膜の下層の磁性薄膜から出てくる磁束の低
下等が防止できるので、電磁変換特性を著しく改善する
ことができる。
【0019】このボンバード処理に使用される不活性ガ
スとしては、特に限定されないが、例えばArガス等が
一般的に使用される。また、この不活性ガスに導入され
る還元性ガスとしては、例えばH2 ガス、アセチレン等
が挙げられる。
【0020】このようなボンバード処理の条件は、下記
の(1)式から与えられる定数Kを用いて表すことがで
きる。
【0021】
【数1】
【0022】上記(1)式中、Eは処理装置内の電極に
加えられる電圧を表し、Iは前記電極の電流値を表す。
また、vは上記処理装置中を通過する際のテープスピー
ドを表し、wはボンバード処理がなされる磁気テープの
処理幅を表す。
【0023】従って、上記Kは単位面積当たりの処理能
力を表すものと考えられ、本発明では、その値が10程
度以上となるように上記電極の電圧Eや電流値I等を適
宜選定することが望ましい。このKの値を前記範囲に制
御することにより、耐久性を確保しつつ、電磁変換特性
の改善を図ることができる。
【0024】なお、本発明の磁気記録媒体において、磁
性層は2層構造でも良く、3層以上の多層構造でも良
い。また、いずれの場合にも、磁性層を構成している各
磁性薄膜は、その成長方向が互いに同じ方向(順方向)
となるように形成しても良く、反対方向(逆方向)とな
るように形成しても良い。
【0025】また、上記非磁性支持体としては、通常こ
の種の磁気記録媒体において使用されるものが何れも使
用可能であり、例えばポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレン−2,6−ナフタレート等のポリエステル樹
脂や芳香族ポリアミドフィルム、ポリイミド樹脂フィル
ム等が挙げられる。
【0026】更に、本発明においては、必要に応じて、
上記基体上に下塗り膜を形成する工程やバックコート
層、トップコート層等を形成する工程等を加えても良
い。この場合、下塗り膜、バックコート層、トップコー
ト層等の成膜条件は、通常この種の磁気記録媒体の製造
方法に適用される方法であれば良く、特に限定されな
い。
【0027】
【作用】得られる磁性薄膜中に酸素を取り込むことによ
って当該磁性薄膜の磁気特性の向上を図るために、非磁
性支持体の表面に酸素ガスを導入しながら磁性材料の蒸
着を行うと、上記磁性薄膜の表面には酸化層が形成され
る。この酸化層を介して上記磁性薄膜上に更に磁性薄膜
を積層形成すると、これら磁性薄膜間には中間酸化層が
介在し、各磁性薄膜間の磁気的な結合を弱めることがで
きる。
【0028】しかし、実際には、上記中間酸化層の膜厚
は高々数10Å程度の極僅かでよく、厚すぎると、逆に
エネルギー積が減少し、電磁変換特性の劣化を招くこと
になる。そこで、本発明のように、蒸着時に上記磁性薄
膜の表面をボンバード処理することにより、上記酸化層
を薄膜化、或いは除去すれば、磁性層の残留磁束密度B
r が向上し、同時に積層された磁性薄膜の下層の磁性薄
膜から出てくる磁束の低下等が防止されて、電磁変換特
性が向上する。
【0029】
【実施例】以下、本発明を適用した磁気記録媒体実施例
を具体的に説明する。本実施例の磁気テープは、図1に
示すように、ポリエチレンテレフタレートからなる非磁
性支持体1の一方の主面上に第1の磁性薄膜2及び第2
の磁性薄膜3からなる2層構造を有する磁性層が形成さ
れてなる。
【0030】上記非磁性支持体1の一方の主面上には、
上記第1の磁性薄膜2の下塗り膜としてアクリル酸エス
テル系高分子ラテックスによる塗膜が形成されており、
この下塗り膜を介して該非磁性支持体1上に第1の磁性
薄膜2が形成されている。この下塗り膜は、平均粒径4
00Åの微粒子を含有してなり、この微粒子が1000
万個/mm2 の割合で存在するように形成される。
【0031】この下塗り膜上には、第1の磁性薄膜2が
形成され、この第1の磁性薄膜2上に第2の磁性薄膜3
が積層される。これら第1の磁性薄膜2及び第2の磁性
薄膜3は、斜め蒸着法により得られるものであり、その
成長方向は互いに同じ方向(順方向)となるように形成
される。これら第1の磁性薄膜2及び第2の磁性薄膜3
の膜厚は、それぞれ1000Åである。
【0032】ここで、上記第1の磁性薄膜2の表面は、
部分的に酸化された状態とされ、この第1の磁性薄膜2
と該第1の磁性薄膜2上に積層される第2の磁性薄膜3
とが磁気的に分断されるようになされている。このよう
な上記第1の磁性薄膜2表面の酸化状態は、斜め蒸着時
に雰囲気中に酸素ガスを導入することにより実現するこ
とができる。
【0033】このような第1の磁性薄膜2の表面は、後
述するように蒸着時にボンバード処理されている。これ
により、斜め蒸着時に該第1の磁性薄膜2上に形成され
た酸化層の膜厚が薄くされ、或いは除去されて、前記酸
化層による磁性層の電磁変換特性の劣化が防止される。
【0034】更に、上記第2の磁性薄膜3上には、パー
フルオロポリエーテルを用いたトップコート膜4が形成
されている。一方、上記非磁性支持体1の他方の主面上
には、カーボン、ウレタンからなるバックコート層5が
形成される。
【0035】このような構成を有する磁気テープは、以
下のような構成を有する製造装置を用いて製造すること
ができる。
【0036】この製造装置においては、図2に示すよう
に、頭部と底部にそれぞれ設けられた排気口23から排
気されて内部が真空状態となされた真空室11内に、図
中の反時計回り方向に定速回転する送りロール13と、
図中の時計回り方向に定速回転する巻取りロール14と
が設けられ、これら送りロール13から巻取りロール1
4にテープ状の非磁性支持体12が順次走行するように
なされている。
【0037】これら送りロール13から巻取りロール1
4側に上記非磁性支持体12が走行する中途部には、上
記各ロール13,14の径よりも大径となされた冷却キ
ャン15が設けられている。この冷却キャン15は、上
記非磁性支持体12を図中下方に引き出すように設けら
れ、図中の時計回り方向に定速回転する構成とされる。
なお、上記送りロール13、巻取りロール14及び冷却
キャン15は、それぞれ非磁性支持体12の幅と略同じ
長さからなる円筒状をなすものであり、また上記冷却キ
ャン15の内部には、図示しない冷却装置が設けられ、
上記非磁性支持体12の温度上昇による変形等を抑制し
得るようになされている。
【0038】従って、上記非磁性支持体12は、送りロ
ール13から順次送り出され、さらに上記冷却キャン1
5の周面を通過し、巻取りロール14に巻き取られてい
くようになされている。なお、上記送りロール13と上
記冷却キャン15との間及び該冷却キャン15と上記巻
取りロール14との間にはそれぞれガイドロール16,
17が配設され、上記送りロール13から冷却キャン1
5及び該冷却キャン15から巻取りロール14に亘って
走行する非磁性支持体12に所定のテンションをかけ、
該非磁性支持体12が円滑に走行するようになされてい
る。
【0039】また、上記真空室11内には、上記冷却キ
ャン15の下方にルツボ18が設けられ、このルツボ1
8内に金属磁性材料(Co80Ni20)19が充填されて
いる。このルツボ18は、上記冷却キャン15の幅と略
同一の幅を有してなる。
【0040】更に、上記真空室11の側壁部には、上記
ルツボ18内に充填された金属磁性材料19を加熱蒸発
させるための電子銃20が取付けられる。この電子銃2
0は、該電子銃20より放出される電子線Xが上記ルツ
ボ18内の金属磁性材料19に照射されるような位置に
配設される。そして、この電子銃20によって蒸発せし
められた金属磁性材料19が上記冷却キャン15の周面
を定速走行する非磁性支持体12上に磁性層として被着
形成されるようになされている。
【0041】そして、上記冷却キャン15の近傍には、
該冷却キャン15の周面に沿ってシャッタ22が配設さ
れている。これにより、上記非磁性支持体12表面の一
部が覆われるかたちとなるので、蒸発せしめられた金属
磁性材料19の該非磁性支持体12の表面に対する入射
角を規制することができる。
【0042】従って、このような製造装置においては、
上記ルツボ18内に充填された金属磁性材料19が上記
電子銃20により加熱蒸発され、上記冷却キャン15の
周面を走行する非磁性支持体12に被着されるが、当該
非磁性支持体12が上記シャッタ22の一端部(上記非
磁性支持体12の送出し側の端部)13aにより被覆さ
れる時点までの領域で当該非磁性支持体12に対して蒸
着がなされ、この時点で蒸発せしめられた金属磁性材料
19の上記非磁性支持体12に対する入射角θ 1 が最低
値となるようになされている。
【0043】また、上記真空室11内には、上記冷却キ
ャン15の下方側と上方側を分断するごとく、仕切り板
21が設けられている。これにより、上記送りロール1
3から送り出された非磁性支持体12がこの仕切り板2
1を通過した時点より蒸着が行われ、この時点で上記蒸
発せしめられた金属磁性材料19の上記非磁性支持体1
2に対する入射角θ2 が最高値をとるようになされてい
る。また、このような仕切り板21を設けることによ
り、仕切り板21よりも上方側には蒸発せしめられた金
属磁性材料19が拡散されることがなくなるので、蒸着
効率が向上する。
【0044】更に、上記真空室11の側壁部には、酸素
ガス導入口28がこの真空室11の側壁を貫通して設け
られており、蒸着時にこの酸素ガス導入口28を介して
非磁性支持体12の表面に酸素ガスが供給されるように
なされている。これにより、得られる磁性薄膜中に酸素
が取り込まれて、磁気特性の向上が図られる。
【0045】また、この製造装置においては、上記非磁
性支持体12の送出し側と巻取り側の各ガイドロール1
6,17と上記冷却キャン15との中途部にそれぞれ処
理装置24,25が設けられている。
【0046】これら処理装置24,25は、上記非磁性
支持体12の表面及び上述のような斜め蒸着により形成
される磁性薄膜の表面をそれぞれボンバード処理するた
めに設けられるものであり、上記磁性薄膜の形成前と形
成後に、上記非磁性支持体12及び上記磁性薄膜が形成
された磁気テープが当該処理装置24,25中を通過す
るとともに、これら上記非磁性支持体12と上記磁性薄
膜の表面にボンバード処理がなされるように構成されて
いる。
【0047】従って、送りロール13から送り出された
上記非磁性支持体12は、上記処理装置24内を通過
し、そして上記冷却キャン15の周面を走行し、更に上
記処理装置25内を通過して、上記巻取りロール14に
巻き取られる。
【0048】上記処理装置24,25には、上記非磁性
支持体12及び上記磁性薄膜が形成された磁気テープが
通過するための入口24a,25aと出口24b,25
bがそれぞれ設けられており、これら入口24a,25
aから上記処理装置24,25内に介入した時点から上
記出口24b,25bに至までの間に上記非磁性支持体
12及び上記磁性薄膜が形成された磁気テープの表面に
対してボンバード処理が施される。このようなボンバー
ド処理を行うことにより、上記非磁性支持体12上、或
いは蒸着により得られた磁性薄膜上に形成された酸化層
の膜厚が薄くされる、或いは除去されるので、前記酸化
層の存在に起因する電磁変換特性の劣化が防止される。
【0049】上記処理装置24(又は処理装置25)内
には、上記非磁性支持体12(又は上記磁気テープ)を
介して1対の棒状の電極26,26(又は電極27,2
7)が配設されており、これら電極26,26(又は電
極27,27)間で放電が発生する構成とされている。
これら電極26,26(又は電極27,27)として
は、直流型でも、交流型でも何れも使用可能である。
【0050】また、これら処理装置24,25内には、
不活性ガス又は還元ガスを含む不活性ガスが導入され、
上記電極26,26(又は電極27,27)は水冷され
る。
【0051】なお、この処理装置によれば、上述のよう
な斜め蒸着により得られた磁性薄膜の表面に加えて、上
記非磁性支持体12の表面にもボンバード処理がなされ
るが、少なくとも上述の磁性薄膜の表面がボンバード処
理されていれば良く、上記非磁性支持体12の表面のボ
ンバード処理は省略しても良い。
【0052】そこで、このような製造装置を用いて以下
のような手順に従って各種磁気テープを製造した。実施例1 10μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムの一
主面にアクリル酸エステル系高分子ラテックス(平均粒
径400Å)を1000万個/mm2 となるように塗布
して下塗り膜を形成した。
【0053】次に、金属磁性材料としてCo80Ni20
金(数値は組成比を表す。)を用い、上記下塗り膜が形
成されたポリエチレンテレフタレートフィルムを30m
/分のテープスピードで走行させると同時に、酸素ガス
を導入しながら真空中で斜め蒸着を行って、上記ポリエ
チレンテレフタレートフィルム上に膜厚が1000Åと
なるように第1の磁性薄膜を形成した。
【0054】この時、酸素ガスの導入量を200cc/
分とし、蒸発せしめられた上記金属磁性材料の上記ポリ
エチレンテレフタレートフィルムの表面に対する入射角
を45〜90°の範囲で変化させた。
【0055】また、このような蒸着に際し、上記ポリエ
チレンテレフタレートフィルムの表面と得られた第1の
磁性薄膜の表面をボンバード処理した。このボンバード
処理の条件としては、上記ポリエチレンテレフタレート
フィルムの表面においては、Arガス雰囲気中で上記電
極の電圧を500V、電流を0.2Aとし、第1の磁性
薄膜の表面においては、5%のH2 ガスを含有するAr
ガス雰囲気中で上記電極の電圧を500V、電流を0.
3Aとした。
【0056】そして、上記巻取りロールに巻き取られた
上記ポリエチレンテレフタレートフィルムを巻き戻した
後、上記第1の磁性薄膜と同様にして膜厚が1000Å
となるように第2の磁性薄膜を形成するとともに、得ら
れた第2の磁性薄膜の表面をボンバード処理した。な
お、このボンバード処理の条件は、上記ポリエチレンテ
レフタレートフィルムの表面に施した場合と同様とし
た。
【0057】このような蒸着後、得られた磁気テープに
カーボン、ウレタンからなるバックコート層と、パーフ
ルオロポリエーテルを用いたトップコート層をそれぞれ
形成し、更にこの磁気テープを8mm幅に裁断した。
【0058】実施例2 上記実施例1において第1の磁性薄膜の表面をボンバー
ド処理した際に、5%のH2 ガスを含有するArガス雰
囲気中で行ったのを、4%のアセチレンを含有するAr
ガス雰囲気に変えて、その他は実施例1と同様にして磁
気テープを作製した。
【0059】実施例3 上記実施例1において第1の磁性薄膜の表面をボンバー
ド処理した際に、上記電極の電圧を500V、電流を
0.3Aとしたのを、電圧を500V、電流を0.05
Aに変えて、その他は実施例1と同様にして磁気テープ
を作製した。
【0060】実施例4 上記実施例1において第1の磁性薄膜の表面をボンバー
ド処理した際に、上記電極の電圧を500V、電流を
0.3Aとしたのを、電圧を500V、電流を0.9A
に変えて、その他は実施例1と同様にして磁気テープを
作製した。
【0061】比較例 上記実施例1において第1の磁性薄膜の表面をボンバー
ド処理した際に、5%のH2 ガスを含有するArガス雰
囲気中で行ったのを、還元性ガスを含まないArガス雰
囲気に変えて、その他は実施例1と同様にして磁気テー
プを作製した。
【0062】このようにして得られた各磁気テープにつ
いて、ソニー社製の商品名EVS−900により0.5
4μmの波長における再生出力、C/N及びエラーレー
トをそれぞれ測定した。この結果を表1に示す。なお、
表1中に、各磁気テープにおける第1の磁性薄膜の表面
をボンバード処理した際の処理能力を示す定数K(上記
(1)式参照。)の値も併せて記した。
【0063】
【表1】
【0064】表1に示すように、実施例1〜4では、比
較例に比べて再生出力及びC/Nが高く、またエラーレ
ートが低減されていることが判った。従って、蒸着時に
上述のようなボンバード処理を行うことにより、良好な
耐久性が得られるとともに、電磁変換特性の向上が図ら
れることが判った。
【0065】但し、実施例3のようにボンバード処理に
おける定数Kの値が小さいと、再生出力やC/N、或い
はエラーレートを十分に改善することが出来なかった。
このことから、上記ボンバード処理における定数Kの値
はおよそ10以上とされることが望ましいと言える。
【0066】以上のような本発明の磁気記録媒体は、次
のようなシステムに適用すると、エネルギー積が小さく
なり、エラーレートが抑えられて、良好な結果を期待す
ることができる。
【0067】A.記録再生装置の構成 からービデオ信号をディジタル化して磁気テープ等の記
録媒体に記録するディジタルVTRとしては、放送局用
のD1フォーマットのコンポーネント形ディジタルVT
R及びD2フォーマットのコンポジット形ディジタルV
TRが実用化されている。
【0068】前者のD1フォーマットディジタルVTR
は、輝度信号及び第1,第2の色差信号をそれぞれ1
3.5MHz、6.75MHzのサンプリング周波数で
A/D変換した後、所定の信号処理を行って磁気テープ
上に記録するもので、これらコンポーネント成分のサン
プリング周波数が4:2:2であることから、4:2:
2方式とも称されている。
【0069】一方、後者のD2フォーマットディジタル
VTRは、コンポジットカラービデオ信号をカラー副搬
送波信号の周波数の4倍の周波数の信号でサンプリング
を行ってA/D変換し、所定の信号処理を行った後、磁
気テープに記録するようにしている。
【0070】いずれにしても、これらのディジタルVT
Rは、共に放送局用に使用されることを前提に設計され
ているために、画質最優先とされ、1サンプルが例えば
8ビットにA/D変換されたディジタルカラービデオ信
号を実質的に圧縮することなしに記録するようになされ
ている。したがって、例えばD1フォーマットのディジ
タルVTRでは、大型のカセットテープを使用しても高
々1.5時間程度の再生時間しか得られず、一般家庭用
のVTRとして使用するには不適当である。
【0071】そこで、ここでは、例えば5μmのトラッ
ク幅に対して最短波長0.5μmの信号を記録するよう
にし、記録密度4×105 bit/mm2 以上、あるいは
8×105 bit/mm2 以上を実現するとともに、記録
情報を再生歪みが少ないような形で圧縮する方法を併用
することによって、テープ幅が8mmあるいはそれ以下の
幅狭の磁気テープを使用しても長時間の記録・再生が可
能なディジタルVTRに適用するものとする。
【0072】以下、このディジタルVTRの構成につい
て説明する。
【0073】a.信号処理部 先ず、本実施例において用いたディジタルVTRの信号
処理部について説明する。図5は記録側の構成全体を示
すものであり、1Y、1U、1Vでそれぞれ示す入力端
子に、例えばカラービデオカメラからの三原色信号R,
G,Bから形成されたディジタル輝度信号Y、ディジタ
ル色差信号U、Vが供給される。この場合、各信号のク
ロックレートはD1フォーマットの各コンポーネント信
号の周波数と同一とされる。すなわち、それぞれのサン
プリング周波数が13.5MHz、6.75MHzとさ
れ、且つこれらの1サンプル当たりのビット数が8ビッ
トとされている。したがって、入力端子31Y、31
U、31Vに供給される信号のデータ量としては、約2
16Mbpsとなる。この信号のうちブランキング時間
のデータを除去し、有効領域の情報のみを取り出す有効
情報抽出回路32によってデータ量が約167Mbps
に圧縮される。
【0074】そして、上記有効情報抽出回路32の出力
のうちの輝度信号Yが周波数変換回路33に供給され、
サンプリング周波数が13.5MHzからその3/4に
変換される。周波数変換回路33としては、例えば間引
きフィルタが使用され、折り返し歪みが生じないように
なされている。この周波数変換回路33の出力信号は、
ブロック化回路35に供給され、輝度データの順序がブ
ロックの順序に変換される。ブロック化回路35は、後
段に設けられたブロック符号化回路38のために設けら
れている。
【0075】図7は、符号化の単位のブロックの構造を
示す。この例は、3次元ブロックであって、例えば2フ
レームに跨がる画面を分割することにより、同図に示す
ように(4ライン×4画素×2フレーム)の単位ブロッ
クが多数形成される。なお、図7において実線は奇数フ
ィールドのラインを示し、破線は偶数フィールドのライ
ンを示す。
【0076】また、有効情報抽出回路32の出力のう
ち、2つの色差信号U、Vがサブサンプリング及びサブ
ライン回路34に供給され、サンプリング周波数がそれ
ぞれ6.75MHzからその半分に変換された後、2つ
のディジタル色差信号が互いにライン毎に選択され、1
チャンネルのデータに合成される。したがって、このサ
ブサンプリング及びサブライン回路34からは線順次化
されたディジタル色差信号が得られる。このサブサンプ
リング及びサブライン回路34によってサブサンプル及
びサブライン化された信号の画素構成を図8に示す。図
8中、○は第1の色差信号Uのサブサンプリング画素を
示し、△は第2の色素信号Vのサンプリング画素を示
し、×はサブサンプルによって間引かれた画素の位置を
示す。
【0077】上記サブサンプリング及びサブライン回路
34からの線順次化出力信号は、ブロック化回路36に
供給される。ブロック化回路36では一方のブロック化
回路35と同様に、テレビジョン信号の走査の順序の色
差データがブロックの順序のデータに変換される。この
ブロック化回路36は、一方のブロック化回路35と同
様に、色差データを(4ライン×4画素×2フレーム)
のブロック構造に変換する。そしてこれらブロック化回
路35及びブロック化回路36の出力信号が合成回路3
7に供給される。
【0078】合成回路37では、ブロックの順序に変換
された輝度信号及び色差信号が1チャンネルのデータに
変換され、この合成回路37の出力信号がブロック符号
化回路38に供給される。ブロック符号化回路38とし
ては、後述するようにブロック毎のダイナミックレンジ
に適応した符号化回路(ADRCと称する。)、DCT
(Discrete Cosine Transfor
m)回路等が適用できる。前記ブロック符号化回路38
からの出力信号は、さらにフレーム化回路39に供給さ
れ、フレーム構造のデータに変換される。このフレーム
化回路39では、画素系のクロックと記録系のクロック
との乗り換えが行われる。
【0079】次いで、フレーム化回路39の出力信号が
エラー訂正符号のパリティ発生回路40に供給され、エ
ラー訂正符号のパリティが生成される。パリティ発生回
路40の出力信号はチャンネルエンコーダ41に供給さ
れ、記録データの低域部分を減少させるようなチャンネ
ルコーディングがなされる。チャンネルエンコーダ41
の出力信号が記録アンプ42A,42Bと回転トランス
(図示は省略する。)を介して一対の磁気ヘッド43
A,43Bに供給され、磁気テープに記録される。な
お、オーディオ信号と、ビデオ信号とは別に圧縮符号化
され、チャンネルエンコーダ41に供給される。
【0080】上述の信号処理によって、入力のデータ量
216Mbpsが有効走査期間のみを抽出するによって
約167Mbpsに低減され、さらに周波数変換とサブ
サンプル、サブラインとによってこれが84Mbpsに
減少される。このデータは、ブロック符号化回路38で
圧縮符号化することにより、約25Mbpsに圧縮さ
れ、その後のパリティ、オーディオ信号等の付加的な情
報を加えて、記録データ量としては31.56Mbps
となる。
【0081】次に、再生側の構成について図6を参照し
ながら説明する。再生の際には、図6に示すように、先
ず磁気ヘッド43A,43Bからの再生データが回転ト
ランス及び再生アンプ44A,44Bを介してチャンネ
ルデコーダ45に供給される。チャンネルデコーダ45
において、チャンネルコーディングの復調がされ、チャ
ンネルデコーダ45の出力信号がTBC回路(時間軸補
正回路)46に供給される。このTBC回路46におい
て、再生信号の時間軸変動成分が除去される。TBC回
路46からの再生データがECC回路47に供給され、
エラー訂正符号を用いたエラー訂正とエラー修整とが行
われる。ECC回路47の出力信号がフレーム分解回路
48に供給される。
【0082】フレーム分解回路48によって、ブロック
符号化データの各成分がそれぞれ分離されるとともに、
記録系のクロックから画素系のクロックへの乗り換えが
なされる。フレーム分解回路48で分離された各データ
がブロック複号回路49に供給され、各ブロック単位に
原データと対応する復元データが複号され、複号データ
が分配回路50に供給される。この分配回路50で複号
データが輝度信号と色差信号に分離される。輝度信号及
び色差信号がブロック分解回路51,52にそれぞれ供
給される。ブロック分解回路51,52は、送信側のブ
ロック化回路35,36とは逆に、ブロックの順序の複
号データをラスター走査の順に変換する。
【0083】ブロック分解回路51からの複号輝度信号
が補間フィルタ53に供給される。補間フィルタ53で
は、輝度信号のサンプリングレートが3fsから4fs
(4fs=13.5MHz)に変換される。補間フィル
タ53からのディジタル輝度信号Yは出力端子56Yに
取り出される。
【0084】一方、ブロック分解回路52からのディジ
タル色差信号が分配回路54に供給され、線順次化され
たディジタル色差信号U,Vがディジタル色差信号U及
びVにそれぞれ分離される。分配回路54からのディジ
タル色差信号U,Vが補間回路55に供給され、それぞ
れ補間される。補間回路55は、復元された画素データ
を用いて間引かれたライン及び画素のデータを補間する
もので、補間回路55からはサンプリングレートが2f
sのディジタル色差信号U及びVが得られ、出力端子5
6U,56Vにそれぞれ取り出される。
【0085】b.ブロック符号化 図5におけるブロック符号化回路38としては、ADR
C(AdaptiveDynamic Range C
oding)エンコーダが用いられる。このADRCエ
ンコーダは、各ブロックに含まれる複数の画素データの
最大値MAXと最小値MINを検出し、これら最大値M
AX及び最小値MINからブロックのダイナミックレン
ジDRを検出し、このダイナミックレンジDRに適応し
た符号化を行い、原画素データのビット数よりも少ない
ビット数により、再量子化を行うものである。ブロック
符号化回路38の他の例としては、各ブロックの画素デ
ータをDCT(Discrete Cosine Tr
ansform)した後、このDCTで得られた係数デ
ータを量子化し、量子化データをランレングス・ハフマ
ン符号化して圧縮符号化する構成を用いてもよい。
【0086】ここでは、ADRCエンコーダを用い、さ
らにマルチダビングした時にも画質劣化が生じないエン
コーダの例を図9を参照しながら説明する。図9におい
て、入力端子57に例えば1サンプルが8ビットに量子
化されたディジタルビデオ信号(或いはディジタル色差
信号)が図5の合成回路37より入力される。入力端子
57からのブロック化データが最大値,最小値検出回路
59及び遅延回路60に供給される。最大値,最小値検
出回路59は、ブロック毎に最小値MIN、最大値MA
Xを検出する。遅延回路60からは、最大値及び最小値
が検出されるのに要する時間、入力データを遅延させ
る。遅延回路60からの画素データが比較回路61及び
比較回路62に供給される。
【0087】最大値,最小値検出回路59からの最大値
MAXが減算回路63に供給され、最小値MINが加算
回路64に供給される。これらの減算回路63及び加算
回路64には、ビットシフト回路65から4ビット固定
長でノンエッジマッチング量子化した場合の1量子化ス
テップ幅の値(△=1/16DR)が供給される。ビッ
トシフト回路65は、(1/16)の割算を行うよう
に、ダイナミックレンジDRを4ビットシフトする構成
とされている。減算回路63からは(MAX−△)のし
きい値が得られ、加算回路64からは(MIN+△)の
しきい値が得られる。これらの減算回路63及び加算回
路64からのしきい値が比較回路61,62にそれぞれ
供給される。なお、このしきい値を規定する値△は、量
子化ステップ幅に限らず、ノイズレベルに相当する固定
値としてもよい。
【0088】比較回路61の出力信号がANDゲート6
6に供給され、比較回路62の出力信号がANDゲート
67に供給される。ANDゲート66及びANDゲート
67には、遅延回路60からの入力データが供給され
る。比較回路61の出力信号は、入力データがしきい値
より大きい時にハイレベルとなり、したがってANDゲ
ート66の出力端子には、(MAX〜MAX−△)の最
大レベル範囲に含まれる入力データの画素データが抽出
される。一方、比較回路62の出力信号は、入力データ
がしきい値より小さい時にハイレベルとなり、したがっ
てANDゲート67の出力端子には、(MIN〜MIN
+△)の最小レベル範囲に含まれる入力データの画素デ
ータが抽出される。
【0089】ANDゲート66の出力信号が平均化回路
68に供給され、ANDゲート67の出力信号が平均化
回路69に供給される。これらの平均化回路68,69
は、ブロック毎に平均値を算出するもので、端子70か
らブロック周期のリセット信号が平均化回路68,69
に供給されている。平均化回路68からは、(MAX〜
MAX−△)の最大レベル範囲に属する画素データの平
均値MAX´が得られ、平均化回路69からは(MIN
〜MIN+△)の最小レベル範囲に属する画素データの
平均値MIN´が得られる。平均値MAX´から平均値
MIN´が減算回路71で減算され、この減算回路71
からダイナミックレンジDR´が得られる。
【0090】また、平均値MIN´が減算回路72に供
給され、遅延回路73を介された入力データから平均値
MIN´が減算回路72において減算され、最小値除去
後のデータPDIが形成される。このデータPDI及び
修整されたダイナミックレンジDR´が量子化回路74
に供給される。この実施例では、量子化に割り当てられ
るビット数nが0ビット(コード信号を転送しない)、
1ビット、2ビット、3ビット、4ビットの何れかとさ
れる可変長のADRCであって、エッジマッチング量子
化がなされる。割り当てビット数nは、ブロック毎にビ
ット数決定回路75において決定され、ビット数nのデ
ータが量子化回路74に供給される。
【0091】可変長ADRCは、ダイナミックレンジD
R´が小さいブロックでは、割り当てビット数nを少な
くし、ダイナミックレンジDR´が大きいブロックで
は、割り当てビット数nを多くすることで、効率の良い
符号化を行うことができる。すなわち、ビット数nを決
定する際のしきい値をT1〜T4(T1<T2<T3<
T4)とすると、(DR´<T1)のブロックは、コー
ド信号が転送されず、ダイナミックレンジDR´の情報
のみが転送され、(T1≦DR´<T2)のブロック
は、(n=1)とされ、(T2≦DR´<T3)のブロ
ックは、(n=2)とされ、(T3≦DR´<T4)の
ブロックは、(n=3)とされ、(DR´≧T4)のブ
ロックは、(n=4)とされる。
【0092】かかる可変長ADRCではしきい値T1〜
T4を変えることで、発生情報量を制御すること(いわ
ゆるバッファリング)ができる。したがって、1フィー
ルド或いは、1フレーム当たりの発生情報量を所定値に
することが要求されるこの発明のディジタルビデオテー
プレコーダのような伝送路に対しても可変長ADRCを
適用できる。
【0093】発生情報量を所定値にするためのしきい値
T1〜T4を決定するバッファリング回路76では、し
きい値の組(T1、T2、T3、T4)が複数例えば3
2組用意されており、これらのしきい値の組がパラメー
タコードPi(i=0、1、2・・・・31)により区
別される。パラメータコードPiの番号iが大きくなる
に従って、発生情報量が単調に減少するように設定され
ている。ただし、発生情報量が減少するに従って、復元
画像の画質が劣化する。
【0094】バッファリング回路76からのしきい値T
1〜T4が比較回路77に供給され、遅延回路78を介
されたダイナミックレンジDR´が比較回路77に供給
される。遅延回路78は、バッファリング回路76でし
きい値の組が決定されるのに要する時間、DR´を遅延
させる。比較回路77では、ブロックのダイナミックレ
ンジDR´と各しきい値とがそれぞれ比較され、比較出
力がビット数決定回路75に供給され、そのブロックの
割り当てビット数nが決定される。量子化回路74で
は、ダイナミックレンジDR´と割り当てビット数nと
を用いて遅延回路79を介された最小値除去後のデータ
PDIがエッジマッチングの量子化により、コード信号
DTに変換される。量子化回路74は、例えばROMで
構成されている。
【0095】遅延回路78、80をそれぞれ介して修整
されたダイナミックレンジDR´、平均値MIN´が出
力され、さらにコード信号DTとしきい値の組を示すパ
ラメータコードPiが出力される。この例では、一旦ノ
ンエッジマッチ量子化された信号が新たにダイナミック
レンジ情報に基づいて、エッジマッチ量子化されている
ためにダビングした時の画像劣化は少ないものとされ
る。
【0096】c.チャンネルエンコーダ及びチャンネル
デコーダ 次に、図5のチャンネルエンコーダ41及びチャンネル
デコーダ45について説明する。チャンネルエンコーダ
41においては、図10に示すように、パリティ発生回
路40の出力が供給される適応型スクランブル回路で、
複数のM系列のスクランブル回路81が用意され、その
中で入力信号に対し最も高周波成分及び直流成分の少な
い出力が得られるようなM系列が選択されるように構成
されている。パーシャルレスポンス・クラス4検出方式
のためのプリコーダ82で、1/1−D2 (Dは単位遅
延用回路)の演算処理がなされる。このプリコーダ82
の出力を記録アンプ42A,42Bを介して磁気ヘッド
43A,43Bにより、記録再生し、再生出力を再生ア
ンプ44A,44Bによって増幅するようになされてい
る。
【0097】一方、チャンネルデコーダ45において
は、図11に示すように、パーシャルレスポンス・クラ
ス4の再生側の演算処理回路83は、1+Dの演算が再
生アンプ44A,44Bの出力に対して行われる。ま
た、いわゆるビタビ複号回路84においては、演算処理
回路83の出力に対してデータの相関性や確からしさ等
を用いた演算により、ノイズに強いデータの複号が行わ
れる。このビタビ複号回路84の出力がディスクランブ
ル回路85に供給され、記録側のスクランブル処理によ
って並び変えられたデータが元の系列に戻されて原デー
タが復元される。この実施例において用いられるビタビ
複号回路84によって、ビット毎の複号を行う場合より
も、再生C/N換算が3dBで改良が得られる。
【0098】d.走行系 磁気ヘッド43A及び磁気ヘッド43Bは、図12に示
すように、一体構造とされた形でドラム106に取付け
られる。ドラム106の周面には、180°よりやや大
きいか、あるいはやや小さい巻き付け角で磁気テープ
(図示せず。)が斜めに巻き付けられており、磁気ヘッ
ド43A及び磁気ヘッド43Bが同時に磁気テープを走
査するように構成される。
【0099】また、前記磁気ヘッド43A及び磁気ヘッ
ド43Bのギャップの向きは、互いに反対側に傾くよう
に(例えば磁気ヘッド43Aはトラック幅方向に対して
+20°、磁気ヘッド43Bは−20°傾斜するよう
に)設定されており、再生時にいわゆるアジマス損失に
よって隣接トラック間のクロストーク量を低減するよう
になされている。
【0100】図13及び図14は、磁気ヘッド43A,
43Bを一体構造(いわゆるダブルアジマスヘッド)と
した場合のより具体的な構成を示すもので、例えば高速
で回転される上ドラム106に一体構造の磁気ヘッド4
3A,43Bが取り付けられ、下ドラム107が固定と
されている。ここで、磁気テープ108の巻き付け角θ
は166°、ドラム径φは16.5mmである。
【0101】したがって、磁気テープ108には、1フ
ィールドのデータが5本のトラックに分割して記録され
る。このセグメント方式により、トラックの長さを短く
することができ、トラックの直線性に起因するエラーを
小さくすることができる。
【0102】上述のように、ダブルアジマスヘッドで同
時記録を行うようにすることで、180°の対向角度で
一対の磁気ヘッドが配置されたものと比較して直線性に
起因するエラー量を小さくすることができ、またヘッド
間距離が小さいのでペアリング調整をより正確に行うこ
とができる。したがって、このような走行系により、幅
狭のトラックで記録・再生を行うことができる。
【0103】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明では、磁性層を形成するための蒸着時に、得られる磁
性薄膜の表面をボンバード処理しているので、前記磁性
薄膜の表面に形成される酸化層の膜厚が薄くされるか、
又は除去される。従って、上記磁性薄膜上にさらに繰り
返し蒸着を行って磁性薄膜を積層形成しても、上記酸化
層による悪影響を防止することができ、良好な耐久性を
確保するとともに、電磁変換特性の向上を図ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体の構成を示す断面図であ
る。
【図2】本発明の磁気記録媒体を製造する際に使用され
る製造装置の一例を示す模式図である。
【図3】蒸着時の酸素ガス流量とこの蒸着により得られ
る磁性層のスチル時間の関係を示す特性図である。
【図4】蒸着時の酸素ガス流量とこの蒸着により得られ
る磁性層の出力特性及びC/N特性を示す特性図であ
る。
【図5】ディジタル画像信号を再生歪みが少ないような
形で圧縮いて記録するディジタルVTRの信号処理部の
記録側の構成を示すブロック図である。
【図6】信号処理部の再生側の構成を示すブロック図で
ある。
【図7】ブロック符号化のためのブロックの一例を示す
略線図である。
【図8】サブサンプリング及びサブラインの説明のため
の略線図である。
【図9】ブロック符号化回路の一例を示すブロック図で
ある。
【図10】チャンネルエンコーダの一例の概略を示すブ
ロック図である。
【図11】チャンネルデコーダの一例の概略を示すブロ
ック図である。
【図12】磁気ヘッドの配置の一例を模式的に示す平面
図である。
【図13】回転ドラムの構成例及び磁気テープの巻き付
け状態を示す平面図である。
【図14】回転ドラムの構成例及び磁気テープの巻き付
け状態を示す正面図である。
【符号の説明】
1,12・・・非磁性支持体 2・・・第1の磁性薄膜 3・・・第2の磁性薄膜 4・・・トップコート膜 5・・・バックコート層 15・・・冷却キャン 18・・・ルツボ 19・・・金属磁性材料 20・・・電子銃 22・・・シャッタ 24,25・・・処理装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 ゆかり 東京都品川区北品川6丁目5番6号 ソニ ー・マグネ・プロダクツ株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に真空蒸着法により複数
    の磁性薄膜が積層形成されてなる磁気記録媒体におい
    て、 少なくとも下層となる磁性薄膜の表面が還元ガスを含む
    不活性ガスでボンバード処理されてなることを特徴とす
    る磁気記録媒体。
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