JPH059664A - 耐酸化性の優れたFe−Cr−Al系急冷合金箔 - Google Patents

耐酸化性の優れたFe−Cr−Al系急冷合金箔

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JPH059664A
JPH059664A JP23000291A JP23000291A JPH059664A JP H059664 A JPH059664 A JP H059664A JP 23000291 A JP23000291 A JP 23000291A JP 23000291 A JP23000291 A JP 23000291A JP H059664 A JPH059664 A JP H059664A
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Abstract

(57)【要約】 【目 的】 急冷法を用いてノズル詰まりがなく、安定
して製造でき、耐酸化性に優れ、自動車排ガス用コンバ
ータ用ハニカム材にも用いることのできるFe−Cr−Al系
合金薄帯の提案。 【構 成】 Cr:5〜30(wt)%、Al:2〜15%、Si:
1.5 〜3%、REM(Y、Ce、La、Pr、Nd):0.07〜2.
0 %を含有し、残部が実質的にFeよりなり、かつ結晶粒
径が10μm以下の耐酸化性の優れたFe−Cr−Al系急冷合
金箔。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は自動車排ガス用コンバ
ータに用いるハニカム材や高温発熱体、抵抗材など耐高
温酸化性が要求される用途に好適なFe−Cr−Al系合金箔
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】Fe−Cr−Al系合金は電熱線等に古くから
用いられており、これについては従来から種々の提案が
なされている。例えば、特開昭58−177437号公報には、
Cr:8〜25wt%、Al:3〜8wt%に更に全希土類元素が
0.06wt%までで 0.002〜0.05wt%のCe、La、Ndなどを添
加することによりスケールの剥離性を改善することが提
案されている。しかしこのようなFe−Cr−Al−REM合
金は比較的板厚が厚い状態で自動車用排ガスコンバー
タ、抵抗発熱体、輻射発熱体用支持材等に使用されてい
るが、特に箔のように薄くし、例えば板幅50mm以上の自
動車の排ガス浄化用触媒コンバータで通常より周囲温度
の高いエンジン直近型(エキマニ型)等に用いた場合、
発進、加速、停止のたびに過酷な高温繰り返し酸化を受
けるので、異常な酸化を起こし使用に耐えない。また、
この環境に耐え得る高Cr、Al箔を圧延で製造することは
通常圧延法では難しく、更に熱処理、冷間圧延の繰り返
しが必要となり、コストアップとなる。
【0003】そこで本発明者らは、既に圧延工程を省略
した急冷薄帯法に着目し、かつ耐酸化性を向上させるた
め、希土類元素の添加を増やす提案をしている。急冷薄
帯法では高Cr、Al難加工材の薄板化が容易となり、大幅
なコストダウンと飛躍的な耐酸化性の向上が期待され
る。例えば特開昭63-42347号公報では酸化被膜の剥離性
向上のためREMを0.06〜0.30wt%と大量に添加し、急
冷法により直接箔を製造することを提案している。また
特開昭63-42356号公報では耐酸化性を向上させるためAl
を8〜15wt%とし、圧延を経る通常工程では箔製造が困
難なため急冷法を提案している。
【0004】しかしながら、上記のような大量のREM
添加あるいは高Al系成分合金系の急冷法を用いた薄板化
は実験室的には例えばヒートサイズ10〜100 g、板幅10
mm、板厚50μmのリボン製板では問題ないが、前記自動
車用排ガスコンバータ材で板幅50mm以上、ヒートサイズ
10kg以上の工程材の製造プロセスにおいてはノズル詰ま
り、REMの歩留り、内部欠陥等の問題があり実用化に
は未だ至っていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は急冷法を用い
てノズル詰まりがなく、安定して製造できる耐酸化性の
優れたFe−Cr−Al系合金薄帯を提案することを目的とす
るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく研究を重ねた結果、REMを0.07wt%以上
(通常圧延材より大量添加)添加することによりFe−Cr
−Al系合金箔の耐酸化性を向上させ、かつ急冷法におけ
るノズル詰まりや薄帯の表面性状、内部欠陥を低減する
ためSiを従来の水準を超えて添加し、所定の冷却速度以
上で急冷凝固することが極めて有効であるとの知見を得
た。
【0007】本発明は上記知見に立脚するものであり、
本発明の構成は、Cr:5〜30wt%、Al:2〜15wt%、S
i: 1.5〜3wt%、REM(Y、Ce、La、Pr、Nd):0.0
7〜2.0 wt%を含有し、更に必要に応じてTi、Nb、Zr、
Vの1種又は2種以上を 0.001〜0.5 wt%含有し、残部
がFe及び不可避的不純物よりなり、かつ結晶粒径が10μ
m以下であることを特徴とする耐酸化性の優れたFe−Cr
−Al系急冷合金薄帯であり、望ましくは急冷合金薄帯の
板厚を20〜200 μmとしたものである。
【0008】
【作 用】まず本発明の成分組成の限定理由を述べる。 Cr:5〜30wt% Crが5%より少ないとたとえSiを 1.5wt%以上及び希土
類元素を0.07wt%以上添加しても期待する耐酸化性を得
ることが難しく、一方30wt%より多いと急冷時のノズル
詰まりが発生しやすく、また脆く加工性が悪くなり 180
°曲げが不可能となる。このためCrは5〜30wt%の範囲
に限定される。
【0009】Al:2〜15wt% Siを 1.5wt%以上及び希土類元素を0.07wt%以上添加し
てもAlが2wt%より少ないと耐酸化性が確保できず、一
方15wt%を超えるAl添加は加工性を下げノズル詰まりを
生じやすくするので2〜15wt%の範囲に限定される。特
に排ガスコンバータ用箔の板厚が20〜80μmの場合、2
〜8wt%のAl添加が望ましい。一方、発熱抵抗体用の板
厚80μm以上の箔では単ロール法でスリット間隔の大き
いノズルを用いることができ、ノズル詰まりが発生しな
いので8〜15wt%のAl添加が可能である。
【0010】Si: 1.5〜3wt% 本発明では従来のFe−Cr−Al系合金を急冷凝固する際の
ノズル詰まりをSiを添加することにより改善した。 1.5
wt%未満では板厚 200μm以下でREM:0.07wt%以上
添加しても十分な耐酸化性が得られず、また急冷凝固時
にノズル詰まりが発生しやすい。一方3wt%超では大幅
な耐酸化性は望めるものの、板厚20μm以下でかつ結晶
粒径10μm以下の高い冷却速度で急冷凝固してもその加
工性は改善できず、箔の加工性( 180°曲げ)の点から
限定される。一方、通常圧延材ではSi添加(1wt%以
上)により結晶粒径が粗大化することが知られており、
加工性の劣化、酸化スケールの剥離が生じるが、本発明
では冷却速度が大きく、結晶粒径も小さいので加工性も
改善され、酸化スケールの耐剥離性も向上する。図1は
後述する実施例の一部を酸化増量と時間の観点よりグラ
フ化したものであり、Si含有量の適正範囲において大幅
な耐酸化寿命の向上が見られる。またFe−Cr−Al系合金
の融点はSi添加により低くなるが、3wt%超では大幅な
効果は見られずノズル詰まりに対しては 1.5〜3wt%が
有効である。更に、後述するREMの歩留りもSiの発熱
反応によりSiが 1.5wt%以上の添加により飛躍的な向上
が見られる。
【0011】REM(Y、Ce、La、Pr、Nd):0.07〜2.
0 wt% 本発明では希土類元素としてY、Ce、La、Pr、Ndのいず
れか1種又は2種以上を添加できる。0.07wt%未満では
板厚200μm以下の場合、Siを 1.5wt%以上添加しても
十分な耐酸化性が得られない。また 2.0wt%を超えても
耐酸化性は改善されず、急冷時にノズル詰まりしやすく
なる。
【0012】Ti、Nb、Zr、V: 0.001〜0.5wt% これらの元素をそれぞれ上記範囲において1種又は2種
以上必要に応じて添加することができ、組織の微細化と
高温環境下で生成する酸化被膜の耐剥離性に有効であ
る。しかしそれぞれ 0.001%未満ではその効果が現れず
0.5wt%を超えると酸化速度が速くなるため、 0.001〜
0.5 wt%に限定する。
【0013】次に結晶粒径の限定理由について述べる。
結晶粒径を10μm以下としたのは、Si添加により劣化し
た靭性を箔の加工性の点から補償するためである。すな
わち本発明の組成の場合結晶粒径が10μmを超えると 1
80°曲げ試験により箔の曲げ折れが生じ易くなる。薄帯
の結晶粒度は急冷凝固時の冷却速度により制御できる。
例えば単ロール法で板厚50μm程度で結晶粒径を10μm
以下にし、内部欠陥の少ない表面性状の優れた箔を製造
するためには、例えばロール周速18m/sec 以上、ロー
ル・ノズル間ギャップを 0.3mm以下が望ましい。また、
板厚 200μm程度の厚い場合でも、ロール周速、ロール
・ノズル間ギャップを適切に選定することにより結晶粒
径を10μm以下にできる。また、板厚 100〜200 μmで
は双ロール法、メルトドラグ法によっても結晶粒径10μ
m以下の箔を製造することは可能である。
【0014】なお単ロール法では注湯ノズルと冷却ロー
ル間のギャップを非常に小さくして(例えば 0.1〜1.5
mm)、かつスリット形状のノズルを用いるためノズル詰
まりが発生しやすいが、本発明のFe−Cr−Al系合金は以
上の単ロール法においてもその効果を十分発揮でき、ノ
ズル詰まりなしに連続して長尺広幅の箔を製造できる。
【0015】また本発明の合金箔の主な用途として、自
動車排ガス用コンバータに用いるハニカム材があるが、
板厚20μm未満では本発明の成分系においてもエンジン
直近型触媒コンバータに使用するに必要な耐酸化性が得
られず、一方板厚を80μmを超えて厚くすると排気抵抗
が増えてエンジン特性を低下させるので、望ましくは20
μm以上80μm以下にすることが好ましい。また、通常
の触媒コンバータ(床下型)、抵抗発熱体(電熱ヒー
タ)、輻射発熱体用支持体などでは加工性を考慮して最
大 200μmまで可能であり、本発明の合金箔厚は用途に
応じて20μm以上200μm以下にすることが望ましい。
【0016】
【実施例】
実施例A 表1、2、3に示す組成の合金を表1、2、3に示す製
造法により、どれも板厚50μmの箔に仕上げ、結晶粒
度、加工性、耐酸化性及びノズル詰まりを調べた。
【0017】なお、加工性は50μm厚の箔をR= 0.2mm
で 180°曲げ加工を行い、割れるものを×、割れなしを
○とした。耐酸化性は50μm厚の箔を1200℃の大気中で
加熱し、酸化増量が 2.0mg/cm2以下の時間を耐酸化寿
命とした。なお、1200℃大気酸化試験は高耐酸化性加速
試験である。
【0018】試料No. 1〜7及びNo. 11は溶融した母合
金をアルゴン雰囲気中でロール周速20m/sec で回転す
る直径 500mmの単ロールに噴射し急冷凝固させて得た幅
100mmの試料である。試料No. 12、13はそれぞれ同じく
単ロールで周速18m/sec 、15m/sec としたものであ
る。試料No. 14、15はそれぞれ上記の試料No. 1〜7と
同じ条件で単ロール冷却を行ったがノズル詰まりが生じ
板ができなかった。因みにNo. 14はCrが35wt%と高く、
またNo. 15はLaが 3.0wt%と高い。
【0019】次にNo. 8〜10は溶融した母合金をアルゴ
ン雰囲気中でロール周速30m/secで回転する直径 200m
mの双ロール法でロール周速10m/sec で行ったもので
ある。No. 17はNo. 12同様Siが 1.5wt%に満たないため
にノズル詰まりが発生し、箔はスダレ状となった。また
No. 18はロール周速3m/sec で回転する直径 550mmの
双ロールに噴射し、急冷凝固させて厚さ 0.3mm、幅 500
mmの鋼帯を作製し、その後冷間、温間圧延を行ったが、
圧延中に板割れが発生し、板厚 100μm以下に圧延でき
なかった。
【0020】また、No. 19、20は従来工程で真空溶解炉
にて合金溶製し、インゴットを熱間圧延工程でホットコ
イルとした。No. 19はSi、Laが大量添加のため耳割れ等
で健全なホットコイルが得られず以後の加工、試験は行
わなかった。No. 20は圧延可能だが酸化寿命が短く、例
えばエンジン直近型では使用上問題がある。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】実施例B また、抵抗発熱体として、下記の組成をそれぞれ有する
板厚 100μmの急冷合金箔を用いて酸化寿命を調べた。
No. 1:30wt%Cr、15wt%Al、3wt%Si、 0.1wt%La成
分系で結晶粒径5μmの板幅10mmのリボンの寿命が1150
℃の大気雰囲気内で 600時間であった(本発明)。
【0025】No. 2:20wt%Cr、12wt%Al、 1.5wt%S
i、0.08wt%Y成分系で結晶粒径7μmの板幅10mmのリ
ボンの寿命が1150℃の大気雰囲気内で 500時間であった
(本発明)。No. 3:10wt%Cr、 1.5wt%Al、1wt%S
i、0.06wt%La成分系で結晶粒径10μmの板幅10mmのリ
ボンの寿命が1150℃の大気雰囲気内で 100時間であった
(比較例)。
【0026】No. 4:20wt%Cr、5wt%Al、 0.2wt%S
i、0.07wt%La成分系で結晶粒径5μmの板幅10mmのリ
ボンの寿命が1150℃の大気雰囲気内で200時間であった
(比較例)。
【0027】
【発明の効果】本発明のように組成を限定し、結晶粒径
が10μm以下の急冷薄帯とすることにより、加工性、耐
酸化性の優れた排ガス用触媒コンバータにも用いること
のできる素材を提供することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】加速酸化テストの経時変化を示すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 寛 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cr:5〜30wt%、Al:2〜15wt%、Si:
    1.5〜3wt%、REM(Y、Ce、La、Pr、Nd):0.07〜
    2.0 wt%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物よりな
    り、かつ結晶粒径が10μm以下であることを特徴とする
    耐酸化性の優れたFe−Cr−Al系急冷合金箔。
  2. 【請求項2】 Cr:5〜30wt%、Al:2〜15wt%、Si:
    1.5〜3wt%、REM(Y、Ce、La、Pr、Nd):0.07〜
    2.0 wt%、Ti、Nb、Zr、Vの1種又は2種以上: 0.001
    〜0.5 wt%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物より
    なり、かつ結晶粒径が10μm以下であることを特徴とす
    る耐酸化性の優れたFe−Cr−Al系急冷合金箔。
  3. 【請求項3】 急冷合金箔の板厚が20〜200 μmである
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の耐酸化性の優れ
    たFe−Cr−Al系急冷合金箔。
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