JPH06106129A - 水系潤滑剤を溶接用ワイヤ材表面に塗布する方法 - Google Patents

水系潤滑剤を溶接用ワイヤ材表面に塗布する方法

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JPH06106129A JP28503092A JP28503092A JPH06106129A JP H06106129 A JPH06106129 A JP H06106129A JP 28503092 A JP28503092 A JP 28503092A JP 28503092 A JP28503092 A JP 28503092A JP H06106129 A JPH06106129 A JP H06106129A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶媒としてフロン113を用いない水系潤滑
剤を溶接用ワイヤ材表面に塗布する方法を提供する。 【構成】 溶接用ワイヤ、又はその原材料であるフープ
或いはパイプ或いは丸線の表面に対して、水系潤滑剤を
回転霧化型静電塗油装置を用いて塗布することを特徴と
している。水系潤滑剤としては、粒子径0.1〜0.4μ
mのポリ4弗化エチレンを有する水性ポリ4弗化エチレ
ンディスパージョン中に、粒子径0.5〜40μmのポリ
4弗化エチレンを分散させた潤滑剤や、水中に粒子径
0.5〜40μmのポリ4弗化エチレンを界面活性剤にて
分散させてなる潤滑剤が挙げられる。霧化ノズルを用い
ないのでノズル詰まりの問題がない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶接用ワイヤ、又はそ
の原材料であるフープ或いはパイプ或いは丸線(以下、
「溶接用ワイヤ材」という)に対する潤滑物質の塗布方
法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
溶接用ワイヤ表面に塗布する潤滑剤としては、速乾性の
液体であるフロン113に固体であるPTFE(ポリ4
弗化エチレン)を分散させたフロン系潤滑剤が送給潤滑
剤や伸線潤滑剤として用いられていた(例、特公昭57
−17638号)。このフロン系固体潤滑剤は、速乾性
があることから、溶接用ワイヤを浸漬するだけで塗布す
ることができる。
【0003】しかし、フロン113は優れた溶媒ではあ
るが、地球環境に及ぼす影響が大きいため、「モントリ
オール議定書」で西暦2000年以降使用できなくなる
ことから、フロンに代わり得る溶媒の検討が急務とされ
ている。
【0004】一方、従来より、固体潤滑剤や、有機溶媒
に固体潤滑剤物質を分散させた液体潤滑剤がある。
【0005】しかし、固体潤滑剤はワイヤ送給性が良く
ない等の問題がある。一方、液体潤滑剤の場合、浸漬に
よって厚く塗布すると、特にフラックス入りワイヤの塗
布に適用した場合は、シーム部分から液体潤滑剤が内部
に侵入して溶接欠陥を招く原因となることから、塗布方
法に問題があった。
【0006】そこで、溶接用ワイヤの塗布方法に関し、
静電塗油技術の適用が検討されている。この静電塗油は
霧化ノズルを用いた方式で、例えば、実開昭59−12
3564号、特開昭60−87997号などが挙げられ
る。
【0007】この静電塗油によれば、搬送用空気を用い
て霧化ノズルで噴出させ、霧化させた細かい液滴を静電
気で帯電させ、量をコントロールしてワイヤの表面だけ
に塗布できるので、シームを有するフラックス入りワイ
ヤのみならず、トータル水素量を極少量に抑えねばなら
ないAlソリッドワイヤ等にも適している。
【0008】しかし、有機系溶媒を用いた液体潤滑剤の
塗布に静電塗油法を適用する場合、有機系溶媒は引火性
があることから危険を伴う等々の問題があった。
【0009】本来、フロン113にPTFEを分散させ
た液が潤滑物質となるのは、PTFEの固体潤滑膜を形
成するからである。この「液体→固体」の変化に際し
て、溶媒に速乾性のフロン113を用いたものが最も扱
いやすく優れていたのであるが、水を溶媒にしても、同
じ様な変化が起こる水系潤滑剤が望ましい。
【0010】そこで、本発明者らは、液体潤滑剤のよう
な問題を生じない水系潤滑剤として、種々の硬化剤(バ
インダー成分)について検討した結果、新規な水系潤滑
剤を開発した(特願平3−348242号)。これは、基
本的には、水を溶媒とし、固体潤滑剤物質であるテフロ
ン(商品名)等をこの溶媒中に分散させた潤滑液(水系テ
フロン液)である。
【0011】しかし、このような水系潤滑剤を上述の静
電塗油法により塗布する場合、以下のような問題があ
り、実用には適さないことが判明した。
【0012】その問題点とは、塗布しようとしている液
が固体を分散させた液であり、乾燥すると固化する性質
を有するため、実開昭59−123564号のような霧
化ノズルを設けた装置では、霧化ノズルの詰まりを生ず
る点にある。液滴が細かい霧状になるので、より乾燥固
化し易く、ノズル詰まりは頻繁に生じ、安定した操業は
望めなかった。
【0013】本発明は、上記従来技術の問題点を解決
し、水系潤滑剤を溶接用ワイヤ材表面に効果的に塗布し
得る方法を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明者は、従来の静電塗油技術においてノズル詰
まりを防止し得る方策を見い出すべく検討した。
【0015】静電塗油技術の中には、実開昭59−1
23564号のように霧化ノズルを用いて霧化させる方
法と、高電圧を印加した針先から液を滴下させて静電
霧化させる方法と、高電圧を印加したベルカップを回
転させて静電霧化させる方法(例、特開昭59−145
063号)等がある。
【0016】これらの方法のうち、との方法につい
て種々の実験を繰り返した結果、水系潤滑剤の静電塗油
には、のベルカップ回転霧化方式が工業生産上優れて
いることが判明し、ここに本発明を完成したものであ
る。
【0017】すなわち、本発明は、溶接用ワイヤ、又は
その原材料であるフープ或いはパイプ或いは丸線の表面
に対して、水系潤滑剤を回転霧化型静電塗油装置を用い
て塗布することを特徴としている。
【0018】以下に本発明を更に詳細に説明する。
【0019】
【作用】
【0020】本発明に用いる回転霧化型静電塗油装置
は、元来、鋼板の成形工程において防錆等の目的で表面
に薄膜液を塗布する静電塗油装置であるが、これが水系
潤滑剤の塗布に好適であるのは、閉塞の原因となるノズ
ルがなくとも、回転数(遠心力)が上げることによって、
液滴の粒子径のある程度の微細化が可能であり、連続的
で均一な塗布が可能なためである。
【0021】本発明に用いる回転霧化型静電塗油装置
は、要するに、回転霧化しながら高電圧を印加するベル
カップを備えた静電塗油装置であればよく、種々の形式
のものが可能である。また、この装置を用いた静電塗油
条件も適宜決め得る。
【0022】なお、前述の特開昭59−145063号
に提案されている装置は回転霧化型ではあるが、ベルカ
ップ内に付加的に塗布剤霧化ノズルを設けたものである
ので、本発明の水系潤滑剤を適用した場合、このベルカ
ップ内の霧化ノズルは詰まりを生じるので適していな
い。
【0023】また、本発明に用いる回転霧化型静電塗油
装置の場合、塗布剤(水系潤滑剤)に水又は水系溶媒が用
いられているため、その供給系を全て電気的に孤立させ
て高電圧がリークしないように配慮するのが望ましい。
【0024】水系潤滑剤としては、基本的には、水を溶
媒とし、これに固体潤滑剤物質を分散させた潤滑剤であ
れば、種々のものが可能である。
【0025】例えば、先に提案した水系潤滑剤は、粒子
径0.1〜0.4μmのポリ4弗化エチレンを有する水性
ポリ4弗化エチレンディスパージョン中に、粒子径0.
5〜40μmのポリ4弗化エチレンを分散させた潤滑剤
である。
【0026】粒子径0.1〜0.4μmのポリ4弗化エチ
レンを有する水性ポリ4弗化エチレンディスパージョン
は、市販されているPTFE水性ディスパージョンであ
って、このままでは潤滑性能があまりよくないが、これ
に、より大きい粒子のPTFEを分散混合させることに
より、潤滑性能を向上させることができる。粒子径が
0.5μm以下では効果が期待できず、また40μm以上
ではかえって潤滑性能が悪化する。この大きい粒子径の
PTFEの混合量は、例えば、塗布液に対して5g/l
以上が望ましい。
【0027】この水系潤滑剤において、PTFEの固着
性を向上させたい場合には、樹脂系エマルジョンタイプ
のバインダーを添加するとよい。バインダーとしては、
水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、アミン基、アミ
ド基、ニトリル基、シラノール基等の官能基をフッ素系
樹脂に共重合させたものがよいが、アクリル系、酢酸ビ
ニル系のものも使用可能で、使用条件によっては、フェ
ノール系に代表されるような熱硬化性のものでも適用可
能である。バインダーの添加量は、塗布液に対して0.
1〜30vol%が推奨される。
【0028】また、他の水系潤滑剤の例としては、水中
に粒子径0.5〜40μmのポリ4弗化エチレンを界面活
性剤にて分散させた潤滑剤が挙げられる。前述と同様、
固形潤滑物質としてより大きい粒子のPTFEを分散さ
せるが、溶媒が水だけではPTFEを分散させることが
不可能であるため、界面活性剤を用いる。界面活性剤の
種類及び添加量は適宜決められる。界面活性剤として
は、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等の親
水性の官能基を持つ炭化水素を完全フッ素化したものな
どが挙げられる。
【0029】なお、溶接用ワイヤ材としては種々の形
状、材質のものが可能であることは云うまでもない。ソ
リッドワイヤのほか、シーム有り又はシーム無しのフラ
ックス入りワイヤなどの溶接用ワイヤのほか、その原材
料であるフープ、パイプ、丸線などにも適用可能であ
る。
【0030】次に本発明の実施例を示す。
【0031】
【実施例】
【0032】本例に使用した回転霧化型静電塗油装置の
概略を図1に示す。図中、1は回転霧化しながら高電圧
を印加するベルカップで、エアーモーター2で回転され
る。3はエアー配管、4と塗布ブース、5は潤滑剤供給
タンク、6は潤滑剤回収タンクである。溶接用ワイヤ材
Wは電気的に接地されており、塗装ブース内には接地し
た金網7が設けられている。
【0033】本発明例では、水系潤滑剤として、水中に
粒子径0.5〜40μmの分布したPTFEを界面活性剤
(パーフルオロアルキルカルボン酸塩)にて分散させた潤
滑剤を用い、上記回転霧化型静電塗油装置を使用して塗
布した後、インラインで乾燥した。塗布条件は、印加電
圧が約60KV、潤滑剤供給量が約50〜150cc/mi
nである。
【0034】また、比較例は、同じ水系潤滑剤をドブ漬
け→乾燥の工程によるドブ漬け方式を適用した場合であ
る。
【0035】試験No.1は、Alワイヤ(製品径1.6mm)
に適用した例である。本発明例及び比較例ともワイヤの
送給抵抗は低いが、比較例では、100%Arを用いた
ガスシールドアーク溶接したところ、ビード表面をPT
FEが炭化したものが被い、外観不良を呈した。これに
対し、本発明例では、均一に塗布されており、送給性を
確保しつつ最適なビード外観を呈した。アーク安定性も
良好であった。
【0036】試験No.2はシームを有するフラックス入
りワイヤ(製品径1.2mm)への適用例である。本発明例
では、水系の潤滑剤であっても、シームから水分がしみ
込んでフラックスが湿ることなく、ワイヤ表面にだけ塗
布することができ、水素量を上げないで(フロン113
を用いた潤滑剤と同等)良好な送給性を確保できた。一
方、比較例は、ドブ漬け方式で塗布した製品で、ワイヤ
の送給抵抗が低いものの、ワイヤ水素量が過多であっ
た。
【0037】試験No.3は、シームを有するフラックス
入りワイヤの原材料であるフープ材の成型、伸線への塗
布事例である。試験No.4は、シームレスフラックス入
りワイヤの原材料であるパイプ材の伸線への塗布事例で
ある。いずれの事例の場合でも、本発明例では被塗布体
の表面に均一で薄く適正量の塗膜が形成されていて、成
型性、伸線性が良好であった。一方、比較例では、いず
れの事例の場合でも、付着量が多く、乾燥不十分でイン
ラインに適さない。
【0038】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
溶媒としてフロン113を用いない水系潤滑剤を溶接用
ワイヤ材表面に塗布することができ、溶接欠陥の生じな
い溶接用ワイヤを提供できる。特に、製造工程の脱フロ
ン化が可能となり、地球環境保護に寄与する効果は極め
て大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に用いた回転霧化型静電塗油装置の概略
を示す図である。
【符号の説明】
1 ベルカップ 2 エアーモーター 3 エアー配管 4 塗布ブース 5 水系潤滑剤供給タンク 6 潤滑剤回収タンク 7 金網 W 溶接用ワイヤ材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶接用ワイヤ、又はその原材料であるフ
    ープ或いはパイプ或いは丸線の表面に対して、水系潤滑
    剤を回転霧化型静電塗油装置を用いて塗布することを特
    徴とする水系潤滑剤を溶接用ワイヤ材表面に塗布する方
    法。
  2. 【請求項2】 水系潤滑剤として、粒子径0.1〜0.4
    μmのポリ4弗化エチレンを有する水性ポリ4弗化エチ
    レンディスパージョン中に、粒子径0.5〜40μmのポ
    リ4弗化エチレンを分散させた潤滑剤を用いる請求項1
    に記載の方法。
  3. 【請求項3】 水系潤滑剤として、水中に、粒子径0.
    5〜40μmのポリ4弗化エチレンを界面活性剤にて分
    散させてなる潤滑剤を用いる請求項1に記載の方法。
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