JPH06107650A - ヘキサフルオロプロペンオキシドの製造方法 - Google Patents

ヘキサフルオロプロペンオキシドの製造方法

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JPH06107650A
JPH06107650A JP26346592A JP26346592A JPH06107650A JP H06107650 A JPH06107650 A JP H06107650A JP 26346592 A JP26346592 A JP 26346592A JP 26346592 A JP26346592 A JP 26346592A JP H06107650 A JPH06107650 A JP H06107650A
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hexafluoropropene
reaction
iii
mixture
solvent
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Fumihiko Yamaguchi
史彦 山口
Michio Asano
道男 浅野
Tatsuya Otsuka
達也 大塚
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Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ヘキサフルオロプロペンを酸素で酸化し、ヘ
キサフルオロプロペンオキシドを製造する場合に、反応
開始の誘導期間を無くし、収率を向上させる。 【構成】 上記酸化反応を行う場合に、一般式: F(CF2O)lCOF [I] F(CF2O)mCF2COF [II] F(CF2O)nOCF2COF [III] で示される化合物よりなる群から選択される少なくとも
一種の化合物を含んでなる混合物を添加する。この混合
物は、ヘキサフルオロプロペンを酸素で酸化してヘキサ
フルオロプロペンオキシドを製造する場合に副生物とし
て得られるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はヘキサフルオロプロペン
を酸素で酸化することによるヘキサフルオロプロペンオ
キシドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ヘキサフルオロプロペンオキシドは各種
フッ素系化合物の合成原料やオリゴマーの原料等として
使用されている。このヘキサフルオロプロペンオキシド
の製造法としては様々な方法が開発されており、その大
部分はヘキサフルオロプロペンを原料とし、これを酸化
して製造する方法である。古くは酸化剤として過酸化水
素や次亜塩素酸塩類を用いる方法が知られているが、前
者は極低温が必要であり、いずれも原料と水溶液との混
合を考え水溶性の有機溶媒あるいは多量の界面活性剤を
用いる必要があり、廃水処理などの点で工業上問題が多
い。その他の方法として有機過酸化物を酸化剤として用
いる方法、紫外線による光酸化法、陽極酸化による方法
などが知られるが、危険性・装置の繁雑性などの点で問
題を有している。さらに酸素を酸化剤として反応溶媒を
検討したものが、特公昭45−11683号公報に記載
されている。この酸化反応では溶媒として1,1,2−ト
リクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、トリクロロ
フルオロメタン、パーフルオロ(ジメチルシクロブタ
ン)、四塩化炭素などの不活性な飽和ハロゲン化炭素が
用いられている。しかしこの反応の収率(転化率×選択
率)は低く、約50〜60%である。また特公昭45−
11683号公報に明記されてはいないが、この反応を
追試したところ反応開始までに1〜5時間の誘導期間を
必要とすることがわかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ヘキ
サフルオロプロペンを酸素で酸化し、ヘキサフルオロプ
ロペンオキシドを製造するに際し、反応開始の誘導期間
を無くし、収率(転化率×選択率)を向上することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は上記酸化
反応において、一般式: F(CF2O)lCOF [I] F(CF2O)mCF2COF [II] F(CF2O)nOCF2COF [III] (式中l、m、nはそれぞれ1〜50の整数である)で示さ
れる化合物よりなる群より選択される少なくとも一種の
化合物を含んでなる混合物(以下、単に「混合物」とい
うことがある)を添加することにより解決される。
【0005】上記[I][II][III]式において、l、
m、nが1より大きい場合、CF2O繰返し単位間の結
合は頭−尾結合の外に、頭−頭結合および/または尾−
尾結合をも含み、頭−尾結合の場合はエーテル結合を形
成し、頭−頭結合、尾−尾結合の場合には過酸化エーテ
ル結合を形成する。上記混合物中における過酸化エーテ
ル結合の割合は、ヨード滴定法で測定した活性酸素濃度
が0.01〜25重量%であること、すなわち混合物中
の1〜100個の[I]、[II]または[III]分子に1
個の過酸化エーテル結合が存在することが好ましい。混
合物がこの条件を充たす限り、混合物中の[I]、[I
I]、[III]化合物の割合については制限がない。な
お、本明細書中において上記「混合物」には、[I]、
[II]、[III]のいずれか2成分または1成分のみよ
りなる場合を含むものとする。
【0006】上記[I]、[II]、[III]の化合物は、
ヘキサフルオロプロペンを酸素で酸化してヘキサフルオ
ロプロペンオキシドを製造する際に副生するフッ化カル
ボニルが重合して生成するものである。したがって、こ
の方法によってあらかじめ合成したものを用いてもよい
が、ヘキサフルオロプロペンオキシド製造時の該酸化反
応終了後、反応混合物から目的物であるヘキサフルオロ
プロペンオキシド、未反応物のヘキサフルオロプロペン
を分離したものを用いてもよい。このようにすれば、一
回の反応によって常に次回の反応に用いる[I]、[I
I]、[III]の混合物を得ることができ、同混合物を
循環して用いることができる。
【0007】本発明においては、溶媒として不活性溶
媒、例えばパーフルオロジメチルシクロブタン、フルオ
ロトリクロロメタン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2
−トリフルオロエタン、四塩化炭素、一般式Cl(CF2
CFCl)nCl(n=2〜30)で示される化合物等を用
いることができる。また、上記[I]、[II]、[III]
の化合物の混合物を溶媒として用いることも可能であ
る。
【0008】本発明における該混合物の使用量は全溶媒
中で、ヨード滴定で測定した活性酸素濃度が0.01重
量%以上となるようにすることが望ましい。また、不溶
性溶媒を使用する場合には、該混合物が溶媒の2重量%
以上あることが望ましい。
【0009】本反応の反応方法は、回分式でも密閉容器
中で連続式でも行うことができる。液の撹拌、および加
熱できる金属製オートクレーブが好適である。一般的に
はオートクレーブに[I][II][III]を含む溶媒を容
量の30〜50%仕込み、ヘキサフルオロプロペンを溶
媒に対して1〜40%、好ましくは5〜35%仕込み、
90〜150℃に加熱する。そこに酸素ガスを分注圧
0.2〜5kg/cm2・G、好ましくは0.5〜1kg/cm2
の分圧で分注して反応を行う。酸素のトータル仕込み量
は原料のヘキサフルオロプロペンの転化率を分析するこ
とによって決定できるが、おおよそ理論量の1.3〜1.
7倍量である。またこのときの全反応圧は溶媒種、ヘキ
サフルオロプロペン仕込み比、温度条件等によって変動
するため、特に規定はないが、一般には15〜40kg/
cm2・Gである。
【0010】反応終了後は、温度を室温まで戻し、粗製
物をガスとして回収し、副生する酸性成分はアルカリ洗
浄することで除くことができる。さらにヘキサフルオロ
プロペンオキシドの精製は、微量同伴する不活性溶媒は
沸点差から精留法で分離可能であるし、未反応のヘキサ
フルオロプロペンは例えば臭素化を行い高沸点化するこ
とで、同様に精留により分離できる。
【0011】上述のように、本発明に用いる[I][II]
[III]化合物の混合物は循環して用いることができる
が、[I][II][III]は反応するに従って生成し蓄積
するため、本反応を回分式で行うに当たっては各回分反
応終了ごとに、また連続式で行うに当たっては一定時間
ごとに溶媒成分を分析・検量しし、蓄積量が多くなった
時点で処理操作が必要となる場合がある。 分析・検量法としてはガスクロマトグラフ法、NMR法
などが適用でき、活性酸素濃度についてはヨード滴定法
で検量することができる。処理操作としては、他の不活
性溶媒を用いる場合は蒸留操作により[I][II][II
I]の過剰な成分を分離、アルカリ洗浄で除害する方法
などが取れる。また[I][II][III]を溶媒として用
いる場合はそのまま過剰量を抜き出し、アルカリ洗浄で
除害する方法などが取れる。この除害操作により[I]
[II][III]は分解し、酸性物質を生成するため、
液性をアルカリ性に管理すると共に、水分が反応系中に
混入しないよう注意する必要がある。もし仮に水分の混
入が起これば、反応器中で酸性物質が生成し、反応器の
腐食等を引き起こす危険がある。
【0012】
【実施例】次に、本発明に用いる[I]、[II]、[II
I]の化合物の混合物の調製方法、および本発明のヘキ
サフルオロプロペンオキシドの製造方法の具体例を実施
例によって説明する。本発明がこれらの実施例によって
限定されるものではないことは勿論である。
【0013】実施例1 [I][II][III]化合物の調製(1) 撹拌翼、電気ヒーター、液・ガスの仕込み口、および精
製物の取出し口を備えた3Lステンレス鋼製オートクレ
ーブに溶媒としてCl(CF2CFCl)2Clを2245g仕
込み、ヘキサフルオロプロペンを1047g仕込んだ。
この混合物を400rpmにて撹拌、120℃に加熱し、
酸素ガスを分注圧1kg/cm2・Gにてヘキサフルオロプ
ロペンの転化率が94%となるまで仕込み、反応させ
た。反応後、混合物を室温まで冷却し、低沸点生成物で
あるヘキサフルオロプロペンオキシドなどをブローし、
Cl(CF2CFCl)2Cl溶媒を回収した。このとき溶媒
は2474gまで増加していた。この溶媒を19F NM
Rにより分析したところ、Cl(CF2CFCl)2Cl以外
に表1の様なシグナルが観測された。
【0014】
【表1】
【0015】このNMR分析結果よりCl(CF2CFC
l)2Cl溶媒中には[I][II][III]化合物の混合物が
4.15%含まれることがわかった。また表1のシグナ
ル強度比から、[I][II][III]の混合比は5.4:
3.5:0.7で、平均分子量は約330であると決定し
た。さらにこの[I][II][III]を含んだ溶媒をヨー
ド滴定法で分析したところ、0.0795重量%([I]
[II][III]基準で1.9168重量%)の活性酸素を
有していることがわかった。
【0016】実施例2 [I][II][III]化合物の調製(2) 実施例1で用いた3Lステンレス鋼製オートクレーブに
ヘキサフルオロプロペンを625g仕込んだ。その後4
00rpmにて撹拌、110℃に加熱し、酸素ガスを分注
圧1kg/cm2・Gにてヘキサフルオロプロペンの転化率
が98%となるまで仕込み、反応させた。反応後、混合
物を室温まで冷却し、低沸点生成物であるヘキサフルオ
ロプロペンオキシドなどをブローし、高沸点生成物を回
収した。このとき回収量は97.8gであった。この回収
物を19F NMR、13C NMRにより分析したとこ
ろ、表2、3の様なシグナルが観測された。
【0017】
【表2】
【0018】
【表3】
【0019】このNMR分析結果より回収物は[I][I
I][III]化合物の混合物であることがわかった。ま
た表2のシグナル強度比から、[I][II][III]の混
合比は5.1:3.6:1.5で、平均分子量は約355で
あると決定した。さらにこの[I][II][III]混合物
をヨード滴定法で分析したところ、1.074重量%の
活性酸素を有していることがわかった。
【0020】実施例3〜7 実施例1で用いた3Lステンレス鋼製オートクレーブ
に、同じ実施例1で調製した[I][II][III]化合物
を含むCl(CF2CFCl)2Cl溶媒を仕込み、この溶媒
を5バッチ繰り返し使用して反応を行った。各バッチご
との回収溶媒の組成・再仕込み量、およびヘキサフルオ
ロプロペン仕込み量は表4に示した。反応はすべて撹拌
400rpm、120℃の温度条件で、酸素は分注圧1kg
/cm2・Gにて分割仕込みし、ヘキサフルオロプロペン
の転化率が約95%となるまで反応を行った。また各バ
ッチ反応終了ごとに、[I][II][III]の生成により
回収溶媒重量は増加するため、ほぼその増加分を抜き取
り次バッチに用いた。反応結果は全バッチともに誘導期
間はなく、反応終了後の粗製ガスのガスクロマトグラフ
ィー分析の結果、ヘキサフルオロプロペンオキシド収率
で68.4〜71.2%であった。なお各バッチごとのデ
ータは表4に記載した。さらにこれらの粗製ガスをアル
カリ洗浄後、ドライアイス−メタノール浴にてトラップ
したところ、882.1〜906.7gのガス成分を回収
した。これを分析したところヘキサフルオロプロペンオ
キシド(92.1〜96.2%純度)と原料のヘキサフルオ
ロプロペンであった。
【0021】比較例1 実施例1で用いた3Lステンレス鋼製オートクレーブ
に、[I][II][III]化合物を含まない純品のCl(C
2CFCl)2Cl溶媒を仕込み、反応を行った。各仕込
み条件は表4に示した。反応は撹拌400rpm、120
℃の温度条件で、酸素は分注圧1kg/cm2・Gにて分割
仕込みし、ヘキサフルオロプロペンの転化率が94.8
%となるまで反応を行った。反応結果は反応開始までに
2.5時間の誘導期間が必要で、反応終了後の粗製ガス
のガスクロマトグラフィー分析の結果、ヘキサフルオロ
プロペンオキシド収率で51.9%であった。なお詳し
くは表4に記載した。さらにこれらの粗製ガスをアルカ
リ洗浄後、ドライアイス−メタノール浴にてトラップし
たところ、640.2gのガス成分を回収した。これを分
析したところヘキサフルオロプロペンオキシド(91.7
%純度)と原料のヘキサフルオロプロペンであった。
【0022】実施例8〜10 実施例1で用いた3Lステンレス鋼製オートクレーブ
に、実施例2で調製した[I][II][III]混合物を仕
込み、これを溶媒として3バッチ繰り返し使用し、反応
を行った。各バッチごとの回収[I][II][III]混合
物量・再仕込み量、およびヘキサフルオロプロペン仕込
み量は表5に示した。反応はすべて撹拌400rpm、1
10℃の温度条件で、酸素は分注圧1kg/cm2・Gにて
分割仕込みし、ヘキサフルオロプロペンの転化率が90
%以上となるまで反応を行った。また各バッチ反応終了
ごとに、新たな[I][II][III]化合物の生成により
回収混合物重量は増加するため、分析に必要な分を抜き
取り次バッチに用いた。反応結果は全バッチともに誘導
期間はなく、反応終了後の粗製ガスのガスクロマトグラ
フィー分析の結果、ヘキサフルオロプロペンオキシド収
率で61.0〜66.8%であった。なお詳しくは表5に
記載した。
【0023】比較例2 実施例1で用いた3Lステンレス鋼製オートクレーブ
に、ヘキサフルオロプロペン625gを仕込み、反応を
行った。反応は撹拌400rpm、110℃の温度条件
で、酸素は分注圧1kg/cm2・Gにて分割仕込みし、ヘ
キサフルオロプロペンの転化率が約98.2%となるま
で反応を行った。反応結果は反応開始までに2.0時間
の誘導期間が必要で、反応終了後の粗製ガスのガスクロ
マトグラフィー分析の結果、ヘキサフルオロプロペンオ
キシド収率で54.0%であった。なお詳しくは表5に
記載した。
【0024】実施例11 撹拌翼、電気ヒーター、液・ガス・仕込み口、および生
成物の取出し口を備えた200mlステンレス鋼製オート
クレーブに、実施例2と同様に調製した[I][II][I
II]混合物を溶媒として151g、およびヘキサフルオ
ロプロペンを33.2g仕込み、撹拌400rpm、120
℃に加熱した。さらに酸素は分注圧1kg/cm2・Gにて
分割仕込みし、ヘキサフルオロプロペンの転化率が約9
7.4%となるまで反応を行った。反応結果は誘導期間
はなく、反応終了後の粗製ガスのガスクロマトグラフィ
ー分析の結果、ヘキサフルオロプロペンオキシド収率で
64.8%であった。なお詳しくは表5に記載した。
【0025】
【表4】
【0026】
【表5】
【0027】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明により、
ヘキサフルオロプロペンを酸素で酸化し、ヘキサフルオ
ロプロペンオキシドを製造する場合に、反応開始の誘導
期間が無くなり、反応に要する時間を短縮することがで
きると共に、ヘキサフルオロプロペンオキシドを高収率
で得ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘキサフルオロプロペンを酸素で酸化し
    てヘキサフルオロプロペンオキシドを製造する方法にお
    いて、一般式: F(CF2O)lCOF [I] F(CF2O)mCF2COF [II] F(CF2O)nOCF2COF [III] (式中l、m、nはそれぞれ1〜50の整数であり、l、m、
    nが1より大きい場合、CF2O繰返し単位間の結合は頭
    −尾結合の外に、頭−頭結合および/または尾−尾結合
    をも含む。)で示される化合物よりなる群から選択され
    る少なくとも一種の化合物を含んでなる混合物を添加す
    ることを特徴とするヘキサフルオロプロペンオキシドの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 上記混合物の、ヨード滴定法で測定した
    活性酸素濃度が0.01〜25重量%であることを特徴
    とする請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 ヘキサフルオロプロペンを酸素で酸化し
    てヘキサフルオロプロペンオキシドを製造する場合にお
    いて、当該反応の副生物を添加することを特徴とするヘ
    キサフルオロプロペンオキシドの製造方法。
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