JPH0611234B2 - グリコースの異性化方法 - Google Patents

グリコースの異性化方法

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JPH0611234B2
JPH0611234B2 JP60170545A JP17054585A JPH0611234B2 JP H0611234 B2 JPH0611234 B2 JP H0611234B2 JP 60170545 A JP60170545 A JP 60170545A JP 17054585 A JP17054585 A JP 17054585A JP H0611234 B2 JPH0611234 B2 JP H0611234B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、固定化酵素技術分野に関する。より詳しく
は、本発明は、弱塩基性陰イオン交換樹脂担体上に固定
化されたグルコースイソメラーゼを用いてグルコースを
フルクトースに異性化する方法を提供するものである。
タンパク質固定化の例は1920年代前半から見られる
(ネルソン、ジェイ・エム(Nelson,J.M.)およびディー
・アイ・ヒッチコックス(D.I.Hitchcocks)、ザ・ジャー
ナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ
(J.Amer.Chem.Soc.)46:1956〔1921〕)。と
ろこが、この現象に強く興味が持たれたのは、明らかに
今世紀最後の四半世紀からである。固定化技術は、以下
の4組に分類することができる:(1)包括法、(2)架橋
法、(3)共有結合法および(4)吸着法。
包括法は、通例架橋したゲル内への取り込み、中空ファ
イバ、リポソームマイクロカプセルなどによるカプセル
化による。架橋法は、いわゆる二官能性−または多官能
性架橋剤の添加による酵素の修飾によるものであって、
しばしば吸着またはカプセル化を伴う。共有結合法は最
も広く研究された方法であり、酵素の生物学的活性に本
質的ではない官能基による酵素と担体の共有結合による
ものである。吸着法は、単に酵素を吸着剤と接触させ、
酵素−吸着剤間の比較的弱い結合力の相互作用で固定さ
せることによって達成される。
本発明が最も直接に関係するのは、この最後の固定化法
である。よって、吸着原理を以下に十分に記述する。包
括、架橋および共有結合法に関する包括的な見解は、例
えば、ウィータル、エッチ・エッチ(Weetal.H.H.)著、
「固定化酵素、抗原、抗体およびペプチド(Immobilized
En-zymes,Antigens,Antibodies and Peptides)」エム
・デッカー(M.Dekker)、ニューヨーク、〔1975〕、
またはサボルスキー、オー・アール(Zaborsky,O.R.)
「固定化酵素(Immobilized Enzymes)」シー・アール・
シー・プレス(CRC Press)、クリーブランド、〔197
3〕に記載されている。
吸着に関する初期の研究は、吸着によって酵素の一部ま
たは全部が不活性化されることがあることを示した。従
って、本発明の実施に使用する適当な吸着剤が、酵素に
比較的高い親和性を持ちながら、不活性化は最小限であ
ることは価値がある。
吸着固定化を行う担体としては、アルミナ、ベントナイ
ト、炭酸カルシウム、セルロース、コラーゲン、イオン
交換樹脂、カオリナイト、セファデックス、シリカゲル
およびチタン被覆ステンレススチールが知られている。
以下に記述するように、本発明は広範囲の吸着酵素系に
適用し得るが、過程を有利にするには固定化したグルコ
ースイソメラーゼの使用が特に適当である。
大部分のフルクトースは、固定化グルコースイソメラー
ゼ床をデキストロース溶液が通過する反応器内で、デキ
ストロース(デンプン由来)をフルクトースに異性化す
ることによって商業的に製造される。生成した液体中の
フルクトース含量は、反応器内の流速の調節によって、
通例一定のレベル(すなわち40〜44%)に保たれ
る。固定化酵素は、熱および化学的不活性化によって自
然に失活するので、流速を定期的に遅くする。流速が、
さらに還元可能な流速を下回ると、固定化酵素床を新し
いものと取り換える。寿命に達していない(使用可能
な)カラムの流速は、たとえば50〜5GPMの間で変
わり得るので、ほとんど一定の製造速度を得るために、
多くのカラムを適所に使用しなければならない。
特に有用なグルコースイソメラーゼの固定化の系は、米
国特許第3,788,945号;第3,909354号;第4,110,164号;
第4,168,250号に開示されている。米国特許第3,960,663
号には、固定化グルコースイソメラーゼを含む異性化反
応器へのデキストロース原料液を介して、可溶性グルコ
ースイソメラーゼを定期的に追加することが開示されて
いる。グルコースイソメラーゼは、可溶性グルコースイ
ソメラーゼを能力一杯に担持していた強塩基性陰イオン
交換樹脂に固定される。酵素が失活すると、不活性酵素
が担体から脱落して溶出液中に現れるというように、吸
着特性が変化する。この特許は、担体の全部再担持させ
るのに十分な量の新しい(fresh)酵素を担体に接触させ
ることによる脱離酵素の置換を開示している。失活した
酵素は断続的に吸着剤から脱離するので、混入した酵素
を溶出液から除くためにさらに精製しなければならな
い。
本発明の応用は、以下(1)〜(4)の点で従来の反応より著
しく有利である。
(1)操作の単純化−定期的に反応器内流量を調節する必
要がなくなる。
(2)低資本投下−流速の変動の除去の故に、少数の大型
の反応器を補助する、より小型の反応器が必要となる。
(3)改良された製造管理−より多くの可溶性の酵素を反
応器に加えることにより流速を小さくする必要なく高濃
度のフルクトースが得られる。
(4)生成物精製のコスト低下−遅い流速(長い滞留時
間)が解消されるので、有色で無風味の生成物は減少す
る。
本発明は、弱塩基性陰イオン交換樹脂担体上に固定化さ
れたグルコースイソメラーゼを用いてグルコースをフル
クトースに異性化する方法であって、 (a)弱塩基性陰イオン交換樹脂担体に、吸着条件下で、
担体の最大担持能力より少なく、かつ初期異性化率を与
える量のグルコースイソメラーゼを吸着させ、 (b)必要に応じて、初期異性化率が維持されるような追
加のグルコースイソメラーゼを担体の最大担持能力に達
するまで担体に吸着させることからなり、 初期異性化率が実質的に維持され、溶出液が実質的に消
費酵素を含まないことを特徴とするグルコースの異性化
方法を提供するものである。定期的な酵素の追加は、担
体の最大担持能力に達するまで続ける。
固定化酵素法を評価する主要な要素は、用いる酵素が活
性である期間の長さにある。前記のように、反応を続け
ると酵素は自然に失活する。どのように酵素が失活する
かということを特別な理論で限定するわけではないが、
熱および科学的変性が失活に関与していると思われる。
この問題に対する対処方法の一つは、固定化酵素系の効
率が低下するにつれ、単に反応器内の流量を減少させる
ことであった。しかし、流速は10またはそれ以上の要
因によって変化し得るので、連続的に生産するために一
連のカラムを設けることが必要である。他の対処方法
は、定期的に系の作動を停止し、消耗した酵素を除去し
て新たに酵素を担持させるか、または米国特許第3,960,
663号に開示されているように、消耗した酵素が溶出さ
れるにつれて定期的に新たな酵素を加えるというもので
ある。
本発明は、作動を停止することなく系に新しい酵素を追
加でき、生成物を一定濃度に維持するか、要すれば増加
させることができ、溶出液は本質的に酵素を含まないよ
うな、前述の方法より優れた方法を提供するものであ
る。
本発明の方法では、最初に担体(吸着剤)に、その最大
担持能力を越えない量の酵素を加えて固定化酵素系を調
製し、すなわち担体を不完全担体の状態にし、必要に応
じて担体の最大担持能力に達するまで新たに酵素を導入
することによって生成物濃度を一定に維持する。
吸着による固定化技術は、酵素−担体間の荷電相互作用
や疎水相互作用などをもたらすので、特別な酵素−担体
の組み合わせの選択は、経験的に行わなければならな
い。以下に有用な担体を示す。
1.弱塩基性ポリスチレン樹脂。例:アンバーライトI
RA−93(ローム・アンド・ハース(Rohm & Hass))、
ダイアイオンWA−30(三菱)、ダイアイオンWA−
11(同)、アンバーライトIR−45(ローム・アン
ド・ハース)。
2.弱塩基性(−N(R)2)フェノール−ホルムアルデヒ
ド樹脂。例:デュオライトEA−561(ダイヤモンド
・シャムロック(Diamond Shamrock)、デュオライトES
−562(同)、デュオライトES−568(同)。
3.強塩基性(−N(R)3)ポリスチレン樹脂。例:XE
−352(ローム・アンド・ハース)、アンバーライト
IRA−900(同)、アンバーライトIRA−904
(同)、アンバーライトIRA938(同)、GIA−
01(三菱)、ダイアイオンPA−308(同)、ダイ
アイオンPA−304(同)、ダイアイオンSA−21
A(同)、住友レジン(Sumitomo Resin)(住友)。
4.その他の酵素吸着剤。例:DEAE−セファデック
ス(架橋デキストラン誘導体−ファルマシア(Pharmaci
a))、DEAE−グリコフェイズ(炭水化物で被覆誘導
して調整した細孔ガラス−ピアス・ケミカル(Pierce Ch
emical)、QAE−グリコフェイズ(前記に対応する強
塩基)、DEAE−バイオゲル(Biogel)A(架橋アガロ
ースゲルビーズ誘導体−バイオ・ラド(Bio Rad))、セ
レクタセル(Selectacel)DEAE−セルロース顆粒(ブ
ラウン(Brown))、ビステクD2およびD3(ビスコース由
来のDEAE−セルロース顆粒−ビスコース・グループ
(Viscose Group))、DEAEセファセル(DEAE−
セルロースビーズ−ファルマシア)、DEAE−セルロ
ースビーズ(米国特許第4,090,0022号)、DEAE−セ
ルロースビーズ(ポリテクナ(Polytechna)、チェコスロ
バキア)、調整細孔ガラス(Controlled Pore Glass)
(コーニング・グラス(Corning Glass))、および調整
細孔アルミナ、チタニア、ジルコニア(Controlled Pore
Alumina、Titania、Zirconia)(コーニング・グラス)。
本発明の方法には、弱塩基性陰イオン交換樹脂担体を使
用する。DEAEセファデックスまたはDEAE−セル
ロース型担体の使用が最も好ましい。
前記担体に種々の酵素を吸着させることができ、熟練し
た技術者は、過度に実験をしなくても適当な担体を容易
に選択できる。グルコースイソメラーゼ、グルコアミラ
ーゼ、アミノアシラーゼ、インベルターゼ、β−グルカ
ナーゼ、グルコース−1−オキシダーゼおよびグルコー
ス−2−オキシダーゼのような酵素を使用するのが好ま
しい。
固定化が、単に静電引力によるものであれば、イオン強
度、pH、または反応温度が変化すると結合が仕切れる可
能性がある。この作用を最小限にするために、担体に対
して高い結合活性を有する酵素を選択することが好まし
い。その代わりに、ソロモン(Solomon)とレヴィン(levi
n)がアミノグルコシダーゼについて行ったように、化学
的修飾によってタンパク質の電荷を増すことも可能であ
る(バイオテクノロジー・アンド・バイオエンジニアリ
ング(Biotechn.Bioeng.)16:1161〔1974〕参
照)。本発明の方法に使用される酵素は、グルコースイ
ソメラーゼである。
以下の実施例で、一種の好ましい酵素/担体の組み合わ
せに関して詳細に説明するが、本発明の範囲の限定を意
図するものではない。
実施例1 この実施例は、部分的に精製した可溶性のグルコースイ
ソメラーゼを、部分的に担持した担体を含む固定化反応
器に定期的に添加することによって、さらに19週間高
レベルで本質的に一定の異性化率を維持したものであ
る。
可溶性酵素の精製 ストレプトマイセス・ルビジノサス(Strepto-myces rub
iginosus)発酵液のバッチ1460mを過し、その
細胞を脱イオン水730mに再懸濁させ過した(×
2回)。細胞を脱イオン水1460mに再懸濁させて
スラリーとした。スラリーのpHを希塩酸で6.5に調節
し、リゾチーム10mgおよびヴァリクアット(Variquat)
(ジメチルアルキルベンジルアンモニウムクロライド)
1700ppmを添加した。可溶性イソメラーゼを細胞か
ら抽出するために、穏やかに上部を攪拌しながら40℃
で3.6時間インキュベートした。可溶性酵素を過によ
って細胞片から分離し、18IGIU/mで検定し
た。ロイド、エヌ・イー(Lloyd,N.E.)、カリールディ
ン、ケイ(Khaleeluddin,K.)、ラム、ダブリュー・アー
ル(Lamm,W.R.)(1972)、シリアル・ケミストリー
(Cereal Chem.)49、544に、検定法についての記載
がある。国際グルコースイソメラーゼ単位(Internation
al Glucose Isomerase Unit)は、特殊な条件(pH7.0、
60℃、2.0Mグルコース、0.2MMg2+、0.001MCo
2+、0.2Mマレイン酸ナトリウム緩衝液)下、1マイク
ロモル/分の速度でD−グルコースからD−フルクトー
スへの変換を触媒する酵素の量として定義されている。
固定化に使用する担体 可溶性グルコースイソメラーゼの固定に使用した弱塩基
性担体は、DEAE−セルロース顆粒(GDC)であっ
た。粉砕セルロースと増量剤をプラスチックと共に凝集
させ、次いでそのセルロースをジエチルアミノエチルク
ロライドで変性して弱塩基性を与えるという一般的な調
製法は、ナビスコブランド(Nabisco Brands,Inc.)に譲
渡された米国特許第4,355,117号に開示されている。
特に、C−110粉砕セルロース(インターナショナル
・フィラー(International Filler Corp.)36ポンドと
焼成アルミナ(レイノルズ・RC−20(Reynolds R
C−20)24ポンドを、耐衝撃性ポリスチレン(ハモ
ンド・プラスチックス(Hammond Plastics)60ポンドと
共に、ロールミル中200℃でプラスチックが溶けて混
合物が均質となるまで混合した。セルロース混合顆粒を
冷却し、ハンマーミルに複数回通して粉砕し、スクリー
ンで分級して米国標準メッシュフラクション40〜80
の粉体を得た。分級した物質(36ポンド)を、硫酸ナ
トリウム37ポンド、水酸化ナトリウム4.8ポンドおよ
び水14.1ガロンから成る硫酸アルカリ溶液に入れてスラ
リーとした。スラリーを40℃に加熱し、塩酸ジメチル
アミノエチルクロライドの50%水溶液14.15ポンドを
115m/分の速度で攪拌しながらスラリーに加えた
(添加時間約1時間)。スラリーをさらに30分間攪拌
し、50%NaOH7.2ポンドを加え、さらに50%塩酸ジ
エチルアミノエチルクロライド14.15ポンドを前記と同
様に加えた。スラリーを60℃に加熱し、水15ガロン
で希釈し、HClでpH4.5に調節して60メッシュのシェイ
カースクリーン上で洗った。GDCを再びスラリーと
し、pH7.0〜7.5に調節して、60メッシュのスクリーン
上で脱水した。
担体の吸着能力は、次のように測定した。可溶性酵素1
00mlに、乾燥重量2.63gの担体を加えた。pH7.0に調
節し、スラリーを5時間穏やかに攪拌した。吸着に続い
て、時間間隔を置いて部分量を過し、可溶性イソメラ
ーゼ活性を測定した。
すなわち、測定した担体の可溶性イソメラーゼ活性は乾
燥品1g当たり584IGIUであった。
GDCへの最初の酵素の固定化 以下のように、GDC担体に、担持能力の約25%の可
溶性イソメラーゼを担持させた。GDC(乾燥重量1
4.8g)を脱イオン水に入れてスラリーとし、pH7.0
〜7.1に調節した。水流ポンプによる減圧下、室温で6
0分間スラリーを脱気し、直径1インチ、長さ12イン
チのエース・ガラス・アジャスタクロム(Ace Glass Ad-
justachrom)(商標)でジャケットされ、底が溶融ガラ
スのカラムに注入した。床を深さ3.54インチに詰めた。
むら無く液体を流すために、ガラスビーズを床の上(4
インチ)に置いた。室温で1m/分の速度で可溶性イ
ソメラーゼ145m(2600IGIU)を上からポ
ンプで流してGDCに担持させた。床を通過した液体に
は、測定し得る活性は無かった。
固定化イソメラーゼ活性の検定 カラムの水ジャケットを61℃に調節した。5mMMgSO4
よび5mMNaHSO3を含有する結晶デキストロース50%溶
液(pH7.8)を、流速0.4m/分で固定化イソメラーゼ床
の上から流した。カラムを16時間運転した。
溶出液のサンプルを分析し、次の式(1)によって固定化
活性を計算した。
Et=全固定化活性(IGIU) R=流速(m/時) C=モノサッカライド濃度(g/m) Kf=61℃における反応速度定数 (0.019g/IGIU/時) Io=注入液の異性化度(結晶デキストロースについて
は0) Ie=平衡時の異性化度=0.510(61℃) 異性化度Iは、以下のように偏光分析的に測定した。カ
ラムの注入液および溶出液のサンプルを脱イオン水で2
0倍に希釈し、旋光が平衡に達するよう1時間放置し
た。旋光度測定には、25℃、水銀灯からの波長576
nmの光で、エルマー241型(Elmer Model 241)旋光計
を使用した。セルに水を入れて旋光計のゼロ点調節を行
った後、希釈した注入液および溶出液の旋光度を測定し
た。
ΔI=I−Io D=希釈度(5m→100m)=20 L=旋光計のセル長=1dm 〔αd〕−〔αf〕は、純粋なデキストロースを純粋な
フルクトースに転化する際の比旋光度の変化であり、水
銀灯による測定値は167.33であった。
ファクターは0.1195であった。
この検定法により測定した固定化酵素の活性は1548
IGIUであり、これは、担体に担持させた可溶性の活
性酵素2600IGIUのうちの60%が固定化酵素活
性を示したことを表す。
異性化および定期的な酵素の追加 乾燥固体としてのデキストロース95%、5mM MgSO4
よび5mMNaHSO3を含有するコーンスターチ加水分解物5
0%溶液をpH7.8に調節し、61℃で固定化したイソメ
ラーゼ床の上から流した。カラムの最初の流量について
式(1)で計算し、約44%のフルクトース転化が起こる
よう調節した。固定化酵素活性の検定時を除いては、こ
の流量を17m/時で一定に保った。溶出液中のフル
クトース含量は、異性化度測定によって本質的に測定さ
れる。
フルクトース(%)=100Id 〔d=溶出液中の全乾燥固体としてのモノサッカライド
含量〕 フルクトース濃度は、しだいに低下して16日後には約
40%になったので、可溶性酵素の第1回目の追加を行
った。固定化酵素活性の検定の結果、失活分を補充して
フルクトース転化率を44%に高めるために、約800
IGIU必要であることがわかった。従って、前述の塩
を含有する50%結晶デキストロース溶液126m
に、酵素40m(720IGIU)を加えた。カラム
への原料供給を酵素含有デキストロース溶液に切り換
え、0.3m/分の速さで全量を流した。酵素吸着中の
カラムからの溶出液からは、可溶性イソメラーゼは検出
されなかった(溶出液を61℃で16時間インキュベー
トし、フルクトース含量の増加を測定した)。次いで追
加の固定化酵素活性を検定するために、結晶デキストロ
ース溶液の注入を続けた。原料をコーンスターチ加水分
解物に戻すと、溶出液のフルクトース濃度は44%に回
復した。
溶出液中のフルクトース濃度が次第に低下して約40%
になる−固定化酵素活性を検定するために、結晶デキス
トロース溶液に原料を切り換える−デキストロース溶液
に可溶性酵素を加えて注入する−追加した固定化酵素活
性を検定する−コーンスターチ加水分解物原料に戻す、
という手順を17週間続けた。次の10週間は、酵素追
加前後の固定化酵素活性の検定を省略して、この手順を
行なった。それ以降は、一定量の可溶性酵素を定期的に
追加した。この間、流速は一定に保たれ、フルクトース
濃度は自然に40〜44%の範囲内に入っていた。もち
ろん、可溶性酵素をより頻繁に追加すれば、フルクトー
スの濃度範囲をより狭めることができる。
7.5週間の運転後、酵素活性は2倍になっており、40
〜44%のフルクトースを得るために流速を高める以外
特に影響は無かった。13週間の運転後、コーンスター
チ加水分解物原料中の塩濃度を、MgSO4については5mMか
ら1mMに、NaHSO3については5mMから2mMに低めた。
20週間後、酵素吸着中の溶出液検定の結果、可溶性の
活性酵素がいくぶん漏出したことがわかった。漏出が起
こる前の最後の酵素の追加によって吸着した酵素の全量
は、649IGIU/gまたは最初に測定した担持能力
684IGIU/gに近い値となっていた。その後の吸
着操作中に漏出は増加したが、新たな酵素は十分吸着さ
れており、40%のフルクトース転化率は維持された。
最初に測定した担持能力を超過した後にも酵素が吸着さ
れるという事実は、失活酵素が脱着するということを示
した。
第1表は、27週間のフルクトースの製造および酵素の
追加についてまとめたものである。製造されたフルクト
ース量は、乾燥品としてフルクトースシロップの43重
量%であった。各週のフルクトース製造量も43%に正
規化できた。
実施例2 この実施例は、カラムにおける酵素の固定化に関するも
のであり、最初に担体に担持させ、後に追加する可溶性
グルコースイソメラーゼは、純度の高いものである。カ
ラム操作は実施例1と同様であり、コーンスターチ加水
分解物原料の流速を一定に保ち、結晶デキストロース溶
液に入れた可溶性酵素の追加は原料液を介して行った。
こうして、14週間フルクトース転化率を40〜44%
に維持した。精製したコーンスターチ加水分解物の45
%原料液は、デキストロース約95%、1.5mMMgSO4およ
び2.0mMNaSO3を含有していた。pH7.5の溶出液を得るた
めに、注入液のpHを約7.8に調節した。固定化酵素床の
温度は60℃に調節した。
可溶性グルコースイソメラーゼの精製 細胞を発酵液から分離せずに抽出前に洗う以外は、実施
例1と同様に、ストレプトマイセス・ルビジノサスの発
酵液を抽出して、その細胞から可溶性グルコースイソメ
ラーゼを放出させた。過した抽出液2350mをD
EAE−セルロース顆粒カラムに通して精製した。DE
AE−セルロース顆粒カラムは、実施例1で用いた酵素
を固定化させる担体と同じ素材である。カラムを調製す
るのに、乾燥重量300gのGDCを10mMトリス緩衝液
に懸濁させ、それをクロマトグラフィーカラム内に2イ
ンチの深さに注入して床とした。カラムを、10mMトリス
緩衝液2で10m/分の流速で、または溶出液のpH
が約7になるまで洗った。
酵素溶液(29.3IGIU/m)を5m/分の速さで
カラムの上から流した。酵素を流した後、0.1mMNaCl−1
0mMトリス緩衝液(pH7)3.5で、流速10m/分でカ
ラムを洗った。溶出液フラクションの酵素含量を、紫外
吸収測定および酵素測定によって監視した。20IGI
U/m以上含有したフラクションは貯留しておき(9
00m)、限外過によってさらに精製した。貯留し
たフラクションを、10PSIGN2雰囲気中、アミコン
(Amicon)407攪拌器内のアミコンXM−100膜で限
外過した。限外過によって精製した液には、純度約
50%の酵素800IGIU/mが含まれていた。
固定化に使用する担体 GDC担体(乾燥重量7.75g)を、実施例1に記載のガ
ラスカラムに入れた。40倍希釈した精製酵素136m
(2720IGIU)を含有する50%結晶デキスト
ロース溶液(pH7.8、5mMMgSO4、m5MNaHSO3)を流速0.4
〜0.7m/分でカラムの上からポンプで流し、担体に
担持能力の約25%の精製酵素を担持させた。溶出液か
らは可溶性酵素は検出されなかった。結晶デキストロー
ス溶液(pH7.85mM MgSO4、5mM NaHSO3)の検定を続け、
カラムの固定化酵素床の温度が60℃となるようにカラ
ムの水ジャケットを加熱した。
固定化酵素活性の検定 実施例1の検定法により測定した固定化酵素活性は16
86IGIUであり、これは吸着させた酵素の62%が
活性であることを示していた。
異性化および定期的な酵素の追加 コーンスターチ加水分解物を固定化酵素床に流し、フル
クトース転化率が40〜44%となるように流量を調節
した。流速は、約0.35m/分で一定に保った。酵素の
失活につれてフルクトース濃度が低下するので、希釈・
精製した可溶性イソメラーゼ20m(434IGI
U)を結晶セルロース50%溶液(pH7.8、5mM MgSO4
5mM NaHSO3)に加え、それを流速0.4m/分で固定化
酵素床にポンプで流した。吸着後、コーンスターチ加水
分解物原料に戻した。第2表は、異性化および酵素の追
加についてまとめたものである。実施例1と同様に、定
期的な可溶性イソメラーゼの追加によって、本質的に一
定の流速で一定のフルクトース転化が維持された。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】弱塩基性陰イオン交換樹脂担体上に固定化
    されたグルコースイソメラーゼを用いてグルコースをフ
    ルクトースに異性化する方法であって、 (a)弱塩基性陰イオン交換樹脂担体に、吸着条件下で、
    担体の最大担持能力より少なく、かつ初期異性化率を与
    える量のグルコースイソメラーゼを吸着させ、 (b)必要に応じて、初期異性化率が維持されるような追
    加のグルコースイソメラーゼを担体の最大担持能力に達
    するまで担体に吸着させることからなり、 初期異性化率が実質的に維持され、溶出液が実質的に消
    費酵素を含まないことを特徴とするグルコースの異性化
    方法。
  2. 【請求項2】追加量のグルコースイソメラーゼの吸着に
    先立って、酵素活性をモニタリングする工程を含む特許
    請求の範囲第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】弱塩基性陰イオン交換樹脂が、アンバーラ
    イト(Amberlite)IRA−93、ダイアイオン(Diaion)
    WA−30、ダイアイオンWA−11、アンバーライト
    IR−45、デュオライト(Duolite)ES−561、デ
    ュオライトES−562、デュオライトES−568、
    DEAEセファデックス(Sephadex)、DEAEグリコフ
    ェイズ(Glycophase)、QAE−グリコフェイズ、セレク
    タセル(Selectacel)DEAE−セルロース、ビステク(V
    istec)D2、ビステクD、DEAE−セファセル(Sepha
    cel)、またはDEAEセルロースビーズである特許請求
    の範囲第1項記載の方法。
  4. 【請求項4】弱塩基性陰イオン交換樹脂がDEAEセフ
    ァデックスまたはDEAEセルロースである特許請求の
    範囲第3項記載の方法。
  5. 【請求項5】グルコースイソメラーゼの量が、担体の最
    大担持能力の約1〜約90%である特許請求の範囲第1
    項記載の方法。
  6. 【請求項6】グルコースイソメラーゼの量が、担体の最
    大担持能力の約10〜約50%である特許請求の範囲第
    5項記載の方法。
  7. 【請求項7】グルコースイソメラーゼの量が、担体の最
    大担持能力の約25%である特許請求の範囲第6項記載
    の方法。
  8. 【請求項8】グルコースイソメラーゼの作用による生成
    物の量を定期的に測定することによって酵素活性をモニ
    タリングする特許請求の範囲第1項記載の方法。
  9. 【請求項9】固定化酵素反応の進行中に、追加量のグル
    コースイソメラーゼを追加する特許請求の範囲第1項記
    載の方法。
  10. 【請求項10】追加のグルコースイソメラーゼを原料供
    給を介して追加する特許請求の範囲第9項記載の方法。
  11. 【請求項11】グルコースイソメラーゼが酵素的に活性
    および不活性のいずれの形態でも弱塩基性イオン交換樹
    脂担体に保持され得ることでさらに特徴づけられる特許
    請求の範囲第1項記載の方法。
  12. 【請求項12】連続的に40〜44%のフルクトースを
    生成するように、固定化したグルコースイソメラーゼを
    デキストロース溶液と接触させる特許請求の範囲第1項
    記載の方法。
  13. 【請求項13】a)吸着条件下で、固体担体に、フルク
    トースを40〜44%含有する生成物を生成可能で、担
    体の最大担持能力の約25%の量のグルコースイソメラ
    ーゼを吸着させ; b)フルクトースを40〜44%含有する生成物の生成
    をモニタリングし;および c)前もって吸着させたグルコースイソメラーゼによっ
    て生成するフルクトースの割合が40%以下に低下した
    場合に、フルクースを40〜44%含有する生成物の生
    成を維持するために、追加量のグルコースイソメラーゼ
    を担体に吸着させることによって連続的生成を行う特許
    請求の範囲第12項記載の方法。
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