JPH0611332B2 - 吸着体および吸着方法 - Google Patents

吸着体および吸着方法

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JPH0611332B2
JPH0611332B2 JP61268054A JP26805486A JPH0611332B2 JP H0611332 B2 JPH0611332 B2 JP H0611332B2 JP 61268054 A JP61268054 A JP 61268054A JP 26805486 A JP26805486 A JP 26805486A JP H0611332 B2 JPH0611332 B2 JP H0611332B2
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amyloid precursor
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precursor protein
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敍孝 谷
重雄 古吉
英司 荻野
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は体液から有害な成分を取り除くための吸着体に
関する。さらに詳しくは体液に含有されるアミロイド前
駆物質を選択的に吸着除去するための吸着体に関する。
[従来の技術および発明が解決しようとする問題点] アミロイド−シスはアミロイド物質と呼ばれるβ−フィ
ブリル状の蛋白が血管、組織、臓器に沈着し心、腎など
の臓器不全、心刺激伝導障害、進行性痴呆、脳血管障
害、神経障害などの重篶な障害を引き起こす疾患であ
り、確立された治療法は現在のところまったくない。
アミロイド−シスには原発性、続発性、家族性、老人性
などの病型が存在することが知られているが、いずれの
病型においても沈着したアミロイド物質はコンゴーレッ
ド染色により緑色偏光を生じ、その構造はβ−シート構
造である。
長期にわたって人工透析を受けた患者に手根管症侯群と
呼ばれる疾患が近年多発しているが、このばあいも患部
に前記の特徴を有するアミロイド物質が沈着しているこ
とが最近明らかとなった。
しかしながらその蛋白組成は病型により異なり、原発性
はAL、連続性はAA、老人性はASと呼ばれる蛋白によりそ
れぞれ形成されている。また長期透析によるアミロイド
−シスではβ−ミクログロブリン類似蛋白が、家族性
については家系により異なるがプレアルブミン類似蛋白
などが沈着する。
それぞれの病型において沈着するアミロイド−シス物質
に対応する前駆物質が患者血液中に存在することが明ら
かになりつつある。原発性においてはイムノグロブリン
のライトチェイン(SAL)、続発性においてはアポリボ蛋
白の1種であるSAA蛋白、長期透析性ではβ−ミクロ
グロブリン、プレアルブミン類似蛋白が沈着する家族性
アミロイド−シスでは異常プレアルブミンがそれぞれ前
駆物質であるとされている。
アミロイド−シスは前記のごとく重篶な疾患であり、死
亡率も高いことからその治療法について盛んに研究され
てきたが、これまでのところ有効な治療法、とくに薬物
療法は見出されていない。
一方近年盛んに行われるようになってきた体外循環によ
る血液浄化法、とりわけプラズマフエレーシスによりア
ミロイド−シスを治療する試みがなされており、前記の
前駆物質を多量に含有する患者血漿を正常血漿と交換す
ることにより症状の軽快、病変の進行停止が見られると
の報告がなされている。
体外循環による血液浄化法とりわけ血漿交換法は現在の
ところ最も有効な治療であるが、高価かつ貴重な正常血
漿あるいは血漿製剤を大量に使用すること、また患者血
漿中に含まれる前駆物質以外の有用成分も同時に廃棄さ
れるなどの欠点を有しているため、前駆物質をより選択
的に除去する方法の開発が強く望まれている。
血漿中の成分をそのサイズによりある程度選択的に分離
する方法として限外濾過膜による分離法が知られている
が、上記のアミロイド前駆物質は血漿中の有用成分であ
るアルブミン、ガンマグロブリンなどの蛋白とサイズが
近いため前駆物質を同法により分離廃棄しようとすると
同時にこれらの有用蛋白も失われることから同法はアミ
ロイド前駆物質の除去には適していない。
したがって膜分離以外の選択的除去方法が望まれている
が、現在のところ実用的なアミロイド前駆物質の除去方
法は開発されていない。
[問題点を解決するための手段] ポリスチレンを主構成成分とする多孔体であることを特
徴とするアミロイド前駆蛋白の吸着体に関する。
また、該吸着体を流体の入口と出口を有する容器に充填
した後、アミロイド前駆蛋白を含む体液を流通させるこ
とを特徴とする体液からアミロイド前駆蛋白を除去する
方法に関する。
[実施例] 本明細書でいう体液とは血液、血漿、血清、腹水、リン
パ液、関節内液およびこれらから得られた分画成分その
他の生体由来の液性成分を含有するものを指す。
本発明の吸着体は体液よりアミロイド前駆蛋白を選択的
かつ効率よく除去するのに適した吸着体であり、とりわ
け体外循環によりアミロイド前駆蛋白を除去する方法に
適している。
体外循環用の吸着体には一般の吸着体に比べ様々の性質
が要求される。
要求される性質とはすなわち、 (1)ある程度の高速で体液を処理する必要があるため、
カラム等に充填して体液を流通させたばあいの圧力喪失
が小さく、吸着体粒子の変形による目詰り圧密化をおこ
さないこと、 (2)機械的強度が高く振動衝撃により破砕せず、微粉を
生じないこと、 (3)高圧蒸気滅菌、放射線滅菌、薬剤による滅菌などの
滅菌操作により化学的あるいは物理的な変化を受けにく
いこと、そして、 (4)毒性が低いこと などである。
本発明者らは前記の条件を満たし体液よりアミロイド前
駆蛋白を選択的かつ効率的に除去しうる吸着体につき鋭
意研究の結果、ポリスチレンを主構成成分とする多孔体
が優れていることを見出し本発明に至った。
ポリスチレンを主構成成分とする多孔体が選択的かつ効
率的にアミロイド前駆蛋白を吸着する理由は必ずしも明
らかではないが、ポリスチレン鎖がアミロイド前駆蛋白
の疎水性部位と適度なインターラクシヨンを有するため
と考えられる。
本発明に用いるポリスチレンを主構成成分とする多孔体
とは、多孔体を構成する高分子鎖の内、 (式中、Rは水素原子またはメチル基)で表されるモ
ノマー単位が高分子を構成する全モノマー単位中少なく
とも50モル%以上であるものをいう。前記モノマー単位
中のベンゼン環上の水素原子はその1部が炭素数1から
6のアルキル基、アミノ基、カルボキシル基、スルフォ
ン基、硫酸エステル基またはこれらの官能基を含む置換
基その他で置換されていてもよい。
本発明に用いるポリスチレンを主構成成分とする多孔体
はすべてが前記のモノマー単位よりなるものであっても
よいし、50モル%未満の他のモノマー単位を含んでいて
もよい。他のモノマー単位としてはジビニルベンゼン、
ジアリルフタレートなどの二官能ビニルあるいはアリル
化合物、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、ビニルア
ルコール、塩化ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、メ
チルアクリレート、メチルメタクリレートなどのビニル
化合物、ブタジエン、イソプレンなどのジエン化合物な
どがあげられるがこれらに限定されるわけではない。
ポリスチレンを主構成成分とする多孔体は架橋されてい
てもよいし、されていなくともよいが、架橋されている
ばあいは比較的強度が高く、とくに耐熱性薬品性などが
向上するためより好ましい。
本発明に用いるポリスチレンを主構成成分とする多孔体
は、連続した適度な孔径を多数有するものが好ましい。
多孔体の細孔径、細孔容積、細孔分布の測定法としては
水銀ポロシメーターによる方法、窒素ガス吸着法(BET
法)が代表的である。これらの方法は多孔体を乾燥状態
で測定するものであり、一般に多孔体の細孔状態は溶液
中とは異なるが、ポリスチレンを主構成成分とする多孔
体においては変化が少なく、これらの測定法による値は
溶液中での細孔状態をよく反映していると考えられる。
本発明に用いる多孔体の好ましい細孔容積は0.2ml/g
以上であり、より好ましくは0.5ml/g以上である。細
孔容積が0.2ml/g未満では吸着対象蛋白の吸着に有効
な表面積が小さく十分な吸着量がえられない。
本発明に用いるポリスチレンを主構成成分とする多孔体
の平均細孔径は50Å以上であることが好ましく、100Å
以上であることがより好ましい。平均孔径が50Å未満で
はアミロイド前駆蛋白の細孔内への拡散が遅く十分な吸
着量がえられない。とくに前記蛋白が会合しているばあ
いは蛋白の実質的な分子量が大きくなるためより拡散速
度が小さくなる。
また平均細孔径が大きすぎても吸着体の表面積が小さく
なり吸着容量が低下し、また吸着対象蛋白以外の吸着、
いわゆる非特異吸着が多くなり、選択性が低下するため
好ましくない。また細孔径が大きすぎると、吸着体が脆
くなり衝撃により破砕され微粉を生じやすくなるため対
外循環治療用吸着体としては好ましくない。好ましい平
均細孔径は1500Å以下である。
従って本発明に用いるポリスチレンを主構成成分とする
多孔体の平均細孔径は50以上1500Å以下が好ましい。
つぎに本発明に用いるポリスチレンを主構成成分とする
多孔体の細孔分布は狭いほど選択性が向上し好ましい
が、平均細孔径が上記の範囲にあれば必ずしも狭い範囲
に分布している必要はない。好ましい細孔分布の目安と
しては、全細孔容積の内50%以上が50以上1500Å以下の
孔径の細孔により占められていることがあげられる。50
以上1500Å以下の孔径の細孔により占められる細孔容積
が全細孔容積に占める割合が50%未満では、1500Å以上
の細孔が多いばあいは表面積が小さく十分な吸着量がえ
られなかったりあるいは非特異吸着が多いなどの不都合
がある。また小さい孔径の細孔が多いばあいも平均細孔
径が小さいばあいと同様十分な吸着量がえられず好まし
くない。
また細孔分布が広すぎて平均孔径が決定しにくいばあい
も上記の基準に当てはまる細孔分布であれば本発明に適
している。
本発明に用いるポリスチレンを主構成成分とする多孔体
の表面積は、吸着体の飽和吸着量を決定する重要な要素
であり、少なくとも50m2/g以上が好ましい。
次に本発明に用いるポリスチレンを主構成成分とする多
孔体の粒子径は10以上300μm以下が好ましい。10μm
未満では吸着体の濾別が困難であり、またカラム等に充
填して体液を流通する際の圧力喪失が大きくなり好まし
くない。また3000μmを越えると吸着対象物であるアミ
ロイド前駆蛋白の粒子内への拡散に時間がかかるため、
吸着速度が低下し好ましくない。より好ましい粒径は40
μm以上1500μm以下である。
本発明による吸着体を用いて体液よりアミロイド前駆蛋
白を吸着除去する方法には種々の方法がある。代表的な
方法としては、体液を取り出してバッグなどに貯留し、
これに吸着体を混合してアミロイド前駆蛋白を吸着除去
したのち、吸着体を濾別してアミロイド前駆蛋白の除去
された体液を得る方法、体液の入り口と出口を有し、出
口に体液は通過するが吸着体は通過しないフィルターを
装着した容器に吸着体を充填し、これに体液を流す方法
などがある。いずれの方法を用いてもよいが後者の方法
は操作も簡単であり、また体外循環回路に組み込むこと
により患者の体液、とくに血液あるいは血漿から効率よ
くオンラインでアミロイド前駆蛋白を除去することが可
能であり、すでに述べたごとく本発明の吸着体はこの方
法にもっとも適している。
以下実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本
発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
実施例1 スチレン−ジビニルベンゼン共重合体であるダイヤイオ
ンHP10(三菱化成(株)製、比表面積500m2/g細孔容
積0.89ml/g、50以上1500Å以下の細孔容積が全細孔容
積の80%)、ダイヤイオンHP20(三菱化成(株)製、比
表面積720m2/g、細孔容積1.1ml/g、50以上1500Å以
下の細孔容積の70%)、ダイヤイオンHP50(三菱化成
(株)製、比表面積590m2/g、細孔容積0.87ml/g、5
0以上1500Å以下の細孔容積が全細孔容積の60%)、ダ
イヤイオンSP206(三菱化成(株)製、比表面積160m2
g細孔容積0.4ml/g50以上1500Å以下の細孔容積が全
細孔容積の55%)、いずれも粒径範囲は50から400μ
m、およびアンバーライトXAD-2(ロームアンドハース
社製、比表面積300m2/g、細孔容積0.65ml/g、平均
細孔径90Å)、粒径100から500μm、をそれぞれ純水で
よく洗浄したのち、吸着体の10倍量の生理食塩液で洗浄
した。
つぎに各吸着体1mlづつを試験管に取りこれにβ-2ミク
ログロブリンを多く含む長期透折患者の血清4mlを加
え、振盪しながら37℃で2時間インキュベートした。コ
ントロールとして吸着体のかわりに生理食塩液1mlに同
血清4mlを加えて同様にインキュベートした。
インキュベート終了後各試験管を遠心器にかけて吸着体
と血清を分離したのち、血清中のβ-2ミクログロリン、
アルブミン、総蛋白濃度およびイムノグロブリンA、G
およびMを測定した。
第1表に結果を示す。
実施例2 スチレン−ジビニルベンゼンン共重合体であるダイヤイ
オンHP20、HP50、HP2MG(三菱化成(株)製、比表面積4
60m2/g、細孔容積1.2ml/g、最頻度細孔半径100-100
0Å、50以上1500Å以下の細孔容積が全細孔容積の70
%)を用い、イムノグロブリンライトチェイン(λ型)
を多く含む、多発性骨髄腫にアミロイド−シスを合併し
た患者の血清を用いたほかは、実施例1と同様にして吸
着実験を行った。
結果を第2表に示す。
実施例3 スチレン−ジビニルベンゼン共重合体であるダイヤイオ
ンHP20、HP50、HP2MG、アンバーライトXAD-4を用い、異
常プレアルブミンを含む(全プレアルブミン中約50%)
家族性アミロイド−シス患者の血清を用いた他は実施例
1と同様にして吸着実験を行った。異常プレアルブミン
の吸着率は、ほぼ同濃度のプレアルブミンを含む正常血
清を用いた吸着実験結果との差から求めた。
結果を第3表に示す。
[発明の効果] 本発明のアミロイド前駆蛋白の吸着体はアミロイド前駆
蛋白を体液中より他の有効成分を除去することなしに選
択的かつ効率的に除去しうるものである。また、本発明
の吸着方法は操作が簡単であり、また体外循環回路に組
み込むことにより患者の体液、とくに血液あるいは血漿
から効率よくオンラインでアミロイド前駆蛋白を除去す
ることが可能なものである。したがって、本発明は、ア
ミロイド前駆物質を除去することによって、アミロイド
−シスの治療に寄与するものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリスチレンを主構成成分とする多孔体で
    あることを特徴とするアミロイド前駆蛋白の吸着体。
  2. 【請求項2】架橋されたポリスチレンを主構成成分とす
    る多孔体であることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載の吸着体。
  3. 【請求項3】前記多孔体の細孔容積が0.2ml/g以上か
    つ比表面積が50m2/g以上であることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項記載の吸着体。
  4. 【請求項4】前記多孔体の細孔容積の50%以上が細孔径
    100以上1500オングストローム以下の細孔によりしめら
    れていることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    吸着体。
  5. 【請求項5】特許請求の範囲第1項記載の吸着体を流体
    の入り口と出口を有する容器に充填した後、アミロイド
    前駆蛋白を含む体液を流通させることを特徴とする体液
    からアミロイド前駆蛋白を吸着除去する方法。
JP61268054A 1986-11-11 1986-11-11 吸着体および吸着方法 Expired - Lifetime JPH0611332B2 (ja)

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