JPH06128183A - ビスフェノールf及びノボラック型フェノール樹脂の併産方法 - Google Patents

ビスフェノールf及びノボラック型フェノール樹脂の併産方法

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JPH06128183A
JPH06128183A JP5027924A JP2792493A JPH06128183A JP H06128183 A JPH06128183 A JP H06128183A JP 5027924 A JP5027924 A JP 5027924A JP 2792493 A JP2792493 A JP 2792493A JP H06128183 A JPH06128183 A JP H06128183A
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binuclear
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Takashi Kitamura
隆 北村
Shigeru Iimuro
茂 飯室
Satoru Ito
悟 伊藤
Tomoko Takashima
智子 高嶋
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高純度ビスフェノールF及び/又は汎用ビス
フェノールFと、ノボラック型フェノール樹脂及び/又
は高分子量ノボラック型フェノール樹脂との併産方法を
提供する。 【構成】 (1)酸触媒の存在下、フェノールとホルム
アルデヒドとを反応させ、得られた反応生成物から酸触
媒、水及び未反応のフェノールを除去して粗ビスフェノ
ールFを得る調製工程、(2)該粗ビスフェノールFの
少なくとも一部を蒸留することによって、留出物として
2核体含量が95重量%以上である高純度ビスフェノー
ルFを得、缶出物として2核体含量が15面積%以下で
あるノボラック型フェノール樹脂を得る蒸留工程、
(3)該高純度ビスフェノールFの少なくとも一部と該
粗ビスフェノールFの残りとを混合して汎用ビスフェノ
ールFを得る混合工程、(4)酸触媒の存在下、該ノボ
ラック型フェノール樹脂の少なくとも一部とホルムアル
デヒドとを反応させて高分子量ノボラック型フェノール
樹脂を得る高分子化工程、を含む製造プロセス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はビスフェノールF及びノ
ボラック型フェノール樹脂の併産方法に関する。詳しく
は、本発明は、2核体含量の多い高純度ビスフェノール
F及び/又は汎用ビスフェノールF、並びに2核体含量
が少なく、好ましくは3核体及び4核体、特に3核体含
量の多いノボラック型フェノール樹脂、更には2核体含
有率が低く3核体含有率が高い高分子量ノボラック型フ
ェノール樹脂の併産方法に関する。近年、エポキシ樹脂
またはポリカーボネート樹脂の原料として、2核体含量
の多い高純度ビスフェノールF及び汎用ビスフェノール
Fが望まれている。一方、各種のノボラック型フェノー
ル樹脂は、レジスト材料や鋳型製造のバインダー、エポ
キシ樹脂の硬化剤あるいはエポキシ樹脂のベースレジン
として、近年特に電気・電子材料関係で広く利用されて
いる。
【0002】
【従来の技術】ビスフェノールF及びノボラック型フェ
ノール樹脂は、いずれも酸触媒の存在下に、化学量論的
に過剰のフェノールとホルムアルデヒドとから製造され
る。両者の異なる点は、フェノールとホルムアルデヒド
との反応モル比(以下、P/Fと称する)である。通
常、ビスフェノールFは、P/F=20〜50の範囲で
製造され、反応生成物には4,4’−ジヒドロキシジフ
ェニルメタン(以下、4,4’−体と称する)、2,
4’−ジヒドロキシジフェニルメタン(以下、2,4’
−体と称する)及び2,2’−ジヒドロキシジフェニル
メタン(以下、2,2’−体と称する)の3種の2核体
の他に、フェノールとホルムアルデヒドが重縮合した3
〜5核体(以下、多核体と称する)が7〜12重量%含
まれている。この多核体は、ビスフェノールFをエポキ
シ化して得られるエポキシ樹脂の物性に大きな影響を与
えることが知られている。すなわち、多核体が少ないと
エポキシ樹脂が結晶化しやすくなり、逆に多核体が多い
と粘度が高くなり、作業性が悪くなる。
【0003】先ず汎用ビスフェノールFについて述べ
る。汎用ビスフェノールFは2核体を88〜93重量
%、好ましくは90〜93重量%程度を含有するビスフ
ェノールFであり、低粘度エポキシ樹脂の原料として有
用に用いられている。特開昭55−124730号公報
には、汎用ビスフェノールFを製造する方法が記載され
ている。この方法では、フェノールとホルムアルデヒド
との反応モル比(P/F)を25〜50とすることによ
り、エポキシ樹脂の原料として有用なビスフェノールF
が得られる。また、特開昭63−238032号公報に
は、触媒として活性白土を用いることによって、上記反
応モル比を20程度に低下してもエポキシ樹脂の原料と
して好適なビスフェノールFを製造できることが示され
ている。しかしながら、この方法では、反応モル比(P
/F)が20程度であっても反応マスに対する生成ビス
フェノールFの割合が約0.1と低いため生産効率が低
く、また、過剰のフェノールを分離するために多大なエ
ネルギーを要する。
【0004】次に高純度ビスフェノールFについて述べ
る。高純度ビスフェノールFは、汎用ビスフェノールF
よりもさらに2核体を多く含むビスフェノールFであ
り、塗料用エポキシ樹脂の原料として有用に用いられて
いる。特開平2−166114号公報には、2核体を9
5重量%以上、好ましくは98重量%以上含有するビス
フェノールFから得られたエポキシ樹脂を構成成分とす
る塗料は、2核体を92重量%含有するビスフェノール
Fから得られたエポキシ樹脂を構成成分とする塗料より
も、塗膜の耐食性、耐薬品性等の点で優れていることが
記載されている。しかしながら、従来の技術ではフェノ
ールとホルムアルデヒドとの反応によって2核体の含量
が98重量%以上である高純度ビスフェノールFを得る
ことは、たとえ反応モル比P/Fを100以上にしたと
しても達成できず、工業的には不可能である。例えば、
フェノールとホルムアルデヒドの反応生成物から未反応
のフェノールを除去した後連続式平衡フラッシュ蒸留を
行った場合、気液平衡関係から、缶出物の2核体含量が
30重量%以上になるようにしなければ、留出物の2核
体含量は98重量%以上にはならない。しかしながら、
このように缶出物中に有用な2核体を多く残す方法は経
済的方法ではない。特公昭39−8399号公報には、
高純度ビスフェノールFを製造する方法が示されてい
る。該公報記載の発明の目的は、異性体混合物中におけ
る4,4’−体の含量が40〜80重量%である反応生
成物を得ることにある。この方法は、2度の回分式単蒸
留によって2核体を主とする混合物を得た後、トルエン
を用いて再結晶を行い、高純度ビスフェノールFを得る
方法である。しかし、2度の回分式単蒸留による蒸留後
の缶出物の組成及び再結晶後のろ液に含まれる有用な2
核体及び多核体の含量及びその回収方法については開示
されていない。さらに再結晶後のろ液から有用な成分を
回収するためには多量の溶媒を蒸発させねばならず、多
大なエネルギーを要する。
【0005】次にノボラック型フェノール樹脂について
述べる。ノボラック型フェノール樹脂は、通常、P/F
=1〜2の範囲でフェノールとホルムアルデヒドとを反
応させて製造され、平均核体数が4〜5であり、2核体
含量が10〜30重量%である樹脂である。ノボラック
型フェノール樹脂の核体分布はフェノールとホルムアル
デヒドのモル比P/Fで決まることが分かっている。例
えば、P/F=2で反応を行うと、2核体含量が25面
積%程度、3核体含量が20面積%程度、4核体含量が
15面積%程度の組成をもつノボラック型フェノール樹
脂が得られる。P/Fを大きくする程該樹脂の2核体含
量は多くなり、該樹脂の軟化点は低くなる。本明細書中
において、ノボラック型フェノール樹脂及び高分子量ノ
ボラック型フェノール樹脂中の各核体の含有率について
の面積%は、それらをゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィー(カラム:東ソー社製:商品名:G4000H
XL+G2500HXL+G2000HXL×2本、溶
離液:テトラヒドロフラン)により測定した面積%であ
る。ノボラック型フェノール樹脂をエポキシ樹脂の原料
または硬化剤として使用する場合、ノボラック型フェノ
ール樹脂中の2核体含量が多くなると、成形品のバリ発
生、架橋密度の低下による強度の低下等の不都合が生じ
るため、2核体含量の少ないノボラック型フェノール樹
脂が望まれている。また、エポキシ樹脂の硬化剤、ある
いはエポキシ樹脂のベースレジンとして用いる際にも、
硬化物の強度を向上させるために架橋反応に寄与しない
未反応の原料や2核体以下の成分の含量の低減が求めら
れている。一方、フェノール樹脂に要求される性能の一
つとして低粘度がある。フェノール樹脂の耐熱性や強度
といった特性を保ちつつ粘度を下げることができれば作
業性、反応性、流動性、含浸性が向上する。また用途に
応じて無機フィラー等の充填材を増量できるといった利
点がある。鋳型製造のバインダーとして用いる場合には
低粘度の他に、発生する煤煙を減少させるために樹脂中
の2核体以下の成分、即ち2核体と未反応の原料の低減
が求められている。また、近年需要の増加している、電
気・電子用途用のエポキシ樹脂用フェノール系硬化剤に
も、同様に低粘度と低2核体含量が求められている。
【0006】一般に低粘度の樹脂を製造する際にはP/
F=2〜3のような範囲で反応させて低分子量の樹脂を
製造する。しかし低分子量のものを硬化剤として用いた
場合には架橋反応に寄与しない2核体以下の成分を多く
含んでいるため、硬化物の強度が不足してしまうという
欠点がある。例えば、粘度を下げるためにモル比P/F
=5/2で反応を行うと、反応生成物として低分子量の
ものが得られ、低溶融粘度を有する。しかし、架橋反応
に寄与しない未反応の原料や2核体を多く含有している
ため、硬化反応の際には強度の不足の問題が起きる。そ
のため、更に2核体を除去すると、2核体を除いた部分
の3核体含量が35面積%程度、4核体含量が23面積
%程度の組成のものが得られ、硬化物の強度も十分なも
のが得られる。しかし、2核体を除去してしまうため十
分に低い粘度を達成することはできない。そこで、樹脂
中の2核体含量が少なくなるように、例えばP/F=5
/4で反応を行うと2核体含量が9面積%程度、3核体
含量が8面積%程度、4核体含量が6面積%程度の組成
をもつノボラック型フェノール樹脂が得られる。この場
合該樹脂の2核体含量は少なくなるが、高分子量の反応
生成物が多くできて粘度が高くなってしまうため、作業
性、反応性、流動性、含浸性の低下等の問題がおきてし
まう。このようにノボラック型フェノール樹脂中の2核
体含量を少なくするためには、従来の方法では必然的に
P/Fを小さくしなければならず、その結果、得られる
ノボラック型フェノール樹脂の軟化点が高くなり、粘度
が高くなるため、成形時の流動性が悪くなる。
【0007】そこで、近年、反応で生成した初期縮合物
について脱水、脱フェノールを行った後、抽出、あるい
は水蒸気蒸留、減圧蒸留等の操作により、更に2核体を
除去するという試みが行われている。この際、2核体を
除去すると2核体を含んでいる場合に比べて強度が高く
なるが粘度も高くなってしまう。2核体含量の少ないノ
ボラック型フェノール樹脂の製造方法については、特表
昭62−501780号公報に記載されているように、
反応後、熱水を用いて2核体を抽出する方法、または特
開平2−60915号公報に記載されているように、水
に多少溶解性がある溶剤を加えた後、水溶性アルコール
及び水を加えて低核体を除去する方法等がある。しかし
ながら、これらの方法はいずれも除去した2核体の有効
利用については示していないため、結局、ノボラック型
フェノール樹脂に対して20重量%程度の量の2核体が
廃棄されている。更にこれらの方法では有用な2核体を
回収するためには、多量の水及び溶剤を蒸発させねばな
らず、多大なエネルギーを要する。例えば鋳型製造のバ
インダーとしては特開昭60−133017号公報に2
核体含量及び6核体以上の成分の含量を低くしたものが
開示されているが、低粘度の樹脂としては不十分であ
る。特開昭62−267314号公報、特開昭62−2
75121号公報、特開昭62−277419号公報に
は2核体含量を低減した樹脂が開示されているが、低粘
度の樹脂としては不十分である。従って、従来の反応モ
ル比では2核体含量を低減しても機械的強度や耐熱性等
の各種特性に対する信頼性を保ちつつ溶融粘度の低いノ
ボラック型フェノール樹脂は実在していないのが現状で
ある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
諸問題を解決し、2核体含量が95重量%以上である高
純度ビスフェノールF及び/又は汎用ビスフェノールF
と、2核体含量が15面積%以下であるノボラック型フ
ェノール樹脂及び/又は高分子量ノボラック型フェノー
ル樹脂とを併産する方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意検討した結果、粗ビスフェノール
Fを蒸留する際の缶出物を有効に利用することによって
上記目的が達成できることを見出し、遂に本発明を完成
させるに至った。
【0010】即ち、本発明の第一の態様は、(1)酸触
媒の存在下、フェノールとホルムアルデヒドとを反応さ
せ、得られた反応生成物から酸触媒、水及び未反応のフ
ェノールを除去して粗ビスフェノールFを得る調製工
程、(2)該粗ビスフェノールFを蒸留することによっ
て、留出物として2核体含量が95重量%以上、好まし
くは98重量%以上である高純度ビスフェノールFを
得、缶出物として2核体含量が15面積%以下、好まし
くは10面積%以下であるノボラック型フェノール樹脂
を得る蒸留工程、を含むことを特徴とする高純度ビスフ
ェノールF及びノボラック型フェノール樹脂の併産方法
である。
【0011】本発明の第二の態様は、(1)酸触媒の存
在下、フェノールとホルムアルデヒドとを反応させ、得
られた反応生成物から酸触媒、水及び未反応のフェノー
ルを除去して粗ビスフェノールFを得る調製工程、
(2)該粗ビスフェノールFの一部を蒸留することによ
って、留出物として2核体含量が95重量%以上、好ま
しくは98重量%以上である高純度ビスフェノールFを
得、缶出物として2核体含量が15面積%以下、好まし
くは10面積%以下であるノボラック型フェノール樹脂
を得る蒸留工程、(3)該高純度ビスフェノールFと該
粗ビスフェノールFの残りとを混合して汎用ビスフェノ
ールFを得る混合工程を含むことを特徴とする汎用ビス
フェノールF及びノボラック型フェノール樹脂の併産方
法である。
【0012】本発明の第三の態様は、(1)酸触媒の存
在下、フェノールとホルムアルデヒドとを反応させ、得
られた反応生成物から酸触媒、水及び未反応のフェノー
ルを除去して粗ビスフェノールFを得る調製工程、
(2)該粗ビスフェノールFの一部を蒸留することによ
って、留出物として2核体含量が95重量%以上、好ま
しくは98重量%以上である高純度ビスフェノールFを
得、缶出物として2核体含量が15面積%以下、好まし
くは10面積%以下であるノボラック型フェノール樹脂
を得る蒸留工程、(3)該高純度ビスフェノールFの一
部と該粗ビスフェノールFの残りとを混合して汎用ビス
フェノールFを得る混合工程を含むことを特徴とする高
純度ビスフェノールF、汎用ビスフェノールF及びノボ
ラック型フェノール樹脂の併産方法である。
【0013】本発明の第四の態様は、上記第一、第二又
は第三の態様で得たノボラック型フェノール樹脂とホル
ムアルデヒドとを酸触媒の存在下で反応させて高分子量
ノボラック型フェノール樹脂を得る高分子化工程を含む
ことを特徴とする高純度ビスフェノールF及び/又は汎
用ビスフェノールFと、高分子量ノボラック型フェノー
ル樹脂とを併産する方法である。この場合に、ノボラッ
ク型フェノール樹脂の一部のみを高分子化してノボラッ
ク型フェノール樹脂及び高分子量ノボラック型フェノー
ル樹脂を併産することもできる。
【0014】本発明の併産方法における蒸留工程におい
て、蒸発器、分縮器及び全縮器を備えた蒸留装置を用
い、圧力1〜5mmHg、温度220〜250℃に保た
れた蒸発器に粗ビスフェノールFを連続的に供給し、蒸
発ガスの一部を分縮器で分縮させて該蒸発器に戻し、且
つ、該蒸発器から連続的に缶出物を抜き出しながら粗ビ
スフェノールFを連続的に蒸留するか、又は直列に設置
された複数基の蒸発器、少なくとも1基の分縮器及び全
縮器を備えた蒸留装置を用い、圧力1〜5mmHg、温
度200〜250℃に保たれた複数基の蒸発器の第1段
の蒸発器に粗ビスフェノールFを連続的に供給し、各蒸
発器の缶出物を連続的に次段の蒸発器へ供給し、少なく
とも圧力1〜5mmHg、温度220〜250℃に保た
れた最終段の蒸発器からの蒸発ガスの一部を分縮器で分
縮させて該蒸発器に戻し、且つ、該蒸発器から連続的に
缶出物を抜き出しながら粗ビスフェノールFを連続的に
蒸留することが好ましく、この際に分縮器として多管式
円筒形熱交換器またはコイル式熱交換器を用い、また分
縮比(重量比)を0.05〜0.5の範囲とすることが
好ましい。
【0015】本発明を更に詳細に説明する。本明細書に
おいて、粗ビスフェノールFとは、酸触媒の存在下にフ
ェノールとホルムアルデヒドを反応させ、その反応混合
物から酸触媒、水及び未反応物を除いたものである。本
発明において、高純度ビスフェノールFとは、95重量
%以上の2核体を含有するビスフェノールF、好ましく
は98重量%以上の2核体を含有するビスフェノールF
であり、また汎用ビスフェノールFとは88〜93重量
%の2核体を含有するビスフェノールFである。
【0016】また、本発明において、ノボラック型フェ
ノール樹脂とは、2核体の含量が15面積%以下である
ノボラック型フェノール樹脂であり、また高分子量ノボ
ラック型フェノール樹脂とは、本発明における蒸留工程
で得られた缶出物であるノボラック型フェノール樹脂と
ホルムアルデヒドとを酸触媒の存在下で反応させて得ら
れたものであり、好ましくは重量平均分子量が340を
越え、2核体含量が10面積%以下である高分子量ノボ
ラック型フェノール樹脂である。本発明の特に好ましい
ノボラック型フェノール樹脂は、樹脂中の2核体含量が
少なく、3核体と4核体、特に3核体含量が多いという
核体分布をもつものである。今までに得られたことのな
い低溶融粘度を有し、且つ硬化物が高架橋度を有するノ
ボラック型フェノール樹脂はこのような特徴的な核体分
布をもつ樹脂によって得られる。
【0017】ノボラック型フェノール樹脂の2核体含量
については、通常15面積%以下、特に10面積%以下
が好ましい。2核体は架橋反応に寄与しないため含量は
少ない方が好ましい。しかし2核体含量を増やせば粘度
は下がるため、要求する架橋度に差し障りがない範囲で
2核体を含有させることができる。ノボラック型フェノ
ール樹脂の2核体を除いた部分の3核体含量は好ましく
は50面積%以上である。3核体含量が50面積%以上
であれば、低溶融粘度を有するノボラック型フェノール
樹脂が実現できる。2核体を除いた部分の3核体及び4
核体含量については、その和は好ましくは80面積%以
上である。2核体以下の成分即ち未反応のフェノール及
び2核体は架橋反応に寄与しない為、3核体以上の成分
の含有率が高い方がよい。また、低分子量成分が多い方
が粘度が低くなる。従ってノボラック型フェノール樹脂
中の3核体含量と4核体含量の和が80面積%以上であ
れば低溶融粘度が実現できる。
【0018】高分子量ノボラック型フェノール樹脂の2
核体含量は、ノボラック型フェノール樹脂中の2核体含
量及びホルムアルデヒドの添加量によって決まる。2核
体以下の成分即ち未反応のフェノール及び2核体成分は
架橋反応に寄与しない為、硬化物の強度を向上させるに
は2核体含量が少ない方がよい。しかしながら2核体含
有率が高い方が粘度が下がるため、強度において許容範
囲であれば2核体を含有させても良い。好ましくは該樹
脂中の2核体含量は10面積%以下である。高分子量ノ
ボラック型フェノール樹脂は、樹脂中の2核体を除いた
残りの部分の3核体含有率yが、数平均分子量xに対し
て y≧7900/(x−210) (但し、x=30
0〜800)で表され、3核体含有率が高いことが好ま
しい。この場合には、硬化した際のガラス転移点(以後
Tgと略)が同一のノボラック型フェノール樹脂では得
られない低溶融粘度を実現することができる。
【0019】以下、本発明を図1または図2に沿って詳
しく説明する。先ず最初に、本発明の第一の態様に従っ
て、高純度ビスフェノールF6及び2核体含量の少ない
ノボラック型フェノール樹脂10を併産する方法につい
て説明する。化学量論的に過剰のフェノールとホルムア
ルデヒドとを調製工程(反応工程〜脱フェノール工程)
1に装入する。すなわち、攪拌機、温度調節装置、還流
冷却器、全縮器、減圧装置等を備えた反応機に、フェノ
ール、ホルムアルデヒド及び酸触媒を装入し、攪拌下、
所定温度において、所定時間反応させる。反応生成物か
ら酸触媒、生成水及び未反応フェノールを除去して、粗
ビスフェノールF2を得る。
【0020】本発明で用いるフェノールとしてはフェノ
ールの他に例えばクレゾール、オルソ、パラ、またはメ
タ置換アルキルフェノール類を例示できる。次にホルム
アルデヒドとしてはホルマリン、パラホルムアルデヒ
ド、ヘキサメチレンテトラミン、トリオキサン及び環状
ホルマールを例示できる。また、反応モル比は通常P/
F=6以上、好ましくは6〜30であり、さらに好まし
くは6〜20である。反応モル比P/Fが大きい程、該
樹脂から2核体を除いた部分の3核体含量が多くなる。
工程1において使用する酸触媒は、陽イオン交換樹脂の
ような固体酸触媒の固定床であっても良いし、塩酸、硫
酸、サリチル酸、パラトルエンスルホン酸、シュウ酸等
の有機酸及び無機酸であっても良い。反応温度、反応時
間は用いる触媒の種類、量または反応モル比P/F等に
より異なるが、通常50〜110℃において0.5〜1
0時間である。陽イオン交換樹脂のような固定床触媒を
用いた場合は、反応後、触媒の除去は行わなくてよく、
未反応のホルムアルデヒド及び生成水等が減圧蒸留等の
方法によって除去される。塩酸、シュウ酸等の無機酸を
用いた場合は、反応後、未反応のホルムアルデヒド、装
入水、生成水と共に酸触媒も同時に減圧蒸留等の方法に
よって除去される。
【0021】次いで、未反応のフェノールは減圧蒸留等
によって除去される。これらの分離、除去は別個に行っ
ても良いし、分縮器を設けることによってフェノールを
分縮させ、さらに全縮器によって水等を凝縮させても良
い。回収されたフェノールは、再び原料として使用でき
るのは勿論のことである。このようにして工程1で得ら
れた粗ビスフェノールF2中の2核体含量は、例えば、
触媒としてシュウ酸を使用して、P/F=6で実施した
場合は68重量%、P/F=10で実施した場合は78
重量%、そして、P/F=20で実施した場合は87重
量%となる。
【0022】次に粗ビスフェノールF2を蒸留工程4に
送る。本発明の蒸留工程において用いる蒸発器は、好ま
しくは該蒸発器からの蒸発ガスの一部を凝縮させた凝縮
液を該蒸発器に戻すことができる分縮器を備えたもので
あり、蒸発器の形式としては、流下薄膜式または遠心薄
膜式等のものが好ましく用いられる。また、複数基の蒸
発器を用いる場合には各蒸発器は、分縮器を備えたもの
であっても良いし、分縮器を備えないものであっても良
いが、少なくとも最終段に用いる蒸発器は分縮器を備え
たものであることが好ましい。この場合も好ましく用い
られる蒸発器の形式は上記と同様である。本発明におい
て蒸留温度が250℃を越える場合には、ビスフェノー
ルFの分解、着色が起こることがある。また、200℃
未満では、1mmHg未満の圧力とすることが要求され
る。
【0023】例えば、本発明における蒸留工程において
は、蒸発器、分縮器及び全縮器を備えた蒸留装置に、粗
ビスフェノールFを連続的に蒸発器に供給し、圧力1〜
5mmHg、温度220〜250℃において、該蒸発器
から発生する蒸発ガスの一部を分縮器を用いて凝縮さ
せ、その凝縮液を該蒸発器に戻しながら蒸留し、該蒸発
ガスの他の部分を全縮器を用いて凝縮させ、留出物とし
て高純度ビスフェノールFを連続的に製造し、また缶出
物を連続的に抜き出す。あるいは、蒸留工程として、例
えば、3基の蒸発器を用いる下記方法が例示される。即
ち、第1段の蒸発器に粗ビスフェノールFを連続的に供
給し、圧力1〜5mmHg、温度200〜250℃にお
いて、該蒸発器から発生する蒸発ガスの全量を全縮器に
導くか、または、蒸発ガスの一部を分縮器を用いて凝縮
させ、その凝縮液を該蒸発器に戻しながら蒸留し、該蒸
発ガスの他の部分を全縮器に導き、同時に、該蒸発器の
缶出物を第2段の蒸発器へ連続的に供給する。第2段の
蒸発器においても第1段と同様にして蒸留し、該蒸発器
の缶出物を連続的に第3段の蒸発器へ供給する。第3段
の蒸発器も第1段と同様の圧力とし、好ましくは温度を
220〜250℃とし、該蒸発器から発生する蒸発ガス
の一部を分縮器を用いて凝縮させ、その凝縮液を該蒸発
器に戻しながら蒸留し、該蒸発ガスの他の部分を全縮器
に導く。同時に、該蒸発器から缶出物を連続的に抜き出
す。各段の未凝縮ガスを集めて全縮器で凝縮し、留出物
として高純度ビスフェノールFを連続的に製造すること
ができる。上記の分縮器の分縮比、即ち、該分縮器にお
ける未凝縮ガスに対する凝縮液の重量比は通常0.05
〜0.5の範囲である。分縮比が0.05未満である場
合は、缶出物に含有される2核体含量を15面積%以下
に抑えようとすると、留出物に含有される2核体含量が
98重量%未満となり、また、0.5を越える場合は余
分なエネルギーが必要になる。
【0024】これらの分縮器を用いて分縮液を蒸発器に
戻すことにより、缶出物に含まれる2核体含量が15面
積%以下となる場合にも、留出物に含まれる2核体含量
を容易に98重量%以上とすることができる。複数基の
蒸発器を用いる場合には、最終段の蒸発器へ供給される
供給液中の2核体含量を30面積%以上にしておくこと
が好ましい。30面積%未満であると、最終段の蒸発器
の留出物に含有される2核体含量がいかに多くても、全
ての蒸発器の留出物を併せると2核体含量が98重量%
未満となることがあるからである。
【0025】本発明で好ましく用いられる全縮器とし
て、多管式円筒形熱交換器、コイル式熱交換器等が挙げ
られる。分縮器としては、多管式円筒形熱交換器、コイ
ル式熱交換器等が挙げられる。また、蒸発器から全縮器
に至る蒸発ラインを外部から冷却するようなタイプのも
のでもよい。
【0026】本発明の蒸留工程からでる缶出物に含有さ
れる2核体含量は1〜15面積%、好ましくは1〜10
面積%である。15面積%を越えると有用な2核体の収
率が低下するし、また、1%重量未満では蒸留温度が高
くなるので留出物または缶出物の分解、着色といった問
題が起こる。本発明の他の利点は、缶出物に含有される
2核体含量を15面積%以下、好ましくは10面積%以
下にすることによって、缶出物を2核体の少ない有用な
ノボラック型フェノール樹脂として利用できる点にあ
る。さらに、該缶出物とホルムアルデヒドを重縮合させ
て高分子化し、2核体含量の少ない高分子量ノボラック
型フェノール樹脂とすることもできる点にある。上記蒸
留条件によって、粗ビスフェノールF2を蒸留すること
により留出物5として高純度ビスフェノールF6が、缶
出物として2核体含量の少ないノボラック型フェノール
樹脂10が得られる。上記範囲の圧力条件及び温度条件
を適宜選択することにより、缶出物に含まれる2核体含
量を15面積%以下、また、留出物5に含まれる2核体
含量を95重量%以上とする。缶出物に含まれる2核体
含量が15面積%を越える場合は缶出物がペースト状に
なり取扱が困難となり、また、エポキシ樹脂の原料また
は硬化剤として用いた場合、得られる成形物にバリが発
生したり、成形物の強度が低下する。また、留出物5に
含まれる2核体含量が95重量%未満である場合は、こ
れをエポキシ樹脂の原料として用いた場合、得られるエ
ポキシ樹脂の耐食性、耐薬品性が低下する。
【0027】蒸留缶から缶出物として2核体を少量含む
ノボラック型フェノール樹脂10を抜き出し、大気中で
放冷するか、または強制的に冷却する等して40℃以下
程度に冷却し、好ましくは粉砕して2核体含量の少ない
ノボラック型フェノール樹脂10とする。粉砕する方法
には特に制限がなく、ボールミル、ジェットミル等の粉
砕機が好ましく用いられる。
【0028】本発明の第二の態様に従って、汎用ビスフ
ェノールF及び2核体含量の少ないノボラック型フェノ
ール樹脂を併産する場合は、フェノールとホルムアルデ
ヒドとのモル比P/Fは通常6〜20の範囲であり、得
られた粗ビスフェノールF2を適切な比で、粗ビスフェ
ノールF3及び粗ビスフェノールF9に二分割する。分
割された粗ビスフェノールF3は、蒸留工程4に送ら
れ、蒸留される。得られた留出物5は、混合工程7に送
られる。一方、分割された粗ビスフェノールF9は、混
合工程7に直接送られ、上記留出物5と混合され、2核
体を88〜93重量%含有する汎用ビスフェノールF8
となる。混合する装置の種類には特に制限がなく、通常
の液体の混合に用いられるものであればよく、例えば、
攪拌機を備えた槽、またはスタティックミキサー等が使
用される。
【0029】例えば、フェノールとホルムアルデヒドの
反応をP/F=10で行い、2核体含量が91重量%の
汎用ビスフェノールFを製造する場合には、上記分割比
(分割された粗ビスフェノールF3/分割された粗ビス
フェノールF9の重量比)を約68対32とすれば良
い。この時、同時に2核体含量の少ないノボラック型フ
ェノール樹脂10は、蒸留工程4の缶出物として、汎用
ビスフェノールFに対して約18重量%生成する。この
缶出物に含まれる2核体含量は15面積%以下、特に1
0面積%以下が好ましい。上記分割比を大きくした場合
にも高純度ビスフェノールF6及び汎用ビスフェノール
F8が同時に生産できることは勿論である。高純度ビス
フェノールF6及び汎用ビスフェノールF8は、保温す
ることにより液体のまま製品としてもよいし、また、別
途設置された造粒工程に送り造粒し、粒状の製品として
もよい。
【0030】本発明の第三の態様に従って、高純度ビス
フェノールF6、汎用ビスフェノールF8及び2核体含
量の少ないノボラック型フェノール樹脂10を併産する
場合は、第二の態様と同様にして高純度ビスフェノール
Fを得、その高純度ビスフェノールFの一部と粗ビスフ
ェノールFの残りとを混合して汎用ビスフェノールFを
得る以外は第二の態様と同様にして実施される。
【0031】本発明の第四の態様に従って、高純度ビス
フェノールF6及び/又は汎用ビスフェノールF8と、
2核体含量の少ないノボラック型フェノール樹脂10及
び/又は2核体含量の少ない高分子量ノボラック型フェ
ノール樹脂12とを併産する方法について説明する。第
四の態様においても、高純度ビスフェノールF6、汎用
ビスフェノールF8及び2核体含量の少ないノボラック
型フェノール樹脂10は、上記の第一、第二又は第三の
態様と同様の方法て製造される。
【0032】得られた2核体含量の少ないノボラック型
フェノール樹脂10の少なくとも一部は、高分子化工程
11に送られる。工程11における高分子量ノボラック
型フェノール樹脂の製造方法は以下の方法によって行わ
れる。すなわち、工程11内の反応機に、2核体含量の
少ないノボラック型フェノール樹脂10とホルムアルデ
ヒド及び触媒を装入し、攪拌下、通常50〜110℃の
温度範囲において、0.5〜10時間反応させる。ホル
ムアルデヒドとしてはホルマリン、パラホルムアルデヒ
ド、ヘキサメチレンテトラミン、トリオキサン及び環状
ホルマールを例示できる。ノボラック型フェノール樹脂
とホルムアルデヒドの反応の触媒としては、塩酸、硫酸
等の無機酸、及びサリチル酸、パラトルエンスルホン
酸、シュウ酸等の有機酸が挙げられる。得られた反応生
成物を加熱して、残存触媒、未反応のホルムアルデヒド
及び生成水を除去し、2核体含量の少ない高分子量ノボ
ラック型フェノール樹脂12を得る。該ノボラック型フ
ェノール樹脂12は、反応機から抜き出し、大気中で放
冷するか、または強制的に冷却する等して40℃以下程
度に冷却し、好ましくは粉砕する。粉砕する方法には特
に制限がなく、ボールミル、ジェットミル等の粉砕機が
好ましく用いられる。
【0033】本発明のノボラック型フェノール樹脂は2
核体含有率が低く、好ましくは3核体含有率が高い樹脂
である。2核体以下の成分を除く部分の3核体含量が5
0面積%以上、かつ3核体含量と4核体含量の合計が8
0面積%以上の樹脂であれば高分子量化した際に粘度が
十分に低い樹脂が得られる。
【0034】ホルムアルデヒドと2核体含量の少ないノ
ボラック型フェノール樹脂10との重量比(以下、N/
Fと称する)は15以上が好ましい。N/Fが15未満
では得られる高分子量ノボラック型フェノール樹脂の軟
化点が120℃を越え、例えば成形材料等として用いる
場合に、流動性が悪くなる。このような方法で製造され
た高分子量ノボラック型フェノール樹脂に含まれる2核
体含量は、約3〜6面積%程度となる。これは、従来か
らエポキシ樹脂の硬化剤として使用されているノボラッ
ク型フェノール樹脂の2核体含量が、例えば軟化点を8
0℃とするように製造されたときに18〜23面積%で
あり、また、軟化点を120℃とするように製造された
ときに6〜9面積%であることを考えれば、十分に少な
いものとなる。また、重量平均分子量(Mw)は340
〜1600程度、数平均分子量(Mn)は300〜80
0程度となり、分子量分布を示すパラメーターであるM
w/Mnは、1.2〜2.5程度となり、分子量分布が
狭いものが得られる。
【0035】本発明の有利な特徴の一つは、工程1にお
ける反応モル比P/Fを変化させることによって、高純
度ビスフェノールF6及び/又は汎用ビスフェノールF
8と2核体含量の少ないノボラック型フェノール樹脂1
0及び/又は2核体含量の少ない高分子量ノボラック型
フェノール樹脂12の生産比を変更することができ、そ
れぞれの需要に対応できる点にある。
【0036】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明をさら
に詳細に説明する。なお、実施例及び比較例における各
種特性値の評価または測定は、下記(1)〜(5)の方
法により実施した。 (1)高純度ビスフェノールF及び汎用ビスフェノール
F中の4,4’−体、2,4’−体、2,2’−体の測
定:液体クロマトグラフィー(カラム:ウォーターズ社
製、商品名:ラジアルパックC18、溶離液:アセトニ
トリル/水、グラジエントあり)を用いて測定した。結
果は内部標準法を用いて重量%で表し、上記3成分の2
核体量の合計量で示した。 (2)ノボラック型フェノール樹脂及び高分子量ノボラ
ック型フェノール樹脂中の各核体含有率、数平均分子量
の測定:各核体含有率は、ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー(カラム:東ソー社製:商品名:G400
0HXL+G2500HXL+G2000HXL×2
本、溶離液:テトラヒドロフラン)により測定した面積
%である。平均分子量は、同様に測定したそれぞれのピ
ークにフェノール核の数に応じた分子量を対応させて算
出した。 (3)粘度:ICIコーン&プレート型粘度計(リサー
チ・エクイップメント社製:ロンドン)を用い、蒸留缶
出物は130℃において、高分子量ノボラック型フェノ
ール樹脂は150℃において測定した。 (4)ガラス転移温度(Tg):TMA(熱機械測定)
法により測定した。 (5)軟化点:JIS K−2207に規定される方法
により測定した。 エポキシ硬化物の製造:実施例5〜8、14〜16及び
比較例6〜7で得られた缶出物それぞれを硬化剤とし
て、主剤及び触媒を、できるだけ少量のアセトンに溶か
し、約3mm厚の注型板を作成し評価に供した。主剤及
び触媒の配合比は主剤100重量部に対して硬化剤49
重量部、触媒1重量部である。主剤としてはエポキシ樹
脂(日本化薬社製EOCN−102S:エポキシ当量2
14、軟化点75.0℃、粘度6.3P(150℃))
を使用した。触媒はトリフェニルホスフィン(TPP)
を使用した。
【0037】実施例1 撹拌機、温度調節装置、還流冷却器、全縮器、減圧装置
等を備えたステンレス製の撹拌槽型反応機に、フェノー
ルに対して0.046重量%のシュウ酸2水和物を溶解
したフェノール溶液と47%ホルマリンとを、フェノー
ル/ホルムアルデヒドのモル比(P/F)が20、両溶
液の合計供給量が360Kg/hrとなるように調節し
て連続的に供給した。反応温度70℃、滞留時間4時間
で反応させ、得られた反応混合物を連続的に抜き出し、
充填物蒸留塔に連続的にフィードした。20mmHgの
減圧下、170℃に加熱して、水及び未反応物を取り除
き、粗ビスフェノールFを得た。得られた粗ビスフェノ
ールFの組成は、4,4’−体:28.9重量%、2,
4’−体:38.2重量%、2,2’−体:10.9重
量%であり、2核体の合計量が78.0重量%であっ
た。この粗ビスフェノールFを、圧力3mmHgで運転
される遠心薄膜蒸発器に30kg/hrで連続的に供給
し、留出物及び缶出物を連続的に抜き出した。遠心薄膜
蒸発器はジャケット付のものを用い、ジャケットには熱
媒を流した。また、遠心薄膜蒸発器にはコイル式熱交換
器を分縮器として設置し、蒸発ガスの一部が分縮器で分
縮され、蒸発器に戻るように分縮器のコイルに冷却水を
流すことによって、分縮比(重量比)を調節した。缶出
物の温度が245℃になるように熱媒量を調節し、分縮
比(重量比)が0.2になるように冷却水量を調節した
ところ、缶出物の2核体量は6重量%、留出物の2核体
量は98重量%となり、2核体を98重量%含有する高
純度ビスフェノールFを得た。得られた高純度ビスフェ
ノールFには着色が認められなかった。
【0038】実施例2 実施例1と同様な方法で粗ビスフェノールFを調製し
た。得られた粗ビスフェノールFの組成は実施例1と同
様であった。この粗ビスフェノールFを、真空度3mm
Hgで運転される遠心薄膜蒸発器に30kg/hrで連
続的に供給し、留出物及び缶出物を連続的に抜き出し
た。遠心薄膜蒸発器はジャケット付のものを用い、ジャ
ケットには熱媒を流した。また、遠心薄膜蒸発器にはコ
イル式熱交換器を分縮器として設置し、蒸発ガスが分縮
器で一部分縮され、蒸発器に戻るようにした。分縮器の
コイルに冷却水を流すことによって、分縮比(重量比)
を調節した。缶出物の温度が240℃になるように熱媒
量を調節し、分縮比(重量比)が0.2になるように冷
却水量を調節したところ、缶出物の2核体量は10重量
%、留出物の2核体量は99重量%となり、2核体を9
9重量%含有する高純度ビスフェノールFを得た。得ら
れた高純度ビスフェノールFには着色が認められなかっ
た。
【0039】実施例3 実施例1と同様な方法で粗ビスフェノールFを調製し
た。得られた粗ビスフェノールFの組成は実施例1と同
様であった。この粗ビスフェノールFを、真空度3mm
Hgで運転される遠心薄膜蒸発器に30kg/hrで連
続的に供給し、留出物及び缶出物を連続的に抜き出し
た。遠心薄膜蒸発器はジャケット付のものを用い、ジャ
ケットには熱媒を流した。また、遠心薄膜蒸発器にはコ
イル式熱交換器を分縮器として設置し、蒸発ガスが分縮
器で一部分縮され、蒸発器に戻るようにした。分縮器の
コイルに冷却水を流すことによって、分縮比(重量比)
を調節した。缶出物の温度が240℃になるように熱媒
量を調節し、分縮比(重量比)が0.1になるように冷
却水量を調節したところ、缶出物の2核体量は10重量
%、留出物の2核体量は98.4重量%となり、2核体
を98.4重量%含有する高純度ビスフェノールFを得
た。得られた高純度ビスフェノールFには着色が認めら
れなかった。
【0040】実施例4 実施例1と同様な方法で粗ビスフェノールFを調製し
た。得られた粗ビスフェノールFの組成は実施例1と同
様であった。この粗ビスフェノールFを、真空度3mm
Hgで運転される第1段の遠心薄膜蒸発器に30kg/
hrで連続的に供給し、留出物及び缶出物を連続的に抜
き出した。缶出物中の2核体量は50重量%であった。
この缶出物を3mmHgで運転される第2段の遠心薄膜
蒸発器に供給し、留出物及び缶出物を連続的に抜き出し
た。第1段及び第2段の蒸発器の留出物は混合され、抜
き出された。遠心薄膜蒸発器は2台ともジャケット付の
ものを用い、ジャケットには熱媒を流した。また、第2
段の遠心薄膜蒸発器にはコイル式熱交換器を分縮器とし
て設置し、蒸発ガスが該分縮器で一部分縮され、蒸発器
に戻るようにした。該分縮器のコイルに冷却水を流すこ
とによって、分縮比(重量比)を調節した。第1段及び
第2段の蒸発器の缶出物の温度がそれぞれ227℃、2
40℃になるようにそれぞれの蒸発器の熱媒量を調節
し、第2段の蒸発器での分縮比(重量比)が0.2にな
るように水量を調節したところ、第2段の蒸発器の缶出
物の2核体量は10重量%、第1段及び第2段の蒸発器
の留出物を併せたものの2核体量は、99.3重量%と
なり、2核体を99.3重量%含有する高純度ビスフェ
ノールFを得た。得られた高純度ビスフェノールFには
着色が認められなかった。
【0041】比較例1 実施例1と同様な方法で粗ビスフェノールFを調製し
た。得られた粗ビスフェノールFの組成は実施例1と同
様であった。この粗ビスフェノールFを、真空度3mm
Hgで運転される遠心薄膜蒸発器に30kg/hrで連
続的に供給し、留出物及び缶出物を連続的に抜き出し
た。遠心薄膜蒸発器はジャケット付のものを用い、ジャ
ケットには熱媒を流した。缶出物の温度が245℃にな
るように熱媒量を調節したところ、缶出物の2核体量は
6重量%、留出物の2核体量は84重量%となり、2核
体を84重量%含有するビスフェノールFを得た。
【0042】比較例2 実施例1と同様な方法で粗ビスフェノールFを調製し
た。得られた粗ビスフェノールFの組成は実施例1と同
様であった。この粗ビスフェノールFを、真空度3mm
Hgで運転される遠心薄膜蒸発器に30kg/hrで連
続的に供給し、留出物及び缶出物を連続的に抜き出し
た。遠心薄膜蒸発器はジャケット付のものを用い、ジャ
ケットには熱媒を流した。缶出物の温度が240℃にな
るように熱媒量を調節したところ、缶出物の2核体量は
10重量%、留出物の2核体量は89.5重量%とな
り、2核体を89.5重量%含有するビスフェノールF
を得た。
【0043】比較例3 実施例1と同様な方法で粗ビスフェノールFを調製し
た。得られた粗ビスフェノールFの組成は実施例1と同
様であった。この粗ビスフェノールFを、真空度3mm
Hgで運転される遠心薄膜蒸発器に30kg/hrで連
続的に供給し、留出物及び缶出物を連続的に抜き出し
た。遠心薄膜蒸発器はジャケット付のものを用い、ジャ
ケットには熱媒を流した。缶出物の温度が230℃にな
るように熱媒量を調節したところ、缶出物の2核体量は
30重量%、留出物の2核体量は98%重量となり、2
核体を98重量%含有する高純度ビスフェノールFを得
た。得られたビスフェノールFの純度は高いものであっ
たが、缶出物中に有用な2核体が多量含まれ、高純度ビ
スフェノールFを得る方法としては効率の悪い方法であ
った。
【0044】比較例4 実施例1と同様な方法で粗ビスフェノールFを調製し
た。得られた粗ビスフェノールFの組成は実施例1と同
様であった。この粗ビスフェノールFを、真空度3mm
Hgで運転される遠心薄膜蒸発器に30kg/hrで連
続的に供給し、留出物及び缶出物を連続的に抜き出し
た。遠心薄膜蒸発器はジャケット付のものを用い、ジャ
ケットには熱媒を流した。缶出物の温度が227℃にな
るように熱媒量を調節したところ、缶出物の2核体量は
50重量%、留出物の2核体量は99.4重量%とな
り、2核体を99.4重量%含有する高純度ビスフェノ
ールFを得た。得られたビスフェノールFの純度は高い
ものであったが、缶出物中に有用な2核体が多量含ま
れ、高純度ビスフェノールFを得る方法としては効率の
悪い方法であった。
【0045】比較例5 実施例1と同様な方法で粗ビスフェノールFを調製し
た。得られた粗ビスフェノールFの組成は実施例1と同
様であった。この粗ビスフェノールFを、塔頂圧力3m
mHgで運転される10段の多孔板を備えた精留塔に1
10kg/hrで供給し、留出物及び缶出物を連続的に
抜き出した。塔頂には全縮器を設置し、タイマーによる
電磁弁開閉により還流比を0.2とした。塔底温度は熱
媒で調節した。缶出物中の2核体量が10重量%になる
ように塔底温度を設定しようとしたが、260℃を越え
ビスフェノールFの分解によるフェノールの生成のため
塔頂圧力が上昇し、安定した運転ができなかった。
【0046】実施例5 攪拌機、温度調節装置、還流冷却器、全縮器、減圧装置
等を備えたステンレス製、3000ミリリットルの反応
機に、フェノール2000g、37%ホルマリン28
7.5g(P/F=6)、及び、シュウ酸二水和物5.
6gを装入した。これを攪拌しながら70℃に加熱し、
還流冷却器を作動させて大気圧下で4時間反応を行っ
た。次いで、得られた反応生成物を大気圧下に160℃
まで加熱して、水及び少量のフェノールを取り除き、さ
らに、圧力20mmHg、温度170℃となるまで加熱
して、未反応フェノールを分離した。さらに、圧力6m
mHg、温度210℃まで加熱して未反応フェノールを
除去し、粗ビスフェノールFを得た。得られた粗ビスフ
ェノールFの量は640g、組成は4,4’−体26.
5重量%、2,4’−体32.6重量%、2,2’−体
8.9重量%、合計2核体量68.0重量%であった。
次に、デミスターとして、径15mm、高さ20mmの
マクマホンパッキングを付した装置を用いて、粗ビスフ
ェノールFの蒸留を行った。蒸留は圧力3mmHgにお
いて、最終温度が250℃になるまで行い、留出物とし
て高純度ビスフェノールF440g、缶出物として2核
体の少ないノボラック型フェノール樹脂198gを得
た。缶出物を室温まで空冷により冷却したところ、粉砕
可能な固形物を得た。高純度ビスフェノールFの組成を
表1に、2核体の少ないノボラック型フェノール樹脂の
2核体量、分子量、軟化点、粘度を表2に示す。また、
缶出物の2核体量、2核体を除いた残りの部分の3核体
含有量、3核体と4核体含有量の和、粘度、エポキシ硬
化物のTgを表3に示す。更にノボラック型フェノール
樹脂の各核体の分布を示す分析チャートを図3に示す。
【0047】実施例6 フェノール2000gと37%ホルマリン水溶液17
2.5gとを混合(P/F=10)し、シュウ酸2水和
物5.6gを加えて、70℃で4時間反応を行った。つ
いで反応生成物の混合物を大気圧下に160℃まで加熱
して、水及び少量のフェノールを取り除き、さらに最終
20mmHg、170℃まで加熱して未反応フェノール
を分離した。その後、6mmHg,210℃まで加熱し
てフェノールを除去した。得られた粗ビスフェノールF
は350g、組成は4,4’−体28.9重量%、2,
4’−体38.2重量%、2,2’−体10.9重量
%、2核体量78.0重量%であった。次に、径15m
m、高さ20mmのマクマホンパッキングを付した装置
を用いて、蒸留を3mmHg、最終温度245℃まで行
い、高純度ビスフェノールF270g、缶出物79gを
得た。缶出物を室温まで冷却したところ、粉砕可能な固
形物を得た。高純度ビスフェノールFの組成を表1に、
缶出物の2核体量、分子量、軟化点、粘度を表2に示
す。また、缶出物の2核体量、2核体を除いた残りの部
分の3核体含有量、3核体と4核体含有量の和、粘度、
エポキシ硬化物のTgを表3に示す。更にノボラック型
フェノール樹脂の各核体の分布を示す分析チャートを図
4に示す。
【0048】実施例7 フェノール2000gと37%ホルマリン86.3g
(P/F=20)とを混合用いた以外は、実施例5と同
じ条件で粗ビスフェノールFを得た。得られた粗ビスフ
ェノールFは200g、組成は4,4’−体28.7重
量%、2,4’−体43.5重量%、2,2’−体1
4.8重量%、2核体量87.0重量%であった。次
に、実施例5と同様な装置を用いて、蒸留を3mmH
g、最終温度245℃まで行い、高純度ビスフェノール
F171g、缶出物27gを得た。缶出物を室温まで冷
却したところ、粉砕可能な固形物を得た。高純度ビスフ
ェノールFの組成を表1に、缶出物の2核体量、分子
量、軟化点、粘度を表2に示す。また、缶出物の2核体
量、2核体を除いた残りの部分の3核体含有量、3核体
と4核体含有量の和、粘度、エポキシ硬化物のTgを表
3に示す。
【0049】実施例8 フェノール2000gと37%ホルマリン水溶液57.
5gとを混合(P/F=30)とする以外は実施例5と
同じ条件で反応を行った。次に実施例5と同様な装置を
用いて、蒸留を3mmHg、最終温度240℃まで行
い、缶出物13gを得た。缶出物を室温まで冷却したと
ころ、粉砕可能な固形物を得た。高純度ビスフェノール
Fの組成を表1に、缶出物の2核体量、分子量、軟化
点、粘度を表2に示す。また、缶出物の2核体量、2核
体を除いた残りの部分の3核体含有量、3核体と4核体
含有量の和、粘度、エポキシ硬化物のTgを表3に示
す。更にノボラック型フェノール樹脂の各核体の分布を
示す分析チャートを図5に示す。
【0050】比較例6 フェノール2000gと37%ホルマリン水溶液17
2.5gとを混合(P/F=10/1)する以外は実施
例5と同じ条件で反応を行った。次に実施例5と同様な
装置を用いて、蒸留を3mmHg、最終温度220℃ま
で行い、缶出物97gを得た。缶出物を室温まで冷却し
たところ、粉砕不可能なペースト状固形物を得た。ま
た、缶出物の2核体量、2核体を除いた残りの部分の3
核体含有量、3核体と4核体含有量の和、粘度、エポキ
シ硬化物のTgを表3に示す。更にノボラック型フェノ
ール樹脂の各核体の分布を示す分析チャートを図6に示
す。
【0051】実施例9 蒸留の最終温度を237℃とした以外は、実施例6と同
じ条件で高純度ビスフェールF260gと缶出物89g
を得た。缶出物を室温まで冷却しても、ペースト状であ
り粉砕はできなかった。高純度ビスフェノールFの組成
を表1に、缶出物の2核体量、分子量、軟化点、粘度を
表2に示す。
【0052】実施例10 実施例5と同じ条件で粗ビスフェノールFを200gを
得た。この粗ビスフェノールF170gを実施例5と同
じ条件で蒸留し、高純度ビスフェノールF117gと缶
出物52gを得た。缶出物を室温まで冷却したところ、
粉砕可能な固形物を得た。残りの粗ビスフェノールF3
0gと高純度ビスフェノールF117gとを混合し、2
核体量91重量%を含有する汎用ビスフェノールF14
7gを得た。汎用ビスフェノールFの組成を表1に、缶
出物の2核体量、分子量、軟化点、粘度を表2に示す。
【0053】実施例11 実施例6と同じ条件で粗ビスフェノールFを200gを
得た。この粗ビスフェノールF135.6gを実施例6
と同じ条件で蒸留し、高純度ビスフェノールF104g
と缶出物30gを得た。缶出物を室温まで冷却したとこ
ろ、粉砕可能な固形物を得た。残りの粗ビスフェノール
F64.4gと高純度ビスフェノールF104gとを混
合し、2核体量91%の汎用ビスフェノールF168.
4gを得た。汎用ビスフェノールFの組成を表1に、缶
出物の2核体量、分子量、軟化点、粘度を表2に示す。
【0054】実施例12 実施例7と同じ条件で粗ビスフェノールFを200gを
得た。この粗ビスフェノールF70.8gを、実施例7
と同じ条件で蒸留し、高純度ビスフェノールF60gと
缶出物9gを得た。缶出物を室温まで冷却したところ、
粉砕可能な固形物を得た。残りの粗ビスフェノールF1
29.2gと高純度ビスフェノールF60gとを混合
し、2核体量91%の汎用ビスフェノールF189.2
gを得た。汎用ビスフェノールFの組成を表1に、缶出
物の2核体量、分子量、軟化点、粘度を表2に示す。
【0055】
【表1】 実施例 4,4'- 体 2,4'- 体 2,2'- 体 2核体量 5 37.4 46.8 12.7 96.9 6 34.5 48.9 15.6 99.0 7 32.4 50.1 17.0 99.5 8 32.4 50.1 17.0 99.5 9 36.0 49.5 14.1 99.6 10 35.2 43.9 11.9 91.0 11 33.4 44.8 12.8 91.0 12 29.9 45.6 15.5 91.0 注)単位は重量%
【0056】
【表2】 実施例 2核体量 Mw Mn 分散 軟化点 粘度 5 4.0 340 318 1.07 65 1.1 6 7.1 325 307 1.06 63 1.0 7 7.2 310 295 1.05 62 0.9 8 7.0 308 292 1.05 61 0.6 9 16.0 308 290 1.06 測定不能 0.8 10 4.0 340 318 1.07 65 1.1 11 7.1 325 307 1.06 63 1.0 12 10.2 310 295 1.05 62 0.9 注)2核体量の単位は重量% Mwは重量平均分子量、Mnは数平均分子量、分散はM
w/Mn 軟化点の単位は℃ 粘度の単位はポイズ(測定温度:130℃)
【0057】
【表3】 実施例 2核体量 3核体量 3+4核体 粘度 Tg 含有量 実施例5 4.0 59.2 88.5 1.1 171 実施例6 7.1 72.7 92.3 0.9 169 実施例7 7.2 84.0 95.0 0.8 168 実施例8 7.0 87.7 98.0 0.6 168 比較例6 24.1 62.2 86.5 <0.1 149 注)含有量の単位は面積%である。3核体含有量及び3
+4核体含有量は樹脂中の2核体を除いた残りの部分の
3核体及び3核体と4核体含有量の和である。粘度の単
位はP(130℃で測定)である。Tgの単位は℃であ
る。
【0058】実施例13 実施例5と同様にして反応及び蒸留を行い、留出物とし
て高純度ビスフェノールF440g、缶出物として2核
体の少ないノボラック型フェノール樹脂198gを得
た。得られた缶出物に対して、37%ホルマリンを9.
6重量%、シュウ酸2水和物を0.28重量%加え、1
00℃で4時間反応を行った。次いで、反応生成物の混
合物を圧力200mmHgにおいて、最終温度160℃
まで加熱して、水及び未反応のホルマリンを取り除い
た。得られた2核体の少ないノボラック型フェノール樹
脂の2核体量、分子量、軟化点及び粘度を表4に示す。
【0059】実施例14 実施例6と同様にして反応及び蒸留を行い、留出物とし
て高純度ビスフェノールF、缶出物として2核体の少な
いノボラック型フェノール樹脂を得た。得られた缶出物
に対して、37%ホルマリンを5.0重量%加えた以外
は、実施例13と同じ条件で2核体の少ないノボラック
型フェノール樹脂を得た。得られた2核体の少ないノボ
ラック型フェノール樹脂の2核体量、分子量、軟化点及
び粘度を表4に示す。得られた樹脂の2核体含有率、2
核体を除いた残りの部分の3核体含有率、数平均分子
量、粘度、硬化物のTgを表5に示す。
【0060】実施例15 実施例6と同様にして反応及び蒸留を行い、留出物とし
て高純度ビスフェノールF、缶出物として2核体の少な
いノボラック型フェノール樹脂を得た。得られた缶出物
に対して、37%ホルマリンを8.0重量%を加えた以
外は、実施例13と同じ条件で2核体の少ないノボラッ
ク型フェノール樹脂を得た。得られた2核体の少ないノ
ボラック型フェノール樹脂の2核体量、分子量、軟化点
及び粘度を表4に示す。得られた樹脂の2核体含有率、
2核体を除いた残りの部分の3核体含有率、数平均分子
量、粘度、硬化物のTgを表5に示す。更にノボラック
型フェノール樹脂の各核体の分布を示す分析チャートを
図7に示す。
【0061】実施例16 実施例6と同様にして反応及び蒸留を行い、留出物とし
て高純度ビスフェノールF、缶出物として2核体の少な
いノボラック型フェノール樹脂を得た。得られた缶出物
に対して、37%ホルマリンを10.0重量%を加えた
以外は、実施例13と同じ条件で2核体の少ないノボラ
ック型フェノール樹脂を得た。得られた2核体の少ない
ノボラック型フェノール樹脂の2核体量、分子量、軟化
点及び粘度を表4に示す。得られた樹脂の2核体含有
率、2核体を除いた残りの部分の3核体含有率、数平均
分子量、粘度、硬化物のTgを表5に示す。
【0062】実施例17 実施例6と同様にして反応及び蒸留を行い、留出物とし
て高純度ビスフェノールF、缶出物として2核体の少な
いノボラック型フェノール樹脂を得た。得られた缶出物
に対して、37%ホルマリンを15.0重量%を加えた
以外は、実施例13と同じ条件で2核体の少ないノボラ
ック型フェノール樹脂を得た。得られた2核体の少ない
ノボラック型フェノール樹脂の2核体量、分子量、軟化
点及び粘度を表4に示す。更にノボラック型フェノール
樹脂の各核体の分布を示す分析チャートを図8に示す。
【0063】実施例18 実施例7と同様にして反応及び蒸留を行い、留出物とし
て高純度ビスフェノールF、缶出物として2核体の少な
いノボラック型フェノール樹脂を得た。得られた缶出物
に対して、37%ホルマリンを10.4重量%を加えた
以外は、実施例13と同じ条件で2核体の少ないノボラ
ック型フェノール樹脂を得た。得られた2核体の少ない
ノボラック型フェノール樹脂の2核体量、分子量、軟化
点及び粘度を表4に示す。
【0064】
【表4】 実施例 2核体量 Mw Mn 分散 軟化点 粘度 13 3.8 840 509 1.65 86 5.4 14 5.8 487 373 1.31 75 1.0 15 4.6 640 432 1.48 86 2.5 16 4.1 825 501 1.65 94 5.3 17 3.3 1519 708 2.15 117 93.0 18 4.9 820 500 1.64 86 5.1 注)2核体量の単位は重量% Mwは重量平均分子量、Mnは数平均分子量、分散はM
w/Mn 軟化点の単位は℃ 粘度の単位はポイズ(測定温度:150℃)
【0065】比較例7 フェノール2000gと37%ホルマリン水溶液103
5gとを混合(P/F=5/3)する以外は実施例6と
同じ条件で反応を行った。次に実施例6と同様な装置を
用いて、蒸留を3mmHg、最終温度220℃まで行
い、缶出物を得た。缶出物を室温まで冷却したところ、
粉砕不可能なペースト状固形物を得た。缶出物の2核体
含有率、2核体を除いた残りの部分の3核体含有率、数
平均分子量、粘度、硬化物のTgを表5に示す。更にノ
ボラック型フェノール樹脂の各核体の分布を示す分析チ
ャートを図9に示す。
【0066】
【表5】 2核体 3核体 数平均 粘度 硬化物 含有率 含有率 分子量 Tg 実施例14 5.6 46.2 383 1.0 178 実施例15 4.6 38.9 443 2.5 182 実施例16 4.1 34.1 513 5.3 185 比較例7 16.8 16.5 579 4.9 166 注)含有率の単位は面積%である。3核体含有率及び数
平均分子量は樹脂中の2核体を除いた残りの部分の3核
体含有率、及び数平均分子量である。粘度の単位はP
(150℃で測定)である。Tgの単位は℃である。
【0067】
【発明の効果】本発明は前記した種々の態様で、反応に
より得られた粗ビスフェノールFを蒸留する際の留出物
及び缶出物を有効に利用するため、高純度のビスフェノ
ールF及び/又は汎用ビスフェノールFと、2核体の少
ないノボラック型フェノール樹脂及び/又は2核体の少
ない高分子量ノボラック型フェノール樹脂を併産するこ
とができ、さらに、産業廃棄物が殆ど発生しないプロセ
スである。フェノールとホルムアルデヒドのP/Fを適
宜変えることにより、高純度ビスフェノールF、汎用ビ
スフェノールF、2核体の少ないノボラック型フェノー
ル樹脂及び2核体の少ない高分子量ノボラック型フェノ
ール樹脂を需要に合った比率で併産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の態様の代表例を示す系統図である。
【図2】本発明の別の態様の代表例を示す系統図であ
る。
【図3】実施例5で得られたフェノール樹脂についての
各核体の分布を示すための分析チャートである。
【図4】実施例6で得られたフェノール樹脂についての
各核体の分布を示すための分析チャートである。
【図5】実施例8で得られたフェノール樹脂についての
各核体の分布を示すための分析チャートである。
【図6】比較例6で得られたフェノール樹脂についての
各核体の分布を示すための分析チャートである。
【図7】実施例15で得られたフェノール樹脂について
の各核体分布を示すための分析チャートである。
【図8】実施例17で得られたフェノール樹脂について
の各核体分布を示すための分析チャートである。
【図9】比較例7で得られたフェノール樹脂についての
各核体分布を示すための分析チャートである。 図3〜9において、、、、及びはそれぞれ2
核体、3核体、4核体、5核体及び6核体を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平4−190480 (32)優先日 平4(1992)7月17日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平4−237286 (32)優先日 平4(1992)9月4日 (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 高嶋 智子 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井東圧化学株式会社内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)酸触媒の存在下、フェノールとホ
    ルムアルデヒドとを反応させ、得られた反応生成物から
    酸触媒、水及び未反応のフェノールを除去して粗ビスフ
    ェノールFを得る調製工程、 (2)該粗ビスフェノールFを蒸留することによって、
    留出物として2核体含量が95重量%以上である高純度
    ビスフェノールFを得、缶出物として2核体含量が15
    面積%以下であるノボラック型フェノール樹脂を得る蒸
    留工程を含むことを特徴とする高純度ビスフェノールF
    及びノボラック型フェノール樹脂の併産方法。
  2. 【請求項2】 (1)酸触媒の存在下、フェノールとホ
    ルムアルデヒドとを反応させ、得られた反応生成物から
    酸触媒、水及び未反応のフェノールを除去して粗ビスフ
    ェノールFを得る調製工程、 (2)該粗ビスフェノールFの一部を蒸留することによ
    って、留出物として2核体含量が95重量%以上である
    高純度ビスフェノールFを得、缶出物として2核体含量
    が15面積%以下であるノボラック型フェノール樹脂を
    得る蒸留工程、 (3)該高純度ビスフェノールFと該粗ビスフェノール
    Fの残りとを混合して汎用ビスフェノールFを得る混合
    工程を含むことを特徴とする汎用ビスフェノールF及び
    ノボラック型フェノール樹脂の併産方法。
  3. 【請求項3】 (1)酸触媒の存在下、フェノールとホ
    ルムアルデヒドとを反応させ、得られた反応生成物から
    酸触媒、水及び未反応のフェノールを除去して粗ビスフ
    ェノールFを得る調製工程、 (2)該粗ビスフェノールFの一部を蒸留することによ
    って、留出物として2核体含量が95重量%以上である
    高純度ビスフェノールFを得、缶出物として2核体含量
    が15面積%以下であるノボラック型フェノール樹脂を
    得る蒸留工程、 (3)該高純度ビスフェノールFの一部と該粗ビスフェ
    ノールFの残りとを混合して汎用ビスフェノールFを得
    る混合工程を含むことを特徴とする高純度ビスフェノー
    ルF、汎用ビスフェノールF及びノボラック型フェノー
    ル樹脂の併産方法。
  4. 【請求項4】 (1)酸触媒の存在下、フェノールとホ
    ルムアルデヒドとを反応させ、得られた反応生成物から
    酸触媒、水及び未反応のフェノールを除去して粗ビスフ
    ェノールFを得る調製工程、 (2)該粗ビスフェノールFを蒸留することによって、
    留出物として2核体含量が95重量%以上である高純度
    ビスフェノールFを得、缶出物として2核体含量が15
    面積%以下であるノボラック型フェノール樹脂を得る蒸
    留工程、 (3)酸触媒の存在下、該ノボラック型フェノール樹脂
    とホルムアルデヒドとを反応させて高分子量ノボラック
    型フェノール樹脂を得る高分子化工程を含むことを特徴
    とする高純度ビスフェノールF及び高分子量ノボラック
    型フェノール樹脂の併産方法。
  5. 【請求項5】 (1)酸触媒の存在下、フェノールとホ
    ルムアルデヒドとを反応させ、得られた反応生成物から
    酸触媒、水及び未反応のフェノールを除去して粗ビスフ
    ェノールFを得る調製工程、 (2)該粗ビスフェノールFの一部を蒸留することによ
    って、留出物として2核体含量が95重量%以上である
    高純度ビスフェノールFを得、缶出物として2核体含量
    が15面積%以下であるノボラック型フェノール樹脂を
    得る蒸留工程、 (3)該高純度ビスフェノールFと該粗ビスフェノール
    Fの残りとを混合して汎用ビスフェノールFを得る混合
    工程 (4)酸触媒の存在下、該ノボラック型フェノール樹脂
    とホルムアルデヒドとを反応させて高分子量ノボラック
    型フェノール樹脂を得る高分子化工程を含むことを特徴
    とする汎用ビスフェノールF及び高分子量ノボラック型
    フェノール樹脂の併産方法。
  6. 【請求項6】 フェノールとホルムアルデヒドとをモル
    比(P/F)6〜30の範囲で反応させることを特徴と
    する請求項1〜5のいずれかに記載の併産方法。
  7. 【請求項7】 蒸留工程において、圧力1〜5mmH
    g、温度220〜250℃に保たれた蒸発器に該粗ビス
    フェノールFを連続的に供給し、蒸発ガスの一部を分縮
    器で分縮させて該蒸発器に戻し、且つ、該蒸発器から連
    続的に缶出物を抜き出しながら該粗ビスフェノールFを
    連続的に蒸留することを特徴とする請求項1〜5のいず
    れかに記載の併産方法。
  8. 【請求項8】 蒸留工程において、圧力1〜5mmH
    g、温度200〜250℃に保たれた複数基の蒸発器の
    第1段の蒸発器に該粗ビスフェノールFを連続的に供給
    し、各蒸発器の缶出物を連続的に次段の蒸発器へ供給
    し、少なくとも圧力1〜5mmHg、温度220〜25
    0℃に保たれた最終段の蒸発器からの蒸発ガスの一部を
    分縮器で分縮させて該蒸発器に戻し、且つ、該蒸発器か
    ら連続的に缶出物を抜き出しながら該粗ビスフェノール
    Fを連続的に蒸留することを特徴とする請求項1〜5の
    いずれかに記載の併産方法。
  9. 【請求項9】 分縮器が多管式円筒形熱交換器またはコ
    イル式熱交換器であることを特徴とする請求項7または
    請求項8記載の併産方法。
  10. 【請求項10】 分縮比(重量比)が0.05〜0.5
    の範囲であることを特徴とする請求項7または請求項8
    記載の併産方法。
  11. 【請求項11】 留出物中の2核体含量が98重量%以
    上であることを特徴とする請求項7または請求項8記載
    の併産方法。
  12. 【請求項12】 缶出物中の2核体含量が10面積%以
    下であることを特徴とする請求項7または請求項8記載
    の併産方法。
  13. 【請求項13】 請求項1、3又は4記載の方法によっ
    て得られたものであることを特徴とする高純度ビスフェ
    ノールF。
  14. 【請求項14】 請求項2又は5記載の方法によって得
    られたものであることを特徴とする汎用ビスフェノール
    F。
  15. 【請求項15】 請求項1、2又は3記載の方法によっ
    て得られたものであることを特徴とするノボラック型フ
    ェノール樹脂。
  16. 【請求項16】 請求項4又は5記載の方法によって得
    られたものであることを特徴とする高分子量ノボラック
    型フェノール樹脂。
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