JPH06128604A - 金属材料の製造方法 - Google Patents
金属材料の製造方法Info
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- JPH06128604A JPH06128604A JP27907392A JP27907392A JPH06128604A JP H06128604 A JPH06128604 A JP H06128604A JP 27907392 A JP27907392 A JP 27907392A JP 27907392 A JP27907392 A JP 27907392A JP H06128604 A JPH06128604 A JP H06128604A
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- powder
- oxide
- sintering
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明の目的は、緻密かつ高強度、高耐食性
の焼結金属部材を塑性加工やHIP処理といった後処理
を施さず、低コストで得られる金属材料の製造方法を提
供することにある。 【構成】 本発明は、金属粉末中にこれら金属粉末より
も酸化物生成標準自由エネルギ―が低い酸化物微粒子を
その化学量論組成よりも酸素濃度が低い状態で均一に分
散させた後、焼結させることにより真密度に近い緻密
で、高強度の焼結体を得ることを特徴としている。
の焼結金属部材を塑性加工やHIP処理といった後処理
を施さず、低コストで得られる金属材料の製造方法を提
供することにある。 【構成】 本発明は、金属粉末中にこれら金属粉末より
も酸化物生成標準自由エネルギ―が低い酸化物微粒子を
その化学量論組成よりも酸素濃度が低い状態で均一に分
散させた後、焼結させることにより真密度に近い緻密
で、高強度の焼結体を得ることを特徴としている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、常圧焼結で高密度、高
強度の焼結部材である金属材料の製造方法に関する。
強度の焼結部材である金属材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】タングステン(W)、モリブデン(M
o)、レニウム(Re)およびそれらの合金は2000℃以
上の融点を有し、主に電子部品、電極材、フィラメント
材として従来用いられてきたが、近年、その優れた高温
強度、耐食性に着目され構造用材料としての用途が期待
されている。しかし、W,Mo,Reは融点が非常に高
く、かつ、加工性が悪いため、通常の溶解+加工(塑性
加工、機械加工)といった方法で製品を作ることは困難
であった。したがって、一般には粉末焼結法により各種
部材を製造しているのが現状である。
o)、レニウム(Re)およびそれらの合金は2000℃以
上の融点を有し、主に電子部品、電極材、フィラメント
材として従来用いられてきたが、近年、その優れた高温
強度、耐食性に着目され構造用材料としての用途が期待
されている。しかし、W,Mo,Reは融点が非常に高
く、かつ、加工性が悪いため、通常の溶解+加工(塑性
加工、機械加工)といった方法で製品を作ることは困難
であった。したがって、一般には粉末焼結法により各種
部材を製造しているのが現状である。
【0003】図7に一般的な粉末焼結法による金属部材
の製造工程を示す。まず、第1工程(a)において、金
属粉末をラバ―6の中に充填し加圧成形により金属粉末
1を固める。その後、第2工程(b)においてこの加圧
成形体7を電気炉8内で10〜20時間程度加熱、焼結を行
い、第3工程(c)にて焼結体9を得る。
の製造工程を示す。まず、第1工程(a)において、金
属粉末をラバ―6の中に充填し加圧成形により金属粉末
1を固める。その後、第2工程(b)においてこの加圧
成形体7を電気炉8内で10〜20時間程度加熱、焼結を行
い、第3工程(c)にて焼結体9を得る。
【0004】しかし、このような方法で得られる焼結体
の相対密度はせいぜい90%程度しかなく、その内部には
多数の気孔が残留している。これら金属焼結体の強度や
耐食性等の特性は密度に大きく依存することが知られて
おり、焼結体内部の気孔は強度を著しく低下させたり、
内部の気孔に腐食性溶液やガスが浸透し耐食性を著しく
害することが多々ある。従って焼結体本来の特性を十分
引出すためには緻密な焼結体を得ることが不可欠であ
る。一般に緻密な焼結体はより高い温度で焼結すること
により得られるが、焼結温度が高すぎると結晶粒が粗大
化し強度が低下し脆くなるという問題がある。したがっ
て、通常は熱間圧延、熱間鍛造といった塑性加工により
高密度化を計っているのが現状であるが、このような方
法では棒材,板材等の単純な形状しか製造することがで
きないという欠点もある。
の相対密度はせいぜい90%程度しかなく、その内部には
多数の気孔が残留している。これら金属焼結体の強度や
耐食性等の特性は密度に大きく依存することが知られて
おり、焼結体内部の気孔は強度を著しく低下させたり、
内部の気孔に腐食性溶液やガスが浸透し耐食性を著しく
害することが多々ある。従って焼結体本来の特性を十分
引出すためには緻密な焼結体を得ることが不可欠であ
る。一般に緻密な焼結体はより高い温度で焼結すること
により得られるが、焼結温度が高すぎると結晶粒が粗大
化し強度が低下し脆くなるという問題がある。したがっ
て、通常は熱間圧延、熱間鍛造といった塑性加工により
高密度化を計っているのが現状であるが、このような方
法では棒材,板材等の単純な形状しか製造することがで
きないという欠点もある。
【0005】さらに、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、
銅(Cu)といった汎用性の金属材料においても、粉末
焼結により実製品に近い形状(near-net shape)で製品
を製造する技術が進歩しているが、上記W,Mo,Re
などの高融点金属の場合と同じように、焼結のみでは緻
密で強度の高い焼結体を得ることができず、構造材料と
して使用するには至ってはいない。
銅(Cu)といった汎用性の金属材料においても、粉末
焼結により実製品に近い形状(near-net shape)で製品
を製造する技術が進歩しているが、上記W,Mo,Re
などの高融点金属の場合と同じように、焼結のみでは緻
密で強度の高い焼結体を得ることができず、構造材料と
して使用するには至ってはいない。
【0006】近年、このような焼結部材の緻密化方法と
して、焼結後に高温・高圧のHIP処理(Hot Isostati
c Pressing)を施すことが有効であると報告されてい
る。しかし、HIP処理により焼結体を緻密化するため
には焼結体を金属またはガラス製の容器に真空封入する
“キャニング”という作業が必要であり製造コストの著
しい上昇を招く。さらに、大形・重量部材の製造につい
ては装置の容量的な制約があり、必ずしも全ての焼結部
材に適用することは困難である。
して、焼結後に高温・高圧のHIP処理(Hot Isostati
c Pressing)を施すことが有効であると報告されてい
る。しかし、HIP処理により焼結体を緻密化するため
には焼結体を金属またはガラス製の容器に真空封入する
“キャニング”という作業が必要であり製造コストの著
しい上昇を招く。さらに、大形・重量部材の製造につい
ては装置の容量的な制約があり、必ずしも全ての焼結部
材に適用することは困難である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のように焼結金属
部材の強度、耐食性等を向上させるためには焼結時にで
きるだけ真密度近くまで緻密化させることが必要である
が、単に焼結温度を上げても90%程度の相対密度が限界
であった。
部材の強度、耐食性等を向上させるためには焼結時にで
きるだけ真密度近くまで緻密化させることが必要である
が、単に焼結温度を上げても90%程度の相対密度が限界
であった。
【0008】発明者らはこの焼結時に真密度近くまで緻
密化しない原因は金属粉末表面の酸化皮膜によるもので
あることが分かった。すなわち、焼結時の金属粉末の緻
密化は粉末表面での金属原子の拡散によるものであり、
金属粉末表面に安定な酸化皮膜が存在している部分では
この表面拡散が阻害され、焼結が進行していくためであ
る。一般に、このような金属粉末表面の酸化皮膜の除去
方法としては焼結前の金属粉末の還元処理や真空または
水素雰囲気のような還元性雰囲気で金属粉末を焼結する
方法が用いられている。しかし、この方法では焼結体表
面付近の酸化皮膜は還元できるが、焼結体内部の酸化皮
膜を完全に還元することはできず、焼結体内部には多量
の酸化物が残留していることが確認されている。したが
って、焼結体内部の酸化物を完全に還元、除去すること
ができれば、従来よりも低い焼結温度で緻密な焼結部材
が得られる。さらに、焼結温度の低温化により焼結過程
における金属結晶粒の粗大化も抑制されるので微細な組
織が得られ、耐食性の向上と共に著しい向上が期待でき
る。
密化しない原因は金属粉末表面の酸化皮膜によるもので
あることが分かった。すなわち、焼結時の金属粉末の緻
密化は粉末表面での金属原子の拡散によるものであり、
金属粉末表面に安定な酸化皮膜が存在している部分では
この表面拡散が阻害され、焼結が進行していくためであ
る。一般に、このような金属粉末表面の酸化皮膜の除去
方法としては焼結前の金属粉末の還元処理や真空または
水素雰囲気のような還元性雰囲気で金属粉末を焼結する
方法が用いられている。しかし、この方法では焼結体表
面付近の酸化皮膜は還元できるが、焼結体内部の酸化皮
膜を完全に還元することはできず、焼結体内部には多量
の酸化物が残留していることが確認されている。したが
って、焼結体内部の酸化物を完全に還元、除去すること
ができれば、従来よりも低い焼結温度で緻密な焼結部材
が得られる。さらに、焼結温度の低温化により焼結過程
における金属結晶粒の粗大化も抑制されるので微細な組
織が得られ、耐食性の向上と共に著しい向上が期待でき
る。
【0009】本発明の目的は、緻密かつ高強度、高耐食
性の焼結金属部材を塑性加工やHIP処理といった後処
理を施さず、低コストで得られる金属材料の製造方法を
提供することにある。
性の焼結金属部材を塑性加工やHIP処理といった後処
理を施さず、低コストで得られる金属材料の製造方法を
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、金属粉末中に
これら金属粉末よりも酸化物生成標準自由エネルギ―が
低い酸化物微粒子をその化学量論組成よりも酸素濃度が
低い状態で均一に分散させた後、焼結させることにより
真密度に近い緻密で、高強度の焼結体を得ることを特徴
としている。
これら金属粉末よりも酸化物生成標準自由エネルギ―が
低い酸化物微粒子をその化学量論組成よりも酸素濃度が
低い状態で均一に分散させた後、焼結させることにより
真密度に近い緻密で、高強度の焼結体を得ることを特徴
としている。
【0011】
【作用】したがって、焼結過程で焼結体内部の酸化物を
完全に還元、除去するので、従来よりも低い焼結温度で
緻密な焼結部材が得られる。また、焼結温度の低温化に
より焼結過程における金属結晶粒の粗大化も抑制される
ので微細な組織が得られる。
完全に還元、除去するので、従来よりも低い焼結温度で
緻密な焼結部材が得られる。また、焼結温度の低温化に
より焼結過程における金属結晶粒の粗大化も抑制される
ので微細な組織が得られる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例を説明する。まず、
真密度に近い緻密で、高強度の焼結体を得るためには、
焼結体中に残留する酸化物を除去する必要がある。すな
わち、焼結過程において金属粉末表面に形成されている
酸化皮膜を完全に除去する必要がある。一方、金属及び
その酸化物の間には温度の関数として標準生成自由エネ
ルギ―が存在する。図1は代表的な金属酸化物標準生成
自由エネルギ―曲線を示している。同図において直線の
上部領域では金属が安定で、下部領域では酸化物が安定
であることを示している。したがって、酸化物標準生成
自由エネルギ―の高い金属Aと酸化物標準生成自由エネ
ルギ―の低い金属Bが存在している場合には金属Bの酸
化物の方が熱力学的に安定であり、金属Aの酸化物と金
属Bが共存している状態で加熱した場合には、金属Aの
酸化物が金属Bにより還元され、金属Aと金属Bの酸化
物に置き代わることが予想される。しかし、金属Bを金
属の状態で混入した場合には完全に酸化されず、不純物
としてマトリクス金属中に固溶または在留し焼結体の特
性を低下させる可能性があるため、金属Aの粉末中に直
接金属Bの粉末を添加することは必ずしも好ましくな
い。
真密度に近い緻密で、高強度の焼結体を得るためには、
焼結体中に残留する酸化物を除去する必要がある。すな
わち、焼結過程において金属粉末表面に形成されている
酸化皮膜を完全に除去する必要がある。一方、金属及び
その酸化物の間には温度の関数として標準生成自由エネ
ルギ―が存在する。図1は代表的な金属酸化物標準生成
自由エネルギ―曲線を示している。同図において直線の
上部領域では金属が安定で、下部領域では酸化物が安定
であることを示している。したがって、酸化物標準生成
自由エネルギ―の高い金属Aと酸化物標準生成自由エネ
ルギ―の低い金属Bが存在している場合には金属Bの酸
化物の方が熱力学的に安定であり、金属Aの酸化物と金
属Bが共存している状態で加熱した場合には、金属Aの
酸化物が金属Bにより還元され、金属Aと金属Bの酸化
物に置き代わることが予想される。しかし、金属Bを金
属の状態で混入した場合には完全に酸化されず、不純物
としてマトリクス金属中に固溶または在留し焼結体の特
性を低下させる可能性があるため、金属Aの粉末中に直
接金属Bの粉末を添加することは必ずしも好ましくな
い。
【0013】一方、金属酸化物を還元性雰囲気中で加熱
した場合には酸化物中の酸素が一部還元され、例えばア
ルミ酸化物の場合にはAl2 O3 からAl2 O3-x とい
うように化学量論組成から酸素原子が欠乏した状態にな
る。このような酸素原子が欠乏した状態の金属酸化物は
熱力学的に不安定であり、大気中で加熱することにより
大気中の酸素と容易に結合し、化学量論組成に戻ること
が確認されている。また、金属酸化物は金属粉末と異な
り、たとえ化学量論組成からずれていても概して金属粉
末とは反応せず安定であり、マトリクス金属中に分散さ
せることにより逆に結晶粒の粗大化を抑制し、機械的特
性を向上させることが期待できる。
した場合には酸化物中の酸素が一部還元され、例えばア
ルミ酸化物の場合にはAl2 O3 からAl2 O3-x とい
うように化学量論組成から酸素原子が欠乏した状態にな
る。このような酸素原子が欠乏した状態の金属酸化物は
熱力学的に不安定であり、大気中で加熱することにより
大気中の酸素と容易に結合し、化学量論組成に戻ること
が確認されている。また、金属酸化物は金属粉末と異な
り、たとえ化学量論組成からずれていても概して金属粉
末とは反応せず安定であり、マトリクス金属中に分散さ
せることにより逆に結晶粒の粗大化を抑制し、機械的特
性を向上させることが期待できる。
【0014】この現象を利用して、図2に示すように表
面が酸化皮膜1で覆われた金属粉末2の中に金属粉末2
よりも酸化物標準生成自由エネルギ―の低い金属酸化物
粒子3を化学量論組成から酸素原子が欠乏した状態で微
細に分散させた後焼結させることにより、金属酸化物粒
子3が化学量論組成に戻る過程で周囲の金属粉末表面の
酸化皮膜を還元し、金属粉末の焼結を促進することがで
きる。その結果、図3に示すように、金属粉末は容易に
拡散、焼結し緻密化すると共に、その結晶粒界には微細
な金属酸化物粒子3が存在した組織を有する焼結体が得
られる。また、効率よく酸化皮膜を還元し、かつ、機械
的特性を向上させるという観点から、金属酸化物粒子3
は出来るだけ酸化物標準生成自由エネルギ―が低く、か
つ、その形状及び分布は微細かつ均一であることが必要
である。
面が酸化皮膜1で覆われた金属粉末2の中に金属粉末2
よりも酸化物標準生成自由エネルギ―の低い金属酸化物
粒子3を化学量論組成から酸素原子が欠乏した状態で微
細に分散させた後焼結させることにより、金属酸化物粒
子3が化学量論組成に戻る過程で周囲の金属粉末表面の
酸化皮膜を還元し、金属粉末の焼結を促進することがで
きる。その結果、図3に示すように、金属粉末は容易に
拡散、焼結し緻密化すると共に、その結晶粒界には微細
な金属酸化物粒子3が存在した組織を有する焼結体が得
られる。また、効率よく酸化皮膜を還元し、かつ、機械
的特性を向上させるという観点から、金属酸化物粒子3
は出来るだけ酸化物標準生成自由エネルギ―が低く、か
つ、その形状及び分布は微細かつ均一であることが必要
である。
【0015】図4に示すように真空中で加熱することに
より化学量論組成から酸素原子が欠乏した状態の酸化イ
ットリウム粉末3とタングステン粉末1をセラミック製
ボ―ル4と共に容器5の中に入れ、容器5を回転させる
(a)。その結果、容器5内のセラミック製ボ―ル4の
自由落下運動により脆い酸化イットリウム粉末3はセラ
ック製ボ―ル4の衝突による衝撃により粉砕されると共
に金属タングステン粉末1中に分散される。その際、上
述のように酸化イットリウム粉末3は出来るだけ細かい
方がよく、直径 0.1μm以下まで粉砕させることが好ま
しい。その後、酸化イットリウム3と金属タングステン
粉末1の混合粉末をゴム製容器内に充填し、約2000気圧
の圧力で加圧成形し(b)、この加圧成形体7を真空炉
8中で焼結する(c)。このようにして、ほぼ真密度に
近い緻密な焼結体9を得る(d)。
より化学量論組成から酸素原子が欠乏した状態の酸化イ
ットリウム粉末3とタングステン粉末1をセラミック製
ボ―ル4と共に容器5の中に入れ、容器5を回転させる
(a)。その結果、容器5内のセラミック製ボ―ル4の
自由落下運動により脆い酸化イットリウム粉末3はセラ
ック製ボ―ル4の衝突による衝撃により粉砕されると共
に金属タングステン粉末1中に分散される。その際、上
述のように酸化イットリウム粉末3は出来るだけ細かい
方がよく、直径 0.1μm以下まで粉砕させることが好ま
しい。その後、酸化イットリウム3と金属タングステン
粉末1の混合粉末をゴム製容器内に充填し、約2000気圧
の圧力で加圧成形し(b)、この加圧成形体7を真空炉
8中で焼結する(c)。このようにして、ほぼ真密度に
近い緻密な焼結体9を得る(d)。
【0016】なお、タングステンのように焼結温度が高
い金属粉末の場合には、化学量論組成の酸化イットリウ
ム粉末とタングステン粉末を粉砕・混合後加圧成形し、
タングステン粉末があまり焼結しないような低温で加熱
することにより酸化イットリウム粉末の還元処理を施し
た後、再度、タングステン粉末が焼結するような高温で
焼結する製造工程でも同じような効果が得られる。
い金属粉末の場合には、化学量論組成の酸化イットリウ
ム粉末とタングステン粉末を粉砕・混合後加圧成形し、
タングステン粉末があまり焼結しないような低温で加熱
することにより酸化イットリウム粉末の還元処理を施し
た後、再度、タングステン粉末が焼結するような高温で
焼結する製造工程でも同じような効果が得られる。
【0017】このような方法で製作した微細な酸化イッ
トリウムを分散させたタングステンはその焼結過程にお
いて金属タングステン粉末中に微細に分散された、化学
量論組成から酸素原子が欠乏した状態の酸化イットリウ
ム粉末の還元作用により、金属タングテン粉末表面のタ
ングステン酸化物が還元される。その結果、酸化イット
リウム粉末を添加しない場合に比べてタングステン粉末
の焼結性が著しく向上し、常圧焼結のみでほぼ真密度の
タングステン焼結体を得ることができる。また、従来方
法に比べて焼結温度の低温化が可能であり、結晶粒界に
配した酸化イットリウム粉末のピン止め効果と重畳さ
れ、微細結晶粒の焼結体が得られる。
トリウムを分散させたタングステンはその焼結過程にお
いて金属タングステン粉末中に微細に分散された、化学
量論組成から酸素原子が欠乏した状態の酸化イットリウ
ム粉末の還元作用により、金属タングテン粉末表面のタ
ングステン酸化物が還元される。その結果、酸化イット
リウム粉末を添加しない場合に比べてタングステン粉末
の焼結性が著しく向上し、常圧焼結のみでほぼ真密度の
タングステン焼結体を得ることができる。また、従来方
法に比べて焼結温度の低温化が可能であり、結晶粒界に
配した酸化イットリウム粉末のピン止め効果と重畳さ
れ、微細結晶粒の焼結体が得られる。
【0018】このような方法によりタングステン粉末中
に酸化イットリウム粉末を5Vol.%添加した場合(実
施例I)と、10Vol.%添加した場合(実施例II)との
焼結後の相対密度を焼結温度に対してプロットした結果
を図5に示す。また、同図には比較材として酸化イット
リウム粉末を添加しなかった場合(従来方法)も併せて
示す。
に酸化イットリウム粉末を5Vol.%添加した場合(実
施例I)と、10Vol.%添加した場合(実施例II)との
焼結後の相対密度を焼結温度に対してプロットした結果
を図5に示す。また、同図には比較材として酸化イット
リウム粉末を添加しなかった場合(従来方法)も併せて
示す。
【0019】図5からいずれの場合も焼結温度が高くな
るにつれ焼結体の相対密度は上昇する傾向にあるが、酸
化イットリウム粉末を添加しない従来方法では2200℃と
いう高温で焼結してもせいぜい93%の相対密度しか得ら
れなかったが、本発明によれば従来方法よりも 400℃も
低い焼結温度で相対密度が99%を超える焼結体が得られ
る。また、実施例Iと実施例IIの比較では、酸化イット
リウム粉末の添加量が多い実施例IIの方が同じ焼結温度
でも高い相対密度が得られている。焼結後の相対密度に
及ぼす酸化イットリウム粉末の添加量についてはタング
ステン粉末の粒径や酸化の程度また材料の組合せにより
変化するが、このような化学量論組成からずれたセラミ
ック粉末の焼結性向上効果は 0.5体積%の添加でも確認
されている。また、逆に酸化イットリウム粉末の大量添
加は確かに金属粉末の焼結性を向上させるが、強度が低
下するので30体積%以下に抑えることが好ましい。
るにつれ焼結体の相対密度は上昇する傾向にあるが、酸
化イットリウム粉末を添加しない従来方法では2200℃と
いう高温で焼結してもせいぜい93%の相対密度しか得ら
れなかったが、本発明によれば従来方法よりも 400℃も
低い焼結温度で相対密度が99%を超える焼結体が得られ
る。また、実施例Iと実施例IIの比較では、酸化イット
リウム粉末の添加量が多い実施例IIの方が同じ焼結温度
でも高い相対密度が得られている。焼結後の相対密度に
及ぼす酸化イットリウム粉末の添加量についてはタング
ステン粉末の粒径や酸化の程度また材料の組合せにより
変化するが、このような化学量論組成からずれたセラミ
ック粉末の焼結性向上効果は 0.5体積%の添加でも確認
されている。また、逆に酸化イットリウム粉末の大量添
加は確かに金属粉末の焼結性を向上させるが、強度が低
下するので30体積%以下に抑えることが好ましい。
【0020】図6には5体積%の酸化イットリウム粉末
を添加したタングステン焼結体(実施例I)と酸化イッ
トリウム粉末を添加しないタングステン焼結体(実施例
II)の室温における4点曲げ強さを示す。同図より、本
発明により酸化イットリウム粉末を添加したタングステ
ン焼結体の4点曲げ強さは50〜60kgf/mm2 と酸化イット
リウム粉末を添加しない従来方法により製作したタング
ステン焼結体の2〜3倍の値を示しており、これは主と
して緻密化と焼結温度の低温化及び酸化イットリウム粒
子のピン止め効果による結晶粒の微細化によるものであ
る。
を添加したタングステン焼結体(実施例I)と酸化イッ
トリウム粉末を添加しないタングステン焼結体(実施例
II)の室温における4点曲げ強さを示す。同図より、本
発明により酸化イットリウム粉末を添加したタングステ
ン焼結体の4点曲げ強さは50〜60kgf/mm2 と酸化イット
リウム粉末を添加しない従来方法により製作したタング
ステン焼結体の2〜3倍の値を示しており、これは主と
して緻密化と焼結温度の低温化及び酸化イットリウム粒
子のピン止め効果による結晶粒の微細化によるものであ
る。
【0021】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、緻密かつ
高強度、高耐食性の高融点金属部材を塑性加工やHIP
処理といった後処理を施さず、near-net shapeの状態
で、かつ、低コストで得られる製造方法を提供すること
ができる。
高強度、高耐食性の高融点金属部材を塑性加工やHIP
処理といった後処理を施さず、near-net shapeの状態
で、かつ、低コストで得られる製造方法を提供すること
ができる。
【図1】代表的な金属の酸化物標準自由エネルギ―を示
す特性図
す特性図
【図2】酸化皮膜で覆われた金属粉末に金属酸化物粒子
を分散させた状態を示す説明図
を分散させた状態を示す説明図
【図3】図2のものを焼結させた状態を示す説明図
【図4】本発明の一実施例を示す工程図
【図5】本発明の相対密度特性を示す特性図
【図6】本発明の4点曲げ特性を示す特性図
【図7】従来例を示す工程図
1…金属粉末 2…酸化皮膜 3…金属酸化物粒子
Claims (5)
- 【請求項1】 粉末焼結により金属部材を製造する方法
において、マトリクスとなるマトリクス金属粉末と前記
マトリクス金属粉末よりも酸化物生成自由エネルギ―が
小さい金属酸化物粉末を化学量論組成よりも酸素量が低
い状態で混合後、焼結することを特徴とする金属材料の
製造方法。 - 【請求項2】 前記マトリクス金属粉末と前記金属酸化
物粉末を混合後、前記金属酸化物粉末が化学量論組成よ
りも酸素量が低くなるような温度で加熱後、再度、前記
金属酸化物粉末が焼結する温度で加熱することを特徴と
する請求項1記載の金属材料の製造方法。 - 【請求項3】 前記マトリクス金属粉末として粒径が10
μm以下のW、Mo、Ta、Nb、Cr、Co、Re、
Fe、Ni、Cu及びこれらを主成分とする合金である
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の金属材料
の製造方法。 - 【請求項4】 前記金属酸化物粉末として粒径が2μm
以下のY、Sc、Nd、Gd、Th、Dy、Er、C
e、Lu、Ho、Al、Tm、Zr、Hf、Ca、Mg
を主成分とする酸化物であることを特徴とする請求項1
又は請求項2記載の金属材料の製造方法。 - 【請求項5】 前記金属酸化物粉末の添加量が 0.5〜30
体積%であることを特徴とする請求項1又は請求項2記
載の金属材料の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27907392A JPH06128604A (ja) | 1992-10-19 | 1992-10-19 | 金属材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27907392A JPH06128604A (ja) | 1992-10-19 | 1992-10-19 | 金属材料の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06128604A true JPH06128604A (ja) | 1994-05-10 |
Family
ID=17606041
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP27907392A Pending JPH06128604A (ja) | 1992-10-19 | 1992-10-19 | 金属材料の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06128604A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2005085486A1 (ja) * | 2004-03-05 | 2005-09-15 | Mitsubishi Materials C.M.I. Corporation | 高強度および高硬度を有するタングステン系焼結材料およびそれからなる光学ガラスレンズの熱間プレス成形金型 |
| US7713466B2 (en) | 2003-04-28 | 2010-05-11 | Showa Denko K.K. | Valve acting metal sintered body, production method therefor and solid electrolytic capacitor |
| JP2011027382A (ja) * | 2009-07-29 | 2011-02-10 | Denso Corp | 蓄熱構造体およびその製造方法 |
| DE102010022888A1 (de) * | 2010-06-07 | 2011-12-08 | Kennametal Inc. | Legierung für einen Penetrator sowie Verfahren zur Herstellung eines Penetrators aus einer solchen Legierung |
-
1992
- 1992-10-19 JP JP27907392A patent/JPH06128604A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7713466B2 (en) | 2003-04-28 | 2010-05-11 | Showa Denko K.K. | Valve acting metal sintered body, production method therefor and solid electrolytic capacitor |
| WO2005085486A1 (ja) * | 2004-03-05 | 2005-09-15 | Mitsubishi Materials C.M.I. Corporation | 高強度および高硬度を有するタングステン系焼結材料およびそれからなる光学ガラスレンズの熱間プレス成形金型 |
| US7615094B2 (en) | 2004-03-05 | 2009-11-10 | Mitsubishi Materials C.M.I. Corporation | Tungsten-based sintered material having high strength and high hardness, and hot press mold used for optical glass lenses |
| JP2011027382A (ja) * | 2009-07-29 | 2011-02-10 | Denso Corp | 蓄熱構造体およびその製造方法 |
| DE102010022888A1 (de) * | 2010-06-07 | 2011-12-08 | Kennametal Inc. | Legierung für einen Penetrator sowie Verfahren zur Herstellung eines Penetrators aus einer solchen Legierung |
| DE102010022888B4 (de) * | 2010-06-07 | 2012-05-03 | Kennametal Inc. | Legierung für einen Penetrator sowie Verfahren zur Herstellung eines Penetrators aus einer solchen Legierung |
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