JPH06132167A - 固体電解コンデンサの製法 - Google Patents

固体電解コンデンサの製法

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JPH06132167A
JPH06132167A JP4278920A JP27892092A JPH06132167A JP H06132167 A JPH06132167 A JP H06132167A JP 4278920 A JP4278920 A JP 4278920A JP 27892092 A JP27892092 A JP 27892092A JP H06132167 A JPH06132167 A JP H06132167A
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Mamoru Yamagami
守 山上
Chojiro Kuriyama
長治郎 栗山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 固体電解コンデンサの製法で、二酸化マンガ
ン層の形成工程を簡単にし、しかも均一に形成すること
ができ、漏れ電流を低減することができる固体電解コン
デンサの製法を提供する。 【構成】 金属粉末を成形して焼結し、陽極素子を形成
し、前記金属粉末および陽極素子の周囲に酸化皮膜を形
成し、そののち、低濃度の硝酸マンガン水溶液6に前記
陽極素子1を浸漬したのち高温下で乾燥し、ついで、高
濃度の硝酸マンガン水溶液7に前記陽極素子1を浸漬し
たのち高温下で乾燥し、熱分解することにより二酸化マ
ンガン層5を形成する。さらにその周囲にグラファイト
層、銀層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は固体電解コンデンサの製
法に関する。さらに詳しくは、二酸化マンガン層の形成
工程を簡単にするとともに漏れ電流を低減することがで
きる固体電解コンデンサの製法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より知られている固体電解コンデン
サは、つぎのように製造される。
【0003】まず、タンタル、アルミニウム、ニオブな
どの金属粉末を成形し焼結して陽極素子を形成する。つ
いで、陽極酸化などにより、前記金属粉末の周囲に酸化
皮膜を形成する。ついで、硝酸マンガン水溶液に前記酸
化皮膜の形成された陽極素子を浸漬させ、引き出して20
0 〜400 ℃で熱分解する。これを多数回繰り返し、陽極
素子内部の金属粉末周囲の前記酸化皮膜上に二酸化マン
ガン層を形成する。そののち、陽極素子の周囲に電極の
ためのグラファイト層および銀層などからなる金属層を
形成し、固体電解コンデンサが製造される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記二酸化マ
ンガン層形成工程では、焼結された金属粉末の周囲に均
一かつ一定厚さの二酸化マンガン層を形成するために、
硝酸マンガン水溶液への浸漬、引き上げ後の熱分解を多
数回繰り返さなければならない。そのため、陽極酸化膜
が熱劣化を起こし、漏れ電流が増大する。また、前記熱
分解の工数が増大するため、コストアップになるという
問題もある。
【0005】また、初めから高濃度の硝酸マンガン溶液
を用いると、二酸化マンガン層が陽極素子の外部表面を
覆ってしまい多数回繰り返しても陽極素子内部へのしみ
込みが阻止されてしまう。このため、酸化膜の表面に形
成される二酸化マンガン層は酸化膜を完全に覆うことが
できなくなり、コンデンサ形成後の静電容量の減少また
は誘電正接損失の増大などの問題が生じ、歩留まりまた
は品質の低下をもたらす。
【0006】本発明は、かかる問題を解消し、陽極素子
内部への均一かつ一定厚さの二酸化マンガン層形成に必
要な熱分解工程の回数を少なくすることができ、漏れ電
流を低減することができる固体電解コンデンサの製法を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の固体電解コンデ
ンサの製法は、(a)金属粉末を成形して焼結すること
により、陽極素子を形成する工程、(b)前記金属粉末
および陽極素子の周囲に酸化皮膜を形成する工程、
(c)前記酸化皮膜上に二酸化マンガン層を形成する工
程、および(d)前記陽極素子の周囲に金属層を形成す
る工程からなる固体電解コンデンサの製法であって、前
記二酸化マンガン層の形成工程を、(e)水または低濃
度の硝酸マンガン水溶液に前記陽極素子を浸漬したのち
環境温度(たとえば0〜60℃)から昇温して表面を乾燥
させ、(f)そののち、高濃度の硝酸マンガン水溶液に
前記陽極素子を浸漬したのち環境温度(たとえば0〜60
℃)から昇温して前記高濃度の硝酸マンガン水溶液を前
記陽極素子内に浸透させ、(g)さらに昇温して熱分解
することにより前記陽極素子内に二酸化マンガン層を形
成することを特徴としている。
【0008】また、前記(e)工程において前記陽極素
子の表面に付着させた水または低濃度の硝酸マンガン水
溶液の温度が80〜130 ℃になるように昇温し、前記の
(f)工程において前記陽極素子の表面に付着させた高
濃度の硝酸マンガン水溶液の温度が100 〜130 ℃になる
ように昇温することが好ましい。
【0009】さらに、前記陽極素子の表面に熱風を吹き
付けるか、または前記陽極素子の表面を高温熱源に短時
間さらして昇温することが好ましい。
【0010】
【作用】本発明の二酸化マンガン形成工程の方法によれ
ば、陽極素子を、まず水または低濃度の硝酸マンガン水
溶液に浸漬させ、昇温して乾燥させているため、水また
は低濃度の水溶液は内部に浸透し、陽極素子の表面のみ
が乾燥する。ついで、陽極素子を高濃度の硝酸マンガン
水溶液に浸漬し、再度昇温させているため、陽極素子内
部の水または低濃度の水溶液の水蒸気が蒸発して陽極素
子内部が外壁より低圧となる疑似的な真空状態になり、
表面に付着している硝酸マンガン水溶液が内部に吸い込
まれる。すなわち、水または低濃度の水溶液の方が高濃
度の水溶液より沸点が低く、周囲に付着した高濃度水溶
液より早く蒸発し、高濃度の硝酸マンガン水溶液が付着
していない上面などから蒸発し、陽極素子内部の粉末間
に空隙が生じ、周囲に付着された高濃度の硝酸マンガン
水溶液が吸い込まれる。そののち、熱分解することによ
り、均一かつ一定厚さの二酸化マンガン層を形成でき
る。
【0011】
【実施例】つぎに図面を参照しながら、本発明の固体電
解コンデンサの製法について説明する。
【0012】図1は、本発明の一実施例であるタンタル
電解コンデンサの製造工程を示す説明図、図2は図1の
製造工程における二酸化マンガン層形成工程を示す説明
図である。
【0013】まず、金属粉末を成形して焼結することに
より、陽極素子1を形成する(図1(a)参照)。具体
例としては、タンタル粉末を一辺1mm程度の直方体状
に成形し、その上面から内部にワイヤ2を埋め込んだの
ち、焼結することにより陽極素子1を形成する。
【0014】つぎに、前記金属粉末および陽極素子1の
周囲に酸化皮膜3を形成する(図1(b)参照)。具体
例としては、陽極素子1を0.1 重量%(以下、単に%と
表示する)リン酸水溶液4に浸漬し、20〜100 Vで、2
〜3時間の陽極酸化を行うことにより、陽極素子の表面
およびその内部の金属粉末の表面、ならびにワイヤ2の
一部表面に酸化皮膜3、すなわち五酸化タンタル(Ta
2 5 )膜を形成する。
【0015】つぎに、前記酸化皮膜3上に二酸化マンガ
ン層5を形成する(図1(c)、(d)参照)。この二
酸化マンガン層5の形成法は、環境温度(たとえば0〜
60℃)で水または低濃度の硝酸マンガン水溶液6に前記
陽極素子1を浸漬したのち昇温させて表面を乾燥し(図
2(a)、(b)参照)、ついで環境温度(たとえば0
〜60℃)で高濃度の硝酸マンガン水溶液7に前記陽極素
子1を浸漬したのち昇温し、前記高濃度の硝酸マンガン
水溶液を前記陽極素子内に浸透させる(図2(c)、
(d)参照)。さらに昇温して熱分解することにより二
酸化マンガン層5を形成する(図2(e)参照)。ここ
で低濃度の硝酸マンガン水溶液とは、濃度が30%程度以
下が好ましく、高濃度の硝酸マンガン水溶液とは、55〜
78%程度であることが好ましい。
【0016】また、陽極素子を昇温させる手段として
は、たとえば100 〜195 ℃程度の熱風を吹きつけて熱変
換をよくし、短時間で昇温させたり、近赤外線ランプ、
遠赤外線ヒータ、レーザなどの高温熱照射源に短時間さ
らして昇温させる手段をあげることができる。このよう
な熱風下または高温雰囲気下におくことにより、陽極素
子の表面に付着した水または水溶液の温度を80〜130 ℃
程度に短時間で昇温でき、水または低濃度の硝酸マンガ
ン水溶液を付着したのちの昇温では水または低濃度の硝
酸マンガン水溶液が陽極素子1内部の粉末間の間隙に浸
透すると共に、陽極素子1の表面は乾燥する。また、高
濃度の硝酸マンガン水溶液を陽極素子1の側壁周囲に付
着したのちの昇温では、陽極素子1内部に浸透した水ま
たは低濃度の硝酸マンガン水溶液の方が、陽極素子1の
側壁周囲に付着した高濃度の硝酸マンガン水溶液より沸
点が低く蒸発し易いため、先に蒸発し、陽極素子1の上
面の高濃度硝酸マンガン水溶液が付着していない部分な
どから蒸気が抜けて陽極素子1の内部が擬似真空状態に
なり、側壁周囲に付着した高濃度の硝酸マンガン水溶液
が陽極素子1の内部に吸い込まれる。この際、硝酸マン
ガン水溶液が135 ℃以上に昇温されると、陽極素子1の
表面に固化物が付着して、そののちの硝酸マンガン水溶
液が陽極素子1の内部に浸透するのを阻止するため、と
くに高温雰囲気下にさらすばあいは時間制御を充分に行
って温度が上り過ぎないようにする必要がある。
【0017】前述の熱風を吹きつけて昇温するばあいは
風速が大きい程短時間で昇温させることができ、1mm程
度のスリット幅から熱風を吹き出させることにより、比
較的小さい圧縮力で大きい風速をうることができる。風
速と空気温度と陽極素子表面の付着物の温度上昇時間と
のあいだには相互関係が存在する。たとえば、100 ℃の
空気を30m/秒の風速で吹きつけることにより、たとえ
ば25℃の雰囲気下で陽極素子表面の付着物の温度を100
〜130 ℃に上昇させるのに約5秒間要し、195℃の空気
を10m/秒の風速で吹きつけても同様に約5秒程度で10
0 〜130 ℃に昇温させられる。
【0018】また、高温熱照射源によりたとえば25℃か
ら昇温させるばあいには、300 〜900 ℃の雰囲気下に0.
5(900 ℃のばあい)〜5(300 ℃のばあい)秒程度さら
すことにより、陽極素子1の外周壁に付着した水溶液の
温度が100 〜130 ℃になる。なお、600 〜800 ℃で1〜
2秒間さらすのがとくに好ましい。できるだけ短時間で
100 ℃近辺に昇温させることが、陽極素子内部に水溶液
を浸透させるのに効果があり、また逆に温度を上げ過ぎ
ると硝酸マンガンが熱分解して生成物が素子表面に付着
し、水溶液の浸透を阻止するからである。
【0019】具体例としては、25℃の雰囲気下で酸化皮
膜3を有する陽極素子1を約1秒間水に浸漬し、これを
近赤外線ランプで照射して約800 ℃の雰囲気下で約1秒
間乾燥したのち、濃度75%の硝酸マンガン水溶液に約1
秒間浸漬させ、引き上げたのち、再び約800 ℃雰囲気下
で約1秒間加熱した。さらに、230 ℃の分解炉内で5分
間分解させた。この工程を3回繰り返したのち、電解二
酸化マンガンの微細粒子(平均0.2 μm)を濃度64%の
硝酸マンガン水溶液に混合してなる分散液中に陽極素子
1を浸漬し、230 ℃にて分解させ、陽極素子の外周壁に
二酸化マンガン層5を形成する。前記条件は分解工程を
3回繰り返すばあいの条件であり、繰り返す回数が異な
れば、条件も変る。
【0020】ついで、前記陽極素子1の周囲に金属層を
形成する(図1(e)参照)。
【0021】具体例としては、グラファイト分散液また
はそのペースト内に陽極素子1を上面が漬からない程度
の深さで浸漬し、焼成してグラファイト層9を電極下地
層として形成した。さらに、えられた陽極素子1を銀含
有液またはそのペースト内に上面が漬からない程度の深
さで浸漬したのち、乾燥して銀層10を電極外層として形
成した。前記電極下地層となるグラファイト層9および
電極外層となる銀層10は、コンデンサの一方の電極とな
る部分である。このばあい、銀層10に代えてNiメッキ
層を電極外層に採用することもできる。なお、他方の電
極はワイヤ2である。ついで、陽極、陰極双方の外部リ
ード端子を接続し、エポキシ樹脂を用いて外装を行った
(図示せず)。
【0022】以上説明した実施例においてはタンタル粉
末からなる固体電解コンデンサを説明したが、タンタル
以外の、たとえばアルミニウムまたはニオブで固体電解
コンデンサを製造したばあいでも同様の効果がえられ
る。
【0023】つぎに、以下に示す前記実施例の製法によ
って製造された2種類の固体電解コンデンサ(No.1およ
びNo.2)および従来の固体電解コンデンサ(No.3)の特
性を比較検討する。
【0024】No.1:前記実施例の製法によって製造され
たタンタル電解コンデンサ、No.2:前記実施例の製法の
うち水の代わりに濃度20%の硝酸マンガン水溶液を用い
て製造されたタンタル電解コンデンサ、およびNo.3:従
来の製法によって製造されたタンタル電解コンデンサの
特性を比較する。結果は表1の通りである。なお、コン
デンサの仕様は4V、4.7 μFである。
【0025】
【表1】
【0026】表1からわかるように、本発明の製法によ
って製造された実施例No.1および実施例No.2のコンデン
サは熱分解の回数が、従来の製法によって製造されたN
o.3のコンデンサよりも少なくて済むとともに、漏れ電
流も大幅に低減されていることがわかる。また、誘電正
接(損失係数)tanδも同様に低減している。一方、
耐電圧は従来例に比べて向上しているのがわかる。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、硝酸マンガン水溶液へ
の浸漬と熱分解の回数を少なくすることができるため、
工数が低減し、コストダウンを達成できると共に、充分
に硝酸マンガン水溶液を内部にしみ込ませることができ
る。さらに、これにともない、酸化皮膜の熱劣化を防ぐ
ことができ、漏れ電流を大幅に低減することができると
共に、内部まで充分に二酸化マンガン層が形成されてい
るため、高性能の固体電解コンデンサをうることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるタンタル電解コンデン
サの製造工程を示す説明図である。
【図2】図1の製造工程における二酸化マンガン層形成
工程を示す説明図である。
【符号の説明】
1 陽極素子 3 酸化皮膜 5 二酸化マンガン層 6 低濃度の硝酸マンガン水溶液 7 高濃度の硝酸マンガン水溶液 9 グラファイト層 10 銀層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)金属粉末を成形して焼結すること
    により、陽極素子を形成する工程、 (b)前記金属粉末および陽極素子の周囲に酸化皮膜を
    形成する工程、 (c)前記酸化皮膜上に二酸化マンガン層を形成する工
    程、および (d)前記陽極素子の周囲に金属層を形成する工程 からなる固体電解コンデンサの製法であって、 前記二酸化マンガン層の形成工程を、 (e)水または低濃度の硝酸マンガン水溶液に前記陽極
    素子を浸漬したのち昇温して表面を乾燥させ、 (f)そののち、高濃度の硝酸マンガン水溶液に前記陽
    極素子を浸漬したのち昇温して前記高濃度の硝酸マンガ
    ン水溶液を前記陽極素子内に浸透させ、 (g)さらに昇温して熱分解することにより前記陽極素
    子内に二酸化マンガン層を形成することを特徴とする固
    体電解コンデンサの製法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の(e)工程において前記
    陽極素子の表面に付着させた水または低濃度の硝酸マン
    ガン水溶液の温度が80〜130 ℃になるように昇温し、請
    求項1記載の(f)工程において前記陽極素子の表面に
    付着させた高濃度の硝酸マンガン水溶液の温度が100 〜
    130 ℃になるように昇温することを特徴とする請求項1
    記載の固体電解コンデンサの製法。
  3. 【請求項3】 前記前記陽極素子の表面に熱風を吹き付
    けて昇温することを特徴とする請求項1または2記載の
    固体電解コンデンサの製法。
  4. 【請求項4】 前記陽極素子の表面を高温熱源に短時間
    さらして昇温することを特徴とする請求項1または2記
    載の固体電解コンデンサの製法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6151205A (en) * 1997-09-10 2000-11-21 Nec Corporation Solid electrolytic capacitor and method for making the same
JP2003234253A (ja) * 2002-02-06 2003-08-22 Rohm Co Ltd 固体電解コンデンサの製造方法
CN103093964A (zh) * 2013-01-15 2013-05-08 中国振华(集团)新云电子元器件有限责任公司 一种降低钽电容器高频等效串联电阻的钽阳极块加工方法
JP2018129437A (ja) * 2017-02-09 2018-08-16 株式会社村田製作所 固体電解コンデンサ、及び、固体電解コンデンサの製造方法

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